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JP2810260B2 - 旋回作業車 - Google Patents

旋回作業車

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Publication number
JP2810260B2
JP2810260B2 JP28657991A JP28657991A JP2810260B2 JP 2810260 B2 JP2810260 B2 JP 2810260B2 JP 28657991 A JP28657991 A JP 28657991A JP 28657991 A JP28657991 A JP 28657991A JP 2810260 B2 JP2810260 B2 JP 2810260B2
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turning
swivel
frame
work
upper body
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JP28657991A
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正美 近藤
治隆 赤嶺
隆 宇野
澄 米倉
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、旋回台フレーム、座
席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプよりなる上
部体構造の後方部が旋回時に障害物に衝突することが無
く、後方を気にせずに掘削作業等が出来るようにしたバ
ックホー等の旋回作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のバックホー等の旋回作業車におい
て、標準型、及びそれを改良した超小旋回型の旋回作業
の技術は公知とされている。図4は従来の標準型バッ
クホーの平面図、図5はコーヒーカップ型と呼ばれる作
業機Aを上部体構造Bの上方に折り畳んで旋回可能とし
た超小旋回型バックホーの側面図、図6は同じく図5の
超小旋回型バックホーの平面図、図7は超小旋回を可能
とする為のオフセットブーム機構の分解斜視図、図8は
エンジン11が左右の中心線Mを挟んで左右に配置され
た超小旋回型バックホーの全体斜視図、図9は同じく図
8の超小旋回型バックホーの側面図、図10はエンジン
11と座席9の配置を示す図8の超小旋回型バックホー
の平面図である。
【0003】図4に示す標準型バックホーにおいては、
旋回台フレームの上に載置する上部体構造Bの後部の、
旋回中心を中心とする旋回直径が、クローラー式走行装
置22よりもかなり後方に突出している為に、旋回した
場合に、上部体構造BがB 'や、B”の如く左右の位置
に突出することとなり、道路の側方の壁やその他の障害
物と衝突する危険性があった。そこで、標準型バックホ
の問題点を解決するために、超小旋回型バックホーが
開発された。しかしながら、以下の問題点があった。
【0004】図5・図6・図7に示す超小旋回型バック
ホーの従来技術においては、コーヒーカップ状に構成
し、旋回台フレーム2の旋回半径内に作業機を収納可能
とする為に、作業機の作業機支点部が旋回中心の近くに
配置されることとなり、また作業機支点部の位置も高い
ので、機体の重心位置が高くなり、走行時のバランスが
悪く、またウォークスルー可能な乗車位置構造とするこ
とが不可能であった
【0005】また、該超小旋回型バックホーにおいて、
側溝掘りを可能とする為には、メインブーム3の先端を
左右にオフセット可能とするオフセットブーム機構を、
メインブーム3とバケットアーム21の間に介装する必
要があり、作業機の重量が重くなり、バランスが悪いの
で作業機の作動速度を遅くする必要がある等の不具合が
あった。また、オフセットブームを設けた場合には、バ
ケット4がキャノピと干渉して居住空間に侵入する可能
性があり、この危険性を無くす為の機構が複雑となると
いう不具合があった。
【0006】また、図7・図8・図9に示す如く、アー
ムシリンダ19はシリンダホルダ19aが必要であり、
またブームオフセットを行う為にオフセットシリンダ
50が右側に、左側には平行リンク51が必要であり、
またオフセットブーム52を構成する必要があった。該
オフセットブーム52と平行リンク51が平行状態とな
って左右にオフセットする構成であった
【0007】また、図10に示す如く、従来は左右の中
心線Mの左側に座席9を配置し、中心線Mの上を跨がる
如くに、エンジン11が配置されていた。故に、座席9
の下にエンジン11が重複することとなり、座席9の位
置が高くなり、また作業機枢支軸29もエンジン11の
直ぐ前に位置するので、エンジン11やボンネット10
との干渉を避ける為に、高い位置となり、作業機A全体
が重心の高い構造となっていた。
【0008】また、標準型バックホーは、例えば、実開
昭57−202461号公報の如く公知とされており、
超小旋回型バックホーは、例えば、実開平1−1643
37号公報の如く公知とされている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来から、実開昭57
−202461号公報に示すように、標準型バックホー
と呼ばれるものが存在したが、以下の問題点があった。
走行装置の上部の旋回フレームの後方部が旋回時に走行
装置の幅よりも突出していたので、該後方部が障害物に
衝突し易かった。 特に、壁際での側溝掘り時には、壁際
に機体を寄せて側溝掘りを行うので、壁とは反対側に停
車しているトラックに土砂を積み込むための旋回の際
に、旋回フレームの後方部が壁に当たることとなり、走
行装置の上部の旋回フレームを旋回させることが出来な
かった。従って、狭い場所での掘削作業が不可能であっ
た。
【0010】そこで、上記標準型バックホーの問題点を
解決するために、実開平1−164337号公報に示す
ような超小旋回型バックホーが開発された。 この超小旋
回型バックホーの場合には、走行装置の上部の旋回フレ
ームは、旋回時において走行装置の幅からはみ出さない
ので、その幅内に納まる。従って、狭い場所での作業が
可能になる。 しかし、側溝掘り時において、超小旋回型
バックホーは、作業機が上下方向にしか作動出来ないの
で、作業機を左右方向に作動させるために、ブームの上
部に、オフセットブーム、アームシリンダ等からなる、
オフセットブーム機構が必要になる。 このオフセットブ
ーム機構をブームの上部に設けることにより、側溝掘り
の際に、オフセットブーム機構のオフセットブームを左
右方向で、側溝側へ傾けて、アームの先端のバケットで
掘削したとき、該側溝の縁部に前記オフセットブーム機
構が接触し、それ以上に深く側溝掘りをすることが出来
ないという不具合があった。 また、壁際での側溝掘りの
際に、側溝の土砂を掘り、作業機を上げて立てた後に、
この土砂をトラックの荷台に搬送するために旋回するの
であるが、この場合に、側溝掘りのために作業機のブー
ムをオフセットさせた状態であり、この姿勢で作業機を
上げて立てると、前記偏在した位置のオフセットブーム
機構から、ア ームシリンダの後部が旋回フレームから突
出する。 この状態から旋回フレームを旋回させると、ア
ームシリンダの後部が、旋回フレームの後方部から突出
しているので、前記アームシリンダの後部が、走行装置
の幅からはみ出す。よって、アームシリンダが側壁に接
触し、旋回が不可能となるという不具合があった。
た、作業機を構成するブームの上部にオフセットブーム
機構が存在するので、作業機の重量が重くなる。よっ
て、作業機を前方へ伸ばしたときは、作業機が重いの
で、作業車のバランスが悪くなる。また、作業機を上げ
て立てたときは、作業機が重いので、作業車の重心位置
が高くなり、安定性が悪くなる。 この理由により、速い
速度で作業や走行が出来ないという不具合もあった。
【0011】また、実開平1−164337号公報に記
載の超小旋回型バックホーにおいては、エンジン、ラジ
エータ、及び油圧ポンプが、上部旋回体に備えられてい
る旋回フレームの後方部に配置されている。 しかし、前
記エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプは、上部旋回
体に備えられている旋回フレームの後方部に配置されて
いるだけであり、上部旋回体の後方部の円弧状部分に沿
って配置されていない。 よって、前記公報の第2図に示
されているように、前記上部旋回体の後方部と前記エン
ジン等との間の隙間が大きくなるので、上部旋回体の後
方部が平面視で突出して大きくなりコンパクトに出来な
い。 また、前記上部旋回体の後方部と前記エンジン等と
の間の隙間が大きいので、エンジン等のウエイトをより
後方に配置することが出来ず、機体バランスの改善を図
ることが困難である。 本願発明は、以上の超小旋回型バ
ックホーの不具合を解消するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明の解決すべき課
題は以上の如くであり、次に該課題を解決する手段を説
明する。請求項1においては、走行装置に旋回台軸受を
介して旋回台フレームを旋回可 能に装着し、該旋回台フ
レームに、座席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポン
プ等を配設して上部体構造を構成し、旋回台フレームの
前端部に、作業機を上下方向及び左右方向に作動可能に
作業機枢支体を介して枢支し、上部体構造の後方部を平
面視で円弧状に形成し、上部体構造の少なくとも後方最
大寸法部を走行装置の幅内とした旋回作業車において、
エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレ
ームの旋回中心より後方位置で、かつ、上部体構造の後
方部の円弧状部分に沿って配置したものである。請求項
2においては、走行装置に旋回台軸受を介して旋回台フ
レームを旋回可能に装着し、該旋回台フレームに、座
席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ等を配設し
て上部体構造を構成し、旋回台フレームの前端部に、作
業機を上下方向及び左右方向に作動可能に作業機枢支体
を介して枢支し、上部体構造の後方部を平面視で円弧状
に形成し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走
行装置の幅内とした旋回作業車において、エンジン、ラ
ジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレームの旋回中
心より後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円弧状
部分に沿って配置するとともに、座席を旋回台フレーム
の旋回中心より後方に配置したものである。請求項3に
おいては、走行装置に旋回台軸受を介して旋回台フレー
ムを旋回可能に装着し、該旋回台フレームに、座席、エ
ンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ等を配設して上部
体構造を構成し、旋回台フレームの前端部に、作業機を
上下方向及び左右方向に作動可能に作業機枢支体を介し
て枢支し、上部体構造の後方部を平面視で円弧状に形成
し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走行装置
の幅内とした旋回作業車において、エンジン、ラジエー
タ、及び油圧ポンプを、旋回台フレームの旋回中心より
後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円弧状部分に
沿って配置するとともに、座席を旋回台フレームの旋回
中心より後方に配置し、更に前記座席の上方の屋根部材
の後方部を円弧状に形成したものである。
【0013】
【作用】次に、本願発明の作用を説明する。即ち、上部
体構造Bの後部は、旋回中心Oを中心とする旋回円弧
の形状に沿っており、該円弧が左右のクローラー式走行
装置22の間に入っているので、旋回作業車が通過した
空間内で有れば、旋回しても後方の上部体構造Bが障害
物に当たるおそれは無い。旋回台フレーム2の部に
配置した作業機Aは、完全に旋回台フレーム2の上部に
折り畳むことは出来ないが、オペレーターの前部に位置
するバケット4とメインブーム3は、常時監視している
状態であるので、旋回をし過ぎて障害物に接触するおそ
れは少ない。故に、実際にはコーヒーカップ型の超小旋
回型バックホーとはなっていないのであるが、実際の作
業運転の段階では、超小旋回型と同じ感覚で操作するこ
とが出来る。即ち、旋回台フレームの上部体構造の後方
部を円弧状に形成し、その後方最大寸法部を、走行装置
の幅内に納め、旋回時に障害物に衝突することが無いよ
うに構成する。 特に、側溝掘りの時のために、作業機を
上下方向及び左右方向に作動可能とし、オフセットブー
ム機構を設ける必要を無くし、側溝掘り時の溝の入口の
縁部にオフセットブームが当たり、深く掘れないという
不具合を無くす。 更に、旋回台フレームを旋回させて、
作業機を左右方向に作動させて、側溝掘りが出来るよう
に構成し、作業機の全体を使って、深く側溝掘りが出来
るように構成する。 壁際での側溝掘り時において、超小
旋回型バックホーは、オフセットブーム機構が存在する
ために、アームシリンダが作業機を立てたときに進行方
向の後方に突出し、その状態で上部の旋回体を旋回させ
た際、アームシリンダが側壁に当たり、旋回が不可能と
なっていたので、前記オフセットブーム機構の必要性を
無くし、作業機を立てたときに、アームシリンダが後方
へ突出することがないようにする。 よって、壁際での側
溝掘りが出来て、しかも、掘った土砂を、壁とは反対側
のトラックに積み込むための旋回が可能となるようにす
る。 作業機にオフセットブーム機構が必要ないように
し、作業機を軽くし、機体の 前後バランスが悪くならな
いようにし、作業機を立てたときにも、重心位置が高く
ならず低く構成して、速い速度で作業及び走行が出来る
ようにする。 また、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポ
ンプを旋回台フレームの旋回中心より後方位置で、か
つ、旋回台フレームの後方部に円弧状に沿って配置し
て、上部体構造の後方部とエンジン等との距離を小さく
して、旋回台フレームの後方部がコンパクトになるよう
にする。 エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプを旋回
台フレームの旋回中心より後方位置で、かつ、旋回台フ
レームの後方部に円弧状に沿って配置して、エンジン等
のウエイトを後方に寄せて配置し、機体前後のバランス
を改善する。 更に、座席を旋回台フレームの旋回中心よ
りも後方に配置して、更に機体の前後バランスを良好に
し、走行時及び作業時のバランスを良好とする。 作業機
を前端部に配置し、座席を旋回台フレームの旋回中心よ
り後方に配置し、旋回時や掘削作業時に作業機を立てた
ときに、作業機と座席との距離が長くなるようにする。
更に、旋回台フレームから屋根部材がはみ出さないよう
に構成し、旋回台フレームに沿って、最大限後方まで屋
根部材を配置可能とする。
【0014】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本願発明のバ
ックホーの全体側面図、図2は同じく図1のバックホー
の全体平面図、図3は同じく旋回台フレーム2の上部の
各装置の配置を示す平面図である。
【0015】図1と図2において、本願発明の旋回作業
車の全体的な構成を説明する。該実施例はバックホーに
ついて図示しているが、その他の旋回作業車であっても
良い。該バックホーはクローラー式走行装置22により
走行する走行車体を具備しており、該クローラー式走行
装置22の間に、排土板24が排土板シリンダ28によ
り上下に回動可能に支持されている。またクローラー式
走行装置22の中央部に旋回台軸受30が配置されてお
り、該旋回台軸受30の中心に旋回モータ6が配置され
ており、該旋回モータ6の中心位置が旋回中心Oに構成
されている。
【0016】旋回台軸受30の上部に旋回台フレーム2
が固設されている。該旋回台フレーム2は、図3に示す
如く、半円状に構成されており、前部に作業機支点部C
が配置されて、作業機Aの下端が作業機枢支軸29によ
り枢支されている。作業機Aは、メインブーム3とバケ
ットアーム21とバケット4により、主要部が構成され
ており、メインブーム3はブームシリンダ18により上
下回動可能としており、またバケットアーム21はアー
ムシリンダ19により上下回動可能とされている。ま
た、バケット4はバケットアーム21の先端に枢支され
ており、バケットシリンダ20により掬い取り回動され
る。またメインブーム3は側溝掘りを可能とする為に、
スイングシリンダ16により左右にスイング可能とされ
ている。該スイングシリンダ16は、図3に示す如く、
座席9と逆の側で、作動油タンク14と燃料タンク31
の下方の位置に配置されている。
【0017】旋回台フレーム2の上には、座席9とキャ
ノピルーフ23が左側に、右側には作業機Aや作動油タ
ンク14や燃料タンク31が配置されており、全体をボ
ンネット10により被覆している。該ボンネット10は
半月状に構成されており、弦の部分が斜めになって、ク
ローラー式走行装置22の右側の先端から、座席9の後
方まで、平面図で斜めになるように構成されている。ま
た、キャノピルーフ23のキャノピ支持柱26・27は
前後に開脚状に構成されており、左側の乗降口から、右
側のウォークスルー乗降口Dまでの、オペレーターの移
動に干渉しないように、キャノピ支持柱26・27を配
置構成している。
【0018】座席9の前部には操作コラム25が配置さ
れており、作業機Aの操作と、クローラー式走行装置2
2の操作を行うレバーが配置されている。また図2に示
す如く、座席9と操作コラム25の間に左側乗降口Eが
配置されており、該左側乗降口Eが右側のウォークスル
ー乗降口Dに連通しており、オペレーターは左右のどら
ちからでも乗降が出来るように構成している。左側乗降
口Eの下方にコントロールバルブ5が配置されている。
また、図2に示す如く、作業機Aは上部体構造Bの上部
右側前端B1よりも前に配置されているので、メイン
ブーム3自体をスイングしても、ボンネット10に干渉
するおそれが無く、スイングシリンダ16によりブーム
スイング機構を構成することが出来る。該メインブーム
3を最大にスイングした位置に、燃料タンク31が配置
されており、それまでの余裕空間をウォークスルー乗降
口Dに構成している。故に、該ウォークスルー乗降口D
は側溝掘りをする場合には、回動したメインブーム3に
より閉鎖される。即ちウォークスルー乗降口Dとメイン
ブーム3のスイングスペースが兼用されている。
【0019】次に、図3において説明する。上部体構造
Bは円弧状に構成されており、該上部体構造Bの後方部
が、旋回中心Oを中心として旋回した場合に、クローラ
ー式走行装置22の幅内に入る円の内部に位置するよう
に構成されている。またエンジン11と座席9とは左右
に、左右の中心線Mを挟んで別の位置に配置しており、
両者が重複することの無いように構成している。エンジ
ン11は、平面図で示す如く、斜めに配置しており、右
端にはラジエータ12とオイルクーラー13が配置され
ている。エンジン11の左側には、油圧ポンプ7が付設
されており、該油圧ポンプ7の上又は下の位置にはバッ
テリー8が配置されている。また、エンジン11、ラジ
エータ12、及び油圧ポンプ7は、旋回中心よりも後方
で、上部体構造Bの後方部の円弧状部分に沿って配置さ
れている。また、エンジン11の前方の位置には、作動
油タンク14が配置されており、該作動油タンク14の
前部には燃料タンク31が配置されている。
【0020】該燃料タンク31は、斜めに配置されてお
り、ウォークスルー乗降口Dに沿って長い形状とされて
いる。該燃料タンク31の位置が、メインブーム3の左
右スイングの右側端部位置に構成されている。上部体構
造Bの上部体右側前端B1の部分よりも前方の位置に作
業機支点部Cが構成されており、該作業機支点部Cは作
業機枢支体1と作業機枢支軸29により構成されてい
る。該メインブーム3が左方向にスイングした場合に
は、操作コラム25の前の前部手摺り17の位置にスイ
ングし、該前部手摺り17は上部体右側前端B1よりも
後退した位置に配置されているので、メインブーム3と
前部手摺り17とが干渉することは無いのである。
【0021】また、ボンネット10は半月状に構成され
ており、弦の部分が斜めに構成されている。そして該斜
めの弦に沿って燃料タンク31が配置されている。また
座席9の側方には旋回台軸受30が配置されており、該
旋回台軸受30の内部には旋回モータ6と旋回中心Oが
構成されている。図2に示す如く、機体の旋回中心Oを
通過する前後中心線Nに対して、後方部分を完全に円弧
状として、該円弧が旋回中心Oを中心とする旋回円弧を
構成しているのである。また該円弧は左右のクローラー
式走行装置22の間に入るように構成している。
【0022】
【発明の効果】本願発明は以上の如く構成したので、次
のような効果を奏するのである。従来から、実開昭57
−202461号公報に示すように、標準型バックホー
と呼ばれるものが存在したが、以下の問題点があった。
走行装置の上部の旋回フレームの後方部が旋回時に走行
装置の幅よりも突出していたので、該後方部が障害物に
衝突し易かった。 特に、壁際での側溝掘り時には、壁際
に機体を寄せて側溝掘りを行うので、壁とは反対側に停
車しているトラックに土砂を積み込むための旋回の際
に、旋回フレームの後方部が壁に当たることとなり、走
行装置の上部の旋回フレームを旋回させることが出来な
かった。従って、狭い場所での掘削作業が不可能であっ
た。
【0023】そこで、上記標準型バックホーの問題点を
解決するために、実開平1−164337号公報に示す
ような超小旋回型バックホーが開発された。 この超小旋
回型バックホーの場合には、走行装置の上部の旋回フレ
ームは、旋 回時において走行装置の幅からはみ出さない
ので、その幅内に納まる。従って、狭い場所での作業が
可能になる。 しかし、側溝掘り時において、超小旋回型
バックホーは、作業機が上下方向にしか作動出来ないの
で、作業機を左右方向に作動させるために、ブームの上
部に、オフセットブーム、アームシリンダ等からなる、
オフセットブーム機構が必要になる。 このオフセットブ
ーム機構をブームの上部に設けることにより、側溝掘り
の際に、オフセットブーム機構のオフセットブームを左
右方向で、側溝側へ傾けて、アームの先端のバケットで
掘削したとき、該側溝の縁部に前記オフセットブーム機
構が接触し、それ以上に深く側溝掘りをすることが出来
ないという不具合があった。
【0024】また、壁際での側溝掘りの際に、側溝の土
砂を掘り、作業機を上げて立てた後に、この土砂をトラ
ックの荷台に搬送するために旋回するのであるが、この
場合に、側溝掘りのために作業機のブームをオフセット
させた状態であり、この姿勢で作業機を上げて立てる
と、前記偏在した位置のオフセットブーム機構から、ア
ームシリンダの後部が旋回フレームから突出する。 この
状態から旋回フレームを旋回させると、アームシリンダ
の後部が、旋回フレームの後方部から突出しているの
で、前記アームシリンダの後部が、走行装置の幅からは
み出す。よって、アームシリンダが側壁に接触し、旋回
が不可能となるという不具合があった。 また、作業機を
構成するブームの上部にオフセットブーム機構が存在す
るので、作業機の重量が重くなる。よって、作業機を前
方へ伸ばしたときは、作業機が重いので、作業車のバラ
ンスが悪くなる。また、作業機を上げて立てたときは、
作業機が重いので、作業車の重心位置が高くなり、安定
性が悪くなる。 この理由により、速い速度で作業や走行
が出来ないという不具合もあった。
【0025】また、実開平1−164337号公報に記
載の超小旋回型バックホーにおいては、エンジン、ラジ
エータ、及び油圧ポンプが、上部旋回体に備えられてい
る旋 回フレームの後方部に配置されている。 しかし、前
記エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプは、上部旋回
体に備えられている旋回フレームの後方部に配置されて
いるだけであり、上部旋回体の後方部の円弧状部分に沿
って配置されていない。 よって、前記公報の第2図に示
されているように、前記上部旋回体の後方部と前記エン
ジン等との間の隙間が大きくなるので、上部旋回体の後
方部が平面視で突出して大きくなりコンパクトに出来な
い。 また、前記上部旋回体の後方部と前記エンジン等と
の間の隙間が大きいので、エンジン等のウエイトをより
後方に配置することが出来ず、機体バランスの改善を図
ることが困難である。 本願発明は、以上の超小旋回型バ
ックホーの不具合を解消するものである。
【0026】本願発明の請求項1においては、前記超小
旋回型バックホーの不具合を解決するために、走行装置
に旋回台軸受を介して旋回台フレームを旋回可能に装着
し、該旋回台フレームに、座席、エンジン、ラジエー
タ、及び油圧ポンプ等を配設して上部体構造を構成し、
旋回台フレームの前端部に、作業機を上下方向及び左右
方向に作動可能に作業機枢支体を介して枢支し、上部体
構造の後方部を平面視で円弧状に形成し、上部体構造の
少なくとも後方最大寸法部を走行装置の幅内とした旋回
作業車において、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポン
プを、旋回台フレームの旋回中心より後方位置で、か
つ、上部体構造の後方の円弧状部分に沿って配置したの
で、次のような効果を奏する。
【0027】第1に、旋回台フレームの前端部に、作業
機を上下方向及び左右方向に作動可能に枢支し、かつ、
上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走行装置の幅
内とするので、上部の旋回体の後方最大寸法部が、走行
装置の幅内に納まり、旋回時において、旋回台フレーム
の後方部が障害物に接触することが無くなる。 第2に、
特に側溝掘り時には、旋回台フレームの前端部に、作業
機を上下方向及び左右方向に作動可能に枢支し、上部体
構造の少なくとも後方最大寸法部を走行装置の幅内とす
るので、オフセットブーム機構の必要がなく、しかも、
走行装 置の幅内で、上部体構造の後方部が旋回出来る。
それにより、上部体構造の後方部が走行装置の幅内で旋
回出来て、しかも、側溝掘り時の溝の縁部にオフセット
ブームが当たり深く掘れないという不具合が生じない。
よって、旋回台フレームを旋回させて、作業機を左右方
向に作動させて、側溝掘りが出来るので、作業機の全体
を使って、深く側溝掘りが出来る。 第3に、旋回台フレ
ームの前端部に、作業機を上下方向及び左右方向に枢支
し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走行装置
の幅内とするので、オフセットブーム機構が不要とな
り、これにより、作業機を立てたときにアームシリンダ
が旋回フレームから突出することがない。よって、旋回
の際に、該アームシリンダの後部が走行装置の幅からは
み出さない。故に、壁際での側溝掘りが出来て、しか
も、掘った土砂を、壁とは反対側のトラックに積み込む
ための旋回が可能となる。 第4に、作業機にオフセット
ブーム機構が必要ないので、作業機が軽くなり、よっ
て、機体の前後バランスが悪くなることがなく、作業機
を立てたときも、重心位置が高くならず、低くなり、よ
って速い速度で作業及び走行が出来る。 第5に、エンジ
ン、ラジエータ、及び油圧ポンプを旋回台フレームの旋
回中心より後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円
弧状部分に沿って配置するので、前記上部体構造の後方
部と前記エンジン等との間の隙間が小さくなり、上部体
構造の後方部を平面視で突出しないで、コンパクトに出
来る。 第6に、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ
を旋回台フレームの旋回中心より後方位置で、かつ、旋
回台フレームの後方部の円弧状部分に沿って配置するの
で、エンジン等のウエイトに相当するものをより後方に
寄せて配置することが出来て、機体前後のバランスが改
善出来、走行及び作業性能が向上する。
【0028】請求項2の如く、走行装置に旋回台軸受を
介して旋回台フレームを旋回可能に装着し、該旋回台フ
レームに、座席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポン
プ等を配設して上部体構造を構成し、旋回台フレームの
前端部に、作業機を上下方向及び左右方向に作動可能に
作業機枢支体を介して枢支し、上部体構造の後方部を平
面視で円弧状に形成し、上部体構造の少なくとも後方最
大寸法部を走行装置の 幅内とした旋回作業車において、
エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレ
ームの旋回中心より後方位置で、かつ、上部体構造の後
方部の円弧状部分に沿って配置するとともに、座席を旋
回台フレームの旋回中心より後方に配置したので、前記
請求項1に係る効果に加えて、次のような効果を奏す
る。 第1に、座席を旋回台フレームの旋回中心より後方
に配置するので、エンジン、ラジエータ及び油圧ポンプ
のウエイトに相当するものに座席も加えて後方に寄せて
配置することが出来て、更に機体の前後バランスが良く
なって、走行及び作業性能が向上する。 第2に、作業機
が旋回台フレームの前端部にあり、座席が旋回台フレー
ムの旋回中心より後方に配置されているので、旋回時や
掘削作業時に作業機を立てたときに、作業機と座席との
距離がより長くなり、作業機が座席に近接、または接触
するおそれが無くなる。
【0029】請求項3の如く、走行装置に旋回台軸受を
介して旋回台フレームを旋回可能に装着し、該旋回台フ
レームに、座席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポン
プ等を配設して上部体構造を構成し、旋回台フレームの
前端部に、作業機を上下方向及び左右方向に作動可能に
作業機枢支体を介して枢支し、上部体構造の後方部を平
面視で円弧状に形成し、上部体構造の少なくとも後方最
大寸法部を走行装置の幅内とした旋回作業車において、
エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレ
ームの旋回中心より後方位置で、かつ、上部体構造の後
方部の円弧状部分に沿って配置するとともに、座席を旋
回台フレームの旋回中心より後方に配置し、更に前記座
席の上方の屋根部材の後方部を円弧状に形成したので、
前記請求項1及び請求項2に係る効果に加えて、更に、
次のような効果を奏する。 座席の上方の屋根部材の後方
部を円弧状に形成するので、旋回台フレームの旋回中心
より後方に配置した座席の上方の屋根部材を、上部体構
造の後方部の円弧状部分内に沿わせて配置出来ることに
なり、上部体構造の後方部からはみ出さないで、しかも
屋根部材をより後方まで有効に配置することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のバックホーの全体側面図。
【図2】同じく図1のバックホーの全体平面図。
【図3】同じく旋回台フレーム2の上部の各装置の配置
を示す平面図。
【図4】従来の標準型バックホーの平面図。
【図5】コーヒーカップ型と呼ばれる作業機Aを上部体
構造Bの上方に折り畳んで旋回可能とした超小旋回型バ
ックホーの側面図。
【図6】同じく図5の超小旋回型バックホーの平面図。
【図7】超小旋回を可能とする為のオフセットブーム機
構の分解斜視図。
【図8】エンジン11が左右の中心線Mを挟んで左右に
配置された超小旋回型バックホーの全体斜視図。
【図9】同じく図8の超小旋回型バックホーの側面図。
【図10】エンジン11と座席9の配置を示す図8の超
小旋回型バックホーの平面図。
【符号の説明】
A 作業機 B 上部体構造 B1 上部体右側前端 C 作業機支点部 D ウォークスルー乗降口 E 左側乗降口 O 旋回中心 M 左右の中心線 N 前後中心線 1 作業機枢支体 2 旋回台フレーム 3 メインブーム 4 バケット 5 コントロールバルブ 7 油圧ポンプ 8 バッテリー 9 座席 10 ボンネット 11 エンジン 12 ラジエータ 22 クローラー式走行装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇野 隆 大阪府大阪市北区茶屋町1番32号 ヤン マーディーゼル株式会社内 (72)発明者 米倉 澄 岡山市江並428番地 セイレイ工業株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭51−67602(JP,A) 実開 昭61−76850(JP,U) 実開 昭63−71257(JP,U) 実開 平4−4944(JP,U) 実開 平1−75169(JP,U) 実開 昭57−202461(JP,U) 実開 平1−164337(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02F 9/08 E02F 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行装置に旋回台軸受を介して旋回台フ
    レームを旋回可能に装着し、該旋回台フレームに、座
    席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ等を配設し
    て上部体構造を構成し、旋回台フレームの前端部に、作
    業機を上下方向及び左右方向に作動可能に作業機枢支体
    を介して枢支し、上部体構造の後方部を平面視で円弧状
    に形成し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走
    行装置の幅内とした旋回作業車において、エンジン、ラ
    ジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレームの旋回中
    心より後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円弧状
    部分に沿って配置したことを特徴とする旋回作業車。
  2. 【請求項2】 走行装置に旋回台軸受を介して旋回台フ
    レームを旋回可能に装着し、該旋回台フレームに、座
    席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ等を配設し
    て上部体構造を構成し、旋回台フレームの前端部に、作
    業機を上下方向及び左右方向に作動可能に作業機枢支体
    を介して枢支し、上部体構造の後方部を平面視で円弧状
    に形成し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走
    行装置の幅内とした旋回作業車において、エンジン、ラ
    ジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレームの旋回中
    心より後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円弧状
    部分に沿って配置するとともに、座席を旋回台フレーム
    の旋回中心より後方に配置したことを特徴とする旋回作
    業車。
  3. 【請求項3】 走行装置に旋回台軸受を介して旋回台フ
    レームを旋回可能に装着し、該旋回台フレームに、座
    席、エンジン、ラジエータ、及び油圧ポンプ等を配設し
    て上部体構造を構成し、旋回台フレームの前端部に、作
    業機を上下方向及び左右方向に作動可能に作業機枢支体
    を介して枢支し、上部体構造の後方部を平面視で円弧状
    に形成し、上部体構造の少なくとも後方最大寸法部を走
    行装置の幅内とした旋回作業車において、エンジン、ラ
    ジエータ、及び油圧ポンプを、旋回台フレームの旋回中
    心より後方位置で、かつ、上部体構造の後方部の円弧状
    部分に沿って配置するとともに、座席を旋回台フレーム
    の旋回中心より後方に配置し、更に前記座席の上方の屋
    根部材の後方部を円弧状に形成したことを特徴とする旋
    回作業車。
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