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JP2889463B2 - 配向性強誘電体薄膜素子 - Google Patents

配向性強誘電体薄膜素子

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JP2889463B2
JP2889463B2 JP5163891A JP16389193A JP2889463B2 JP 2889463 B2 JP2889463 B2 JP 2889463B2 JP 5163891 A JP5163891 A JP 5163891A JP 16389193 A JP16389193 A JP 16389193A JP 2889463 B2 JP2889463 B2 JP 2889463B2
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恵一 梨本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エピタキシャルMgO
をバッファ層として用い、単結晶Si(100)基板上
に、エピタキシャルまたは配向性の強誘電体薄膜を形成
したものであって、不揮発性メモリーやキャパシター、
または光集積回路などの素子をSi半導体基板上に作製
する場合に利用することができる配向性強誘電体薄膜素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物強誘電体薄膜は強誘電体の
もつ強誘電性、圧電性、焦電性、電気光学効果などの多
くの性質により不揮発性メモリーを始めとして表面弾性
波素子、赤外線焦電素子、音響光学素子、電気光学素子
など多くの応用が期待されている。これらの応用のう
ち、薄膜光導波路構造での低光損失化と単結晶なみの分
極特性や電気光学効果を得るために単結晶薄膜の作製が
不可欠である。そのため、BaTiO3 、PbTi
3 、Pb1-x Lax (Zry Ti1-y 1-x/4
3 (PLZT)、LiNbO3 、KNbO3 、Bi4
3 12などのエピタキシャル強誘電体薄膜がRf−マ
グネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム・スパッ
タリング、レーザー・アブレーション(レーザー・デポ
ジション)、有機金属化学蒸着(MOCVD)などの方
法によって酸化物単結晶基板に形成することが種々試み
られている。
【0003】しかしながら、半導体素子との集積化のた
めには半導体基板上に強誘電体薄膜を作製することが必
要である。Si基板上における強誘電体薄膜のエピタキ
シャル成長は、高成長温度、Siと強誘電体との間の相
互拡散、Siの酸化などの為に難しい。これらの理由の
ため低温で半導体基板上にエピタキシャル成長し、強誘
電体薄膜のエピタキシャル成長を助け、かつ拡散バリア
としても働くキャッピング層をバッファ層として、半導
体基板上に形成することが必要である。さらに、強誘電
体と半導体との間に絶縁体を形成したFET素子におい
ては、そのようなバッファ層が存在すれば、強誘電体の
分極時に半導体からの電荷の注入を防ぐことができ、強
誘電体の分極状態を維持することが容易となる。また、
強誘電体の屈折率は一般にSiよりも小さいが、強誘電
体よりも小さい屈折率をもつバッファ層が得られればレ
ーザー光を強誘電体薄膜光導波路中に閉じ込めることが
可能になり、光集積回路をSi半導体集積回路上に作製
することが可能になる。
【0004】これに対し、Si(100)単結晶上にM
gAl2 4 (100)またはMgO(100)をエピ
タキシャル成長させた基板上に強誘電体化合物をエピタ
キシャル成長させることが、特開昭61−185808
号公報に示されているが、Si(100)単結晶とMg
O(100)との結晶学的関係は明らかにはされていな
い。事実、その後の研究において(100)配向性のM
gOがSi(100)単結晶に形成された際にも、Mg
Oは(100)面がSi(100)面に平行であるだけ
で、面内方位はランダムな配向性多結晶MgOであるこ
とが明らかにされている(P.Tiwari et a
l.,J.Appl.Phys.69,8358(19
91)).その後、格子定数と熱安定性とにより強誘電
体や高温超電導体の基板としてよく用いられるMgO
は、Si上へエピタキシャル成長させることができるこ
とが初めて明らかにされ(D.K.Fork et a
l., Appl.Phys.Lett.58, 22
94(1991))、そしてそれを利用した超電導薄膜
が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
技術では、単結晶Si基板上に強誘電体薄膜をエピタキ
シャル成長させることは困難であった。したがって、本
発明は、この問題点を解決することを目的とするもので
ある。すなわち、本発明の目的は、単結晶Si(10
0)基板上に、エピタキシャルまたは配向性の強誘電体
薄膜を形成した配向性強誘電体薄膜素子を提供すること
にある。本発明の他の目的は、高機能の不揮発性メモリ
ーやキャパシター、または光変調素子等の素子を半導体
基板上に作製する場合に利用可能な配向性強誘電体薄膜
素子を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、気相成長
法によりMgOをSi(100)基板上へエピタキシャ
ル成長させ、また、MgOをバッファ層として用いると
強誘電体薄膜がSi(100)基板上へエピタキシャル
成長できることを発見し、本発明を完成するに至った。
本発明の配向性強誘電体薄膜素子は、単結晶Si(10
0)基板上にエピタキシャルMgOバッファ層が形成さ
れ、さらにその上にエピタキシャルまたは配向性のペロ
ブスカイトABO3 型強誘電体薄膜が形成されており、
前記単結晶Si(100)基板とエピタキシャルMgO
バッファ層の結晶学的関係が、MgO(100)//Si
(100)、面内方位MgO[001]//Si[00
1]であることを特徴とする。
【0007】以下、本発明について詳記する。本発明に
おいて、配向性強誘電体薄膜における結晶学的関係は、
例えばBaTiO3 については、BaTiO3 (00
1)//MgO(100)//Si(100)、面内方位B
aTiO3 [010]//MgO[001]//Si[00
1]であり、正方晶系の強誘電体の分極方向が基板面に
対して垂直な構造を作ることができる。MgOとSiと
の結晶学的関係は、格子不整が22.5%となるにもか
かわらず、MgOとSiの結晶方位の関係は、MgO
(100)//Si(100)、面内方位MgO[00
1]//Si[001]である。MgOとSiの界面を高
分解能透過型電子顕微鏡にて観察すると、約MgO:S
i=4:3の格子整合と考えられる構造が形成されてお
り、界面にはSiO2 などの生成はなく急峻な界面であ
ることが認められる。4:3の格子整合を考えると、格
子不整が9.7%となるMgO(100)//Si(10
0)、MgO[011]//Si[001]のエピタキシ
ャル成長の場合よりも小さな格子不整3.4%となり、
見掛け上は大きな格子不整合を持つにもかかわらず、M
gO[011]//Si[001]の場合よりも膜内応力
が緩和されて、MgO[001]//Si[001]のエ
ピタキシャル薄膜の膜質は良好なものとなる。したがっ
て、Si(100)単結晶上に、MgAl2 4 (10
0)もしくはMgO(100)をエピタキシャル成長し
た基板上に強誘電体化合物をエピタキシャル成長する場
合、MgO(100)//Si(100)でのMgOとS
iの面内結晶方位の関係はMgO[011]//Si[0
01]ではなく、MgO[001]//Si[001]で
あることが望ましい。
【0008】本発明において、単結晶Si(100)基
板上にエピタキシャルMgOバッファ層を形成するが、
成膜条件として、室温〜1200℃の成膜温度および
0.01〜10.0オングストローム/secの成膜速
度が採用され、それによってエピタキシャルMgOバッ
ファ層を形成することができる。MgOの膜厚は、10
〜105 オングストロームの範囲が好ましい。上記のよ
うに単結晶Si(100)基板上にエピタキシャルMg
Oバッファ層を形成することにより、その上にエピタキ
シャルまたは配向性のペロブスカイトABO3 型強誘電
体薄膜を形成することが可能になる。具体的には、Ba
TiO3 、PbTiO3 、Pb1-x Lax (Zry Ti
1-y 1-x/4 3 (PLZT)、LiNbO3 、KNb
3 、Bi4 Ti3 12などの配向性のペロブスカイト
ABO3 型強誘電体薄膜を形成する。その膜厚は、0.
01〜10μmの範囲であるのが好ましい。これらの成
膜方法としては、エキシマ・レーザー・デポジション、
Rf−マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビーム
・スパッタリング、電子ビーム蒸着、フラッシュ蒸着、
イオン・プレーティング、モレキュラー・ビーム・エピ
タキシー(MBE)、イオン化クラスター・ビーム・エ
ピタキシー、化学気相成長法(CVD)、有機金属化学
気相成長法(MOCVD)、プラズマCVDなどの気相
成長法が有効に使用できる。
【0009】本発明において、前記単結晶Si(10
0)基板とエピタキシャルMgOバッファ層の結晶学的
関係が、MgO(100)//Si(100)、面内方位
MgO[001]//Si[001]であるが、前記エピ
タキシャルMgOバッファ層とエピタキシャルまたは配
向性のペロブスカイトABO3 型強誘電体薄膜の結晶学
的関係が、ABO3 (001)//MgO(100)また
はABO3 (100)//MgO(100)、面内方位A
BO3 [010]//MgO[001]またはABO
3 [001]//MgO[001]であるのが好ましい。
【0010】
【作用】本発明の配向性強誘電体薄膜素子は、上記の構
成を有するから、単結晶Si(100)基板上への強誘
電体薄膜のエピタキシャル成長が可能になる。すなわ
ち、エピタキシャルMgOバッファ層が、強誘電体薄膜
のエピタキシャル成長を助け、かつ拡散バリアとしても
働く。この際、格子不整が9.7%となるMgO(10
0)//Si(100)、MgO[011]//Si[00
1]のエピタキシャル成長よりも小さな格子不整3.4
%をもつMgO−Siの界面では、4:3の格子整合が
形成されていると考えられ、見掛け上は22.5%と大
きな格子不整合を持つにもかかわらず、MgO[01
1]//Si[001]の場合よりも、膜内応力が緩和さ
れてより良質なMgO[001]//Si[001]のエ
ピタキシャル成長が可能になる。さらに、強誘電体薄膜
の配向が制御できるために大きな残留分極値や大きな電
気光学定数などを得ることができ、強誘電体と半導体と
の間に絶縁体を形成したFET素子においては、強誘電
体の分極時の半導体からの電荷の注入を防ぐことがで
き、強誘電体の分極状態を維持することが容易となる。
また、強誘電体の屈折率は一般にSiよりも小さいが、
強誘電体よりも小さい屈折率をもつバッファ層が得られ
ればレーザー光を強誘電体薄膜光導波路中に閉じ込める
ことが可能になり、光集積回路をSi半導体集積回路上
に作製することが可能になる。
【0011】
【実施例】
実施例1 単結晶Si基板へのエピタキシャルMgOバッファ層の
形成は、ターゲット表面をUVレーザー・パルスにより
瞬間的に加熱し蒸着を行うエキシマ・レーザー・デポジ
ション法によって行った。レーザーはXeClエキシマ
・レーザー(波長308nm)を用い、パルス周期4H
z、パルス長17ns、エネルギー130mJ(ターゲ
ット表面でのエネルギー密度1.3J/cm2 )の条件
とした。ターゲットと基板の距離は50mmである。タ
ーゲットはMgOが波長308nmに吸収を持たないた
めに金属Mgを用いた。MgOは10eV以上の高い結
合エネルギーを持っているため、O2 を成膜中に導入す
ることによってMgは容易に酸化される。Si基板はハ
ロゲン・ランプによって加熱した。
【0012】単結晶Si基板としては、n型またはp
型、(100)面、6×6mmのウエハーを用いた。こ
れらの基板は溶剤洗浄の後、HF系溶液にてエッチング
を行った。さらにこの基板を脱イオン水とエタノールで
リンスし、最後に窒素流下でエタノールによるスピン乾
燥を行った。スピン乾燥後に基板を直ちにデポジション
・チャンバーに導入し、一定温度、バックグラウンド圧
力3×10-7Torr、500℃以上にて加熱を行っ
て、Si表面のH不動態層の脱離(昇華)を図り、続い
てMgOを200〜700℃、1×10-6〜1×10-3
Torr O2 の条件にて40〜300オングストロー
ムのMgOの成膜を行った。
【0013】X線回折によって解析するとSi基板上へ
成膜したMgOは広い範囲の条件にて(100)面単一
配向のエピタキシャル膜となったが、400〜600
℃、2×10-6〜1×10-5Torr O2 の条件にて
良質な薄膜となることが確認された。MgOとSiの面
内結晶方位の関係を同定するために、X線回折ファイ・
スキャンを行った。立方晶において(100)面に対し
て45°の角度をもっている(202)面についてのフ
ァイ・スキャンは、MgO(100)/Si(100)
のMgOに対して90°の回転周期をもつシャープなピ
ークを示し、この位置はSiのピーク位置に一致した。
これらのことから、MgOとSiとの結晶学的関係は、
格子不整が22.5%となるにもかかわらず、MgOと
Siの結晶方位の関係は、MgO(100)//Si(1
00)、面内方位MgO[001]//Si[001]で
あることが分かった。
【0014】MgOとSiの界面を高分解能透過型電子
顕微鏡にて観察すると、約MgO:Si=4:3の格子
整合とみられる構造が形成されており、界面にはSiO
2 などの生成はなく急峻な界面であった。4:3の格子
整合を考えると、MgO:Si=4:3の場合は3.4
%となり、大きな格子不整合を持つにもかかわらず膜内
応力が緩和されたため、良質なMgO[001]//Si
[001]のエピタキシャル薄膜が得られたと考えられ
る。
【0015】一方、代表的な強誘電体であるBaTiO
3 (正方晶系、ペロブスカイト構造)とSi(立方晶
系、ダイアモンド構造)との格子常数は大きく異なり格
子不整合は26.4%であるが、BaTiO3 (00
1)面とSi(100)面の面内45°回転、すなわち
BaTiO3 [110]//Si[001]の方位の関係
において格子整合性を考えると、格子不整合は4.0%
と比較的小さい。そこで、BaTiO3 をGaAs上に
直接成長を行った。成膜に際して、最初の100レーザ
ー・パルスの間、前記のように各種のO2 圧にし、その
後1.0mTorrO2 にて成膜を続けた。最初の10
0パルス間のO2 圧と成膜温度に依存してBaTiO3
の結晶性は変化したが、得られたものは、(110)/
(101)配向の多結晶膜であった。このように、エピ
タキシーは単純な格子整合性によっては決まらなかっ
た。
【0016】BaTiO3 をSi上に直接成長させた場
合には、エピタキシーは前記のようにみられなかった
が、600〜800℃、1×10-4〜1×10-2Tor
r O2 の条件でMgOバッファー層上にその場成長し
た膜厚500〜2000オングストロームのBaTiO
3 は、MgOに対して格子不整合性が5.2%あるが全
てエピタキシャル成長をした。X線回折パターンを解析
するとBaTiO3 はc軸配向性であり、ファイ・スキ
ャンによって同定したBaTiO3 とMgO/Siの結
晶方位の関係は図1に示すように、BaTiO3 (00
1)//MgO(100)//Si(100)、BaTiO
3 [010]//MgO[001]//Si[001]であ
った。なお、図1において、1は単結晶Si基板(ダイ
ヤモンド構造)、2はMgO薄膜(NaCl構造)、3
はエピタキシャルBaTiO3 薄膜(ペロブスカイト構
造)を示す。
【0017】走査型電子顕微鏡によって観察したBaT
iO3 の表面は極めて平滑であった。さらに原子間力顕
微鏡によってBaTiO3 の表面を1×1μm2 の範囲
について観察すると、光学研磨をしたガラス(50〜1
50オングストロームの表面粗さ)と同等レベルの平滑
性を持っていた。このことからこのBaTiO3 膜はそ
の表面平滑性においては、光導波路として良好な低光減
衰特性につながることが期待できる。また、Cr/20
00オングストローム−BaTiO3 /400オングス
トローム−MgO/Siのキャパシター構造においてB
aTiO3 の分極特性を測定すると、この構造によるP
−E特性はヒステリシス・ループを示し、BaTiO3
は構造解析によって推定したように、分極軸が単結晶S
i基板に垂直に配向した強誘電相(正方晶)であること
が分かった。
【0018】実施例2 SiへのエピタキシャルMgOバッファ層の形成は、上
記実施例1と同様に行った。Si基板はn型またはp
型、(100)面、6×6mmのウエハーを用いた。こ
れらの基板を、実施例1と同様にエッチング、リンス、
乾燥を行った後に、基板を直ちにデポジション・チャン
バーに導入し、一定温度、バックグラウンド圧力3×1
-7Torr、500℃以上にて加熱を行ってSi表面
のH不動態層の脱離(昇華)を図った。続いてMgOを
600℃、1×10-5Torr O2 の条件にて約30
0オングストロームのMgOの成膜を行い、MgOとS
iの面内結晶方位の関係がMgO(100)//Si(1
00)、MgO[001]//Si[001]であるエピ
タキシャル薄膜を得た。650℃、1×10-2Torr
2 の条件でMgOバッファー層上へその場成長させ
た膜厚2000オングストロームのPbTiO3 は、a
軸配向成長をした。X線回折パターンによって同定した
PbTiO3 とMgO/Siの結晶方位の関係はPbT
iO3 (100)//MgO(100)//Si(100)
であった。
【0019】走査型電子顕微鏡によって観察したPbT
iO3 の表面は、光導波路として良好な低光減衰特性に
つながると期待できる極めて平滑ものであった。また、
同様にしてPb1-x Lax (Zry Ti1-y 1-x/4
3 (PLZT)もエピタキシャルMgOバッファ層を用
いることによりSiへエピタキシャル成長させることが
できた。
【0020】実施例3 Si(100)単結晶基板へのMgOバッファ層の形成
を、電子ビーム蒸着法によって行った。ターゲットとし
てMgOを用い、ターゲットと基板の距離は130m
m、電子ビーム電流は5〜20mAとした。Si単結晶
基板はハロゲン・ランプによって加熱し、基板温度は3
00℃〜700℃とした。Si単結晶基板として、n型
またはp型で(100)面を持つ6×6mmのウエハー
を用いた。これらのSi単結晶基板を溶剤で洗浄した
後、HF系溶液にてエッチングを行った。さらに、最後
に窒素流下でエタノールによるスピン乾燥を行った。ス
ピン乾燥後、Si単結晶基板を直ちにデポジション・チ
ャンバーに導入し、バックグラウンド圧力に達した後、
Si単結晶基板を加熱し、一定の基板温度に達した時点
でMgOの成膜を行ない、膜厚500オングストローム
のMgO膜を形成した。X線回折によって回析すると、
電子ビーム電流を変えて成膜速度を変化させて成膜した
MgOは、成膜速度が0.5オングストローム/sec
で、成膜温度が610℃、および成膜速度が0.2オン
グストローム/secで、成膜温度が440℃の条件で
は、(100)面単一配向の膜となっていることが分か
った。
【0021】MgOバッファー層をSi単結晶基板上に
作製した後、直ちにPZTをMgO上にゾル・ゲル法に
て作製した。PZTの作製は、まず、Ti(O−i−C
3 7 4 とZr(O−i−C3 7 4 を所定のモル
比にて2−メトキシエタノール:CH3 OCH2 CH2
OH(ROHと略記する。)に溶解し、続いてPb(C
3 COO)2 をPb:(Zr+Ti)=1.0:1.
0のモル組成比になるように配合して溶解した。その後
125℃にて一定時間蒸留することにより、金属錯体P
b(Zr,Ti)O2 (OR)2 を形成するとともに副
生成物CH3 COOCH2 CH2 OCH3 の除去を行っ
た。次に、この溶液に、Pb:H2 O:NH4 OH=
1:1:0.1となるようにH2 O:NH4 OHのRO
H溶液を加え、数時間還流することにより金属アルコキ
シドを部分的に加水分解した。この後、溶液を減圧濃縮
して最終的にPb濃度で0.6Mの安定な前駆体溶液を
得た。以上の操作はすべてN2 雰囲気中にて行った。こ
の前駆体溶液をMgOバッファ層が形成されたSi(1
00)基板に室温N2 雰囲気中にて2000rpmでス
ピンコーティングを行った。スピンコーティングされた
基板は、O2 雰囲気中で300℃にて加熱の後、650
℃に加熱し、結晶化させた。これにより、膜厚1000
オングストロームの薄膜が得られた。得られた正方晶組
成のPZT(Zr:Ti=50:50)は、(100)
面単一配向MgO上に(001)配向性を示し、分極軸
[001]が基板面に垂直に配向した正方晶PZTであ
った。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】さらに、本実施例1〜では、エキシマ・
レーザー・デポジション法または電子ビーム蒸着法を用
いたが、成膜プロセスはこれに限定されるものではな
く、Rf−マグネトロン・スパッタリング、イオン・ビ
ーム・スパッタリング、フラッシュ蒸着、イオン・プレ
ーティング、モレキュラー・ビーム・エピタキシ(MB
E)、イオン化クラスター・ビーム・エピタキシ、化学
気相成長法(CVD)、有機金属化学気相成長法(MO
CVD)、プラズマCVDなどの気相成長法が同様に本
発明におけるMgO層の作製に有効である。
【0026】
【発明の効果】本発明においては、従来用いられている
単結晶酸化物基板よりも安価な単結晶Si(100)基
板を使用して、その上で強誘電体薄膜をエピタキシャル
成長させることが可能になる。したがって、本発明の配
向性強誘電体薄膜素子は、不揮発性メモリー、キャパシ
ター、FET素子等の作製に有用であり、また光集積回
路などの素子をSi半導体基板上に作製するのに利用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エピタキシャルBaTiO3 薄膜およびMg
O薄膜の単結晶Si基板に対する結晶方位の関係を示す
説明図である。
【符号の説明】
1…単結晶Si基板、2…MgO薄膜、3…エピタキシ
ャルBaTiO3 薄膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単結晶Si(100)基板上にエピタキ
    シャルMgOバッファ層が形成され、さらにその上にエ
    ピタキシャルまたは配向性のペロブスカイトABO3
    強誘電体薄膜が形成されており、前記単結晶Si(10
    0)基板とエピタキシャルMgOバッファ層の結晶学的
    関係が、MgO(100)//Si(100)、面内方位
    MgO[001]//Si[001]であることを特徴と
    する配向性強誘電体薄膜素子。
  2. 【請求項2】 前記エピタキシャルMgOバッファ層
    が、室温〜1200℃の成膜温度および0.01〜1
    0.0オングストローム/secの成膜速度において形
    成されたものである請求項1記載の配向性強誘電体薄膜
    素子。
  3. 【請求項3】 前記エピタキシャルMgOバッファ層と
    エピタキシャルまたは配向性のペロブスカイトABO3
    型強誘電体薄膜の結晶学的関係が、ABO3(001)/
    /MgO(100)またはABO3 (100)//MgO
    (100)、面内方位ABO3 [010]//MgO[0
    01]またはABO3 [001]//MgO[001]で
    ある請求項1記載の配向性強誘電体薄膜素子。
JP5163891A 1992-11-05 1993-06-10 配向性強誘電体薄膜素子 Expired - Fee Related JP2889463B2 (ja)

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