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JP2814143B2 - 高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法 - Google Patents

高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法

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JP2814143B2
JP2814143B2 JP27439590A JP27439590A JP2814143B2 JP 2814143 B2 JP2814143 B2 JP 2814143B2 JP 27439590 A JP27439590 A JP 27439590A JP 27439590 A JP27439590 A JP 27439590A JP 2814143 B2 JP2814143 B2 JP 2814143B2
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信一 福留
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、工業的に優れた高嵩密度粉粒状洗剤組成物
の製造方法に関する。
従来の技術 従来の衣料用洗剤は、組成物中に洗浄性能にはほとん
ど寄与しない増量剤(通常は芒硝が用いられる)を添加
し、かつこれを噴霧乾燥等により高嵩度0.3g/cc程度の
ビーズ状中空粒子として製造していた。
しかし、このような洗剤は比重が軽く活性剤濃度も低
いため、輸送コストがかさむ上、保管・陳列にもかなり
のスペースが必要であり、さらに一般家庭においても置
き場所に困ったり、計量しにくかった。そこで最近で
は、少ない洗剤使用量で洗浄が可能な高嵩密度粒状洗剤
の製造方法が提案されており(特開昭60−96698号公
報)、また、上市されている。
一方、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩
は、洗浄力、特に耐硬水性に優れた界面活性剤であり、
これを配合した高嵩密度洗剤組成物が報告されている
(特開昭62−597号公報)。
脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩は、一般
に、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質の水溶液で中
和した水溶液として得られるので、予め単独あるいは他
の成分とともに噴霧乾燥して水分を除き、高嵩密度洗剤
の製造に供することが望ましい。
しかし、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩
は、得られる噴霧乾燥品の粉体物性に問題があり、その
後のハンドリング性が悪く、高嵩密度洗剤の生産性が悪
いという欠点があった。
また、高嵩密度洗剤粒子に対して、別途調製した噴霧
乾燥洗剤粒子を粉体混合して最終的な高嵩密度洗剤組成
物とすることにより、高嵩密度洗剤組成物の高嵩度のコ
ントロールを容易とし、しかも、溶解性を改善しうるこ
とを、本出願人は先に提案した(特開平1−222388号公
報)。
このように後添加用に使用される噴霧乾燥洗剤粒子の
粉体物性(粒子強度、安息角など)が悪いと、洗剤組成
物の保存安定性が劣化してケーキングを起こしたり、流
動性を悪化させる。
また、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩を
含む噴霧乾燥洗剤粒子をそのまま、あるいは他の成分と
混合して洗剤組成物として利用する場合も事情は同じで
あり、粉体物性の良好な洗剤粒子が望まれている。
発明が解決しようとする課題 本発明は、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸
塩を洗浄活性成分として含み、粉体物性に優れた噴霧乾
燥洗剤粒子を原料乾燥品ベースとして利用し、製造が容
易で生産性に優れた高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法
を提供するものである。
発明の構成 本発明の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法は、以下
の(a)〜(d)成分を含むスラリーを噴霧乾燥し、得
られた噴霧乾燥粒子と他の洗剤成分とを造粒処理して高
嵩密度粒状洗剤粒子とすることを特徴とする。
(a)脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩:5〜
35重量%。
(b)ゼオライト、硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリ
ウムから選ばれる少なくとも1種以上の無機ビルダー:1
0〜50重量%。
(c)ポリアクリル酸またはその塩:0.5〜10重量%。
(d)水分:30〜45重量%。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明では、上述の(a)〜(d)成分を含む洗剤ス
ラリーを常法に従い噴霧乾燥する。
(a)成分の脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン
酸塩は、典型的に下記一般式(I)で表わされ、これは
α−スルホ脂肪酸エステル塩とも呼ばれている。
(R1:C8 22のアルキル基またはアルケニル基 R2:C1 のアルキル基 M:対イオン) 対イオンとしては水溶性塩が用いられるが、アルカリ
金属塩、とりわけナトリウム塩が好ましい。
飽和脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩は、
エステル交換または脂肪酸のエステル化により、所定炭
素数の脂肪酸低級アルキルエステルを製造したのち、通
常のスルホン化装置を用いて無水硫酸等のスルホン化剤
と反応させ、必要に応じて熟成、漂白を行なったのち、
中和することにより得られる。また、脂肪酸のスルホン
化物を低級アルキルエステル化することによっても得ら
れる。
また、不飽和脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン
酸塩も用いられ、所定炭素数の不飽和脂肪酸等を出発原
料として、上記と同様に製造される。
原料脂肪酸としては、牛脂、ヤシ油、パーム油などか
ら誘導される動植物起源の所定炭素数の脂肪酸や、合成
脂肪酸が用いられる。
脂肪酸低級アルキルエステルスルホン酸塩の脂肪酸残
基の炭素数は8〜22が好適であり、好ましくは10〜18で
ある。
(a)成分の脂肪酸低級アルキルエステルスルホン酸
塩は、スラリー中に5〜35重量%、好ましくは10〜30重
量%配合される。この配合量が5重量%未満であると洗
浄力が劣り、一方、35重量%を超えると得られる噴霧乾
燥粒子の粉体物性が劣化する。
なお、脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩中
には、一般に、そのエステル結合が切断されたジ塩化合
物(α−スルホ脂肪酸ジ塩) (R1、Mは、前述の一般式(I)に同じ) が含まれる。一般に、このジ塩化合物は、脂肪酸低級ア
ルキルエステルスルホン酸塩中に、その3〜20重量%の
量で含まれるが、本発明ではジ塩化合物も脂肪酸低級ア
ルキルエステルスルホン酸塩の一部として計算する。
(b)成分の無機ビルダーとしては、ゼオライト、硫
酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムの1種以上が用いられ
る。(b)成分の無機ビルダーは、スラリー中に10〜50
重量%、好ましくは20〜50重量%配合される。この配合
量が10重量%未満では、得られる噴霧乾燥粒子の粉体物
性が劣化し、一方、50重要%を超えると洗浄力が低下し
てしまう。
(c)成分のポリアクリル酸は、酸型でも塩型(部分
中和物も含む)でもよいが、洗剤スラリーのpHが5〜1
0、好ましくは6〜9の範囲となるように選択すること
が望ましい。洗剤スラリーのpHをこの範囲に設定するこ
とにより、(a)成分の脂肪酸低級アルキルエステルの
スルホン酸塩の分解を効果的に防止することができる。
ポリアクリル酸またはその塩の重量平均分子量は、80
00以下、特に6000以下が望ましい。分子量が8000を超え
ると、得られる造粒粒子の粉体特性の改善効果が乏しく
なる。
また、(c)成分のポリアクリル酸またはその塩は、
スラリー中に0.5〜10重量%、好ましくは0.5〜5重量%
配合される。この添加量が0.5重量%未満では粉体特性
の改善効果が乏しく、一方、10重量%を超えて配合して
も効果は飽和しており、かえって他の洗浄成分の配合に
制約を与える。
上記(a),(b),(c)成分の含む水性スラリー
には、さらに任意成分としてアニオン界面活性剤、アル
カリビルダー、蛍光剤などを添加することができる。炭
酸塩、重炭酸塩、ケイ酸塩等のアルカリビルダーは、ス
ラリーの熱安定性を向上し、噴霧乾燥時に焦げが生じる
ことを防止できる効果を有する反面、(a)成分の脂肪
酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩の加水分解を促
進する。そこで、アルカリビルダーを添加する場合は、
洗剤スラリー中に5重量%以下、好ましくは3重量%以
下で含まれる量で添加することが望ましい。
上記(a),(b),(c)成分を含む洗剤スラリー
を噴霧乾燥して得られた噴霧乾燥洗剤粒子(組成物)
は、粒子強度が強く、流動性(安息角)が良好であり、
それ自体取り扱いやすく、また、保存安定性が良い。
これに対して、(a),(b)両成分のみで(c)成
分を含まない洗剤スラリーから得られた噴霧乾燥洗剤粒
子は、粒子強度が劣り、また、高嵩密度洗剤粒子の原料
としては製造時のハンドリング性が悪く生産性が劣る。
高嵩密度粒状洗剤組成物の製造に際しては、上記噴霧
工程で得られた(a),(b),(c)成分を含む噴霧
乾燥洗剤粒子と、必要な他の洗剤成分とを混合、造粒し
て高嵩度0.5〜1.2g/ccの高嵩密度の洗剤粒子とする。こ
の際、本発明の噴霧乾燥粒子は、粒子強度が良好でハン
ドリングに優れていることから、一連の造粒工程を高い
生産性で行うことができ、工業的に優れた製造方法を実
現できる。
この造粒は、特開昭62−597号公報に記載されている
ように、脂肪酸低級アルキルエステルスルホン酸塩を含
む噴霧乾燥粒子と他の洗剤成分を、ニーダ等で混合、捏
和し、カッターミル等の解砕機で解砕、造粒し、さらに
ゼオライト等の水不溶性粉体でコーティングすることに
より行なうことができ、得られた洗剤粒子に、必要によ
り酵素、漂白剤、漂白活性化剤等を粉体混合することに
より、高嵩密度粒状洗剤組成物が得られる。また、噴霧
乾燥粒子と他の洗剤成分を撹拌造粒すること等によって
も得られ、造粒方法は限定されない。
次に、本発明の噴霧乾燥洗剤粒子とともに造粒されて
高嵩密度洗剤組成物とされる他の洗剤成分について説明
する。
他の洗剤成分としては、アニオン界面活性剤、ノニオ
ン界面活性剤、あるいはその他添加剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば以下のものが例
示できる。
1) 平均炭素数8〜16のアルキル基を有する直鎖アル
キルベンゼンスルホン酸塩、 2) 平均炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸
塩、 3) 平均炭素数10〜20のアルキル硫酸塩、 4) 平均炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル
基もしくはアルケニル基を有し、平均0.5〜8モルのエ
チレンオキサイドを付加したアルキルエーテル硫酸塩ま
たはアルケニルエーテル硫酸塩、 5) 平均炭素数10〜22の飽和または不飽和脂肪酸塩。
これらのアニオン界面活性剤における対イオンとして
は、通常ナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩が
適当である。
ノニオン界面活性剤としては、次のものが好適であ
る。
(1)炭素数8〜18の1級または2級アルコールにエチ
レンオキサイド(EO)を平均4〜25モル付加させたEO付
加型ノニオン界面活性剤。
(2)炭素数8〜18の1級または2級アルコールにエチ
レンオキサイド(EO)を平均4〜25モル、プロピレンオ
キサイド(PO)を平均3〜15モル付加させたEO−PO付加
型ノニオン界面活性剤。
その他添加剤としては、トリポリリン酸ナトリウムや
ピロリン酸ナトリウムのような無機ビルダー;クエン酸
ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナリウム、ニトリ
ロ三酢酸塩、アクリル酸ナトリム−無水マレイン酸ナト
リウム共重合物、ポリアセタールカルボキシレート等の
カルシウムイオン捕捉ビルダー;炭酸塩、重炭酸塩、珪
酸塩等のアルカリビルダー;カルボキシチルセルロー
ス、ポリエチレングリコール等の再汚染防止剤;石鹸等
のすすぎ改良剤;パラトルエンスルホン酸塩、トルエン
スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、尿素などの粘度
調製剤;プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラ
ーゼなどの酵素;第4級アンモニウム塩、ベントナイト
等の柔軟付与剤;漂白剤、蛍光剤、香料、色素などを使
用することができる。
アルカリビルダーは、高嵩密度粒状洗剤組成物中に10
〜40重量%含まれるように添加することが好ましい。
発明の効果 本発明によれば、(a)脂肪酸低級アルキルエステル
のスルホン酸塩(b)無機ビルダー、(c)ポリアクリ
ル酸またはその塩を含むスラリーを噴霧乾燥することに
より、脂肪酸低級アルキルエステルスルホン酸塩を含
み、粒子強度が強く製造時のハンドリング特性に優れた
噴霧乾燥洗剤粒子が得られ、この噴霧乾燥洗剤粒子と他
の洗剤成分とを造粒して高嵩密度粒状洗剤粒子とするこ
とにより、脂肪酸低級アルキルエステルスルホン酸塩を
含む高嵩密度粒状洗剤組成物を、高い生産性で製造で
き、トータル的に優れた製造システムが実現できる。
実 施 例 (1)噴霧乾燥洗剤粒子の調製 下記表−1に示す組成の洗剤スラリーを調製し、向流
式噴霧乾燥塔で噴霧乾燥して、噴霧乾燥洗剤粒子を調製
した。得られた洗剤粒子の性状を表−1に併せて示す。
ここで圧壊値は、径5cm、高さ5.5cmのセルに試料を入
れ、3kgの荷重を3分間掛けてテストピースを作成し、
このテストピースを破壊するに要する荷重を測定して圧
壊値とした。測定温度は45℃である。
表−1から、本発明の噴霧乾燥洗剤粒子は圧壊値が小
さく、粒子強度が優れることが判る。
(2)高嵩密度粒状洗剤組成物の調製 表−1の噴霧乾燥洗剤粒子に他の洗剤成分を添加、造
粒処理して高嵩密度粒状洗剤組成物を調製した。
ここで、各実施例においては、それぞれの実施例で得
られた噴霧乾燥洗剤粒子を用いた。
噴霧乾燥洗剤粒子と表−2に示した他の洗剤成分とを
混合し、ニーダで捏和した。ついで得られた緊密な混合
物ペレット(10mmφ×20mm)とA型ゼオライトもしくは
微粉状炭酸ナトリウムを粉砕機(岡田精工製、スピード
ミルND−30型)に定量フィードした。粉砕機は、径15cm
の粉砕刃をクロス4段、3000rpmで回転し、スクリーン
は2mmφ、開孔率20%のパンチングメタルを用いた。
上記の高嵩密度粒状洗剤粒子の製造工程においては、
原料ベース粉である噴霧乾燥洗剤粒子が、粒子強度、流
動性等の粉体物性に優れていることから、貯蔵、搬送、
投入等の取扱いが容易であり、高い生産性で製造するこ
とができた。
粉砕して得られた高嵩密度洗剤粒子に微粉ゼオライト
を2重量部混合し、さらに上記の噴霧乾燥洗剤粒子を10
重量部混合し、香料を噴霧し酵素を添加して、高嵩密度
粒状洗剤組成物を調製した。
得られた洗剤組成物の組成および性状を表−2に示
す。
ここで、保存安定性は以下のようにして評価した。
保存安定性の評価法 洗剤組成物を660ml(11×4×15cm)のネオサンドカ
ルトンに9割充填し、糊付けした後、35℃−85%RHの雰
囲気中で7日間保存する。
その後開封して、6メッシュスクリーンの通過量を測
定し、下記基準で判定する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11D 17/06 C11D 17/06 (72)発明者 永合 一雄 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライ オン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−291693(JP,A) 特開 昭63−154799(JP,A) 特表 平6−501735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 3/12 - 3/37 C11D 17/06 C11D 11/02 C11D 10/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の(a)〜(d)成分を含むスラリー
    を噴霧乾燥し、得られた噴霧乾燥粒子と他の洗剤成分と
    を造粒処理して高嵩密度洗剤粒子とすることを特徴とす
    る高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法。 (a)脂肪酸低級アルキルエステルのスルホン酸塩:5〜
    35重量% (b)ゼオライト、硫酸ナトリウムおよび亜硫酸ナトリ
    ウムから選ばれる少なくとも1種以上の無機ビルダー:1
    0〜50重量% (c)ポリアクリル酸またはその塩:0.5〜10重量% (d)水分:30〜45重量%
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