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JP2745755B2 - 高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金 - Google Patents

高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金

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JP2745755B2
JP2745755B2 JP2026657A JP2665790A JP2745755B2 JP 2745755 B2 JP2745755 B2 JP 2745755B2 JP 2026657 A JP2026657 A JP 2026657A JP 2665790 A JP2665790 A JP 2665790A JP 2745755 B2 JP2745755 B2 JP 2745755B2
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copper
based sintered
sintered alloy
alloy
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英俊 阿久津
利雄 寺岡
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金
に関するものであり、特に内燃機関のバルブガイドまた
はターボチャージャーの軸受用銅基焼結合金に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来、内燃機関用各種機械部品を製造するための部材
として、重量%で、Cu−28%Zn−6%Alの代表組成を有
する銅基溶製合金または焼結合金が用いられていた。ま
た、酸化物粉末の分散した銅基焼結合金も知られている
が、この合金の素地中に分散している酸化物は、平均粒
径:20μm以上(20〜70μm)の粗粒酸化物であった。
〔発明が解決しようとする課題〕
最近の内燃機関は、高出力にともない、燃焼室内の温
度は従来よりも一層高温となっており、従って、燃焼室
近傍に一部露出している摺動部材、例えばバルブガイド
も従来よりも一層高温に曝らされている。かかる摺動部
材は高温になるほど耐摩耗性および耐焼付き性が低くな
り、また、内燃機関の燃焼室内の温度と外部の温度との
間に著しい差が生じ、内燃機関の燃焼室の内部から外部
にかけて取付けられている摺動部材、例えばバルブガイ
ドも燃焼室近傍特に排気孔に露出している部分は従来よ
り一層高温に曝らされ、燃焼室近傍のバルブガイドの径
は熱膨脹により従来よりも一層拡大し、そのため、バル
ブガイドとバルブの間に隙間が生じ、それによって、 (a)エンジンオイルが燃焼室に入込み、排ガス規制に
定められる基準を満たさなくなる、 (b)バルブガイドの機能が十分に作用せず、作動中に
バルブが振動し、バルブの機能が低下する、などの問題
も生じていた。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは、上述のような問題を解決する
ためには、常温および高温において耐摩耗性および耐焼
付き性にすぐれかつ熱伝導性にすぐれた材料をバルブガ
イドの材料として用いることにより解決できるとの認識
のもとに研究を行った結果、 Zn:5〜25重量%、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の
Cu合金素地中に、平均粒径:2〜10μmを有する酸化物が
1〜15容量%均一に分散しかつ空孔が6〜15容量%分布
した組織を有する銅基焼結合金は、熱伝導性にすぐれか
つ高温で耐焼付き性および耐摩耗性にすぐれており、こ
の銅基焼結合金を内燃機関のバルブガイドとして用いた
場合、バルブガイドの熱伝導性がすぐれているために内
燃機関の燃焼室近傍で高温に加熱されても、燃焼室近傍
に露出しているバルブガイド部分の熱は外部に逃げて高
温とはならず、そのためにバルブガイドの径が熱膨脹に
より拡大することなく、上記(a)および(b)に示さ
れるバルブガイドとしての機能低下がなく、長期にわた
りすぐれた効果を発揮するという知見を得たのである。
この発明は、かかる知見にもとづいてなされたもので
あって、この発明の銅基焼結合金は、上記組成を有する
素地中に、平均粒径:2〜10μmの範囲内の酸化物が1〜
15容量%均一に分散しかつ空孔が6〜15容量%分布した
組織を有する高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金に
特徴を有するものである。
上記酸化物は、Al酸化物、Si酸化物、Zr酸化物、Cr酸
化物、およびW酸化物の内の一種または二種以上を含む
ことが必要である。
つぎに、この発明のバルブガイド用銅基焼結合金の酸
化物および空孔を上記のごとく限定した理由について説
明する。
(a) Zn Znは、Cuとともに素地を形成し、合金の強度および靭
性を向上させる作用があり、さらに酸素と結合して酸化
物を形成し、高温での耐焼付き性並びに常温および高温
での耐摩耗性を改善する作用を有するが、5重量%未満
ではその効果がなく、一方、35重量%を越えて含有する
と、熱伝導度が低下するとともに高温下での耐焼付き性
が低下するようになる。
したがって、Znの含有量は、5〜35重量%に定めた。
(b) 空 孔 空孔は、摺動面に分布し、特に高温下での耐焼付き性
を改善する作用を有するが、6容量%未満ではその効果
が得られず、一方、15容量%より多く分布すると強度が
低下するのみならず、熱伝導度が低下することにより逆
に耐熱性が悪くなり、高温下での耐焼付き性が低下し、
また耐摩耗性も低下するので好ましくない。
したがって、空孔の分布量は、6〜15容量%に定め
た。
(c) 酸化物 酸化物はこの発明の銅基焼結合金素地中に均一に分散
して、常温および高温での耐摩耗性を向上させ、耐熱性
の改善によって高温下での耐摩耗性を向上させる作用が
あるが、平均粒径:2μm未満および1容量%未満では効
果がなく、一方、その平均粒径が10μmを越えて粗大化
するか、15容量%を越えると、合金の強度および靭性が
低下するほか、相手攻撃性を増すので好ましくない。し
たがって、酸化物は、平均粒径:2〜10μmでかつその合
計を1〜15容量%に定めた。この発明の銅基焼結合金素
地中に均一に分散している酸化物は、Al酸化物、Si酸化
物、Zr酸化物、Cr酸化物、およびW酸化物の内の一種ま
たは二種以上であることが必要である。
なお、この発明の銅基焼結合金は、不可避不純物とし
てP,Mg,SnおよびPbを含有する場合があるが、その含有
量が合計で1.5%以下であれば、合金特性が何等損なわ
れるものでないので、その含有量を許容できる。
この発明のZn:5〜35重量%を含有し、残りがCuおよび
不可避不純物からなる組成のCu合金素地中に、平均粒
径:2〜10μmを有する酸化物が1〜15容量%均一に分散
しかつ空孔が6〜15容量%分布した組織を有する銅基焼
結合金を製造するには、予め水アトマイズにより酸化物
がCu−Zn合金中に分散したCu−Zn合金粉末を原料粉末と
して用いる。この原料粉末は、素地中に微細酸化物が強
固に結合している。また、上記素地中に微細酸化物が強
固に結合しているCu−Zn合金粉末を通常のCu−Znアトマ
イズ粉末に混合した混合粉末を使用してもよい。しか
し、通常のCu−Znアトマイズ粉末に平均粒径:10μm以
下の酸化物粉末を添加し混合し、得られた混合粉末をプ
レス成形して圧粉体とし、この圧粉体を焼結してもこの
発明の銅基焼結合金は得られない。通常のCu−Znアトマ
イズ粉末に平均粒径:10μm以下の酸化物粉末を添加し
混合すると、酸化物粉末が微粉末であるために、均一に
混合することは難しく、この混合粉末をプレス成形して
焼結しても酸化物粉末は空孔内に凝集するかまたは空孔
に接触して不均一に存在しており、脱落しやすく耐摩耗
性および相手攻撃性に問題が生じるのみでなく、偏析し
やすいという欠点が生じるからである。
そのため、従来の銅基焼結合金の素地中に分散した酸
化物は、平均粒径が20μm以上であった。
〔実施例〕
つぎに、この発明の銅基焼結合金を実施例により具体
的に説明する。
先ず、酸化物が均一に分散してなるCu−Zn母合金を作
製し、このCu−Zn母合金を水アトマイズすることにより
上記Cu−Zn母合金とほぼ同一組成の原料粉末を作製し、
これら原料粉末を5〜7ton/cm2の範囲内の所定の圧力で
圧粉体にプレス成形し、露点:0℃〜−30℃の水素ガス
中、800〜950℃の範囲内の所定の温度で1時間保持の条
件で焼結し、ついで空孔量をコントロールするために、
必要に応じて300〜600℃の範囲内の所定の温度に1分間
保持後、再加圧を行うことにより、第1表に示される成
分組成、空孔量および酸化物平均粒径を有する本発明Cu
基焼結合金1〜30および比較Cu基焼結合金1〜10を作製
した。
さらに、通常のCu−Zn合金アトマイズ粉末に平均粒
径:5μmbのAl酸化物、Si酸化物、Zr酸化物、Cr酸化物、
およびW酸化物を配合し、混合し、プレス成形して圧粉
体とし、この圧粉体を焼結して比較Cu基焼結合金11〜15
を作製した。
上記比較Cu基焼結合金1〜15は、いずれも構成成分の
うちのいずれかの成分含有量、酸化物平均粒径、空孔含
有量または製造方法がこの発明の範囲から外れたもの
(第1表において*印を付して示した)である。
このようにして作製された本発明Cu基焼結合金1〜30
および比較Cu基焼結合金1〜15を用いて、直径:1.5mmの
ピン、および外径:14mm、内径:7mm、長さ:40mmの寸法を
有するパイプを作製し、その熱伝導性を評価するために
電気伝導度を測定し、その結果を第1表に示すととも
に、上記ピンおよびパイプを用いて、下記の摩耗試験を
行った。
摩耗試験 I 相手材としてクロムメッキしたSUH材製ディスクを用
意し、上記ディスクの裏側よりバーナーにてディスクを
520℃に加熱しながら周速:1.8m/secで回転せしめ、一
方、上記直径:1.5mmのピンを押付荷重:5kgで上記ディス
クに押付付け、エンジンオイルを滴下しながら摺動距
離:10kmを摺動せしめ、トルクメーターにより発生トル
クの変化から焼付き発生の有無の確認をし、さらにピン
の異常摩耗の有無の確認をし、これらの結果を第1表に
示した。
摩耗試験 II 相手材としてSUH材をタフトライド処理した直径:6.9m
m、長さ:60mmの丸棒を用意した。
上記相手材である丸棒を上記試料であるパイプ孔に挿
入し、相手材である丸棒の片端部をバーナーで加熱しつ
つ片端部雰囲気温度を500℃とし、パイプ内面に相手材
である丸棒を押付荷重:4kgで押付け、7.5W−40のオイル
を滴下しながら、軸方向に上記丸棒をストローク:10m
m、3000回/分で1時間、摩耗試験を行い、摩耗量の測
定、焼付きの有無、および相手材表面状態を観察し、そ
れらの結果を第1表に示した。
なお、相手材表面状態については、全くキズが見られ
なかったものに○、一部 焼付きによるキズが見られたものに△、摩耗キズが表面
に見られたものに×を付して区別した。
〔発明の効果〕
第1表に示される結果から、本発明Cu基焼結合金1〜
30は、いずれも従来Cu基溶製合金に比べて、熱伝導性に
すぐれ、さらに一段とすぐれた高温下での耐摩耗性およ
び耐焼付き性をもち、また比較Cu基焼結合金1〜15に見
られるように、構成成分、酸化物平均粒径、空孔および
製造方法のうちいずれかでもこの発明の範囲または条件
から外れると、熱伝導性、高温下での耐摩耗性、耐焼付
き性もしくは相手攻撃性、のうち少なくともいずれかの
性質が劣ったものとなることが明らかである。
上述のように、この発明のCu基焼結合金は、熱伝導
性、高温下での耐摩耗性、耐焼付き性もしくは相手攻撃
性をともに有するので、高出力化に伴う高温度にさらさ
れる内燃機関の構造部材とくにバルブガイド部材として
用いても、燃焼室近傍のバルブガイドの温度が上昇する
ことなく、したがって、バルブガイドの径が拡大せず、
エンジンオイルのリークもなく、高出力内燃機関の構造
部材とくにバルブガイドとして十分に対応することがで
き、実用に際しては、すぐれた性能を長期にわたって発
揮することにより工業上すぐれた効果をもたらすもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−55346(JP,A) 特開 昭61−149449(JP,A) 特開 平1−252745(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zn:5〜35重量%、 を含有し、残りがCuおよび不可避不純物からなる組成の
    Cu合金素地中に、 平均粒径:2〜10μmを有する酸化物:1〜15容量%が均一
    に分散しかつ空孔が6〜15容量%分布した組織を有する
    ことを特徴とする高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合
    金。
  2. 【請求項2】上記酸化物は、Al酸化物、Si酸化物、Zr酸
    化物、Cr酸化物、およびW酸化物の内の一種または二種
    以上を含み、かつそれらの酸化物の合計が1〜15容量%
    であることを特徴とする請求項1記載の高温で耐摩耗性
    にすぐれた銅基焼結合金。
JP2026657A 1990-02-06 1990-02-06 高温で耐摩耗性にすぐれた銅基焼結合金 Expired - Lifetime JP2745755B2 (ja)

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JPH0832937B2 (ja) * 1987-08-25 1996-03-29 三菱マテリアル株式会社 高強度および高靭性を有する耐摩耗性Cu合金
JP2605791B2 (ja) * 1988-03-31 1997-04-30 三菱マテリアル株式会社 Cu系焼結合金製変速機同期リング

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