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JP2704422B2 - 射出成形装置における成形品の良否判別方法 - Google Patents

射出成形装置における成形品の良否判別方法

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JP2704422B2
JP2704422B2 JP64000517A JP51789A JP2704422B2 JP 2704422 B2 JP2704422 B2 JP 2704422B2 JP 64000517 A JP64000517 A JP 64000517A JP 51789 A JP51789 A JP 51789A JP 2704422 B2 JP2704422 B2 JP 2704422B2
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正行 西本
直道 山本
隆 川崎
徹 都野
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はダイキャストマシン用の射出成形機の射出成
形装置において成形品の良否を射出工程中に判別する成
形品の良否判別方法に関するものである。
[従来の技術] ダイキャストマシン用の射出成形機の射出成形装置に
おいて、型締された金型のキャビティ内へは、溶湯が射
出され、溶湯(溶融物)が固化することによって成形品
が得られる。
このような射出動作においては、溶融物がプランジャ
などで押出されるときに空気が巻込まれてキャビティ内
へ侵入し、溶融物中に混在することがあり、この結果、
成形品中に巣が発生して品質を低下させるという問題が
あった。
そこで従来、成形品にX線を当て、密度によるX線の
透過吸収差によって巣の有無を検査するX線検査や、成
形品に超音波を送りその反射音を受信することによって
巣の有無を検査する超音波検査などを用いて成形品の良
否を判別していた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、このような従来の成形良否判別方法に
おいては、必ずしも満足した判別結果が期待できないば
かりでなく、射出工程の後の工程で検査が行なわれるた
めに、不良品が多発した場合の対策が遅れたり、あるい
は製造ロット別の不良品発生率が把握しにくいという課
題があった。
[課題を解決するための手段] 以上の課題を解決するため、本発明はダイキャストマ
シン用の射出成形装置における成形品の良否判別の方法
として、キャビティ内へ溶融物を充填完了してからキャ
ビティ内の前記溶融物が凝固収縮完了するまでの時間に
前進した射出プランジャのストローク増分を、予め量産
稼動前のトライアル時のX線検査結果より得られた正常
ストローク増分またはキャビティ重量に対する凝固収縮
量のストローク換算より得られた正常ストローク増分と
大小比較して、成形品の良否を判別することとした。
[作用] 1ショット毎に射出プランジャのストローク増分を、
予め定められた正常な成形品を射出するときの正常スト
ローク増分と大小比較すると、正常な射出時には正常ス
トローク増分とほぼ同じか、それ以上となるのに対し
て、ストローク増分が正常ストローク増分より明らかに
小さい場合には、製品取出し後のX線検査や超音波検査
によって引け巣などの鋳造欠陥が発見される。したがっ
て、成形品の良否とストローク増分には明確な相関関係
があり、運転稼動中この値を管理値として運転管理する
ことによりオンラインの品質管理を行なうことができ
る。
[実施例] 第1図ないし第3図は本発明に係る成形良否判別方法
を説明するために示す図であって、第1図はダイカスト
マシンの概略構成図と成形良否判別装置のフローチャー
ト、第2図はダイカストマシンにおける射出プランジャ
の射出時間と射出シランダの圧力およびストロークとの
関係線図を示し、第2図(a)は時間−圧力関係線図、
第2図(b)は時間−ストローク関係線図であり、いず
れも量産稼動前のトライアル時(テストラン時)の正常
時の値を示す。これに対して第3図は実稼動時の関係線
図を示し、第3図(a)は時間−圧力関係線図、第3図
(b)は良否成形時の時間−ストローク関係線図、第3
図(c)は不良品成形時の時間−ストローク関係線図を
示す。第2図,第3図中(a),(b)または(a),
(b),(c)の挙動はいずれも同一の時間軸に対して
の挙動である。
図において、ダイカストマシンは固定盤1に装着され
た固定金型1aと、可動盤2に装着されて固定金型1aに対
し遠近方向へ後退することにより型締,型開される可動
金型2aとを備えており、型締された両金型1a,2aの分割
面3の両側には、キャビティ4が形成されている。固定
盤1のスリーブ孔には、注湯口5aを有する射出スリーブ
5が挿入されており、その内孔とキャビティ4とは金型
1a,2aに設けたスリーブ1bとゲート6とを介して連通さ
れている。7は射出スリーブ5と同心状に配設された射
出シリンダであって、その油圧で後退するピストンロッ
ド8には射出プランジャ9がカッリング10を介して連結
されており、この射出プランジャ9の頭部であるプラン
ジャチップ11は、射出スリーブ5の内孔に進退自在に嵌
合されている。
このように構成されていることにより、第1図図示の
状態において、注湯口5aから射出スリーブ5内へ溶湯12
を供給して射出シリンダ7の油圧でピストンロッド8を
前進させると、プランジャチップ11が射出スリーブ5内
とスリーブ1b内とで前進し、溶湯12が押出されてゲート
6を介しキャビティ4内へ射出される。キャビティ4内
へ溶湯12が充填され終ったら、さらに押し続ける射出シ
リンダ7の作用による押圧力によってキャビティ4内の
溶湯はさらに押されて押湯作用を受け、キャビティ4内
の溶湯はより緻密になって充填が完了する。その後、溶
湯の固化,冷却を待ち、型開して固化した鋳造品をキャ
ビティ4から取出す。
このように構成されて動作するダイカストマシンに
は、全体を符号20で示す成形良否判別装置が付設されて
いる。
すなわち、前記カップリング10には、ピストンロッド
8と平行しこれと一体的に後退する磁気スケール21が固
定されており、この磁気スケール21には、増幅器23を開
して演算器25に電気接続され、パルス発信器を備えた位
置検出ディテクタ22がマシンベース側に固定されて対向
している。そして、位置検出ディテクタ22が、磁気スケ
ール21が1mm移動するたび、すなわちプランジャチップ1
1のストローク(St)1mmごとに信号を発して演算器25へ
伝送するように構成されている。また、演算器25には、
電流を流すことにより固有振動数で発信する水晶発信器
24が電気接続されており、さらに演算器25には射出スト
ロークを表示するモニタ装置26が電気接続されている。
モニタ装置26には射出シリンダ8のヘッドエンド側やロ
ッドエンド側の圧力が急激に上昇した時の射出ストロー
クの位置すなわちプランジャチップ11の位置をディジタ
ル表示するようにした。
一方、演算器25には射出シリンダのヘッド圧力PHを測
定する圧力センサ31、ロッド圧力PRを測定する圧力セン
サ32からの電気信号が増幅器33を介して入力するよう接
続されている。
以上のように構成されていることにより、溶湯12をキ
ャビティ4内へ射出するためにプランジャチップ11を前
進させるとこれに連結されている磁気スケール21も移動
し、これに対向する位置検出ディテクタ22が磁気スケー
ル21の1mm移動ごとに信号を発し、プランジャチップ11
の1mmごとのストローク(St)を増幅器23を経由して演
算器25へ入力する。したがって、射出シリンダ7のプラ
ンジャチップ11のスタート位置からの前進移動位置を移
動距離として測定し、増幅器23を介して演算器25へ位置
信号を送ることになる。
また、水晶発信器24に電流を流すと固有振動数で発信
し演算器25へ入力するので、ストロークの2位置間を通
過する所要時間や2位置間の通過速度も得ることができ
る。この結果、演算器25ではプランジャチップ11が1mm
移動する時間が演算され、モニタ装置26には各時点のス
トローク位置や通過速度を表示面26aにディジタル表示
することができる。
本発明においては、溶融物をキャビティ内へ充填完了
してから凝固収縮完了するまでの、いわゆるキュアリン
グタイム(養生時間)を射出シリンダにより高圧で押圧
する結果、凝固収縮ならびにキャビティ内溶融物へ混入
していたガスの排出による射出シリンダのプランジャチ
ップ11のストローク増分が、不良成形品と良成形品とで
は異なり、不良成形品のストローク増分が良成形品のス
トローク増分に比べて小さくなることに着目して、この
ストローク増分を指標として成形品の良否の判別をしよ
うとするものである。
ところで、本発明者は、いろいろ射出条件を変えて実
験して、どのような場合でも、射出シリンダ7のヘッド
エンド側とロッドエンド側の油圧が急上昇する立上り位
置と、低速射出から高速射出への切換り位置とは必ず実
用上さしつかえない範囲で一致するという現象を確かめ
た。
すなわち、ダイカストマシンにおける射出時において
は、射出初期は、油圧ポンプから射出シリンダへの作動
油の供給量が少ないから、射出シリンダのピストンは、
例えば、0.1〜0.2m/sec程度の低速で前進するが、その
低速前進中は、ピストンが前進するときのピストン外周
面とシリンダ内周面との間の摩擦抵抗が少ないから、圧
力はあまり上らない。通常の射出シリンダは、15〜20kg
/cm2程度である。
ところが、射出途中で、高速射出への切換指令に基づ
き、アキュムレータ中に例えば140kg/cm2とか210kg/cm2
の高圧で蓄圧されていた多量の作動油が、アキュムレー
タから射出シリンダ中にいっきに流れ込めば、ピストン
は、1〜5m/secの高速で前進し始めようとする。このと
き、ピストンが高速で前進しようとすることにより、ピ
ストンの外周面とシリンダの内周面との間の摩擦抵抗も
増え、かつ、アキュムレータ中に予め高圧に蓄圧されて
いた作動油が射出シリンダ中にいっきに供給されるの
で、射出シリンダ中の圧力は急激に上昇する。勿論、こ
のとき、射出シリンダ中への高圧作動油の急激な供給に
伴なうウォーターハンマ現象により、例えば、40〜60kg
/cm2のピーク圧が発生する。
その後、ピーク圧はおさまり、ピストンは、例えば、
30〜50kg/cm2の圧力で高速前進を続け、金型キャビティ
内に溶融金属が充填されて射出動作が終了すれば、ピス
トンの前進は止まり、射出シリンダ中の圧力は140kg/cm
2か210kg/cm2程度の油圧ポンプの設定圧になり、押湯作
用がなされる。
このように、低速前進から高速前進に移行するときに
射出シリンダの油圧が急激に上昇するのと同様に、高速
射出が完了してピストンの前進が止まり、押湯作用が開
始されはじめるときにも圧力は急激に立ち上がる。
すなわち、第2図(第3図も同様)に示すように、キ
ャビティ内への充填完了時点T1を、高速射出の完了時
点、すなわち、射出シリンダの圧力が急激に上昇する位
置に達した時点とし、一方、凝固収縮完了時点T2をキュ
アリングタイム完了時点もしくは任意に設定した時点に
選び、時点T1から時点T2までに射出シリンダのプランジ
ャチップ11のストローク増分を△Sとする。そして、正
常な良品の成形品が得られる場合のストローク増分△S
を、予め、量産稼動の前のトライアル時に所要回数の試
し打ちにより決定しておき、この値を正常ストローク増
分△Sとする。この正常ストローク増分△Sは上記の実
験結果によるほか、キャビティ重量に対する凝固収縮量
のストローク換算値から求めても良い。
他方、実稼動時におけるストローク増分は以下のよう
に計測される。すなわち、実稼動時には、前記の高速射
出速度切換り位置にプランジャチップ11が達したとき、
射出シリンダ7のヘッド側の圧力(PH)を検知する圧力
センサ31の信号は増幅器33を経由して演算器25へ入力さ
れ、この時点T1と前述の凝固収縮完了時点T2とにおける
磁気スケール21からのディジタル信号よりストローク増
分が求められる。第3図(b)のストローク増分△S1
良品成形時を示し、第3図(c)のストローク増分△S2
は不良品成形時のストローク増分であり、良品のストロ
ーク増分△S1は正常ストローク増分△Sに比べてほぼ同
じか、それ以上であるのに対して、不良品成形時のスト
ローク増分△S2は一般に△S2<△Sとなるのでモニタ装
置26による稼動中の表示により運転中にもオンラインの
良品判別が可能である。
実際の例について、一例を挙げると、T1〜T2のキュア
リングタイム△T=1.2秒に対して正常ストローク増分
△S=2.4mm、良品ストローク増分△S1=2.5mmに対し
て、不良品成形時の不良ストローク増分△S2=1.5mmで
あって明らかに有意然が認められた。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明はダイキャストマシン用の
射出成形装置の成形品の良否判別方法として、溶融物を
キャビティへ充填完了してから凝固収縮完了するまでの
ストローク増分を予め決定された正常ストローク増分と
大小比較するという簡便容易な方法を採用しているの
で、鋳造中にオンラインで良品・不良品の判別が即座に
可能で、鋳造後の無駄な非破壊試験の工程が省略でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は本発明に係る成形良否判別方法を
説明するために示す図であって、第1図はダイカストマ
シンの概略構成図と成形良否判別装置のフローチャー
ト、第2図はトライアル時における射出シリンダの圧力
およびストローク関係線図、第3図は実稼働時における
射出シリンダの圧力およびストローク関係線図である。 1……固定盤、2……可動盤、 3……分割面、4……キャビティ、 5……射出スリーブ、6……ゲート、 7……射出シリンダ、8……ピストンロッド、 9……射出プランジャ、 11……プランジャチップ、 20……成形良否判別装置、 21……磁気スケール、 22……位置検出ディテクタ、 23……増幅器、24……水晶発信器、 25……演算器、26……モニタ装置、 31,32……圧力センサ、 33……増幅器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−222832(JP,A) 特開 昭57−212041(JP,A) 特開 昭58−34076(JP,A) 特公 昭59−36859(JP,B2) 特公 平4−81930(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャビティ内へ溶融物を充填完了してから
    キャビティ内の前記溶融物が凝固収縮完了するまでの時
    間に前進した射出プランジャのストローク増分を、予め
    量産稼働前のトライアル時のX線検査結果より得られた
    正常ストローク増分またはキャビティ重量に対する凝固
    収縮量のストローク換算より得られた正常ストローク増
    分と大小比較して、成形品の良否を判別することを特徴
    とするダイキャストマシン用の射出成形装置における成
    形品の良否判別方法。
JP64000517A 1989-01-06 1989-01-06 射出成形装置における成形品の良否判別方法 Expired - Fee Related JP2704422B2 (ja)

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