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JP2706593B2 - 微生物安定性に優れたアルキルグリコシド水溶液 - Google Patents

微生物安定性に優れたアルキルグリコシド水溶液

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JP2706593B2
JP2706593B2 JP4037806A JP3780692A JP2706593B2 JP 2706593 B2 JP2706593 B2 JP 2706593B2 JP 4037806 A JP4037806 A JP 4037806A JP 3780692 A JP3780692 A JP 3780692A JP 2706593 B2 JP2706593 B2 JP 2706593B2
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alkyl
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microbial stability
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博 南雲
朗 山室
行永 横田
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Kao Corp
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  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Emulsifying, Dispersing, Foam-Producing Or Wetting Agents (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、界面活性剤として有用
な、微生物安定性に優れたアルキルグリコシド水溶液に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】糖誘導
体界面活性剤であるアルキルグリコシドは、生分解性の
良好な低刺激性界面活性剤であり、しかも、非イオン性
界面活性剤であるにも拘らず、それ自身、安定な泡を生
成するだけでなく、他の陰イオン性界面活性剤に対し
て、泡安定剤として作用することが知られており、家庭
用洗浄基剤として広く用いられている。
【0003】アルキルグリコシドは、糖類と高級アルコ
ールを、酸触媒の存在下、直接反応する方法(特開昭59
−139397号、欧州特許第0132043 号) 、あるいは、あら
かじめ糖類をブタノール等の低級アルコールと反応し低
級アルキルグリコシドとしたのち、高級アルコールと反
応する方法(特開昭64−71895 号、特開昭64−71896
号、特開昭64−71897 号) により合成される。それゆ
え、アルキルグリコシドは、本来、構造中に糖骨格を有
し、原料天然化、対環境指向に沿った活性剤である反
面、その水溶液に菌類が繁殖しやすいという問題点を抱
えている。
【0004】従来、界面活性剤の防腐防カビ方法として
は、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸
エチルなどのパラオキシ安息香酸エステル類、安息香
酸、安息香酸ナトリウム等の安息香酸類、 1,2−ベン
ズイソチアゾリン−3−オン等の防腐防カビ剤の添加が
知られている。しかしながら、パラオキシ安息香酸エス
テル類は水溶性が低く、エマルジョン中では界面活性剤
のミセルに取り込まれ、水層の微生物に対して充分効果
を発揮しない。また、安息香酸類については、pH酸性側
でのみ有効であり、酸に不安定なアルキルグリコシドの
防腐防カビ処置としては不適当である。さらに、両者に
はともに、その使用量に安全上の制限がある。また、イ
ソチアゾール類は、コスト的に不利であり化粧品用途に
使用することはできない。
【0005】このようにアルキルグリコシド水溶液の効
果的な防腐防カビ方法の開発が望まれていた。即ち、本
発明の課題は、上記不都合を解決する、微生物安定性に
優れたアルキルグリコシド水溶液を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討の
結果、アルキルグリコシド水溶液を特定の条件に維持す
ることによって、上記課題を解決し得ることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記条件(イ)及び
(ロ)を満足し、アルキルグリコシド水溶液中のアルキ
ルグリコシド純分が10〜80重量%であることを特徴とす
る微生物安定性に優れたアルキルグリコシド水溶液を提
供するものである。 (イ)pHが9〜11に維持されている。 (ロ)水溶性アルコールを 0.1〜20重量%(対アルキル
グリコシド水溶液)含有している。
【0008】本発明が提供するアルキルグリコシド水溶
液は、容易に長期にわたって菌類の繁殖を防止すること
が出来、さらに適用添加剤の制限された化粧品用途にも
応用し得る。
【0009】本発明におけるアルキルグリコシドとして
は、下記一般式(I)で表わされるものが挙げられる。 R1(OR2)x Gy …(I) (式中、R1は直鎖または分岐鎖の炭素数8〜22のアルキ
ル基、アルケニル基、またはアルキルフェニル基を表
し、R2は同一又は異なって炭素数2〜4のアルキレン基
を表し、G は炭素数5〜6を有する還元糖に由来する残
基であり、x はその平均値が0〜10の数であり、y はそ
の平均値が1〜10の数である。) 上記一般式(I)で表わされる化合物は、周知の方法で
得られるものであって、例えば糖類と高級アルコールを
酸触媒の存在下に直接反応させる方法、あるいは予め糖
類をメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどの低級アルコールと反応させ低級アルキルグリコ
シドとしたのち高級アルコールと反応させる方法等の方
法で製造することができる(特公昭47−24532 号、US
P第3839318 号、EP第092355号、特開昭58−189195
号、特開昭59−139397号等) 。
【0010】アルキルグリコシド合成の原料として用い
られる高級アルコールとしては、炭素数8〜22の直鎖あ
るいは分岐鎖のアルキルアルコール、アルケニルアルコ
ール、アルキルフェノールあるいはこれらのアルキレン
オキシド付加物が挙げられる。
【0011】アルキルグリコシド合成の原料として用い
られる糖類としては単糖類、オリゴ糖類あるいは多糖類
が挙げられる。単糖類の具体例としては、アルドース
類、例えば、アロース、アルトロース、グルコース、マ
ンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロー
ス、リボース、アラビノース、キシロース、リキソー
ス、及びケトース類のフルクトース等が挙げられる。オ
リゴ糖類の具体例としては、マルトース、ラクトース、
スクロース、マルトトリオース等が挙げられる。多糖類
の具体例としては、ヘミセルロース、イヌリン、デキス
トリン、デキストラン、キシラン、デンプン、加水分解
デンプン等が挙げられる。これらの糖類中、原料として
好ましいものは単糖類である。
【0012】本発明において使用するアルキルグリコシ
ド水溶液中のアルキルグリコシド純分は10〜80重量%、
好ましくは30〜50重量%である。アルキルグリコシド純
分が上記範囲より低いと経済的に不利であり、また高い
と粘度上昇を招き、取り扱い上好ましくない。
【0013】本発明に於ては、アルキルグリコシド水溶
液のpHを9〜11に維持するためにアルカリ性化合物を添
加する。用いられるアルカリ性化合物としては無機性ア
ルカリ化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムのようなアルカリ金属の水酸化物、あるいは炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属の炭酸
塩、あるいは、有機性アルカリ化合物、例えばトリエチ
ルアミン、ピリジン等が挙げられるが、これらの混合物
であってもかまわない。好ましくは弱塩基、より好まし
くは炭酸ナトリウムを用いることが出来る。この場合、
良好な防腐防カビ効果の発現に本質的なのは、アルカリ
性化合物の添加量ではなく、添加によって達成されるpH
値である。pH緩衝性を有する弱塩基化合物を用いること
によって、より長期間にわたって防腐防カビ性能を持続
することが出来る。アルカリ性化合物の添加形態は固
体、あるいは液体のまま、また、溶液等のいずれであっ
ても良いが水溶液が好ましい。
【0014】また、本発明に於て使用する水溶性アルコ
ールとしては、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、 sec−ブチルアル
コール、tert−ブチルアルコール等の1価アルコールの
他,エチレングリコール、プロピレングリコールの様な
多価アルコールが挙げられるが、好ましくはエタノール
である。
【0015】本発明に於いては、アルキルグリコシド水
溶液に、アルカリ性化合物を加えてpHを9〜11に維持
し、更に水溶性アルコールを加えることによって、防腐
防カビ効果を達成し、アルキルグリコシド水溶液外観の
経日変化を極小に抑え、長期間の安定性を確保すること
ができる。
【0016】アルカリ性化合物の添加のみで菌類の発生
を完全に防止するには11を超えるpHが必須であり、また
水溶性アルコールの添加のみで菌類の発生を防止するに
は10重量%以上の添加量が必要である。これらの処理は
単に菌対策という意味では有効であるが、大量のアルカ
リ性化合物及び/又は水溶性アルコールを必要とする
他、処方上の制約を生じる欠点がある。
【0017】本発明においては、アルカリ性化合物(最
も好ましくは炭酸ナトリウム)の添加によりpHを9〜11
とし、水溶性アルコール(最も好ましくはエタノール)
を0.1 〜20重量%、更には0.1 〜5重量%加えるのが最
も好ましい。アルカリ性化合物、水溶性アルコールを加
える順序はいずれが先でも差し支えない。
【0018】また本発明のアルキルグリコシド水溶液
は、各種洗浄剤(例えば毛髪洗浄剤、衣料用洗浄剤、食
器用洗浄剤、身体洗浄剤等)の配合原料として使用する
ことができる。このような洗浄剤の基剤として使用する
場合、アルキルグリコシド水溶液の使用量は、アルキル
グリコシドの有効分換算で1〜80重量%程度が好まし
い。
【0019】上記の洗浄剤組成物において、他の成分を
併用することができ、このような併用可能物としては、
一般のアニオン性界面活性剤(アルキル硫酸エステル
塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、α−オレフィン
スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、タウリン系界面
活性剤、ザルコシネート系界面活性剤、イセチオネート
系界面活性剤、N−アシル酸性アミノ酸系界面活性剤、
高級脂肪酸塩及びアシル化ポリペプチド等);両性界面
活性剤(アルキルベタイン型界面活性剤、アミドプロピ
ルベタイン型界面活性剤、イミダゾリニウムベタイン型
界面活性剤、スルホベタイン型界面活性剤、ホスホベタ
イン型界面活性剤及びラウリルアミノプロピオン酸ナト
リウム等のアミノ酸型界面活性剤);非イオン性界面活
性剤(ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ステアリン酸
モノグリセライド、ラウリルジメチルアミンオキシド、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル等);カチオ
ン性界面活性剤(塩化ステアリルトリメチルアンモニウ
ム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、エチル硫
酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモ
ニウム等)、従来公知の保湿剤、増粘剤、高分子化合物
(カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、カチオン化セルロース等)、香料、防腐剤等が
挙げられる。
【0020】
【発明の効果】本発明のアルキルグリコシド水溶液は、
アルカリ性化合物の添加によりpHが9〜11に維持されて
いる点、及び水溶性アルコールを含有している点に特徴
を有するものであって、本発明により、アルキルグリコ
シド水溶液の防腐防カビ性を長期にわたって良好に保つ
という驚くべき効果が達成されるものである。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定される物
ではない。
【0022】尚、以下の実施例における効果判定は以下
の試験方法により行った。 <試験方法>一般細菌(または真菌)の適量を滅菌水に
懸濁し、各菌の総数が、106〜10個/ml(真菌10
4 個spore/ml) となるように菌懸濁液を調製する。この
菌懸濁液を試料100 gに対し1ml添加し、30℃恒温槽中
で4週間静置培養し試料1g当りの生菌数を測定する。
【0023】判 定 生菌数100 個未満 :−−(良好な防腐防カビ効果有) 生菌数100 個以上1000個未満:− (防腐防カビ効果有) 生菌数1000個以上 :+ (防腐防カビ効果無) 実施例1〜、比較例1〜2 ドデシルグルコシド水溶液(純分30重量%) を用い、表
1に示すような各種防腐防カビ処理を施した試料を調製
し、上記試験方法を用いてその効果を判定した。結果を
表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例5〜7、比較例3 デシルグルコシド水溶液(純分40重量%) を用い、表2
に示すような各種防腐防カビ処理を施した試料を調製
し、上記試験方法を用いてその効果を判定した。この場
合、防腐防カビ効果の経日的変化を調べる目的で、試料
を40℃で1ヵ月保存したのち、菌懸濁液を添加し試験し
た。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例8〜10 防腐防カビ効果を更に詳しく調べるため、デシルグルコ
シド水溶液(純分40重量%)を用い、表3に示すような
各種防腐防カビ処理を施した試料を調製し、上記試験方
法で、培養日数(1日後、3日後、7日後、4週間後)
と生菌数との関係を調べ、その効果を判定した。結果を
表3に示す。
【0028】
【表3】

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記条件(イ)及び(ロ)を満足し、ア
    ルキルグリコシド水溶液中のアルキルグリコシド純分が
    10〜80重量%であることを特徴とする微生物安定性に優
    れたアルキルグリコシド水溶液。 (イ)pHが9〜11に維持されている。 (ロ)水溶性アルコールを 0.1〜20重量%(対アルキル
    グリコシド水溶液)含有している。
  2. 【請求項2】 水溶性アルコールがエタノール及び/又
    はイソプロピルアルコールである請求項記載の微生物
    安定性に優れたアルキルグリコシド水溶液。
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US9425595B2 (en) * 2013-07-30 2016-08-23 Autonetworks Technologies, Ltd. Wiring module

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