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JP2752459B2 - 多層容器及び多層包装体 - Google Patents

多層容器及び多層包装体

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JP2752459B2
JP2752459B2 JP25146189A JP25146189A JP2752459B2 JP 2752459 B2 JP2752459 B2 JP 2752459B2 JP 25146189 A JP25146189 A JP 25146189A JP 25146189 A JP25146189 A JP 25146189A JP 2752459 B2 JP2752459 B2 JP 2752459B2
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、ガスバリアー性、保香性、耐有機溶剤性及
びフレーバー非吸着性に優れた、エチレン−酢酸ビニル
共重合体鹸化物の組成物層を最内層とし、該最内層同士
が直接接触し、熱封緘される用に構成された多層容器、
及び多層包装体に関する。
B.従来の技術 従来、エチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化物(以下EV
OHと略称する)はその優れたガスバリアー性により広く
使用されてはいるが、包装材料の中間層か最外層に使用
される場合が多い。その主たる理由は、EVOHを最内層と
して使うには熱封緘性が低密度ポリエチレン等の様に十
分ではなく、高速製袋性に欠けるか、高温シールが必要
な為、外層フィルムの熱変形を伴い外観を損じて商品イ
メージを著しく低下せしめる為と、熱封緘強度が低密度
ポリエチレン程には大きくない事であった。従って最外
層としては二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ナイロ
ン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、あるいは二
軸延伸EVOH等のフィルムが、中間層としては二軸延伸あ
るいは無延伸のEVOH等のフィルムが、又最内層としては
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
直鎖状低密度ポリエチレン、あるいは無延伸ポリプロピ
レン等のフィルムが採用されていた。用途によっては上
記フィルムを蓋材とし、最外層に無延伸ナイロン、無延
伸ポリスチレン、無延伸ポリ塩化ビニル、あるいは無延
伸ポリプロピレン等のフィルムないしはシートを、中間
層としては無延伸EVOH等のフィルムを、又最内層として
は低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、直鎖状低密度ポリエチレン、無延伸ポリ塩化ビニ
ル、無延伸ポリスチレン、あるいは無延伸ポリプロピレ
ン等のフィルムないしはシートを複合し、深絞り成型さ
れた容器を底材とする多層包装材料が採用されていた。
しかしながらこれ等多層包装材料では、ガスバリアー性
は、優れてはいるものの高価であり、安価な一般包装材
料としては使い辛いという欠点があった。従ってガスバ
リアー性の良好なEVOHに熱封緘性を付与し最内層として
使用可能にする事は、包装材料のコスト低下の点からも
重要であり非常に切望されている。
特公昭61−58307には、最内層にエチレン含量25〜60
モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度96%以上のEVOH層およ
び最外層に、該最内層同士を圧力0.5kg/cm2、時間2秒
の条件下で熱封緘した時に300g/15mmの剥離強度のでる
接着温度より10℃以上高い熱変形温度を有する熱可塑性
樹脂層を設けた積層フィルムからなり、かつ該最内層同
士を熱封緘してなる包装材料について述べられている。
しかしEVOHの融点が高い場合、外層に用いるフィルムの
選択の自由度が小さくなるという欠点を有しており、低
温での熱封緘性の改善が望まれていた。
特開昭56−86949には、2種以上のエチレン含有量20
〜55モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度80モル%以上のEV
OHよりなる組成物で、差動走査熱量計による融解曲線が
事実上単一ピークを示す溶融混練樹脂組成物について述
べられている。しかし上記特開昭には、溶融成形性の改
善に関する記述はあるが、最内層使用や熱封緘性に関す
る記述はない。
特開昭60−161447には、(A1)エチレン含有量20〜60
モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度95モル%以上、極限粘
度0.6〜1.5dl/gのEVOHと、(A2)エチレン含有量70〜90
モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度90モル%以上、190℃
における荷重2160gでの溶融指数2〜50g/10分のEVOHと
の混合物からなり、その混合重量比が(A1)/(A2)=
98/2〜60/40、かつ全混合物中のエチレン含有量が28〜6
0モル%である樹脂組成物が、低温ヒートシール性を顕
著に改善する事について述べられている。しかし後述す
る比較例5にも示す様に、(A2)のエチレン含有量が多
い為に、組成物のフレーバー非吸着性が悪化する。更に
(A2)は溶融指数の小さいものが工業的に得にくく、エ
チレン含有量の差が大きい為に組成物の相溶性が悪化す
るという欠点を有している。
更に同特開昭の対照例4には、(A1)エチレン含有量
26モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4モル%、極限粘
度0.80dl/gのEVOHと、(A2)エチレン含有量48モル%、
酢酸ビニル成分の鹸化度98.3モル%、溶融指数45g/10分
からなり、その混合重量比が(A1)/(A2)=50/50、
かつ全混合物中のエチレン含有量が37モル%である樹脂
組成物について述べられているが、(A1)の極限粘度が
小さい為、後述する比較例7にも示す様に熱成形性が十
分でない。
特開昭60−173038には、ビニルアルコール含有量が40
乃至80モル%で残存ビニルエステル含有量が4モル%以
下のEVOHが複数の共重合体組成物であり、差動走査熱量
計による融解曲線が複数個の吸熱ピークを示す溶融混練
樹脂組成物について述べられている。しかし上記特開昭
には、高湿条件下でのガスバリアー性の改善や、中間層
使用に関する記述はあるが、熱封緘性に関する記述はな
い。
特開昭63−230757には、エチレン含有量20〜60モル%
及び25〜49モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度が共に96モ
ル%以上の異なる二種のEVOHからなる組成物について述
べられている。しかし上記特開昭には、加熱高速延伸性
の改善に関する記述はあるが、最内層使用や熱封緘性に
関する記述はない。
特開昭63−264656には、エチレン含有量45〜60モル%
及び25〜40モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度が共に96モ
ル%以上の異なる二種のEVOHからなる組成物で、差動走
査熱量計による融解曲線が複数の吸熱ピークを示す樹脂
組成物について述べられている。しかし上記特開昭に
は、やはり加熱高速延伸性の改善に関する記述はある
が、最内層使用や熱封緘性に関する記述はない。
以上述べてきた様に、ガスバリアー性が良好で、かつ
低温での熱封緘性が改善された、しかも熱成形性に優れ
たEVOHの開発は、包装業界において重要な課題の一つで
ある。
C.発明が解決しようとする課題 本発明は、ガスバリアー性、保香性、耐有機溶剤性及
びフレーバー非吸着性が優れ、又熱成形性にも優れ、更
に又低温での熱封緘性も良好なEVOHを最内層とし、該最
内層同士が直接接触し、熱封緘される様に構成された多
層容器及び該多層容器に内容物を充填し、熱封緘してな
る多層包装体を得んとするものである。
D.課題を解決する為の手段 本発明は、上記問題点の認識の元に鋭意研究を重ねた
結果、下記式を満足する二種のEVOHからなる組成物層を
最内層とし、該最内層同士が直接接触し、熱封緘される
様に構成された多層容器が、ガスバリヤー性、保香性、
耐有機溶剤性及びフレーバー非吸着性が優れ、又熱成形
性にも優れ、更に又低温での熱封緘性も良好である事を
見出だし、本発明を完成するに至った。
0.05≦MIt≦20 6≦MIa2−M1a1 MIa1≦10 25≦ETt、ETa1、ETa2≦60 ETa1≦Eta2 96≦DSt 50≦WTa1≦95 式中、MIt、MIa1及びMIa2は、温度190℃、荷重2160g
条件下での(この条件では値が小さすぎて測定できない
場合には、温度210℃、荷重2160g条件下での値を1/2.3
倍したもの)、組成物(t)及びそれを構成するEVOH
(a1)、(a2)メルトインデックス(g/10分)を又ET
t、ETa1、及びETa2は、組成物(t)及びそれを構成す
るEVOH(a1)、(a2)のエチレン含有量(モル%)を、
又DStは、組成物(t)を構成するEVOH(a1)及び(a
2)の酢酸ビニル成分の平均鹸化度(モル%)を、WTa1
は、EVOH(a1)と(a2)の重量に対する(a1)の重量の
割合(重量%)を表す。
以下、本発明を更に詳しく説明する。本発明におい
て、MItは0.05〜20である事が重要であり、好ましく
は、0.3〜17である。MItが0.05未満では熱不溶分が増加
し、ゲル、ブツ等が増加し外観が悪化し、MItが20を越
えると熱溶融成形性が悪化する。つまり単層製膜時には
樹脂の溶融張力が小さく膜切れが発生しやすく、共押出
し製膜時には溶融粘度不整合により、スジ・木目文様の
発生等で外観が悪化する。
又MIa2−MIa1は、6以上である事が重要であり、好ま
しくは12〜60である。MIa1−MIa2が6未満では、熱封緘
時の温度と圧力でEVOH(a2)が流動し難く低温での熱封
緘性の改善が十分でない。
又MIa1は、10以下である事が重要であり、好ましくは
0.2〜10である。MIa1が、10を越えると熱封緘強度が小
さくなり、又熱封緘強度のばらつきが発生しやすくな
り、又熱成形性も悪くなる。
更にEVOH(a1)と(a2)からなる組成物(t)の平均
エチレン含有量(ETt)は25〜60モル%、好ましくは35
〜50モル%である。平均エチレン含有量が25モル%未満
では、熱溶融成形性が悪化し、ゲル、ブツ等が増加し外
観が悪化する。一方60モル%を越えると、EVOHの特性で
あるガスバリアー性、保香性、耐有機溶剤性、フレーバ
ー非吸着性等が低下する。
又EVOH(a1)のエチレン含有量(ETa1)は25〜60モル
%、好ましくは25〜50モル%である。更にEVOH(a2)の
エチレン含有量(ETa2)も25〜60モル%、好ましくは35
〜60モル%である。
更に組成物(t)の酢酸ビニル成分の平均鹸化度は96
モル%以上、好ましく99モル%以上である。酢酸ビニル
成分の平均鹸化度が96モル%未満では、ガスバリアー
性、保香性、耐有機溶剤性及びフレーバー非吸着性が低
下するばかりでなく、溶融成形時の熱安定性も低下す
る。更に成形物に酢酸基に由来する臭気が発生し、それ
が包装内容物に移行し商品価値を失ってしまうという欠
点がある。又EVOH(a1)の鹸化度(DSa1)及びEVOH(a
2)の鹸化度(DSa2)も96モル%以上である事が好まし
い。
更にETa2は、ETa1と同等かより大きい事が必要であ
り、4モル%以上である事が好ましい。ETa2がETa1より
小さければ、低温での熱封緘性の改善が十分でない。
更にEVOH(a1)と(a2)の重量に対する(a1)の重量
の割合WTa1は、95〜50重量%である事が重要であり、好
ましくは85〜50重量%である。添加されるEVOH(a2)
が、5重量%未満では低温での熱封緘性の改善が十分で
ない。
本発明において、EVOH(a1)及び(a2)に更にEVOH
(a3)、(a4)……(an)を添加する事は自由である。
この場合EVOH(a3)、(a4)……(an)は(a2)と同
様、(a1)との関係において上記式を満足する事が好ま
しい。
本発明においては、EVOH(a1)として、エチレン含有
量25〜60モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度96モル%以
上、ビニルシラン系化合物含有量0.0005〜0.2モル%のE
VOHが、低温熱封緘性が改良されるのでより好適に用い
られる。
ビニルシラン系化合物とは、下記(I)、(II)及び
(III)で示される、化合物の中から選ばれた1種又は
2種以上の物を好適に用いる事ができる。
[但し、ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級アル
キル基、アリル基、又はアリル基を有する低級アルキル
基、R2はアルコキシル基、R3は水素又はメチル基、R4
水素又は低級アルキル基、R5はアルキレン基又は連鎖炭
素原子が酸素もしくは窒素によって相互に結合された2
価の有機残基、R6は水素、ハロゲン、低級アルキル基、
アリル基、又はアリル基を有する低級アルキル基、R7
アルコキシル基又はアシロキシル基であり、該アルコキ
シル基又はアシロキシル基は酸素もしくは窒素を含有す
る置換基を有していても良い。R8は水素、ハロゲン、低
級アルキル基、アリル基、又はアリル基を有する低級ア
ルキル基、R9は低級アルキル基である。]更に詳しく述
べれば、R1は炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6
〜18のアリル基、又は炭素数6〜18のアリル基を有する
炭素数1〜5の低級アルキル基、R2は炭素数1〜40の飽
和分岐又は非分岐のアルコキシル基であり、該アルコキ
シル基は酸素を含有する置換基を有していても良い。R4
は水素又は炭素数1〜5の低級アルキル基、R5は炭素数
1〜5のアルキレン基又は連鎖炭素原子が酸素もしくは
窒素によって相互に結合された2価の有機残基、R6は水
素、ハロゲン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数
6〜18のアリル基、又は炭素数6〜18のアリル基を有す
る炭素数1〜5の低級アルキル基、R8は水素、ハロゲ
ン、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数6〜18のア
リル基、又は炭素数6〜18のアリル基を有する炭素数1
〜5の低級アルキル基、R9は炭素数1〜5の低級アルキ
ル基である。
(I)で表されるビニルシラン系化合物としては、経
済的にみてビニルトリメトキシシランが好ましい。(I
I)で表わされるビニルシラン系化合物としては、経済
的にみて3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメト
キシシラン及び3−(メタ)アクリルアミドプロピルト
リアセトキシシランが好ましく、又酸又は塩基に対する
安定性の点で2−(メタ)アクリルアミド−2−メチル
プロピルトリメトキシシラン及び2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロピルトリアセトキシシランが好
ましい。(III)で表されるビニルシラン系化合物とし
ては、経済的にみてビニルトリアセトキシシランが好ま
しい。
上述したビニルシラン系化合物含有量は0.0005〜0.2
モル%、好ましくは、0.007〜0.03モル%である。ビニ
ルシラン系化合物含有量が0.0005〜0.2モル%の範囲に
おいて熱封緘強度が更に改善される。
エチレン及び酢酸ビニルとの共重合、又はビニルシラ
ン系化合物と、エチレン及び酢酸ビニルとの共重合、及
び生成した共重合体の鹸化は、公知の方法、例えば特開
昭60−144304に示されている様な方法で実施可能であ
る。又該共重合体は、最内層用途の特性に影響を及ぼさ
ない範囲で他の第3成分を共重合しても良い。該第3成
分としては、炭素数3以上のα−オレフィン、アクリル
酸、メタクリル酸及びこれらの酸のエステル等が挙げら
れる。
本発明に使用する組成物(t)はEVOH(a1)及び(a
2)、更には必要に応じ、(a3)、(a4)……(an)の
夫々の前駆体であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を先
ずブレンドするか、多槽式の重合槽を用い、EVOH(a1)
及び(a2)、更には必要に応じ、(a3)、(a4)……
(an)の夫々の前駆体であるエチレン−酢酸ビニル共重
合体が得られる様に重合するかし、その後鹸化する事に
よって得られる。又はEVOH(a1)及び(a2)、更には必
要に応じ、(a3)、(a4)……(an)をドライブレンド
し、一軸又は二軸スクリュー押出機で溶融混練する事に
よって得る事もできる。この時最内層用途の特性に影響
を及ぼさない範囲でゲル化防止の為に、ハイドロタルサ
イト系化合物やヒンダードフェノール系化合物を添加し
ても良い。
又熱溶融成形性を改善する為に、最内層用途の特性に
影響を及ぼさない範囲で酸、塩基及びそれ等の塩をEVOH
に添加しても良い。酸、塩基やそれ等の塩としては、酢
酸、硼酸、燐酸、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウ
ム、硼酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシウム、
燐酸水素カルシウム、燐酸一水素二カリウム、燐酸二水
素一カリウム等が挙げられる。更に成形物の滑り性改善
の為に、酸化珪素や酸化アルミニウム等をEVOHに添加し
ても良い。更に最内層用途の特性に影響を及ぼさない範
囲でナイロン及びポリオレフィン等他のポリマーや、充
填剤、帯電防止剤等を添加しても良い。
本発明にかかるEVOHを最内層として使用する為の複合
方法としては、本発明にかかるEVOHフィルムと他のフィ
ルム(例えばポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、高密
度ポリエチレンあるいは本発明にかかるEVOH以外のEVOH
等)とをドライラミネートする方法、本発明にかかるEV
OHフィルムと上記の他のフィルムとをポリサンドラミネ
ートする方法、本発明にかかるEVOHフィルムと紙とをウ
ェットラミネートする方法、上記の他のフィルムに本発
明にかかるEVOHを押出しコーティングする方法、上記の
他のフィルムに本発明にかかるEVOHとカルボン酸グラフ
ト変性ポリオレフィン樹脂等の接着性樹脂とを共押出し
コーティングする方法、本発明にかかるEVOHと他の樹脂
(例えばナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、あるいは
ポリスチレン等)とを共押出しラミネートする方法、及
び得られた共押出しフィルムを更に他のフィルムとドラ
イラミネートやポリサンドラミネート等が挙げられる。
更に上記により得られた積層フィルムを蓋材とし、又別
途上記により得られた積層フィルム又はシートを深絞り
成形して底材として用いても良い。この様に本発明によ
りガスバリアー性、保香性、耐有機溶剤性及びフレーバ
ー非吸着性が良好で、かつ低温での熱封緘性が改善され
た、しかも熱成形性が優れたEVOH組成物層を最内層と
し、該最内層同士が直線接触し、熱封緘される様に構成
された多層容器を得ることができる。
又この層容器に、食品、特に液状食品、化粧品、香
料、農薬、洗剤等の各種内容物を充填し、熱封緘する事
により、保存性の高い多層包装体を得る事ができる。
以下実施例により、本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はこれによってなんら限定を受けるものでは
ない。
E.実施例 実施例1 エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 8g/10分のEVOH(a1)80重量%と、エ
チレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4モ
ル%、MIa2 35g/10分のEVOH(a2)20重量%とを二軸ス
クリューの押出し機を用いペレット化し、エチレン含有
量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モル%、MIt1
1g/10分のEVOHを得た。
このEVOHより30μのフィルムを得、シトラスミックス
フレーバーを水で500倍に希釈した液に浸漬し、1週間
後フィルムを水洗しフィルムに付着した香気を調べた
が、香気成分の吸着は認められず、良好なフレーバーバ
リアー性を保持していた。なお同様なテストを低密度ポ
リエチレンフィルムで行うと、わずか1時間の浸漬でも
香気成分の吸着は、明瞭に認められる。
12μの二軸延伸ポリエステル(東レ(株)製ルミラー
P11)にポリエステル系の接着剤(武田薬品工業
(株)製A−385/A−50)を固形分として3g/m2塗布し、
溶剤を蒸発させた後、それに上記EVOHの30μのフィルム
を貼合わせて複合フィルムを得た。
この複合フィルムをヒートシーラーを用い、圧力0.5k
g/cm2、温度145℃、時間2秒でEVOH面同士を熱封緘し
た。熱封緘強度を測定したところ2.1kg/15mmであり、し
かも収縮もなく外観は良好であった。酸素ガスバリアー
性は、20℃,85%(相対湿度)において4ml/m2・日・気
圧と優れていた。結果を表1に示す。
比較例1 エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 8g/10分のEVOH(a1)80重量%と、エ
チレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モ
ル%、MIa2 33g/10分のEVOH(a2)20重量%に変更した
以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量44モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99.5モル%、MIt11g/10分であった。
この複合フィルムは、表1に示す様に低温熱封緘性が
実施例1に比べ非常に劣っていた。
比較例2 エチレン、酢酸ビニル、及びビニルトリメトキシシラ
ンの共重合体を鹸化して得た、シラン含有量0.025モル
%、エチレン含有量70モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度
99モル%、MIa1 3g/10分のEVOH(a1)70重量%と、エチ
レン、酢酸ビニル、及びビニルトリメトキシシランの共
重合体を鹸化して得た、シラン含有量0.01モル%、エチ
レン含有量70モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99モル
%、MIa2 15g/10分のEVOH(a2)30重量%に変更した以
外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量70モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99モル%、MItは4.8g/10分であった。
この複合フィルムは、表1に示す様にガス透過量が実
施例1に比べ非常に劣っており、酸化されやすい食品を
保存するには不適である。
実施例2 エチレン含有量38モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.6g/10分のEVOH(a1)60重量%と、
エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4
モル%、MIa2 35g/10分のEVOH(a2)40重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量42モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは5.5g/10分であった。
この複合フィルムは、表1に示すように熱封緘強度と
酸素ガスバリアー性に優れていた。
比較例3 エチレン含有量38モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.6g/10分のEVOH(a1)97重量%と、
エチレン含有量47モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4
モル%、MIa2 35g/10分のEVOH(a2)3重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量38モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは1.7g/10分であった。
この複合フィルムは、表1に示す様に低温熱封緘性が
実施例2に比べ非常に劣っていた。
実施例3 エチレン、酢酸ビニル、及びビニルトリメトキシシラ
ンの共重合体を鹸化して得た、シラン含有量0.01モル
%、エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度
99.5モル%、MIa1 1.4g/10分のEVOH(a1)60重量%と、
エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5
モル%、MIa2 25g/10分のEVOH(a2)40重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量37モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは4.5g/10分であった。
この複合フィルムは、表2に示すように熱封緘強度と
酸素ガスバリアー性に優れていた。
実施例4 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.4g/10分のEVOH(a1)60重量%と、
エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5
モル%、MIa2 25g/10分のEVOH(a2)40重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量37モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは4.5g/10分であった。
この複合フィルムは、表2に示すように熱封緘強度と
酸素ガスバリアー性に優れていた。
比較例4 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.4g/10分のEVOH(a1)20重量%と、
エチレン含有量44モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5
モル%、MIa2 25g/10分のEVOH(a2)80重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量42モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは14g/10分であった。
この複合フィルムは、表2に示す様に低温熱封緘性が
実施例4に比べ非常に劣っていた。
比較例5 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.4g/10分のEVOH(a1)60重量%と、
エチレン含有量85モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99モ
ル%、MIa2 43g/10分のEVOH(a2)40重量%に変更した
以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量53モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99.4モル%、MItは6g/10分であった。
この複合フィルムは、表2に示す様に低温熱封緘性が
実施例4に比べ非常に劣っているた。更に単層フィルム
を、シトラスミックスフレーバーを水で500倍に希釈し
た液に浸漬し、1日後にフィルムを水洗しフィルムに付
着した香気を調べたら、香気成分の吸着が明瞭に認めら
れ、1週間以上も香気成分の吸着が認められなかった実
施例1に比べ非常に劣っているた。
比較例6 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度91
モル%、MIa1 1.6g/10分のEVOH(a1)60重量%と、エチ
レン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.5モル
%、MIa2 15g/10分のEVOH(a2)40重量%に変更した以
外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量32モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度94.4モル%、MItは3.5g/10分であった。
この複合フィルムは、表2に示す様に酸素ガス透過量
が課題でなるばかりでなく、袋内にポリマーが分解して
発生した臭気が激しくこもり、包装材料として使用に耐
えない物であった。
実施例5 エチレン含有量26モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.4モル%、MIa1 1.6g/10分のEVOH(a1)50重量%と、
エチレン含有量48モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4
モル%、MIa2 16g/10分のEVOH(a2)50重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量37モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.4モル%、MItは5g/10分であった。
この複合フィルムは、表3に示す様に熱封緘強度と酸
素ガスバリアー性に優れていた。
比較例7 エチレン含有量26モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 13g/10分のEVOH(a1)50重量%と、エ
チレン含有量48モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度98.3モ
ル%、MIa2 45g/10分のEVOH(a2)50重量%に変更した
以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量37モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99モル%、MItは24g/10分であった。
この複合フィルムは、表3に示す様に低温熱封緘性が
実施例5に比べ非常に劣っているだけでなく、熱封緘強
度のデータのばらつきが、実施例5の±0.3kgに比べ±
0.6kgと大きくなり、再現性においても劣っていた。更
に単層フィルムの製膜時、膜切れが発生しやすかった。
実施例6 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.5モル%、MIa1 1.4g/10分のEVOH(a1)80重量%と、
エチレン含有量48モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.4
モル%、MIa2 14g/10分のEVOH(a2)20重量%に変更し
た以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを
得た。なおこの物はエチレン含有量35モル%、酢酸ビニ
ル成分の鹸化度99.5モル%、MItは2.2g/10分であった。
この複合フィルムは、表3に示す様に熱封緘強度と酸
素ガスバリアー性に優れていた。
比較例8 エチレン含有量32モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度9
9.3モル%、MIa1 10g/10分のEVOH(a1)80重量%と、エ
チレン含有量48モル%、酢酸ビニル成分の鹸化度99.3モ
ル%、MIa2 14g/10分のEVOH(a2)20重量%に変更した
以外は実施例1に準じて行い、同様な複合フィルムを得
た。なおこの物はエチレン含有量35モル%、酢酸ビニル
成分の鹸化度99.3モル%、MItは11g/10分であった。
この複合フィルムは、表3に示す様に低温熱封緘性が
実施例6に比べ非常に劣っていた。
F.発明の効果 本発明の二種の多層容器は、ガスバリアー性、保香
性、耐有機溶剤性、フレーバー非吸着性に優れ、又熱成
形性にも優れ、更に又低温での熱封緘性も良好である。
又該容器に内容物を充填し、熱封緘して得た多層包装体
は保存性が高い。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式を満足する二種のエチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体鹸化物からなる組成物層を最内層とし、該
    最内層同士が直接接触し、熱封緘される様に構成された
    多層容器。 0.05≦MIt≦20 6≦MIa2−M1a1 MIa1≦10 25≦ETt、ETa1、ETa2≦60 ETa1≦ETa2 96≦DSt 50≦WTa1≦95 式中、MIt、MIa1及びMIa2は、温度190℃、荷重2160g条
    件下での組成物(t)及びそれを構成するエチレン−酢
    酸ビニル共重合体鹸化物(a1)、(a2)のメルトインデ
    ックス(g/10分)を、又ETt,ETa1及びETa2は、組成物
    (t)及びそれを構成するエチレン−酢酸ビニル共重合
    体鹸化物(a1)及び(a2)のエチレン含有量(モル%)
    を、又DStは、組成物(t)を構成するエチレン−酢酸
    ビニル共重合体鹸化物(a1)及び(a2)の酢酸ビニル成
    分の平均鹸化度(モル%)を、WTa1は、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体鹸化物(a1)と(a2)の重量に対する
    (a1)の重量の割合(重量%)を表す。
  2. 【請求項2】主たるエチレン−酢酸ビニル共重合体鹸化
    物(a1)が、エチレン含有量25〜60モル%、酢酸ビニル
    成分の鹸化度96モル%以上、ビニルシラン系化合物含有
    量0.0005〜0.2モル%である、請求項1記載の多層容
    器。
  3. 【請求項3】組成物が、該組成物を構成する各エチレン
    −酢酸ビニル共重合体鹸化物(a1)及び(a2)の夫々の
    全駆体であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を先ずブレ
    ンドし、その後鹸化して得られたエチレン−酢酸ビニル
    共重合体鹸化物組成物である、請求項1〜2のいずれか
    1つの項に記載の多層容器。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の
    多層容器に内容物を充填し、熱封緘してなる多層包装
    体。
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