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JP2817260B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JP2817260B2
JP2817260B2 JP1253493A JP25349389A JP2817260B2 JP 2817260 B2 JP2817260 B2 JP 2817260B2 JP 1253493 A JP1253493 A JP 1253493A JP 25349389 A JP25349389 A JP 25349389A JP 2817260 B2 JP2817260 B2 JP 2817260B2
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temperature
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鉱一 坂
由喜雄 柴田
孝昌 河合
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、車室内の温度が設定温度となるように自動
制御する車両用空気調和装置に関する。
[従来の技術] 従来の技術として、特開昭58−33516号に開示された
技術が知られている。この技術は、車室外温度、日射
量、車室内温度などの車両状態、および設定温度から冷
却手段の冷却能力を決定、制御するものである。
この技術により、冷却手段にかかる消費力を低く抑え
ることができる。具体的には、冷却手段が冷凍サイクル
の冷媒蒸発器であれば、冷媒圧縮機の稼働率が低減し、
冷媒圧縮機にかかる動力を低減させるものである。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記に示した従来技術は、例えば室内
温度が設定温度よりも低い場合、つまり、暖房運転を行
う場合、冷却手段は作動しない、あるいは作動しても冷
却能力が小さい。このため、室内温度が設定温度よりも
低い場合は、冷却手段による室内の除湿効果は望めな
い。
このため、雨天、梅雨期など、高湿度時に、空気調和
装置を作動させても、空気調和装置の作動開示直後で、
窓ガラス内側の表面温度が設定温度よりも低い場合に、
窓ガラスに曇りが発生する問題点を備えていた。
本発明の目的は、冷却手段にかかる消費力を低く抑
え、かつ窓ガラスの曇りを防止する車両用空気調和装置
の提供にある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するべく、本発明の車両用空気調和
装置は、次の技術的手段を採用する(第5図参照)。
車両用空気調和装置は、車室内に向かって空気を送る
ためのダクトと、このダクトにおいて車室内へ向かう空
気流を生じされる送風機と、前記ダクトに配置され、車
室内へ吹き出される空気を冷却する冷却手段と、この冷
却手段の下流の前記ダクトに配置され、車室内へ吹き出
される空気を加熱する加熱手段と、前記冷却手段による
空気の冷却能力、および前記加熱手段による空気の加熱
能力を制御し、室内の温度が設定温度となるように制御
する制御回路とを備える。
そして、前記制御回路は、車室外温度、車室内温度な
どの車両状態を検出し、車室内温度を設定温度に維持す
るのに必要な前記冷却手段の冷却能力を決定する冷却能
力決定手段を備えるとともに、暖房運転開始初期のみ、
前記冷却手段による空気の冷却能力を大きくする初期冷
却手段を備える。
なお、暖房運転とは、結果的に室内の温度を上昇させ
るもので、冷却手段の作動の有無に関係ない。
[作用] 「制御回路の初期冷却手段は、暖房運転が開始される
と、窓ガラスの曇る可能性の有無に関係なく、暖房開始
初期のしばらくの間、冷却手段の冷却能力を大きくす
る。
冷却手段の冷却能力が大きくなると、車室内に吹き出
される空気の除湿能力が大きくなり、車室内の湿度が低
下する。
このため、暖房運転開始初期において、車室内の温度
が暖房運転によって上昇し、室内温度が窓ガラスの内側
の表面の温度よりも高くても、冷却手段による除湿効果
により、窓ガラスの曇りの発生が防がれる。
暖房運転を開始してから、しばらく時間が経過する
と、窓ガラスの内側の表面の温度が、車室内の温度に近
付く。つまり、窓ガラスの内面が車室内の温度と、ほぼ
一致するため、車室内の湿度に関係なく曇らなくなる。
暖房運転を開始してから、しばらく時間が経過した後
は、制御回路は冷却能力を小さくするため、冷却手段に
かかる消費動力が低く抑えられる。
[発明の効果] 本発明は、以上の作用で説明したように、窓ガラスの
曇りを抑え、かつ冷却手段にかかる消費力を低く抑える
ことができる。
[実施例] 次に、本発明の車両用空気調和装置を、図に示す一実
施例に基づき説明する。
第1図は車両用空気調和装置の概略構成図を示す。
車両用空気調和装置1は、車室内に向かって空気を送
るためのダクト2を備える。このダクト2の上流には、
車室内空気を循環させるための内気導入口3と、車室内
に外気を取り入れるための外気導入口4とが形成されて
いる。そして、内気導入口3および外気導入口4の開度
は、内外気切替ダンパ5によって調整される。
ダクト2の内部には、上流から下流に向かって送風機
6、冷却手段7、加熱手段8が順次配設され、加熱手段
8を通過した空気は各吹出口9から車室内へ吹き出され
る。
送風機6は、ダクト2内で空気流を発生させ、内気導
入口3または外気導入口4より吸引した空気車室内に吹
き出させるものである。
冷却手段7は、本実施例では冷却サイクル10の冷媒蒸
発器を示す。冷凍サイクル10は、冷媒蒸発器の他に、冷
却圧縮器11、冷媒凝縮器12、減圧装置13を備え、冷媒配
管14によって連結された周知のものである。本実施例の
冷媒圧縮機11は、冷媒の圧縮容量を可変することが可能
な可変容量型のものを用いている。つまり、冷却手段7
による空気の冷却能力を、冷媒の圧縮容量の制御によっ
て変化させるものである。なお、可変容量型冷媒圧縮機
11の一例としては、例えば斜板の傾斜角度を変化させる
タイプが知られている。
加熱手段8は、エンジンの冷却水を熱源とするヒータ
コア15、このヒータコア15をバイパスするバイパス通路
16、ヒータコア15を通過する空気とバイパス通路16を通
過する空気との比を調節するエアミックスダンパ17とか
らなる。そして、エアミックスダンパ17の開度を変化さ
せることにより、ダクト2を通過する空気量が変化し、
結果的に空気の加熱能力が変化する。なお、エアミック
スダンパ17は、例えば電動モータ18によって駆動され
る。また、ヒータコア15への冷却水(温水)の循環は、
ウォータバルブ19によって制御される。
上記に示した、送風機6の送風能力、冷媒圧縮機11の
冷媒圧縮容量、エアミックスダンパ17の開度等は、コン
ピュータを用いた制御回路20によって制御される。制御
回路20は、車両の状態を検出する手段として、外気温度
を検出する外気温度センサ21、日射量を検出する日射セ
ンサ22、室内温度を検出する室温センサ23、冷却手段7
を通過した空気の温度(エバ出口温度)を検出するエバ
出口温度センサ24、ヒータコア15に流入する冷却水温度
を検出する水温センサ25を備える。また、制御回路20
は、車両乗員によって操作される運転スイッチ26、およ
び目標とする室内温度を設定する温度設定器27などを備
える。
制御回路20のコンピュータは、運転スイッチ26がONさ
れた際、各種センサによって検出した車両の状態に応じ
た冷却能力を演算し、冷却手段7の冷却能力を決定する
冷却能力決定手段28を備える。また、制御回路20のコン
ピュータは、運転スイッチ26がONされた際、つまり作動
を開始した初期に、冷却手段7を作動させる初期冷却手
段29を備える。本実施例の初期冷却手段29は、窓ガラス
30に曇りが発生する可能性のある場合に、冷媒圧縮機11
の冷媒圧縮容量を増大させ、除湿効果を増大させるもの
である。
次に、冷却能力決定手段28および初期冷却手段29の作
動を、第2図のフローチャートを用いて説明する。
初めに、ステップS1において、各信号を入力する。具
体的には、設定温度Tset、室内温度Tr、外気温度Tam、
日射量Ts、エバ出口温度Te、冷却水温度Twを読み込む。
次いで、ステップS2において、過渡項Tdを演算する。過
渡項Tdとは、室温を目標の温度に近付けるのに必要な熱
負荷で、次の式で求められる。
Td=−|(Tset−Tr)Kr|(なお、Krは、搭載される
車両に応じて設定された係数を示す。) 続いて、ステップS3において、定常項Tsを演算する。
定常項Tsとは、設定温度Tsetを維持するのに必要な熱負
荷で、次の式で求められる。
Ts=(Kr−Kset)Tset−Kam・Tam−Ks・Ts+C(な
お、Kset、Kam、Ks、Cは、搭載される車両に応じて設
定された係数や定数を示す。) 次いで、ステップS4において、過渡項Tdと定常項Tsと
を加算し、必要吹出温度TAOを決定する。
そして、ステップS5において、エバ出口温度センサ24
に検出するエバ出口温度Teが必要吹出温度TAOとなるよ
うに、冷媒圧縮機11の容量の制御を行い、その後、リタ
ーンする。
なお、加熱手段8による吹き出し空気の加熱や、風量
制御等は、上記制御とは独立したルーチンで行われ、第
3図のフローチャートにその一例を示す。
初めに、ステップS6において、設定温度Tset、室内温
度Tr、外気温度Tam、日射量Ts、エバ出口温度Te、冷却
水温度Tw等の信号を読み込む。次いで、ステップS7にお
いて、読み込んだ信号から、必要吹出温度TAOを、次式
より演算する。
TAO=Kset・Tset−Kr・Tr−Kam・Tam−Ks・Ts+C 次いで、ステップS8において、吸入口の制御、吹出口
の制御、風量制御、その他の制御を行う。そして、ステ
ップS9において、加熱手段8による空気の加熱能力の制
御を行う。具体的には、エアミックスダンパ17の開度SW
を次式により決定し、ヒーターコア15によって加熱され
る空気の量を制御する。
SW=(TAO−Te)/(Tw−Te) そして、ステップS9の実行後、リターンする。
次に、上記実施例の作動を簡単に説明する。
イ)室内温度Trが設定温度Tsetより高いと冷房運転が
行われる。冷房運転時は、制御回路20で算出される必要
吹出温度TAOが低い。このため、冷媒圧縮機11の可変容
量制御によって、必要吹出温度TAOがエバ出口温度Teと
される(TAO=Te)。これによって、エアミックスダン
パ17の開度SWがOとなり、エアミクスダンパ17はマキシ
ムクールの状態に維持される。つまり、冷房運転時は、
冷媒圧縮機11の可変容量制御のみで吹き出し温度が制御
され、冷却手段7を通過した空気は、ヒータコア15で加
熱されることなく、車室内へ吹き出される。
冷房開始初期において、室温が設定温度Tsetよりも高
く、その温度差が大きい場合は、第2図のフローチャー
トに示したように、過渡項Tdによる冷房能力が大きくな
る。冷房運転が開始されてから、しばらく経過すると、
室内温度Trと設定温度Tsetとが近付く。すると、過渡項
Tdによる冷房能力が小さく、あるいは無くなり、定常項
Tsによって冷房能力が決定される。
ロ)室内温度Trが設定温度Tsetよりも低いと、暖房過
渡運転が行われる。暖房運転時は、制御回路20で算出さ
れる必要吹出温度TAOが高い。このため、冷媒圧縮機11
の冷媒圧縮容器の制御によって、冷媒圧縮容量が最小と
なってもエバ出口温度Teが必要吹出温度TAOに達しない
(TAO≠Te)。このため、制御回路20によってエアミッ
クスダンパ17の開度SWが演算、制御され、エアミックス
ダンパ17の開度調整によって空気の加熱量を調整し、吹
き出し温度を制御している。
暖房開始初期、室内温度Trが設定温度Tsetよりも低
く、その温度差が大きい場合について説明する。暖房開
始初期は、窓ガラス30の室内側の表面温度が低く、そこ
へ車両用空気調和装置1によって加熱された空気が車室
内へ供給される。すると、窓ガラス30の表面に曇りが発
生しようとする。しかるに、本実施例では、暖房開始初
期、室内温度Trと設定温度Tsetとの差が大きい場合、第
2図のフローチャートに示したように、過渡項Tdにより
冷房能力が大きくなる。冷房能力が大きくなると、車室
内に吹き出される空気の除湿能力が大きくなり、車室内
の湿度が低下する。
このため、車両用空気調和装置1の作動開始初期は、
室内温度Trが車両用空気調和装置1の暖房によって上昇
し、窓ガラス30の車室内側の表面の温度が低くても、冷
房手段7による除湿効果により、窓ガラス30の曇りの発
生が防がれる。
車両用空気調和装置1の作動の開始後しばらく経過す
ると、暖房運転によって室内温度Trが上昇し、窓ガラス
30の車室内側の表面の温度が、室内温度Trに近付く。つ
まり、窓ガラス30の車室内面が室内温度Trと、ほぼ一致
するため、車室内の湿度に関係なく曇らなくなる。な
お、開始後のしばらくとは、車両の環境によって大きく
異なるもので、環境温度が低い程、時間は長くなる。
一方、車両用空気調和装置1の作動に伴う時間の経過
とともに、室内温度Trが設定温度Tsetに近付く。この温
度接近に伴い、過渡項Tdによる空気の冷却能力が低下す
る。この結果、冷媒圧縮機11の圧縮容量が低下し、冷媒
圧縮機11にかかる消費動力が低く抑えられる。
(実施例の効果) 以上で説明したように、本実施例によれば、暖房運動
開始初期の窓ガラス30に曇りが発生する可能性のある場
合に除湿を行って窓ガラス30の曇りを抑える。暖房が進
み、窓ガラス30に曇りが発生する可能性が低くなると、
冷媒圧縮機11の冷媒圧縮容量が小さくなり、冷媒圧縮機
11にかかる消費動力が低く抑えられる。
(変形例) 本実施例では、暖房時における過渡項の特性を利用し
て、暖房運転時の作動開始初期に冷却能力を大きくする
初期冷却手段を構成したが、例えば過渡項を用いるので
はなく、運転スイッチがONしたら、タイマ等を用いて所
定時間に可変容量式冷媒圧縮機の容量を増大して冷却能
力を大きくする初期冷却手段を構成するなど、他の構成
を初期冷却手段を用いても良い。具体的な例を示せば、
第4図のフローチャートに示すように、運転スイッチが
ONされると、暖房運転、冷房運転に関係なく、作動開始
直後の所定時間(例えば1〜10分)、冷却手段の必要吹
出温度をフロスト限界である3℃となるように容量可変
式冷媒圧縮機の容量を制御する。そして、所定時間経過
後に、外気温度、日射量、室内温度などの車両状態から
冷却能力を制御し、冷媒圧縮機にかかる動力を低減させ
る。
冷媒圧縮機の圧縮容量を可変することによって冷却能
力を制御したが、電磁クラッチの通電時間制御によって
冷却能力を制御させても良い。
冷却手段の一例として冷媒蒸発器を示したが、例えば
空気圧縮と膨張を用いた冷凍サイクルの冷却手段や、ペ
ルチェ素子を用いた冷却手段など、他の冷却手段を用い
ても良い。
加熱手段の一例として冷却水を循環するヒータコアを
示したが、PTCヒータや、燃焼式ヒータなど他の加熱手
段を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は第1実施例を示すもので、第1図
は空気調和装置の概略図、第2図は冷却能力決定手段お
よび初期冷却手段の作動の一例を示すフローチャート、
第3図は風量制御等の作動の一例を示すフローチャート
である。 第4図は初期冷却手段の変形例を示すフローチャートで
ある。 第5図は本発明の概略構成図である。 図中 1……車両用空気調和装置、2……ダクト、6…
…送風機、7……冷却手段、8……加熱手段、20……制
御回路、28……冷却能力決定手段、29……初期冷却手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60H 1/00 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車室内に向かって空気を送るためのダクト
    と、 このダクトにおいて車室へ向かう空気流を生じさせる送
    風機と、 前記ダクトに配置され、車室内へ吹き出される空気を冷
    却する冷却手段と、 この冷却手段の下流の前記ダクトに配置され、車室内へ
    吹き出される空気を加熱する加熱手段と、 前記冷却手段による空気の冷却能力、および前記加熱手
    段による空気の加熱能力を制御し、 室内の温度が設定温度となるように制御する制御回路と
    を備える車両用空気調和装置において、 前記制御回路は、 車室外温度、車室内温度などの車両状態を検出し、車室
    内温度を設定温度に維持するのに必要な前記冷却手段の
    冷却能力を決定する冷却能力決定手段を備えるととも
    に、 暖房運転開始初期のみ、前記冷却手段による空気の冷却
    能力を大きくする初期冷却手段を備える ことを特徴とする車両用空気調和装置。
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