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JP2876144B2 - 3―フェニルクマリン―7―イルオキシ酢酸誘導体とその製法及び用途 - Google Patents

3―フェニルクマリン―7―イルオキシ酢酸誘導体とその製法及び用途

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JP2876144B2
JP2876144B2 JP7433190A JP7433190A JP2876144B2 JP 2876144 B2 JP2876144 B2 JP 2876144B2 JP 7433190 A JP7433190 A JP 7433190A JP 7433190 A JP7433190 A JP 7433190A JP 2876144 B2 JP2876144 B2 JP 2876144B2
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JP
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phenylcoumarin
general formula
compound
acid
yloxyacetic acid
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JP7433190A
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一 中山
正俊 石倉
裕 上田
国弘 今井
恵 寺島
明男 鈴井
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Daisoo Kk
TOYO FUARUMAA KK
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Daisoo Kk
TOYO FUARUMAA KK
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医薬品として有用な新規3−フェニルクマリ
ン−7−イルオキシ酢酸誘導体もしくはその塩に関する
ものである。
〔従来の技術〕
食生活の欧米化に伴い近年糖尿病患者が激増し、その
治療対策は急務となっている。糖尿病治療薬としては従
来よりインシュリンや血糖降下剤が広く用いられている
が、糖尿病は単なる糖代謝異常のみならず種々の合併症
を随伴する疾患であるため、前記の薬物のみでは不十分
である。
網膜症,白内障,神経障害,腎症等の糖尿病に於ける
各種合併症の成因として、グルコースの代謝経路である
ポリオール経路を介した細胞内ソルビトールの蓄積が注
目されている。このポリオール経路の第一段階であるア
ルドース・ポリオール間の変換を触媒する酵素をアルド
ース還元酵素といい、この酵素がポリオール経路の律速
酵素と考えられている。このアルドース還元酵素を阻害
し、ソルビトールの産生や蓄積を低下させることによ
り、前述のごとく糖尿病合併症の予防や治療が可能であ
る〔R.G.ジュルジルミッシュ等:ニューイングランド・
ジャーナル・オブ・メディスン(New Eng.J.Med.),308
巻,119〜125頁(1983):J.H.キノシタ等:メタボリズム
(Metabolism),28巻(1),462〜469頁(1979)〕 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は上記のようなアルドース還元酵素を阻
害するのに有用な薬剤を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明はすなわち一般式(I) (但し、式中R1,R2,R3及びR1′,R2′,R3′,R4′,R5′は
水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基又は低級アル
コキシ基を表わす。) で示される3−フェニルクマリン−7−イルオキシ酢酸
誘導体もしくはその塩であり、これらを有効成分として
含有するアルドース還元酵素阻害剤である。本発明化合
物は次のようにして製造することができる。
すなわち一般式(II) (但し、式中R1,R2,R3及びR1′,R2′,R3′,R4′,R5′は
上記一般式(I)と同様の意味を表わす。) で示される7−ヒドロキシ−3−フェニルクマリン誘導
体をハロゲノ酢酸エステルと反応させ、ついで加水分解
することによって得られる。なおこの明細書において
「低級」なる語は、この語が付された基の炭素原子数が
6個以下、好ましくは4個以下であることを意味する。
本発明化合物の原料となる一般式(II)化合物は、下
記反応式(a)に示した様に置換β−レゾルシルアルデ
ヒドと、置換フェニル酢酸等からパーキン−オグリアロ
ー反応(Perkin−Oglialoro Reaction)により、合成す
ることができる〔N.R.Krishnas−wamy,et.al.,Indian.
J.Chem.,4,120.(1966)。〕 反応式(a) 一般式(II)化合物とハロゲン酢酸エステルを反応さ
せて一般式(I)化合物を合成するには、通常の方法で
行われる。例えばアセトン中、炭酸カリウムとブロモ酢
酸エチルを用いて反応すると一般式(I)化合物のエス
テルが得られる。
得られた一般式(I)化合物のエステルを酢酸中、水
又は鉱酸により加水分解するか、塩基性で加水分解し、
鉱酸でpH4附近に調整することにより、遊離酸すなわち
一般式(I)化合物の酸となり、これを無機塩基でpH9
附近に調整することにより、一般式(I)化合物の無機
塩となる。
これらはいずれも公知の方法、例えば濃縮,乾固その
他の方法で単離し、再結晶で精製することができる。こ
こで用いる鉱酸としては、塩酸,臭化水素酸,ヨウ化水
素酸,硫酸,リン酸等が挙げられ、無機塩基としては水
酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化リチウム,水
酸化アンモニウム等の水酸化アルカリ、炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウム,炭酸アンモニウム等の炭酸アルカ
リ、重炭酸ナトリウム,重炭酸カリウム,重炭酸アンモ
ニウム等の重炭酸アルカリが挙げられる。
一般式(I)で示される化合物もしくはその塩を有効
成分とするアルドース還元酵素阻害剤は、通常用いられ
るキャリアーを使用し、常法にしたがって錠剤,カプセ
ル剤,注射剤,散剤,丸剤,顆粒剤,座剤,点眼剤等に
使用してもよい。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明の化合物,その製造方法及
びアルドース還元酵素阻害作用を詳しく説明するが、本
発明は下記実施例に限定されるものではない。なお各実
施例における生成物の融点はいずれも未補正である。
参考例1 β−レゾルシルアルデヒド5.0g(0.036モル)とフェ
ニル酢酸ナトリウム5.6g(0.036モル)とを無水酢酸30m
l中に加え9時間加熱還流する。冷却後水を加え、析出
する結晶を取し乾燥する。次いでエタノール/アセト
ン再結晶後、得られる7−アセチル−3−フェニルクマ
リン3.0gを酢酸40ml,濃塩酸10ml混液中に加え2時間加
熱還流する。反応後氷水中に流入し、析出した結晶を
取する。乾燥後アセトン/ベンゼンで再結晶すると7−
ヒドロキシ−3−フェニルクマリン2.1gが得られる。収
率77.7%,mp209〜210℃,〔第1表〕中の化合物1。
参考例2 参考例1と同様の方法で第1表中の化合物2〜12が得
られる。このようにして得られた一般式(II)の物性値
を第1表に示す。
実施例1 7−ヒドロキシ−3−フェニルクマリン2.0g(0.008
モル),ブロモ酢酸エチル1.4g(0.008モル),ヨウ化
カリウム0.1g及び無水炭酸カリウム10gをアセトン50ml
中に加え、撹拌下、4時間加熱還流する。冷却後、不溶
物を別し、溶媒を留去して得られる残渣をエーテルに
溶解する。このエーテル溶液を水、50重量%水酸化ナト
リウム水溶液、水の順に洗浄し、エーテル層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥する。溶媒を留去し、得られる残渣を
アセトン/ヘキサンより再結晶し、3−フェニルクマリ
ン−7−イルオキシ酢酸エチル1.95g(収率71.6%)を
得る。
上記エステル1.95gをエタノール30mlと5重量%水酸
化ナトリウム水溶液15mlの混液中に加え、30分間加熱還
流する。放冷後、不溶物を別し、液を塩酸酸性にす
る。析出する結晶を取する。乾燥後、アセトンで再結
晶すると3−フェニルクマリン−7−イルオキシ酢酸1.
45gが得られる。収率80.0%,mp212〜214℃,〔第2表〕
中の化合物1。
実施例2 実施例1と同様の手法で第2表中の化合物2〜12が得
られる。このようにして得られた一般式(I)化合物の
誘導体の物性値を第2表に示す。また一般式(I)化合
物のアルドース還元酵素阻害活性はIC50で第2表に併記
する。
<アルドース還元酵素阻害作用> 7週齢のウイスター(Wistar)系雄性ラットをエーテ
ル麻酔下に犠殺し、直ちに水晶体を摘出した。
水晶体は1.0mM 2−メルカプトエタノール及び1.0mM
NADP(酸化型nicotinamide adenine dinucleotide ph
osphate)を含む100mMナトリウム−カリウム−リン酸緩
衝液(pH6.8)にてホモジナイズした。ついで、12,000r
pmで15分間遠心分離、その上清をアルドース還元酵素活
性測定の検体とした。また以上の操作はすべて4℃で行
い検体は−80℃で保存した。
アルドース還元酵素の活性の測定はカドア(KADOR)
らの方法[Biophysical Chemistry8(1978)81−85参
照]に準じて行った。すなわち補酵素として0.1mM NAD
PH(還元型nicotinamide adenine dinucleotide phosph
ate)及び基質として2.0mM DL−グリセルアルデヒドを
含む100mMナトリウム−カリウム−リン酸緩衝液(pH6.
2)970μに、本発明化合物の各種濃度溶液10μ添加
し、ついで上記検体20μを加え、25℃で反応を行っ
た。対照として基質のみを欠いたものを用い、340nmに
おいて吸光度の減少を200秒間測定した。また試料溶液
を加える代わりに溶媒のみを加えて、上記と同様に反応
させ測定したものをコントロール値とした。吸光度の測
定はUV−260(株式会社島津製作所製)を用いた。その
結果、アルドース還元酵素に対する阻害活性は第2表に
示したように、50%阻害時のモル濃度0.18〜5.5(1×1
0-7M)が認められた。
<急性毒性> 上記各例で得られた一般式(I)化合物の経口投与で
の急性毒性試験をddy系マウス(体重23〜25g)を用いて
行ったところ、2g/kgの経口投与でも死亡例は認められ
なかった。
〔発明の効果〕
以上の結果から明らかなように、本発明の新規3−フ
ェニルクマリン−7−イルオキシ酢酸誘導体はアルドー
ス還元酵素阻害作用を有し、かつ安全性の高い糖尿病性
合併症治療薬として有用である。
フロントページの続き (72)発明者 寺島 恵 富山県富山市上冨居92番地 (72)発明者 鈴井 明男 兵庫県尼崎市宮内町2丁目42番地 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 311/00 - 311/74 REGISTRY(STN) CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (但し、式中R1,R2,R3及びR1′,R2′,R3′,R4′,R5′は
    水素原子,ハロゲン原子,低級アルキル基又は低級アル
    コキシ基を表わす) で示される3−フェニルクマリン−7−イルオキシ酢酸
    誘導体もしくはその塩。
  2. 【請求項2】一般式(II) (但し、式中R1,R2,R3及びR1′,R2′,R3′,R4′,R5′は
    上記一般式(I)と同様の意味を表わす) で示される7−ヒドロキシ−3−フェニルクマリン誘導
    体をハロゲノ酢酸エステルと反応させ、ついで加水分解
    することを特徴とする上記一般式(I)で示される3−
    フェニルクマリン−7−イルオキシ酢酸誘導体もしくは
    その塩の製法。
  3. 【請求項3】上記一般式(I)で示される3−フェニル
    クマリン−7−イルオキシ酢酸誘導体もしくはその塩を
    有効成分として含有するアルドース還元酵素阻害剤。
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