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JP2708138B2 - 平面度測定装置 - Google Patents

平面度測定装置

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JP2708138B2
JP2708138B2 JP3272054A JP27205491A JP2708138B2 JP 2708138 B2 JP2708138 B2 JP 2708138B2 JP 3272054 A JP3272054 A JP 3272054A JP 27205491 A JP27205491 A JP 27205491A JP 2708138 B2 JP2708138 B2 JP 2708138B2
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洋 山内
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Ohara Inc
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  • Length Measuring Devices Characterised By Use Of Acoustic Means (AREA)
  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光沢面または非光沢面
を有するガラス、ガラスセラミックス、セラミックスお
よび金属等の無機質材料、各種有機質材料、またはこれ
らの複合材料等からなる板状体の平面度測定装置に関
し、特に寸法形状上あるいは材質上、自重や外圧により
撓み等の表面変形を生じやすい板状体の平面度を高精度
で効率よく測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、板状体の平面度すなわち平坦度を
測定する手段として、例えば、機械的探針子法、光干渉
法、レーザ反射法等が知られている。しかしながら、上
記探針子法は、被検体表面に探針子を接触させて測定す
る方法であるため、表面を傷つけ易く、また探針子の外
圧により表面変形を生じ易い披検体の場合は、平面度の
測定が困難となる。光干渉法は、基準表面と被検体表面
間の距離の差によって形成される干渉縞を利用して測定
する方法であるため、被検体は研磨光沢面を有する透元
性材料に限られる。従って、透明材料であっても荒摺り
等の中間工程にある被検体の平面度を研磨工程前に予め
測定する必要には応じられない。また一般に平面度は数
ないし数10μm程度以下の大きさのものしか測定でき
ず、大きな撓み、うねり、ソリ等を伴う場合の平面度を
測定することができない。さらに、平面度を干渉縞によ
る間接表現でしか得られず、これを直接的な表現に直す
には面倒なコンピューターによる縞解析作業を要する。
またレーザ反射法は、被検体測定面にレーザ光を照射
し、表面状態の変化に応じた反射光のフレを位置センサ
で検知して平面度を測定する方法であるが、走査面が狭
いため大面積の披検体を測定できず、その上ソリ等が少
なく平面度が比較的良好な披検体しか測定できないとい
う欠点がある。従って、寸法形状上または材質上変形し
易い板状体について、その主要面の一面または必要に応
じ両面の固有の平面度を高効率、高精度で測定する手段
は未だ知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
平面度測定技術に見られる諸欠点を解消し、板状披検
体、特に、厚みが薄い等の寸法形状上あるいは材質上表
面変形し易い板状被検体の固有の平面度を測定表面の大
小、撓みやソリ等の大小、表面の光沢・非光沢、あるい
は被検体材料の透元性、非透光性等を間わず、また表面
を傷つけることなく、高効率、高精度で測定し得る装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する本
発明の請求項1記載の平面度測定装置の構成の特徴は、
板状被検体を脱着可能かつ鉛直上方に固定する固定機構
と、上記板状被検体の両主要面の各面にそれぞれ対向し
て配置され板状被検体から反射された超音波を探知する
少なくとも1対の超音波探触子と、上記固定機構および
上記1対の超音波探触子を収容する液槽と、上記一対の
超音波探触子を、上記板状被検体の一つの主要面の周辺
部に設定した任意の3点を含む測定基準平面と平行に移
動させるXY駆動機構と、上記板状被検体の一面側に配
置された一方の超音波探触子による超音波の探知に基づ
き上記板状被検体の一方の主要面と当該超音波探触子と
の間の距離を測定すると共に、上記板状被検体の他面側
に配置された他方の超音波探触子による超音波の探知に
基づき上記板状被検体の他方の主要面と当該超音波探触
子との間の距離を測定する超音波距離計と、上記超音波
距離計により測定された測定距離および上記XY駆動機
構の移動位置情報に基づいて上記板状被検体の両主要面
の平面度を演算する演算手段と、 上記平面度の演算結果
を表示する演算結果表示手段とを備えたところにある。
【0005】この請求項1記載の平面度測定装置によれ
ば、上記固定機構により板状被検体が鉛直上方に固定さ
れるので、自重により表面変形されやすい板状被検体で
あっ ても、自重による表面変形を伴わせずに固定するこ
とができ、その状態(表面変形を伴わない状態)で板状
被検体の主要面の平面度を測定することが出来る。更
に、少なくとも一対の超音波探触子が設けられ、これら
超音波探触子が両主要面の一方の面と他方の面との平面
度をそれぞれ測定するので、板状被検体の両主要面の測
定を、板状被検体の表裏を逆さにして固定しなおすこと
なく、一度に行うことが出来る。また、上記一対の超音
波探触子が板状被検体の各主要面にそれぞれ対向して配
置され、上記超音波距離計がそれぞれの超音波探触子か
ら板状被検体のそれぞれの面までの距離を測定するの
で、XY移動機構の移動位置情報と合わせることで、板
状被検体の任意の各点の厚さが算出可能となり、板状被
検体全体の板厚形状も把握することが出来る。
【0006】上記本発明の平面度測定装置において、板
状披検体は、固定機構により垂直に、かつ超音波探触子
移動平面に平行に支持固定されるが、測定の際の披検
体の固定操作において、上記測定基準平面が上記移動
面に対し必ずしも高い精度で平行度を維持せず、誤差を
生じ易い。特に厚さが一定していない板状披検体の表裏
双方の主要面を同期的に測定する場合には、例えば一方
の探触子の移動平面とこれに対向する上記測定基準平面
間に高い平行度を与えると、他方の探触子の移動平面と
これに対向する測定基準平面間の平行度は、一般に悪い
ものとなり、XY座棟上の各位置にリニアーな変化量の
誤差を生ずる。これら両面の平行度をそれぞれ正確に維
持して測定するには、高価な装置や繁雑な操作を要す
る。
【0007】そこで、請求項2記載の発明は、請求項1
記載の平面度測定装置において、上記板状被検体の一つ
の主要面の周辺部に設定した任意の3点を含む測定基準
平面と、この主要面側に配置された超音波探触子の移動
平面との平行度を、上記超音波距離計により計測される
上記任意の3点と上記移動平面との間の各距離に基づい
て、上記板状被検体の平行度の誤差として演算する平行
度誤差演算手段と、この平行度の誤差を上記演算手段に
より演算される上記主要面の平面度から消去する平行度
誤差消去手段とを備えた構成とした。
【0008】この請求項2記載の平面度測定装置によれ
ば、例えば、上述のように板状被検体の一方の主要面と
他方の主要面との間の平行度が悪い場合や、板状被検体
を厳密な鉛直上方から多少の誤差を含んだ状態で固定し
てしまった場合など、測定する1つの主要面と超音波探
触子の移動平面との間に平行度の誤差が生じた場合で
も、上記平行度誤差演算手段と平行度誤差消去手段によ
りその誤差を測定される平面度から消去することが出来
る。
【0009】一方、超音波探触子の移動位置は、XY駆
動装置の機構精度が悪いと繰り返し再現される無視でき
ない固有のズレを生ずるものであり、このズレを除くた
め機構精度を上げると装置は高価なものとなる。
【0010】そこで、請求項3記載の発明は、請求項1
又は2に記載の平面度測定装置において、平面度の高い
標準平面板の平面度の測定に基づき、この平面度を上記
XY駆動機構の移動位置の誤差として記憶する移動位置
誤差記憶手段と、上記演算手段により演算される板状被
検体の平面度から上記XY駆動機構の移動位置の誤差を
消去する移動位置誤差消去手段とを備えた構成とした。
【0011】この請求項3記載の平面度測定装置によれ
ば、先ず平面度の高い標準平面板の平面度を測定し、移
動位置誤差記憶手段により平面度の値をXY駆動機構の
移動位置の誤差として記憶しておくことで、板状被検体
の平面度を測定する際に、移動位置誤差消去手段を作用
させて、測定値から上記誤差を消去することが出来る。
従って、XY駆動機構の機械精度を高くせずに、高い精
度の測定を行うことが出来る。なお、演算手段における
上記の平面度および諸誤差に関する記憶、演算機能は周
知の電子技術や数式などの応用によって与えることがで
きる。
【0012】
【実施例】つぎに、本発明の平面度測定装置の好適な実
施例について、図面に即して説明する。図1は、液漕1
4中に収容した板状被検体11とその両主要面に対向す
る一対の超音波探触子12および13とこれらの探触子
を操作するためのXY駆動装置の側断面図、並びにこれ
らの装置とXY駆動機構15、超音波距離計21、平面
度の演算手段18および表示手段23との関係を示す図
である。また図2は、図1における板状披検体11とそ
の固定機構10の前面拡大図であり、図3は、図2のM
−M’線側断面図であり、図4は図3のN−N’線側断
面図である。
【0013】図1において、基台1上にX軸ステージ2
と超音波伝播媒体として通常用いられる水を収容した液
槽14が固定されている。X軸ステージ2の上にはX軸
摺動台3がX軸用パルスモータ7により水平に(紙面に
垂直に)摺動するよう取付けられている。また、Y軸ス
テージ4が、補強金具5を介してX軸摺動台3上に取付
けられており、Y軸摺動台6がY軸用パルスモータ8に
よりY軸ステージ4上を垂直に活動するよう取付けられ
ている。一対の先端部を有するアーム9がY軸摺動台6
に取付けられ、アーム9の各先端部には超音波探触子1
2および13が、板状被検体11を挟み、その測定され
るべき両主要面A、Bからそれぞれ等距離を保ち、対向
して取付けられている。板状被検体固定機構10は水槽
14に固設され、被検体11を垂直かつX軸に平行に着
脱可能に固定する機構を有している。
【0014】上記装置機構の外部には、XY駆動機構1
5が設けられ、走査制御装置17と上記X軸用パルスモ
ータ7およびY軸用パルスモータ8をこの走査制御装置
の命令でそれぞれ作動させるX軸パルスモータドライバ
16およびY軸パルスモータドライバ16’を備えてい
る。また、探触子12および13とこれらにそれぞれ対
向する測定面AおよびB間の各距離を測定する超音波距
離計21が高速度(μsec級)の切換器22を介して
設けられており、演算手段18に接続している。この演
手段は、演算装置(cpu)19と記憶装置20を備
えている。演算手段18は、演算結果を表示する表示
23に連絡しており、この表示手段にはXYプロッタ
25がプロッタドライバ24を介して備えられている。
【0015】板状被検体11の固定機構10の細部は、
図2〜図4に示したとおり、垂直に設定された取付枠1
0’、取付枠下部に同一レベルで水平に配設した2つの
半円筒状支持台26、取付枠10’の上部中央に1箇所
と下部左右の各1箇所に取付けた3つの半球状支持体2
7、これらの半球状支持体27にそれぞれ対向配置した
半球状押さえ29、押さえ29をその一端部に取付けた
板バネ28、板バネ28の他端部を取付枠10’に固定
するためのスペーサー31を備えている。なお、被検体
11を取付枠に垂直かつ着脱可能に固定する機構とし
て、上記板バネによる固定ではなく、図5に示したよう
にU字形金属ホルダー31と半球状突起付磁石32間の
磁力によるものとし、これらを水槽壁に取付けた収縮性
ベローズ33とマイクロメータヘッド34によって被検
体の位置を調整し固定する構造とすることもできる。
【0016】本実施例の上記平面度測定装置において、
仮に測定対象を測定面Aのみとし、図5に示したマイク
ロメーターへッドなどの位置調整により、探触子移動
面と被検体の測定基準平面間に平行度誤差が実質的に存
在せず、また探触子にも元来移動位置誤差が実質的に存
在しない場合を想定すると装置構成は簡略なものとな
る。この場合ぱ、図6において、披検体測定面Aの周辺
部に設定した任意の3点P1、P2およびP3を含む測定
基準面Asと上記移動位置誤差のない移動平面Lsは平
行である。ここで、披検体の測定面Aのみの平面度を測
定する場合は、移動平面Lsからの測定面Aと測定基準
面Asの各距離を記憶し、測定面Aの平面度、すなわち
これらの各度離の差ΔAをXY駆動機構の移動位置情報
と同期させつつ演算する機能のみが演算手段18に与え
られる。この場合、探触子13と切換器22は不要とな
る。
【0017】被検体測定面AおよびBの両平面度を同期
的に測定する本実施例の装置には、各測定面とこれらに
対向する移動平面間の各平行度誤差を消去する機能が必
要である。そこで、図6にみられるとおり、測定面Aの
上記3点P1、P2およびP3とこれらの各点にそれぞれ
対向する探触子12の移動平面Ls上の3点Q1、Q2お
よびQ3を設定し、P1−Q1、P2−Q2およびP3−Q3
間の各距離の差、すなわちXY座標上の各位置における
測定基準面Asと移動平面Lsの平行度誤差を算出し、
これを記憶する機能を演算手段18に与えておく。また
同様に上記測定面Aの3点P1、P2およびP3にそれぞ
れ対向する測定面B上の3点P’1、P’2およびP’3
を含む測定基準面Bsを設定し、またこれらの3点P’
1、P’2およびP’3にそれぞれ対向する探触子13の
移動平面L’s上の3点Q’1、Q’2およびQ’3を設
定し、P’1−Q’1、P’2−Q’2およびP’3−Q’3
間の各距離の差、すなわちXY座標上の各位置における
測定基準平面Bsと移動平面L’sの平行度誤差を算出
し、これを記憶する機能を演算手段18に同様に付与し
ておく。測定面Bの平面度ΔBは、上記平面度ΔAと同
様、移動平面L’sからの測定面Bと測定基準面Bsの
距離の差で表されるが、これらの距離を同様に記憶し、
またXY駆動機構の移動位置情報と同期させ、XY座標
上の各位置における上記各平行度誤差を零として消去、
補正しつつ、上記平面度ΔAおよびΔBを演算する機能
を演算手段18に付与しておく。なお、上記各平行度誤
差を消去するに当たり、上記の各点間距離そのものを零
とし、すなわち各測定基準平面とこれらにそれぞれ対向
する移動平面間の距離をいずれも零と算定することによ
って、これらの平行度誤差を同様に消去する機能を演算
手段18に付与してもよい。
【0018】 つまり、上記のXY座標上の各位置におけ
る測定基準面Asと移動平面Lsの平行度誤差を算出す
る機能、並びに、上記のXY座標上の各位置における測
定基準平面Bsと移動平面L’sの平行度誤差を算出す
る機能が、平行度誤差演算手段を構成しており、また、
上記のXY座標上の各位置における上記各平行度誤差を
零として消去、補正しつつ、上記平面度ΔAおよびΔB
を演算する機能が、平行度誤差消去手段を構成してい
る。
【0019】探触子の移動位置に固有の誤差が存在する
本実施例の装置においては、標準平面板による比較測定
からこれを求め、平面度演算過程で消去、補正する必要
がある。このため、図7に示すとおり、披検体11に代
えて配置した標準平面板の標準平面S上の周辺部に任意
の3点S1、S2およびS3を設定し、これらの点にそれ
ぞれ対向する上記誤差を伴う移動平面L上の3点S’
1、S’2およびS’3を含む移動基準平面Lsを設定す
る。この際、S1−S’1、S2−S’2およびS3−S’3
間を等距離にし、標準平面Sと移動基準面Lsの平行度
を正確に維持しておく。このためには、前記マイクロメ
ーター等により標準平面板の位置を調整するか、または
上記同様の平行度誤差記憶、消去機能を演算手段に付加
してこの平行度誤差を解消する手段を採っておく。探触
子12のXY座標上の各位置における移動位置誤差ΔS
は、標準平面Sからの移動平面Lと移動基準平面Ls間
の距離の差として表される。探触子13は、探触子12
と共に平行移動するから、双方の移動平面LとL’およ
移動基準平面LsとL’sは互いに平行であり、また
XY座標上の各位置における移動位置誤差ΔSとΔS’
の絶対値は等しい。そこで、演算手段18に距離計22
による上記各距離の計測結果に基づいて移動位置誤差Δ
SおよびΔS’を算出してその結果を記憶し、また平面
度ΔAおよびΔBの演算過程でXY駆動機構の移動位置
情報と同期させつつ、上記移動位置誤差ΔSおよびΔ
S’をそれぞれ消去、補正する機能を演算手段18に与
えておく。
【0020】 つまり、上記の標準平面板の測定において
距離計22による上記の計測結果に基づいて移動位置誤
差ΔSおよびΔS’を算出してその結果を記憶する機能
が、移動位置誤差記憶手段を構成しており、また、板状
被検体の平面度ΔAおよびΔBの演算過程でXY駆動機
構の移動位置情報と同期させつつ上記移動位置誤差ΔS
およびΔS’をそれぞれ消去、補正する機能が、移動位
置誤差消去手段を構成している。
【0021】さらに、本実施例の装置においては、XY
座標上の各位置における板状披検体の厚さ(d)を各探
触子12、13間距離Dから(測定面A−移動平面L間
距離)と(測定面B−移動平面L’間距離)を差し引く
ことによって求めることができる。そこで、上記演算
18には、厚さ(d)を上記諸誤差を同様に消去しつ
つ演算し、所定の標準厚さからの偏差値を算出する機能
を付加してある。
【0022】本実施例の平面度測定装置は以上の構成か
らなるため、変形し易い板状被検体を安定して保持する
ことができ、この結果被検体固有の平面度を容易に測定
することができる。また、被検体固定操作の際、被検体
と探触子移動平面間の平行度を調整するための繁雑な操
作を要することなく、迅速かつ正確に平面度を測定し得
る。さらに、探触子の駆動走査機械装置部の製作精度が
低く、移動位置誤差を伴うものであっても、極めて高い
精度で板状被検体の平面度を測定することができる。そ
の上、本実施例の装置は、被検体の厚さを上記平面度と
ともに同時に測定することができる利点がある。
【0023】本実施例の装置による板状被検体(厚さ
0.5mmの直方形板ガラス)のA面およびB面のX軸
方向の平面度とY軸方向の平面度(ΔAおよびΔB)の
測定例およびこれらの測定結果から合成された平面度の
等高線分布およびこの被検体の厚さ(d)の測定に関す
る同様の結果を示した。なお、平面度を示す図の基準線
(点線)は測定基準面のX軸、Y軸上の位置を示す。ま
た、厚さを示す図の基準線(点線)は、X軸またはY軸
上の被検体の所定の標準厚さを示し、実線データは、標
準厚さからのズレを示す。
【0024】なお、本発明の平面度測定装置は、本実施
例に限られることなく、本発明の要旨の範囲内で種々改
変し得る。例えば、本実施例では1枚の披検体を測定す
る例を示したが、複数個の被検体を同時に測定するため
並列配置し、一対の超音波探触子をこれらの被検体に同
様に配置してもよい。
【0025】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明の平面度測定
装置は、板状被検体を脱着可能かつ鉛直上方に固定する
固定機構と、上記板状被検体の両主要面の各面にそれぞ
れ対向して配置され板状被検体から反射された超音波を
探知する少なくとも1対の超音波探触子と、上記固定機
構および上記1対の超音波探触子を収容する液槽と、上
記一対の超音波探触子を、上記板状被検体の一つの主要
面の周辺部に設定した任 意の3点を含む測定基準平面と
平行に移動させるXY駆動機構と、上記板状被検体の一
面側に配置された一方の超音波探触子による超音波の探
知に基づき上記板状被検体の一方の主要面と当該超音波
探触子との間の距離を測定すると共に、上記板状被検体
の他面側に配置された他方の超音波探触子による超音波
の探知に基づき上記板状被検体の他方の主要面と当該超
音波探触子との間の距離を測定する超音波距離計と、上
記超音波距離計により測定された測定距離および上記X
Y駆動機構の移動位置情報に基づいて上記板状被検体の
両主要面の平面度を演算する演算手段および演算結果表
示手段を備えているので、寸法形状上または材質上変形
し易い板状被検体の平面度を安定的に、且つ、その両面
を迅速に測定することが出来ることに加え、板状被検体
全体の板厚形状の計測も可能となる。また必要に応じ
て、測定する主要面と超音波探触子の移動平面との平行
度の誤差を消去するための平行度誤差演算手段および平
行度誤差消去手段を備えれば、板状被検体の平行度の調
整に手間をかけずに、高い精度で平面度の測定を行うこ
とが出来るし、また、XY駆動機構の移動位置の誤差を
記憶消去するための移動位置誤差記憶手段および移動位
置誤差消去手段を備えれば、XY駆動機構の機械精度を
あまり高くせずに高い測定精度を得られることとなり、
従って、高い測定精度の装置を低コストで製作すること
が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の平面度測定装置の機械部の側
断面図とその関連機構を示す図である。
【図2】図1における被検体取付枠10と被検体11の
正面図である。
【図3】図2におけるM−M’線側断面図である。
【図4】図3におけるN−N’線断面図である。
【図5】図2における固定機構と異なる別の固定機構の
一部を示す断面図である。
【図6】本実施例の装置における被検体平面度(ΔA、
ΔB)、平行度誤差および移動位置誤差説明図である。
【図7】本実施例の装置における標準平面板による探触
移動位置誤差測定説明図である。
【図8】本実施例の装置で測定した板状被検体の平面度
(△A、△B)と厚さ(d)を示す。
【符号の説明】
1 基台 2 X軸ステージ 3 X軸摺動台 4 Y軸ステージ 6 Y軸摺動台 7 X軸用パルスモータ 8 Y軸用パルスモータ 9 アーム 10 被検体固定機構 10’ 取付枠 11 被検体 12 超音波探触子 13 超音波探触子 14 液槽18 演算手段(平行度誤差演算手段、平行度誤差消
去手段、移動位置誤差 記憶手段、並びに、移動位置誤差
消去手段を兼ねている) 23 表示手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状被検体を脱着可能かつ鉛直上方に固
    定する固定機構と、上記板状被検体の両主要面の各面にそれぞれ対向して配
    置され板状被検体から反射された超音波を探知する少な
    くとも1対の 超音波探触子と、上記固定機構および上記1対の超音波探触子を収容する
    液槽と、上記一対の超音波探触子を、上記板状被検体の一つの主
    要面の周辺部に設定した任意の3点を含む測定基準平面
    と平行に移動させる XY駆動機構と、上記板状被検体の一面側に配置された一方の超音波探触
    子による超音波の探知に基づき上記板状被検体の一方の
    主要面と当該超音波探触子との間の距離を測定すると共
    に、上記板状被検体の他面側に配置された他方の超音波
    探触子による超音波の探知に基づき上記板状被検体の他
    方の主要面と当該超音波探触子との間の距離を測定する
    超音波距離計と、上記超音波距離計により測定された測定距離および上記
    XY駆動機構の移動位置情報に基づいて上記板状被検体
    の両主要面の平面度を演算する演算手段と、 上記平面度の演算結果を表示する演算結果表示手段と、 を備えたことを特徴とする平面度測定装置。
  2. 【請求項2】 上記板状被検体の一つの主要面の周辺部
    に設定した任意の3点を含む測定基準平面と、この主要
    面側に配置された超音波探触子の移動平面との平行度
    を、上記超音波距離計により計測される上記任意の3点
    と上記移動平面との間の各距離に基づいて、上記板状被
    検体の平行度の誤差として演算する平行度誤差演算手段
    と、 この平行度の誤差を上記演算手段により演算される上記
    主要面の平面度から消去する平行度誤差消去手段とを備
    えている ことを特徴とする請求項1記載の平面度測定装
    置。
  3. 【請求項3】 平面度の高い標準平面板の平面度の測定
    に基づき、この平面度を上記XY駆動機構の移動位置の
    誤差として記憶する移動位置誤差記憶手段と、 上記演算手段により演算される板状被検体の平面度から
    上記XY駆動機構の移動位置の誤差を消去する移動位置
    誤差消去手段とを備えている ことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の平面度測定装置。
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