Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2625839B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2625839B2
JP2625839B2 JP6734888A JP6734888A JP2625839B2 JP 2625839 B2 JP2625839 B2 JP 2625839B2 JP 6734888 A JP6734888 A JP 6734888A JP 6734888 A JP6734888 A JP 6734888A JP 2625839 B2 JP2625839 B2 JP 2625839B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic recording
recording medium
carboxylic acid
hydroxyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6734888A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01241020A (ja
Inventor
洋文 近藤
美樹 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6734888A priority Critical patent/JP2625839B2/ja
Publication of JPH01241020A publication Critical patent/JPH01241020A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2625839B2 publication Critical patent/JP2625839B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気テープ,磁気ディスク等の磁気記録媒
体に関するものであり、特に水酸基を持つカルボン酸ア
ミン塩化合物を潤滑剤とする磁気記録媒体に関するもの
である。
〔発明の概要〕
本発明は、非磁性支持体上に磁性層を有してなる磁気
記録媒体において、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化
合物を潤滑剤として使用することにより、各種使用条件
下,特に高温,低湿条件下において動摩擦係数を小さく
することができ、優れた走行安定性、耐摩耗性、耐久性
等を発揮する磁気記録媒体を提供しようとするものであ
る。
〔従来の技術〕
例えば、強磁性金属材料を蒸着等の手法により非磁性
支持体上に被着し、これを磁性層としたいわゆる金属薄
膜型の磁気記録媒体や、非常に微細な磁性粒子と樹脂結
合剤とを含む磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、これ
を磁性層としたいわゆる塗布型の磁気記録媒体では、磁
性層表面の平滑性が極めて良好であるため、磁気ヘッド
やガイドローラー等の摺動部材に対する実質的な接触面
積が大きく、従って摩擦係数が大きくなり凝着現象(い
わゆる貼付き)が起き易く走行性や耐久性に欠ける等問
題点が多い。
そこで、これら問題点を改善するために各種の潤滑剤
を使用することが検討されており、従来より高級脂肪酸
やそのエステル等を上記磁気記録媒体の磁性層に内添し
たり、あるいはトップコートすることにより摩擦係数を
抑えようとする試みがされている。
ところで、磁気記録媒体に使用される潤滑剤には、そ
の性質上非常に厳しい特性が要求され、従来用いられて
いる潤滑剤では対応することが難しいのが現状である。
即ち、磁気記録媒体に使用される潤滑剤には、 特に寒冷地での使用に際しても所定の潤滑効果が確保
されるように低温特性に優れること、 磁気ヘッドとのスペーシングが問題となるので極めて
薄く塗布できること、又その場合にも充分な潤滑性が発
揮されること、 長時間、あるいは長期間の使用に耐え、潤滑効果が持
続すること、 等が要求される。
ところが、従来より使用されていた高級脂肪酸やのそ
エステル等は、0℃以下のような低温条件下では凍結し
て固体化し潤滑剤としての機能が損なわれたり、長期間
の耐久性に欠ける傾向にある。
一方、いわゆる蒸着型磁気記録媒体においては上述の
問題の他、高温,多湿条件下で保存した場合に磁性槽を
構成する金属磁性薄膜が酸化劣化し易く、磁気特性の劣
化を招くという問題がある。
従来、この問題点を解決する方法として、特開昭58−
146028号公報においてカルボン酸アミン塩を磁性層の表
面処理剤として使用し、磁性層上に該表面処理層を皮膜
形成することが提案されている。
この方法では高温,多湿条件における防錆効果には優
れる。しかしながら、いわゆる蒸着型磁気記録媒体うち
例えばハードディスク等の実際の使用条件においては、
駆動装置内に装着されたモータの発熱により高温,低湿
条件下となることが考えられ、このような高温,低湿条
件下では上記カルボン酸アミン塩による表面処理だけで
は潤滑性の点で十分な効果を示さない。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、磁気記録媒体の分野においては、使用
される潤滑剤の能力不足に起因して、走行性、耐摩耗
性、耐久性や耐蝕性等の実用特性に不満を残している。
そこで本発明は、各種使用条件下、特に高温,多湿条
件下において優れた潤滑性が保たれるとともに、長期間
に亘り潤滑効果が持続され、走行性、耐摩耗性、耐久性
等に優れた磁気記録媒体を提供することを目的とするも
のである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上述の目的を達成せんものと鋭意研究
を重ねた結果、水酸基を持つカルボン酸とアミン塩との
合成物がこの目的に適合することを見出し本発明を完成
するに至ったものである。
即ち、本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に少
なくとも磁性層を有してなる磁気記録媒体が 一般式 もしくは (ただし、式中nは1〜3の整数、Rは水酸基を含む炭
化水素基、R1,R2,R3は水素もしくは炭化水素基を表
す。) で示される水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を保
有してなることを特徴とするものである。
本発明の水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物は、
水酸基を持つカルボン酸とアミンとから次式に従って容
易に合成されるものである。
又は、 ここで、水酸基を持つカルボン酸とアミン塩の数n
は、1〜3であることが好ましい。nが4以上では潤滑
剤の取扱い等実用上の問題が生じ、例えば非常に薄く均
一に塗布することが難しくなる。
また、上記式中アミン塩を構成するR1,R2,R3は、いず
れかが水素,もしくは炭化水素基であることが好まし
く、上記炭化水素基は直鎖状であっても分枝状であって
も二重結合を含んでいても芳香環もしくは複素環を含ん
でいてもよい。
さらに、上記炭化水素基Rは、分子中に水酸基を持つ
もので、水酸基の数としては好ましくは1〜3個程度で
ある。ここで、分子中に水酸基を持たせるのは、次のよ
うな理由による。すなわち、例えばハードディスクのよ
うな磁気記録媒体においてはその駆動装置内においてモ
ータが駆動により発熱する。この発熱のため磁気記録媒
体の使用条件は高温,低湿となる。通常磁気記録媒体の
表面には微量の水分が存在し、これが駆動の際の摩擦軽
減の効果に寄与している。しかしながら、モータの駆動
による発熱により極度に低湿条件下となった場合には磁
気記録媒体の表面に存在する微量水分が消失してしま
い、耐久性の劣化を招くことになるのである。そこで、
磁気記録媒体の表面に存在する微量水分の代わりに潤滑
剤を構成する分子の中に水酸基を導入することによって
低湿下での耐久性の向上が図れるのである。
また、この炭化水素基Rは直鎖状、分枝状、二重結合
を含んでいても、芳香環を含んでいてもよい。この炭化
水素基Rは炭素数8以上の炭化水素基であることが好ま
しく、炭素数が8より少ない場合には潤滑効果が不足し
てしまう。
本発明の磁気記録媒体は、上記水酸基を持つカルボン
酸アミン塩化合物を潤滑剤として保有してなるものであ
る。
ここで、本発明が適用される磁気記録媒体としては、
先ず磁性塗料を非磁性支持体表面に塗布することにより
磁性塗膜が磁性層として形成される、いわゆる塗布型の
磁気記録媒体が挙げられる。
塗布型の磁気記録媒体において、非磁性支持体や磁性
塗膜を構成する磁性粉末、樹脂結合剤等は従来公知のも
のがいずれも使用可能で、何等限定されるものではな
い。
例示するならば、非磁性支持体としては、ポリエステ
ル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系
樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリカーボネート
等に代表されるような高分子材料により形成される高分
子支持体や、アルミニウム合金、チタン合金等からなる
金属基板、アルミナガラス等からなるセラミックス基
板、ガラス基板等である。その形状も何等限定されるも
のではなく、テープ状、シート状、ドラム状等、如何な
る形態であってもよい。さらに、この非磁性支持体に
は、その表面性をコントロールするために、微細の凹凸
が形成されるような表面処理が施されたものであっても
よい。
磁性粉末としては、γ−Fe2O3、コバルト被着γ−Fe2
O3等の強磁性酸化鉄系粒子、強磁性二酸化クロム系粒
子、Fe、Co、Ni等の金属やこれらを含んだ合金からなる
強磁性金属系粒子、六角板状の六方晶系フェライト微粒
子等が例示される。
樹脂結合剤としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニ
ルアルコール、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、アクリ
ロニトリル等の重合体、あるいはこれら二種以上を組み
合わせた共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂等が例示される。これら結合剤には、
磁性粉末の分散性を改善するために、カルボン酸基やカ
ルボキシル基、リン酸基等の親水性極性基が導入されて
もよい。
磁性塗膜には、前記の磁性粉末、樹脂結合剤の他、添
加剤として分散剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆剤等が加
えられてもよい。
かかる塗布型の磁気記録媒体に前記水酸基を持つカル
ボン酸アミン塩化合物を保有せしめる方法としては、第
1図に示すように、非磁性支持体(1)上に磁性塗膜と
して形成される磁性層(2)中に内添する方法、第2図
に示すように、磁性層(2)の表面に潤滑剤層(3)を
トップコートする方法、あるいはこれら両者の併用等の
方法がある。
水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を磁性塗膜中
に内添する場合には、樹脂結合剤100重量部に対して0.2
〜20重量部の範囲で添加される。
また、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を磁性
塗膜の表面にトップコートする場合には、その塗布量は
0.5〜100mg/m2であるのが好ましく、1〜20mg/m2である
のがより好ましい。
なお、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物をトッ
プコートする場合にその被着方法としては、当該カルボ
ン酸アミン塩化合物を溶媒に溶解し得られた溶液を塗布
もしくは噴霧するか、あるいは逆にこの溶液中に磁気記
録媒体を浸漬すればよい。
本発明は、さらに磁性塗料を非磁性支持体表面に蒸着
等の手法により磁性塗膜が磁性層として形成される。い
わゆる金属薄膜型の磁気記録媒体にも適用することが可
能である。また、この金属薄膜型の磁気記録媒体におい
ては、非磁性支持体と磁性層との間に下地層を介した構
成の磁気記録媒体に適用することもできる。
この場合にも、適用可能な金属薄膜型の磁気記録媒体
の非磁性支持体、金属磁性薄膜は何等限定されるもので
はなく、従来より知られるものが何れも使用できる。
例示するならば、非磁性支持体としては先の塗布型の
磁気記録媒体と同様のものが使用可能である。この場
合、非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有す
る基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理
等の酸化皮膜やNi−P皮膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。
金属磁性薄膜は、メッキやスパッタリング、真空蒸着
等のPVDの手法により連続膜として形成されるもので、F
e、Co、Ni等の金属やCo−Ni系合金、Co−Pt系合金、Co
−Ni−Pt系合金、Fe−Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Co
−Ni系合金、Fe−Ni−B系合金、Fe−Co−B系合金、Fe
−Co−Ni−B系合金等からなる面内磁化記録金属磁性膜
や、Co−Cr系合金薄膜、Co−O系薄膜等の垂直磁化記録
金属磁性薄膜が例示される。
特に、面内磁化記録金属磁性薄膜の場合、予め非磁性
支持体上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si、Tl等の低
融点非磁性材料の下地膜を形成しておき、金属磁性材料
を垂直方向から蒸着あるいはスパッタし、金属磁性薄膜
中にこれら低融点非磁性材料を拡散せしめ、配向性を解
消して面内等方性を確保するとともに、抗磁力を向上す
るようにしてもよい。
また、前述の如きハードディスクとする場合には、金
属磁性薄膜表面に、カーボン酸、ダイヤモンド状カーボ
ン膜、酸化クロム膜、SiO2膜等の硬質保護膜を形成する
ようにしてもよい。
かかる金属薄膜型の磁気記録媒体に前記水酸基を持つ
カルボン酸アミン塩化合物を保有せしめる方法として
は、第2図に示すように、金属磁性薄膜表面や前記保護
膜表面に潤滑剤層(3)をトップコートする方法が挙げ
られる。この場合、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化
合物の塗布量としては、やはり0.5〜100mg/m2であるこ
とが好ましく、1〜20mg/m2であることがより好まし
い。
上述の水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物は、単
独で磁気記録媒体の潤滑剤として使用してもよいが、従
来公知の潤滑剤と組み合わせて用いてもよい。あるい
は、パーフルオロアルキルカルボン酸エステル、カルボ
ン酸パーフルオロアルキルエステル、パーフルオロアル
キルカルボン酸パーフルオロアルキルエステル、あるい
はこれらの誘導体と組み合わせて使用することも可能で
ある。
さらに、より厳しい条件に対処し潤滑効果を持続させ
るために重量比30:70〜70:30程度の配合比で極圧剤を併
用してもよい。
極圧剤は、境界潤滑領域において部分的に金属接触を
生じたときにこれを伴う摩擦熱によって金属面と反応
し、反応生成物皮膜を形成することにより摩擦・摩耗防
止作用を行うものであって、リン系極圧剤、イオウ系極
圧剤、ハロゲン系極圧剤、有機金属系極圧剤、複合系極
圧剤等のいずれも使用できる。
また、上述の潤滑剤、極圧剤の他、必要に応じて防錆
剤を併用してもよい。
防錆剤としては、通常この種の磁気記録媒体の防錆剤
として使用されるものであればいずれも使用でき、例え
ばフェノール類、ナフトール類、キノン類、窒素原子を
含む複素環化合物、酸素原子を含む複素環化合物、硫黄
原子を含む複素環化合物等である。
防錆剤は、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を
含む潤滑剤と混合して用いてもよいが、第3図に示すよ
うに、非磁性支持体(1)上に磁性層(2)を形成し、
その上部に防錆剤層(4)を塗布した後、潤滑剤層
(3)を塗布するというように、2層以上に分けて被着
すると効果が高い。
ところで、上述の塗布型の磁気記録媒体、金属薄膜型
の磁気記録媒体の何れにおいても、磁性層である磁性塗
膜、金属磁性薄膜の他に、バックコート層や下塗層等が
必要に応じて形成されていてもよい。
例えば、バックコート層は磁性塗膜と同様の樹脂結合
剤に導電性を付与するためのカーボン系微粉末や表面粗
度をコントロールするための無機顔料を添加し塗布形成
されるものである。
本発明においては、このバックコート層に前述の水酸
基を持つカルボン酸アミン塩化合物を潤滑剤として内
添、あるいはトップコートにより含有せしめてもよい。
あるいは、磁性塗膜、金属磁性薄膜とバックコート層に
いずれも水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を潤滑
剤として内添、トップコートする等、種々の組み合わせ
も可能である。
〔作用〕
水酸基を持つカルボン酸とアミンから合成される水酸
基を持つカルボン酸アミン塩化合物は、あらゆる使用条
件下でも良好な潤滑作用を発揮して摩擦係数を低減す
る。また、このカルボン酸アミン塩化合物は水酸基を含
有しているため、特に高温、低湿下において効果が高
い。
したがって、この水酸基を持つカルボン酸アミン塩化
合物を潤滑剤とする磁気記録媒体は、該水酸基を持つカ
ルボン酸アミン塩化合物の前記潤滑作用により走行性の
改善が図られ、耐久性も向上する。
〔実施例〕
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、
本発明はこの実施例に限定されるものではないことはい
うまでもない。
先ず、水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物の合成
例を示す。
合成例1 市販のパルミチン酸と臭素及び赤リンからハウデル
(H.Heudel),クープス(J.Coops)等の方法〔レクエ
イル デス トラボークス キミクス デス ペイズ−
バス(Recueil des Travaux Chimques des Pays−Bas)
58 1133−1143(1939)〕によりα−ヒドロキシパルミ
チン酸を得ることができる。このα−ヒドロキシパルミ
チン酸と市販のステアリルアミンを90℃で加熱混合した
後、エタノールによって再結晶し、精製することによっ
て、α−ヒドロキシパルミチン酸ステアリルアミン塩
(融点105〜106℃)を得た。
また、上記水酸基を持つα−ヒドロキシパルミチン酸
ステアリルアミン塩の赤外線吸収スペクトルを第4図に
示すが、これによれば、3450cm-1に−OH基の伸縮振動、
3300〜2700cm-1にあるブロードな吸収は4級アンモニウ
ムの伸縮振動、2930,2850cm-1にCHの伸縮振動、1630cm
-1にカルボニル基の伸縮振動が見られ、原料のアミノ基
の吸収がアンモニウムとなっていること、及びカルボニ
ル基の吸収が低波数側に移動していることからこの化合
物の構造が決定される。
また、β−ヒドロキシパルミチン酸についてはロビネ
ット(M.Robinet)の方法〔プレティン デス ソサイ
エテス キミクス ベルゲス(Bulletin des Societes
Chimiques Belges)40 710−725(1931)〕により2−
ヘキサデセン酸をHIガスの付加物の加水分解により得る
ことができる。さらに、モノヒドロキシステアリン酸に
ついてはナイト(H.B.Knight)等の方法〔ジャーナル
オブ アメリカン オイル ケミスツ ソサエティ(Jo
urnal of American Oil Chemist's Society)31 1−5
(1954)〕によりオレイン酸と無水ギ酸により得ること
ができる。
上述の合成例に従い、カルボン酸への水酸基の導入方
法やアミンの種類を変えて第1表に示す水酸基を持つカ
ルボン酸アミン塩化合物を合成した。
第1表に示す合成物を使用して以下に示す磁気記録媒
体を作製した。
先ず、塗布型磁気記録媒体に適用して実施例を行っ
た。
実施例1 Co被着γ−Fe2O3 100 重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10.5重量部 (U.C.C.社製 VAGH) ポリウレタン樹脂 10.5重量部 (日本ポリウレタン社製 M−5033) カーボン(帯電防止剤) 5 重量部 レシチン(分散剤) 1 重量部 メチルエチルケトン 150 重量部 メチルイソブチルケトン 150 重量部 上記組成物を基本組成物とし、該基本組成物に潤滑剤
として第1表中の合成物1を1.5重量部添加しボールミ
ルにて24時間混合してからフィルターを通して取り出
し、更に硬化剤を4重量部添加して30分間撹拌した。こ
の磁性塗料を12μm厚のポリエチレンテレフタレートベ
ース上に乾燥後の厚みが5μmとなるように塗布し、磁
場配向を行った後乾燥し巻き取った。これをカレンダー
処理した後1/2インチ幅に裁断し、サンプルテープを作
製した。
実施例2〜実施例9 実施例1において、合成物1の代わりに第1表中の合
成物2〜合成物9を添加して、他は実施例1と同様の方
法によりサンプルデータを作製した。
比較例1 実施例1において、合成物1の代わりに何も潤滑剤と
して添加せず、他は実施例1と同様の方法によりサンプ
ルデータを作製した。
上述のようにして作製された各サンプルテープについ
て、温度25℃,相対湿度60%及び温度40℃,相対湿度80
%の場合についてエージング前後にわたり、その摩擦係
数及びスティックスリップについて測定を行った。その
結果を第2表に示す。
上記第2表より明らかなように、潤滑剤として水酸基
を持つカルボン酸アミン塩化合物を使用することによ
り、摩擦係数、スティックスリップは、各種条件でも劣
化することなく非常に良好な結果が得られた。
次に、金属薄膜型磁気記録媒体(ハードディスク,下
地膜あり。)に適用した実施例について説明する。
実施例10 先ず、非磁性金属下地層として厚さ15μmのNi−Pメ
ッキ層を形成したAl−Mg合金基板(厚さ1.5mm、外径95m
m、内径25mm)を用意し、このメッキ層上に圧力1×10
-5Torr、基板温度150℃の条件でBiを電子ビーム蒸着し
て膜厚200Åの低融点金属下地膜を形成した。
次いでこの下地膜上に、同様に圧力1×10-5Torr、基
板温度150℃の条件でCoを電子ビーム蒸着し、膜厚1000
Åの金属磁性薄膜を形成し、さらに真空蒸着法によりこ
の金属磁性薄膜上にカーボン保護膜を形成した。
最後に、このカーボン保護膜の表面に、第1表中合成
物1で示す潤滑剤を被着して、サンプルディスクを作製
した。
実施例11〜実施例18 実施例10で潤滑剤として使用した合成物1を合成物2
〜合成物9に変え、他は実施例10と同様の方法によりサ
ンプルディスクを作製した。
上述のようにして得られた各サンプルディスクについ
て、コンタクト・スタート・ストップ(CSS)試験によ
り、20000回後の摩擦係数を調べた。その結果を第3表
に示す。
第3表より金属磁性薄膜の表面上にカーボン保護膜を
形成し、その上部に潤滑剤として第1表に示す合成物を
使用した各サンプルディスクにあっては、CSS特性に優
れ耐久性が向上したことがわかる。
さらに、金属薄膜型磁気記録媒体(蒸着テープ。)に
適用した実施例について説明する。
実施例19 14μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムに斜
め蒸着法によりCoを被着させ、膜厚1000Åの強磁性金属
薄膜を形成した。
次に、この強磁性金属薄膜表面に、第1表中の合成物
1をフレオンとエタノールの混合溶媒に溶解したもの
を、塗布量が5mg/m2となるように塗布し、8ミリ幅に裁
断してサンプルテープを作製した。
実施例20〜実施例27 実施例19において、潤滑剤として使用した第1表中の
合成物1を合成物2〜合成物9に変えて、他は実施例19
と同様の方法によりサンプルテープを作製した。
上述のようにして作製された各サンプルディスクにつ
いて、温度25℃,湿度60%の時、温度−5℃の時、温度
40℃,湿度30%の時の摩擦係数、スチル耐久性,シャト
ル耐久性について測定を行った。スチル耐久性はポーズ
状態での出力の−3dBまでの減衰時間を評価した。シャ
トル耐久性は、1回につき2分間のシャトル走行を行
い、出力が3dB低下するまでのシャトル回数で評価し
た。なお、比較例2として、全く潤滑剤を使用していな
いブラングディスクについても測定した。その結果を第
4表及び第5表に示す。
第4表及び第5表より明らかなように、潤滑剤として
カルボン酸アミン塩化合物を使用することにより、摩擦
係数、スチル耐久性シャトル耐久性等は、各種条件でも
劣化することなく非常に良好な結果が得られた。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明の磁気記録
媒体は、非常に優れた潤滑性を有する水酸基を持つカル
ボン酸アミン塩化合物を潤滑剤として保有しているの
で、如何なる使用条件下、特に高温,低湿下においても
潤滑性を保つことができ、また長期にわたりその潤滑性
を保つことができる。
したがって、本発明の磁気記録媒体は走行性,耐摩耗
性,耐久性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部拡大断面図である。 第2図は本発明を適用した磁気記録媒体の他の構成例を
示す要部拡大断面図である。 第3図は本発明を適用した磁気記録媒体のさらに他の構
成例を示す要部拡大断面図である。 第4図は合成例で合成された水酸基を持つカルボン酸ア
ミン塩化合物の一例を示す赤外線吸収スペクトルであ
る。 1……非磁性支持体 2……磁性層 3……潤滑剤層 4……防錆剤層

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に少なくとも磁性層を有し
    てなる磁気記録媒体が 一般式 もしくは (ただし、式中nは1〜3の整数、Rは水酸基を含む炭
    化水素基、R1,R2,R3は水素もしくは炭化水素基を表
    す。) で示される水酸基を持つカルボン酸アミン塩化合物を保
    有してなることを特徴とする磁気記録媒体。
JP6734888A 1988-03-23 1988-03-23 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2625839B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6734888A JP2625839B2 (ja) 1988-03-23 1988-03-23 磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6734888A JP2625839B2 (ja) 1988-03-23 1988-03-23 磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01241020A JPH01241020A (ja) 1989-09-26
JP2625839B2 true JP2625839B2 (ja) 1997-07-02

Family

ID=13342425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6734888A Expired - Fee Related JP2625839B2 (ja) 1988-03-23 1988-03-23 磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2625839B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01241020A (ja) 1989-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3240654B2 (ja) パーフルオロポリエーテル誘導体及びこれを用いた潤滑剤並びに磁気記録媒体
JP2590482B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2581090B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2569689B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2629725B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2745564B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2625839B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3168613B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3397008B2 (ja) 潤滑剤及びそれを用いた磁気記録媒体
JP3627298B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2666430B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3168674B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2508733B2 (ja) 磁気記録媒体
JP2715436B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0316688B2 (ja)
JP3154232B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH0278016A (ja) 磁気記録媒体
JP3336801B2 (ja) 磁気記録媒体
JP3336768B2 (ja) 磁気記録媒体
JPH01243226A (ja) 磁気記録媒体
JPH04221426A (ja) 磁気記録媒体およびその製造方法
JPH08129746A (ja) 磁気記録媒体
JPH04271012A (ja) 磁気記録媒体
JPH1021535A (ja) 磁気記録媒体
JPH06176355A (ja) 磁気記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees