JP2786016B2 - 光アイソレータ - Google Patents
光アイソレータInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば光通信システム
や光計測器に使用される光学部品であり、光源から発し
た光が光学系の端面で反射し光源に戻るのを防止するた
めの光アイソレータに関するものである。
や光計測器に使用される光学部品であり、光源から発し
た光が光学系の端面で反射し光源に戻るのを防止するた
めの光アイソレータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光源からの光を光学系を介して伝達しよ
うとすると、光学系の端面で反射した光が光源に戻って
くる。例えば光ファイバによる信号伝送で、レーザー光
源から発した光はレンズを介してファイバ端面に投影さ
れ、その多くは伝送光としてファイバ内部に入ってゆく
が、レンズやファイバの端面で表面反射をしてレーザー
光源まで戻ってその表面で再度表面反射し、ノイズとな
ってしまう。
うとすると、光学系の端面で反射した光が光源に戻って
くる。例えば光ファイバによる信号伝送で、レーザー光
源から発した光はレンズを介してファイバ端面に投影さ
れ、その多くは伝送光としてファイバ内部に入ってゆく
が、レンズやファイバの端面で表面反射をしてレーザー
光源まで戻ってその表面で再度表面反射し、ノイズとな
ってしまう。
【0003】このようなノイズを消去するため、光アイ
ソレータが使用されている。光アイソレータは、図1に
示すように、偏光子1、ファラデー回転子3および検光
子2をこの順に並べたものである。偏光子1は矢印z方
向に偏光方向を持っている。ファラデー回転子3は磁場
S→N中に置かれており、透過する光の偏光面を入射側
から視て時計方向(図示の出射側から視ると反時計方
向)に45°回転させる。検光子2は、偏光子1に対し偏
光方向が上記の45°回転した矢印y→z方向になってい
る。
ソレータが使用されている。光アイソレータは、図1に
示すように、偏光子1、ファラデー回転子3および検光
子2をこの順に並べたものである。偏光子1は矢印z方
向に偏光方向を持っている。ファラデー回転子3は磁場
S→N中に置かれており、透過する光の偏光面を入射側
から視て時計方向(図示の出射側から視ると反時計方
向)に45°回転させる。検光子2は、偏光子1に対し偏
光方向が上記の45°回転した矢印y→z方向になってい
る。
【0004】光源からの光Oは、矢印Oy方向に偏光面
を持つ偏光だけが偏光子1を通過し、ファラデー回転子
3で偏光面が45°回転して検光子2の偏光方向y→zに
合致するため、検光子2を透過する。その透過光O(偏
光面Oy→z)のうち、多くは次の光学系、例えば光フ
ァイバ(不図示)に入射するが、一部は光ファイバの端
面で表面反射する。その反射光R(偏光面Ry→z)が
上記とは逆向に検光子2を透過し、ファラデー回転子3
で偏光面が反時計方向に45°回転する。そのため反射光
は、偏光面が偏光子1と直交するので透過することがな
く、消光性能が得られる。したがって反射光Rがノイズ
になることを防止できる。
を持つ偏光だけが偏光子1を通過し、ファラデー回転子
3で偏光面が45°回転して検光子2の偏光方向y→zに
合致するため、検光子2を透過する。その透過光O(偏
光面Oy→z)のうち、多くは次の光学系、例えば光フ
ァイバ(不図示)に入射するが、一部は光ファイバの端
面で表面反射する。その反射光R(偏光面Ry→z)が
上記とは逆向に検光子2を透過し、ファラデー回転子3
で偏光面が反時計方向に45°回転する。そのため反射光
は、偏光面が偏光子1と直交するので透過することがな
く、消光性能が得られる。したがって反射光Rがノイズ
になることを防止できる。
【0005】最近の光通信システムでは、高速、大容量
の要請から波長多重通信が研究されている。そこで使用
される光アイソレータは、複数の波長帯域の光が透過す
る場合に、どの波長帯域に対しても有効であることが要
求される。しかし従来の光アイソレータに使用されてい
るファラデー回転子3は、ファラデー回転角に波長依存
性、すなわち同一の光路長で同一の磁場強さでも透過波
長が異なると偏光面の回転角が異なる性質がある。その
ため、光アイソレータは透過する波長により消光性能、
挿入損失(光学系にその部品を入れたことによる光透過
ロス)が大幅に変化し、単一の光アイソレータで波長多
重通信に対応することは困難であった。単一の光アイソ
レータで波長多重通信に対応するため、特開昭63-17426
号公報、特開昭63-49728号公報には、波長により回転角
が異なるファラデー回転子を複数使用した多段型の光ア
イソレータが開示されている。
の要請から波長多重通信が研究されている。そこで使用
される光アイソレータは、複数の波長帯域の光が透過す
る場合に、どの波長帯域に対しても有効であることが要
求される。しかし従来の光アイソレータに使用されてい
るファラデー回転子3は、ファラデー回転角に波長依存
性、すなわち同一の光路長で同一の磁場強さでも透過波
長が異なると偏光面の回転角が異なる性質がある。その
ため、光アイソレータは透過する波長により消光性能、
挿入損失(光学系にその部品を入れたことによる光透過
ロス)が大幅に変化し、単一の光アイソレータで波長多
重通信に対応することは困難であった。単一の光アイソ
レータで波長多重通信に対応するため、特開昭63-17426
号公報、特開昭63-49728号公報には、波長により回転角
が異なるファラデー回転子を複数使用した多段型の光ア
イソレータが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
光アイソレータでは、ファラデー回転子が複数で多段型
であるため、挿入損失が大きくなるという問題点が生じ
る。また最近、要請されている光通信システムの小型化
にも逆行するものとなる。
光アイソレータでは、ファラデー回転子が複数で多段型
であるため、挿入損失が大きくなるという問題点が生じ
る。また最近、要請されている光通信システムの小型化
にも逆行するものとなる。
【0007】本発明は前記の課題を解決するためなされ
たもので、小型でありながら単一の光アイソレータで波
長多重通信に対応でき、透過する種々の波長に対しても
十分な消光性能を発揮する一方で、挿入損失が少ない光
アイソレータを提供することを目的とする。
たもので、小型でありながら単一の光アイソレータで波
長多重通信に対応でき、透過する種々の波長に対しても
十分な消光性能を発揮する一方で、挿入損失が少ない光
アイソレータを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の目
的を達成するため、光アイソレータのファラデー回転子
に着目し、ファラデー回転子として磁性ガーネット結晶
を使用することについて鋭意研究をした。その結果、以
下のような結論が得られた。
的を達成するため、光アイソレータのファラデー回転子
に着目し、ファラデー回転子として磁性ガーネット結晶
を使用することについて鋭意研究をした。その結果、以
下のような結論が得られた。
【0009】磁性ガーネット結晶のファラデー回転子
は、その結晶構造の24cの位置に占めるイオンの化学
種によってファラデー回転角の波長依存性が異なること
を見出した。特にBiイオン、Yイオンを24cの位置
に含有するガーネットは近赤外波長領域において透過波
長が変動しても、ファラデー回転角の変動が少ない。
は、その結晶構造の24cの位置に占めるイオンの化学
種によってファラデー回転角の波長依存性が異なること
を見出した。特にBiイオン、Yイオンを24cの位置
に含有するガーネットは近赤外波長領域において透過波
長が変動しても、ファラデー回転角の変動が少ない。
【0010】さらに磁性ガーネット結晶のファラデー回
転子は、Gaまたは/およびAlを添加すると、ファラ
デー回転角の飽和させるため必要な磁場の強さが小さく
て済む。 ファラデー回転子として使用する磁性ガーネ
ット結晶を成長させる母材の常磁性ガーネット(Gd3
Ga5 O12)結晶基板の格子定数に、磁性ガーネット結
晶の格子定数を合わせるため、Gaまたは/およびAl
を添加したり、先の24cの位置にYイオンよりイオン
半径が小さい希土類元素(Er、Tm、Yb、Lu)の
イオンを添加することが好ましい。
転子は、Gaまたは/およびAlを添加すると、ファラ
デー回転角の飽和させるため必要な磁場の強さが小さく
て済む。 ファラデー回転子として使用する磁性ガーネ
ット結晶を成長させる母材の常磁性ガーネット(Gd3
Ga5 O12)結晶基板の格子定数に、磁性ガーネット結
晶の格子定数を合わせるため、Gaまたは/およびAl
を添加したり、先の24cの位置にYイオンよりイオン
半径が小さい希土類元素(Er、Tm、Yb、Lu)の
イオンを添加することが好ましい。
【0011】また磁性ガーネット結晶の光透過率の向上
(挿入損失の低減)を図るためにはTiの添加が好まし
い。
(挿入損失の低減)を図るためにはTiの添加が好まし
い。
【0012】これらの結論の下になされた本発明の第1
発明の光アイソレータ(図1参照)は、偏光子1、ファ
ラデー回転子3および検光子2がこの順に配置され、フ
ァラデー回転子3が組成式 (Y1−a−b Lna Bib)3 (Fe1−c−d Mc Ti
d)5 O12 なるガーネット構造を有している。この組成式中のLn
はEr、Tm、YbおよびLuから選択される少なくと
も1種類の元素、0<a≦0.4、0<b≦0.1、M
はAlまたは(および)Ga、0≦c≦0.1、0≦d
≦0.01である。
発明の光アイソレータ(図1参照)は、偏光子1、ファ
ラデー回転子3および検光子2がこの順に配置され、フ
ァラデー回転子3が組成式 (Y1−a−b Lna Bib)3 (Fe1−c−d Mc Ti
d)5 O12 なるガーネット構造を有している。この組成式中のLn
はEr、Tm、YbおよびLuから選択される少なくと
も1種類の元素、0<a≦0.4、0<b≦0.1、M
はAlまたは(および)Ga、0≦c≦0.1、0≦d
≦0.01である。
【0013】同じく第2発明の光アイソレータは、第1
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させたガーネット結晶構造で
あり、その光路が結晶成長の方向に対して交わる方向で
ある。
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させたガーネット結晶構造で
あり、その光路が結晶成長の方向に対して交わる方向で
ある。
【0014】同じく第3発明の光アイソレータは、第1
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体の複数であり、各々結晶成長方向の両端面
に無反射コーティングがされたガーネット結晶構造体が
該ファラデー回転子の光路方向に所定のファラデー回転
角を得るだけ積層されている。
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体の複数であり、各々結晶成長方向の両端面
に無反射コーティングがされたガーネット結晶構造体が
該ファラデー回転子の光路方向に所定のファラデー回転
角を得るだけ積層されている。
【0015】同じく第4発明の光アイソレータは、第1
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体であり、該ガーネット結晶構造体の複数を
該ファラデー回転子の光路方向と交わる方向に所定の光
透過有効面を得るだけ積層されている。
発明の光アイソレータにおけるファラデー回転子3がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体であり、該ガーネット結晶構造体の複数を
該ファラデー回転子の光路方向と交わる方向に所定の光
透過有効面を得るだけ積層されている。
【0016】なお本発明の光アイソレータの偏光子1お
よび検光子2は、偏光ガラスまたは複屈折性結晶が使用
される。
よび検光子2は、偏光ガラスまたは複屈折性結晶が使用
される。
【0017】
【作用】本発明の光アイソレータで使用されるファラデ
ー回転子3が前記の組成式を持っているため、ファラデ
ー回転子3を透過する光の波長がある程度変化しても、
偏光面の回転角が同等な角度になる。そのため単一の光
アイソレータで透過する種々の波長に対しても十分な消
光性能を発揮する。ファラデー回転角の飽和させるため
必要な飽和磁場の強さを小さくできるので、磁場を印加
するための磁石を小型にすることができる。
ー回転子3が前記の組成式を持っているため、ファラデ
ー回転子3を透過する光の波長がある程度変化しても、
偏光面の回転角が同等な角度になる。そのため単一の光
アイソレータで透過する種々の波長に対しても十分な消
光性能を発揮する。ファラデー回転角の飽和させるため
必要な飽和磁場の強さを小さくできるので、磁場を印加
するための磁石を小型にすることができる。
【0018】前記組成式のガーネット結晶は、液相エピ
タキシャル法で結晶成長させるが、成長の途中で育成融
液の温度が変動したり、結晶格子定数の変動したりする
と、均質な大きい結晶を得難く、従来の結晶のように光
路方向を結晶成長の方向に採って切り出すことはること
は困難になる。そこで第2発明のようにファラデー回転
子3の光路方向を結晶成長の方向に対して交わるように
切り出せば、成長の小さい結晶からも必要な大きさのフ
ァラデー回転子を得ることができる。同じく第3発明お
よび第4発明によっても小さなガーネット結晶から必要
な大きさのファラデー回転子を得ることができる。
タキシャル法で結晶成長させるが、成長の途中で育成融
液の温度が変動したり、結晶格子定数の変動したりする
と、均質な大きい結晶を得難く、従来の結晶のように光
路方向を結晶成長の方向に採って切り出すことはること
は困難になる。そこで第2発明のようにファラデー回転
子3の光路方向を結晶成長の方向に対して交わるように
切り出せば、成長の小さい結晶からも必要な大きさのフ
ァラデー回転子を得ることができる。同じく第3発明お
よび第4発明によっても小さなガーネット結晶から必要
な大きさのファラデー回転子を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明を適用した各実施例と適用外の
比較例を詳細に説明する。
比較例を詳細に説明する。
【0020】実施例1 25mmφ×0.4mmtの常磁性ガーネット基板の25mm
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.92Bi0.08F
e4.98Ti0.02O12の結晶を約1000μm積層させ
た。この結晶を切断して切断端面を研磨加工し1mmφ×
5.70mmtにし、さらに1mmφの面を鏡面に仕上げて
から反射防止のコーティングを施し、ファラデー回転子
を完成させた。このファラデー回転子を1700エルステッ
ド(Oe)の磁場強さのなかで、波長λ=1310nm
の光の偏光面回転角および波長λ=1550nmの光の
偏光面回転角を測定したところ、ともに45°であっ
た。
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.92Bi0.08F
e4.98Ti0.02O12の結晶を約1000μm積層させ
た。この結晶を切断して切断端面を研磨加工し1mmφ×
5.70mmtにし、さらに1mmφの面を鏡面に仕上げて
から反射防止のコーティングを施し、ファラデー回転子
を完成させた。このファラデー回転子を1700エルステッ
ド(Oe)の磁場強さのなかで、波長λ=1310nm
の光の偏光面回転角および波長λ=1550nmの光の
偏光面回転角を測定したところ、ともに45°であっ
た。
【0021】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示すように、偏光子1、ファラデー回転子3および検
光子2をこの順に並べて光アイソレータを試作した。偏
光子1および検光子2はともにガラス偏光板を使用し
た。前記と同一の磁場をかけて、光アイソレータとして
の各波長における消光比(光アイソレータを透過した光
が反射して復路を透過しようとする際に遮断される割
合)、および挿入損失(光学系に光アイソレータを入れ
たことによる光透過ロス)を測定した。波長λ=131
0nmの光の消光比は41dB、挿入損失は0.5dB
であった。波長λ=1550nmの光の消光比は38d
B、挿入損失は0.55dBであった。
に示すように、偏光子1、ファラデー回転子3および検
光子2をこの順に並べて光アイソレータを試作した。偏
光子1および検光子2はともにガラス偏光板を使用し
た。前記と同一の磁場をかけて、光アイソレータとして
の各波長における消光比(光アイソレータを透過した光
が反射して復路を透過しようとする際に遮断される割
合)、および挿入損失(光学系に光アイソレータを入れ
たことによる光透過ロス)を測定した。波長λ=131
0nmの光の消光比は41dB、挿入損失は0.5dB
であった。波長λ=1550nmの光の消光比は38d
B、挿入損失は0.55dBであった。
【0022】比較例1 25mmφ×0.4mmtの常磁性ガーネット基板の25mm
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.00Bi1.00F
e5 O12の結晶を約220μm積層させた。この結晶を
切断して研磨加工し1mmφ×0.2mmtにし、さらに1
mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコーティング
を施し、ファラデー回転子を完成させた。このファラデ
ー回転子は、1800Oeの磁場強さのなかで、波長λ
=1310nmの光の偏光面回転角は44.7°、波長λ=1
550nmの光の偏光面回転角は29.8°であった。
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.00Bi1.00F
e5 O12の結晶を約220μm積層させた。この結晶を
切断して研磨加工し1mmφ×0.2mmtにし、さらに1
mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコーティング
を施し、ファラデー回転子を完成させた。このファラデ
ー回転子は、1800Oeの磁場強さのなかで、波長λ
=1310nmの光の偏光面回転角は44.7°、波長λ=1
550nmの光の偏光面回転角は29.8°であった。
【0023】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1310n
mの光の消光比は42dB、挿入損失は0.6dBであ
った。また波長λ=1550nmの光の消光比は25d
B以下、挿入損失は1.4dBであった。
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1310n
mの光の消光比は42dB、挿入損失は0.6dBであ
った。また波長λ=1550nmの光の消光比は25d
B以下、挿入損失は1.4dBであった。
【0024】実施例2 50mmφ×0.5mmtの常磁性ガーネット基板の50mm
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.95Bi0.05F
e4.99Ti0.01O12の結晶を約1000μm積層させ
た。この結晶を切断して研磨加工し1mmφ×2.50mm
tにし、さらに1mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防
止のコーティングを施し、ファラデー回転子を完成させ
た。このファラデー回転子は、1700Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.95Bi0.05F
e4.99Ti0.01O12の結晶を約1000μm積層させ
た。この結晶を切断して研磨加工し1mmφ×2.50mm
tにし、さらに1mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防
止のコーティングを施し、ファラデー回転子を完成させ
た。このファラデー回転子は、1700Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
【0025】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は41dB、挿入損失は0.15dBで
あった。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って
消光性能を示し、波長域1530〜1630nmの光で
消光比30dB以上を示した。
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は41dB、挿入損失は0.15dBで
あった。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って
消光性能を示し、波長域1530〜1630nmの光で
消光比30dB以上を示した。
【0026】比較例2 50mmφ×0.5mmtの常磁性ガーネット基板の50mm
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.00Bi1.00F
e5 O12の結晶を約220μm積層させた。この結晶を
切断して研磨加工し1mmφ×0.2mmtにし、さらに1
mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコーティング
を施し、ファラデー回転子を完成させた。このファラデ
ー回転子は、1800Oeの磁場強さのなかで、波長λ
=1550nmの光の偏光面回転角は、45°であった。
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.00Bi1.00F
e5 O12の結晶を約220μm積層させた。この結晶を
切断して研磨加工し1mmφ×0.2mmtにし、さらに1
mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコーティング
を施し、ファラデー回転子を完成させた。このファラデ
ー回転子は、1800Oeの磁場強さのなかで、波長λ
=1550nmの光の偏光面回転角は、45°であった。
【0027】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は40dB、挿入損失は0.3dBであ
った。またこの光アイソレータで消光比30dB以上を
示したのは、波長域1530〜1630nmの範囲の光
に対してであった。
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は40dB、挿入損失は0.3dBであ
った。またこの光アイソレータで消光比30dB以上を
示したのは、波長域1530〜1630nmの範囲の光
に対してであった。
【0028】実施例3 25mmφ×1.0mmtの常磁性ガーネット基板の25mm
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.7 Bi0.3 F
e4.8 Ga0.2 O12の結晶を約2600μm積層させ
た。この結晶を切断して研磨加工し3mmφ×2.55mm
tにし、さらに3mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防
止のコーティングを施し、ファラデー回転子を完成させ
た。このファラデー回転子は、1500Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
φの面に液相エピタキシャル法によりY2.7 Bi0.3 F
e4.8 Ga0.2 O12の結晶を約2600μm積層させ
た。この結晶を切断して研磨加工し3mmφ×2.55mm
tにし、さらに3mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防
止のコーティングを施し、ファラデー回転子を完成させ
た。このファラデー回転子は、1500Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
【0029】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は41dB、挿入損失は0.15dBで
あった。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って
消光性能を示し、波長域1520〜1570nmの光で
消光比30dB以上を示した。
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにガラス偏光板を使用した。前記と同一の磁
場をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550n
mの光の消光比は41dB、挿入損失は0.15dBで
あった。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って
消光性能を示し、波長域1520〜1570nmの光で
消光比30dB以上を示した。
【0030】実施例4 25mmφ×1.0mmtの常磁性ガーネット基板の25mmφの面に
液相エピタキシャル法によりY2.2 Lu0.5 Bi0.3 F
e4.9 Ga0.1 O12の結晶を約1300μm積層させた。こ
の結晶を切断して研磨加工し3mmφ×1.2mmtにし、
さらに3mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコー
ティングを施し、ファラデー回転子を完成させた。この
ファラデー回転子を2枚用い、1600Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
液相エピタキシャル法によりY2.2 Lu0.5 Bi0.3 F
e4.9 Ga0.1 O12の結晶を約1300μm積層させた。こ
の結晶を切断して研磨加工し3mmφ×1.2mmtにし、
さらに3mmφの面を鏡面に仕上げてから反射防止のコー
ティングを施し、ファラデー回転子を完成させた。この
ファラデー回転子を2枚用い、1600Oeの磁場強さ
のなかで、波長λ=1550nmの光の偏光面回転角は
45°であった。
【0031】さらにこのファラデー回転子を用い、図1
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにルチル結晶を使用した。前記と同一の磁場
をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550nm
の光の消光比は41dB、挿入損失は0.40dBであ
った。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って消
光性能を示し、波長域1520〜1570nmの光で消
光比30dB以上を示した。
に示す光アイソレータを試作した。偏光子1および検光
子2はともにルチル結晶を使用した。前記と同一の磁場
をかけたときの光アイソレータの波長λ=1550nm
の光の消光比は41dB、挿入損失は0.40dBであ
った。またこの光アイソレータは広い波長域に渡って消
光性能を示し、波長域1520〜1570nmの光で消
光比30dB以上を示した。
【0032】上記各実施例では、ファラデー回転子の製
造にあたり、常磁性ガーネットの基板上に液相エピタキ
シャル法によりガーネット結晶を積層させているが、常
磁性ガーネット基板に限ることなく、それ以外の基板に
液相エピタキシャル以外の方法によりガーネット結晶を
積層させてもよい。基板としてGGG(ガドリニウム・
ガリウム・ガーネット)結晶板を用いた場合には、その
上に成長させるガーネット結晶の置換元素は、Er、T
mまたは/およびYbが使用できる。
造にあたり、常磁性ガーネットの基板上に液相エピタキ
シャル法によりガーネット結晶を積層させているが、常
磁性ガーネット基板に限ることなく、それ以外の基板に
液相エピタキシャル以外の方法によりガーネット結晶を
積層させてもよい。基板としてGGG(ガドリニウム・
ガリウム・ガーネット)結晶板を用いた場合には、その
上に成長させるガーネット結晶の置換元素は、Er、T
mまたは/およびYbが使用できる。
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明を適
用する光アイソレータは、ファラデー回転子を透過する
光の波長が変化しても、偏光面の回転角が同等な角度に
なるため、単一のファラデー回転子を使用しているにも
かかわらず、透過する種々の波長の光に対しても消光性
能を発揮する。したがって小型で単一の光アイソレータ
で波長多重通信に対応でき、広帯域に渡る波長の光に対
しても十分な消光比を示し、挿入損失が少ない光アイソ
レータが提供される。
用する光アイソレータは、ファラデー回転子を透過する
光の波長が変化しても、偏光面の回転角が同等な角度に
なるため、単一のファラデー回転子を使用しているにも
かかわらず、透過する種々の波長の光に対しても消光性
能を発揮する。したがって小型で単一の光アイソレータ
で波長多重通信に対応でき、広帯域に渡る波長の光に対
しても十分な消光比を示し、挿入損失が少ない光アイソ
レータが提供される。
【図1】光アイソレータの動作原理を説明する斜視図。
1は偏光子、2は検光子、3はファラデー回転子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/09 - 1/095 G02B 27/28 C30B 29/28 G01R 15/24 G01R 33/032 H01F 10/24 H01F 1/24 G11B 11/10 501 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (4)
- 【請求項1】 偏光子、ファラデー回転子および検光子
がこの順に配置された光アイソレータにおいて、前記フ
ァラデー回転子が組成式 (Y1−a−b Lna Bib)3 (Fe1−c−d Mc Ti
d)5 O12 [式中のLnはEr、Tm、YbおよびLuから選択さ
れる少なくとも1種類の元素、0<a≦0.4、0<b
≦0.1、MはAlまたは/およびGa、0≦c≦0.
1、0≦d≦0.01]なるガーネット結晶構造を有す
ることを特徴とする光アイソレータ。 - 【請求項2】 請求項1に記載のファラデー回転子がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体であり、該ファラデー回転子の光路が結晶
成長の方向に対して交わる方向であることを特徴とする
光アイソレータ。 - 【請求項3】 請求項1に記載のファラデー回転子がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体の複数であり、各々結晶成長方向の両端面
に無反射コーティングがされたガーネット結晶構造体が
該ファラデー回転子の光路方向に所定のファラデー回転
角を得るだけ積層されていることを特徴とする光アイソ
レータ。 - 【請求項4】 請求項1に記載のファラデー回転子がガ
ーネット基板上に結晶成長させた前記組成式のガーネッ
ト結晶構造体であり、該ガーネット結晶構造体の複数を
該ファラデー回転子の光路方向と交わる方向に所定の光
透過有効面を得るだけ積層されていることを特徴とする
光アイソレータ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1105791A JP2786016B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 光アイソレータ |
US07/821,698 US5198923A (en) | 1991-01-17 | 1992-01-16 | Optical isolator |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1105791A JP2786016B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 光アイソレータ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04245216A JPH04245216A (ja) | 1992-09-01 |
JP2786016B2 true JP2786016B2 (ja) | 1998-08-13 |
Family
ID=11767391
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1105791A Expired - Fee Related JP2786016B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-31 | 光アイソレータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2786016B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2598531Y2 (ja) * | 1993-06-07 | 1999-08-16 | 信越化学工業株式会社 | 光アイソレータ |
JP2007079074A (ja) * | 2005-09-14 | 2007-03-29 | Seikoh Giken Co Ltd | 光アイソレータ |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP1105791A patent/JP2786016B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04245216A (ja) | 1992-09-01 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080529 Year of fee payment: 10 |
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