JP2708406B2 - 火力発電プラントの起動制御方法 - Google Patents
火力発電プラントの起動制御方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、火力発電プラントの起動時に、起動バイパ
ス系統から貫流系統に切り替える起動制御方法に係り、
特に、切り替え時における主蒸気圧力、主蒸気温度の変
動を抑制し、起動特性、等価エンタルピーをバランスし
た状態で切り替えることのできる火力発電プラントの起
動制御方法に関する。 〔従来の技術〕 まず、第2図を参照して、火力発電プラントにおける
従来のボイラ(貫流ボイラ)の概略構成について説明す
る。 第2図において、1はボイラ本体、1Aは火炉水冷壁、
2はバーナ、3はガス再循環ファン、4は節炭器、5は
1次再熱器、7は2次再熱器、8は2次過熱器、9は主
蒸気管16に設けられた主さい止弁(ガバナ)、10は再熱
蒸気管17に設けられたインターセプト弁、11は高圧ター
ビン、12は中・低圧タービンである。 また、13は復水器、14は前記高圧及び中・低圧タービ
ンによって駆動される発電機である。 バーナ2に供給された燃料は、燃料制御弁51によって
流量調整され、ボイラ本体1内で空気と混合されて燃焼
され、燃焼ガスとなる。燃焼ガスは、火炉水冷壁1A、2
次過熱器8、2次再熱器7などで、順次に熱交換をしな
がら煙道内を進み、煙突から排出される。 その際、燃焼ガスの一部は、ガス再循環ファン3によ
って、ボイラ本体1内へ戻され、再熱蒸気温度の制御に
使用される。 一方、給水ポンプ(図示せず)から節炭器4に送り込
まれた水は、給水制御弁52によって流量調節され、節炭
器4で熱回収された後、火炉水冷壁1Aに至り、火炉水冷
壁1Aを上昇する途中で蒸発し、1次過熱器6に入って過
熱される。この蒸気は、更に過熱器スプレー(図示せ
ず)に達する。 この蒸気は、過熱器スプレーによって、主蒸気温度が
規定値になるよう減温された後、さらに2次過熱器8に
入って過熱され、主蒸気管16および主さい止弁(ガバ
ナ)9を経由して高圧タービン11に至り、そこで発電機
14を駆動させる。 高圧タービン11で仕事をした蒸気は、1次再熱器5に
入って再熱される。この蒸気は2次再熱器7で更に再熱
される。この蒸気は2次再熱器7で更に再熱され、再熱
蒸気管17およびインターセット弁10を経由して中・低圧
タービン12へと送られ、そこでさらに仕事をする。 ところで、負荷タンピング開始までの水蒸気系統にお
ける機器の運転状態は、主蒸気減圧弁30、主蒸気止め弁
39が閉じており、火炉水冷壁1A及び1次過熱器6にて加
熱された蒸気は1次加熱器バイパス弁31及び2次加熱器
バイパス弁32を経由してフラッシュタンク36に導かれ
る。 フラッシュタンク36に流入した蒸気はフラッシュタン
ク36で気水分離され、水はフラッシュタンクドレン弁38
を通過して、復水器13に戻る。フラッシュタンク36内で
発生した蒸気は、過熱器通気弁35を通過し、2次過熱器
8を通り、高圧タービン11に通気される。フラッシュタ
ンク蒸気ダンプ弁37にて、フラッシュタンク36内の圧力
は一定に保たれ、過熱器通気弁35を通気する蒸気のエン
タルピーは一定の保たれている。負荷ランピングが開始
されると主蒸気減圧弁30が徐々に開き、蒸気系統は、フ
ラッシュタンク36への起動バイパス系統から、1次過熱
器6から主蒸気減圧弁30を介して2次過熱器8に連なる
貫流系統へと徐々に切り替わる。 ところで、負荷ランピング開始時は給水ポンプから供
給された給水が、ボイラで加熱され、蒸気は全て、1次
加熱器バイパス弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介し
て、フラッシュタンク36へバイパスされ、フラッシュタ
ンク36で発生した一部の蒸気が高圧タービン11に供給さ
れている。負荷ランピングが開始されると、ボイラで発
生した蒸気は主蒸気減圧弁30を介して高圧タービン11に
供給され始め、フラッシュタンク36から高圧タービン11
へ供給される蒸気は徐々に減じる。主蒸気減圧弁30が開
き始めると高圧タービン11の入口蒸気圧力は上昇し、こ
の入口蒸気圧力がフラッシュタンク36の圧力よりも高く
なった時点で、フラッシュタンク36から高圧タービン11
へ流入する蒸気流量は0(ゼロ)となる。 さらに主蒸気減圧弁30が開き、1次加熱器バイパス弁
31及び2次加熱器バイパス弁32からバイパスしている蒸
気流量が0(ゼロ)になり、ボイラに供給される給水が
全て高圧タービン11に供給される状態になった時点で、
火力発電プラントは起動バイパス系統から貫流系統に切
り替わる。 こうしたフラッシュタンクを有する火力発電プラント
については、特公昭42−16364号公報、特公昭42−6761
号公報、特公昭45−28321号公報、特公昭44−32123号公
報などに記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような従来のフラッシュタンクを有する火力発電
プラントでは、負荷ランピングが開始されると、タービ
ン側に供給される蒸気流量は初負荷相当の蒸気流量(通
常5%程度)となる。しかし、ボイラ点火後は、ボイラ
の火炉水冷壁を保護する目的から、最低給水流量(ボイ
ラ定格流量の25%程度)をボイラに供給する必要があ
る。ボイラに供給する給水流量とタービンに供給する蒸
気流量との差分は、1次加熱器バイパス弁及び2次加熱
器バイパス弁を介して、フラッシュタンクへバイパスさ
れている。このバイパス流量を調整することにより、ボ
イラの出口圧力を一定に制御することができる。なお、
フラッシュタンクで気水分離された蒸気の一部は高圧タ
ービンに供給され、初負荷運転に使用される。 次に、負荷ランピングが開始されると、フラッシュタ
ンクへ通気していた蒸気が主蒸気減圧弁側に徐々に切り
替わる。このきフラッシュタンクから発生した蒸気のエ
ンタルピーと、主蒸気減圧弁を通過する蒸気のエンタル
ピーとのマッチングをとることが重要となる。 即ち、この両者の蒸気の間にエンタルピーのマッチン
グがとれていないと、蒸気の流が切り替わる際に、蒸気
熱量にアンバランスが発生し、これが主蒸気温度の変動
の原因となるからである。このエンタルピーがマッチン
グするよう1次過熱器の出口温度を制御する必要があ
る。このようにして1次過熱器の出口温度を制御し、さ
らにフラッシュタンクから発生した蒸気のエンタルピー
と蒸気減圧弁を通過する蒸気のエンタルピーとのマッチ
ングをとることで、2次過熱器の入口温度のエンタルピ
ー、即ち蒸気温度を一定に制御している。 ところが、負荷ランピングが開始されると、各負荷に
おける2次過熱器の熱吸収は、負荷特性により一義的に
決まっており、熱吸収は高すぎても、少なすぎてもよく
ないことが知られている。負荷ランピングの開始時点で
は、熱吸収率が、設定値よりも高ければ負荷ランピング
時の蒸気温度は上昇するし、設定値よりも低ければ負荷
ランピング時の蒸気温度は降下する。また、負荷ランピ
ング開始時の2次過熱器の熱吸収量は、1次過熱器を通
過する蒸気流量と2次過熱器の出入口温度差とによって
決定されることになる。 このように、起動バイパス系統から貫流系統への系統
切替操作時においては、負荷ランピングを行いながら、
主蒸気圧力制御、主蒸気温度制御を行い、弁の切り替え
を行うという多変量制御が必要であり、制御も難しく、
エンタルピー変動が起り易く、タービンに安定した質の
蒸気を供給することが難しいという問題点があった。 本発明の目的は、起動バイパス系統から貫流系統への
切替時に主蒸気温度、主蒸気圧力の変動を抑制し、ター
ビンに安定した質の蒸気の供給を可能にすることにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の火力発電プラントの起動制御方法は、ボイラ
からの蒸気をカバナを介して蒸気タービンに導き、前記
蒸気によって前記蒸気タービンを駆動し、前記蒸気ター
ビンを起動負荷運転する際には、前記蒸気をフラッシュ
タンクを介して前記蒸気タービンへ導き、前記フラッシ
ュタンクを介した蒸気によって前記蒸気タービンを駆動
し、前記ボイラから前記フラッシュタンクへの起動バイ
パス系統を2次系統とし、それぞれの起動バイパス系統
にはそれぞれ1次過熱器バイパス弁と2次過熱器バイパ
ス弁とを形成し、前記ボイラから前記蒸気タービンへの
貫流系統には主蒸気減圧弁を形成し、起動バイパス系統
から貫流系統へ切り替えて起動制御を行うものである。 そして、前記貫流系統から分岐し前記蒸気タービンを
バイパスするタービンバイパス系統を設け、前記タービ
ンバイパス系統にタービンバイパス弁を設置し、前記1
次過熱器バイパス弁及び前記2次過熱器バイパス弁を閉
操作しつつ、前記主蒸気減圧弁を開操作する切り替え時
に、前記ガバナにより負荷一定制御を行いつつ、前記タ
ービンバイパス弁により主蒸気圧力一定制御を行うこと
を特徴とする。 〔作用〕 タービンバイパス弁を設置し、主蒸気圧力の設定をタ
ービンバイパス弁を制御することにより行う。また、主
さい弁(ガバナ)の開度を一定開度に制御し、負荷ラン
ピングを起動バイパス系統から貫流系統への弁切替時に
行わないことで、主蒸気圧力、主蒸気温度の変動を抑制
することができる。 この時の1次過熱器バイパス弁は、1次過熱器の出口
圧力を制御するため設置され、1次過熱器バイパス弁を
全閉後、タービンバイパス弁を閉動作させる。タービン
バイパス弁の閉動作に併せて、負荷ランピングを行う。
タービンバイパス弁を全閉の状態で、主蒸気圧力を定格
値まで上昇させ、主蒸気減圧弁を全開とし、その後、主
蒸気止め弁を全開にして貫流運転とする。 主蒸気減圧弁の全開時期から定格負荷までは、主蒸気
圧力は主給水流量により制御され、主蒸気温度は燃料流
量により制御される、この操作により、起動バイパス系
統から貫流系統への切り替え時には、主蒸気温度、主蒸
気圧力の変動を抑制することができ、質の安定した蒸気
をタービンに供給することができることになる。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。 第1図は、起動バイパス系統を示す図である。 第1図において、1Aは火炉水冷壁、5は1次再熱器、
6は1次過熱器、7は2次再熱器、8は2次過熱器、9
は主さい止弁(カバナ)、10はインターセプト弁、11は
高圧タービン、12は中・低圧タービンである。また、14
は高圧及び中・低圧タービンによって駆動される発電機
である。 火炉水冷壁1A、2次過熱器8、2次再熱器7などで
は、順次、燃焼ガスと給水との間で熱交換される。 こうした熱交換を行う給水は、給水ポンプから節炭器
に送り込まれ、節炭器で熱回収した後、火炉水冷壁1Aに
至り、火炉水冷壁1Aを上昇する途中で蒸発し、1次過熱
器6に入って過熱される。 この蒸気は、過熱器スプレーによって、主蒸気温度が
規定値になるよう減温された後、さらに2次過熱器8に
入って過熱され、主蒸気管に設置された主さい止弁(ガ
バナ)9を経由して高圧タービン11に至り、そこで発電
機14を駆動させる。 高圧タービン11で仕事をした蒸気は、1次再熱器5に
入って再熱される。この蒸気2は2次再熱器7で更に再
熱される。2次再熱器7で更に再熱された蒸気は、再熱
蒸気管に設置されたインターセット弁10を経由して中・
低圧タービン12へと送られ、発電機14をさらに駆動させ
る。 ところで、負荷ランピング開始までの蒸気系統におけ
る機器の運転状態は、主蒸気減圧弁30及び主蒸気止め弁
39が閉じており、火炉水冷壁1Aにて過熱された蒸気は1
次加熱器バイパス弁31を経由して、並びに1次過熱器6
にて加熱された蒸気は2次加熱器バイパス弁32を経由し
て、フラッシュタンク36に流れ込む。 フラッシュタンク36に流入した流体はフラッシュタン
ク36で気水分離され、水はフラッシュタンクドレン弁38
から復水器に戻り、フラッシュタンク36内で発生した蒸
気は、過熱器通気弁35を通過して、2次過熱器8を通
り、高圧タービン11に通気される。フラッシュタンク蒸
気ダンプ弁37にて、フラッシュタンク36内の圧力は一定
に保たれ、過熱器通気弁35を通気する蒸気のエンタルピ
ーは一定に保たれている。 負荷ランピングが開始されると主蒸気減圧弁30が徐々
に開き、蒸気系統は、フラッシュタンク36の起動バイパ
ス系統から、1次過熱器6から主蒸気減圧弁30を介して
2次過熱器8に連なる貫流系統へと徐々に切り替わる。 ところで、負荷ランピング開始時は給水ポンプから供
給された給水が、ボイラで加熱され、蒸気は全て、1次
加熱器バイパス弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介し
て、フラッシュタンク36へ流れ込み、フラッシュタンク
36で発生した一部の蒸気が高圧タービン11に供給されて
いる。負荷ランピングが開始されると、ボイラで発生し
た蒸気は主蒸気減圧弁30を介して高圧タービン11に供給
され始め、フラッシュタンク36から高圧タービン11へ供
給される蒸気は徐々に減じる。 主蒸気減圧弁30が開き始めると高圧タービン11の入口
蒸気圧力は上昇し、この入口蒸気圧力がフラッシュタン
ク36の圧力よりも高くなった時点で、フラッシュタンク
36から高圧タービン11へ流入する蒸気流量は0(ゼロ)
となる。 さらに主蒸気減圧弁30が開くと、1次加熱器バイパス
弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介してフラッシュタ
ンク36に流れ込む蒸気流量が0(ゼロ)になり、ボイラ
に供給される給水が全て高圧タービン11に供給される状
態になった時点で、火力発電プラントは起動バイパス系
統から貫流系統に切り替わる。 本実施例によれば、2次過熱器8と主さい止弁(ガバ
ナ)9とが形成されている主蒸気管の途中(2次過熱器
8と主さい止弁(カバナ)9との間)から高圧タービン
11をバイパスするようにタービンバイパス系統を設置
し、このタービンバイパス系統にタービンバイパス弁61
を設置する。 次ぎに、主蒸気減圧弁30、1次加熱器バイパス弁31、
2次加熱器バイパス弁32、タービンバイパス弁61の運用
を第3図によって説明する。第3図は起動バイパス系統
の弁運用及び起動バイパス系統の各特性曲線を示したも
のである。L1は負荷特性、L2は燃料流量特性、L3は主蒸
気温度特性、L4は1次過熱器6の出口圧力特性、L5は主
蒸気圧力特性、L6は主給水流量特性、L7は2次過熱器バ
イパス弁32の起動特性、L8は1次過熱器バイパス弁31の
起動特性、L9は主蒸気減圧弁30の起動特性、L10は主蒸
気止め弁39の起動特性、L11はタービンバイパス弁61の
起動特性を示す。 運用モードIでは、主さい弁(ガバナ)9の開度を一
定とし、負荷一定制御(L1)を行う。主蒸気圧力の設定
をタービンバイパス弁61を制御することにより行い、タ
ービンバイパス弁61により主蒸気圧力を制御する。 負荷一定制御を行うため、蒸気が2次過熱器8を通過
する際の熱吸収量の変動は、1次加熱器バイパス弁31及
び2次加熱器バイパス弁32を閉めつつ主蒸気減圧弁30を
開ける、いわゆる弁切り替え時における変動流量分の増
加として表われ、燃料流量特性L2におけるΔFの燃料流
量変動分となる。 主給水流量特性L6の如く給水流量を最小流量一定制御
とする。水燃比により決まる主蒸気温度特性L3は、変動
分ΔFの影響により、ΔTの主蒸気温度変動となって現
われるが、その変動幅は小さい。 主蒸気減圧弁30を開動作(L9)することにより、主蒸
気減圧弁30のポート増加分だけ、2次加熱器バイパス弁
32を、2次過熱器バイパス弁32の起動特性L7のような動
作で、徐々に全閉とする。 また、1次加熱器バイパス弁31を制御することによ
り、1次加熱器6の出口圧力の制御を行っているが、主
蒸気減圧弁30を開くと同時に、1次加熱器バイパス弁31
を、1次加熱器バイパス弁31の起動特性L8のような動作
で、徐々に閉じる。これによって1次加熱器の出口圧力
特性L4のように制御できる。 1次加熱器6の出口圧力は、1次加熱器バイパス弁31
を制御することにより1次過熱器6の出口圧力特性L4の
ように制御される。この1次加熱器6の出口圧力を制御
することにより、主蒸気圧力を主蒸気圧力特性L5のよう
に制御する。こうした状態を維持するように1次加熱器
バイパス弁31を全閉とする。1次加熱器バイパス弁31を
全閉することにより、運用モードIは終了する。 運用モードIIでは、主蒸気減圧弁30、1次加熱器バイ
パス弁31、2次加熱器バイパス弁32の切り替え完了によ
り、タービンバイパス弁61をタービンバイパス弁61の起
動特性L11のように徐々に閉める。主蒸気減圧弁30が開
き、タービンバイパス弁61が閉じた段階で運用モードII
は終了する。 各弁の切り替えが終了した時点で、主蒸気止め弁39を
主蒸気止め弁39の起動特性L10のように開け、負荷ラン
ピングを行う。この際、主蒸気圧力の制御(L5)は、タ
ービンバイパス弁61の起動特性L11のようにタービンバ
イパス弁61を閉めつつ、主蒸気減圧弁30の起動特性L9の
ように主蒸気減圧弁30を開けることにより行なわれる。
主蒸気減圧弁30を全開した後、主蒸気止め弁39を弁差圧
規定値内にて全開とする。 運用モードIIIが終了することによって、起動バイパ
ス系統から貫流系統に切り替わり、起動バイパス運転は
終了する。 〔発明の効果〕 本発明によれば、起動バイパス系統から貫流系統に切
り替える際に、タービンバイパス弁を設置した起動制御
方法を採用したことにより、主蒸気圧力を安定させた状
態で弁の切り替えが可能であり、主蒸気温度特性の改善
を図ることができる。更に、弁の切り替え時にも質の安
定した蒸気をタービンに供給できるため、タービン寿命
消費の軽減に寄与することができる。
ス系統から貫流系統に切り替える起動制御方法に係り、
特に、切り替え時における主蒸気圧力、主蒸気温度の変
動を抑制し、起動特性、等価エンタルピーをバランスし
た状態で切り替えることのできる火力発電プラントの起
動制御方法に関する。 〔従来の技術〕 まず、第2図を参照して、火力発電プラントにおける
従来のボイラ(貫流ボイラ)の概略構成について説明す
る。 第2図において、1はボイラ本体、1Aは火炉水冷壁、
2はバーナ、3はガス再循環ファン、4は節炭器、5は
1次再熱器、7は2次再熱器、8は2次過熱器、9は主
蒸気管16に設けられた主さい止弁(ガバナ)、10は再熱
蒸気管17に設けられたインターセプト弁、11は高圧ター
ビン、12は中・低圧タービンである。 また、13は復水器、14は前記高圧及び中・低圧タービ
ンによって駆動される発電機である。 バーナ2に供給された燃料は、燃料制御弁51によって
流量調整され、ボイラ本体1内で空気と混合されて燃焼
され、燃焼ガスとなる。燃焼ガスは、火炉水冷壁1A、2
次過熱器8、2次再熱器7などで、順次に熱交換をしな
がら煙道内を進み、煙突から排出される。 その際、燃焼ガスの一部は、ガス再循環ファン3によ
って、ボイラ本体1内へ戻され、再熱蒸気温度の制御に
使用される。 一方、給水ポンプ(図示せず)から節炭器4に送り込
まれた水は、給水制御弁52によって流量調節され、節炭
器4で熱回収された後、火炉水冷壁1Aに至り、火炉水冷
壁1Aを上昇する途中で蒸発し、1次過熱器6に入って過
熱される。この蒸気は、更に過熱器スプレー(図示せ
ず)に達する。 この蒸気は、過熱器スプレーによって、主蒸気温度が
規定値になるよう減温された後、さらに2次過熱器8に
入って過熱され、主蒸気管16および主さい止弁(ガバ
ナ)9を経由して高圧タービン11に至り、そこで発電機
14を駆動させる。 高圧タービン11で仕事をした蒸気は、1次再熱器5に
入って再熱される。この蒸気は2次再熱器7で更に再熱
される。この蒸気は2次再熱器7で更に再熱され、再熱
蒸気管17およびインターセット弁10を経由して中・低圧
タービン12へと送られ、そこでさらに仕事をする。 ところで、負荷タンピング開始までの水蒸気系統にお
ける機器の運転状態は、主蒸気減圧弁30、主蒸気止め弁
39が閉じており、火炉水冷壁1A及び1次過熱器6にて加
熱された蒸気は1次加熱器バイパス弁31及び2次加熱器
バイパス弁32を経由してフラッシュタンク36に導かれ
る。 フラッシュタンク36に流入した蒸気はフラッシュタン
ク36で気水分離され、水はフラッシュタンクドレン弁38
を通過して、復水器13に戻る。フラッシュタンク36内で
発生した蒸気は、過熱器通気弁35を通過し、2次過熱器
8を通り、高圧タービン11に通気される。フラッシュタ
ンク蒸気ダンプ弁37にて、フラッシュタンク36内の圧力
は一定に保たれ、過熱器通気弁35を通気する蒸気のエン
タルピーは一定の保たれている。負荷ランピングが開始
されると主蒸気減圧弁30が徐々に開き、蒸気系統は、フ
ラッシュタンク36への起動バイパス系統から、1次過熱
器6から主蒸気減圧弁30を介して2次過熱器8に連なる
貫流系統へと徐々に切り替わる。 ところで、負荷ランピング開始時は給水ポンプから供
給された給水が、ボイラで加熱され、蒸気は全て、1次
加熱器バイパス弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介し
て、フラッシュタンク36へバイパスされ、フラッシュタ
ンク36で発生した一部の蒸気が高圧タービン11に供給さ
れている。負荷ランピングが開始されると、ボイラで発
生した蒸気は主蒸気減圧弁30を介して高圧タービン11に
供給され始め、フラッシュタンク36から高圧タービン11
へ供給される蒸気は徐々に減じる。主蒸気減圧弁30が開
き始めると高圧タービン11の入口蒸気圧力は上昇し、こ
の入口蒸気圧力がフラッシュタンク36の圧力よりも高く
なった時点で、フラッシュタンク36から高圧タービン11
へ流入する蒸気流量は0(ゼロ)となる。 さらに主蒸気減圧弁30が開き、1次加熱器バイパス弁
31及び2次加熱器バイパス弁32からバイパスしている蒸
気流量が0(ゼロ)になり、ボイラに供給される給水が
全て高圧タービン11に供給される状態になった時点で、
火力発電プラントは起動バイパス系統から貫流系統に切
り替わる。 こうしたフラッシュタンクを有する火力発電プラント
については、特公昭42−16364号公報、特公昭42−6761
号公報、特公昭45−28321号公報、特公昭44−32123号公
報などに記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このような従来のフラッシュタンクを有する火力発電
プラントでは、負荷ランピングが開始されると、タービ
ン側に供給される蒸気流量は初負荷相当の蒸気流量(通
常5%程度)となる。しかし、ボイラ点火後は、ボイラ
の火炉水冷壁を保護する目的から、最低給水流量(ボイ
ラ定格流量の25%程度)をボイラに供給する必要があ
る。ボイラに供給する給水流量とタービンに供給する蒸
気流量との差分は、1次加熱器バイパス弁及び2次加熱
器バイパス弁を介して、フラッシュタンクへバイパスさ
れている。このバイパス流量を調整することにより、ボ
イラの出口圧力を一定に制御することができる。なお、
フラッシュタンクで気水分離された蒸気の一部は高圧タ
ービンに供給され、初負荷運転に使用される。 次に、負荷ランピングが開始されると、フラッシュタ
ンクへ通気していた蒸気が主蒸気減圧弁側に徐々に切り
替わる。このきフラッシュタンクから発生した蒸気のエ
ンタルピーと、主蒸気減圧弁を通過する蒸気のエンタル
ピーとのマッチングをとることが重要となる。 即ち、この両者の蒸気の間にエンタルピーのマッチン
グがとれていないと、蒸気の流が切り替わる際に、蒸気
熱量にアンバランスが発生し、これが主蒸気温度の変動
の原因となるからである。このエンタルピーがマッチン
グするよう1次過熱器の出口温度を制御する必要があ
る。このようにして1次過熱器の出口温度を制御し、さ
らにフラッシュタンクから発生した蒸気のエンタルピー
と蒸気減圧弁を通過する蒸気のエンタルピーとのマッチ
ングをとることで、2次過熱器の入口温度のエンタルピ
ー、即ち蒸気温度を一定に制御している。 ところが、負荷ランピングが開始されると、各負荷に
おける2次過熱器の熱吸収は、負荷特性により一義的に
決まっており、熱吸収は高すぎても、少なすぎてもよく
ないことが知られている。負荷ランピングの開始時点で
は、熱吸収率が、設定値よりも高ければ負荷ランピング
時の蒸気温度は上昇するし、設定値よりも低ければ負荷
ランピング時の蒸気温度は降下する。また、負荷ランピ
ング開始時の2次過熱器の熱吸収量は、1次過熱器を通
過する蒸気流量と2次過熱器の出入口温度差とによって
決定されることになる。 このように、起動バイパス系統から貫流系統への系統
切替操作時においては、負荷ランピングを行いながら、
主蒸気圧力制御、主蒸気温度制御を行い、弁の切り替え
を行うという多変量制御が必要であり、制御も難しく、
エンタルピー変動が起り易く、タービンに安定した質の
蒸気を供給することが難しいという問題点があった。 本発明の目的は、起動バイパス系統から貫流系統への
切替時に主蒸気温度、主蒸気圧力の変動を抑制し、ター
ビンに安定した質の蒸気の供給を可能にすることにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の火力発電プラントの起動制御方法は、ボイラ
からの蒸気をカバナを介して蒸気タービンに導き、前記
蒸気によって前記蒸気タービンを駆動し、前記蒸気ター
ビンを起動負荷運転する際には、前記蒸気をフラッシュ
タンクを介して前記蒸気タービンへ導き、前記フラッシ
ュタンクを介した蒸気によって前記蒸気タービンを駆動
し、前記ボイラから前記フラッシュタンクへの起動バイ
パス系統を2次系統とし、それぞれの起動バイパス系統
にはそれぞれ1次過熱器バイパス弁と2次過熱器バイパ
ス弁とを形成し、前記ボイラから前記蒸気タービンへの
貫流系統には主蒸気減圧弁を形成し、起動バイパス系統
から貫流系統へ切り替えて起動制御を行うものである。 そして、前記貫流系統から分岐し前記蒸気タービンを
バイパスするタービンバイパス系統を設け、前記タービ
ンバイパス系統にタービンバイパス弁を設置し、前記1
次過熱器バイパス弁及び前記2次過熱器バイパス弁を閉
操作しつつ、前記主蒸気減圧弁を開操作する切り替え時
に、前記ガバナにより負荷一定制御を行いつつ、前記タ
ービンバイパス弁により主蒸気圧力一定制御を行うこと
を特徴とする。 〔作用〕 タービンバイパス弁を設置し、主蒸気圧力の設定をタ
ービンバイパス弁を制御することにより行う。また、主
さい弁(ガバナ)の開度を一定開度に制御し、負荷ラン
ピングを起動バイパス系統から貫流系統への弁切替時に
行わないことで、主蒸気圧力、主蒸気温度の変動を抑制
することができる。 この時の1次過熱器バイパス弁は、1次過熱器の出口
圧力を制御するため設置され、1次過熱器バイパス弁を
全閉後、タービンバイパス弁を閉動作させる。タービン
バイパス弁の閉動作に併せて、負荷ランピングを行う。
タービンバイパス弁を全閉の状態で、主蒸気圧力を定格
値まで上昇させ、主蒸気減圧弁を全開とし、その後、主
蒸気止め弁を全開にして貫流運転とする。 主蒸気減圧弁の全開時期から定格負荷までは、主蒸気
圧力は主給水流量により制御され、主蒸気温度は燃料流
量により制御される、この操作により、起動バイパス系
統から貫流系統への切り替え時には、主蒸気温度、主蒸
気圧力の変動を抑制することができ、質の安定した蒸気
をタービンに供給することができることになる。 〔実施例〕 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。 第1図は、起動バイパス系統を示す図である。 第1図において、1Aは火炉水冷壁、5は1次再熱器、
6は1次過熱器、7は2次再熱器、8は2次過熱器、9
は主さい止弁(カバナ)、10はインターセプト弁、11は
高圧タービン、12は中・低圧タービンである。また、14
は高圧及び中・低圧タービンによって駆動される発電機
である。 火炉水冷壁1A、2次過熱器8、2次再熱器7などで
は、順次、燃焼ガスと給水との間で熱交換される。 こうした熱交換を行う給水は、給水ポンプから節炭器
に送り込まれ、節炭器で熱回収した後、火炉水冷壁1Aに
至り、火炉水冷壁1Aを上昇する途中で蒸発し、1次過熱
器6に入って過熱される。 この蒸気は、過熱器スプレーによって、主蒸気温度が
規定値になるよう減温された後、さらに2次過熱器8に
入って過熱され、主蒸気管に設置された主さい止弁(ガ
バナ)9を経由して高圧タービン11に至り、そこで発電
機14を駆動させる。 高圧タービン11で仕事をした蒸気は、1次再熱器5に
入って再熱される。この蒸気2は2次再熱器7で更に再
熱される。2次再熱器7で更に再熱された蒸気は、再熱
蒸気管に設置されたインターセット弁10を経由して中・
低圧タービン12へと送られ、発電機14をさらに駆動させ
る。 ところで、負荷ランピング開始までの蒸気系統におけ
る機器の運転状態は、主蒸気減圧弁30及び主蒸気止め弁
39が閉じており、火炉水冷壁1Aにて過熱された蒸気は1
次加熱器バイパス弁31を経由して、並びに1次過熱器6
にて加熱された蒸気は2次加熱器バイパス弁32を経由し
て、フラッシュタンク36に流れ込む。 フラッシュタンク36に流入した流体はフラッシュタン
ク36で気水分離され、水はフラッシュタンクドレン弁38
から復水器に戻り、フラッシュタンク36内で発生した蒸
気は、過熱器通気弁35を通過して、2次過熱器8を通
り、高圧タービン11に通気される。フラッシュタンク蒸
気ダンプ弁37にて、フラッシュタンク36内の圧力は一定
に保たれ、過熱器通気弁35を通気する蒸気のエンタルピ
ーは一定に保たれている。 負荷ランピングが開始されると主蒸気減圧弁30が徐々
に開き、蒸気系統は、フラッシュタンク36の起動バイパ
ス系統から、1次過熱器6から主蒸気減圧弁30を介して
2次過熱器8に連なる貫流系統へと徐々に切り替わる。 ところで、負荷ランピング開始時は給水ポンプから供
給された給水が、ボイラで加熱され、蒸気は全て、1次
加熱器バイパス弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介し
て、フラッシュタンク36へ流れ込み、フラッシュタンク
36で発生した一部の蒸気が高圧タービン11に供給されて
いる。負荷ランピングが開始されると、ボイラで発生し
た蒸気は主蒸気減圧弁30を介して高圧タービン11に供給
され始め、フラッシュタンク36から高圧タービン11へ供
給される蒸気は徐々に減じる。 主蒸気減圧弁30が開き始めると高圧タービン11の入口
蒸気圧力は上昇し、この入口蒸気圧力がフラッシュタン
ク36の圧力よりも高くなった時点で、フラッシュタンク
36から高圧タービン11へ流入する蒸気流量は0(ゼロ)
となる。 さらに主蒸気減圧弁30が開くと、1次加熱器バイパス
弁31及び2次加熱器バイパス弁32を介してフラッシュタ
ンク36に流れ込む蒸気流量が0(ゼロ)になり、ボイラ
に供給される給水が全て高圧タービン11に供給される状
態になった時点で、火力発電プラントは起動バイパス系
統から貫流系統に切り替わる。 本実施例によれば、2次過熱器8と主さい止弁(ガバ
ナ)9とが形成されている主蒸気管の途中(2次過熱器
8と主さい止弁(カバナ)9との間)から高圧タービン
11をバイパスするようにタービンバイパス系統を設置
し、このタービンバイパス系統にタービンバイパス弁61
を設置する。 次ぎに、主蒸気減圧弁30、1次加熱器バイパス弁31、
2次加熱器バイパス弁32、タービンバイパス弁61の運用
を第3図によって説明する。第3図は起動バイパス系統
の弁運用及び起動バイパス系統の各特性曲線を示したも
のである。L1は負荷特性、L2は燃料流量特性、L3は主蒸
気温度特性、L4は1次過熱器6の出口圧力特性、L5は主
蒸気圧力特性、L6は主給水流量特性、L7は2次過熱器バ
イパス弁32の起動特性、L8は1次過熱器バイパス弁31の
起動特性、L9は主蒸気減圧弁30の起動特性、L10は主蒸
気止め弁39の起動特性、L11はタービンバイパス弁61の
起動特性を示す。 運用モードIでは、主さい弁(ガバナ)9の開度を一
定とし、負荷一定制御(L1)を行う。主蒸気圧力の設定
をタービンバイパス弁61を制御することにより行い、タ
ービンバイパス弁61により主蒸気圧力を制御する。 負荷一定制御を行うため、蒸気が2次過熱器8を通過
する際の熱吸収量の変動は、1次加熱器バイパス弁31及
び2次加熱器バイパス弁32を閉めつつ主蒸気減圧弁30を
開ける、いわゆる弁切り替え時における変動流量分の増
加として表われ、燃料流量特性L2におけるΔFの燃料流
量変動分となる。 主給水流量特性L6の如く給水流量を最小流量一定制御
とする。水燃比により決まる主蒸気温度特性L3は、変動
分ΔFの影響により、ΔTの主蒸気温度変動となって現
われるが、その変動幅は小さい。 主蒸気減圧弁30を開動作(L9)することにより、主蒸
気減圧弁30のポート増加分だけ、2次加熱器バイパス弁
32を、2次過熱器バイパス弁32の起動特性L7のような動
作で、徐々に全閉とする。 また、1次加熱器バイパス弁31を制御することによ
り、1次加熱器6の出口圧力の制御を行っているが、主
蒸気減圧弁30を開くと同時に、1次加熱器バイパス弁31
を、1次加熱器バイパス弁31の起動特性L8のような動作
で、徐々に閉じる。これによって1次加熱器の出口圧力
特性L4のように制御できる。 1次加熱器6の出口圧力は、1次加熱器バイパス弁31
を制御することにより1次過熱器6の出口圧力特性L4の
ように制御される。この1次加熱器6の出口圧力を制御
することにより、主蒸気圧力を主蒸気圧力特性L5のよう
に制御する。こうした状態を維持するように1次加熱器
バイパス弁31を全閉とする。1次加熱器バイパス弁31を
全閉することにより、運用モードIは終了する。 運用モードIIでは、主蒸気減圧弁30、1次加熱器バイ
パス弁31、2次加熱器バイパス弁32の切り替え完了によ
り、タービンバイパス弁61をタービンバイパス弁61の起
動特性L11のように徐々に閉める。主蒸気減圧弁30が開
き、タービンバイパス弁61が閉じた段階で運用モードII
は終了する。 各弁の切り替えが終了した時点で、主蒸気止め弁39を
主蒸気止め弁39の起動特性L10のように開け、負荷ラン
ピングを行う。この際、主蒸気圧力の制御(L5)は、タ
ービンバイパス弁61の起動特性L11のようにタービンバ
イパス弁61を閉めつつ、主蒸気減圧弁30の起動特性L9の
ように主蒸気減圧弁30を開けることにより行なわれる。
主蒸気減圧弁30を全開した後、主蒸気止め弁39を弁差圧
規定値内にて全開とする。 運用モードIIIが終了することによって、起動バイパ
ス系統から貫流系統に切り替わり、起動バイパス運転は
終了する。 〔発明の効果〕 本発明によれば、起動バイパス系統から貫流系統に切
り替える際に、タービンバイパス弁を設置した起動制御
方法を採用したことにより、主蒸気圧力を安定させた状
態で弁の切り替えが可能であり、主蒸気温度特性の改善
を図ることができる。更に、弁の切り替え時にも質の安
定した蒸気をタービンに供給できるため、タービン寿命
消費の軽減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は起動バイパス系統の系統図、第2図はボイラ全
体の構成図、第3図は起動バイパス系統における各弁の
起動特性を表した図である。 1A……火炉水冷壁、5……1次再熱器、6……1次過熱
器、7……2次再熱器、8……2次過熱器、9……主さ
い止弁(ガバナ)、10……インターセプト弁、11……高
圧タービン、12……中・低圧タービン、14……発電機、
30……主蒸気減圧弁、31……1次過熱器バイパス弁、32
……2次過熱器バイパス弁、36……フラッシュタンク、
39……主蒸気止め弁、61……タービンバイパス弁。
体の構成図、第3図は起動バイパス系統における各弁の
起動特性を表した図である。 1A……火炉水冷壁、5……1次再熱器、6……1次過熱
器、7……2次再熱器、8……2次過熱器、9……主さ
い止弁(ガバナ)、10……インターセプト弁、11……高
圧タービン、12……中・低圧タービン、14……発電機、
30……主蒸気減圧弁、31……1次過熱器バイパス弁、32
……2次過熱器バイパス弁、36……フラッシュタンク、
39……主蒸気止め弁、61……タービンバイパス弁。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.ボイラからの蒸気をガバナを介して蒸気タービンに
導き、前記蒸気によって前記蒸気タービンを駆動し、 前記蒸気タービンを起動負荷運転する際には、前記蒸気
をフラッシュタンクを介して前記蒸気タービンへ導き、
前記フラッシュタンクを介した蒸気によって、前記蒸気
タービンを駆動し、 前記ボイラから前記フラッシュタンクへの起動バイパス
系統を2系統とし、それぞれの起動バイパス系統にはそ
れぞれ1次過熱器バイパス弁と2次過熱器バイパス弁と
を形成し、前記ボイラから前記蒸気タービンへの貫流系
統には主蒸気減圧弁を形成し、 起動バイパス系統から貫流系統へ切り替えて起動制御を
行う火力発電プラントの起動制御方法において、 前記貫流系統から分岐し前記蒸気タービンをバイパスす
るタービンバイパス系統を設け、前記タービンバイパス
系統にタービンバイパス弁を設置し、 前記1次過熱器バイパス弁及び前記2次過熱器バイパス
弁を閉操作しつつ、前記主蒸気減圧弁を開操作する切り
替え時に、前記ガバナにより負荷一定制御を行いつつ、
前記タービンバイパス弁により主蒸気圧力一定制御を行
うことを特徴とする火力発電プラントの起動制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4618386A JP2708406B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 火力発電プラントの起動制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4618386A JP2708406B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 火力発電プラントの起動制御方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62206305A JPS62206305A (ja) | 1987-09-10 |
JP2708406B2 true JP2708406B2 (ja) | 1998-02-04 |
Family
ID=12739920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4618386A Expired - Lifetime JP2708406B2 (ja) | 1986-03-05 | 1986-03-05 | 火力発電プラントの起動制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2708406B2 (ja) |
-
1986
- 1986-03-05 JP JP4618386A patent/JP2708406B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62206305A (ja) | 1987-09-10 |
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