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JP2744750B2 - アルミニウム及びアルミニウム合金材料の抵抗溶接用インサート材料 - Google Patents

アルミニウム及びアルミニウム合金材料の抵抗溶接用インサート材料

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JP2744750B2
JP2744750B2 JP5160319A JP16031993A JP2744750B2 JP 2744750 B2 JP2744750 B2 JP 2744750B2 JP 5160319 A JP5160319 A JP 5160319A JP 16031993 A JP16031993 A JP 16031993A JP 2744750 B2 JP2744750 B2 JP 2744750B2
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富晴 沖田
正則 尾崎
尚夫 折茂
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗溶接において圧延
鋼板と比べて電極寿命の劣るアルミニウム及びアルミニ
ウム合金を被溶接材料とする場合に、電極寿命を圧延鋼
板の場合と同等に改善すると共に電極の圧痕を目立たな
くするインサート材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の圧延鋼板を用いた自動車等の大量
生産における組立工程の接合方法として、抵抗スポット
溶接方法が多く用いられていたが、その理由としては、
非常に能率的な溶接方法で、大量生産に適しているこ
と、および一度溶接条件を設定すると全く素人の人で
も、またロボットでも容易に溶接でき、安定した溶接ナ
ゲットや継手強度が得られるからである。従来の抵抗ス
ポット溶接方法は、被溶接材料を重ねて、上電極、下電
極で加圧、通電してナゲットを形成して接合する。従来
の圧延鋼板のみに限らず、アルミニウム及びその合金や
複合材料を抵抗スポット溶接する場合においても、電極
材料としてJIS Z 3234-1977 「抵抗溶接用銅
合金電極材料」の第1種、または第2種を用い、電極形
状は、JIS C 9304-1986 「スポット溶接用電
極の形状及び寸法」で定める形状のものを用いることが
一般的である。電極材料としてこれらの材料が使用され
る理由としては、被溶接材料より熱電導や電導率が高い
ので接触部で電極と被溶接材料が接合しにくいので連続
して溶接できるためである。
【0003】しかし実際には、被溶接材料の種類によっ
て、連続して所定の強度やナゲット径等の要求性能を確
保して溶接できる溶接点数(電極寿命)が異なってい
る。溶接する前に電極の先端を所定の形状に切削した
り、所定の表面粗度に磨いたりして整えるが、そのこと
をドレッシングと称する。1回のドレッシングで連続し
て所定の要求性能を有した溶接部が得られる打点数をそ
の電極の電極寿命と言うがその判定方法として次のよう
なものがある。 ナゲット径、または引張せん断強さが規定の値以下に
なるまでの連続打点数。 電極先端に、電極と被溶接材料との合金層ができて、
それが溶接部に転写されて外観が損なわれる現象をピッ
クアップと称するが、これが発生開始する前までの連続
打点数。 電極が被溶接材料に溶着してとれなくなる現象が起こ
る前までの連続打点数等である。 そして通常の電極寿命の判定は、上記の+または
++の判定方法が行われている。そこで++
の判定方法により従来の圧延鋼板を用いた自動車の組み
立てラインにおける抵抗スポット溶接の電極寿命を示す
と、10000点以上であると言われている。このよう
に、圧延鋼板の抵抗スポット溶接では非常に長い電極寿
命である。一方アルミニウム及びアルミニウム合金の抵
抗スポット溶接の電極寿命は30〜100点と言われて
いるが、の評価をしない+の場合は200〜10
00点である。
【0004】上記のごとくアルミニウム合金の抵抗スポ
ット溶接における電極寿命は圧延鋼板より非常に劣るた
め、その改善方法が従来から検討がなされている。例え
ば、特開昭61−159288号には、アルミニウムま
たはアルミニウム合金同志を電気抵抗溶接するにあた
り、電極と被溶接材料間に電極より高電気伝導性のイン
サート材(箔状介在物、純銅使用)を介装して溶接する
方法がある。これは、かなり過剰な入熱で溶接しても、
溶込みが板の表面まで到らず、表面割れを発生すること
なくアルミニウム合金同士を溶接する方法であり、電極
寿命をある程度改善する効果も有ると考えられる。
【0005】ところで、アルミニウムやアルミニウム合
金を抵抗溶接するにあたり、電極と被溶接材料の間に銅
及び銅合金(但し、Cu−Zn合金を除く)の箔を用い
た場合は、アルミニウムとの親和性が良く、加圧、溶接
する200℃付近において拡散接合し易い。このため導
電性があり、かつアルミニウムより溶融点が高いのにも
かかわらず抵抗溶接のインサート材料(介在物)として
は不向きであることがわかった。一方、省エネルギーの
見地から自動車の軽量化が望まれ、軽く強度の高いアル
ミニウム及びアルミニウム合金が自動車用材料として注
目されてきた。しかし、前述したようにアルミニウム及
びアルミニウム合金の抵抗溶接は、従来の圧延鋼板に比
較して著しく電極寿命が短く、電極のドレッシングが頻
繁になり、自動車等の大量生産においてはこれがネック
になり問題であった。また、電極先端が消耗して凹凸が
発生すると電極の圧痕跡が被溶接物に醜く残り、外観が
重視される箇所では問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
について検討の結果なされたもので、アルミニウム及び
アルミニウム合金の抵抗溶接にあたり、電極寿命を著し
く向上させると共に、電極の圧痕跡も目立たないインサ
ート材料を開発したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はZn3〜60
%、残部CuからなるCu−Zn合金を、厚さ0.02
〜1mmの箔状板としてなるアルミニウム及びアルミニ
ウム合金材料の抵抗溶接用インサート材料を請求項1と
し、Cu板の表面にZn3〜60重量のCu−Zn合金
の拡散層を設け、厚さ0.02〜1mmの箔状板として
なるアルミニウム及びアルミニウム合金材料の抵抗溶接
用インサート用材料を請求項2とするものである。
【0008】
【作用】すなわち本発明は、インサート材料について鋭
意研究した結果、Zn3〜60重量%を含有し、残部C
uと不可避不純物からなる合金で、厚さ0.02〜1m
mの箔状板のもの、及びZn3〜60重量%のCu−Z
n合金を板の表面に拡散させた銅板で、厚さ0.02〜
1mmの箔状板のインサート材料を、上下電極と被溶接
材料の接触する箇所に介在させて溶接を行うと、前記C
u等のインサート材料より、電極やアルミニウム及びア
ルミニウム合金と親和性が無く、従って電極寿命が長
く、しかも電極、被溶接物への溶着が無く、テープ状に
して連続供給が可能であると共に、溶接部の外観、内部
品質も良好な溶接が可能なことを見出したものである。
しかして上記のZnは3重量%未満ではインサート材料
と被溶接物で溶着が発生し、60重量%を越えると電極
と溶着し易くなる。そのためZnは3〜60重量%とす
る。インサート材料の厚さは0.02mm未満では溶接
時に溶着し易く、連続溶接を阻害し、1mmを越えると
インサート材料による電流のロスや冷却効果が過大すぎ
て溶接ナゲットの形成を阻害して強度が低下すると共
に、テープ状にして連続供給をする場合に不具合が起こ
りやすい。故にインサート材料の厚さは0.02〜1m
mとする。また、本発明のインサート材料は、Cu−Z
n合金の拡散層として設けても同様の効果がある。Cu
−Zn合金の拡散層を設ける方法としては、Cu板の表
面にZnまたはCu−Zn合金を通常の電気メッキ、真
空蒸着等により行い、これを加熱し、拡散することによ
り容易に形成することができる。この拡散層の深さは、
インサート材料の厚さの1/2〜1/200程度が好ま
しい。また、Zn拡散はCu板の両面に行うことが電極
寿命や圧痕を目立たなくするために必要であるが、片面
に行ったものでも、被溶接材であるアルミニウム合金側
にZn拡散した面が当たるように使用するとある程度は
効果が有る。
【0009】インサートー材料は溶接前に適当な大きさ
に切断して被溶接物の溶接箇所に置いておくか、貼りつ
けておき、それを電極で、挟んで溶接し、溶接後取り除
くことによってナゲット径、圧こん表面が健全な溶接部
が得られる。この工程を繰り返すことによって、全ての
ナゲットおよび圧こん表面が健全な溶接部が連続して得
られると共に、電極の消耗が極めて少なく、電極寿命が
飛躍的に向上する。また、インサート材料をリボン状
(テープ状)にしておき、1点又は数点溶接毎に溶接部
に供給することにより、連続打点も可能になり、能率的
に溶接できる。尚、本発明は、アルミニウム及びアルミ
ニウム合金、例えばアルミニウム合金として、Al−S
i系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、Al−Cu
−Mg系、Al−Zn−Mg−Cu系等の合金材料の抵
抗溶接に適用できる。そして、この溶接に用いる溶接機
は、従来用いられている単相交流式抵抗溶接機、単相整
流式抵抗溶接機、三相低周波抵抗溶接機、三相整流式抵
抗溶接機、コンデンサー式抵抗溶接機、インバータ抵抗
溶接機等のいずれでも良い。また、インサート材料は自
動的に連続供給することもできる。
【0010】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の実施例
について具体的に説明する。 (実施例1)図1は本発明の実施例1を示す模式図であ
る。上電極5および下電極6はJIS Z3234の2
種に相当するクロム銅の16mmφを使用し、電極先端
形状は、DR形で、先端6mmφをR=40mmとし
た。電極には、冷却用の9mmφの穴7、8があけら
れ、導管9、10を通って水11、12を4l(リット
ル)/分の流量で流し、電極を冷却した。被溶接材料
3、4はAl−Mg系合金である5182−0材、1m
m厚さの材料であり、上電極5と被溶接材料3の間、お
よび下電極6と被溶接材料4との間に、本発明請求項1
のインサート材料1、2、比較インサート材、及び従来
の銅箔のインサート材を挟み、単相交流溶接機溶接機を
用いて、溶接電流23000A、電極加圧力2940
N、通電時間5サイクルの溶接条件で溶接した。なお、
被溶接材料は入荷したままの表面状態とし、試験片の寸
法は30×200mmとし、これを2枚重ねて30mm
ピッチで5点溶接した。インサート材料は被溶接材料と
同じ寸法に切断して電極と被溶接物の間に挟んで溶接し
た。各試験毎に新電極と交換して、連続15000点溶
接した。
【0011】ナゲット径の大きさは、図3のピール試験
治具18に被溶接材料3の一端を挟み、まるめながらひ
きはがして、ナゲット13をノギスで長径および短径を
測定し、次の式で計算して求めた。 ナゲット径=(長径+短径)/2 (mm) 電極寿命の限界ナゲット径は、JIS Z 3140
のA級の最小ナゲット径の4mmとした。また、溶接の
評価方法としては下記のようにして行った。 *評価方法 の方法:ナゲット径が4mmφ未満の時の打点数 の方法:電極、材料とインサート材が溶着、又は電極
とインサート又はインサートと被溶接材料が溶着の時の
打点数 の方法:ピックアップが発生し、外観不良の時の打点
数 **総合判定(++、又は+の評価で) ◎ 電極寿命が15000点以上 ▲ 電極寿命が10000点以上15000点未満 × 電極寿命が10000点未満 これらの結果を表1に示した。
【0012】
【表 1】
【0013】表1より明らかなように本発明例No.1〜N
o.9のものは、いずれのものも15000点溶接でき
て、インサート材料の被溶接物や電極への溶着がなくし
かも全てのナゲット径は4mm以上であった。即ち、電
極寿命は15000点(以上)であった。この時の電極
先端状態を感圧紙を用いて調べたが、溶接開始前と15
000点溶接後で、電極先端の形状はほとんど変わって
いなかった。これに対し、比較例のNo,10 、No12はイン
サート材料の厚さが薄く、No11、No,13 は厚く、No,1
4、No15はZn量が少なく、No,16 、No17は多いため、
被溶接材料と溶着したり、ナゲット径が4mm以下にな
ったりして電極寿命は10000点に至らなかった。
又、従来例のNo,18 、No19のCu単体では2500〜6
500点であり、No,20 の箔状介在物を使用しないで溶
接したものの電極寿命は785点であった。(ナゲット
径が規格以下になった) また、その時の電極先端形状は33点目ですでに上下電
極とも中心部が凹形になっており、外観的には不良であ
った。上記のごとく、本発明によれば、比較例、従来例
の2〜20倍以上の電極寿命が得られた。
【0014】(実施例2)図2は本発明の実施例2を示
す模式図である。上電極および下電極6はJISZ32
34の2種に相当するクロム−ジルコニウム−銅合金の
16mmφを使用し、電極先端形状は、R形で、R=2
0mmとした。電極には、冷却用の9mmφの穴7、8
があけられ、導管9、10を通って水11、12を4l
(リットル)/分の流量で流し、電極を冷却した。被溶
接材料3、4はAl−Mg系合金である5052−0
材、1mm厚さの材料であり、上電極5と被溶接材料3
の間、および下電極6と被溶接材料4との間に本発明請
求項2のインサート材料用1、2を挟み単相整流式抵抗
溶接機を用いて、溶接電流25000A、電極加圧力2
940N、通電時間5サイクルの溶接条件で溶接した。
なお、被溶接材料は入荷したままの表面状態とし、試験
片の寸法は30×200mmとし、これを2枚重ねて3
0mmピッチで5点溶接した。インサート材料は16m
m幅のテープ状にし、送りリール14、15と巻き取り
リール16、17により電極と被溶接材料の間に自動供
給して溶接した。電極は各材料毎に溶接開始前に#10
00のエメリーペーパーでドレッシングした。そして連
続15000点溶接した。溶接した試験片の評価は実施
例1と同じである。比較例としては、本発明材料から外
れた成分や厚さのもの8種類を用いて上記と同様に溶接
した。また、従来方法として、Cu単体金属箔を用いた
場合と、箔状介在物を用いないで同一条件で溶接した場
合について電極寿命を調べた。この結果を表2に示す。
【0015】
【表 2】
【0016】表2より明らかなように本発明例のNo,1〜
No,9は、いずれのものも15000点溶接できて、全て
のナゲット径は4mm以上であり、外観も良好であっ
た。即ち、電極寿命は15000点(以上)であった。
この時の電極先端状態を感圧紙を用いて調べたが、溶接
開始前と52000点溶接後で、電極先端の形状はほと
んど変わっていなかった。これに対し、比較例のNo,10
とNo,12 はインサート材料の拡散相の深さと厚さが小さ
く、No,11 とNo,13 は深さが小さく、厚さが大きいた
め、またNo,14 とNo,1はZn量が少なく、深さが小さい
ため、さらにNo,16 とNo,17 はZn量が多く、深さが小
さいため、いずれも電極寿命が10000未満であっ
た。また、従来例のNo,18 とNo,19 のCu単体のものは
1300〜5200点であった。さらにNo,20 の箔状介
在物を使用しないで溶接したものの電極寿命は501点
であった。(ナゲット径が規格以下になった。) その時の電極先端形状は15点目ですでに上下電極とも
中心部が凹径になっており、圧痕の外観が不良であっ
た。
【0017】
【発明の効果】以上に説明したように本発明のインサー
ト材料は、アルミニウム及びアルミニウム合金材料の抵
抗溶接する際に、十分なナゲット径と良好な圧こん表面
が、電極、被溶接材料への溶着なしに、連続して150
00点以上得られ、圧延鋼板の溶接と同等の電極が得ら
れるもので、特に自動車のアルミ化の最大のネックとさ
れていた抵抗溶接の改善に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる抵抗溶接状況を示す
模式図。
【図2】本発明の実施例2に係わる抵抗溶接状況を示す
模式図。
【図3】本発明の実施例におけるピール試験状況を示す
斜視図。
【符号の説明】
1 上電極側インサート材料 2 下電極側インサート材料 3 上電極側被溶接材料 4 下電極側被溶接材料 5 上電極 6 下電極 7 上電極の冷却穴 8 下電極の冷却穴 9 上電極の冷却水の導管 10 下電極の冷却水の導管 11 上電極の冷却水 12 下電極の冷却水 13 ナゲット 14 上電極側送りリール 15 下電極側送りリール 16 上電極側巻き取りリール 17 下電極側巻き取りリール 18 ピール試験治具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 折茂 尚夫 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−228642(JP,A) 特開 平4−322886(JP,A) 特開 昭61−42496(JP,A) 特開 平5−318136(JP,A) 特開 昭61−159288(JP,A) 特開 平4−356371(JP,A) 実開 平5−53782(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn3〜60重量%、残部Cuからなる
    Cu−Zn合金を、厚さ0.02〜1mmの箔状板とし
    てなるアルミニウム及びアルミニウム合金材料の抵抗溶
    接用インサート材料。
  2. 【請求項2】 Cu板の表面にZn3〜60重量%のC
    u−Zn合金の拡散層を設け、厚さ0.02〜1mmの
    箔状板としてなるアルミニウム及びアルミニウム合金材
    料の抵抗溶接用インサート材料。
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