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JP2637617B2 - 超電導材料の製造方法 - Google Patents

超電導材料の製造方法

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JP2637617B2
JP2637617B2 JP2291460A JP29146090A JP2637617B2 JP 2637617 B2 JP2637617 B2 JP 2637617B2 JP 2291460 A JP2291460 A JP 2291460A JP 29146090 A JP29146090 A JP 29146090A JP 2637617 B2 JP2637617 B2 JP 2637617B2
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superconducting
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superconducting material
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哲幸 兼子
隆博 和田
尚雄 山内
昭二 田中
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Panasonic Holdings Corp
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Sumitomo Electric Industries Ltd
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は100〜125Kという高い超電導転移開始温度(T
c)を有する酸化物超電導材料の製造方法に関するもの
である。
〔従来の技術〕
1986年に30K以上の高い臨界温度を有するLa−Ba−Cu
−O系の超電導酸化物が発見されて以来、酸化物超電導
材料が注目を集めた。1987年には、Y−Ba−Cu−O系の
超電導酸化物の臨界温度が液体窒素温度(77K)よりも
高く、約90Kであることが確認された。また、1988年
に、Ba−Sr−Ca−Cu−O系、及びTl−Ba−Ca−Cu−O系
超電導材料が発見され、臨界温度は100K以上になった。
その後活発な研究が行われ、Tl2Ba2Ca2Cu3O10(Tc:125
K)、TlBa2Ca3Cu4O11(Tc:122K)、Tl0.5Pb0.5Sr2Ca2Cu
3O9(Tc:122K)等の超電導材料が開発された(北沢宏一
・岸尾光二、応用物理、57巻、pp1644〜1665、1988
年)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、従来のTl−Ba−Ca−Cu−O系や、Tl−
Pb−Sr−Ca−Cu−O系の超電導材料は、人体に有害なTl
の含有量が高いとか、焼成によりTlの蒸発が起るため、
超電導材料を再現性良く製造することができないとか、
その製造条件が制約される等の問題点を含むものであっ
た。
本発明は、110〜125Kという高いTcを有する酸化物超
電導材料を再現性良くかつ容易に製造し得る方法を提供
することをその課題とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた
結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、化学組成式 TlxPbyBizSr2Ca2Cu3Or (I) (式中、x,y及びzは、 x+y+z=1 0.3≦x≦0.95 0≦y≦0.5 0.05≦z≦0.4 の式を満たす数を示し、rは約9の数を示す) で表わされる酸化物からなる結晶相を有する超電導材料
を製造する方法において、少なくともTl、Bi、Sr、Ca、
Cu、O及び必要に応じてPbを含み、Tl:Pb:Bi:Sr:Ca:Cu
の原子比がx:y:z:2:2+p:3+qの割合(x,y及びzは前
記と同じ意味を示し、p及びqはそれぞれ0<p≦1.
5、0<q≦1.5の式を満たす数を示す)である混合物を
850〜1000℃で焼成した後、得られた焼成物を300〜900
℃の温度で1時間以上焼鈍することを特徴とする超電導
材料の製造方法が提供される。
本発明における前記化学組成式(I)で表わされる酸
化物からなる結晶相を有する超電導材料において、x,y
及びzの好ましい範囲の数は、0.35≦x≦0.9、0≦y
≦0.45、0.05≦z≦0.2の式を満たす数である。この超
電導材料において、特に、yが0≦y≦0.4の式を満た
す数で、xとzとの比率が4:1であるときに、最も高い
臨界温度を有する酸化物超電導材料を得ることができ
る。
本発明における化学組成式(I)で表わされる酸化物
からなる結晶相を有する超電導材料は、110〜125Kとい
う高いTcを有する上、人体に対して有害なTlの含有率が
小さいという利点を有し、さらに、Biを含むことにより
焼成に際してTlの蒸発が抑制されるので、超電導材料を
再現性よく製造することができる。
本発明の超電導材料の原料化合物としては、タリウム
化合物、鉛化合物、ビスマス化合物、ストロンチウム化
合物、カルシウム化合物及び銅化合物が用いられる。鉛
化合物は、必要に応じ、その使用を省略することができ
る。各原料化合物は、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸
塩等であることができる。
本発明の超電導材料の製造方法は、少なくともTl、B
i、Sr、Ca、Cu及び必要に応じてPbの元素を含む混合物
を形成する工程と、この混合物を焼成し、超電導酸化物
からなる結晶相を形成する工程を含む。混合物の形成方
法としては、原料化合物の全てを一度に均一に混合する
方法や、原料化合物の一部をあらかじめ均一に混合し、
この混合物に残りの原料化合物を添加し、均一に混合す
る方法、原料化合物の一部をあらかじめ混合し、これを
酸素雰囲気中で焼成し、得られた焼成物を粉砕し、この
粉砕物に残りの原料化合物を添加混合する方法等が採用
される。
本発明における化学組成式(I)で表わされる酸化物
からなる結晶相を有する超電導材料を好ましく製造する
には、先ず、前記化学式組成式(I)で表わされる原子
比よりも過剰の割合でカルシウム化合物及び銅化合物を
含む混合物を形成する。即ち、Tl:Pb:Bi:Sr:Ca:Cuの原
子比が、x:y:z:2:2+p:3+qの割合の混合物を得る。こ
の場合、x,y及びzは、x+y+z=1、0.3≦x≦0.9
5、0≦y≦0.5、0.05≦z≦10.4を満たす数であり、p
及びqは、それぞれ0<p≦1.5、0<q≦1.5の式を満
たす数である。
次に、前記混合物を850〜1000℃、好ましくは900〜95
0℃で焼成し、得られた焼成物を300〜900℃で焼鈍す
る。
本発明における化学組成式(I)で表わされる酸化物
からなる結晶相を有する超電導材料をより好ましく製造
する1つの方法によれば、先ず、ビスマス化合物、スト
ロンチウム化合物、カルシウム化合物、銅化合物及び必
要に応じての鉛化合物を、Pb:Bi:Sr:Ca:Cuの原子比がy:
z:2:2+p:3+qの割合になるように混合し、この混合物
を酸素雰囲気中で750〜900℃で焼成し、得られた焼成物
を充分に粉砕し、この粉砕物にタリウム化合物をその原
子比がxの割合になるように加えて充分に混合し、この
混合物を酸素雰囲気中で850〜1000℃、好ましくは900〜
950℃で焼成し、得られた焼成物を300〜900℃で焼鈍す
る。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、110〜125Kという高いTcを有
し、かつ人体に対して有害なTlの含有率が小さい前記化
学式(I)で表わされる結晶相を有する酸化物超電導材
料を再現性よく製造することができる。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例をよりさらに詳細に説明する。
実施例1 試料作製のための出発原料としては、市販の高純度原
料であるTl2O3、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CaO、CuO
を用いた。まず、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOを配
合組成Pb0.2Bi0.16Sr2Ca3Cu4となるよう秤量し、充分混
合する。この混合粉をプレスしたのち酸素雰囲気中850
℃で10時間仮焼した。次に、得られた仮焼体を充分に粉
砕し、それにTl2O3を配合組成Tl0.64Pb0.2Bi0.16Sr2Ca3
Cu4となるよう加えて再び充分混合する。この混合粉を2
mm×2mm×20mmの直方体にプレス成形したのち、金パイ
プに封入し、それを酸素雰囲気中900乃至950℃で20時間
焼結した後、炉中で冷却した。さらにその試料を600℃
で20時間、続いて500℃で20時間、さらに続いて400℃で
20時間、酸素雰囲気下で焼鈍した。この後、試料を炉よ
り取り出し、試料の抵抗−温度特性を通常の4端子法で
測定した。
その結果を第1図に示した。この試料の超電導開始温
度は123Kであり、抵抗率“0"の温度は118Kであった。こ
の試料の直流帯磁率を測定し、その結果を第2図に示
す。この試料は、122Kより反磁性の信号を示し始めた。
第2図に示したように、その反磁性信号の大きさは、5K
において完全反磁性の12%程度であった。
上記したプロセスを用いて作成した試料をCu−Kα線
を線源とするX線回折計で測定した粉末X線回折パター
ンを第3A図に示す。これらのピークは格子定数a=0.38
nm、c=1.5nmを持つ(Tl,Pb,Bi)Sr2Ca2Cu3Owからなる
結晶であることがわかる。ただし、wはほぼ“9"に近い
値である。比較のために同じ製造プロセスでTl0.64Pb
0.2Bi0.16Sr2Ca2Cu3の組成の混合物からなる比較用の試
料を合成した。この抵抗−温度特性を第1図に、直流帯
磁率を第2図に、Cu−Kα線を線源とするX線回折計で
測定した粉末X線回折パターンを第3B図に示した。この
比較例の試料の臨界温度は、約90Kであり、粉末X線回
折パターンから、できている結晶相は、(Tl,Pb,Bi)Sr
2Ca2Cu3Ow相ではなくて、(Tl,Pb,Bi)Sr2CaCu2O7相で
あることがわかる。このことから、(Tl,Pb,Bi)Sr2Ca2
Cu3組成の混合物からは、(Tl,Pb,Bi)Sr2Ca2Cu3O9相が
できにくく、(Tl,Pb,Bi)Sr2CaCu2O7相ができ易いこと
がわかる。
以上のことより、1223相は、Ca、Cuを過剰に入れた配
合組成の混合物から生成されやすいことがわかる。
実施例2 本実施例のプロセスは、以下のとおりである。
(1)出発原料として実施例1と同様に市販の高純度原
料であるTl2O3、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CaO、CuO
を用いた。まず、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOを配
合組成Pb0.2Bi0.16Sr2Ca2Cu3となるように秤量し、充分
混合する。この混合粉をプレスしたのち酸素雰囲気中85
0℃で10時間仮焼した。
(2)得られた仮焼体を充分粉砕し、それにTl2O3を配
合組成Tl0.64Pb0.2Bi0.16Sr2Ca2Cu3となるように加え再
び充分混合する。この混合粉を2mm×2mm×20mmの直方体
にプレス成形したのち、金パイプに封入し、それを酸素
雰囲気中900乃至950℃で20時間焼結した後、炉中で冷却
した。
(3)そして再びこの焼結体を粉砕し、CaOとCuOの粉末
を配合組成Tl0.64Pb0.2Bi0.16Sr2Ca3Cu4となるよう充分
混合する。この混合粉を再びプレス成形したのち、金パ
イプに封入し、それを920℃で10時間酸素雰囲気下にて
焼結した。
(4)炉冷却後、さらにその試料を600℃で20時間、続
いて500℃で20時間、さらに続いて400℃で20時間、酸素
雰囲気下で焼純した。
この後、試料を炉より取り出し、試料の抵抗−温度特
性を通常の4端子法で測定した。
その結果を第1図に示した。この試料の超電導開始温
度は125Kであり、抵抗率“0"の温度は120Kであった。こ
の試料の直流帯磁率を測定した結果を第2図に示す。こ
の試料は、第2図に示したように123Kより反磁性の信号
を示し始めた。反磁性信号の大きさは、5Kにおいて完全
反磁性の20%程度であった。
本実施例2の試料の特性と前記実施例1の試料の特性
を比較すると、本実施例2の試料の方が抵抗率“0"の温
度は2K高い。また直流帯磁率では、反磁性を見せ始める
温度はあまりかわらないが、5Kにおける反磁性信号の大
きさは、本実施例2のほうがほぼ2倍である。
また、本実施例2の酸化物超電導材料は、第3C図のX
線回折パターンのピークからわかるように、前記実施例
1と同様の(Tl,Pb,Bi)Sr2Ca2Cu3Ow相であり、wがほ
ぼ“9"に近い値であることがわかる。
実施例3 実施例2において、CaOとCuOの粉末の混合量を変化さ
せて、配合組成Tl0.64Pb0.2Bi0.16Sr2Ca23pCu33qの混合
物を作り、この混合物を焼成用原料として用いた以外は
同様にして試料を合成した。この試料についても実施例
1、実施例2と同様に抵抗−温度特性、帯磁率−温度特
性等の超帯導特性を評価した。その評価結果を第1表に
示した。この表から、抵抗率“0"の温度が115K以上にな
るp及びqの範囲は、次の通りである。
0<p≦1.5 0<q≦1.5 実施例4 実施例2における焼鈍の効果を調べるため、実施例2
の(3)で得た焼結体試料について各種条件で熱処理し
て得られた各試料の超電導特性を第2表に示した。
実施例5 試料作製のための出発原料としては、市販の高純度原
料であるTl2O3、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CaO、CuO
を用いた。まず、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOを配
合組成Pb0.25Bi0.15Sr2Ca3Cu4となるよう秤量し、充分
混合する。この混合粉をプレスしたのち酸素雰囲気中85
0℃で10時間仮焼した。次に、得られた仮焼体を充分に
粉砕し、それにTl2O3を配合組成Tl0.6Pb0.25Bi0.15Sr2C
a3Cu4となるよう加えて再び充分混合する。この混合粉
を2mm×2mm×20mmの直方体にプレス成形したのち、金パ
イプに封入し、それを酸素雰囲気中900乃至950℃で20時
間焼結した後、炉中で冷却した。さらにその試料を800
℃で20時間、酸素雰囲気下で焼鈍した。この後、試料を
炉より取り出し、試料の抵抗−温度特性を通常の4端子
法で測定した。
その結果を第4図に示した。この試料の超電導開光温
度は125Kであり、抵抗“0"の温度は120Kであった。この
試料の直流帯磁率を測定結果を第5図に示す。この試料
124Kより反磁性の信号を示し始めた。第5図に示したよ
うに反磁性信号の大きさは、5Kにおいて完全反磁性の12
%程度であった。
上記したプロセスを用いて作成した試料をCu−Kα線
を線源とするX線回折計で測定した粉末X線回折パター
ンは、第3A図と同様のものであった。これらのピークは
格子定数a=0.38nm、c=1.5nmを持つ(Tl,Pb,Bi)Sr2
Ca2Cu3Owからなる結晶相であることがわかる。ただし、
wはほぼ“9"に近い値である。比較のために同じ製造プ
ロセスで、Tl0.6Pb0.25bi0.15Sr2Ca2Cu3組成の混合物か
ら比較用の試料を合成した。この抵抗−温度特性を第4
図に、直流帯磁率を第5図に示した。また、この比較用
試料の粉末X線回折パターンは、第3B図と同様のもので
あった。この比較例の試料の臨界温度は、約90Kであ
り、粉末X線回折パターンからできている相は、(Tl,P
b,Bi)Sr2Ca2Cu3Ow相ではなくて、(Tl,Pb,Bi)Sr2CaCu
2O7相であることがわかる。このことから、(Tl,Pb,B
l)Sr2Ca2Cu3組成の混合物からは、(Tl,Pb,Bi)Sr2Ca2
Cu3O3相ができにくく、(Tl,Pb,Bi)Sr2CaCu2O7相がで
き易いことがわかる。
以上のことより、1223相は、Ca、Cuを過剰に入れた配
合組成の混合物から生成されやすいことがわかる。
実施例6 本実施例6のプロセスは、以下のとおりである。
(1)出発原料として実施例5と同様に市販の高純度原
料であるTl2O3、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CaO、CuO
を用いた。まず、PbO、Bi2O3、SrCO3、CaCO3、CuOを配
合組成Pb0.25Bi0.15Sr2Ca2Cu3となるよう秤量し、充分
混合する。この混合粉をプレスしたのち酸素雰囲気中85
0℃で10時間仮焼した。
(2)得られた仮焼体を、充分に粉砕し、それにTl2O3
を、配合組成Tl0.6Pb0.25Bi0.15Sr2Ca2Cu3となるよう加
え再び充分混合する。この混合粉を2mm×2mm×20mmの直
方体にプレス成形したのち、金パイプに封入し、それを
酸素雰囲気気900乃至950℃で20時間焼結した後、炉中で
冷却した。
(3)そして、再びこの焼結体を粉砕し、CaOとCuOの粉
末を、配合組成Tl0.6Pb0.25Bi0.15Sr2Ca3Cu4となるよう
充分混合する。この混合粉を再びプレス成形したのち、
金パイプに封入し、それを920℃で10時間酸素雰囲気下
にて焼結した。
(4)炉冷却後、さらにその試料を800℃で20時間、酸
素雰囲気下で焼鈍した。
この後、試料を炉より取り出し、試料の抵抗−温度特
性を通常の4端子法で測定した。
その結果を第4図に示した。この試料の超電導開始温
度は125Kであり、抵抗“0"の温度は122Kであった。この
試料の直流帯磁率を測定した結果を第5図に示す。この
試料は、第5図に示したように125Kより反磁性の信号を
示し始めた。反磁性信号の大きさは、5Kにおいて完全反
磁性の20%程度であった。
本実施例6の試料の特性と前記実施例5の試料の特性
を比較すると、本実施例6の試料の方が抵抗“0"の温度
は2K高い。また直流帯磁率では、反磁性を見せ始める温
度はあまりかわらないが、5Kにおける反磁性信号の大き
さは、本実施例6のほうがほぼ2倍である。
また、本実施例6の酸化物超電導材料は、そのX線回
折パターンのピークから、前記実施例5と同様の(Tl,P
b,Bi)Sr2Ca2Cu3Ow相であり、wがほぼ“9"に近い値で
あることがわかる。
実施例7 実施例6において、CaOとCuOの粉末の混合量を変化さ
せて、配合組成Tl0.6Pb0.25Bi0.15Sr2Ca2+pCu3+qの混合
物を作り、この混合物を焼成用原料として用いた以外は
同様にして試料を合成した。この試料についても実施例
5、実施例6と同様に抵抗−温度特性、帯磁率−温度特
性等の超帯導特性を評価した。その結果を第3表に示し
た。この表から、抵抗“0"の温度が115K以上のp及びq
の範囲は次の通りである。
0<P≦1.5 0<q≦1.5 実施例8 実施例6における焼鈍の効果を調べるため、実施例6
の(3)で得た焼結体試料について各種条件で熱処理し
て得られた各試料の超電導特性を第4表に示した。
実施例9 出発原料として、純度99%以上のTl2O3、Bi2O3、Pb
O、SrCO3、CaCO3及びCuOの各粉末を用いた。
先ず始めに、SrCO3、CaCO3及びCuOをSr:Ca:Cu=2:3:4
となるように配合し、仮焼して得られた粉末に、Tl
2O3、Bi2O3及びPbOの所定量加えて混合して、第6図に
示した〜の組成の混合物を作り、これを成形の後焼
成して39種の試料を作製した。
即ち、所定の組成となるように秤量されたSrCO3、CaC
O3及びCuOを振動ミルにて直径2mmのZrO2ボールを用い、
エタノール40mlを分散媒として1時間粉砕混合した。混
合終了後、分散媒ごと全量を乾燥機中で120℃で乾燥さ
せた。得られた粉末を860℃で24時間、空気中で仮焼し
た。Tl2O3、Bi2O3、PbOを所定量加えた後、振動ミルに
て前記と同様の方法で30分間粉砕及び混合し、120℃で
乾燥させた。この粉末の0.4gを、15mm×5mmの金型中で5
00kg/cm2の圧力で一軸加圧成形した。この成形体を金箔
で包み、更に石英チューブ中に減圧状態で封込め、電気
炉にて焼成して試料を得た。尚、昇降温速度はいずれの
試料も400℃/hとした。
こうして作製した試料の組成は、(Tl+Bi+Pb)Sr:C
a:Cu=1:2:3:4である。
次に、焼結体試料に銀電極を付けて通常の四端子法に
より、電気抵抗の温度変化を測定電流10mAで300Kから15
Kまで測定し、超電導転移により電気抵抗が急激に低下
し始める電気抵抗低下開始温度(T1)と、抵抗がゼロと
なる電気抵抗消失温度(T2)とを求めた。又、焼結体の
帯磁率の温度変化を測定し、マイスナー効果により帯磁
率が急激に変化し始めるマイスナー効果開始温度(T3)
を求めた。これらの測定結果を次表に示す。
第5表より明らかなように、Biが含まれない場合(N
o.1、4、7、8、10)は焼成時間を長くすると、Tlの
蒸発のため組成が変化し超電導転移温度(T1)は著しく
減少する。しかしBiを加えると、長時間の焼成を行って
もTlの蒸発は抑えられ、高い超電導転移温度(T1)を維
持することができる。長時間の焼成が可能であること
は、最適の焼成条件が広がっただけでなく、均質性を高
める点においても有利になったことを示している。又Pb
でTlを置換した場合も同様に高い超電導転移温度(T1)
が得られ、有害なTlをより少なくすることができる。
これらの焼結体を粉砕しX線回折にかけて分析したと
ころ、化学組成式(Tl1−x−yBixPby)1Sr2Ca3Cu4Oz
で、0.05≦x≦0.55、0≦y≦0.55、x+y≦0.65の範
囲では、2θ=4.6付近に鋭いピークを持つ回折パター
ンがみられた。これは化学式(Tl1−x−yBixPby)1Sr2
Ca3Cu4Ozで表わされる結晶相が生成していると考えられ
る。
透過型電子顕微鏡でX線回折パターンの2θ=4.6付
近のピークに対応する19.2Åの周期構造を有する粒子を
観察し、その部分の組成をX線マイクロアナライザーで
分析したところ、Tl、Bi、Pb、Sr、Ca及びCuの元素が上
記範囲の組成比で存在していることが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1及び2でそれぞれ合成した試料及び
比較に合成した試料についての抵抗−温度特性図であ
る。 第2図は、実施例1及び2でそれぞれ合成した試料及び
比較用に合成した試料についての直流帯磁率−温度特性
図である。 第3A図及び第3C図は、実施例1及び実施例2でそれぞれ
合成した試料の抵抗−温度特性図、第3B図は比較用に合
成した試料の抵抗−温度特性図である。 第4図は、実施例5及び実施例6でそれぞれ合成した試
料及び比較用に合成した試料の抵抗−温度特性図であ
る。 第5図は、実施例5及び実施例6でそれぞれ合成した試
料及び比較用に合成した試料の直流帯磁率−温度特性図
である。 第6図は、実施例9における作製試料のTl、Bi及びPbの
配合組成図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 隆博 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 山内 尚雄 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (72)発明者 田中 昭二 東京都江東区東雲1丁目14番3号 財団 法人国際超電導産業技術研究センター超 電導工学研究所内 (56)参考文献 MRS Bulletin Vol. 14No.1P.45〜48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学組成式 TlxPbyBizSr2Ca2Cu3Or (式中、x,y及びzは、 x+y+z=1 0.3≦x≦0.95 0≦y≦0.5 0.05≦z≦0.4 の式を満たす数を示し、rは約9の数を示す) で表わされる酸化物からなる結晶相を有する超電導材料
    を製造する方法において、少なくともTl、Bi、Sr、Ca、
    Cu、O及び必要に応じてPbを含み、Tl:Pb:Bi:Sr:Ca:Cu
    の原子比がx:y:z:2:2+p:3+qの割合(x,y及びzは前
    記と同じ意味を示し、p及びqはそれぞれ0<p≦1.
    5、0<q≦1.5の式を満たす数を示す)である混合物を
    850〜1000℃で焼成した後、得られた焼成物を300〜900
    ℃の温度で焼鈍することを特徴とする超電導材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】該化学組成式中のx,y及びzが、 x+y+z=1 0.35≦x≦0.9 0≦y≦0.45 0.05≦z≦0.2 の式を満たす数である請求項(1)の超電導材料の製造
    方法。
  3. 【請求項3】該化学組成式中のyが0≦y≦0.4の式を
    満たす数で、xとzとの比が4:1である請求項(2)の
    超電導材料の製造方法。
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MRS Bulletin Vol.14No.1P.45〜48

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