JP2803299B2 - 永久磁石回転機 - Google Patents
永久磁石回転機Info
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- Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 A. 産業上の利用分野 本発明は、従来のステッピングモータやバーニヤモー
タの性能を改善し、大きくかつ安定した定常トルクを得
る永久磁石電動機に関する。
タの性能を改善し、大きくかつ安定した定常トルクを得
る永久磁石電動機に関する。
B. 発明の概要 本発明は、ステッピングモータやバーニヤモータの短
所を補うもので、 固定子鉄心スロット数Z1、回転子鉄心スロット数Z2、
及び極対数Pの場合Z2=Z1+P又はZ2=Z1−Pなる関係
に構成し、固定子鉄心スロットに三相巻線を納め、上記
固定子鉄心の全スロット及び回転子鉄心の全スロットの
少なくとも一方に永久磁石を配置し、これらの全磁石を
同一方向に着磁することを基本とし、 また、固定子鉄心の固定子歯に小スロットを備える場
合にはこの小スロットをスロット数Z1に含め、更には、
回転子位置を検出してこの位置に基づき固定子電流の位
相を制御すると共に、この固定子電流の振幅を制御して
必要なトルクを発生することにより、少ない電流であっ
ても高トルクが得られかつ安定して定常トルクを得るよ
うにしたものである。
所を補うもので、 固定子鉄心スロット数Z1、回転子鉄心スロット数Z2、
及び極対数Pの場合Z2=Z1+P又はZ2=Z1−Pなる関係
に構成し、固定子鉄心スロットに三相巻線を納め、上記
固定子鉄心の全スロット及び回転子鉄心の全スロットの
少なくとも一方に永久磁石を配置し、これらの全磁石を
同一方向に着磁することを基本とし、 また、固定子鉄心の固定子歯に小スロットを備える場
合にはこの小スロットをスロット数Z1に含め、更には、
回転子位置を検出してこの位置に基づき固定子電流の位
相を制御すると共に、この固定子電流の振幅を制御して
必要なトルクを発生することにより、少ない電流であっ
ても高トルクが得られかつ安定して定常トルクを得るよ
うにしたものである。
しかも、回転子鉄心を軸方向に沿い二つのブロックに
分けてこの二つのブロックどおしを回転子スロットピッ
チの1/2だけ円周方向にずらし、双方のブロックでは磁
石の極性が互いに逆になるように着磁することによっ
て、永久磁石のために、固定子鉄心外径と回転子鉄心内
径との間に一定の磁位差を生じ、このため通常の構造で
は、磁束が軸受部を通って、軸受に有害な現象を生ずる
おそれを防止して、上記の一定の磁位差による磁束を両
ブロック間に循環させるようにするか、他の方法とし
て、ブラケット部に非磁性体の部分を設けて、上記の一
定の磁位差による磁束が軸受部と通らないようにしたも
のである。
分けてこの二つのブロックどおしを回転子スロットピッ
チの1/2だけ円周方向にずらし、双方のブロックでは磁
石の極性が互いに逆になるように着磁することによっ
て、永久磁石のために、固定子鉄心外径と回転子鉄心内
径との間に一定の磁位差を生じ、このため通常の構造で
は、磁束が軸受部を通って、軸受に有害な現象を生ずる
おそれを防止して、上記の一定の磁位差による磁束を両
ブロック間に循環させるようにするか、他の方法とし
て、ブラケット部に非磁性体の部分を設けて、上記の一
定の磁位差による磁束が軸受部と通らないようにしたも
のである。
C. 従来の技術とその課題 従来から種々のモータがあり、そのひとつにいわゆる
バーニアモータがある。このバーニアモータは、第9図
に示すように固定子鉄心1と回転子鉄心2とがあり、固
定子鉄心1には複数個のスロット(スロット数Z1で第9
図では12)が設けられると共に回転子鉄心2にも複数個
のスロット(スロット数Z2で第9図では10)が設けられ
ており、更に固定子鉄心には通常の交流機と同様の3相
巻線(図示省略)が施されている構造を有する。
バーニアモータがある。このバーニアモータは、第9図
に示すように固定子鉄心1と回転子鉄心2とがあり、固
定子鉄心1には複数個のスロット(スロット数Z1で第9
図では12)が設けられると共に回転子鉄心2にも複数個
のスロット(スロット数Z2で第9図では10)が設けられ
ており、更に固定子鉄心には通常の交流機と同様の3相
巻線(図示省略)が施されている構造を有する。
しかも、この固定子鉄心1のスロット数Z1と回転子鉄
心2のスロット数Z2とをZ2−Z1=±P(ここでPは固定
子3相巻線の極数)という関係を選定した場合、回転速
度は120f/Z2(rpm)となり、回転角速度ωmと角周波数
ωとで表わすとωm=2ω/Z2となることが判明してい
る。
心2のスロット数Z2とをZ2−Z1=±P(ここでPは固定
子3相巻線の極数)という関係を選定した場合、回転速
度は120f/Z2(rpm)となり、回転角速度ωmと角周波数
ωとで表わすとωm=2ω/Z2となることが判明してい
る。
したがって、角周波数ωや回転子鉄心2のスロット数
Z2に依存して回転速度がきまる。
Z2に依存して回転速度がきまる。
ところが、このバーニアモータにあっては、トルク脈
動が必ず生じており、更に回転子巻線が依存せず、負荷
の慣性に打勝って同期に入る最大トルクすなわち引入れ
トルクが小さく、また回転子の位置ずれに伴う脱出トル
クも小さいという問題が生じている。
動が必ず生じており、更に回転子巻線が依存せず、負荷
の慣性に打勝って同期に入る最大トルクすなわち引入れ
トルクが小さく、また回転子の位置ずれに伴う脱出トル
クも小さいという問題が生じている。
一方、他のものとしてステッピングモータがある。こ
のステッピングモータは、第10図に示すように固定子鉄
心3とリラクタンス形の回転子鉄心とがあり、各固定子
鉄心3にはそれぞれ独立して固定子コイル5が巻回され
る構造であって、第10図に示す例では軸方向にI,II,III
相が配置されている構造である。
のステッピングモータは、第10図に示すように固定子鉄
心3とリラクタンス形の回転子鉄心とがあり、各固定子
鉄心3にはそれぞれ独立して固定子コイル5が巻回され
る構造であって、第10図に示す例では軸方向にI,II,III
相が配置されている構造である。
そして、各固定子コイルを適宜選択してパルス信号を
流すことにより、固定子鉄心3と回転子鉄心4(第10図
(b)ではI相のみ表示)との間の歯間に発生する磁気
吸引力を利用して回転を行なわしめている。
流すことにより、固定子鉄心3と回転子鉄心4(第10図
(b)ではI相のみ表示)との間の歯間に発生する磁気
吸引力を利用して回転を行なわしめている。
ところが、このステッピングモータにあっては、構造
上トルク脈動が生じ、更に磁気吸引力により駆動させる
関係上回転速度が上昇すると共にトルクも急激に低下す
るという問題があり、安定した定常トルクが得られな
い。
上トルク脈動が生じ、更に磁気吸引力により駆動させる
関係上回転速度が上昇すると共にトルクも急激に低下す
るという問題があり、安定した定常トルクが得られな
い。
本発明は、上述の問題に鑑み、トルク脈動を抑えて大
きくかつ安定した定常トルクを得る永久磁石回転機の提
供を目的とする。
きくかつ安定した定常トルクを得る永久磁石回転機の提
供を目的とする。
D. 課題を解決するための手段 上述の目的を達成する本発明は、スロット数Z1を有す
る固定子鉄心と等ピッチにてスロット数Z2を有する回転
子鉄心とをPを極対数としてZ2=Z1+PまたはZ2=Z1−
Pなる関係に形成し、上記固定子鉄心のスロットには3
相巻線が納められ、上記固定子鉄心の全スロット及び回
転子鉄心の全スロットを全スロットの少なくとも一方に
永久磁石を配置して、全自作を同一方向に着磁すること
を基本とし、 また、上述の構造において、固定子鉄心の固定子歯の
ギャップ面に小スロットを備え、この小スロットと巻線
が収められたスロットとを加えて全スロットとしてスロ
ット数Z1としたことを特徴とし、 更に、検出した回転子の位置の関数として電流位相を
制御すると共に、必要なトルクを発生するように電流振
幅値を制御することを特徴とする。
る固定子鉄心と等ピッチにてスロット数Z2を有する回転
子鉄心とをPを極対数としてZ2=Z1+PまたはZ2=Z1−
Pなる関係に形成し、上記固定子鉄心のスロットには3
相巻線が納められ、上記固定子鉄心の全スロット及び回
転子鉄心の全スロットを全スロットの少なくとも一方に
永久磁石を配置して、全自作を同一方向に着磁すること
を基本とし、 また、上述の構造において、固定子鉄心の固定子歯の
ギャップ面に小スロットを備え、この小スロットと巻線
が収められたスロットとを加えて全スロットとしてスロ
ット数Z1としたことを特徴とし、 更に、検出した回転子の位置の関数として電流位相を
制御すると共に、必要なトルクを発生するように電流振
幅値を制御することを特徴とする。
更に、回転子鉄心を軸方向に沿い二つのブロックに分
けてこの二つのブロックどおしを回転子スロットピッチ
の1/2だけ円周方向にずらし、双方のブロックでは磁石
の極性が互に逆になるように着磁することにより、永久
磁石のために、固定子鉄心外周と回転子鉄心内周との間
に一定の磁位差を生じ、このため通常の構造では、磁束
が軸受部を通って、軸受に有害な現象を生ずるおそれを
防止して、上記の一定の磁位差による磁束を両ブロック
間に循環させるようにするか、他の方法として、ブラケ
ット部に非磁性体の部分を設けて、上記の一定の磁位差
による磁束が軸受部と通らないようにしたものである。
けてこの二つのブロックどおしを回転子スロットピッチ
の1/2だけ円周方向にずらし、双方のブロックでは磁石
の極性が互に逆になるように着磁することにより、永久
磁石のために、固定子鉄心外周と回転子鉄心内周との間
に一定の磁位差を生じ、このため通常の構造では、磁束
が軸受部を通って、軸受に有害な現象を生ずるおそれを
防止して、上記の一定の磁位差による磁束を両ブロック
間に循環させるようにするか、他の方法として、ブラケ
ット部に非磁性体の部分を設けて、上記の一定の磁位差
による磁束が軸受部と通らないようにしたものである。
E. 作用 回転子又は固定子の少なくとも一方の全スロットに永
久磁石を配置することにより駆動トルクを強め、低電流
にて安定した高トルクが得られる。
久磁石を配置することにより駆動トルクを強め、低電流
にて安定した高トルクが得られる。
F. 実施例 ここで、第1図ないし第8図を参照して本発明の実施
例を原理と共に説明する。第1図は回転子10及び固定子
11を示している。
例を原理と共に説明する。第1図は回転子10及び固定子
11を示している。
第1図において、固定子11には、その内周に等ピッチ
のスロット11aが形成され、その数Z1(第1図では6)
である。このスロット11aには三相巻線12であるU,V,Wが
施され、2P(Pは極対数、第1図ではP=1)の回転磁
界が生ずるようになっている。更に、スロット11aの入
口部には永久磁石15が埋め込まれている。
のスロット11aが形成され、その数Z1(第1図では6)
である。このスロット11aには三相巻線12であるU,V,Wが
施され、2P(Pは極対数、第1図ではP=1)の回転磁
界が生ずるようになっている。更に、スロット11aの入
口部には永久磁石15が埋め込まれている。
他方、回転子10には、その外周に等ピッチのスロット
10cを有し、その数Z2(第1図では7)となっている。
そして、この回転子10の全スロット10cにも永久磁石16
が埋込まれている。
10cを有し、その数Z2(第1図では7)となっている。
そして、この回転子10の全スロット10cにも永久磁石16
が埋込まれている。
これらの永久磁石15と16は第1図に示すように半径方
向に中心に向って、すべての磁石が同一極性を持つよう
に着磁される。
向に中心に向って、すべての磁石が同一極性を持つよう
に着磁される。
そして、これらスロット数Z1,Z2とは、 Z2=Z1+P又はZ2=Z1−P …(1) なる関係を有して形成されている(第1図の場合はZ2=
Z1+P)。
Z1+P)。
各磁石によって生ずる磁束は、ギャップを介して磁石
と歯の部分で閉じた磁路を構成するた、固定子鉄心の外
周と固定子鉄心内周との間の電動機の構造では、この磁
位差によって固定子鉄心−フレーム−ブラケット−軸受
部−軸−固定鉄心を磁路とする磁束を生じ、軸受に有害
な現象を生ずるおそれがある。これを防ぐために二つの
方法が考案されている。
と歯の部分で閉じた磁路を構成するた、固定子鉄心の外
周と固定子鉄心内周との間の電動機の構造では、この磁
位差によって固定子鉄心−フレーム−ブラケット−軸受
部−軸−固定鉄心を磁路とする磁束を生じ、軸受に有害
な現象を生ずるおそれがある。これを防ぐために二つの
方法が考案されている。
その一つの実施例の回転子10は、第2図に示すように
軸方向に沿って二つのブロック10a,10bに分割されてい
て、ブロック10aのギャップ面であるA−B面とブロッ
ク10bのギャップ面であるC−D面とは、互いに異なる
方向に磁束が通るようにA−B面とC−D面では、スロ
ットに納められた永久磁石15,16の着磁方向が互に逆方
向とする。このため上記一定の磁位差による磁束に対し
てはブロック10a−固定子鉄心11−ブロック10b−軸−ブ
ロック10aという矢印のような閉磁路が形成されるの
で、軸受部に磁束が通ることを防止できる。
軸方向に沿って二つのブロック10a,10bに分割されてい
て、ブロック10aのギャップ面であるA−B面とブロッ
ク10bのギャップ面であるC−D面とは、互いに異なる
方向に磁束が通るようにA−B面とC−D面では、スロ
ットに納められた永久磁石15,16の着磁方向が互に逆方
向とする。このため上記一定の磁位差による磁束に対し
てはブロック10a−固定子鉄心11−ブロック10b−軸−ブ
ロック10aという矢印のような閉磁路が形成されるの
で、軸受部に磁束が通ることを防止できる。
更に、ブロック10aとブロック10bとは、双方のスロッ
ト位置が1/2スロットピッチだけ円周方向に相互にずれ
た関係を持つように軸14に固定されている。
ト位置が1/2スロットピッチだけ円周方向に相互にずれ
た関係を持つように軸14に固定されている。
いま、ギャップ面ABについて考えるに、固定子スロッ
ト11aの永久磁石15は全てギャップ面にてS極に着磁さ
れた状態では、固定子スロット11a間の歯部はN極とな
り、固定子内周全体では永久磁石15と隣接する歯とによ
るNS極の組合せにて計2Z1極の磁極が構成される。
ト11aの永久磁石15は全てギャップ面にてS極に着磁さ
れた状態では、固定子スロット11a間の歯部はN極とな
り、固定子内周全体では永久磁石15と隣接する歯とによ
るNS極の組合せにて計2Z1極の磁極が構成される。
一方、回転子10のスロット10cでの永久磁石16はギャ
ップ面が全てN極に着磁されていることによって固定子
11の永久磁石15とは、半径方向に同一方向の磁界を生ず
る。この場合、回転子10のスロット10cに隣接する歯は
S極となって、回転子外周全体では永久磁石16と隣接す
る歯によるNS極の組合せに計2Z2極の磁極が構成され
る。
ップ面が全てN極に着磁されていることによって固定子
11の永久磁石15とは、半径方向に同一方向の磁界を生ず
る。この場合、回転子10のスロット10cに隣接する歯は
S極となって、回転子外周全体では永久磁石16と隣接す
る歯によるNS極の組合せに計2Z2極の磁極が構成され
る。
このような構造において、スロット11a,10cに納めら
れた永久磁石15,16によって生ずる起磁力分布の2Z1極及
び2Z2極の基本波成分のピーク値をそれぞれFm1及びFm2
とする。
れた永久磁石15,16によって生ずる起磁力分布の2Z1極及
び2Z2極の基本波成分のピーク値をそれぞれFm1及びFm2
とする。
ここで固定子巻線12の一つの極における第1相すなわ
ちU相の巻線群の中央(第1図の場合は1極1相のスロ
ット数が1つであるのでU相のスロットの中央)を原点
として、空間角で表された固定子座標をθ1とし、θ2
はt=0の瞬間に固定子座標θ1の原点にもっとも近い
スロット10cの中央を原点として空間角で表された回転
子上にとられた座標である。したがってθ1とθ2との
関係は、次式(2)となる。
ちU相の巻線群の中央(第1図の場合は1極1相のスロ
ット数が1つであるのでU相のスロットの中央)を原点
として、空間角で表された固定子座標をθ1とし、θ2
はt=0の瞬間に固定子座標θ1の原点にもっとも近い
スロット10cの中央を原点として空間角で表された回転
子上にとられた座標である。したがってθ1とθ2との
関係は、次式(2)となる。
θ2=θ1−ξΦ2−ωmt …(2) ここでωmは回転子10の回転角速度、Φ2は空間角で
した回転子のスロットピッチ、ξΦ2はt=0の時のθ
1の原点とθ2の原点との空間角であるので、ξは−0.
5<ξ≦0.5となる。すなわちt=0ではθ1−θ2=ξ
Φ2となり、回転しはじめるとtに応じてωmtだけθ1
とθ2の両原点間が広がることになる。
した回転子のスロットピッチ、ξΦ2はt=0の時のθ
1の原点とθ2の原点との空間角であるので、ξは−0.
5<ξ≦0.5となる。すなわちt=0ではθ1−θ2=ξ
Φ2となり、回転しはじめるとtに応じてωmtだけθ1
とθ2の両原点間が広がることになる。
かかる座標θ1θ2を用いてギャップパーミアンスを
表わすと次式(3)となる。
表わすと次式(3)となる。
ここで、α,γは任意の整数である。
また、固定子11の永久磁石15によって生ずる基本波成
分の起磁力は次式(4)である。
分の起磁力は次式(4)である。
Fm1cos(Z1θ1) …(4) よって、この起磁力によって生ずる磁束密度は(4)
式と(3)子との積となり、ハーモニックパーミアンス
を用い、また(2)式の関係を代入してθ2を消去する
ように整理し、空間分布として2P極をもつ磁束密度は次
式(5)として求められる。
式と(3)子との積となり、ハーモニックパーミアンス
を用い、また(2)式の関係を代入してθ2を消去する
ように整理し、空間分布として2P極をもつ磁束密度は次
式(5)として求められる。
同様にして回転子10の永久磁石16によって生ずる起磁
力は次式(6)となる。
力は次式(6)となる。
Fm2cos(Z2θ2) …(6) したがって、この起磁力によって生ずる2P極の磁束密
度は次式(7)となって(5)式と同じ形となる。
度は次式(7)となって(5)式と同じ形となる。
これら、2P極の磁束密度(5),(7)式は全く同一
の形となることが判明し、これらをまとめると、回転子
10、固定子11の全永久磁石によって生ずる磁束密度は次
式(8)(9)となる。
の形となることが判明し、これらをまとめると、回転子
10、固定子11の全永久磁石によって生ずる磁束密度は次
式(8)(9)となる。
一方、固定子巻線12に3相交流を流した場合の基本波
起磁力は次式(10)となる。
起磁力は次式(10)となる。
ここで、I1は電流実効値、ωは角周波数、N1は1相の
直列導体数、kw1は巻線係数である。
直列導体数、kw1は巻線係数である。
(8)式と(10)式とは空間分布の極数がいずれも2P
極で同一であるので、両者の間にトルクが生じZ2=Z1+
Pの場合次式(11)となる。
極で同一であるので、両者の間にトルクが生じZ2=Z1+
Pの場合次式(11)となる。
T=KBmI1msin[(Z2ωm−ω)t−ξZ2Φ2] …(11) ここでKは設計諸元から算出される定数である。
この(11)式よりZ2ωm−ω=0すなわち ωm=ω/Z2 …(12) の回転速度の状態にて脈動トルクが除かれて定常トルク
が得られ、その値は(13)式となる。
が得られ、その値は(13)式となる。
Tm=KBmI1msin(ξZ2φ2) …(13) また、Z2=Z1−Pの場合にはωm=−ω/Z2の回転速
度の状態にて、換言すれば、回転磁界と反対方向にω/Z
2の角速度で回転するときに定常トルクが得られ、その
値は(13)式と同一となる。
度の状態にて、換言すれば、回転磁界と反対方向にω/Z
2の角速度で回転するときに定常トルクが得られ、その
値は(13)式と同一となる。
以上の説明は回転子のブロックのAB面についての解析
であるが、CD面を着目すると、まずすべての起磁力
Fm1、Fm2、の符号が逆になり、更にAB面とCD面とはスロ
ット位置がスロットピッチの1/2だけずれているので、
t=0の時のθ1の原点とθ2の原点との空間角ξφ2
はCD面では(ξ+1/2)φ2となり、Z2φ2=2πであ
ることからZ2(ξ+1/2)φ2=Z2ξφ2+πとなる。
であるが、CD面を着目すると、まずすべての起磁力
Fm1、Fm2、の符号が逆になり、更にAB面とCD面とはスロ
ット位置がスロットピッチの1/2だけずれているので、
t=0の時のθ1の原点とθ2の原点との空間角ξφ2
はCD面では(ξ+1/2)φ2となり、Z2φ2=2πであ
ることからZ2(ξ+1/2)φ2=Z2ξφ2+πとなる。
したがって、トルクの式(13)において、sinの項は
次式(14)のように符号が逆になる。
次式(14)のように符号が逆になる。
sinZ2(ξ+1/2)φ2=−sinZ2ξφ2 …(14) 一方すべての起磁力の符号が逆になるため、(10)式
からBmも逆符号となり、CD面でのトルクTはAB面でのト
ルクと全く同じ式(13)のトルクが得られる。よってAB
面とCD面とで2倍のトルクが得られることになる。以上
の結果、第1図、第2図に示す電動機としては、電源角
周波数ω/Z2の速度で回転する周期電動機として使用で
きる。
からBmも逆符号となり、CD面でのトルクTはAB面でのト
ルクと全く同じ式(13)のトルクが得られる。よってAB
面とCD面とで2倍のトルクが得られることになる。以上
の結果、第1図、第2図に示す電動機としては、電源角
周波数ω/Z2の速度で回転する周期電動機として使用で
きる。
この場合、同期電動機の始動,引入れ,脱調等の問題
が生ずることとなるが、これらの問題のない制御方式と
して、回転子位置を検出してξZ2φ2=δが指令値を保
つように固定子電流を制御することが考えられる。この
場合、−0.5<ξ≦0.5の関係上−π<δ≦πの範囲にて
変化する。したがってδが正の時は電動機運転でδ=π
/2にて最大正トルク、δが負の時は発電機運転でδ=−
π/2にて最大負トルクとなり、この負トルクは減速時の
制動トルクとして利用できる。
が生ずることとなるが、これらの問題のない制御方式と
して、回転子位置を検出してξZ2φ2=δが指令値を保
つように固定子電流を制御することが考えられる。この
場合、−0.5<ξ≦0.5の関係上−π<δ≦πの範囲にて
変化する。したがってδが正の時は電動機運転でδ=π
/2にて最大正トルク、δが負の時は発電機運転でδ=−
π/2にて最大負トルクとなり、この負トルクは減速時の
制動トルクとして利用できる。
δの指令値δ*を保ちながら指定回転速度ωmにて運
転する場合の制御を次に述べる。
転する場合の制御を次に述べる。
t=0の瞬間にθ1の原点に最も近いスロット中央位
置の座標をθ2とした場合、前掲のωm=ω/Z2の条件
を満足し、定常トルクを発生している時次式を得る。
置の座標をθ2とした場合、前掲のωm=ω/Z2の条件
を満足し、定常トルクを発生している時次式を得る。
θ2=ωmt+ξφ2=ωt/Z2+δ/Z2 …(15) このためωt=(Z2θ2−δ)を得る。
従ってδ*を保ちながらωmなる角速度で回転させる
ためには、回転子スロットの中央の位置θ2を検出して
次式(16)を計算する。
ためには、回転子スロットの中央の位置θ2を検出して
次式(16)を計算する。
(ωt)*=(Z2θ2−δ*) …(16) ついで、(17)式となるよう各相電流の位相を制御す
る。
る。
一方電流の振幅値I1mについては、ωmの指令▲ω*
m▼と実際のωmとを比較し、その偏差を零とするよう
にI1mの指令値▲I* 1m▼を与える。このようにして、
電動機に供給する各相電流の指令値▲i* u▼,▲i*
v▼,▲i* w▼を与えることができるので、この指令
値通りの電流を流すよう電流制御形インバータを制御す
れば、電動機を常にωmで駆動することができる。
m▼と実際のωmとを比較し、その偏差を零とするよう
にI1mの指令値▲I* 1m▼を与える。このようにして、
電動機に供給する各相電流の指令値▲i* u▼,▲i*
v▼,▲i* w▼を与えることができるので、この指令
値通りの電流を流すよう電流制御形インバータを制御す
れば、電動機を常にωmで駆動することができる。
第3図にて回路を具体化するに、電流制御形インバー
タ20により電動機21が制御されるが、この電動機21に備
えられるロータリーエンコーダ等の位置検出器22では、
回転子位置θ2を示す信号が出力される。この回転子位
置θ2は、電流位相計算回路23にて負荷角指令δ*を加
えて演算され、前述の(16)式に基づいて(ωt)*計
算し、二つのROMテーブルからcos〔(ωt)*〕及びco
s〔(ωt)*−4/3π〕を得る。なお、このδ*は加速
時にはπ/2、減速時には−π/2に設定する。一方、位置
検出器からのパルス信号は、F/V変換器24にて回転角速
度ωmに変換される。このF/V変換器24の出力ωmと角
速度指令ωm *とは偏差がとられ、ついでPI制御器25を
介して電流指令▲I* 1m▼が決定される。この結果、co
s〔(ωt)*〕及びcos(ωt)*−4/3π〕をマルチ
プライング形D/A変換器26にてD/A変換し、これに▲I*
1m▼を乗ることにより、iu *,iw *が得られる。そしてi
u+iv+iw=0の関係を用いて、▲i* v▼演算回路27
からV相電流指令値どおりの電流を電動機21に供給する
ように電圧形インバータ20が制御される。
タ20により電動機21が制御されるが、この電動機21に備
えられるロータリーエンコーダ等の位置検出器22では、
回転子位置θ2を示す信号が出力される。この回転子位
置θ2は、電流位相計算回路23にて負荷角指令δ*を加
えて演算され、前述の(16)式に基づいて(ωt)*計
算し、二つのROMテーブルからcos〔(ωt)*〕及びco
s〔(ωt)*−4/3π〕を得る。なお、このδ*は加速
時にはπ/2、減速時には−π/2に設定する。一方、位置
検出器からのパルス信号は、F/V変換器24にて回転角速
度ωmに変換される。このF/V変換器24の出力ωmと角
速度指令ωm *とは偏差がとられ、ついでPI制御器25を
介して電流指令▲I* 1m▼が決定される。この結果、co
s〔(ωt)*〕及びcos(ωt)*−4/3π〕をマルチ
プライング形D/A変換器26にてD/A変換し、これに▲I*
1m▼を乗ることにより、iu *,iw *が得られる。そしてi
u+iv+iw=0の関係を用いて、▲i* v▼演算回路27
からV相電流指令値どおりの電流を電動機21に供給する
ように電圧形インバータ20が制御される。
また、トルクTの式(13)は周波数に無関係であるの
で、PI制御器の出力側にリミッタ28を設け、加速及び減
速時には、一定電流値を流すことによって一定トルクを
発生させることができる。
で、PI制御器の出力側にリミッタ28を設け、加速及び減
速時には、一定電流値を流すことによって一定トルクを
発生させることができる。
更にこの実施例ではヒステリシスコンパレータ29によ
って、(▲ω* m▼−ωm)の符号の正負に従って、こ
れが正の場合にはφ*の値も正として電動機運転で加速
し、逆に負の場合はφ*の値も負として発電機運転で回
生制動を行うようになっている。
って、(▲ω* m▼−ωm)の符号の正負に従って、こ
れが正の場合にはφ*の値も正として電動機運転で加速
し、逆に負の場合はφ*の値も負として発電機運転で回
生制動を行うようになっている。
以上の説明は、Z2=Z1+Pの場合につき述べてきた
が、Z2=Z1−Pの場合、(16)式が次のようになる。
が、Z2=Z1−Pの場合、(16)式が次のようになる。
−(ωt)*=(Z2θn−δ*) …(18) となるのでこの値を(17)式に代入すればZ2=Z1+Pの
場合と同様に各相の電流の指令値を得ることができるが
相回転は逆になる。すなわちZ2+Pの場合とZ2−Pの場
合とは固定市電流による回転磁界の方向が逆になる。
場合と同様に各相の電流の指令値を得ることができるが
相回転は逆になる。すなわちZ2+Pの場合とZ2−Pの場
合とは固定市電流による回転磁界の方向が逆になる。
以上は第1実施例であるが、第2実施例は上記のよう
に回転子鉄心を二つのブロックに分けることなく、一ブ
ロックのみとして、第4図のようにブラケット18の内周
に非磁生部19を設けることによって、軸受部20を磁束が
通ることを防ぐことができる。この場合固定子鉄心11−
ブラケット18−軸受カバー21−軸14−回転子鉄心10−固
定子鉄心10−固定子鉄心11という磁路を通ることにな
る。
に回転子鉄心を二つのブロックに分けることなく、一ブ
ロックのみとして、第4図のようにブラケット18の内周
に非磁生部19を設けることによって、軸受部20を磁束が
通ることを防ぐことができる。この場合固定子鉄心11−
ブラケット18−軸受カバー21−軸14−回転子鉄心10−固
定子鉄心10−固定子鉄心11という磁路を通ることにな
る。
以上電動機としての説明を行なってきたがδを負の値
に保ち、軸に機械的動力を外部から供給することによっ
て、発電機としても運転できる。
に保ち、軸に機械的動力を外部から供給することによっ
て、発電機としても運転できる。
これまでの説明は第1図のように少数のスロットの組
合せで説明してきたが、ωm=ω/Z2式からわかるよう
に回転角速度として低速を必要とする場合にはスロット
数をふやせばよいことがわかる。この場合Z1とZ2とは
(1)式の関係があるので第1図のような構造でZ2を増
加するには限界がある。そこで第5図のように、巻線の
入っているスロット以外に歯部に小スロットを設け、両
者の和の全スロット数をZ1としたときに、この全スロッ
ト数Z1に対して(1)式が成り立つようにZ2を選べばよ
いので、このような構造ではZ2を充分大きく出来、極低
速を容易に得ることができる。
合せで説明してきたが、ωm=ω/Z2式からわかるよう
に回転角速度として低速を必要とする場合にはスロット
数をふやせばよいことがわかる。この場合Z1とZ2とは
(1)式の関係があるので第1図のような構造でZ2を増
加するには限界がある。そこで第5図のように、巻線の
入っているスロット以外に歯部に小スロットを設け、両
者の和の全スロット数をZ1としたときに、この全スロッ
ト数Z1に対して(1)式が成り立つようにZ2を選べばよ
いので、このような構造ではZ2を充分大きく出来、極低
速を容易に得ることができる。
第5図はこの変形した電動機のギャップ部を示してお
り固定子鉄心11の内周側には3相巻線が挿入される巻線
スロット11aが形成され、この巻線スロット11a間の歯11
bの内周側にも回転子と対向する小スロット11cが形成さ
れている。そして、この巻線スロット11aの入口部と小
スロット11cとは同一幅を有している。この場合、全ス
ロット数をZ1とすれば、固定子鉄心11のスロットピッチ
φ1は2π/Z1の等ピッチとなっている。なお、巻線ス
ロット11aの入口部と小スロット11cとは運転時のトルク
リップルを低減するため同一幅とすることは良いが、特
にこれに限定されない。小スロット及び巻線スロットの
入口には永久磁石15が埋め込まれている。
り固定子鉄心11の内周側には3相巻線が挿入される巻線
スロット11aが形成され、この巻線スロット11a間の歯11
bの内周側にも回転子と対向する小スロット11cが形成さ
れている。そして、この巻線スロット11aの入口部と小
スロット11cとは同一幅を有している。この場合、全ス
ロット数をZ1とすれば、固定子鉄心11のスロットピッチ
φ1は2π/Z1の等ピッチとなっている。なお、巻線ス
ロット11aの入口部と小スロット11cとは運転時のトルク
リップルを低減するため同一幅とすることは良いが、特
にこれに限定されない。小スロット及び巻線スロットの
入口には永久磁石15が埋め込まれている。
他方、回転子鉄心10の外周側にもスロット数Z2のスロ
ット10cが形成され、このスロット10cのスロットピッチ
φ2は2π/Z2の等ピッチとなっている。これらの回転
子のスロットにも永久磁石16が埋め込まれている。
ット10cが形成され、このスロット10cのスロットピッチ
φ2は2π/Z2の等ピッチとなっている。これらの回転
子のスロットにも永久磁石16が埋め込まれている。
そして、スロット数Z1とZ2との関係は、Z2−Z1=P又
はZ1−Z2=となるように選定されている。
はZ1−Z2=となるように選定されている。
次に静止時トルクについて述べる。この電動機の3相
巻線に、120゜ずつの位相差をもっているが、時間的に
は変化しない直流電流 iu=I1mcosψ iv=I1mcos(ψ−2/3π) iw=I1mcos(ψ−4/3π) …(19) を流したときに生ずるトルクは次式(20)となる。
巻線に、120゜ずつの位相差をもっているが、時間的に
は変化しない直流電流 iu=I1mcosψ iv=I1mcos(ψ−2/3π) iw=I1mcos(ψ−4/3π) …(19) を流したときに生ずるトルクは次式(20)となる。
T=KI1mBmsin(ξZ2φ2−ψ) …(20) ここでψは第6図に示すように第1相の電流のピーク
値からの位相角であって、ψの値によって各相に流れる
電流値が変化する。トルクはI1mとψとξの関数である
が、ある一定のI1mを考えた時、(20)式から明らかな
ようにZ2φ2=2πであることを考えると、ξが−1/2
から+1/2までの範囲で第7図の実線で示すように正弦
波形に変化する。トルクがピーク値となるのは ξ・2π−ψ=π/2 の時であるので ξ=1/4+ψ/2π の時にピーク値をとる。従ってψ=0の時にはξ=1/4
の時にピーク値をとる正弦波となるが、ψの値が正の時
にはピーク値はψ/2πに相当するだけ右方へ移動し、ψ
の値が負の時にはψ/2πに相当するだけ左方へ移動す
る。ξが−1/2から+1/2までの範囲が回転子の1スロッ
トピッチで、ξ=0がスロットの中央、ξ=1/2が両隣
の歯の中央に相当するので、ψの値を−3π/2から+π
/2まで変化させることによって、一つのスロット内の任
意の位置がθ1の原点の位置に来たときに、正のピーク
トルクを発生させることができる。またピークトルクの
値はI1mに比例するので、ψとI1mとを制御することによ
って、任意の位置で負荷トルクに見合ったトルクを発生
させて、その位置で静止させることが出来る。
値からの位相角であって、ψの値によって各相に流れる
電流値が変化する。トルクはI1mとψとξの関数である
が、ある一定のI1mを考えた時、(20)式から明らかな
ようにZ2φ2=2πであることを考えると、ξが−1/2
から+1/2までの範囲で第7図の実線で示すように正弦
波形に変化する。トルクがピーク値となるのは ξ・2π−ψ=π/2 の時であるので ξ=1/4+ψ/2π の時にピーク値をとる。従ってψ=0の時にはξ=1/4
の時にピーク値をとる正弦波となるが、ψの値が正の時
にはピーク値はψ/2πに相当するだけ右方へ移動し、ψ
の値が負の時にはψ/2πに相当するだけ左方へ移動す
る。ξが−1/2から+1/2までの範囲が回転子の1スロッ
トピッチで、ξ=0がスロットの中央、ξ=1/2が両隣
の歯の中央に相当するので、ψの値を−3π/2から+π
/2まで変化させることによって、一つのスロット内の任
意の位置がθ1の原点の位置に来たときに、正のピーク
トルクを発生させることができる。またピークトルクの
値はI1mに比例するので、ψとI1mとを制御することによ
って、任意の位置で負荷トルクに見合ったトルクを発生
させて、その位置で静止させることが出来る。
このような考え方の位置制御回路を第3図に追加する
ことによって、円滑かつ精密な位置制御が可能である。
ことによって、円滑かつ精密な位置制御が可能である。
この構造においてスロットに永久磁石を埋め込んだ場
合、歯部を通る永久磁石の漏れ磁束を出来るだけ小さく
してキャップ面を通る磁束を大きくするためには、第8
図(a)のように永久磁石16の寸法をスロットの幅方向
の寸法Wに対して、スロットの深さ方向Dの寸法を小さ
くすることが望ましいが、スロットの深さ方向の寸法を
深くする必要がある場合には第8図(b)のように永久
磁石16とスロットとの間に非磁性板17をそう入すること
によって漏れ磁束を減らすことができる。
合、歯部を通る永久磁石の漏れ磁束を出来るだけ小さく
してキャップ面を通る磁束を大きくするためには、第8
図(a)のように永久磁石16の寸法をスロットの幅方向
の寸法Wに対して、スロットの深さ方向Dの寸法を小さ
くすることが望ましいが、スロットの深さ方向の寸法を
深くする必要がある場合には第8図(b)のように永久
磁石16とスロットとの間に非磁性板17をそう入すること
によって漏れ磁束を減らすことができる。
これまでの説明では、固定子鉄心外周と回転子鉄心内
周との間に生ずる一定の磁位差のために軸受部に磁束が
通り、これが軸受に障害を与えるのを防止するための二
つの方法について述べてきたが、小形のものでは通常の
構造のブラケットを用いても、軸受部を通る磁束が小さ
く、且つ回転速度の低い場合には、軸受部に生ずる軸電
圧が小さく軸受に障害を与えない場合がある。このよう
場合には第4図のようにブラケットに非磁性部を設ける
必要はなく、通常の構造のブラケットを用いることがで
きる。
周との間に生ずる一定の磁位差のために軸受部に磁束が
通り、これが軸受に障害を与えるのを防止するための二
つの方法について述べてきたが、小形のものでは通常の
構造のブラケットを用いても、軸受部を通る磁束が小さ
く、且つ回転速度の低い場合には、軸受部に生ずる軸電
圧が小さく軸受に障害を与えない場合がある。このよう
場合には第4図のようにブラケットに非磁性部を設ける
必要はなく、通常の構造のブラケットを用いることがで
きる。
また以上の説明は回転子が固定子の内側にある通常の
構造について行なったが回転子を固定子の外周部に配置
したアウター・ロータ形とすることも出来る。
構造について行なったが回転子を固定子の外周部に配置
したアウター・ロータ形とすることも出来る。
G. 発明の効果 以上説明したように本発明によれば、歯の間に働く電
磁力によってトルクを得るステッピングモータとは異な
り電機子電流と永久磁石のつくる二つの回転磁界の作用
で生ずるトルクによって駆動する方式であるので、安定
な定常トルクが得られ、円滑な速度制御や精密な位置制
御が可能となる。また固定子と回転子のスロットパーミ
アンス脈動によって生ずる磁界を活用する場合、永久磁
石を用いているので、リラクタンス形に比べて少ない電
流で同一トルクを発生することが出来、効率の向上や寸
法の小形化の点で効果がある。
磁力によってトルクを得るステッピングモータとは異な
り電機子電流と永久磁石のつくる二つの回転磁界の作用
で生ずるトルクによって駆動する方式であるので、安定
な定常トルクが得られ、円滑な速度制御や精密な位置制
御が可能となる。また固定子と回転子のスロットパーミ
アンス脈動によって生ずる磁界を活用する場合、永久磁
石を用いているので、リラクタンス形に比べて少ない電
流で同一トルクを発生することが出来、効率の向上や寸
法の小形化の点で効果がある。
殊に、本発明は固定子鉄心及び回転子鉄心の少なくと
も一方の全スロットに永久磁石を備えているが、双方の
全スロットに永久磁石を備えた場合にはその分トルクを
加え合わせて増大させることができる。
も一方の全スロットに永久磁石を備えているが、双方の
全スロットに永久磁石を備えた場合にはその分トルクを
加え合わせて増大させることができる。
永久磁石の技術進歩は目ざましく、コスト・パフォー
マンスのよい磁石が開発されているので、高性能磁石の
活用によってより大きな効果が期待できる。
マンスのよい磁石が開発されているので、高性能磁石の
活用によってより大きな効果が期待できる。
第1図ないし第6図は本発明に係り、第1図は一実施例
の簡略構成図、第2図は断面図、第3図は制御回路のブ
ロック図、第4図は他の実施例の部分構成図、第5図は
他の実施例構成図、第6図は電流ピーク値からの位相差
を示す波形図、第7図はξに対するトルク変化の波形
図、第8図は漏れ磁束を軽減する説明図、第9図はバー
ニアモータの一例の構造図、第10図(a)(b)はステ
ッピングモータの説明図である。 図中、 10は回転子、 10a,10bはブロック、 10c,11a,11cはスロット、 11は固定子、 13,15,16は永久磁石、 20は電流制御形インバータ、 21はモータ、 23は電流位相計算回路である。
の簡略構成図、第2図は断面図、第3図は制御回路のブ
ロック図、第4図は他の実施例の部分構成図、第5図は
他の実施例構成図、第6図は電流ピーク値からの位相差
を示す波形図、第7図はξに対するトルク変化の波形
図、第8図は漏れ磁束を軽減する説明図、第9図はバー
ニアモータの一例の構造図、第10図(a)(b)はステ
ッピングモータの説明図である。 図中、 10は回転子、 10a,10bはブロック、 10c,11a,11cはスロット、 11は固定子、 13,15,16は永久磁石、 20は電流制御形インバータ、 21はモータ、 23は電流位相計算回路である。
Claims (4)
- 【請求項1】スロット数Z1を有する固定子鉄心と、等ピ
ッチにてスロット数Z2を有する回転子鉄心とを、Pを極
対数としてZ2=Z1+P、またはZ2=Z1−Pなる関係に形
成し、 上記固定子鉄心のスロットには極対数Pの三相巻線が納
められ、 上記回転子鉄心を軸方向に沿って二つに分けたブロック
にて固定子鉄心に対向させ、この二つのブロックどおし
を回転子スロットピッチの1/2だけ円周方向に相互にず
れた位置に軸に固定し、 上記固定子鉄心及び回転子鉄心の少なくとも一方の全ス
ロットに永久磁石を埋め込み、ブロック毎に全磁石を同
一方向に着磁するとともに、双方のブロックでは磁石の
極性が互いに逆になるように着磁することを特徴とする
永久磁石回転機。 - 【請求項2】スロット数Z1を有する固定子鉄心と等ピッ
チにてスロット数Z2を有する回転子鉄心とをPを極対数
としてZ2=Z1+PまたはZ2=Z1−Pなる関係に形成し、 上記固定子鉄心のスロットには極対数Pの3相巻線が納
められ、 上記回転子鉄心の全スロット及び回転鉄心の全スロット
の少なくとも一方の全スロットに永久磁石を埋め込み、
全磁石を同一方向に着磁するとともに、永久磁石により
発生した磁束の一部が、軸受部を通らない構造としたこ
とを特徴とする永久磁石回転機。 - 【請求項3】固定子鉄心の固定子歯のギャップ面に小ス
ロットを備え、この小スロットと巻線が収められたスロ
ットとを加えて全スロットとしてスロット数Z1としたこ
とを特徴とする請求項(1)又は(2)の永久磁石回転
機。 - 【請求項4】検出した回転子の位置の関数として電流位
相を制御すると共に、必要なトルクを発生するように電
流振幅値を制御することを特徴とする請求項(1)、
(2)又は(3)の永久磁石回転機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2064361A JP2803299B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 永久磁石回転機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2064361A JP2803299B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 永久磁石回転機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03270665A JPH03270665A (ja) | 1991-12-02 |
JP2803299B2 true JP2803299B2 (ja) | 1998-09-24 |
Family
ID=13256049
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2064361A Expired - Lifetime JP2803299B2 (ja) | 1990-03-16 | 1990-03-16 | 永久磁石回転機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2803299B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001327138A (ja) * | 2000-05-12 | 2001-11-22 | Nippon Riken Kk | 磁束の収束現象を利用した電動機 |
JP4541035B2 (ja) * | 2004-05-31 | 2010-09-08 | 日立ビアメカニクス株式会社 | モータ |
CN107979253B (zh) * | 2016-10-25 | 2024-11-26 | 天津信云风科技有限公司 | 一种磁矫顽力电机 |
-
1990
- 1990-03-16 JP JP2064361A patent/JP2803299B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03270665A (ja) | 1991-12-02 |
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