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JP2877437B2 - 写真ハロゲン化銀乳剤の調製方法 - Google Patents

写真ハロゲン化銀乳剤の調製方法

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JP2877437B2
JP2877437B2 JP2120180A JP12018090A JP2877437B2 JP 2877437 B2 JP2877437 B2 JP 2877437B2 JP 2120180 A JP2120180 A JP 2120180A JP 12018090 A JP12018090 A JP 12018090A JP 2877437 B2 JP2877437 B2 JP 2877437B2
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silver
silver halide
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、感光性ハロゲン化銀乳剤に関する。より
具体的には、それは良好な低照度相反特性を有するイリ
ジウムイオン含有感光性ハロゲン化銀乳剤およびそのよ
うな乳剤の調製方法に関する。
〔従来の技術〕 フィルムが受ける露光量は、方程式E=I×T(ここ
でEは露光量であり、Iはフィルムに当たる光の強度で
あり、そしてTは露光の長さである)で示される。この
方程式は、短時間の高強度照明または長時間の低強度照
明では維持できないことが知られている。従って、これ
ら2つの極端な露光では、乳剤の有効感度が照度レベル
と露光時間に伴って変動する。それらの現象は、それぞ
れ高照度相反則不軌および低照度相反則不軌と称されて
いる。
イリジウムイオンが1930年代後半からハロゲン化銀乳
剤に添加するのに適する成分であることは示唆されてき
た。ハロゲン化銀乳剤の増感に際してイリジウム使用の
一般的な概要は、キャロル(Carroll)の「Iridium Sen
sitization:A Literature Review」,Photographic Scie
nce and Engineering,vol 24,No.6,1980に含まれてい
る。
この総説における引例の一つは、フランス国特許第74
/42941号(公開第2,296,204)であり、X線乳剤の沈殿
中のイリジウムまたはロジウムの添加がスクリーン露光
における低照度相反性(reciprocity)を減少するとの
報告があると述べている。
米国特許第4,693,965号明細書は、イリジウム塩と写
真分光増感色素の存在下における乳剤の化学熟成による
ハロゲン化銀乳剤の製造方法を記載する。この明細書の
カラム5からカラム8までは、ハロゲン化銀乳剤の沈殿
中のいろいろな時点または沈殿が終了した後にイリジウ
ム塩を添加することができると示唆する。その実施例
は、その発明が化学熟成中のイリジウム塩および分光増
感色素の添加を示すことを例証する。
〔発明が解決しようとする課題〕
イリジウムは、ハロゲン化銀の相反特性、特に低照度
相反特性を改良するように記載されている。実際上起っ
ていることは乳剤の高インテンシティ応答が減少してい
たものと思われる。乳剤の低インテンシティ相反特性の
改良だけでなく、乳剤の高インテンシティ感度を著く損
うことなく前記改良を達成することが望まれるであろ
う。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、ハロゲン化銀乳剤の沈殿中の特定時点に
おける乳剤へのイリジウムの添加がその乳剤の相反不軌
に有為な効果を及ぼすことを見い出た。
この発明の一の態様によれば、ハロゲン化銀粒子を形
成する銀塩の半分以上が添加された後に銀1モル当たり
約1×10-10〜5×10-6モル量で乳剤へのイリジウムイ
オン添加を開始し、次いでその粒子表面上にイリジウム
イオンが実質的に残存しないような条件のアンモニア存
在下で乳剤を物理熟成することを含んでなる写真ハロゲ
ン化銀乳剤の化学および/または分光増感はイリジウム
を被覆するために熟成後に行われる。
得られた粒子は、それらの表面上にイリジウムイオン
を実質的に有さないものと信じられる。イリジウムは、
粒子表面下約1×10-7cmからその粒子半径の約20%にあ
たるその表面下の距離までの領域に組み込まれていると
信じられる。
この発明の好ましい態様では、イリジウムイオンの添
加を銀塩の64%、最も好ましくは90%が添加された後に
開始する。もう一つの好ましい態様では、イリジウムイ
オンの添加を乳剤粒子の沈殿後に開始し、次いで既に形
成された粒子表面上に堆積されたイリジウムを被覆する
ようにアンモニア熟成を行う。
この発明のハロゲン化銀乳剤は、臭化銀、塩化銀、ヨ
ウ化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀またはそれらの混合物を
含んでなることができる。好ましい乳剤は、ヨウ素20モ
ル%未満を伴う臭化銀である。それらは、最も好ましく
は、ヨウ素1〜9モル%を伴う臭ヨウ化銀である。これ
らのハロゲン化銀乳剤としては、他のハロゲン化銀のエ
ピタキシャル堆積を伴う粒子を含む常用のいずれかの形
状またはサイズのハロゲン化銀粒子を挙げることができ
る。具体的には、乳剤は粗、中間または微細粒子を有
し、立方体、八面体または平板状粒子を有することがで
きる。ハロゲン化銀乳剤は多分散体または沈殿のような
単分散体であることができる。これらの乳剤の粒子サイ
ズ分布は、ハロゲン化銀粒子分別技法または各種粒子サ
イズのハロゲン化銀乳剤を配合することによって調節す
ることができる。例えば、同じタイプと形状の各種サイ
ズの臭ヨウ化銀または臭化銀を配合することができる。
この発明に従うハロゲン化銀乳剤の調製方法では、典
型的に分散媒体(好ましくは水性ゼラチンまたはゼラチ
ン誘導体組成物が、効率のよい撹拌機を装備したハロゲ
ン化銀の沈殿用として設計された反応器に導入される。
典型的には、分散媒体が粒子沈殿の終了時のハロゲン化
銀乳剤中に存在する分散媒体の総重量を基準に少なくと
も約10重量%、好ましくは20〜80重量%で反応器に導入
される。反応器中に存在する分散媒体の初期容量は、粒
子沈殿の終了時に反応器中に存在するハロゲン化銀乳剤
の容量と同等または過剰であることができる。反応器中
に導入される分散媒体は、場合により他の成分、例えば
ハロゲン化銀熟成剤を含有していてよい、水中しゃく解
剤分散体、特に水中ゼラチン分散体が好ましい。しゃく
解剤、特にゼラチンもしくはゼラチン誘導体は、臭ヨウ
化銀沈殿の終了時に存在する総しゃく解剤の少なくとも
10%、好ましくは少なくとも20%の濃度で最初に存在さ
せることが好ましく。追加の分散媒体は、場合により銀
塩およびハロゲン化アルキルと共に、そしてまた分離し
た注入手段、例えばセパレートジャットを介して反応器
に導入してもよい。分散媒体の割合は、塩の導入終了ま
たは洗浄後に調整することができる。
銀塩、好ましくは硝酸銀の沈殿中に、写真ハロゲン化
銀乳剤調製技術で知られている技法によってハロゲン化
塩が反応器に添加される。典型的には、水性銀塩溶液、
好ましくは硝酸銀溶液がハロゲン化塩の導入と同時に反
応器に導入される。ハロゲン化塩は、水性塩溶液とし
て、好ましくはカリウムまたはナトリウムのような1種
以上のアルカリ金属塩水溶液として導入されるのが一般
的である。カルシウムおよびマグネシウム塩のようなア
ルカリ土類金属塩もまた使用することができる。銀塩
は、ハロゲン化塩と別個に反応器に導入される。1種以
上のハロゲン化物が使用される場合には、それらの塩が
個別にまたは混合物として反応器に添加されうる。
銀塩、臭化物塩およびヨウ化物塩導入の濃度および速
度は、ハロゲン化銀乳剤を生成するのに利用可能な好都
合かつ通常のいずれかの実施態様をとることができる。
銀塩およびハロゲン化塩類は、1当たり0.001〜10モ
ルの範囲内の濃度で好ましくは導入される。銀塩および
ハロゲン化塩の導入速度は、一定であるか、あるいは銀
塩とハロゲン化塩が導入される速度を変化させるかまた
は導入される銀塩とハロゲン化塩の濃度を変化させるか
のいずれかにより任意に変動するものであってもよい。
銀塩およびハロゲン化塩の導入速度を高めることが好ま
しいが、新な核の形成が再核形成を避けるのに都合のよ
い速度を下回わる導入速度に維持することもできる。
個別の銀塩およびハロゲン化塩は、写真乳剤調製技術
分野で使用されるような供給速度ならびに反応器含有物
のpH、pBrおよび/またはpAgの制御を維持するための重
力供給もしくは輸送装置によって輸送管表面もしくは内
層面を介して反応器に添加することができる。
沈殿は、5℃〜90℃の範囲内の温度、好ましくは25〜
80℃の範囲内の温度で実施することができる。
沈殿の開始時に於ける反応器のpHは、pH1〜6.5、好ま
しくはpH5〜6.5の範囲内となるように調節される。沈殿
を進めるようなpHは、一般に酸性側、すなわち約pH7未
満にととどまるが、特殊な目的、例えば核生成または粒
子の寸法を制御するためにはpHが高くなってもよい。
イリジウム塩の添加は、銀塩の50%、好ましくは90%
が添加された後に開始することができる。イリジウム
は、銀1モル当たりイリジウムイオン1×10-10〜5×1
0-6モル、好ましくは1×10-7〜3×10-6モルを供給す
る量で添加される。イリジウムは、イリジウムハロゲン
化物、アルカリ金属イリジウムハロゲン化物、アルカリ
土類金属イリジウムハロゲン化物ならびにアルキルおよ
びアリールアンモニウムイリジウムハロゲン化物のよう
な三価または四価の状態にあるハロゲン化塩または錯
体、例えばイリジウム(III)塩化物、イリジウム(I
V)塩化物、カリウムヘキサクロロイリデート(III)、
カリウムヘキサクロロイリデート(IV)およびアンモニ
ウムヘキサクロロイリデート(III)もしくは(IV)と
して添加することができる。
添加は別々の輸送管を介するかまたは1種以上のハロ
ゲン化塩溶液として添加することができる。イリジウム
塩は一度に全てを添加することができるが、好ましくは
一定速度または加速しながらもしくは減速しながら制限
された速度で好ましくは添加される。イリジウムは、好
ましくは、沈殿の終了時近くで短時間で一定速度にて添
加される。イリジウム塩の添加の間、ハロゲン化銀の沈
殿は中断または継続することができる。
沈殿およびイリジウム塩の添加終了後、乳剤がほぼ中
性に調整され、次いで少なくとも10-7cmの深さまで表面
上のすべてのイリジウムイオンがハロゲン化銀により実
質的に被覆されるようにアンモニアを用いて物理熟成さ
れる。この熟成は、pH7〜11、好ましくはpH8.5〜10の範
囲内で実施される。ハロゲン化銀殻が薄い場合には、少
量のイリジウムイオンが表面に存在する場合であっても
適するかも知れない。熟成は、より小さな粒子が現存す
る粒子上で溶解しそして再結晶化することを可能にす
る。必要に応じて、微細なリップマン(Lippmann)型の
ハロゲン化銀乳剤を加えて追加のハロゲン化銀を供給す
ることができる。5秒〜240分の時間と5〜90℃の温度
が適し、1〜60分と25〜80℃が好ましい。熟成は、強ハ
ロゲン化銀溶媒として作用するアンモニアの存在によっ
て促進される。ある態様では、銀1モル当たり15N水酸
化アンモニウム1〜200ml、好ましくは3〜30mlを用い
て熟成が行われる。もう一つの態様では、硫酸アンモニ
ウムまたは硝酸アンモニウムのようなアンモニウム塩と
水酸化ナトリウムのような塩基との間の反応によってそ
の場で形成されるアンモニアを用いて熟成が行われる。
熟成は、酸の添加によって約pH6.0までpHを低下させる
ことで停止することができる。
バインダーやしゃく解剤と共に含まれるベヒクルは、
写真ハロゲン化銀乳剤において常用されるものから選ぶ
ことができる。好ましいしゃく解剤は親水性コロイドで
あって、このものは単独または疎水性材料と組み合わせ
て使用することができる。有用な親水性材料としては、
天然物およびそれらの誘導体、例えばタンパク質、タン
パク質誘導体、セルロースエステルのようなセルロース
誘導体、アルカリ処理ゼラチンもしくは酸処理ゼラチン
のようなゼラチン、アセチル化ゼラチンおよびフタール
化ゼラチンのようなゼラチン誘導体、デキストランのよ
うな多糖類、アラビアゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチ
ン、コラーゲン誘導体、寒天、アロールートおよびアル
ブミンならびに写真技術分野で既知のその他の材料が挙
げられる。ゼラチンが特に好ましい。
ハロゲン化銀乳剤は、洗浄することが可溶性塩を除去
するのに好ましい。この目的にとって写真技術分野で既
知の全ての処理剤および組成物が、この発明のハロゲン
化銀乳剤の洗浄に利用可能である。可溶性塩は、デカン
テーション、濾過および/ならびにチルセッティングお
よびリーチング、凝集洗浄によって除去でき、さらに遠
心ならびに写真技術分野で既知の他の方法および手段に
よって除去することができる。
この写真ハロゲン化銀は、写真技術分野で既知の方法
および化合物によって化学増感することができる。例え
ば、この発明により使用されるイリジウムに加え、活性
ゼラチンあるいはイオウ、セレン、テルル、金、白金、
パラジウム、オスミウム、ロジウムもしくはリン増感剤
またはこれらの増感剤の組み合わせ物を用いて、例え
ば、pAg5〜11の範囲内でpH8未満のレベルにて30〜80℃
の範囲内の温度でハロゲン化銀を化学増感することがで
きる。ハロゲン化銀は、化学増感としても知られている
仕上剤、化学増感を通じてカブリを抑制しそして感度を
高めることが知られている化合物のような改質剤、例え
ば、ヘテロ核1個以上を有するアザインデン類、アザピ
リダジン類、アザピリミジン類、ベンゾチアゾリウム塩
類の存在下で化学増感することができる。ハロゲン化銀
は、場合により水素を用いるか、または塩化第一錫、チ
オウレアジオキシド、ポリアミン類もしくはアミンボラ
ン類の使用により還元増感することができる。
熟成終了後、写真ハロゲン化銀乳剤は写真技術分野で
既知の方法および化合物によって分光増感および化学増
感することができる。この写真ハロゲン化銀乳剤は、例
えばポリメチン色素類を含む各種のクラスに由来する色
素を用いて分光増感することができ、これらの色素とし
てはシアニン類、メロシアニン類、複合シアニン類およ
びメロシアニン類、オキソノール類、ヘミオキソノール
類、スチリリル類、メロスチリリル類およびストレプト
シアニン類が挙げられる。分光増感剤の組み合わせ物も
また有用である。
この発明の写真ハロゲン化銀乳剤は、黒白、カラーネ
ガティブまたはカラー反転生成物におけるような写真技
術分野でハロゲン化銀乳剤が使用されてきた方法、写真
要素フォーマットおよび目的に使用することができる。
写真ハロゲン化銀要素は、単一色(すなわち、黒白ま
たはモノクロ)または多色要素のいずれかであることが
できる。多色要素では、シアン色素生成カプラーが典型
的には赤感性乳剤と組み合わさっており、マゼンタ色素
生成カプラーが典型的には緑感性乳剤と組み合わさって
おり、そしてイエロー色素生成カプラーが典型的には青
感性乳剤と組み合わさっている。多色要素は、典型的に
は3種の主要領域のスペクトルそれぞれに感光する色素
生成単位を含む。各単位は、単一乳剤層または複数乳剤
層を含むことができる。この要素および画像形成単位の
各層は、写真技術分野で知られているようないろいろな
順序で配列することができる。カラー写真反転材料がこ
の発明の乳剤の使用にとって好ましい。
この写真要素は、フィルター層、中間層、オーバーコ
ート層、下塗り層および当該技術分野で既知の他の層の
ような追加の層を含むことができる。
この発明の要素で利用できる具体的な材料の以下の検
討において、リサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)、1978年12月、Item17643(Kenneth Maso
n Publications Ltd.発行、Dudley Annex,21a North St
reet,Emsworth,Hampshire P010 7DQ,England)を引用
し、この引用によってその公表内容は本明細書の内容と
なる。この刊行物は、以下「Research Disclosure」の
語で示すであろう。
写真技術分野で既知のいずれかのカプラーまたはカプ
ラー類の組み合わせが、記載したようなハロゲン化銀乳
剤と共に使用することができる。有用なカプラー類の具
体例は、例えばResearch Disclosure、第VII節、パラグ
ラフD,E,FおよびGならびに米国特許第4,433,048号明細
書およびそこで引用される刊行物に記載されている。こ
れらのカプラーは、Research Disclosure、第VII節およ
びそこで引用される刊行物に記載されるように組み入れ
られる。
これらの写真乳剤および要素は、写真技術分野で有用
であることが既知の添加剤を含むことができる。これら
の写真乳剤および要素は、蛍光増白剤(Research Discl
osure、第V節)、カブリ防止剤および安定剤(Researc
h Disclosure、第VI節)、汚染防止剤および画像色素安
定剤(Research Disclosure、第VII節、パラグラフIお
よびJ)、光吸収剤および散乱材料(Research Disclos
ure、第VIII節)、硬膜剤(Research Disclosure、第XI
節)、可塑剤および滑剤(Research Disclosure、第XII
節)、帯電防止剤(Research Disclosure、第XIII
節)、マット剤(Research Disclosure、第X VI節)な
らびに現像改質剤(Research Disclosure、第XXI節)を
含むことができる。
これらの写真要素はResearch Disclosure、第XVII節
およびそこで引用される刊行物に記載されるフィルムお
よび紙ベースのような各種支持体上に塗布することがで
きる。
これらの写真要素は、典型的には可視領域のスペクト
ルの化学輻射線に露光でき、Research Disclosure、第X
VIII節に記載されているような潜像を形成し、次いでRe
search Disclosure、第XIX節ならびに米国特許第4,433,
048号明細書およびそこで引用される刊行物に記載され
るような当該技術分野で既知の処理および組成物を使用
して処理し、可視画像を形成することができる。
可視性色素画像を形成するための記載したようなカラ
ー写真要素の処理は、要素をカラー写真ハロゲン化銀現
像主薬と接触させて現像可能なハロゲン化銀に還元し、
そして発色現像主薬を酸化する工程を含む。酸化された
発色現像主薬は、少なくとも1種のカプラーと次々に反
応して色素を与える。
好ましい発色現像主薬としては、p−フェニレンジア
ミン類が挙げられる。特に好ましいものは、4−アミノ
−3−メチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−ア
ミノ−3−メチル−N−エチル−N−β−(メタンスル
ホンアミド)エチルアニリン硫酸塩水和物、4−アミノ
−3−メチル−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチル
アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−β−(メタンスルホ
ンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩およ
び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチ
ル)−m−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸塩
が挙げられる。
ネガティブ作動性ハロゲン化銀乳剤は、この処理工程
によりネガ画像をもたらす。ポジ(または反転)画像を
うるには、この発色現像工程は非カラー現像主薬でまず
現像処理して露光されたハロゲン銀を現像(色素は生じ
ない)し、次いでその要素を均一にカブらせて現像可能
な未露光ハロゲン化銀を残すことができる。この発明の
ハロゲン化銀乳剤は、反転処理でポジ画像を形成するよ
うに設計された写真要素で好ましくは使用される。
〔実施例〕
以下の例でこの発明をさらに具体的に説明する。
例1:イリジウム配合乳剤の調製条件 乳剤A AgBrI(96.6:3.4)(対照) 沈殿容器に臭化カリウム0.796モル濃度とヨウ化カリ
ウム2.48×10-2モル濃度として残留水溶液11.0を加
え、次いで2.15%のフタール化ゼラチンを含ませた。こ
の溶液を撹拌し、測定したpHは40℃で5.66であった。温
度を56℃まで高めたところpBrは約0.10を記録した。
2.56モル濃度の硝酸銀溶液を、2.85分間で2.33モルの
銀が添加される一定流速のシングルジェットで添加し
た。同時にもう一つの2.56モル濃度の硝酸銀溶液を、開
始から終了までに2.10モルの銀が添加されるような0.8
倍に減速した流速で第二のジェットを介して添加した。
第一のジェットを介する添加を停止した。第二のジェッ
トを介する2.56モル濃度の硝酸銀溶液の添加は、開始か
ら終了までに3.58モルの銀が添加されるように0.195倍
に減速した流速で9.15分間継続した。この沈殿の終りに
おけるpBrは56℃でほぼ1.4を記録した。この硝酸銀溶液
は、HgCl2の0.027mg/Agモルを含んでいた。
この乳剤を52℃まで冷却した。次に、硝酸アンモニウ
ム52.7gの含有水性溶液104mlを加えた。1分後に15.0N
の水酸化アンモニウム溶液208mlを加え、この乳剤を5
分間撹拌した。次に、30℃でpH6.0に調節した。Yutzyお
よびRussellの米国特許第2,614,929号明細書に記載され
るような凝集沈殿法で乳剤を3度洗浄した。
乳剤B AgBrI(96.6:3.4)に実験の0%時にイリジウ
ムを添加 乳剤Bは、実験が始って10秒時(銀の約0%が沈殿し
た)にK3IrCl3〔カリウムヘキサクロロイリデート(II
I)〕の0.19×10-6モル/Agモルを添加する以外は乳剤A
と同様に調製した。
乳剤C AgBrI(96.6:3.4)に実験の64%時にイリジウ
ムを添加 乳剤Cは、実験が始って4.0分時(銀の64%が沈殿し
た)に前記イリジウム塩を添加する以外は乳剤Bと同様
に調製した。
乳剤D AgBrI(96.6:3.4)に実験の100%時にイリジウ
ムを添加 乳剤Dは、銀の沈殿後でアンモニア熟成前に52℃で前
記イリジウム塩を添加する以外は乳剤Bと同様に調製し
た。
全ての乳剤についての粒子特性は、厚い平板状粒子と
小さな比率の不均一な形状の三次元粒子の集合物の特性
を示した。粒子サイズは約0.5μmとなるように測定さ
れた。乳 剤 相当する円の直径 A 0.52μm B 0.43μm C 0.52μm D 0.49μm 乳剤の評価 乳剤A,B,CおよびDを仕上系の期間内に化学増感し
た。仕上の最適期間は、乳剤Dが70℃で10分間である以
外は5分間であった。各乳剤は、銀1モルに対しチオシ
アン酸ナトリウム87.4mg、チオ硫酸ナトリウム・5水和
物5.5mg、テトラクロロ金酸カリウム1.57mgおよび3−
メチルベンゾチアゾリンヨージド22mgで化学増感した。
この化学増感した乳剤を銀1モル当たり〔5−(3−エ
チル−2−(3H)−ベンズオキサゾールイリデン)〕−
3−フェニルロダニン44mgで光学染色した。
これらの増感した乳剤を、銀0.80g/m2およびゼラチン
2.13g/m2で三酢酸セルロース支持体上へ個別に塗布し
た。これらの塗布要素は、シアンカプラー5−〔α−
(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)−ヘキサナミ
ド〕−2−ヘプタフルオロブチラミドフェノール1.6g/m
2とAg1モル当たり4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a
−7−テトラアザインデン・ナトリウム塩1.7gを含んで
いた。これらの塗膜をゼラチン0.89g/m2でオーバーコー
トし、次いで総ゼラチン含量を基準に4.6重量%のビス
(ビニルスルホニル)メタンで硬膜化した。
これらの乳剤塗膜を、0〜3.0の段階濃度試験片(0.1
5段階濃度)とラッテン(Wratten)2Bフィルターを介
し、そして4種の条件下にタングステン光源600W3200゜
Kに露光し、次いでポジ画像を形成する目的でBritish J
ournal of Photograph Annual,1982,201〜203ページに
記載されるタイプの発色現像液により5分間処理した。
露光条件は、4.0中性濃度フィルターを用いて100秒、3.
0中性濃度フィルターを用いて10秒、2.0中性濃度フィル
ターを用いて1秒、1.0中性濃度フィルターを用いて0.1
秒および中性濃度フィルターを用いないで0.01秒であっ
た。中性濃度フィルターは、アロイ塗布インコネル(In
conel)フィルター(InconelはInternational Nickel C
o.の商品名である)であった。相対感光度を以下の0.3
濃度単位Dmaxで測定した。
このデータは、実験開始50%後のイリジウム添加によ
って、高照度スピード損失が極小化しそして低照度相反
特性における改良が得られたことを示す。
例2:アンモニア熟成の効果 乳剤E(対照)AgBrI(95.2:4.8)NH4OH添加せず 沈殿容器に、臭化ナトリウム6.94モル濃度、ヨウ化カ
リウム0.479モル濃度とし、そして骨ゼラチン2.76%を
含ませた蒸留水溶液8.539を加えた。この溶液を撹拌
し、pHは40℃で5.42と測定された。温度を41℃まで上昇
させた。
銀1モル当たりHgCl20.027mgを含有する2.5モル濃度
の硝酸銀溶液を、27.77分間に銀10.0モルが添加される
一定流速にて一のジェットを介して添加した。この銀の
添加中の16.67分の時点で、合計8.33分間次の流速で第
二のジェットを介して3モル濃度のNaBr溶液を添加し
た。すなわち、0.319モルの臭化ナトリウム溶液を0.95
倍に減速した流速で2.77分間、0.339モルの臭化ナトリ
ウム溶液を1.18倍に加速した流速で2.78分間、次いで0.
381モルの臭化ナトリウム溶液を1.08倍に加速した流速
で2.78分間添加した。前記銀の添加終了時に蒸留水100m
lに溶解した硫酸アンモニウム16.68gを添加した。次
に、銀1モル当たり0.269×10-6モルのK2IrCl6〔カリウ
ムヘキサクロロイリデート(IV)〕をその容器に加え
た。乳剤を5分間撹拌した。この乳剤を40℃でpH6.0に
調節した後、洗浄した。
乳剤F(本発明)AgBrI(95.2:4.8)銀1モル当たり15N
NH4OH6.5cc 乳剤Fは、K2IrCl6を添加した後に銀1モル当たり15N
の水酸化アンモニウム6.5mlを添加し、次いで40℃でpH
6.0に調節した以外は乳剤Eと同様に調製した。
乳剤EおよびFは、粒子の形態上乳剤A,B,CおよびD
と類似であり、そしてそれらのサイズは約0.25μmであ
る。
乳剤EおよびFは、それぞれ70℃および67.2℃の温度
で10分間にて最高に化学増感された。これらの条件はま
た、同等のカブリ条件を提供した。各乳剤を、銀1モル
当たりチオシアン酸ナトリウム86mg、チオ硫酸ナトリウ
ム・5水和物16mg、テトラクロロ金酸カリウム5.8mgお
よび3−メチルベンゾチアゾリウムヨージド27.1mgで化
学増感した。これらの化学増感した乳剤を、下記の増感
色素A 572mg/銀1モルおよび色素B 193mg/銀1モルで分
光増感した。
それぞれの増感した乳剤を、下記条件を除いて前記例
1に記載したように個別に塗布し、そして評価した。す
なわち、各塗膜要素は、銀1モルとマゼンタカプラー 1.6g/m2に対してヨウ化カリウム200mg、4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a−7−テトラアザインデン・ナト
リウム塩0.2gおよび3,3′−デカメチレン−ビス(ベン
ゾ−1,3−チアゾリウムブロミド)22.7mgを含ませた。
これらの乳剤の塗膜を、ラッテン9フィルターを用いて
露光し、次いで4分間処理した。露光条件は、2.0の中
性濃度フィルターで1秒間および2つの2.0中性濃度フ
ィルターで100秒間であった。
結果を下記第2表に示す。
この発明によって改良された低照度相反則不軌(LIR
F)が明らかとなり、アンモニア熟成のために1秒でス
ピードの上昇があった。乳剤の分析から見い出されるイ
リジウムは、対照におけるイリジウムがそれらが被覆さ
れないので熟成乳剤におけるものほど有効でないことを
示唆する。
例3:アンモニアレベルの効果 乳剤G AgBrI(98:2.0)銀1モル当たりの15N NH4OH6.
5cc 沈殿容器に、臭化ナトリウム546.4gおよびヨウ化カリ
ウム26.72gを有し、そして骨ゼラチン248gを含ませた蒸
留水溶液6.72を加えた。この溶液を撹拌し、40℃でpH
5.77に調節した。温度を79℃まで上昇させた。HgCl20.0
27mg/moleを含有する1.5モル濃度の硝酸銀を、41分間で
銀8モルを添加する一定流速にて一のジェットを介して
添加した。3モル濃度の臭化ナトリウム溶液を合計41分
間次の流速により第二のジェットを介して添加した。す
なわち、2.5分間0.0705モル、1.52倍に加速した流速で1
0分間0.51モル、0.68倍加速した流速で5分間0.395モ
ル、0.22倍加速した流速で5分間0.42モルさらに5分間
0.4283モル、0.7倍加速した流速で5分間0.463モルおよ
び−1.271倍減速した流速で8.5分間0.6936モル添加し
た。15N NH4OHとイリジウムイオンの添加は、K2IrCl
6〔カリウムヘキサクロロイリジウム(IV)〕を、銀1
モル当たり6.62×10-7モル添加し、NH4OHを52℃で添加
したこと以外は乳剤Fと同様に行った。
乳剤H(本発明)AgBrI(98:2.0)銀1モル当たり15N N
H4OH13cc 乳剤Hは、硫酸アンモニウムと15Nの水酸化アンモニ
ウム溶液の両者の量を2倍にした以外は乳剤Gと同様に
調製した。
乳剤GおよびHの粒子サイズは約1.6μmであり、分
析はアンモニア濃度を高めることによってより多くのイ
リジウムが取り込まれることを示した。
20分間68℃での加熱熟成と共に、NaCNS87.4mg、チオ
硫酸ナトリウム・5水和物2.1mg、クロロ金酸カリウム
0.874mg、3−メチルベンゾチアゾリウムヨージド11.2m
gおよびKCl2.75gを使用する以外は例1および2と同様
に化学増感した。これらの化学増感した乳剤を、銀1モ
ル当たり増感色素 180mgで分光増感し、次いで銀1.28g/m2、イエローカプ
ラー 3.73g/m2およびゼラチン3.2g/m2を用いる以外は例1に
記載したように評価した。乳剤塗膜は、ラッテン2Bをラ
ッテン9の代わりに使用することを除き例2と同様に露
光した。塗膜を5分間現像してネガ黒白画像を形成し、
引き続き例1のようなネガカラー画像を形成した。結果
を下記第4表に示す。
改良されたLIRF値は、より多くのイリジウムが取り込
まれるのに役立つ水酸化アンモニウムの高められたレベ
ルに起因した。
例4:アンモニア供給の効果 乳剤I AgBrI(98:2.0)15N NH4OH 乳剤Iは、沈殿中の温度を68℃とし、K2IrCl6の量を
4.14×10-7モル/Agモル加え、そして硫酸アンモニウム
および15N NH4OHの1/2量を使用したこと以外乳剤Gと同
様に調製した。
乳剤J AgBrI(98:2.0)2.5N NaOH 乳剤Jは、15N NH4OHを使用する代わりに4.91倍多く
の硫酸アンモニウムを添加し、そして2.5N NaOHを使用
してその場でアンモニアを発生させたこと以外は乳剤I
と同様に調製した。NaOH添加後のpHは、NH4OH添加後の
乳剤Iのそれと同様に9.1であった。
乳剤IおよびJは粒子の形態上乳剤GおよびHと同様
であり、それらの粒子サイズは約1.3μmである。それ
らを、KClを除いて例3と同様に化学増感した。乳剤I
およびJそれぞれについて65℃で10分および25分間加熱
熟成した。分光増感は、銀1モル当たり増感色素 180mgを用いて行った。これらの乳剤を例1および3の
ように評価した。結果を第5表に示す。
これは、より多くのイリジウム取り込みと改良された
LIRFを有するので、その場アンモニア発生が水酸化アン
モニウムを添加するよりもさらに効果的であったことを
例証する。
〔発明の効果〕
この発明は、高照度スピードを維持したまま良好な低
照度相反特性を有するハロゲン化銀乳剤の調製方法を提
供する。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−133941(JP,A) 特開 昭61−97648(JP,A) 特開 昭61−29837(JP,A) 特開 平1−105940(JP,A) 特開 昭59−152438(JP,A) 特開 昭56−25727(JP,A) 特開 昭62−196644(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/015 G03C 1/09 G03C 1/035

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハロゲン化銀粒子を形成する銀塩の半分以
    上が添加された後に銀1モル当たり1×10-10〜5×10
    -6モル量で乳剤へのイリジウムイオンの添加を開始し、
    次いでその粒子表面上にイリジウムイオンが実質的に残
    存しないような条件のアンモニア存在下で乳剤を物理熟
    成することを含んでなる写真ハロゲン化銀乳剤の調製方
    法。
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