JP2818056B2 - 抗菌性ペプチドおよび抗菌剤 - Google Patents
抗菌性ペプチドおよび抗菌剤Info
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Description
び抗菌剤に関するものである。さらに詳しくは、この発
明は、新規な抗菌性ペプチド、このペプチドの塩、また
はそれらの2以上の混合物を有効成分として含有する抗
菌剤、この抗菌剤を用いて物品を処理する方法、および
このペプチドの塩、またはそれらの2以上の混合物を有
効成分として含有する抗菌性ペプチド配合物に関するも
のである。
ドはアイユーピーエーシー−アイユービー生化学命名委
員会(IUPAC-IUB CBN )で採用された略記法に基づいて
表示され、例えば次の略号が使用される。 Ala-:L-アラニン残基 Arg-:L-アルギニン残基 Asn-:L-アスパラギン残基 Asp-:L-アスパラギン酸残基 Cys-:L-システイン残基 Gln-:L-グルタミン残基 Glu-:L-グルタミン酸残基 Gly-:L-グリシン残基 His-:L-ヒスチジン残基 Ile-:L-イソロイシン残基 Leu-:L-ロイシン残基 Lys-:L-リジン残基 Met-:L-メチオニン残基 Phe-:L-フェニルアラニン残基 Pro-:L-プロリン残基 Ser-:L-セリン残基 Thr-:L-スレオニン残基 Trp-:L-トリプトファン残基 Tyr-:L-チロシン残基 Val-:L-バリン残基
用を有するペプチドについては多数の発明が知られてい
る。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に有効な
ホスホノトリペプチド(特開昭57-106689 号公報)、ホ
スホノジペプチド誘導体(特開昭58-13594号公報)、環
状ペプチド誘導体(特開昭58-213744 号公報)、抗菌お
よび抗ウイルス作用を示すペプチド(特開昭59-51247号
公報)、酵母に有効なポリペプチド(特開昭60-130599
号公報)、グラム陽性菌に有効な糖ペプチド誘導体(特
開昭60-172998 号公報、特開昭61-251699 号公報、特開
昭63-44598号公報)、グラム陽性菌に有効なオリゴペプ
チド(特開昭62-22798号公報)、ペプチド系抗生物質
(特開昭62-51697号公報、特開昭63-17897号公報)、そ
の他北米産カブトガニの血球から抽出した抗菌性ペプチ
ド(特開平2-53799 号公報)、蜜蜂の血リンパから単離
した抗菌性ペプチド(特表平2-500084号公報)等が知ら
れている。
血、乳汁等に含まれている天然の鉄結合性蛋白質であ
り、大腸菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害
微生物に対して抗菌作用を示すことが知られている[ジ
ャーナル・オブ・ペディアトリクス(Journal of Pedia
trics )、第94巻、第1ページ、1979年]。また、ヒ
トのラクトフェリンについては詳細な研究が行われ、そ
の全アミノ酸配列が、メツ・ブティーグ (Mezt-Boutigu
e)ら[ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミス
トリー(Eouropean Jounal of Biochemistry)、第14
5巻、第659〜676ページ、1984年]により報
告されているが、抗菌性を有するラクトフェリン加水分
解物のアミノ酸配列については知られていない。
は、望ましくない副作用等(例えば、抗原性等)がな
く、耐熱性があり、かつ強い抗菌作用を有する物質を自
然界から安価に単離することを企図し、チーズ製造時の
副産物であるホエーに着目し、この中に含まれているラ
クトフェリンの抗菌性について研究を行い、ラクトフェ
リンを酸又は酵素により加水分解した分解物が未分解の
ラクトフェリンよりも強い耐熱性および抗菌性を有する
ことを見出し、既に特許出願を行った(特願平2-13315
号。以下先願と記載する)。
の加水分解物中に存在する抗菌性物質については、その
組成および作用についての解明が十分ではなく、このた
め、有効な抗菌剤の開発にまでは到っていなかった。こ
の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたもので
あり、従来技術および先願発明の課題を解消し、ラクト
フェリンの加水分解物から単離することのできる特定の
アミノ酸配列を有する新規な抗菌性ペプチドと、このペ
プチドを有効成分として含有する抗菌剤、この抗菌剤を
用いて物品を処理する方法、およびこのペプチドを有効
成分として含有する抗菌性ペプチド配合物を提供するこ
とを目的としている。
を解決するものとして、少なくとも下記のアミノ酸配列
を含む抗菌性ペプチド、少なくとも下記のアミノ酸配列
を含むペプチド、それらの薬理学的または食品学的に許
容される塩類、およびそれらの2以上の混合物からなる
群より選択される物質を有効成分として含有することを
特徴とする抗菌剤、この抗菌剤を用いて物品を処理する
方法、および少なくとも下記アミノ酸配列を含むペプチ
ド、その薬理学的または食品学的に許容される塩類、お
よびそれらの2以上の混合物からなる群より選択される
物質を有効成分として含有することを特徴とするペプチ
ド配合物を提供する。
ついて詳しく説明する。この発明のペプチドは、常法に
より化学的に合成することもできるが、例えば哺乳類の
ラクトフェリンから次のようにして単離することができ
る。すなわち、哺乳類(例えば、人、牛、水牛、馬、山
羊、羊等)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、これらの
処理物である脱脂乳、ホエー等(以下これらを乳等と記
載する)からイオン交換クロマトグラフィー等の常法に
より分離したラクトフェリン、ラクトフェリンから鉄を
除去したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンに
鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属をキレートさせた金属
飽和ラクトフェリン(以下これらをまとめてLFと記載
する)を、例えば、酸または酵素で加水分解し、得られ
た加水分解物(以下この加水分解物をLF加水分解物と
記載する)からペプチドを単離することができる。
Fを0.1 〜20%(重量。以下特に断りのない限り同
じ)、望ましくは5〜15%の濃度で水、精製水等に溶
解し、得られた溶液に塩酸、リン酸等の無機酸、または
クエン酸等の有機酸を添加し、溶液のpHを1〜4に調整
する。このpHを調整した溶液を、適当な温度で所定時間
加熱し、LFを加水分解する。例えば、pHを1〜2に調
整した場合は 80〜130 ℃で、pH2〜4に調整した場
合は100 〜130 ℃でそれぞれ1〜120 分間加熱する。次
いで反応液を常法により冷却し、必要に応じて中和し、
脱塩し、脱色することもできる。
LFを0.5 〜20%、望ましくは5〜15%の濃度で
水、殺菌水、精製水等に溶解し、酵素を添加し、加水分
解を行う。使用する酵素には特に制限はなく、市販の
品、例えばモルシンF(商標。盛進製薬社製。至適pH2.
5 〜3.0 )、豚ペプシン(和光純薬社製。至適pH2〜
3)、スミチームAP(商標。新日本化学社製。至適pH
3.0 )、アマノA (商標。天野製薬社製。至適pH7.0
)、トリプシン(ノボ社製。至適pH8.0 )等のエンド
ペプチダーゼを単独または任意に組合わせて使用する。
更にこれらの酵素に、例えば特公昭48-43878号公報記載
の方法により得られる乳酸菌由来のエキソペプチダー
ゼ、ペプチダーゼを含有する市販のしょう油酵素(田辺
製薬社製)を組合わせて使用してもよい。使用する酵素
の量は基質に対して0.1 〜5.0 %の範囲とする。
に調整し、酵素を添加し、15〜55℃、望ましくは3
0〜50℃で、30〜600 分間、望ましくは 60〜30
0 分間保持してLFを加水分解する。次いで反応液をそ
のままあるいは中和し、常法により酵素を加熱失活さ
せ、必要に応じて中和し、脱色することもできる。この
ようにして得たLF加水分解物から通常のクロマトグラ
フ法等を用いて、この発明の抗菌性ペプチドを単離する
ことができる。例えば、TSKゲルODS120 T(東ソ
ー社製)を用いた高速液体クロマトグラフ法では、アセ
トニトリルのグラジエントで所定の分画に溶出させ、単
離することができる。
発明の抗菌性ペプチドを単離することができる。単離し
た抗菌性ペプチドは試験例2,4,6および8に示すよ
うに、いずれも次のAまたはBのアミノ酸配列を共通に
含んでおり、これらの共通アミノ酸配列以外の部分のア
ミノ酸配列が変化しても抗菌性に差異は認められなかっ
た(試験例1,3,5および7を参照)。
する例を示せば次のとおりである。ペプチド自動合成装
置(例えば、ファルマシアLKBバイオテクノロジー社
製。LKB Biolynk 4170)を用い、シェパード等[ジ
ャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー・パーキン
I(Journal of Chemical Society Perkin I)、第53
8 ページ、1981年]による固相ペプチド合成法に基づい
て合成する。アミン官能基を9−フルオレニルメトキシ
カルボニル(Fmoc)基で保護したアミノ酸(以下Fmoc-
アミノ酸と略記する)に、N,N′−ジシクロヘキシル
カルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生
成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いる。ペ
プチド鎖を製造するためにC−末端のアミノ酸残基に相
当するFmoc- アミノ酸無水物を、そのカルボキシル基を
介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシ
ンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジー社
製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジ
メチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミ
ン官能基の保護基を除去する。のち所望のペプチドのア
ミノ酸配列のC−末端から2番目のアミノ酸残基に相当
するFmoc−アミノ酸無水物を前記C−末端アミノ酸残基
を介して樹脂に固定された1番目のアミノ酸の脱保護ア
ミン官能基にカップリングさせる。以下同様にして順次
所望のアミノ酸を固定する。ただし、システインについ
てはアセトアミドメチルによりSH基を保護したFmoc−
アミノ酸を用いる。全部のアミノ酸のカップリングが終
了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された
後、溶媒(例えば、94%トリフルオロ酢酸、5%フェ
ノールおよび1%エタンジオールからなる)でアセトア
ミドメチル以外の保護基の除去およびペプチドの脱離を
行い、高速液体クロマトグラフ法によりアセトアミドメ
チル化ペプチドを精製する。次いで、このアセトアミド
メチル化ペプチドを0.5mM の濃度で90%酢酸水溶液に
溶解し、その1/4 量の1M塩酸を添加し、8倍量の50
mMヨードを含む90%酢酸水溶液を添加し、30分間激
しく撹拌する。のち1/22.5量の1Mチオ硫酸ナトリウム
水溶液を添加して反応を停止し、1/3 の容積に濃縮す
る。この濃縮液をセファデックス−G15(ファルマシ
ア社製)により分画し、SS結合を形成したペプチドを
精製する。
験例9に示すように天然から単離したペプチドと同様に
抗菌性を有していた。酵素で加水分解して得られた抗菌
性ペプチドおよび合成して得られた抗菌性ペプチドのジ
スルフィド結合の形成を防止するため、チオール基を常
法により化学的に修飾(例えばピリジルエチル化)した
下記のペプチドも同様に抗菌性を有している(試験例1
1)。 Lys-Cys*-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-G
ly-Ala-Pro-Ser-Ile-Thr-Cys*-Val- および Lys-Cys*-Phe-Gln-Trp-Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-A
rg-Gly-Pro-Pro-Val-Ser-Cys*-Ile- (上記アミノ酸配列においてCys*- は、チオール基を化
学的に修飾したシステインを示す) 得られた抗菌性ペプチド、それらの薬理学的または食品
学的に許容される塩類、またはそれらの2種以上の混合
物を有効成分として少なくとも5ppm 、望ましくは10
〜50ppm の濃度で含有させ、この発明の抗菌剤、また
は抗菌性ペプチド配合物を得ることができる。
誘導体は、そのまま人または動物に投与することがで
き、あるいは食品(例えば、チュウインガム等)、医薬
品(例えば、目薬、乳房炎治療剤、下痢防止剤、水虫薬
等)、医薬部外品(例えば、口中洗浄剤、制汗剤、養毛
剤等)、各種化粧品(例えば、整髪料、クリーム、乳液
等)、各種歯磨用品(例えば、歯磨、歯ブラシ等)、各
種生理用品、各種ベビー用品(例えば、オムツ等)、各
種高齢者用品(例えば、入れ歯固定剤、オムツ等)、各
種洗剤(例えば、石鹸、薬用石鹸、シャンプー、リン
ス、洗濯用洗剤、キッチン用洗剤、住宅用洗剤等)、各
種除菌用品(例えば、キッチン用除菌ペーパー、トイレ
ット用除菌ペーパー等)、飼料(例えば、ペットフード
等)、それらの原料となる素材、その他一般に微生物の
増殖の防止、抑制が望まれるあらゆる物品に添加、配
合、噴霧、付着、被覆、含浸等を行ってもよく、又その
他一般に微生物の増殖の防止、抑制が望まれるあらゆる
物品の処理に用いることができる。
誘導体は、他の抗菌剤と併用して使用することができ、
そのまま人または動物に投与することができ、あるいは
食品(例えば、チュウインガム等)、医薬品(例えば、
目薬、乳房炎治療剤、下痢防止剤、水虫薬等)、医薬部
外品(例えば、口中洗浄剤、制汗剤、養毛剤等)、各種
化粧品(例えば、整髪料、クリーム、乳液等)、各種歯
磨用品(例えば、歯磨、歯ブラシ等)、各種生理用品、
各種ベビー用品(例えば、オムツ等)、各種高齢者用品
(例えば、入れ歯固定剤、オムツ等)、各種洗剤(例え
ば、石鹸、薬用石鹸、シャンプー、リンス、洗濯用洗
剤、キッチン用洗剤、住宅用洗剤等)、各種除菌用品
(例えば、キッチン用除菌ペーパー、トイレット用除菌
ペーパー等)、飼料(例えば、ペットフード等)、それ
らの原料となる素材、その他一般に微生物の増殖の防
止、抑制が望まれるあらゆる物品に添加、配合、噴霧、
付着、被覆、含浸等を行ってもよく、又その他一般に微
生物の増殖の防止、抑制が望まれるあらゆる物品の処理
に用いることができる。
る。 (試験例1)この試験は、牛のLFの酵素加水分解物か
ら単離した抗菌性ペプチドの抗菌活性を調べるために行
った。 (1)試験方法 前培養液の調製 大腸菌(Escherichia coli)の保存スラントから1白金耳
を採取し、標準寒天培地(日水製薬社製)に塗抹して3
5℃で16時間好気培養し、標準寒天培地の表面に生育
したコロニーを白金耳でかき取り、滅菌生理食塩水に懸
濁し、分光光度計(日立製作所製)で測定した濁度(測
定波長660nm )を1.0 に調整し、前培養液を調製した。 基本培地の調製 バクトカジトン(ディフコラボラトリー社製)を1%の
濃度で、精製水に溶解し、1M水酸化ナトリウムでpHを
7.0 に調整し、115 ℃で15分間滅菌し、基本培地(液
体培地)を調製した。 試験培地および対照培地の調製 各試料を0.01%の濃度で精製水に溶解し、滅菌フィルタ
ー(アドバンテック社製)で除菌し、1,5,10,5
0、および100ppmの濃度で基本培地に添加した試験培地
および無添加の対照培地を調製した。 抗菌性試験 上記試験培地および対照培地に上記前培養液を1%の濃
度で接種し、35℃で16時間好気培養し、培養液の濁
度を上記と同様の方法で測定し、次式から大腸菌の増殖
阻止率を算出した。
験培養液の濁度と培養前の試験培養液の濁度との差)
を、Bは対照培地の濁度差(培養16時間後の対照培養
液の濁度と培養前の対照培養液の濁度との差)をそれぞ
れ示す。尚、増殖阻止率の百分率は重量によるものでは
ない(以下同じ)。 (2)試料の調製および試験結果 実施例1と同一の方法により調製した牛のLFのペプシ
ン加水分解物の透明な上清を、精製水により約2%(W
/V)に希釈し、その100 μlを、予め、0.05%のトリ
フルオロ酢酸(TFA)を含む20%アセトニトリル溶
液で平衡化したTSKゲルODS−120 T(4.6 ×150
mm)を用いたクロマトグラフィーにかけ、0.8 ml/分の
流速で10分後から30分間、0.05%のTFAを含む2
0〜60%のアセトニトリルのリニアグラジエントで溶
出し、LF加水分解物注入5分後から1分毎に溶出液を
集め、図1に示した溶出曲線を得た。この図1はリニア
グラジェント高速液体クロマトグラフィーにより溶出し
た分画の280nm における吸光曲線であり、横軸は時間
(分)を、右縦軸はアセトニトリルの濃度を、破線はア
セトニトリルの濃度変化をそれぞれ示している。この操
作を10回反復し、各画分を真空乾燥し、それぞれの画
分について抗菌性を前記試験方法により試験した結果、
溶出液採取後24〜25分の画分にのみ5ppm の濃度で
抗菌性効果が認められた。
/V)に溶解し、その100 μlを予め0.05%のトリフル
オロ酢酸(TFA)を含む20%アセトニトリル溶液で
平衡化したTSKゲルODS−120 T(4.6 ×150 mm)
を用いたクロマトグラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速
で10分後から30分間、0.05%のTFAを含む24〜
32%のアセトニトリルのリニアグラジエントで溶出
し、6つの画分を集め、図2に示した溶出曲線を得た。
この図2はリニアグラジエント高速液体クロマトグラフ
ィーにより溶出した分画の280nm における吸光曲線であ
り、横軸は時間(分)を、右縦軸はアセトニトリルの濃
度を破線はアセトニトリルの濃度変化をそれぞれ示し、
図中1〜6の数字はピークの番号を示している。この操
作を10回反復し、各画分を真空乾燥し、それぞれの画
分について抗菌性を前記試験方法により試験した。その
結果、表1に示したようにピーク6にのみ5ppm の濃度
で抗菌性効果を認めた。なお、ピーク2,4および5は
収量がすくなかったので、100ppmの添加量の試験は行わ
なかった。
た抗菌性ペプチドのアミノ酸配列を決定するために行っ
た。試験例1で得たペプチドを6N塩酸で加水分解し、
アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析
した。同一の試料を気相シークェンサー(アプライド・
バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解
を行い、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。また
DTNB(5,5−ジチオービス(2−ニトロベンゾイ
ック・アシド))を用いたジスルフィド結合分析法[ア
ナリティカル・バイオケミストリー(Analytical Bioc
hemistry)、第67巻、第493 ページ、1975年]により
ジスルフィド結合が存在することを確認した。
ノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基
がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN
−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイ
ン残基からC−末端側に5個のアミノ酸残基が、それぞ
れ結合した次のアミノ酸配列を有していた。
水分解物から単離した抗菌性ペプチドの抗菌活性を調べ
るために行った。 (1) 試料の調製 実施例2と同一の方法により牛のLF加水分解物から2
種のペプチドを単離した。 (2) 試験方法 試験例1と同一の方法によった。 (3) 試験結果 この試験の結果を表2に示した。実施例2と同一の方法
により分解した2種のペプチド(クロマトグラフィーに
より21〜22分に溶出したペプチド1および29〜3
0分に溶出したペプチド2)にのみ5ppm の濃度で抗菌
性効果が認められた。
た抗菌性ペプチドのアミノ酸配列を決定するために行っ
た。試験例3と同一の方法により単離した抗菌性ペプチ
ドを試験例2と同一の方法により試験を行い、次の2種
のペプチドのアミノ酸配列を決定した。
からなり、16番目と33番目のシステイン残基がジス
ルフィド結合し、16番目のシステイン残基からN−末
端側に15個のアミノ酸残基が、33番目のシステイン
残基からC−末端側に5個のアミノ酸残基が、それぞれ
結合していた。
り、10番目と27番目のシステイン残基がジスルフィ
ド結合し、10番目のシステイン残基からN−末端側に
9個のアミノ酸残基が、27番目のシステイン残基から
C−末端側に5個のアミノ産残基が、それぞれ結合して
いた。
シン加水分解物から単離した抗菌性ペプチドの抗菌活性
を調べるために行った。 (1)試料の調製 実施例3と同一の方法により人のLF加水分解物からペ
プチドを単離した。 (2)試験方法 試験例1と同一の方法によった。 (3)試験結果 実施例3と同一の方法により分離したペプチドにのみ抗
菌性効果が認められ、このペプチドを1,5,10,5
0および100ppmの濃度で添加したときの増殖阻止率は、
それぞれ3,86,100 ,100 および100 %であった。 (試験例6)この試験は試験例5で単離した抗菌性ペプ
チドのアミノ酸配列を決定するために行った。
性ペプチドを試験例2と同一の方法により試験を行い、
次のアミノ酸配列を決定した。その結果、このペプチド
は、47個のアミノ酸残基からなり、9番目と26番目
のシステイン残基がジスルフィド結合し、9番目のシス
テイン残基からN−末端側に8個のアミノ酸残基および
C−末端側に10個のアミノ酸残基が結合し、C−末端
側の35番目のシステイン残基がジスルフィド結合して
システイン残基を含む11個のアミノ酸残基と結合して
いた。この配列は、N−末端から11番目のアラニン残
基と12番目のバリン残基との結合が酵素により切断さ
れているが、前記メツ・ブティーグ(Mezt-Boutigue)ら
が報告した公知のヒトラクトフェリンのN−末端から4
7番目までのアミノ酸配列と完全に一致していた。
プロテアーゼ加水分解物から単離した抗菌性ペプチドの
抗菌活性を調べるために行った。 (1)試料の調製 実施例4と同一の方法により人のLF加水分解物からペ
プチドを単離した。 (2)試験方法 試験例1と同一の方法によった。 (3)試験結果 実施例4と同一の方法により分離したペプチドにのみ抗
菌性効果が認められ、このペプチドを1,5,10,5
0および100ppmの濃度で添加したときの増殖阻止率は、
それぞれ7,93,100 ,100 および100 %であった。 (試験例8)この試験は試験例7で単離した抗菌性ペプ
チドのアミノ酸配列を決定するために行った。
性ペプチドを試験例2と同一の方法により試験を行い、
次のアミノ酸配列を決定した。その結果、このペプチド
は、25個のアミノ酸残基からなり、4番目と21番目
のシステイン残基がジスルフィド結合し、4番目のシス
テイン残基からN−末端側に3個のアミノ酸残基が、2
1番目のシステイン残基からC−末端側に4個のアミノ
酸残基が、それぞれ結合していた。
ペプチドと同一のペプチドを、化学的に合成し、その抗
菌活性を調べるために行った。 (1)試料の調製 実施例5と同一の方法によりペプチドを合成した。 (2)試験方法 試験例1と同一の方法によった。 (3)試験結果 この試験の結果、化学的に合成したペプチドは牛のLF
加水分解物から単離したペプチドである試験例2のペプ
チドと同等の抗菌性を示した。 (試験例10) この試験は、試験例9においてペプチドを合成する過程
で生成するアセトアミドメチル化ペプチドの抗菌性を調
べるために行った。
メチル化ペプチドを合成し、試験例1と同一の方法によ
り試験した結果、アセトアミドメチル化ペプチドも5pp
m の濃度で抗菌活性を示した。 (試験例11)この試験は、ジスルフィド結合を開裂し
たペプチドの抗菌性を調べるために行った。
チドをフルマー等の方法[アナリティカル・バイオケミ
ストリー(Analytical Biochemistry) 、第142 巻、第33
6 頁、1984年]により還元し、ピリジルエチル化した。
このペプチドを試験例1と同一の方法により試験した結
果、5ppm の濃度で抗菌活性を示した。 (試験例12) この試験は、この発明の抗菌性ペプチドの抗菌スペクト
ルを調べるために行った。 (1) 試料の調製 実施例1と同一の方法により抗菌性ペプチドを調製し、
使用前にフィルター(0.45μm マイレックス・フィルタ
ー)で瀘過して除菌した。 (2) 試験方法 表3および表4に示した各種微生物を、1%バクトペプ
トン(ディフコ・ラボラトリー社製)からなるペプトン
培地2ml、および1%バクトペプトン(ディフコ・ラボ
ラトリー社製)、1%グルコースおよび0.05%酵母エキ
ストラクトからなるPYG培地2mlで16から20時間
培養した。各培地には0〜60μg/mlの各種割合で抗
菌性ペプチドを添加した。対数期の各種微生物の標準菌
株を106 /mlの菌濃度で各培地に接種し、表の注に記
載した菌株以外は37°Cで培養した。各種微生物の成
育状態を660nm の吸光度を測定して試験した。各種微生
物の成育を完全に阻止した抗菌性ペプチドの最小濃度を
最小増殖阻止濃度(MIC.μg/ml)とした。 (3) 試験結果 この試験の結果は、表3および表4に示したとおりであ
る。表3および表4から明らかなように、抗菌性ペプチ
ドは、好気性および嫌気性の細菌を含む多種類のグラム
陽性細菌、グラム陰性細菌、および酵母に対して45μ
g/ml以下の低濃度で抗菌作用を示した。完全に微生物
の成育を阻止する抗菌性ペプチドの濃度は、培地により
異なっていた。試験した微生物の中でPseudomonas fluo
rescensIFO-141602およびEnterococcus faecalis ATCC-
E19433 は、この試験条件で抗菌性ペプチドに耐性を示
した。
いてもほぼ同様の結果が得られた。
菌性ペプチドの影響を調べるために行った。 (1) 試料の調製 実施例1と同一の方法により抗菌性ペプチドを調製し
た。 (2) 試験方法 表5および表6に示した各種微生物の対数期の菌を、試
験例12と同一のPYG培地に懸濁し、抗菌性ペプチド
を添加しない対照と31μg/mlの割合で添加した試料
とについてウォーターバスで30℃に保持して振盪培養
機を用いて培養した。60分後、試験例12と同一のペ
プトン培地で10倍毎に希釈した培養液を調製し、寒天
平板培地または形成したコロニーの測定のために適当な
他の培地を用いて菌数を測定し、各種微生物について対
照に対する抗菌性ペプチド添加試料の百分率を算出して
生残率を試験した。 (3) 試験結果 この試験の結果は、表5および表6に示したとおりであ
る。表5および表6から明らかなように、抗菌性ペプチ
ドは、好気性および嫌気性の細菌を含む多種類のグラム
陽性細菌、グラム陰性細菌、および酵母に対して抗菌作
用を示した。
lの濃度で60分以内に完全に微生物のコロニー形成能
の喪失により示された。試験した微生物の中でPseudomo
nasfluorescens IFO-141602 およびBifidobacterium b
ifidum ATCC-15695は、この試験条件で抗菌性ペプチド
に耐性を示した。なお、この発明の他の抗菌性ペプチド
についてもほぼ同様の結果が得られた。
果を調べるために行った。 (1) 試料の調製 実施例1と同一の方法により抗菌性ペプチドを調製し、
使用前にフィルター(0.45μm マイレックス・フィルタ
ー)で瀘過して除菌した。 (2) 試験方法 バクトペプトン(ディフコ・ラボラトリー社製)1%、
グルコ−ス4%、寒天1.5%よりなるSabouraud の斜
面培地4mlに表7に示した黴を接種し、25℃で1週
間培養した。この培地上に1%ペプトン水1mlを積層
し、ボルテックスにより撹拌し、胞子を回収した。胞子
懸濁液20μlを1%バクトペプトン(ディフコ・ラボ
ラトリー社製)からなるペプトン培地2ml、および1
%バクトペプトン(ディフコ・ラボラトリー社製)、1
%グルコースおよび0.05%酵母エキストラクトからなる
PYG培地2mlで20時間培養した。各培地には0〜
60μg/mlの各種割合で抗菌性ペプチドを添加し
た。初菌数はRose bengal を0.005%を添加したSabourau
d の寒天培地により測定し、20時間後に菌糸の生育が
認められない濃度を最小発育阻止濃度(MIC.μg/
ml)とした。 (3) 試験結果 この試験の結果は、表7に示したとおりである。表7か
ら明らかなように、抗菌性ペプチドは、各種の黴に対し
て45μg/ml以下の低濃度で抗菌作用を示した。完
全に黴の成育を阻止する抗菌性ペプチドの濃度は、培地
により異なっていた。試験した黴の中でAspergillus fu
migatus JCM1739TおよびRhizopus oryzae は、この試験
条件で抗菌性ペプチドに耐性を示した。なお、この発明
の他の抗菌性ペプチドについてもほぼ同様の結果が得ら
れた。
り製造した抗菌性ペプチドを0.001%の濃度で精製
水に溶解し、ティシュペーパーを浸漬し、お手ふき用ウ
エットティシュペーパー(試料)を製造した。精製水に
ティシュペーパーを浸漬して同様に製造したお手ふき用
ウエットティシュペーパーを対照とした。
で含む水溶液0.3mlを、滅菌したシャーレに入れ、風
乾した。このシャーレを試料又は対照で1回清拭し、の
ちこのシャーレに滅菌水5mlを加え、この滅菌水中に生
残している大腸菌を、常法により普通寒天培地で培養し
て測定した。その結果、試料で清拭したシャーレでは4
2個の大腸菌が測定されたのに対して、対照で清拭した
シャーレでは38,000個の大腸菌が測定され、抗菌
性ペプチド水溶液に浸漬したウエットティシュペーパー
は、格段の殺菌効果を示した。
く説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定され
るものではない。
溶解し、0.1 M塩酸でpHを2.5 に調整し、のち市販の豚
ペプシン(シグマ社製)1mgを添加し、37℃で6時間
加水分解した。次いで 0.1 N水酸化ナトリウムでpHを
7.0 に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活さ
せ、室温に冷却し、15,000rpm で30分間遠心分離し、
透明な上清を得た。この上清100 μlをTSKゲルOD
S−120T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後10分
間0.05%TFAを含む20%アセトニトリルで溶出し、
のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセト
ニトリルのグラジエントで溶出し、24〜25分の間に
溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%
(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルO
DS−120 T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマト
グラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後10
分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出
し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のア
セトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.5分の
間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回反復
し、真空乾燥し、抗菌性ペプチド約1.5 mgを得た。 実施例2 市販の牛のLF(ベルギーのオレオフィナ社製)50mg
を精製水0.95mlに溶解し、1M塩酸でpHを2.0 に調整
し、120 ℃で15分間加熱して加水分解し、室温に冷却
した。次いで0.1 N水酸化ナトリウムでpHを7.0 に調整
し、15,000rpm で30分間遠心分離し、透明な上清を得
た。この上清100 μlをTSKゲルODS−120 T(東
ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーにか
け、0.8 ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TF
Aを含む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間
0.05%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグ
ラジエントで溶出し、23〜25分の間に溶出する画分
を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の
濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120 T
(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグラフィーに
かけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%T
FAを含む24%アセトニトリルで溶出し、のち30分
間0.05%TFAを含む24〜32%のアセトニトリルの
グラジエントで溶出し、21〜22分および29〜30
分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回反
復し、真空乾燥し、抗菌性ペプチド約3mgを得た。 実施例3 市販の人のLF(シグマ社製)20mgを精製水1.0 mlに
溶解し、0.1 N塩酸でpHを2.5 に調整し、のち市販の豚
ペプシン(シグマ社製)0.5 mgを添加し、37℃で5時
間加水分解した。次いで0.1 N水酸化ナトリウムでpHを
7.0 に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活さ
せ、室温に冷却し、15,000rpm で30分間遠心分離し、
透明な上清を得た。この上清100 μlをTSKゲルOD
S−120T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマトグ
ラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後10分
間0.05%TFAを含む20%アセトニトリルで溶出し、
のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセト
ニトリルのグラジエントで溶出し、23〜24分の間に
溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%
(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルO
DS−120 T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマト
グラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後10
分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出
し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のア
セトニトリルのグラジエントで溶出し、28〜31分の
間に溶出する画分を集めた。上記の操作を10回反復
し、真空乾燥し、抗菌性ペプチド約1mgを得た。 実施例4 市販の人のLF(シグマ社製)50mgを10mMリン酸緩
衝液0.95mlに溶解し、市販のV8プロテアーゼ(ベーリ
ンガーマンハイム社製)1.5 mgを添加し、37℃で8時
間加水分解した。次いで 0.1 N水酸化ナトリウムでpH
を7.0 に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活
させ、室温に冷却し、15,000rpm で30分間遠心分離
し、透明な上清を得た。この上清100 μlをTSKゲル
ODS−120 T(東ソー社製)を用いた高速液体クロマ
トグラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入後1
0分間0.05%TFAを含む20%のアセトニトリルで溶
出し、のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%の
アセトニトリルのグラジエントで溶出し、23〜24分
の間に溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物
を2%(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSK
ゲルODS−120 T(東ソー社製)を用いた高速液体ク
ロマトグラフィーにかけ、0.8 ml/分の流速で試料注入
後10分間0.05%TFAを含む24%のアセトニトリル
で溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32
%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、25.5〜2
6.5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25
回反復し、真空乾燥し、抗菌性ペプチド約3mgを得た。 実施例5 ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテク
ノロジー社製。商標。LKB Biolynk 4170)を用い、
試験例2でアミノ酸配列を決定したペプチドを合成し
た。390 mgのFmoc−フェニルアラニン無水物を、そのカ
ルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒と
してウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテ
クノロジー社製)に固定した。次いでこの樹脂をピペリ
ジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端ア
ミノ酸のアミン官能基の保護基を除去し、のちC−末端
から2番目のアミノ酸残基のFmoc−アラニン無水物156
mgを前記フェニルアラニン残基の脱保護アミン官能基に
カップリングさせる。以下システインについてはアセト
アミドメチル化したFmoc−アミノ酸を使用する以外は同
様にして順次所望のアミノ酸を固定し、C−末端から2
5番目のフェニルアラニン残基のカップリングが終了
し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、
溶媒(94%トリフルオロ酢酸、5%フェノールおよび
1%エタンジオールからなる)で保護基の除去およびペ
プチドの脱離を行い、高速液体クロマトグラフ法により
精製し、真空乾燥し、約150 mgのアセトアミドメチル化
ペプチドを得た。この150 mgのアセトアミドメチル化ペ
プチドを 10mlの90%酢酸水溶液に溶解し、2.5 ml
の1M塩酸を添加し、更に90%酢酸水溶液に溶解した
50mMヨード溶液を100 ml添加し、30分間激しく攪拌
し、1Mチオ硫酸ナトリウム水溶液5mlを添加し、反応
を停止させ、ロータリーエバポレーターで約40mlに濃
縮した。この濃縮液をセファデックスG−15(ファル
マシア社製)カラム(50×500 mm)を用いて精製し、
のち真空乾燥し、抗菌性ペプチド約70mgを得た。 実施例6 実施例1と同一の方法で得た抗菌性ペプチド 1mgを、
メチルセルロース0.5g および精製水100mlの混合
液に溶解し、抗菌剤を製造した。 実施例7 実施例4と同一の方法で得た抗菌性ペプチド 5mlを、
エチルアルコール20mlおよび精製水80mlの混合液に
溶解し、抗菌剤を製造した。 実施例8 次の組成の点眼薬を製造した。
使用時水で50〜100倍に希釈して使用する。
使用時水で50倍に希釈して使用する。
存剤は、使用時水で100倍に希釈して使用する。
抗菌性ペプチドは、天然のLFおよびLF加水分解物よ
りも顕著にすぐれた抗菌作用を、広範囲の微生物に対し
て有しているので、広範囲の用途を有しており、しかも
少量で抗菌効果を呈するため、食品等に使用した場合に
も風味への影響がほとんどない。
チドの溶出曲線である。
チドの溶出曲線である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記(a)ないし(d)からなる群より
選択されるアミノ酸配列を含む20から47アミノ酸残
基からなる抗菌性ペプチド。 ┌──────────S ────S───────────── Lys-Cys-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser- ─────┐ Ile-Thr-Cys-Val- :(a) Lys-Cys*-Arg-Arg-Trp-Gln-Trp-Arg-Met-Lys-Lys-Leu-Gly-Ala-Pro-Ser- Ile-Thr-Cys*-Val- :(b) ┌──────────S ────S ───────────── Lys-Cys-Phe-Gln-Trp-Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro- ─────┐ Val-Ser-Cys-Ile- :(c) および Lys-Cys*-Phe-Gln-Trp-Gln-Arg-Asn-Met-Arg-Lys-Val-Arg-Gly-Pro-Pro- Val-Ser-Cys*-Ile- :(d) (ここで Cys*- は、ジスルフィド結合の形成を防止す
るため、チオール基を化学的に修飾したシステインを示
す) - 【請求項2】 請求項1の抗菌性ペプチド、その薬理学
的、食品学的に許容される塩類、およびそれらの2以上
の混合物からなる群より選択される物質を有効成分とし
て少なくとも5ppm(重量)の濃度で含有することを
特徴とする抗菌性ペプチド配合食品。 - 【請求項3】 請求項1の抗菌性ペプチド、その薬理学
的、食品学的に許容される塩類、およびそれらの2以上
の混合物からなる群より選択される物質を有効成分とし
て少なくとも5ppm(重量)の濃度で含有することを
特徴とする抗菌性ペプチド配合口中洗浄液。 - 【請求項4】 請求項1の抗菌性ペプチド、その薬理学
的、食品学的に許容される塩類、およびそれらの2以上
の混合物からなる群より選択される物質を有効成分とし
て少なくとも5ppm(重量)の濃度で含有することを
特徴とする抗菌 性ペプチド配合制汗スプレー。 - 【請求項5】 請求項1の抗菌性ペプチド、その薬理学
的、食品学的に許容される塩類、およびそれらの2以上
の混合物からなる群より選択される物質を有効成分とし
て少なくとも5ppm(重量)の濃度で含有することを
特徴とする抗菌性ペプチド配合歯磨。
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