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JP2774796B2 - 食品保存のための方法および装置 - Google Patents

食品保存のための方法および装置

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JP2774796B2
JP2774796B2 JP62500362A JP50036287A JP2774796B2 JP 2774796 B2 JP2774796 B2 JP 2774796B2 JP 62500362 A JP62500362 A JP 62500362A JP 50036287 A JP50036287 A JP 50036287A JP 2774796 B2 JP2774796 B2 JP 2774796B2
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energy
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ボイヤー,ケイス
パンショー,フランソワ
ホフマン,ギュンター・エイ
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フードコ・コーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は強い非干渉性パルス光を用いて生物、微生物
またはウイルスを不活化するための方法および装置に関
する。 発明の背景 食品および微生物学的に不安定な他の物品に関する貯
蔵期間を延長し、これらの物品を微生物による損傷に対
して保護することに多大な技術的努力が向けられてき
た。これらの努力は、物品の処理および保存のための包
装技術の開発の双方を伴うものであった。 本発明は、化学的保存剤(防腐剤)の必要性を低下さ
せ、または除くために採用できる、食品および他の物品
の表面または内部における微生物学的負荷を除去または
減少させるための方法および装置に対して存在する特定
の要望に向けられる。たとえばパンなどのベーキング品
はベーキングされたのち、それらが包装されるのに十分
な程度にまで冷える前に、空気から微生物、たとえばカ
ビの胞子が集積する可能性がある。ベーキング品の実質
的な再加熱はいずれも物品を過度に乾燥させるので、こ
の種の食品の表面滅菌のための新たな方法が望まれる。
同様に鮮魚などの食品は微生物による損傷を受けるまで
の貯蔵期間が比較的限られており、このため鮮魚類の配
送および販売が制御される。鮮魚など生鮮食品の保存寿
命を延長するのに適した方法および装置があれば、消費
者にとって鮮魚類の入手しやすさに好ましい影響が得ら
れるであろう。 また多くの物品、たとえばある種のジュースなどは、
現在では熱を用いて処理されている。これは、目的とす
る生物活性の低下を得るために、処理された食品の味お
よび風味を破壊するほどの条件下で行われる。この種の
破壊的な加熱を行うことなく生物活性を低下させ、また
は除くための方法および装置があれば、味および風味上
の利点を得るために望ましく、こうして処理された物品
に対する消費者の関心が高まり、従って市場も広がるで
あろう。 保存寿命が延長された保存処理食品を得るために最近
では滅菌済み食品(高酸および低酸食品を含む)を殺菌
包装材料中に包装する無菌包装技術に多大な研究および
開発の努力が向けられてきた。しかしこれらの方法およ
び装置は、包装材料または食品に残留化学薬品を残す可
能性のある消毒薬を広範に使用する必要があるなど、種
々の欠点をもつ場合がある。食品包装材料を滅菌し、か
つ無菌的に包装するための新たな方法および装置が望ま
れている。 可視光線(380〜780nm)、近紫外線(300〜380nm)お
よび遠紫外線(190〜300nm)を含む光の光生物学的作用
(photobiological effect)につき長年研究がなされ、
−たとえばジャグラー(Jagger,)J.,“Introduction t
o Research in Ultraviolet Photobiology",(プレンチ
ス・ホール社、1976)に報告されている−光を食品また
は食品容器の滅菌に用いる努力がなされている。米国特
許第2,072,417号明細書には牛乳などの物質を活性光
線、たとえば紫外線で照射することが記載されている。
米国特許第3,817,703号明細書には光透過性物質をパル
スレーザー光線により滅菌することが記載されている。
米国特許第3,941,670号明細書には、食品を含めて物質
をレーザー光線で照射して微生物を不活化することによ
り滅菌する方法が記載されている。しかしこの種の方法
は種々の欠点をもつ。たとえば処理能力が限られ、有効
性が限られ、食品に対する不都合な作用があり、エネル
ギー転化率(電気から光へ)が不十分であり、経済的に
不利である。 従って本発明の目的は、食品、液体、装置、デバイス
および雰囲気の生物学的負荷を減少させるための新規な
方法および装置を提供することである。他の目的は食品
の保存および食品の包装のための新規な方法および装
置、特に改良された無菌包装法およびその装置を提供す
ることである。 これらおよび他の本発明の目的は以下の詳細な記述お
よび添付の図面からより明らかになるであろう。 第1図は包装用連続フィルムを連続的に成形および充
填し、そしてフィルムを高強度非干渉性光パルスにより
滅菌して無菌的に包装された食品を得る無菌包装機の一
形態を示す模式図である。 第2図は第1図の無菌包装機の高強度非干渉性パルス
光線型充填滅菌アセンブリーの一部を取去った透視図で
ある。 第3図は他の形態の包装システムの模式図であり、こ
れは高強度非干渉性光パルスにより滅菌された、先に成
形された容器中に滅菌済み食品を無菌的に包装するのに
適している。 第4図は熱可塑性プラスチックおよびふた材料のロー
ルから容器を成形および滅菌する無菌包装装置の一形態
を示す模式図である。 第5a図は、長い非干渉性パルス光源を取巻くジャケッ
トを縦方向に貫流するポンプ輸送可能な物質を処理する
パルス光処理装置の一形態を示す模式図である。 第5b図は、1個または2個以上の長い非干渉性光源に
平行な方向に流れるポンプ輸送可能な流体を処理するパ
ルス光処理装置の他の形態を示す模式図である。 第6図は高強度非干渉性パルス光処理ステーションを
通過する物質を処理するための処理装置の一形態を示す
模式図である。 第7aおよび7b図は高強度非干渉性光パルスによる培地
上の大腸菌(E.coli)の不活化をグラフで表わしたもの
である。 第8aおよび8b図は高強度非干渉性光パルスによる培地
上の枯草菌(Bacillus subtilis)(増殖型)の不活化
をグラフで表わしたものである。 第9aおよび9b図は高強度非干渉性光パルスによる培地
上の枯草菌(胞子)の不活化をグラフで表わしたもので
ある。 第10aおよび10b図は高強度非干渉性光パルスによる培
地上の黄色ぶどう球菌(Stapnylococcus aureus)の不
活化をグラフで表わしたものである。 第11図は高強度非干渉性光パルスによる培地上のビー
ル酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)の不活化をグラ
フで表わしたものである。 第12aおよび12b図は高強度非干渉性光パルスによる、
ローズベンガル補充バレイショデキストロース寒天培地
における黒色こうじ菌(Aspergillus niger)胞子懸濁
液の不活化をグラフで表わしたものである。 第13図はパルスフラッシュランプスペクトルから遠紫
外線を除去すべく調整されたガラスフィルターのスペク
トル透過曲線である。 第14図はフラッシュランプシステムの線形キセノンフ
ラッシュランプの公称スペクトル出力をグラフで表わし
たものであり、第13図のガラスフィルターの5%および
50%透過波長を破線で示す。 第15および16図は紫外線が光された高強度非干渉性
光パルスの相対的吸収を高めるために培地中に脱脂粉乳
を用いた大腸菌の不活化をグラフで表わしたものであ
る。 第17図は紫外線が光された高強度非干渉性光パルス
の相対的吸収を高めるために培地に墨を用いた大腸菌の
不活化をグラフで表わしたものである。 発明の要約 本発明は、非干渉性連続広域多色光の強い短いパルス
を用いて共存する生物、微生物またはウイルスを不活化
するための方法および装置に関する。高強度非干渉性多
色光の強いパルスを与えることによって、多数の実際的
および経済的な利点を含む効果的かつ有効な高処理量の
方法が得られる。さらに、各パルスの持続時間が短いた
め、一定の条件下では光パルスがもつ各種の致死作用を
薄い表面層、たとえば食品、包装材料または医療用デバ
イスの表面に空間的に限定することができる。 一般に本発明によれば、表面、たとえば食品の表面お
よび包装材料の表面上またはバルク状透明媒質中の微生
物を、電磁エネルギーの少なくとも約70%、好ましくは
少なくとも約95%が170〜2600nmの波長内に分布する波
長分布を用いて、約1×10-6〜約1×10-1秒、(約0.00
1〜約100ミリ秒)好ましくは約10ミリ秒以下の期間、処
理すべき表面または媒質cm2当たり約0.01〜約50ジュー
ルの範囲のエネルギー密度を有する少なくとも1パルス
の非干渉性光で上記の媒質または表面を照射することに
より不活化する方法が提供される。望ましくは光パルス
のエネルギーの少なくとも約40%、一般に約70%以上が
連続発光スペクトルであるべきである。この種の短く強
い非干渉性光パルスはパルス型ガス入りフラッシュラン
プ、スパークガス放電装置、または他のパルス非干渉性
光源によって供給される。パルス型ガス入りフラッシュ
ランプは電流パルスがフラッシュランプにより放電され
た際に広帯域光線を発し、ガスをイオン化し、広いスペ
クトル範囲にわたって強い爆発的な連続発光および線発
光の双方を生じる。この種のフラッシュランプは一般に
不活性ガス、たとえばキセノンまたはクリプトンを使用
する。電気エネルギーから光エネルギーへのそれらの転
化効率が高いからである。他のガスまたはガス混合物お
よびガス放電システムの使用も可能であり、特定の用途
には望ましいであろう。本発明の種々の観点に従って広
帯域光線の強いパルスを適用すると、たとえば低出力の
殺菌灯の単一線発光スペクトルの作用と比べて、処理さ
れる物質が光エネルギーを吸収する広範な波長において
異なる致死作用を与えると考えられる。 また本発明よれば、パルス線源の操作特性を選ぶこと
により、および/または適宜な光処理により、特定の
スペクトル分布のパルス高強度非干渉性光を特定の目的
のために選ぶことができる。これに関しては、たとえば
特定の無菌包装法については微生物コロニー形成単位
(CFU)の除去、またはあらかじめ定められた減少を達
成するのに必要な総線束量(fluence)を最小限に抑え
るために比較的高い紫外線含量のパルスで包装材料を処
理することが望ましい。微生物(microorganisms)、マ
イクローブ(microbes)またはウイルスを光化学的作用
によって効果的にかつ経済的に不活化し、それによりこ
れらを固定食品の表面上もしくは表面近辺領域内、包装
材料表面、またはバルク容量の液体もしくはガス内にお
いて再現性をもって不活化するために、非干渉性高強度
光パルスの遠および近紫外線成分を使用することができ
る。これについてはのちに詳述する。たとえば微生物、
マイクローブまたはウイルス内の光熱発色団(photo th
ermal chromophore)による、または処理される表面も
しくは表面付近の光熱吸収による光熱機構を利用するス
ペクトル分布および光パルス強度もここでは考慮され
る。効率および効果の高い処理法においては両機構を利
用することができる。 望ましくは、強い、少なくとも2パルスの光で処理し
た際に、処理すべき表面(または処理すべき液体状媒質
の容量全体)に最初に存在するコロニー形成単位を少な
くとも1/10に減少させる(1logの減少、底10)か、より
好ましくは少なくとも1/1000に減少させる(3log減少、
底10)強度の、特定の波長分布が選ばれる。本発明によ
ればコロニー形成単位の少なくとも100万以上分の1の
減少(6logの減少、底10)から完全な滅菌に及ぶ減少が
得られる。望ましい強度は紫外線に富むパルスについて
はより低く、生物の不活化に著しい程度の表面加熱を利
用する方法についてはより高いであろう。 滅菌すべき材料、たとえば無菌包装材料、流体(たと
えば空気もしくは水)または医療用具(たとえば手術器
具)を紫外線に富む多色非干渉性光の強く短いパルスで
処理することができ、これは微生物の不活化を行うため
に表面加熱を利用してもよく、利用しなくてもよい。こ
の種の方法によれば、光パルスエネルギーの少なくとも
約15%、好ましくは少なくとも約30%は300nm以下の波
長であり、光パルスエネルギーの少なくとも約5%、好
ましくは少なくとも約10%は250nm以下の波長であろ
う。この種の紫外線に富むパルスは一般に比較的低い総
エネルギー密度、たとえば約0.01〜約15ジュール/cm2
一般に約0.1〜約3ジュール/cm2をもつであろう。広い
スペクトル範囲をもつこの種の紫外線に富む光の単一パ
ルスが目的基質の効果的滅菌を与え、吸収され、微生物
細胞成分の広範な異なる発色団に広いスペクトル範囲に
わたって致死的な損傷を与えるであろう。 食品の表面を処理するためには、スペクトルの一部を
光することが望ましい場合がある。たとえば食品を処
理するための特定の好ましい方法には、特定のバンド幅
が食品の風味または品質に与えると思われる不利な影響
のため望ましくないと考えられる波長におけるスペクト
ル線束量を最小限に抑えるために、スペクトルの制御お
よび/または光を採用しうる。たとえば本発明の範囲
内の種々の方法によれば、光エネルギーの少なくとも約
90%が300〜2500nmに分布する強い多色非干渉性光パル
ス、および約0.001〜約100ミリ秒のフラッシュ持続時間
を用いて、食品表面におけるエネルギー密度約0.01〜約
20ジュール/cm2において食品を処理することができる。
フラッシュランプのほかに、適切な広帯域スペクトルお
よび強度を与える他のパルス光放出デバイスも、ここに
記載した方法に使用できる。 一般に食品および包装用基体の表面を約1〜20パルス
の高強度、短期間の非干渉性光で照射することができ、
多数、少なくとも2パルスの使用が特に望ましい。種々
の形態において食品はその表面を光パルスで照射する前
に、目的の処理用スペクトルに対して十分に透明な包装
材料に内包されてもよい。これに関して、処理すべき食
品を内包する包装材料が光パルスエネルギーの少なくと
も約10%、より好ましくは少なくとも約50%を、約320n
m以下のあらかじめ定められた、包装材料の処理波長範
囲にわたって透過することがきわめて好ましい。 望ましくない微生物を含有する可能性のある流体、た
とえば空気または水性液体、たとえば飲料水もしくは水
の処理に際しては、処理帯域内で処理を受けている流体
容量全体に特定のエネルギー密度(ここに記載するも
の)を有する強い非干渉性多色光パルスを施すことがで
きる。これに関しては、目的水準の殺菌を行うのに十分
な少なくとも一定の最低エネルギー水準のパルス光が処
理容量全体に存在することがきわめて好ましい。この種
の方法は一定の処理容量の液体において静的なものであ
ってもよく、あるいは処理帯域に導通される全容量が指
定された最低水準のパルス光処理を確実に受ける速度で
(光パルス速度と連係して)流体が処理帯域に導通され
る連続式であってもよい。 種々の流体、たとえば実質的に純粋な空気および水は
可視および紫外スペクトル領域を含む広範な波長に対し
て高度の透明度を備えており、従ってこの種の流体に関
する処理容量は比較的大きいであろう。他の液体、たと
えば透明なショ糖溶液、ワインなどは透明度がより限定
されている可能性があり、これはそれに応じてより少な
い〔たとえば光パルスの伝幡方向に、より薄い〕処理容
量を用いることによって調整できる。流体が紫外線に対
して、260nmの入射光の少なくとも半分は0.025cmの厚さ
の流体を透過する程度の透明度をもつことが好ましい。
流体材料を処理する際には、流体は実質的に固体、粒状
物質を含まず(たとえば純粋な液体もしくは液体混合
物、または固体が液状溶剤中に溶解した溶液)であるこ
とが好ましく、これにより流体の含有微生物はいずれも
シャドー効果なしに、強い光の場を最大限に受けるであ
ろう。しかし固体材料、たとえばカットもしくはスライ
スされた、または粒状の食品(たとえば乾燥野菜)を流
体状(たとえば水)懸濁媒質中で、好ましくはすべての
固体表面が確実に処理される多数のパルスによって好都
合に処理しうることも自明であろう。 処理される流体の容量全体に適切な強度のパルス非干
渉性光を供給することにより流体を処理するほかに、各
パルス間で流体を混合しながら(好ましくは乱流型混
合)多数回のパルス光処理を施すことによって流体を処
理することもできる。しかしこの種の処理法によって微
生物の含量は低下するが、これらは全容量処理法よりも
望ましさおよび効果が著しく低い。 本発明の種々の観点によれば、特にパルス光フラッシ
ュの紫外成分が抑制され、または実質的に除かれた方法
に関しては、パルス光の強度は食品または包装材料の10
ミクロン以下の厚さの表層を少なくとも約50℃から少な
くとも約75℃、好ましくは少なくとも約100℃の温度に
加熱するのに十分なものでなければならない。この種の
きわめて薄い層は1または2以上の光パルスを施すと同
時に、実質的にこれよりも高い温度に(たとえば150℃
以上、たとえば300〜700℃)にごく短期間加熱されても
よい。この様式では食品の内部温度を著しく高めること
なく表面微生物を死滅させるために、ごく表層部の表面
層に熱を局在させることができる。本発明の目的のため
には、微生物が死滅したか、または増殖的に不活性にさ
れた場合にこれらは不活化されたと考えられる。逐次パ
ルス間の期間に、食品および/または包装材料の表面層
に蓄積した熱は、これらの物質を著しく変化させること
なく内部へ伝導され、拡散する。光パルスの数およびそ
れらの総エネルギーは、パルス光照射の10秒後に測定可
能な表面温度を約100℃以下に維持すべく制限され、好
ましくはパルス光処理の少なくとも10秒後にこの処理に
より生じる温度上昇は50℃以下、より好ましくは15℃以
下に制限される。 ある種の形態においては、食品その他の被処理材料は
それが照射される光に対し実質的に不透明であり、この
ためごくわずかな光が材料内へ侵入し、実質的にすべて
の光(反射されたもの以外)が食品のごく表層部の表面
層(一般に約1μmから1mmまでの厚さ)内に散逸する
可能性がある。光は下記の指数式に従って材料表面内へ
侵入する。 I=(l−R)Ioe-x 式中、Iは表面下の一定距離へ透過した光のエネルギ
ー強度であり、Rは表面反射係数であり、Ioは表面に入
射する強度であり、xは用いられる材料の光に対する不
透明度の尺度となる吸光係数である。材料に侵入するが
透過しない光は材料内に熱として散逸する。表面下のい
ずれの地点においても、深さdにおいて散逸する、単位
面積当たりのエネルギー(Ed)は次式により与えられ
る。 Ed=(l−R)Io〔l−ed〕 光パルスの吸収によって材料内に熱が蓄積すると直ち
に、これは一般的に周知の熱伝達の法則に従った熱伝導
により分散し始める。 式中、Ecは材料中において単位長さdxにより分離され
た面積Aの2平面間を伝導されるエネルギーであり、k
は媒質の熱伝導率であり、dTは同じ2平面間の温度差
(゜K)であり、tは熱伝導過程が行われた時間(秒)
である。ある種の形態においては、処理される材料は目
的とするスペクトル幅の波長にわたって適宜な深さ内で
目的とするエネルギー吸収を与える適宜な有効平均吸光
係数(x)をもつべく、適宜な吸光増強剤により前処理
されているか、あるいは前処理されるであろう。 連続光のビームが材料表面で吸収されると、これは一
般に式(2)に従って材料内で熱に転化され;加熱され
た表面はより高温になり、材料内で温度勾配を生じ、一
般に式(3)に従って設定された速度で材料のより深い
層内へ熱の流れを生じる。最終的には表面に光ビームに
よって蓄積したものと同じ量の熱が材料の深部へ流入す
る表面温度である定常状態が確立する。食品その他の物
質はしばしば水を含有し、これは熱の良導体であるの
で、通常の連続光線処理法(たとえば連続水銀蒸気紫外
線)によって物質の表面に生じた熱はきわめて速やかに
内部へ伝導される可能性がある。しかし高強度でありか
つ熱伝導時定数に関して短い持続時間をもつ非干渉性光
パルスを施すことによって、エネルギーは処理表面にご
く短期間蓄積し、この間にはほとんどまたは全く熱伝導
が起こらず、同一平均出力をもつ連続光ビームによって
到達する定常状態の温度よりはるかに高い温度に、実質
上瞬間的にごく薄い表面層が加熱される。 本発明の特定の観点においては、比較的不透明な食品
または包装材料の表層の加熱はそれぞれが約0.01〜約50
ジュール/cm2、好ましくは約1〜約20ジュール/cm2のエ
ネルギー密度を各パルスの持続時間中に材料の表面に供
給するパルスを生じうる光源を用いて行われる。たとえ
ば約2〜約20ジュール/cm2(たとえば約8〜約16ジュー
ル/cm2)のエネルギー含量をもつ光パルスを食品表面に
容易にかつ効果的に施すことができる。一般に物質の表
面に施された光パルスのエネルギー密度はごく表層面の
表面層のパルス熱処理を施すのに十分なものである。著
しい量が内部へ伝導される前に表面温度を高めるために
は、このエネルギーは約0.001〜約100ミリ秒、好ましく
は約0.1〜約3ミリ秒、たとえば約0.1〜1ミリ秒の持続
時間をもつパルス状で供給されることが望ましい。パル
スの持続時間はその光パルスの上昇光エネルギー密度が
そのピーク値の半分である時点と、その強度がピーク値
の半分に降下した時点との間で経過した時間によって定
められる。各種類の物質に与えられる光エネルギーの総
量は個々の材料の特性、たとえばその吸光係数およびそ
の表面反射係数に依存する。表面加熱を採用する方法に
ついては、個々の物質または包装材料に必要な加熱量
も、破壊すべき表在生物、微生物またはウイルスの種類
にある程度は依存する。 物質への紫外線の付与を制限することが望ましいと思
われる食品処理法その他の処理法については、供給され
る光が主として可視領域から遠紫外および近紫外領域な
らびに近赤外領域に及ぶ波長に分布し、好ましくは光パ
ルスエネルギーの少なくとも約80%が270〜2600nmの波
長範囲に分布するであろう。たとえば特定の被処理材料
においては、供給される光は主として、光エネルギーの
少なくとも約90%が300〜2500nmの波長内に分布した波
長に分布するであろう。この種の光パルスはそれらの光
エネルギーの少なくとも約10%が近紫外波長、すなわち
300〜400nmに分布するであろう。しかし可視光線および
赤外線も目的とする表面熱処理を生じるのにきわめて有
効である。所望によりあらかじめ定められたカットオフ
周波数または特定のバンド幅の光の一部または実質的に
すべてを、たとえば光によりパルス光スペクトルから
除くことができる。この種の光は固体フィルター、た
とえば紫外線吸収用ガラスフィルターにより、または液
体フィルター、たとえば目的外のスペクトル成分を含む
フラシュランプを取巻く静止型または流動型液体ジャケ
ットにより与えられるものによって行うことができる。
液体ジャケットは、除くべき波長において吸光する適宜
な有機または無機の吸光剤、たとえば無機塩を収容する
ことができる。たとえばフラシュランプ冷却ジャケット
媒体として用いられる水中の硫酸銅溶液(水1ガロン当
たり50gのCuSO4)が遠紫外部において有効な紫外線フィ
ルターとなる。固体フィルター材、有機および無機材料
の液体および溶液の吸光スペクトルは周知であり、目的
に応じて選ぶことができる。 短い高強度の遠紫外および近紫外パルスが増殖型およ
び胞子型の微生物を熱的手段および/または光化学的手
段によりきわめて効果的に不活化しうることが見出され
た。短い高強度の光パルスを用いると物品の処理時間が
著しく短縮され、物品処理量が著しく増加することが見
出された。しかし可視および赤外領域のパルス光は吸光
性の高い媒質においても表面加熱によって目的とする効
果を得るのに有効である。表面の生物、微生物またはウ
イルスを広域光線によって不活化しうるため、非干渉性
の広域光パルスを透明な包装材料、たとえばガラスまた
は透明プラスチック(それらのうちある種のものは特定
の紫外波長を吸収する傾向をもつ)を通して施すことに
より微生物(たとえば微生物またはウイルス)をより効
果的に不活化することが可能となる。 表面に生じた熱は大部分が最終的には物品の内部へ伝
導される。しかし一連のパルスによってすら、生じる熱
の総量は物品内部の温度を実質的に高めるのに必要な熱
量に比べて小さいであろう。これらの状況下では、物品
(ごく表層部の表面層を除く)は実質的にその特性を変
化させる温度にまで加熱されない。さらに物品の表面に
おける微生物負荷を減少させるために用いられるパルス
の数は、物品を過熱させない程度に制限することが望ま
しい。 複数の近接したパルス状の高強度光線、場合により単
一パルスが、微生物の集団を実質的に、一般に約1桁以
上(底10)、好ましくは少なくとも2桁減少させるであ
ろう。適宜なエネルギー水準および処理パルス数におい
ては、これよりも高い水準の減少(完全な滅菌を含む)
を達成しうる。食品、流体、医療用デバイスまたは包装
材料の表面を十分に処理するためには、通常は約1〜50
パルスの光、好ましくは約1〜20パルスが用いられる。
少なくとも2パルスの複数の高強度光パルスを施すこと
がきわめて望ましい。 食品包装材料、流体、たとえば空気もしくは水、また
は医療用デバイスの滅菌を目的とする方法および装置
(ならびにある種の食品の処理法)においては、実質的
割合の紫外線を含む高エネルギー光パルスを採用するこ
とが望ましい。滅菌される表面が食品ではなく食品容器
である場合は、適切な微生物不活化を保証するために、
表面は一般に約1〜約20パルスの光で処理されるであろ
う。しかしより低い出力水準を用いる場合、および/ま
たは高い不活化を得るためには、これよりも高いパルス
数、たとえば5〜20パルスを用いることができる。 物品および/または包装材料に施される高強度光線の
パルスの間隔は、ある程度の熱が表層部の表面層から散
逸するのに十分なほど長く、なおかつ多数のパルスが累
積効果をもつのに十分なほど短くなければならない。処
理される表面に施されるパルスの間隔は一般に0.001〜
約30秒間(たとえば0.1〜5秒間)であることが望まし
く、商業的処理または包装用には約2秒間以下であるこ
とが好ましい。パルスが1個のフラシュランプ(または
同時にフラシュする複数のランプからなるフラシュラン
プアセンブリー)によって与えられる場合は、最高反復
速度は実際上は個々のランプの冷却パラメータによって
支配され、これは一般に約1〜約1000回/秒の反復速度
を与えるであろう。しかし、逐次フラシュする複数個の
フラシュランプを用いることにより、またフラッシュラ
ンプと処理される表面との間に相対的な動きを与えるこ
とにより、相対反復速度を増すことができる。 十分な強度ならびに適宜な持続時間および波長分布を
もつ非干渉性パルス光はフラシュランプシステムから得
られる。適切なフラシュランプシステムはマックスウェ
ル・ラボラトリーズ社からフラシュブラスト(Flashbla
st)の商標で販売されている。特定のモデル、フラシュ
ブラストモデルFB−300はエネルギー貯蔵用コンデンサ
ーを充填する直流電源、これらのコンデンサーの放電を
制御するために用いられるスイッチ、スイッチをプリプ
ログラムされた間隔で(自動式)またはオペレーターが
ボタンを押した時点で(手動式)始動させるトリガー回
路、コンデンサー−スイッチアセンブリーからの放出パ
ルスを輸送する一組の高圧同軸ケーブル、およびランプ
から発せられた光を方向づけるための金属レフレクター
に取付けられた1〜4個のフラシュランプからなる。 特に透明な反射性の、または比較的非吸光性の食品ま
たは基材に対する高強度非干渉性パルス光処理の効果を
高めるために、包装基材または食品の表面に適切な吸光
増強剤(absorption enhancing agent)を施すことがで
きる。この方法の主な2用途は、処理のために選ばれた
光の波長に対して比較的透明であると思われる物品の表
面処理を伴う。たとえばある種の食品、たとえば特定の
果実、ジュース、または鮮魚の薄い切身は可視光線に対
して比較的透明である。 この種の方法の種々の観点によれば、処理すべき物品
の表面にまず吸光増強剤を施す。これは適切な様式のい
ずれによっても施すことができ、たとえば物品の表面に
上記薬剤を含有する粉末を吹付けもしくは振掛けること
により、または処理すべき基材に吹付け、塗布もしくは
浸漬により施すことができる、上記薬剤の水溶液もしく
は非水溶液など溶存液として上記薬剤を施すことによ
り、または上記薬剤を包装材料もしくは物品の表面に蒸
着させることにより施される。 適切な吸光増強剤は処理に用いられる高強度光パルス
のスペクトル範囲内の目的とするスペクトル波長におい
て高い吸光係数をもつべきである。この薬剤は処理によ
って物品から実質的に完全に除去することができるが、
食品および医療用デバイスに関してはこの薬剤は一般に
安全であると認められており、食品または食品の表面と
接触するデバイスもしくは包装材料の表面に容易に施す
ことができる食用物質であることが最良である。望まし
くはこの薬剤は生存細胞表面に選択的に吸収され、その
結果薬剤の使用量を最小限に抑え、またはその効果を濃
縮することができる。指示薬、たとえば光子感受性、pH
感受性であるか、または酸化電位に対し感受性である色
素を処理に際し有利に利用し、これにより薬剤の光子吸
収を処理過程の一部として変化させることができる。こ
の種の指示用色素は特定の食品、包装用フィルム、また
は色素の吸光度がパルス光処理に際して上昇または低下
する処理法に有用である。分解せずに蒸発するか、また
は好都合な分解生成物を生じる吸光増強剤を選ぶことが
望ましい。この種の薬剤の例には許可された食品、医薬
品および化粧品用色素、たとえばカロチン、赤色色素#
3、ライムグリーン、ブラックチェリー、およびそれら
の混合物が含まれる。各種の天然色素および天然食品着
色剤を各種の天然油または食用油と同様に食品の処理に
使用するとが望ましいであろう。異なる吸光極大をもつ
2種以上の成分の混合物を用いて目的スペクトルよりも
吸光度を高めることが望ましいであろう。 吸光増強剤を溶液から物品表面に施したのち(たとえ
ば浸漬、吹付け、またはロール塗布による)、過剰の溶
液を除去し、所望により物品の表面を一部または完全に
乾燥させることができる。次いで物品をパルス非干渉性
光で処理して、あらかじめ薬剤処理が施されていたごく
薄い表面層を、熱伝導に要する時間に比べて短い時間、
加熱する。 吸光増強剤を物品の前処理に使用することにより、フ
ラシュ装置によって供給される光のパルス幅を高めるこ
とができる。これは紫外線含有率を低下させ、フラシュ
ランプの出力をより長波長へ移行させ、かつフラシュラ
ンプの有効寿命を高める効果をもつ。 物品表面のパルス光処理を採用する方法においては、
物品の表面全体を処理することが望ましい。これは透明
なコンベヤー(または物品が配置される透明なセクショ
ンをもつコンベヤー)を通して物品を処理することによ
り、一連の光パルスを伴う多重照射処理期間中に物品を
回転させることにより、またはフラシュランプで囲まれ
た処理帯域内を物品が落下し、これによって食品の実質
的に全面を同時処理する自由落下処理により行うことが
できる。物品がトリガーセンサー帯域を通過する方式を
採用して、フラシュランプを物品の存在と時間調整し、
多数列のフラシュランプの物品の自由落下条件と時間調
整することができる。物品の流れと対向する方向に滅菌
空気流を採用することが望ましい。滅菌空気は常法によ
り供給できるが、高強度パルス光処理帯域に空気を連続
的に導通し、空気がこの帯域を通過するのに伴って前記
の強度水準の、好ましくは紫外線富化した多数の高強度
多色光パルスが空気全体を処理することによって供給す
ることが望ましい。ある種の物品、たとえば鮮魚につい
ては、あらかじめ高圧水洗を行うことが望ましい。表面
加熱物、または食品に存在する可能性のある表面“調
理”臭を除去するために、適宜滅菌水その他の物質によ
る最終洗浄を採用することもできる。物品をパルス光処
理前に透明な包装材に内包してもよい。 本発明につき一般的に記述したが、ここで本発明の種
々の観点につき図面および各種実施例に示した個々の形
態に関してより詳細に記述する。これに関して、第1図
に無菌包装装置10を示す。ここで通常の反射性軟質無菌
包装材料102のリールは一連のロール104によって常法に
より、浸漬用トラフ106中の前記の吸光増強剤溶液へ向
けられる。包装材料は常法に従って1層または2層以上
の内部被膜およびシール層、金属箔、たとえばアルミニ
ウム箔、積層層または紙層、および外層の積層構造から
なる。 過剰の吸光増強剤溶液はロール110により除去され、
フィルムは次いで縦シール装置112により縦シールチュ
ーブに成形される。ラツプシールまたはフィンシールの
いずれかを希望するかに応じて、縦シールを強化するた
めに、かつ物品がフィルム102の端と接触するのを防止
するために、ストリップ108を包装材料の一端に施す。 無菌包装装置10の重要な観点は、物品の充填およびフ
ラシュランプアセンブリー200であり、これについて第
2図に、より詳細に示す。図示されたアセンブリー200
は外側支持管202からなる。これに1個または2個以上
のフラッシュランプ204がパルスを生じた際に、シール
された包装材料チューブの内表全体を強い短期間の非干
渉性光パルスで処理する状態で管202の回りに管に沿っ
て取り付けられ、その包装材料チューブがフラッシュラ
ンプの回りに包装材料より成る反射性キャビティーを形
成し、フラッシュランプの照射時にその反射性包装材料
から反射した光がその材料の他の表面に反射される。支
持管202に沿ったフラッシュランプは各種の様式が採用
可能であり、本質的な特色は包装材料チューブの内表全
体がパルス光で照射されることである。支持管202の内
部には無菌食品用管206があり、フラッシュランプ用電
気ケーブル208および所望によりランプ冷媒用管路210を
管202,206の間に配置しうる。さらに、適切な供給部
(図示されていない)から加圧下に供給される無菌空気
を、密封された管内における排出のために導通すること
ができる。無菌空気は各種方法(過、焼却)により調
製することができ、これにはここに記載する強い非干渉
性光パルスの使用が含まれる。操作に際しては適切な横
シール装置114により横シールされた縦シールフィルム
チューブ内へ、あらかじめ定められた量の実質的に無菌
の食品212が導入される。無菌食品は短期間の高温処理
または他の方法により調製できる。縦シールフィルムチ
ューブは1パッケージ分の長さ前進し、その間にフラッ
シュランプアセンブリーは食品212の上方のチューブの
隣接内面全体を反復滅菌するために複数回のパルスを生
じる。無菌空気220は支持管202から排出され、フラッシ
ュランプアセンブリー上を運ばれて、フラッシュランプ
を冷却し、かつフラッシュランプ放電により生成したア
ブレーション生成物を縦シールフィルムチューブから除
去し、処理済み領域に沈降することによる汚染を防止す
る。横シール後にパッケージは個々の消費者向けパッケ
ージ116に分離される。 本発明は他の型の無菌包装システム、たとえば予備成
形された物品容器を使用するものにも採用できる。これ
に関して第3図に無菌包装装置30を示す。包装装置30は
予備成形された物品容器302を使用し、これらが装置30
の滅菌帯域304に導入される。所望により、前記の吸光
増強剤溶液が噴霧装置306によって容器302内へ噴霧され
る。次いで容器は複数のフラッシュランプ処理ステーシ
ョン308を前進通過する。ここでは往復運動している
“U"字形フラッシュランプ、線形フラッシュランプ、電
球型フラッシュランプおよび/または他の形状のフラッ
シュランプが容器開口の上方または内部に導入され、フ
ラッシュランプは容器302当たり少なくとも1回のパル
スを生じる。次いで処理ステーションを取去り、容器は
1ステーションだけ前進し、これに伴って上記の過程が
反復される。従って各容器の内面全体が処理ステーショ
ンに沿って前進するのに伴い、複数回の強い非干渉性光
パルスを受ける。無菌空気式パッケージ装置を用いて、
容器内部からアブレーションされた材料を除去し、また
処理済み容器内に沈降することによる汚染を防止し、か
つフラッシュランプを冷却することもできる。所望によ
りこれらと組をなす適切な静止型フラッシュランプを備
えつけて、容器がフラッシュランプ処理帯域を通過する
際に容器の外表および角表面を処理することもできる。
滅菌された容器は次いで充填ステーション312を通過
し、ここであらかじめ処理された食品が容器に導入さ
れ、次いでその頂部が無菌のふたによりシールされる。 包装されたユニットの感染を防止するために、無菌包
装装置30全体の上方に線状の無菌エアカーテンを施して
もよい。無菌空気は気体滅菌装置350により施される。
これは空気導入用ブロアー352を含み、これはフィルタ
ー354を通して、反射性ハウジング360内に収容された一
例の高出力キセノンフラッシュランプ358を含むパルス
光処理帯域356へ空気を送入する。空気はランプ358のパ
ルス速度と連係した速度で帯域356を連続強制導通さ
れ、空気全体が帯域356を通過するのに伴って前記のよ
うに散数回の高強度多色非干渉性光パルスを受けるのを
保証する。望ましくはこれらの光パルスは紫外線に富む
ものであり(たとえば300nm以下の波長の光エネルギー
を少なくとも15%含むもの)、かつ望ましくは空気全体
が通過する処理帯域全体にわたって少なくとも0.5J/cm2
のエネルギー密度を有するであろう。パルス持続時間は
一般に約0.1〜3ミリ秒である。この多重ランプ型レフ
レクター配列はこれを貫流する空気または他の気体を多
方向から実質的に均一に照射し、従って粉塵粒子または
細菌コロニー形成単位は全面から処理され、自己シール
ドされることはない。この多方向処理はシステム350の
重要な特色である。流体処理のための他の様式、たとえ
ば第5および6図に示されたものを空気処理システム35
0の代わりに使用することもできる。 第4図には無菌包装装置40の他の形態を示す。これは
プラスチック系包装材料の2個のリール402,404からな
り、一方は最終パッケージの本体用であり、一方はパッ
ケージのふた用である。容器本体材料は所望により前記
の吸光増強剤浴406内を導通される。包装材料402は過剰
の薬剤溶液を除去するために吸引および乾燥セクション
に導通しうる。包装材料は次いで包装材料の移動方向に
沿って縦方向に伸びたフラッシュランプの配列408によ
って強い非干渉性光パルスを受け、次いで包装材料402
は成形装置410において適切な容器に熱成形され、次い
でこれに充填ステーション412において滅菌処理済み食
品が充填される。ふた材料も同様に所望により吸光増強
剤浴414内を通過し、フラッシュランプ配列416により多
数の強い非干渉性光パルスを施され、そして充填済みの
成形容器をシールするために用いられる。装置全体を無
菌空気ブランケット下に保持することもできる。 第5a図はポンプ輸送可能な物質、たとえば水または液
状食品(たとえば果汁)を強い非干渉性パルス光で処理
するための一形態を示す模式図である。装置50は処理チ
ャンバー502を定める反射性の円筒形の囲いからなり、
これを物質が貫流し、この囲いはパルス光源504を囲
む。光源は形態50においては通常のフラッシュランプ操
作法に従って適切な電源(図示されていない)を備えた
高強度キセノンフラッシュランプである。液体循環ポン
プ508がパルス光源のパルス反復速度に対して処理チャ
ンバー502内の物質の貫流速度を制御し、これにより処
理チャンバー502内における物質の滞留時間中にこれを
通過する物質はすべてあらかじめ定められた回数の高強
度非干渉性多色光パルスを受ける。従って処理チャンバ
ー502から排出される物質は無菌であるか、または目的
とする程度に消毒されているのであろう。処理チャンバ
ーの直径は処理される物質の個々の吸光特性、フラッシ
ュランプの物理的および操作上の特性、ならびに多重パ
ルス間の物質の混合の程度を含む多数の因子に応じて異
なるが、これらの因子に限定されるものではない。処理
チャンバーは物質を横切る照射光線を内側へ逆行反射す
るためにその外壁として、または外部レフレクターとし
て、レフレクターアセンブリーを含むべく設計されるこ
とが適切である。空気および水は紫外スペクトルの著し
い部分を含む光に対して比較的透明である点が留意され
る。従ってこの種の媒質においては吸光による減衰は比
較的少なく、束密度はコントロールランプからの距離の
関数として大幅に低下するにすぎない。しかし著しい吸
光を伴う流体については、この因子もランプからの距離
の関数としてパルス束強度を低下させるであろう。いず
れにしろ目的とする最小束密度は前記のように処理帯域
全体にわたって維持されなければならず、あるいばすべ
ての流体が適切な束強度およびパルス数を確実に受ける
ために撹拌を行わなければならない。 ランプを装置50の処理チャンバー502内に配置した状
態で1個または2個以上のランプを処理チャンバーの外
側に配置することもできる。特に好ましい設計を第5b図
に示す。この場合、処理すべき液体は長円形レフレクタ
ー554の一方の中心に沿って配置された透明な処理ダク
ト(たとえば石英ガラス管)552中を導通される。フラ
ッシュランプ556が長円形レフレクターの他方の中心に
沿って配置され、所望により一方の中心に1個のランプ
および他方の中心に石英管552を備えた複合長円形セグ
メント(図示されていない)も使用できる。ランプは冷
却および/または液体スペクトル光のためにジャケッ
トを備えていてもよい。この様式では光パルスが液体処
理帯域の中心に向かって集束するので、処理される液体
の吸光に対し保証が与えられ、その結果すべての液体が
より均一な光処理を受ける。 第6図には、強い非干渉性光による処理ステーション
60の一形態を示す。これはパルス光源/レフレクター配
列602からなり、これらを通って物質601が導通され、落
下し、または混転される。フラッシュランプレフレクタ
ー配列602は導管によって、フラッシュランプ配列を同
時にまたは順次始動させる電気パルス形式ネットワーク
603またはパルサー、ならびに目的とするスペクトル透
過/吸収特性をもつ選ばれた塩溶液を用いて冷却および
/またはスペクトル光を行うために各ランプの外側に
配置されたジャケットアセンブリーを通って液体を循環
させる冷却/光用液体循環器604に接続している。フ
ラッシュランプ/レフレクター配列は複数個のランプお
よびレフレクターからなり、これらが強い光パルスによ
る処理領域を形成している。図示した形態60は直線状の
ランプおよびレフレクター素子を用いているが、他の様
式も使用できる。たとえばフラッシュランプはネオン点
灯サインもいかなる形状に形成されていてもよいのとほ
ぼ同様に、いかなる形状に構成されていてもよい。同様
にレフレクターもフラッシュランプ光源を目的の様式で
処理物質上に結像させるのに適した多くの異なる材料で
多くの異なる形態に形成することができる。“The Opti
cal Design of Reflectors"第2版、ウイリアム B.エル
マー(William B.Elmer)(ジョン・ワイリー・アンド
・サンズ社、ニューヨーク)がレフレクター設計の基礎
への導入として適切な文献である。 本発明は生存生物、微生物またはウイルスの数を減少
させることに対し多くの潜在的用途を含むが、包装材料
の減菌に高強度短期光処理を採用することが本発明の重
要な一観点であると考えられる。この種の用途において
はスペクトルの近紫外線および塩紫外線成分を含む全域
フラッシュランプ出力が一般に採用されるので、比較的
低い線束量を用いることができる。たとえばきわめて高
い生物密度(1×106〜1×108CFU/cm2に及ぶ)におい
てすら1フラッシュ当たり1.5J/cm2のエネルギー密度の
フラッシュ1回または2回で胞子型および増殖型双方の
細菌およびウイルスが滅菌される。 フラッシュランプスペクトルのエネルギーの少なくと
も約10%が約300nm以下の波長であることが好ましい
が、この場合、または物品自体が目的のスペクトル相互
作用を与えるのに十分なほど吸光性である場合は、前記
の無菌包装装置の吸光増強剤浴は省くことが望ましい。
高速操作および高出力密度については、所望により水ジ
ャケットによってフラッシュランプを冷却することが望
ましい。透明なラッピング材料その他の包装材料につい
ては、ランプ配列を縦シールフィルムの外側に配置する
ことも望ましく、これにより物質および向流の無菌空気
管のみがフィルムチューブ内に挿入される。 以上、本発明を一般的に記述したが、本発明の種々の
観点につき以下の各実施例によってより詳細に記述す
る。これらの例は本発明が数種の食品、細菌用培地、お
よび包装材料から微生物を減少させ、または除去するの
に有効であることを証明する。ある例においては処理す
べき表面上に故意に微生物を導入し、他の例においては
自然に存在する微生物を除去するために材料を処理し
た、高密度の微生物を食品その他の表面に故意に施すこ
とによって微生物による高度の自己シールドが生じる点
が留意される。この高度の自己シールドによって、コロ
ニー形成単位の一定の低下率を達成するために必要な光
パルスの強度および/または回数は、より低い密度の本
来のコロニー形成単位につき同一の低下率を得るために
必要なものよりも高くなる。従って高微生物密度を用い
たこれらの例はパルス光処理の有効性をきわめて効果的
に証明するものである。 実施例 1 市販の乾燥(クリーム状でない)コテージチーズのカ
ードを慎重に分離し、プソイドモナス属(Pseudomona
s)菌用液体培地に浸漬する。過剰の培養液をカードか
ら排除し、カードを数個の部分に分け、滅菌ステンレス
鋼シート上に単層で広げる。これらのシートを冷蔵庫に
入れ、約3.3℃(38゜F)に1時間保持する。シートを1
回に1枚ずつ冷蔵庫から取出し、フラッシュランプシス
テム(フラッシュブラスト、モデルFB−100パルス光シ
ステム、マックスウェル・ラボラトリーズ社)により処
理する。これは持続時間約0.5ミリ秒のパルスを生じ、
パルス当たり16J/cm2のエネルギー密度をカードに向け
て3秒間隔で供給する。 光パルスを照射した直後に、5個のカードの温度を熱
量検出器により光パルスに最も近いカード表面において
測定する。他の3個のカードの対応する表面から1cm2
プラグを採取し、これらのプラグを別個に1mlずつの滅
菌溶液に移し、激しく撹拌してスラリーを調製する。こ
れらのスラリーを別個に標準的な細菌用培地上で平板培
養し、それぞれの細胞計数を行った。各試料につき3回
の細胞数を平均する。 各シート上のカードが照射されたパルス数は下記のも
の、すなわち0.1および2である。対照として、1枚の
シート上のカードは光パルスで照射せず、これらのカー
ドのうち3個からプラグを採取して、未処理カードの細
胞数を測定する。 結果を次表に示す。生存低下率(%)(PVR)は式
〔(1−照射試料の細胞数/対照の細胞数)×100〕に
より算出される。 パルス 平均細胞数 PVR % 温度℃(゜F) 0(対照) 4500 0 4.4(40) 1 950 78.9 5.6(42) 2 150 96.7 6.1(43) フラッシュランプの光で照射されたカードのいずれに
も変色は見られない。 実施例 2 コテージチーズのカードを実施例1の場合と同様にト
レー上に広げ、ただしこの場合はカードを培養液に浸漬
しない。半分のトレーは実施例1の条件下で2パルスの
フラッシュランプ照射を実施し、半分は処理しない。処
理済みカードおよび未処理カードを次いで寄せ集める。 経験を積んだ食味検査官のパネルに、盲検的に与えら
れた処理済み試料およ未処理試料の検体の味覚特性の判
定を依頼した。その結果、96.7%のPVRを与えた表面滅
菌条件下で(実施例1参照)、酪農製品の味は実質的に
影響を受けていない。 実施例 3 堅い皮をもつ白パンロールを、カビの胞子を集めてロ
ールの表面を汚染させる目的で、普通のパンカビ上を通
過させた空気流点で混転する。各ロールをステンレス鋼
トレーに乗せ、フラッシュランプシステムにより生じた
高強度非干渉性光パルスを施す。自動式に設定され、こ
のシステムは持続時間約0.5ミリ秒のパルスを生じ、16J
/cm2の光をパンロール表面に5秒毎に付与する。ロール
は下記のパルス数、すなわち0、1および2で照射され
る。照射直後にロールの表面温度を測定する。 滅菌された刃で各ロールの光源に最も近い表面から10
cm2切片の皮を切取る。この皮をスラリー化し、細菌用
媒地上で平板培養し、適宜インキュベーションしたの計
数する。 結果は下記のとおりである。 パルス 平均細胞数 PVR % 温度℃(゜F) 0(対照) 3000 0 35( 95) 1 85 97.2 35( 95) 2 6 99.8 41(106) ロールの炭化は見られず、本発明方法は食品の焦げを
生じることなく微生物を熱により不活化するために採用
しうることが証明された。 実施例 4 焼きたてのケーキの角片をカビの胞子が集められた空
気流で処理する。次いでケーキの角片を透明プラスチッ
ク製の長方形の開口形包装容器に入れ、透明なプラスチ
ック製のふたで密閉する。半分のケーキ角片をプラスチ
ック内に密閉された状態で処理し、半分のケーキ角片は
処理しない。 これらの角片をFB−300システムで処理する。このシ
ステムはケーキに5秒間隔で3パルスの照射を与え、ケ
ーキの表面に各パルスにつき16J/cm2を付与する。それ
ぞれのケーキ角片を回転させて異なる面を照射し、ケー
キ角片の6面すべてが処理されるまでこの処理を反復す
る。6面のいずれにも処理の影響は見られない。 これらの試料を密閉包装容器内で室温において保存
し、視覚的にカビの発生につき毎日観察する。未処理ケ
ーキ角片はすべて3日以内でカビの増殖が見られる。処
理片はいずれも8日間経過以前にはカビの胞子を示さな
い。処理済み角片上にカビの増殖が見られる前の平均日
数は10日である。 実施例 5 微生物は腐敗に伴う不快な臭気および味に関与するの
で、鮮魚の品質低下の重要な原因である。従って鮮魚の
品質低下を制御するという問題は主として、腐敗に伴う
微生物の制御の問題である。 ヒラメ(Summer flounder)をマックスウェル・ラボ
ラトリーズ社のFB−300フラッシュランプ装置による光
パルスで処理する一連の試験を行った。種々の小売店形
態のヒラメは全形−うろこを落としたもの、うろこを落
とさないもの−ならびに内臓側からおよび皮側からの切
身であった。幾つかの試料については46kg/cm2(650ps
i)の水の吹付けによる高圧洗浄処理も採用した。濃色
の魚試料ほど淡色の試料より実質的に多量のエネルギー
を各照射につき吸収することが認められる。これらの結
果を次表に示す。 パルス非干渉性光処理を高圧洗浄処理と併用した場合
(第1および1A表)、魚試料における低温菌および大腸
菌群の負荷が共に低下した。達成された負荷の低下は、
鮮魚に関して物品の品質、ならびに保存寿命の延長、物
品損失の減少、および市場拡大という点で有意である。 ヒラメの表面付近の温度を、3回の10J/cm2光パルス
照射の前および後に表面付近で測定した。平均11℃(17
℃から28℃)〔16゜F(62゜Fから82゜F)〕の上昇が得
られた。この温度上昇は熱伝導時間に対して長時間後に
測定されたバルク温度上昇であり、パルス光処理と同時
にごく薄い表面層に生じたはるかに高い温度上昇に対応
するものではないという点を留意すべきである。この温
度上昇(微生物の増殖および物品の自己分解にとって好
ましい)を補償するために、魚類をパルス光処理の前お
よび後に約0〜7℃(32〜45゜F)の冷蔵温度に冷却す
ることが商業上望ましい。 パルス非干渉性光の強度および照射回数が魚類表面の
微生物に与える影響を判定するために、他の一連の試験
を行った。処理を受ける魚類表面に用いたパルス光の強
度は公称上2.5および10J/cm2に選定し、各処理の照射回
数はそれぞれ1.3および5であった。パルス光の強度は
試料とフラッシュランプ(水ジャケットなしで用いた)
の距離を変えることにより変えられた。新鮮なヒラメの
切身(黒色側および白色側の双方)を試験に用い、試料
の変動を防ぐためにうろこを落とした皮側のみを試験に
用いた。試験結果を第3表に示す。 最大の細胞数減少は10J/cm2の処理を受けた試料にお
いて生じた。2Jの強度を採用した場合、照射回数に関係
なくほとんど(たとえ起こったとしても)菌数の減少は
起こらなかつた。 高圧水洗は海産食品の表面汚染を除くのに有効である
ことが知られている。この高圧水洗を単独で、ならびに
第2および3表に関して先に記載したようにパルス光照
射と組合わせて試験した。処理された新鮮な試料を0.6
℃(33゜F)でトレーパック貯蔵した。製品の感覚特性
にどのような影響を与えるかを判定するために、冷蔵下
での微生物に対する保存安定性試験と同時に官能試験を
行った。下記の第4表は0.6℃(33゜F)でトレーパック
貯蔵15日間の微生物学的情報を含む。 高圧洗浄とパルス光処理の組合わせが最も効果的な処
理であり、3log(99.9%)に接近する減少が得られた。 官能試験データを第5および5Aに示す。 パルス光処理と高圧洗浄を組合わせた魚類試料は貯蔵
15日目を経過しても許容でき、17日目または19日目まで
卓越した許容性を備えていた。 これらの試験は強い非干渉性パルス光処理が鮮魚など
の食品における表面大腸菌群および低温菌の菌数を減少
させるのに有効であることを証明する。この減少によっ
て製品の保存寿命が延長され、従って製品の損失が減少
するだけでなく、鮮魚の販売および流通の改善が進展す
る。 他の天然食肉製品、たとえば牛肉、鳥肉(たとえばニ
ワトリ、七面鳥)、および豚肉、特にスライスした形の
もの、ならびに調製および加工肉製品、たとえばソーセ
ージおよびひき肉パッティーを容易に処理して、冷凍の
必要なしに冷蔵下で高い保存寿命をもつ食品を得ること
ができる。野菜、果物および調製済み食品、たとえばパ
スタおよびライス・エントレ(rice entres)も同様に
処理できるので、肉および他のエントレを含む調製食品
をパルス非干渉性光で表面処理し、包装して、包装品に
冷凍の経費および作用を及ぼす必要なしに、冷蔵下で高
い貯蔵安定性をもつ個々の調製食品を得ることができ
る。 実施例 6 無菌包装および食品保存の用途における強いパルス非
干渉性光フラッシュの有効性を証明するために、一連の
試験を行った。この場合、天然の食品腐敗微生物の代表
例である各種の微生物の培養物を培地の表面に接種し
た。接種された培地を次いで種々の識試験条件下に強い
非干渉性パルス光で処理した。光パルスはマックスウェ
ル・ラボラトリーズ社のパルス光発生システムFB−300
フラッシュブラストにより与えられた。パルス光システ
ムFB−300フラッシュブラストは反射性ハウジング内に
線形キセノンフラッシュランプを備え、これを通して26
00ボルトに充電しうる745マイクロファラドのコンデン
サーバンクが高電流スイッチの制御下に放電して、2500
ジュールの最大エネルギーを生じる。キセノンフラッシ
ュランプは7mmの内径、約23cm(9インチ)の長さをも
つ高度に紫外線透過性の溶融石英製エンベロープを備
え、圧力450トルのキセノンを充填されている。 以下の実施例に用いたパルス光システムの空間光ラン
プレフレクターハウジングは2.5cm×10cm(1インチ×
4インチ)の試料試験領域にわたって25%以上の線束量
変動を生じないように設計された。 黒色こうじ菌およびビール酵母菌の保存培養物をバレ
イショデキストロース寒天(PDA)(pH5.6、酒石酸によ
るそれ以上の酸性化は行わない)上で25℃において増殖
させた。黒色こうじ菌の胞子懸濁液を0.1%無菌テルギ
トール(Tergitol)7(アニオン性)中に採取し、処理
用平板培養は菌糸体が広がるのを防ぐために0.05%ロー
ズベンガル(アシッド・レッド94:テトラヨードテトラ
クロルフルオレセイン、Na塩)を含有するPDA上で行わ
れた。黒色こうじ菌を除いて、ビール酵母菌その他のす
べての微生物培養はトリプチック大豆寒天(ディフコ)
上で処理された。増殖型枯草菌の培養物は15mlのトリプ
チック大豆寒肉汁内で10×100mmのペトリ皿中において3
5℃で非振とう式水平培養(flat culture)として増殖
された。他の細菌培養物は10mlの深部培養として35℃で
増殖された。枯草菌胞子懸濁液は胞子95%以上を含有す
る精製胞子集団であり、4℃の蒸留水中に保存され、処
理直前に平板培養のために希釈された。真菌類の培養物
は25℃でインキュベートされ、一方細菌類の培養物は35
℃でインキュベートされた。 保存培養物、枯草菌胞子懸濁液および黒色こうじ菌胞
子懸濁液は処理前に1/10濃度のトリプチック大豆肉汁中
に系列希釈された。25μの未希釈懸濁液原液、および
懸濁液原液の1×10-1〜1×10-6希釈液の液滴が、トリ
プチック大豆寒天約15mlを入れたペトリ皿の中心弦に沿
って2列にスポットされた。2例スポットパターンの適
切な幅は2.5cm(1インチ)よりわずかに狭かった。液
滴を35℃で風乾し、次いで強い非干渉性パルス光により
照射した。 平板を照射およびインキュベーションしたのち、対照
および照射平板の増殖パターンを調べた。処理済み平板
の増殖パターンを比較のため、また不活化の程度を10の
乗数の関数として判定するため記録した(10の各乗の減
少は1“log"と呼ばれる)。生存体なしとなった処理は
×logと記録された。この場合“ ”の表示は生存体な
しを示し、ここで×は試験の分析限界を示す。 不活化試験の結果を第7〜12図に示す。一般に未光
スペクトルによる不活化はきわめて実質的であり、多く
の場合完全な滅菌が見られた。0.1J/cm2というきわめて
低い線束量においてすら、数logの不活化が見られた。
厚さ6.4mm(1/4インチ)のガラス(パイレックス)フィ
ルターを用いてパルス光スペクトルから遠紫外線が実質
的に除かれた場合、同様な不活化効果を得るために用い
たフラッシュの線束量および回数は実質的に増加した。
ガラス製紫外線フィルターのスペクトル透過曲線を第13
図に示す。FB−300システムのキセノン線形フラッシュ
ランプの公称スペクトル出力を、第13図のガラスフィル
ターの5%および50%透過波長(それぞれ点線で示す)
と共に示す。これにより、このガラスフィルターを通過
したパルスについては約300nmにおいて著しい透過カッ
トオフが得られる。1log以上の不活化を得るためには、
一般に8〜12J/cm2の線束量において10回のフラッシュ
を用いた。これらのエネルギー水準においては、滅菌は
これよりも多数回のフラッシュ(試料に応じて15〜30
回)ののち得られた。さらに第1〜17図の試験データか
ら、処理強度のわずかな増大(20%以下)により応答不
活化の劇的増大が生じる閾値効果が明らかである。 実施例 7 前記のように、著しい遠紫外線含量をもつ非干渉性光
パルスを与えることにより、食品または包装材料基材の
処理につきあらかじめ定められた致死効果を得るために
必要な光パルスの線束量は実質的に減少する。光パルス
に著しい遠紫外線含量がない場合、近紫外、可視および
近赤外波長領域における基材(および/または微生物)
の吸光が高い微生物不活化を得るために重要である。 たとえば大腸菌がガラスフィルターを用いて、または
用いずに1.5、4.1、8および12J/cm2において1.2および
4回のフラッシュで処理された実施例6などの試験にお
いては、全スペクトルで処理された平板には生存体が見
られず、フィルターを設置した場合これらの処理水準で
は効果が見られなかった。 しかし、使用した細菌用培地は強い非干渉性光に対し
て実質的に透明であることが認められた。たとえば使用
したプラスチック製ペトリ皿に入れた厚さ5mmのトリプ
チック大豆寒天層は光を約35%減衰したにすぎず、この
減衰の大部分は300nm以下の波長で起こり、これは総入
射光の約15%を表わすにすぎない。従って、試料に入射
する光から300nm以下の波長を除く6.4mm(1/4インチ)
パイレックスガラスフィルターを用いることにより処理
スペクトルを光した場合、細菌用培地の表面における
吸光は処理表面に対し効果的な光エネルギーのカップリ
ングを生じるのには不十分であると結論された。 パイレックス製紫外線フィルターを設置した状態でパ
ルス光による不活化に対し培地の吸光性(および表面特
性)が与える効果を証明するために、大腸菌培養物を直
径45mm、細孔直径0.65μmの白色ミリポアフィルター、
および墨で黒色に着色した同様なフィルター上に接種し
た。 接種されたフィルターを無菌ペトリ皿中で処理し、次
いで細菌側を上にしてトリプチック大豆寒天平板の表面
に乗せた。白色ミリポアフィルター上に接種された細菌
は12J/cm2において4回のフラッシュ後に6log以上の不
活化を示した。これはトリプチック大豆寒天上に直接に
接種され、12J/cm2で4回のフラッシュで照射された細
菌を用いて観察された際に実質的に不活化されなかった
場合と対比される。また黒色ミリポアフィルター上の細
菌は6log以上の不活化を得るために5J/cm2で1回のフラ
ッシュを要したにすぎない。 6.4mm(1/4インチ)のパイレックスガラス製紫外線フ
ィルターを設置した状態で培地の吸光度がパルス光によ
る不活化に与える影響をさらに証明するために、一連の
実験を行った。その際強い非干渉性パルス光に対する培
地の相対吸光度を高めるために、脱脂粉乳または墨を細
菌用培地に添加した。その結果を第15〜17図に示す。こ
れらはパイレックスガラスフィルターを設置した状態で
種々の濃度の脱脂粉乳(NFDM)または墨を含有する培地
上において4J/cm2の入射光線5、10、15または20回のフ
ラッシュで処理した大腸菌の不活化を示す。 300nm以上のパルス光波長を用いた不活化の機構は、
広域遠紫外スペクトルを含むスペクトル出力を用いた場
合に観察されるものと異なると考えられる。全フラッシ
ュランプスペクトルを用いた不活化は、線量および不活
化機構において遠紫外線の作用と類似すると思われる。
また300nm以上のスペクトル出力のみを用いた不活化
は、線量と不活化の間における閾値の関係を証明すると
考えられる。この機構は培地表面のフラッシュ加熱によ
り生じ、培地の最上層が短いフラッシュ期間中に入射ス
ペクトル線束量を吸収する(すなわちこれと相互作用す
る)能力に応じて異なると思われる。 従って強い非干渉性パルス光を用いた2種の機構が微
生物の不活化を行うと考えられる。これらはそれぞれ光
化学的機構および光熱学的機構である。効果的な処理法
には双方の機構が存在すると思われる。 実施例 8 バルク容量の処理済み製品中における生物の不活化を
証明するために、蒸留水中の無菌1%寒天にゲル化前に
黄色ぶどう球菌を103CFU/mlの濃度で接種し、次いで10m
m以上の深さにまで充填した15×100mmのペトリ皿中で固
化させた。次いで一組の平板をFB−300システムにて強
い非干渉性光パルスで処理した。これらの処理済み平板
は、全平板が包含されるようにランプのフットプリント
を横切って逐次前進する間に、寒天表面において6J/cm2
のフラッシュを4回受けた。次いで対照および処理済み
平板の中央から寒天の小ブロックを無菌条件下に取出し
た。これらの寒天ブロックを栄養培地中で35℃において
一夜インキュベートしたのち比較した。 処理済み平板から取出した寒天ブロックはコロニー形
成を示さず、懸濁媒質は無菌状態を維持していた。対照
平板から取出した寒天ブロックは寒天内部における著し
いコロニー形成および寒天ブロック上における増殖を示
し、懸濁媒質は微生物で混濁し、これは鏡検により黄色
ぶどう球菌と同定された。 これらの結果は、媒質が非干渉性パルス光を透過させ
るのに十分なほど透明である場合には、強い非干渉性パ
ルス光はバルク容量の媒質中に懸濁された微生物を不活
化しうることを証明する。 実施例 9 包装材料の滅菌に対する強い非干渉性パルス光の有効
性を判定するために一連の試験を行った。米国における
一流の食品加工会社がデザートプディング製品の包装に
用いているふたおよびカップの材料を試料基材として選
んだ。カップ原料はポリエチレン/エチルビニルアルコ
ール酸素バリヤープラスチック/ポリエチレン積層品か
らなるものであった。ふたの原料はアルミニウム/ポリ
エチレン積層品からなっていた。各材料の小片をオート
クレーブ処理、過酸化水素(3%または10%)および
熱、または紫外線殺菌灯により滅菌した。のちに得られ
た結果は、いずれの予備滅菌法を採用したかによって影
響されなかった。次いで各材料の多数の試料それぞれの
ポリエチレン面に、食塩中の黄色ぶどう球菌、水中のバ
チルス・セレウス(Bacillus cereus)胞子、または0.1
%テルギトール7中の黒色こうじ菌胞子を均一に接種
し、次いで35℃で風乾した。接種濃度は100〜1000CFU−
/cm2(表面積)であった。接種済みのふたおよびカップ
の材料片をFB−300システムによって強い非干渉性光で
フラッシュ照射した。記録した総光エネルギー/cm2が持
続時間1.5ミリ秒(全帯域、最大値の半分)の単一パル
スによって与えられた。次いで処理済みおよび対照のふ
たおよびカップ材料試料を別個に無菌トリプチック大豆
肉汁中で、黄色ぶどう球菌およびバチルス菌を接種した
試料については35℃で、黒色こうじ菌の試料については
室温(21℃)でインキュベートした。得られた結果を第
6表に記録する。ここで+(プラス)は増殖が検出され
たことを示し、−(マイナス)は増殖が検出されなかっ
たことを示す(1週間のインキュベーション後)。 これらの結果は強い非干渉性パルス光が通常のポリエ
チレン系積層包装材料を滅菌しうることを証明する。 本発明は十分な透明度を有するバルク容量の固体、液
体または気体の内部の生物を不活化してこれを有効かつ
経済的に使用するために、またより吸光性の材料の表面
または表面付近の領域に存在する生物を不活化するため
に、広く利用される。ここに記載する個々の用途は、食
品の保存のための方法および装置であり、より詳細には
食品および/または食品包装材料の表面に存在する微生
物を不活化するための方法および装置に関する。さらに
本発明による方法および装置はたとえば以下に利用され
るが、これらに限定されない。1)化粧品および化粧品
製造に用いられる成分の処理、2)高い清浄度を必要と
する装置、製品、デバイスまたは領域の処理、これには
使用前または無菌包装前の医療用具および歯科用具を処
理し、また食品加工装置を処理して、汚染および交差感
染の程度を低下させることが含まれる、3)処理済みま
たは部分処理済みの下水排液を処理してそれらの生物ま
たはウイルス負荷を低下させること、4)水、塩水溶液
その他の液体を処理して、処理済み製品における微生物
負荷または生物活性を低下させること、5)空気その他
の気体または気体配合物を処理して生物負荷を低下させ
ること。これらおよびその他の用途において生物の不活
化のために強い非干渉性パルス光を用いることは連続モ
ードまたはパルスモードで作動する通常の連続光源また
はレーザ光線源の使用に比べて多数の利点をもつことが
認められた。強い非干渉性パルス光源を用いて生物を不
活化することによるこれらの利点には、高い線束量が得
られること、広いスペクトル範囲を利用しうること、操
作条件および/または光を変更することによりスペク
トル同調性が得られること、電気エネルギーが光エネル
ギーに転化される効率が高いこと、強いパルス光源の使
用によって高い製品処理量が得られること、ならびに操
作が経済的であることが含まれる。 以上、本発明の特定の形態に関して記述したが、本発
明の記述から種々の変更、適応および修正をなしうるこ
とは明らかであり、これらも下記の請求の範囲に包含さ
れることは理解されるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アスマス,ジョン・フレデリッチ アメリカ合衆国カリフォルニア州92037, ラ・ホーラ,シュガーマン・ドライブ 8239 (72)発明者 パールマン,ジェイ・エス アメリカ合衆国カリフォルニア州90274, ランチョ・パロス・ヴェルデ,ラ・ヴィ スタ・ヴェルデ 26 (72)発明者 ボイヤー,ケイス アメリカ合衆国ニューメキシコ州87544, ラス・アラモス,サーティフィフス・ス トリート 2511 (72)発明者 パンショー,フランソワ カナダ国 ジー1エツチ・アイアール 9,チャールズブルグ,リユー・エスト 355 68イ (72)発明者 ホフマン,ギュンター・エイ アメリカ合衆国カリフォルニア州92109, サン・ディエゴ,リヴィエラ・ドライブ ナンバー6 3750 (56)参考文献 特開 昭59−111761(JP,A) 特開 昭56−161054(JP,A) 実開 昭60−92535(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 3/26 A61L 2/08 B65B 55/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.腐敗しやすい食品の表面を滅菌して、微生物の表面
    増殖によって生じる品質低下に関して改良された品質保
    持性を有する保存処理食品を調製するための方法であっ
    て、 処理すべき固形食品を調製し、そして該固形食品の表面
    に高強色多食非干渉性光の少なくとも1パルスを照射す
    ることから成り; ここで、該パルスは持続時間が約0.001〜約100ミリ秒で
    あり、食品の表面におけるエネルギー密度が約0.01〜約
    50ジュール/cm2の範囲にあり、そして該パルスエネルギ
    ーの少なくとも約70%が約170〜約2600nmの波長範囲に
    分布する波長分布を有するものであり;また該パルスの
    パルス間隔は、該食品の表面の表層に該パルスの吸収に
    よって発生、蓄積せしめられた熱が該表層から散逸する
    には十分長いが、複数の該パルスが累積効果を持つべく
    十分短い間隔である、 上記の方法。 2.パルスが約0.001〜約5ミリ秒の持続時間、約0.5〜
    約20ジュール/cm2の食品表面におけるエネルギー密度、
    およびパルスエネルギーの少なくとも約60%が約300〜
    約2500nmの波長範囲に分布する波長分布を有するもので
    あり、そして食品の表層が少なくとも1回のパルスによ
    り少なくとも100℃の温度に加熱される、請求の範囲第
    1項に記載の方法。 3.エネルギー密度が約2〜約20ジュール/cm2であり、
    パルス持続時間が約0.1〜約1ミリ秒であり、第1パル
    スおよび少なくとも1回の後続パルスが、それらの個々
    のエネルギーの少なくとも約10%が約300〜約400nmの波
    長範囲に分布するエネルギー波長分布を有し、第1およ
    び後続の該パルスが食品の表面において微生物数を少な
    くとも1/10に減少させる、請求の範囲第1項に記載の方
    法。 4.食品が固形酪農製品、牛肉、豚肉、鳥肉、野菜、果
    実、鮮魚およびベーカリー製品よりなる群から選ばれ
    る、請求の範囲第1項に記載の方法。 5.食品の表面に、約10秒以下のパルス間隔でそれぞれ
    分離されている約5〜約20回のパルスを照射する、請求
    の範囲第1項に記載の方法。 6.固形食品を透明なパッケージ内にシールする工程を
    さらに含み、次いでこの透明なパッケージを通して該固
    形食品の表面に第1および後続の光パルスを照射する、
    請求の範囲第1項に記載の方法。 7.第1および後続の光パルスの回数が、パルス光照射
    の10秒後に食品の表面温度を約100℃以下に維持するよ
    うに制限される、請求の範囲第1項に記載の方法。 8.食品が、光パルスが適用される前に、吸光増強剤と
    接触せしめられる、請求の範囲第1項に記載の方法。 9.食品の無菌包装法にして、次の: シールされた食品容器の内面の少なくとも一部を形成す
    べく予定された食品接触面を有する無菌包装材料を供給
    し; 該食品接触面に、約0.001〜約100ミリ秒の持続時間、約
    0.01〜約50ジュール/cm2の食品接触面におけるエネルギ
    ー密度、およびパルスエネルギーの少なくとも約70%が
    約170〜約2600nmの波長範囲に分布する波長分布を有す
    る、複数の、高強度多色非干渉性光の少なくとも1パル
    スを適用して滅菌された食品接触面を調製し; 包装されるべき滅菌済み食品を供給し; 該滅菌済み食品を、微生物が該食品および該滅菌済み食
    品接触面と接触するのを排除した状態で、該滅菌済み食
    品接触面と接触させ;そして 該滅菌済み包装材料をシールしてシールされた無菌包装
    食品を調製する; 工程からなる、上記の方法。 10.光パルスが、それらのエネルギーの少なくとも約
    10%が約170〜約300nmの波長範囲にあるエネルギー分布
    を有するものである、請求の範囲第9項に記載の方法。 11.無菌包装材料が予備成形された食品容器であり、
    該食品容器がこれに無菌のふたを施し、そしてシールす
    ることによりシールされる、請求の範囲第9項に記載の
    方法。 12.無菌包装材料がそれを縦シールすることによりチ
    ューブ状に成形される軟質包装材料であり、シールされ
    た無菌包装食品が該縦シールフィルムチューブを横シー
    ルすることにより形成される、請求の範囲第9項に記載
    の方法。 13.無菌包装材料が、光パルスが適用される前に、吸
    光増強剤と接触せしめられる、請求の範囲第9項に記載
    の方法。 14.食品接触面におけるパルスのエネルギー密度が約
    0.01〜約15ジュール/cm2である、請求の範囲第10項に記
    載の方法。 15.光パルスがそれぞれ約0.5〜約3ミリ秒の持続時
    間を有する、請求の範囲第9項に記載の方法。 16.食品の無菌包装装置にして、次の: 包装されるべき滅菌済み食品を供給するための手段; 無菌包装材料の食品接触面に、約0.001〜約100ミリ秒の
    持続時間、約0.01〜約50ジュール/cm2の食品接触面にお
    けるエネルギー密度、およびパルスエネルギーの少なく
    とも約70%が約170〜約2600nmの波長範囲に分布する波
    長分布を有する、複数の、高強度多色非干渉性光の少な
    くとも1パルスを施すためのパルス光照射手段; 無菌包装材料を該パルス光照射手段へ輸送するための手
    段; 包装されるべき滅菌済み食品を調製するための滅菌手
    段; 滅菌済み食品を該滅菌手段から、該輸送手段および該パ
    ルス光照射手段の操作により、微生物が該食品または該
    滅菌済み食品接触面と接触するのを排除した状態で供給
    される滅菌済み包装材料表面へ導入するための手段;お
    よび 該滅菌済み包装材料をシールして、シールされた食品容
    器を調製するための手段; からなる上記の装置。 17.包装材料または食品の表面の微生物を不活化する
    方法にして、滅菌されるべき包装材料または食品の表面
    を供給し; 該表面に、少なくとも約10%の入射光が該表面の厚さ10
    ミクロンの表層内に吸収されるのに十分な量の吸光増強
    剤を施し;そして 該表面に高強度多色非干渉性光の少なくとも1パルスを
    照射する工程から成り; ここで、該パルスは持続時間が約0.001〜約100ミリ秒で
    あり、該表面におけるエネルギー密度が約0.01〜約50ジ
    ュール/cm2の範囲にあり、そしてパルスエネルギーの少
    なくとも約70%が約170〜約2600nmの波長範囲に分布す
    るエネルギー分布を有するものである、 上記の方法。 18.吸光増強剤が天然の食品着色剤である、請求の範
    囲第17項に記載の方法。 19.吸光増強剤が食用色素であり、包装材料または食
    品の表面に複数の少なくとも2パルスを照射し、ここで
    該パルスの持続時間は約0.01〜約100ミリ秒であり、各
    パルスのエネルギー密度は少なくとも約1ジュール/cm2
    (表面)であり、かつ各パルスのエネルギーの少なくと
    も約70%は約170〜約2600nmの波長範囲に分布してい
    る、請求の範囲第17項に記載の方法。 20.持続時間が約0.001〜約100ミリ秒であり、エネル
    ギー密度が約0.01〜約50ジュール/cm2であり、そしてパ
    ルスエネルギーの少なくとも約70%が約170〜約2600nm
    の波長範囲にある波長分布を有する、高強度多色非干渉
    性光のパルスを用いて、固体、液体または気体の表面
    上、表面近辺領域内または容積の大部分内に存在する生
    物、微生物またはウイルスの数を減少させる方法。 21.医療用デバイスの無菌包装法にして、次の: シールされた医療用デバイス容器の内面の少なくとも一
    部を形成すべく予定された滅菌済み医療用デバイス接触
    面を有する無菌包装材料を供給し; 該医療用デバイスの全表面に、持続時間が約0.001〜約1
    00ミリ秒であり、医療用デバイス表面におけるエネルギ
    ー密度が約0.01〜約50ジュール/cm2であり、そしてパル
    スエネルギーの少なくとも約70%が約170〜約2600nmの
    波長範囲に分布するエネルギー分布を有する、高強度多
    色非干渉性光の少なくとも1パルスを適用して該全表面
    を滅菌し; 該デバイスを、微生物が該医療用デバイスおよび該滅菌
    済み医療用デバイス接触面と接触するのを排除した状態
    で、該デバイス接触面と接触させ;そして 該滅菌済み医療用デバイスを内包する該滅菌済み包装材
    料をシールしてシールされた無菌包装医療用デバイス製
    品を調製する; 工程からなる上記の方法。 22.滅菌済み包装材料表面を、医療用デバイス接触面
    全体に、持続時間が約0.001〜約100ミリ秒であり、そし
    て該接触面におけるエネルギー密度が約0.01〜約50ジュ
    ール/cm2である、高強度多色非干渉性光の少なくとも1
    パルスを適用することにより調製する、請求の範囲第21
    項に記載の方法。 23.複数のパルスを医療用デバイス表面および医療用
    デバイス接触面に適用し、これら複数のパルスのうち少
    なくとも1パルスは該医療用デバイス接触面および該医
    療用デバイスの双方に適用される、請求の範囲第21項に
    記載の方法。 24.光パルスが、それらのエネルギーの少なくとも約
    10%が約200〜約300nmの波長範囲にあるエネルギー分布
    を有するものである、請求の範囲第23項に記載の方法。 25.無菌包装材料が予備成形された医療用容器であ
    り、該容器がこれに無菌のふたまたはカバーシートを施
    し、そしてシールすることによりシールされる、請求の
    範囲第21項に記載の方法。 26.無菌包装材料が該包装材料を縦シールすることに
    よりチューブ状に成形される軟質包装材料であり、シー
    ルされた無菌包装医療用デバイス容器が該縦シールフィ
    ルムチューブを横シールすることにより形成される、請
    求の範囲第21項に記載の方法。 27.無菌包装材料または医療用デバイスが、光パルス
    が適用される前に、吸光増強剤と接触せしめられる、請
    求の範囲第21項に記載の方法。 28.処理されるべき流体を供給し、該流体をパルス光
    処理帯域に導通し、該パルス光処理帯域内の流体に、持
    続時間が約0.001〜約100ミリ秒であり、エネルギー密度
    が約0.01〜約50ジュール/cm2であり、そしてパルスエネ
    ルギーの少なくとも約70%が約170〜約2600nmの波長範
    囲に分布する波長分布を有する、高強度多色非干渉性光
    の少なくとも1パルスを照射することよりなる、迅速か
    つ効率的な流体滅菌法。 29.エネルギー密度がパルス光処理帯域内の流体の容
    積全体に供給される、請求の範囲第28項に記載の方法。 30.流体が空気である、請求の範囲第28項に記載の方
    法。 31.流体がその少なくとも約99重量%が水からなるも
    のである、請求の範囲第28項に記載の方法。 32.パルス光処理帯域が少なくとも1個のフラッシュ
    ランプを取り囲んでいる、請求の範囲第28項に記載の方
    法。 33.光パルスを流体処理帯域内に投射する、請求の範
    囲第28項に記載の方法。 34.微生物又は表面を不活化するための装置系にし
    て、次の: 広いスペクトルの多色光の高強度、短持続時間のパルス
    を出すフラッシュランプにして、該光パルスの強度が該
    表面において0.01〜50ジュール/cm2であり、該光パルス
    の持続時間が0.001〜100ミリ秒であり、そして該スペク
    トルが170〜2600nmの波長を含んでいる該フラッシュラ
    ンプ; 該フラッシュランプを少なくとも部分的に包囲してい
    る、該フラッシュランプから該表面に向かって発せられ
    る光の少なくとも一部を、該表面が露出される1回のフ
    ラッシュ当たりの線束量を増加させるように指向させる
    反射性キャビティー;及び 該フラッシュランプにパルス電圧を印加するためのパル
    ス回路; を含んで成る、上記の装置系。 35.反射性キャビティーが、少なくとも一部は、表面
    の反射性部分から成る、請求の範囲第34項に記載の装置
    系。 36.反射性キャビティーが、少なくとも一部は、多層
    包装材料の反射性層から成る、請求の範囲第35項に記載
    の装置系。 37.反射性キャビティーが包装材料のチューブから成
    る、請求の範囲第36項に記載の装置系。 38.表面が医療用デバイスの表面から成り、該医療用
    デバイスが170〜2600nmの波長を有する光を少なくとも
    部分的に透過するシールされたパッケージに内包されて
    いる、請求の範囲第34項に記載の装置系。 39.製品を170〜2600nmの波長を有する光を少なくと
    も部分的に透過するパッケージ内に密閉し;そして該パ
    ッケージに広いスペクトルの多色光の高強度、短持続時
    間のパルスを照射することから成る微生物の不活化法に
    して、該光パルスの強度がパッケージにおいて0.01〜50
    ジュール/cm2であり、該光パルスの持続時間が0.001〜1
    00ミリ秒であり、そして該スペクトルが170〜2600nmの
    波長を含んでいる、上記の微生物の不活化法。 40.密閉が医療用デバイスをパッケージ内に密閉する
    ことを含む、請求の範囲第39項に記載の方法。
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