JP2617443B2 - 機能遺伝子の分離法、同遺伝子を含むdna断片及びその製法、組換プラスミド及び同プラスミドによる酵母の形質転換法並びに同発現法 - Google Patents
機能遺伝子の分離法、同遺伝子を含むdna断片及びその製法、組換プラスミド及び同プラスミドによる酵母の形質転換法並びに同発現法Info
- Publication number
- JP2617443B2 JP2617443B2 JP60243783A JP24378385A JP2617443B2 JP 2617443 B2 JP2617443 B2 JP 2617443B2 JP 60243783 A JP60243783 A JP 60243783A JP 24378385 A JP24378385 A JP 24378385A JP 2617443 B2 JP2617443 B2 JP 2617443B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasmid
- dna
- pichia
- gene
- nrrl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/87—Introduction of foreign genetic material using processes not otherwise provided for, e.g. co-transformation
- C12N15/90—Stable introduction of foreign DNA into chromosome
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/11—DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
- C12N15/52—Genes encoding for enzymes or proenzymes
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12N—MICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
- C12N15/00—Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
- C12N15/09—Recombinant DNA-technology
- C12N15/63—Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
- C12N15/79—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
- C12N15/80—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi
- C12N15/81—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts
- C12N15/815—Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for fungi for yeasts for yeasts other than Saccharomyces
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Zoology (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Mycology (AREA)
- Plant Pathology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Saccharide Compounds (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 この発明は組換DNA技術分野に関するものである。そ
の側面の一つとしては、この発明はピキア属の酵母菌株
からの機能遺伝子の単離に関するものである。他のもう
一つの側面としては、この発明は遺伝子生産物、すなわ
ちポリペプチド、の発現を調節するDNA断片に関するも
のである。更にもう一つの側面としては、この発明はピ
キア属の酵母菌株の統合的形質転換に関するものであ
る。
の側面の一つとしては、この発明はピキア属の酵母菌株
からの機能遺伝子の単離に関するものである。他のもう
一つの側面としては、この発明は遺伝子生産物、すなわ
ちポリペプチド、の発現を調節するDNA断片に関するも
のである。更にもう一つの側面としては、この発明はピ
キア属の酵母菌株の統合的形質転換に関するものであ
る。
現在まで、種々のポリペプチドを生産するために組換
DNA技術を商業的に使用しようとする試みは宿主生物と
して大腸菌を用いるものに集中している。しかし、ある
場合には大腸菌は宿主として適切でないということが判
明している。例えば、大腸菌は、医薬品として有用なポ
リペプチドから除外しなければならない有害な発熱因子
を多数含有している。この精製が良好に実施されるため
の効率は、勿論、特定のポリペプチドにより異なる。更
に、大腸菌の蛋白分解能がある種の有用な製品の収率を
著るしく制限する。これら及びその他の点を配慮し、代
替宿主、特にポリペプチドの生産のために真核生物を使
用することに興味の対象が移りつつある。
DNA技術を商業的に使用しようとする試みは宿主生物と
して大腸菌を用いるものに集中している。しかし、ある
場合には大腸菌は宿主として適切でないということが判
明している。例えば、大腸菌は、医薬品として有用なポ
リペプチドから除外しなければならない有害な発熱因子
を多数含有している。この精製が良好に実施されるため
の効率は、勿論、特定のポリペプチドにより異なる。更
に、大腸菌の蛋白分解能がある種の有用な製品の収率を
著るしく制限する。これら及びその他の点を配慮し、代
替宿主、特にポリペプチドの生産のために真核生物を使
用することに興味の対象が移りつつある。
真核系すなわち酵母におけるポリペプチド製品の生産
の手段が存在することは、組換DNAにより遺伝情報の指
定されたポリペプチドの生産に大腸菌などの原核系を使
用することを比較して、顕著な利点を提供できることと
なつた。酵母は、大腸菌の大規模醗酵が比較的最近にな
り到来したのに比し、数世紀にもわたり大規模醗酵に使
用されてきている。酵母は、細菌に比較して一般的に高
い菌体濃度でも成長でき、連続醗酵工程に容易に応用し
うる。事実、ピキア パストリス(Pichia pastoris)
などの酵母は、極めて高い細胞濃度、すなわち100g/
を越える細胞濃度でも成育できることが米国特許第4,41
4,329号(フイリツプス石油(株)所有)にウエグナー
により開示されている。酵母宿主の別の利点の中には、
生物の多くの臨界的機能、例えば酸化的リン酸化反応が
細胞機関の中に存在するので、そのため野生型の宿主細
胞にとつては異物であるポリペプチドの当該生物による
生産により、場合によつては起りうる恐ろしい作用にさ
らされることがないという事実も含んでいる。真核生物
として、酵母は発現されたポリペプチド生産物にグルコ
ース附加ができ、そのグルコース附加はポリペプチド生
産物の生物活性にとつては重要である。真核生物として
酵母は高等生物と同様のコードン優位性を示し、哺乳動
物の遺伝子又は例えば哺乳動物のmRNAからの逆転写によ
り得られた相補的DNA(cDNA)由来の発現製品の効率的
生産へと資することもまた可能である。
の手段が存在することは、組換DNAにより遺伝情報の指
定されたポリペプチドの生産に大腸菌などの原核系を使
用することを比較して、顕著な利点を提供できることと
なつた。酵母は、大腸菌の大規模醗酵が比較的最近にな
り到来したのに比し、数世紀にもわたり大規模醗酵に使
用されてきている。酵母は、細菌に比較して一般的に高
い菌体濃度でも成長でき、連続醗酵工程に容易に応用し
うる。事実、ピキア パストリス(Pichia pastoris)
などの酵母は、極めて高い細胞濃度、すなわち100g/
を越える細胞濃度でも成育できることが米国特許第4,41
4,329号(フイリツプス石油(株)所有)にウエグナー
により開示されている。酵母宿主の別の利点の中には、
生物の多くの臨界的機能、例えば酸化的リン酸化反応が
細胞機関の中に存在するので、そのため野生型の宿主細
胞にとつては異物であるポリペプチドの当該生物による
生産により、場合によつては起りうる恐ろしい作用にさ
らされることがないという事実も含んでいる。真核生物
として、酵母は発現されたポリペプチド生産物にグルコ
ース附加ができ、そのグルコース附加はポリペプチド生
産物の生物活性にとつては重要である。真核生物として
酵母は高等生物と同様のコードン優位性を示し、哺乳動
物の遺伝子又は例えば哺乳動物のmRNAからの逆転写によ
り得られた相補的DNA(cDNA)由来の発現製品の効率的
生産へと資することもまた可能である。
充分に特性が明らかにはされていない酵母類の宿主/
ベクター系としての開発は、形質転換条件についての知
識の欠如と適用なベクターが存在していないことにより
ずいぶんと妨害された。更に、栄養要求突然変異株はし
ばしば入手出来なく、このため栄養要求的補体により形
質転換体を直接選抜することを不可能としている。もし
も、組換DNA技術が充分にその約束をはたせたら、DNAの
操作を可能とし、挿入したDNA配列の発現を適正化し、
その結果、所望のポリペプチド製品が制御された条件下
で、かつ、高収率で調製出来ることとなる新しい宿主/
ベクター系が発明されるにちがいない。
ベクター系としての開発は、形質転換条件についての知
識の欠如と適用なベクターが存在していないことにより
ずいぶんと妨害された。更に、栄養要求突然変異株はし
ばしば入手出来なく、このため栄養要求的補体により形
質転換体を直接選抜することを不可能としている。もし
も、組換DNA技術が充分にその約束をはたせたら、DNAの
操作を可能とし、挿入したDNA配列の発現を適正化し、
その結果、所望のポリペプチド製品が制御された条件下
で、かつ、高収率で調製出来ることとなる新しい宿主/
ベクター系が発明されるにちがいない。
組換DNA技術に使用される基本的要素はプラスミドで
あり、染色体外で、二重鎖のDNAで、ある種の微生物内
で見出されたものである。天然に微生物中に存在すると
して見出されたプラスミドの場合、細胞1個あたり多数
のコピーがしばしば存在することが見出されている。天
然に存在するプラスミドに加えて、種々の人工プラスミ
ドやハイブリツドベクターも作成されている。プラスミ
ドDNA中に暗号化されている情報中に含まれているもの
で、娘細胞中でプラスミドを再生するときに必要とされ
るもの、それは自律複製配列である。一つ又はそれ以上
の遺伝子表現型の淘汰特性が、プラスミドDNA中に暗号
化されている情報中に含まれていなければならない。こ
の遺伝子表現型の淘汰特性は、淘汰培地中で細胞の優先
的成育により区別され、選抜されうる利益を有する当該
プラスミドを含有する宿主細胞のクローン化を可能とす
る。
あり、染色体外で、二重鎖のDNAで、ある種の微生物内
で見出されたものである。天然に微生物中に存在すると
して見出されたプラスミドの場合、細胞1個あたり多数
のコピーがしばしば存在することが見出されている。天
然に存在するプラスミドに加えて、種々の人工プラスミ
ドやハイブリツドベクターも作成されている。プラスミ
ドDNA中に暗号化されている情報中に含まれているもの
で、娘細胞中でプラスミドを再生するときに必要とされ
るもの、それは自律複製配列である。一つ又はそれ以上
の遺伝子表現型の淘汰特性が、プラスミドDNA中に暗号
化されている情報中に含まれていなければならない。こ
の遺伝子表現型の淘汰特性は、淘汰培地中で細胞の優先
的成育により区別され、選抜されうる利益を有する当該
プラスミドを含有する宿主細胞のクローン化を可能とす
る。
本発明にもとづき、本発明者はピキア属の酵母の菌株
からのHIS4を発見し、単離し、及び特性化した。加えて
本発明者は、ピキア属の酵母の機能遺伝子の単離のため
の一般的手順を開発した。本発明者が単離したこの新し
い遺伝子は、ピキア属の酵母菌株を宿主として用いる宿
主/ベクター系内での遺伝表現型の淘汰用マーカーとし
て有用である。
からのHIS4を発見し、単離し、及び特性化した。加えて
本発明者は、ピキア属の酵母の機能遺伝子の単離のため
の一般的手順を開発した。本発明者が単離したこの新し
い遺伝子は、ピキア属の酵母菌株を宿主として用いる宿
主/ベクター系内での遺伝表現型の淘汰用マーカーとし
て有用である。
本発明の他のもう一つの実施態様により、本発明者
は、培養培地中のアミノ酸の存在の有無に応答性の調節
領域を発見し、単離し、特性化した。この調節領域は、
例えば、酵母内でのポリペプチド産物の制御された発現
に有用である。
は、培養培地中のアミノ酸の存在の有無に応答性の調節
領域を発見し、単離し、特性化した。この調節領域は、
例えば、酵母内でのポリペプチド産物の制御された発現
に有用である。
更にもう一つの本発明の実施態様にもとづき、ピキア
属の酵母の統合的形質転換のための方法を開発した。酵
母の形質転換のためのこの方法は、当該宿主の染色体DN
Aへのベクター配列の組換の手段を提供する。この組換
は、当該宿主の染色体DNAでの挿入DNA配列の安定的な保
持をもたらす。挿入配列の安定的保持は、染色体外DNA
として挿入DNA配列の細胞内保持の淘汰成育条件を必要
とせずに達成される。
属の酵母の統合的形質転換のための方法を開発した。酵
母の形質転換のためのこの方法は、当該宿主の染色体DN
Aへのベクター配列の組換の手段を提供する。この組換
は、当該宿主の染色体DNAでの挿入DNA配列の安定的な保
持をもたらす。挿入配列の安定的保持は、染色体外DNA
として挿入DNA配列の細胞内保持の淘汰成育条件を必要
とせずに達成される。
次の略号は、使用した制限酵素を表示するために、本
明細書を通して使用されている。略 号 制限酵素 B BamHI B2 BglII C ClaI H3 HindIII Nr NruI Ps PstI Pv2 PvuII R1 EcoRI R5 EcoRV S SalI Sm SmaI Sp SphI Ss SstI S3 Sau3A T TaqI Xb XbaI Xh XhoI 添付した図面の中で、DNAの操作に使用した制限部位
でリゲーシヨンの際破壊したところは、破壊部位に対応
する省略記号をカツコで囲んで表示した。核酸配列によ
り予測しうる制限部位ではあるが、実際の制限酵素処理
により立証されていない個所は、星印を当該制限部位に
つけて表示した。
明細書を通して使用されている。略 号 制限酵素 B BamHI B2 BglII C ClaI H3 HindIII Nr NruI Ps PstI Pv2 PvuII R1 EcoRI R5 EcoRV S SalI Sm SmaI Sp SphI Ss SstI S3 Sau3A T TaqI Xb XbaI Xh XhoI 添付した図面の中で、DNAの操作に使用した制限部位
でリゲーシヨンの際破壊したところは、破壊部位に対応
する省略記号をカツコで囲んで表示した。核酸配列によ
り予測しうる制限部位ではあるが、実際の制限酵素処理
により立証されていない個所は、星印を当該制限部位に
つけて表示した。
この発明の一つの実施態様は、ピキア属の酵母菌株か
ら機能遺伝子の単離の方法を提供するものである。この
方法は、ピキア属遺伝子及び遺伝子産品がサツカロミセ
ス セレビシエ変異株の遺伝表現型における欠損を相補
する能力を有するという認識にもとづくものであり、そ
れにより宿主変異株遺伝表現型を逆転する。この方法は
次の工程よりなる: (1)サツカロミセス セレビシエ欠損菌株の、エス・
セレビシエ−大腸菌シヤトルベクターに組換られたピキ
ア属の染色体DNA断片での形質転換 (2)特に特定の栄養素を欠くか又は欠損宿主菌株の成
育のために必要とされる条件を提供しない淘汰成育培地
中で生存し成長できる能力による形質転換菌株の選抜 (3)当該選抜された形質転換菌株に含有されたプラス
ミドから所望の遺伝子を含むピキア DNA断片の単離及
び回収。
ら機能遺伝子の単離の方法を提供するものである。この
方法は、ピキア属遺伝子及び遺伝子産品がサツカロミセ
ス セレビシエ変異株の遺伝表現型における欠損を相補
する能力を有するという認識にもとづくものであり、そ
れにより宿主変異株遺伝表現型を逆転する。この方法は
次の工程よりなる: (1)サツカロミセス セレビシエ欠損菌株の、エス・
セレビシエ−大腸菌シヤトルベクターに組換られたピキ
ア属の染色体DNA断片での形質転換 (2)特に特定の栄養素を欠くか又は欠損宿主菌株の成
育のために必要とされる条件を提供しない淘汰成育培地
中で生存し成長できる能力による形質転換菌株の選抜 (3)当該選抜された形質転換菌株に含有されたプラス
ミドから所望の遺伝子を含むピキア DNA断片の単離及
び回収。
ピキア属及びサツカロミセス属の微生物からの機能遺
伝子は、充分に類似しているので、良く特性が明らかに
されているサツカロミセス セレビシエ欠損菌株を、相
補的機能遺伝子をピキアから単離するために利用しうる
ことを見出した。例えば、本発明者は、ピキアからサツ
カロミセス HIS3及びHIS4遺伝子に相当する遺伝子を分
離した。本発明者が単離したこれらの新規な遺伝子は、
この開示に際しては、ピキアHIS3及びHIS4遺伝子と称す
る。これらの新規の遺伝子は、エス・セレビシエの適当
な変異株をピキア染色体DNAのライブラリーで形質転換
し、培地中でヒスチジンの補充なしで生存する形質転換
菌株を選抜することにより単離される。
伝子は、充分に類似しているので、良く特性が明らかに
されているサツカロミセス セレビシエ欠損菌株を、相
補的機能遺伝子をピキアから単離するために利用しうる
ことを見出した。例えば、本発明者は、ピキアからサツ
カロミセス HIS3及びHIS4遺伝子に相当する遺伝子を分
離した。本発明者が単離したこれらの新規な遺伝子は、
この開示に際しては、ピキアHIS3及びHIS4遺伝子と称す
る。これらの新規の遺伝子は、エス・セレビシエの適当
な変異株をピキア染色体DNAのライブラリーで形質転換
し、培地中でヒスチジンの補充なしで生存する形質転換
菌株を選抜することにより単離される。
ピキア染色体DNAのライブラリーでleu2エス・セレビ
シエ変異株を形質転換し、培地中にロイシンの補充がな
されないまゝで生存する形質転換された菌株を選択する
ことによりピキア LEU2遺伝子を単離しうるであろうこ
とは当業者ならば承知している。同様に、ピキアARG4遺
伝子の分離も適当なエス・セレビシエ変異株をピキア染
色体DNAのライブラリーで形質転換し、淘汰培地がアル
ギニンの補充がないことを除き、上記の如き方法をくり
かえすことにより可能となろう。
シエ変異株を形質転換し、培地中にロイシンの補充がな
されないまゝで生存する形質転換された菌株を選択する
ことによりピキア LEU2遺伝子を単離しうるであろうこ
とは当業者ならば承知している。同様に、ピキアARG4遺
伝子の分離も適当なエス・セレビシエ変異株をピキア染
色体DNAのライブラリーで形質転換し、淘汰培地がアル
ギニンの補充がないことを除き、上記の如き方法をくり
かえすことにより可能となろう。
ピー・パストリスNRRL Y−11340株(米国イリノイ
州 NRRLに国際寄託済)から、全染色体DNAのSau3Aによ
る一部消化及び引き続いての蔗糖濃度勾配遠心法によ
り、HIS4遺伝子の分離を行なつた(実施例II参照)。エ
ス・セレビシエ−大腸菌シヤトルベクターYEp13(ATCC3
7115;第1図参照)のBamHI切断部位に、5ないし20Kbp
の断片をクローン化し、大腸菌を形質転換した。約50,0
00コロニーを一緒にし、全プラスミドDNAを抽出した。
エス・セレビシエ5799−4D株(NRRL Y−15859:米国イ
リノイ州 NRRLに国際寄託済)、his4ABC変異株のスフ
エロプラストを約1μgのヒンネン等の方法(1978年)
によるYEp13ピキアDNAライブラリーと混合し、ヒスチジ
ン欠損培地で再生させた。全再生スフエロプラスト5×
107個から、形質転換体としては、約1×103コロニーの
原栄養性酵母が得られた。DNAなしで培養した比較対照
サンプルではコロニーの発生はなかつた。20のHis+コロ
ニーから全酵母DNAを抽出し、大腸菌を逆形質転換させ
た。17の酵母DNA調製物がアンピシリン抵抗性コロニー
を形成した。これらのクローン化された断片は制限酵素
(切断物の)大きさ及び地図化並びに比較的厳格でない
条件下での標識されたエス・セレビシエHIS4断片とクロ
スハイブリダイゼーシヨン(ポストハイブリダイゼーシ
ヨン洗浄は55℃でSSCを用い2回実施;SSCは0.15モルのN
aClと15ミリモルのクエン酸ソーダを含み、pHをNaOHで
7.0に調整したもの)により更に特性が明らかにされ
た。このプラスミドの大部分は、一つ以上のエス・セレ
ビシエHIS4遺伝子とハイブリツド化した断片を含有して
いた。そのうちの1つのHIS4含有プラスミドを再びクロ
ーン化して、pYJ8と命名したHIS4含有プラスミドが得ら
れたが、それは第4図に示している。プラスミドpYJ8は
pBR325配列を含有し、この配列は機能的クロラムフエニ
コール及びアンピシリン抵抗性遺伝子と更にピキアHIS4
遺伝子を含んでいる。
州 NRRLに国際寄託済)から、全染色体DNAのSau3Aによ
る一部消化及び引き続いての蔗糖濃度勾配遠心法によ
り、HIS4遺伝子の分離を行なつた(実施例II参照)。エ
ス・セレビシエ−大腸菌シヤトルベクターYEp13(ATCC3
7115;第1図参照)のBamHI切断部位に、5ないし20Kbp
の断片をクローン化し、大腸菌を形質転換した。約50,0
00コロニーを一緒にし、全プラスミドDNAを抽出した。
エス・セレビシエ5799−4D株(NRRL Y−15859:米国イ
リノイ州 NRRLに国際寄託済)、his4ABC変異株のスフ
エロプラストを約1μgのヒンネン等の方法(1978年)
によるYEp13ピキアDNAライブラリーと混合し、ヒスチジ
ン欠損培地で再生させた。全再生スフエロプラスト5×
107個から、形質転換体としては、約1×103コロニーの
原栄養性酵母が得られた。DNAなしで培養した比較対照
サンプルではコロニーの発生はなかつた。20のHis+コロ
ニーから全酵母DNAを抽出し、大腸菌を逆形質転換させ
た。17の酵母DNA調製物がアンピシリン抵抗性コロニー
を形成した。これらのクローン化された断片は制限酵素
(切断物の)大きさ及び地図化並びに比較的厳格でない
条件下での標識されたエス・セレビシエHIS4断片とクロ
スハイブリダイゼーシヨン(ポストハイブリダイゼーシ
ヨン洗浄は55℃でSSCを用い2回実施;SSCは0.15モルのN
aClと15ミリモルのクエン酸ソーダを含み、pHをNaOHで
7.0に調整したもの)により更に特性が明らかにされ
た。このプラスミドの大部分は、一つ以上のエス・セレ
ビシエHIS4遺伝子とハイブリツド化した断片を含有して
いた。そのうちの1つのHIS4含有プラスミドを再びクロ
ーン化して、pYJ8と命名したHIS4含有プラスミドが得ら
れたが、それは第4図に示している。プラスミドpYJ8は
pBR325配列を含有し、この配列は機能的クロラムフエニ
コール及びアンピシリン抵抗性遺伝子と更にピキアHIS4
遺伝子を含んでいる。
ヒスチジノール脱水素酵素、ホスホリボシル−ATP−
シクロハイドラーゼ(phosphoribosyl−ATP−cyclohydr
ase)及びホスホリボシル−ATP−ピロホスホヒドラター
ゼ(phosphoribosyl−ATP−pyrophosphorohydratase)
に関する酵素活性を含有するこのピキアHIS4遺伝子の詳
述な制限(酵素)地図は第3図aに表示してある。6Kbp
DNA断片の5′末端をオリジン(origin)とすると、
次の切断パターンが得られる。
シクロハイドラーゼ(phosphoribosyl−ATP−cyclohydr
ase)及びホスホリボシル−ATP−ピロホスホヒドラター
ゼ(phosphoribosyl−ATP−pyrophosphorohydratase)
に関する酵素活性を含有するこのピキアHIS4遺伝子の詳
述な制限(酵素)地図は第3図aに表示してある。6Kbp
DNA断片の5′末端をオリジン(origin)とすると、
次の切断パターンが得られる。
この6.0Kbp断片のサブクローン化により、このピキア
DNAの2.7Kbp Bgl II断片はHIS4A、HIS4B又はHIS4Cの遺
伝子が指定する遺伝情報による活性を欠くピキア又はサ
ツカロミセスを形質転換できる能力を有していることが
判明した。それ故、例えばhis4変異株であるピキア パ
ストリスNRRL Y−15851(GS−115)株は、プラスミド
pBPf1(第5図参照)で形質転換すると、ヒスチジン
の添加されていない培地中でも成育できる。プラスミド
pBPf1は、第3図bの図面に示したピキア染色体DNAの2.
7KbpBg1 II断片を含有する。
DNAの2.7Kbp Bgl II断片はHIS4A、HIS4B又はHIS4Cの遺
伝子が指定する遺伝情報による活性を欠くピキア又はサ
ツカロミセスを形質転換できる能力を有していることが
判明した。それ故、例えばhis4変異株であるピキア パ
ストリスNRRL Y−15851(GS−115)株は、プラスミド
pBPf1(第5図参照)で形質転換すると、ヒスチジン
の添加されていない培地中でも成育できる。プラスミド
pBPf1は、第3図bの図面に示したピキア染色体DNAの2.
7KbpBg1 II断片を含有する。
pBPf1の利用性を高めるために、ピキアHIS4遺伝子を
含む2.7Kbp Bg1 II断片内にあるBamHI切断部位をpBPf1
に挿入するに先き立つて破壊した。かくして、他にはBa
mHI切断部位を有さないベクター中に含まれたこのピキ
アHIS4遺伝子をBamHIで切断し、得られた接着末端を、D
NAポリメラーゼIの存在下で平滑末端を生産するために
4つの全デオキシヌクレオチドの混合物で満した。新た
に形成された平滑末端をリゲートして、BamHIによる認
識部位を有しない修飾されたHIS4遺伝子を得た。この修
飾されたHIS4遺伝子は、プラスミドpBPfIの構築に使用
された2.7Kbp Bgl II断片の給源であつた。この破壊さ
れたBamHI切断部位の位置は第5図及び第6図中ではB
*記号により示している。
含む2.7Kbp Bg1 II断片内にあるBamHI切断部位をpBPf1
に挿入するに先き立つて破壊した。かくして、他にはBa
mHI切断部位を有さないベクター中に含まれたこのピキ
アHIS4遺伝子をBamHIで切断し、得られた接着末端を、D
NAポリメラーゼIの存在下で平滑末端を生産するために
4つの全デオキシヌクレオチドの混合物で満した。新た
に形成された平滑末端をリゲートして、BamHIによる認
識部位を有しない修飾されたHIS4遺伝子を得た。この修
飾されたHIS4遺伝子は、プラスミドpBPfIの構築に使用
された2.7Kbp Bgl II断片の給源であつた。この破壊さ
れたBamHI切断部位の位置は第5図及び第6図中ではB
*記号により示している。
pBPfIのポリリンカーにおけるこのBamHI切断部位は、
当該ベクターにとつては、特異的な制限(酵素)切断部
位であることを留意されたい。加えて、更に特異的EcoR
I及びSmaIの制限(酵素)切断部位がpBPf1をして形質転
換されたピキア パストリスにおける遺伝子産物の発現
を促進及び/又は抑制するためにDNA断片の能力を探索
するための有用なベクターとする。
当該ベクターにとつては、特異的な制限(酵素)切断部
位であることを留意されたい。加えて、更に特異的EcoR
I及びSmaIの制限(酵素)切断部位がpBPf1をして形質転
換されたピキア パストリスにおける遺伝子産物の発現
を促進及び/又は抑制するためにDNA断片の能力を探索
するための有用なベクターとする。
この発明のもう1つ別の実施態様により、培養培地中
でのアミノ酸の存在の有無に応答性の調節領域よりなる
1つのDNA断片を単離し、特性を明らかにした。かくし
て、第3図cにおいて、ピキアHIS4遺伝子を含む6.0Kbp
断片の5′末端から得たDNAの約600pbのEcoR I−Pvu II
断片を示す。この断片は、培養培地中でのアミノ酸の存
在の有無に応答性である。YPDなどの富化培地中では、
調節領域は“オフ”状態となる。つまり、ピキアHIS4遺
伝子の遺伝情報による生産物は全く合成されないのであ
る。特に、培養培地中でヒスチジンが低濃度で存在する
場合には、当該調節領域は“オン”の状態となる。つま
り、ピキアHIS4遺伝子の遺伝情報による生産物が合成さ
れる。
でのアミノ酸の存在の有無に応答性の調節領域よりなる
1つのDNA断片を単離し、特性を明らかにした。かくし
て、第3図cにおいて、ピキアHIS4遺伝子を含む6.0Kbp
断片の5′末端から得たDNAの約600pbのEcoR I−Pvu II
断片を示す。この断片は、培養培地中でのアミノ酸の存
在の有無に応答性である。YPDなどの富化培地中では、
調節領域は“オフ”状態となる。つまり、ピキアHIS4遺
伝子の遺伝情報による生産物は全く合成されないのであ
る。特に、培養培地中でヒスチジンが低濃度で存在する
場合には、当該調節領域は“オン”の状態となる。つま
り、ピキアHIS4遺伝子の遺伝情報による生産物が合成さ
れる。
この新規の調節領域の制御下でのポリペプチド生産の
調節は第6図に示した新しいプラスミドpBPf3により実
証された。当該プラスミドは、なかんずく、当該HIS4調
節領域と当該LacZ遺伝子を含有する。プラスミドpBPf3
で形質転換したピキア パストリス NRRL Y−15851
はヒスチジン欠缺培地中で成育させるとかなりの量のβ
−カラクトシダーゼを生産するが、ヒスチジンを含有す
るYPDなどの富化培地で成育させるとすくなくとも10分
の1未満のβ−カラクトシダーゼを生産するにすぎな
い。
調節は第6図に示した新しいプラスミドpBPf3により実
証された。当該プラスミドは、なかんずく、当該HIS4調
節領域と当該LacZ遺伝子を含有する。プラスミドpBPf3
で形質転換したピキア パストリス NRRL Y−15851
はヒスチジン欠缺培地中で成育させるとかなりの量のβ
−カラクトシダーゼを生産するが、ヒスチジンを含有す
るYPDなどの富化培地で成育させるとすくなくとも10分
の1未満のβ−カラクトシダーゼを生産するにすぎな
い。
再にもう一つ他のこの発明の実施態様は、ピキア属の
酵母の菌株のゲノムへのプラスミド配列の統合的組換の
ための方法を提供するものである。統合的組換プロセス
は、この開示に際しては、“統合的形質転換”と称す。
酵母の菌株のゲノムへのプラスミド配列の統合的組換の
ための方法を提供するものである。統合的組換プロセス
は、この開示に際しては、“統合的形質転換”と称す。
ピキア パストリス(Pichia pastoris)の形質転換
についてはこれまで記述されていない。ピキア パスト
リスの形質転換のための実験手順については以下に(実
施例Iで)より詳細に提示する。ピー・パストリスの形
質転換系を開発するために、栄養要求性の変異株GS115
(NRRLY−15851)を分離し、検出しうるヒスチジノール
脱水素酵素活性を有しないことからヒスチジン(代謝)
経路において欠缺を有すると決定した。
についてはこれまで記述されていない。ピキア パスト
リスの形質転換のための実験手順については以下に(実
施例Iで)より詳細に提示する。ピー・パストリスの形
質転換系を開発するために、栄養要求性の変異株GS115
(NRRLY−15851)を分離し、検出しうるヒスチジノール
脱水素酵素活性を有しないことからヒスチジン(代謝)
経路において欠缺を有すると決定した。
ピキア属の酵母菌株は、次のようにして形質転換する
ことができる;細胞壁を酵素を用い消化しスフエロプラ
ストを得る。スフエロプラストは形質転換用DNAと混合
し、カルシウムイオンとポリエチレングリコールの存在
下でインキユベートし、次いで淘汰用培地で再生させ
る。形質転換用DNAには宿主株が欠損している機能遺伝
子を含む。かくして形質転換された細胞のみが使用した
淘汰用培地中で生存する。
ことができる;細胞壁を酵素を用い消化しスフエロプラ
ストを得る。スフエロプラストは形質転換用DNAと混合
し、カルシウムイオンとポリエチレングリコールの存在
下でインキユベートし、次いで淘汰用培地で再生させ
る。形質転換用DNAには宿主株が欠損している機能遺伝
子を含む。かくして形質転換された細胞のみが使用した
淘汰用培地中で生存する。
ピキアの統合的形質転換は次の如き構成よりなるベク
ターを形質転換DNAとして使用することで達成すること
ができる: (i) 形質転換すべきピキア宿主菌株内で選ぶことの
できる一つの遺伝子と、 (ii) ピキア宿主菌株のゲノムと本質的程度において
相同であるピキアDNA配列と (iii) 調節領域とポリペプチドの遺伝情報を指定す
る領域よりなる群から選ばれた追加のDNA断片を有し、 かつ、当該形質転換DNA材料は、本質的にピキア中では
自律複製配列活性を含まないもの。必要に応じ、当該形
質転換DNAは、(iv)細菌性のori領域と細菌内で選抜可
能な少なくとも1つのマーカーを有するDNA配列を更に
含有していても良い。(iv)で記載したようなDNA配列
を更に含有することは、細菌中で繁殖させることによる
多量のDNAの生産を促進する。追えて、これらの配列を
含むことにより、当該DNAを更に修飾するために使用す
る追加の特異的制限酵素切断部位を提供し得よう。
ターを形質転換DNAとして使用することで達成すること
ができる: (i) 形質転換すべきピキア宿主菌株内で選ぶことの
できる一つの遺伝子と、 (ii) ピキア宿主菌株のゲノムと本質的程度において
相同であるピキアDNA配列と (iii) 調節領域とポリペプチドの遺伝情報を指定す
る領域よりなる群から選ばれた追加のDNA断片を有し、 かつ、当該形質転換DNA材料は、本質的にピキア中では
自律複製配列活性を含まないもの。必要に応じ、当該形
質転換DNAは、(iv)細菌性のori領域と細菌内で選抜可
能な少なくとも1つのマーカーを有するDNA配列を更に
含有していても良い。(iv)で記載したようなDNA配列
を更に含有することは、細菌中で繁殖させることによる
多量のDNAの生産を促進する。追えて、これらの配列を
含むことにより、当該DNAを更に修飾するために使用す
る追加の特異的制限酵素切断部位を提供し得よう。
適切なる統合的形質転換ベクターは、第4図に示した
プラスミドpYJ8により代表される。ピキア パストリス
NRRL Y−15851のような宿主を、プラスミドpYJ8、又
は追加のDNA配列を含有するpYJ8の誘導体で形質転換す
ることは、宿主の染色体中へ当該プラスミドを統合する
ことに至る。これは、栄養要求性の変異株の欠缺してい
る遺伝子とプラスミドによつて提供される機能遺伝子間
の本質的程度においての相同性とプラスミド中における
ARSの意図的不存在から生れるものである。統合が起ら
なければ、ARS要素のないプラスミドは娘細胞へと引継
がれる手段を全く有しないこととなり、それ故に、宿主
細胞の次世代からは“失われて”しまうであろう。形質
転換ベクターのピキア−由来のDNA配列と宿主のゲノム
配列の間の相同性が当該ベクターと宿主DNAの組換のた
めの原動力を提供するのである。その結果、プラスミド
DNAは宿主染色体へと統合されるのである。
プラスミドpYJ8により代表される。ピキア パストリス
NRRL Y−15851のような宿主を、プラスミドpYJ8、又
は追加のDNA配列を含有するpYJ8の誘導体で形質転換す
ることは、宿主の染色体中へ当該プラスミドを統合する
ことに至る。これは、栄養要求性の変異株の欠缺してい
る遺伝子とプラスミドによつて提供される機能遺伝子間
の本質的程度においての相同性とプラスミド中における
ARSの意図的不存在から生れるものである。統合が起ら
なければ、ARS要素のないプラスミドは娘細胞へと引継
がれる手段を全く有しないこととなり、それ故に、宿主
細胞の次世代からは“失われて”しまうであろう。形質
転換ベクターのピキア−由来のDNA配列と宿主のゲノム
配列の間の相同性が当該ベクターと宿主DNAの組換のた
めの原動力を提供するのである。その結果、プラスミド
DNAは宿主染色体へと統合されるのである。
実施例 以下の実施例で使用する緩衝液及び溶液の組成は次の
通りである。
通りである。
1モル トリス緩衝液: 800mlの水に121.1gのトリス塩基、pHを所望の値に濃塩
酸(35%)を加えて調整。最終pH調整前に溶液を室温ま
で冷却し、最終液量を1とする。
酸(35%)を加えて調整。最終pH調整前に溶液を室温ま
で冷却し、最終液量を1とする。
デンハート(Denhardt′s)氏溶液: 5gのフアイコール(Ficoll) 5gのポリビニルピロリドン 5gの牛の血精アルブミン(BSA;ペンタツクスフラクシヨ
ンV)水で全量を500mlとする。
ンV)水で全量を500mlとする。
TE緩衝液: 1.0ミリモルEDTAを0.01モルのトリス緩衝液(pH=7.4)
に添加 LB(Luria−Bertani)培地: 5gのバクト−トリプトン 5gのバクト−イースト抽出物 2.5gのNaCl を1の水に含み、pHは7.5にNaOHで調整 2B培地: 0.2%NH4PO4 1.2%Na2PO4 0.013%MgSO4・7H2O 0.074%CaCl2・2H2O 1μg/mlチアミン 0.4%デキストローズ YPD培地: 1%のバクト−イースト抽出物 2%のバクト−ペプチド 2%のデキストローズ SD培地: 6.75gのアミノ酸を含まない酵母用窒素基剤(DIFCO製) 2%のデキストローズ を1の水に含む。
に添加 LB(Luria−Bertani)培地: 5gのバクト−トリプトン 5gのバクト−イースト抽出物 2.5gのNaCl を1の水に含み、pHは7.5にNaOHで調整 2B培地: 0.2%NH4PO4 1.2%Na2PO4 0.013%MgSO4・7H2O 0.074%CaCl2・2H2O 1μg/mlチアミン 0.4%デキストローズ YPD培地: 1%のバクト−イースト抽出物 2%のバクト−ペプチド 2%のデキストローズ SD培地: 6.75gのアミノ酸を含まない酵母用窒素基剤(DIFCO製) 2%のデキストローズ を1の水に含む。
HAM: 0.67%のアミノ酸を含まない酵母用窒素基剤(DIFCO
製) 1%デキストローズ 2%ヒスチジン測定用培地(DIFCO製)各50μg/mlの イソロイシン ロイシン リジン メチオニン グルタミン SED: 1モルのソルビトール 25ミリモルのEDTA 50ミリモルのDTT SCE緩衝液: 9.1gのソルビトール 1.47gのクエン酸ソーダ 0.168gのEDTA 50mlのH2O pHをHClで5.8とする。
製) 1%デキストローズ 2%ヒスチジン測定用培地(DIFCO製)各50μg/mlの イソロイシン ロイシン リジン メチオニン グルタミン SED: 1モルのソルビトール 25ミリモルのEDTA 50ミリモルのDTT SCE緩衝液: 9.1gのソルビトール 1.47gのクエン酸ソーダ 0.168gのEDTA 50mlのH2O pHをHClで5.8とする。
CaS: 1モルのソルビトール 1ミリモルのCaCl2 濾過後、滅菌 PEG溶液: 20%のポリエチレングリコール−3350 10ミリモルのCaCl2 10ミリモルのトリス塩酸塩 (pH7.4) 濾過後、滅菌 SOS:1モルのソルビトール 0.3倍のYPD倍地 10ミリモルのCaCl2 次の略号を実施例で使用しているが、以下の意味を有
するものである。
するものである。
EDTA=エチレンジアミンテトラ酢酸 SDS=ドデシル硫酸ソーダ DTT=ジチオスレイトール(dithiothreitol) 実施例I ピキア パストリスの形質転換手順 A 細胞の成育 1.YPD倍地約10ml中へピキア パストリスGS115(NRRL
Y−15851)のコロニーを植えつけ、30℃で12−20時間
振とう培養する。
Y−15851)のコロニーを植えつけ、30℃で12−20時間
振とう培養する。
2.約12−20時間後、OD600で約0.01から0.1となるように
細胞を希釈し、YPD培地中で30℃で約6〜8時間細胞を
対数増殖期に保持する。
細胞を希釈し、YPD培地中で30℃で約6〜8時間細胞を
対数増殖期に保持する。
3.約6〜8時間後、OD600で約0.1(又はその相当量)の
種培養0.5mlを、YPD培地100mlに植付ける。30℃で約12
−20時間振とう培養する。
種培養0.5mlを、YPD培地100mlに植付ける。30℃で約12
−20時間振とう培養する。
4.OD600が約0.2−0.3となつたとき(約16−20時間後)
培養物を1500Gで5分間遠心分離し、回収する。
培養物を1500Gで5分間遠心分離し、回収する。
B スフエロプラストの調製 1.細胞を1度10mlの滅菌水中で洗う。(ステツプ1ない
し5の遠心分離はすべて1500G、5分間である)。
し5の遠心分離はすべて1500G、5分間である)。
2.新たに調製したSED10m中で細胞を洗う。
3.滅菌1モルソルビトール溶液10ml中で細胞を2度洗
う。
う。
4.10mlのSCE緩衝液に細胞を再分散する。
5.チモリアーゼ60,000(マイルズ ラボラトリーズ社
製)ml当り4mg含む溶液を5−10μ加える。約30−60
分、30℃で細胞をインキユベートする。
製)ml当り4mg含む溶液を5−10μ加える。約30−60
分、30℃で細胞をインキユベートする。
スフエロプラストの調製は形質転換手順においては、
危険をはらんだ工程であるため、スフエロプラストの形
成を次の如くモニターする必要がある。細胞(を含む
液)100μを900μの5%SDS及び900μの1モルの
ソルビトールに、チモリアーゼの添加前又は添加直後及
びインキユベート期間中種々な間隔で加える。SDS中で
は細胞が溶解するが、ソルビトール中では溶解しない点
(通常30から60分のインキユベーシヨン)でインキユベ
ーシヨンを停める。
危険をはらんだ工程であるため、スフエロプラストの形
成を次の如くモニターする必要がある。細胞(を含む
液)100μを900μの5%SDS及び900μの1モルの
ソルビトールに、チモリアーゼの添加前又は添加直後及
びインキユベート期間中種々な間隔で加える。SDS中で
は細胞が溶解するが、ソルビトール中では溶解しない点
(通常30から60分のインキユベーシヨン)でインキユベ
ーシヨンを停める。
6.スフエロプラストを滅菌した1モルのソルビトール10
ml中で、1,000Gで5−10分遠心分離しながら二度洗浄す
る(遠心分離のための時間及び速度は変動する。スフエ
ロプラストがペレツト化するに充分なだけ遠心分離す
る。しかし、その力で破壊されるほどであつてはならな
い)。
ml中で、1,000Gで5−10分遠心分離しながら二度洗浄す
る(遠心分離のための時間及び速度は変動する。スフエ
ロプラストがペレツト化するに充分なだけ遠心分離す
る。しかし、その力で破壊されるほどであつてはならな
い)。
7.滅菌したCaS10ml中で1度洗う。
8.全量で0.6mlのCaSに細胞を再分散させる。
C 形質転換 1.DNAのサンプル(20μの容量まで)を12×75mmの滅
菌したポリプロピレン管に加える(DNAの水又はTE緩衝
液中に分散されていること;少量のDNAで最大限の形質
転換頻度を上げるためには各サンプルに、超音波処理し
た大腸菌を5mg/ml含む溶液1μを加えるのが好まし
い)。
菌したポリプロピレン管に加える(DNAの水又はTE緩衝
液中に分散されていること;少量のDNAで最大限の形質
転換頻度を上げるためには各サンプルに、超音波処理し
た大腸菌を5mg/ml含む溶液1μを加えるのが好まし
い)。
2.100μのスフエロプラストを各DNAサンプルに加え
て、室温で約20分間インキユベートする。
て、室温で約20分間インキユベートする。
3.1mlのPEG溶液を各サンプルに1ml加え、室温で約20分
間インキユベートする。
間インキユベートする。
4.サンプルを1500Gで5〜10分間遠心分離し、PEG溶液を
デカンテーシヨンにより除く。
デカンテーシヨンにより除く。
5.サンプルを、SOS150μ中に再分散し、室温で30分間
インキユベートする。
インキユベートする。
6.滅菌した1モルのソルビトール溶液850μを加え、
以下に記載した様に適当量のサンプルを取り平板増着す
る。
以下に記載した様に適当量のサンプルを取り平板増着す
る。
D スフエロプラストの再生 1.再生用寒天培地の組成 a.寒天−ソルビトール培地;9gのバクト寒天、54.6gのソ
ルビトール、240mlの水、高温滅菌する。
ルビトール、240mlの水、高温滅菌する。
b.グルコース10倍培地;20gのデキストローズ、100mlの
水、高温滅菌する。
水、高温滅菌する。
c.SC10倍培地;6.75gのアミノ酸を含まない酵母室素基
材、100mlの水、高温滅菌する(所望のアミノ酸又は核
酸を200μg/mlの濃度まで高温滅菌前又はその後に加え
る) d.30mlのグルコース10倍培地及び30mlのSC10倍培地を30
0mlの溶解した寒天−ソルビトール溶液に加える。0.2mg
/mlのビオチン液0.6ml、及び所望のアミノ酸又は核酸を
20μg/mlの濃度まで加える。溶解した再生用寒天培地を
55−60℃に保つ。
材、100mlの水、高温滅菌する(所望のアミノ酸又は核
酸を200μg/mlの濃度まで高温滅菌前又はその後に加え
る) d.30mlのグルコース10倍培地及び30mlのSC10倍培地を30
0mlの溶解した寒天−ソルビトール溶液に加える。0.2mg
/mlのビオチン液0.6ml、及び所望のアミノ酸又は核酸を
20μg/mlの濃度まで加える。溶解した再生用寒天培地を
55−60℃に保つ。
2.形質転換したサンプルの平板培養 形質転換サンプルが用意できる少なくとも30分前に、
プレートあたり10mlの再生用寒天培地よりなる基底部寒
天層を注ぐ。試験管に再生用寒天培地10mlを、形質転換
サンプルがSOS中に入れてある間に、45−50℃のバス上
で、分散させる。再生用寒天培地の入つた試験管に適当
量の形質転換サンプルを加え、プレート内の基底部寒天
層上に注ぐ。45−50℃に保つた溶融状態の再生用寒天培
地10mlにそれぞれのサンプルを適当量加え、再生用寒天
培地よりなる固まつた10mlの基底部寒天層上にそれぞれ
を注ぐ。
プレートあたり10mlの再生用寒天培地よりなる基底部寒
天層を注ぐ。試験管に再生用寒天培地10mlを、形質転換
サンプルがSOS中に入れてある間に、45−50℃のバス上
で、分散させる。再生用寒天培地の入つた試験管に適当
量の形質転換サンプルを加え、プレート内の基底部寒天
層上に注ぐ。45−50℃に保つた溶融状態の再生用寒天培
地10mlにそれぞれのサンプルを適当量加え、再生用寒天
培地よりなる固まつた10mlの基底部寒天層上にそれぞれ
を注ぐ。
3.フスエロプラスト調製品の品質の決定 1サンプル当り10μをとり、1Mのソルビトール990
μを加えて100倍に希釈する。100倍希釈液を10μと
り、990μ量の1Mのソルビトールを再び加えて更に100
倍希釈する。YPD培地上に上記二つの希釈液100μを、
調製品中にスフエロプラスト化されずに残存している完
全細胞の濃度を測定するため、YPD寒天培地上に塗布す
る。40μg/mlヒスチジンを加えた再生寒天10mlに、全再
生可能なスフエロプラストを測定するため各希釈液を10
0μ加える。形質転換実験のための良好な値として
は、ml当り1−3×107の全再生可能なスフエロプラス
トとml当り約1×10-3の完全細胞である。
μを加えて100倍に希釈する。100倍希釈液を10μと
り、990μ量の1Mのソルビトールを再び加えて更に100
倍希釈する。YPD培地上に上記二つの希釈液100μを、
調製品中にスフエロプラスト化されずに残存している完
全細胞の濃度を測定するため、YPD寒天培地上に塗布す
る。40μg/mlヒスチジンを加えた再生寒天10mlに、全再
生可能なスフエロプラストを測定するため各希釈液を10
0μ加える。形質転換実験のための良好な値として
は、ml当り1−3×107の全再生可能なスフエロプラス
トとml当り約1×10-3の完全細胞である。
4.平板培地を30℃で3−5日間培養する。
実施例II ピキア パストリスHIS4遺伝子の分離 A.菌株 使用した菌株は次の通りである。
(a) ピキア パストリス NRRL Y−11430株 (b) ピキア パストリス NRRL Y−15851(GS115
−his4) (c) エス・セレビシエ5799−4D株 (his4−260 his4−39;NRRL Y−15859)、及び (d) 大腸菌848株(F- met thi gal T1 Rφ80Shsd R-
hsd M+) B.プラスミド pYA2は、pBR325のPstI部位に挿入された9.3Kb PstI
断片上のエス・セレビシエのHIS4遺伝子より構成されて
居り、それはエス・セレビシエHIS4遺伝子断片の給源で
あり、大腸菌宿主に移入してありNRRL B−15874株
(米国イリノイ州NRRLに国際寄託済)として公衆が入手
可能である。
−his4) (c) エス・セレビシエ5799−4D株 (his4−260 his4−39;NRRL Y−15859)、及び (d) 大腸菌848株(F- met thi gal T1 Rφ80Shsd R-
hsd M+) B.プラスミド pYA2は、pBR325のPstI部位に挿入された9.3Kb PstI
断片上のエス・セレビシエのHIS4遺伝子より構成されて
居り、それはエス・セレビシエHIS4遺伝子断片の給源で
あり、大腸菌宿主に移入してありNRRL B−15874株
(米国イリノイ州NRRLに国際寄託済)として公衆が入手
可能である。
YEp13はアメリカンタイプカルチヤーコレクシヨンか
ら入手可能であり、寄託番号はATCC37115が割り当てら
れている。
ら入手可能であり、寄託番号はATCC37115が割り当てら
れている。
C.培地 ピキア パストリスはYPD(富化)培地又はIMG(最
少)培地で成育させた。IMG、最少培地、は次のものよ
り構成されている。
少)培地で成育させた。IMG、最少培地、は次のものよ
り構成されている。
1.IM1塩類、最終濃度で36.7ミリモルのKH2PO4、22.7ミ
リモルの(NH4)2SO4、2.0ミリモルのMgSO4・7H2O、6.7
ミリモルのKCl、0.7ミリモルのCaCl2・2H2O;10倍の貯蔵
液として調製し、高温滅菌したもの。
リモルの(NH4)2SO4、2.0ミリモルのMgSO4・7H2O、6.7
ミリモルのKCl、0.7ミリモルのCaCl2・2H2O;10倍の貯蔵
液として調製し、高温滅菌したもの。
2.微量塩類、最終濃度で0.2マイクロモルのCuSO4・5H
2O、1.25マイクロモルのKI、4.5マイクロモルのMnSO4・
H2O、2.0マイクロモルのNaMoO4・2H2O、0.75マイクロモ
ルのH3BO3、17.5マイクロモルのZnSO4・7H2O、44.5マイ
クロモルのFeCl3・6H2O400倍貯蔵液として調製し、濾液
を滅菌した。
2O、1.25マイクロモルのKI、4.5マイクロモルのMnSO4・
H2O、2.0マイクロモルのNaMoO4・2H2O、0.75マイクロモ
ルのH3BO3、17.5マイクロモルのZnSO4・7H2O、44.5マイ
クロモルのFeCl3・6H2O400倍貯蔵液として調製し、濾液
を滅菌した。
3.0.4μg/mlのビオチン及び 4.2%デキストローズ 大腸菌はLB培地又は2B培地100μ/mlのトリプトフア
ン及び0.2%カザミノ酸を追加添加したもので培養し
た。
ン及び0.2%カザミノ酸を追加添加したもので培養し
た。
D.DNA分離 1.酵素DNAの大規模調製 ピキア パストリス及びエス・セレビシエDNA調製は、
酵母細胞をA600が1−2となるまで最少培地100mlを成
育させ、次いで2,000Gで5分間遠心分離して細胞を回収
することにより行なつた。当該細胞を水、SED、1モル
のソルビトール中でそれぞれ1度洗浄し、次いで1Mのソ
ルビトールに分散した細胞を5mlの0.1モルのトリス−塩
酸(pH=7.0)に分散した。細胞をチモラーゼ60,0000
(マイルス ラボラトリーズ社製)の4mg/ml溶液50−10
0μと混合して、細胞壁を消化するために1時間30℃
でインキユベートした。スフエロプラスト調製品を1,00
0Gで5−10分間遠心分離し、溶菌用緩衝液(0.1%SDS、
10ミリモルのトリス−塩酸(pH7.4)、5ミリモルのEDT
A及び50ミリモルのNaCl)に懸濁した。プロテナーゼK
(ベーリンガー マンハイム社製)及びRNナーゼA(シ
グマ社製)それぞれ100μ/mlの割合で加え、混合物を
37℃30分間インキユベートした。DNAは、イソアミルア
ルコールを含有するクロロホルム(24:1、v/v)を当該
調製物と等量しずかに混合し、蛋白を除き、各相を12,0
00Gで20分間遠心分離することにより分離した。上の
(水)相を新しい試験管に移し、当量のフエノール/ク
ロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1、v/v/v)
混合液で抽出した。各相を前と同様分離し、最上相を2
−3倍量の冷100%エタノールを含む試験管に入れた。
サンプルをしずかに混合し、DNAをプラスチツク製棒の
上にまきつけて回収した。当該DNAをただちに1mlのTE緩
衝液に溶解し、100倍量のTE緩衝液で40℃で1晩透析し
た。
酵母細胞をA600が1−2となるまで最少培地100mlを成
育させ、次いで2,000Gで5分間遠心分離して細胞を回収
することにより行なつた。当該細胞を水、SED、1モル
のソルビトール中でそれぞれ1度洗浄し、次いで1Mのソ
ルビトールに分散した細胞を5mlの0.1モルのトリス−塩
酸(pH=7.0)に分散した。細胞をチモラーゼ60,0000
(マイルス ラボラトリーズ社製)の4mg/ml溶液50−10
0μと混合して、細胞壁を消化するために1時間30℃
でインキユベートした。スフエロプラスト調製品を1,00
0Gで5−10分間遠心分離し、溶菌用緩衝液(0.1%SDS、
10ミリモルのトリス−塩酸(pH7.4)、5ミリモルのEDT
A及び50ミリモルのNaCl)に懸濁した。プロテナーゼK
(ベーリンガー マンハイム社製)及びRNナーゼA(シ
グマ社製)それぞれ100μ/mlの割合で加え、混合物を
37℃30分間インキユベートした。DNAは、イソアミルア
ルコールを含有するクロロホルム(24:1、v/v)を当該
調製物と等量しずかに混合し、蛋白を除き、各相を12,0
00Gで20分間遠心分離することにより分離した。上の
(水)相を新しい試験管に移し、当量のフエノール/ク
ロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1、v/v/v)
混合液で抽出した。各相を前と同様分離し、最上相を2
−3倍量の冷100%エタノールを含む試験管に入れた。
サンプルをしずかに混合し、DNAをプラスチツク製棒の
上にまきつけて回収した。当該DNAをただちに1mlのTE緩
衝液に溶解し、100倍量のTE緩衝液で40℃で1晩透析し
た。
2.小規模酵母DNA調製 A600で1−5でなるまで5mlの酵母の培養物を最少培
地で成長させ、次いで2,000Gで5分間遠心分離し、収集
した。細胞を1mlのSEDに懸濁し、1.5mlの極小遠心管に
移し、1モルのソルビトール中で1度洗い、1モルのソ
ルビトールに分散させた細胞を0.1モルトリス塩酸(pH
7.4)0.5ml中に懸濁した。チモリアーゼ60,000(マイル
ラボラトリーズ社;4mg/mlの溶液を10μ)各サンプ
ルに加え、当該細胞を30℃で、30−60分間インキユベー
トした。細胞は次いで1分間遠心分離し、溶菌用緩衝液
中に懸濁し、65−70℃でインキユベートした。15分後に
サンプルを5モルの酢酸カリウム100μと混合し、氷
浴中に15分間保持し、5分間遠心分離した。上澄液を10
0%のエタノール1mlを含む新しい極小遠心管中へデカン
テーシヨンし、混合後ただちに10秒間遠心分離した。最
終的にペレツトを10−15分間風乾し、5μのTE緩衝液
に溶かした。
地で成長させ、次いで2,000Gで5分間遠心分離し、収集
した。細胞を1mlのSEDに懸濁し、1.5mlの極小遠心管に
移し、1モルのソルビトール中で1度洗い、1モルのソ
ルビトールに分散させた細胞を0.1モルトリス塩酸(pH
7.4)0.5ml中に懸濁した。チモリアーゼ60,000(マイル
ラボラトリーズ社;4mg/mlの溶液を10μ)各サンプ
ルに加え、当該細胞を30℃で、30−60分間インキユベー
トした。細胞は次いで1分間遠心分離し、溶菌用緩衝液
中に懸濁し、65−70℃でインキユベートした。15分後に
サンプルを5モルの酢酸カリウム100μと混合し、氷
浴中に15分間保持し、5分間遠心分離した。上澄液を10
0%のエタノール1mlを含む新しい極小遠心管中へデカン
テーシヨンし、混合後ただちに10秒間遠心分離した。最
終的にペレツトを10−15分間風乾し、5μのTE緩衝液
に溶かした。
3.大規模大腸菌DNAの分離 大規模(0.5−1)のプラスミド調製用の大腸菌の
培養物は、上述の如く補足され、かつ適当な抗生物質を
含む2B培地中で37℃で振とう培養により成育させた。pB
R322由来のプラスミドを含む細胞の場合には、A550で約
0.7まで培養し、その時点で100μg/mlとなるように充分
量のクロラムフエニコールを加え、細胞をおゝよそ15時
間後に収集した。pBR325由来のプラスミドを含む菌株
は、補足された2Bの培地中に、当初のA550が約0.01−0.
05となるよう移植し、収集前20−24時間37℃で振とうイ
ンキユベートした。プラスミドをビルンボイム(Birnbo
im)及びドーリー(Doly)のアルカリ溶菌法(1979年)
により分離した。
培養物は、上述の如く補足され、かつ適当な抗生物質を
含む2B培地中で37℃で振とう培養により成育させた。pB
R322由来のプラスミドを含む細胞の場合には、A550で約
0.7まで培養し、その時点で100μg/mlとなるように充分
量のクロラムフエニコールを加え、細胞をおゝよそ15時
間後に収集した。pBR325由来のプラスミドを含む菌株
は、補足された2Bの培地中に、当初のA550が約0.01−0.
05となるよう移植し、収集前20−24時間37℃で振とうイ
ンキユベートした。プラスミドをビルンボイム(Birnbo
im)及びドーリー(Doly)のアルカリ溶菌法(1979年)
により分離した。
4.小規模大腸菌DNA調製 少量の迅速プラスミド分離のために、抗生物質を含
み、補充した2B培地中の2mlの培養物を37℃で振とう培
養し、1.5mlの極小遠心管中で遠心分離により収集し
た。プラスミドはビルンボイム及びドーリーのアルカリ
溶菌法(1979年)により分離した。
み、補充した2B培地中の2mlの培養物を37℃で振とう培
養し、1.5mlの極小遠心管中で遠心分離により収集し
た。プラスミドはビルンボイム及びドーリーのアルカリ
溶菌法(1979年)により分離した。
E.DNAの制限(酵素)及び断片の分離 制限酵素はニユー・イングランド バイオラボズ及び
ベセスダ(Bethesda)リサーチ ラボラトリーズから入
手し消化は常套手段により行なつた。制限(酵素)の地
図化は、挿入DNAを有するか又は有しないプラスミドの
並行消化物との比較により実施した。制限断片はアガロ
ーズゲルから透析管材料でバツクアツプされたワツトマ
ン3MM紙片への電気溶出により純化した。断片は、紙及
び管材料から0.1モルのNaCl、50ミリモルのトリス−塩
酸(pH8.0)と1ミリモルのEDTAを含む溶液0.1ないし0.
2mlを用い、3〜4回洗浄し、回収した。最後に、当該
断片をフエノール/クロロホルム/イソアミルアルコー
ルで抽出し、エタノールで沈澱させ、少量のTE緩衝液に
再溶解した。
ベセスダ(Bethesda)リサーチ ラボラトリーズから入
手し消化は常套手段により行なつた。制限(酵素)の地
図化は、挿入DNAを有するか又は有しないプラスミドの
並行消化物との比較により実施した。制限断片はアガロ
ーズゲルから透析管材料でバツクアツプされたワツトマ
ン3MM紙片への電気溶出により純化した。断片は、紙及
び管材料から0.1モルのNaCl、50ミリモルのトリス−塩
酸(pH8.0)と1ミリモルのEDTAを含む溶液0.1ないし0.
2mlを用い、3〜4回洗浄し、回収した。最後に、当該
断片をフエノール/クロロホルム/イソアミルアルコー
ルで抽出し、エタノールで沈澱させ、少量のTE緩衝液に
再溶解した。
F.大腸菌内でのピー・パストリスのライブラリー構築 ピキア パストリスDAN−YEp13ライブラリー構築のた
めに、50μgのYEp13をBamHIで完全に消化し、仔牛の腸
アルカリンフオスフアターゼで処理し、DNAから末端の
5′ホスフエートを除去した。ピキア パストリスNRRL
Y−11430からのDNA100μgを、全量で1mlとし、10単
位のSau 3AIを用いて、37℃で5分間インキユベートす
ることにより一部消化を行なつた。5ないし20Kbpの断
片を5−20%の蔗糖濃度勾配遠心法を用いて大きさによ
り分離した。当該ベクターの1μgと2μgのピキア
Sau3AI断片とを、総容量200μ中でT4DNAリガーゼ(ベ
セスダ リサーチ ラボラトリーズ)の20単位と混合
し、4℃で1晩インキユベートした。当該リゲートした
DNAで大腸菌を、同848菌細胞液2mlに全リゲーシヨン反
応混液を加え、0℃で15分間インキユベートすることに
より形質転換した。混合物を5分間で37℃までに加温
し、その時間経過後LB培地40mlを加え、37℃のインキユ
ベーシヨンを更に1時間つづけた。次いでアンピシリン
を加え、全濃度で100μg/mlとし、インキユベーシヨン
を再び1時間つづけた。最後に、細胞を3,000Gで10分間
遠心分離し、新しいLB培地1ml中に再び懸濁させ、100μ
g/mlのアンピシリンを含む10個のLB寒天平板培地上に等
量づつ広げた。結果として約50,000コロニーが発生した
が、それを平板培地からかき取り、細胞の1部分を、当
初のA550が約0.1となるまで500mlの補充した2B培地に接
種した。培養物を成育させ、プラスミドを上述の方法に
より抽出した。ライブラリー用としてプールしたコロニ
ーの中で、100試験したところ96がテトラサイクリン感
受性で、10試験したところ、7つが挿入DNAを有するプ
ラスミドを含有していた。
めに、50μgのYEp13をBamHIで完全に消化し、仔牛の腸
アルカリンフオスフアターゼで処理し、DNAから末端の
5′ホスフエートを除去した。ピキア パストリスNRRL
Y−11430からのDNA100μgを、全量で1mlとし、10単
位のSau 3AIを用いて、37℃で5分間インキユベートす
ることにより一部消化を行なつた。5ないし20Kbpの断
片を5−20%の蔗糖濃度勾配遠心法を用いて大きさによ
り分離した。当該ベクターの1μgと2μgのピキア
Sau3AI断片とを、総容量200μ中でT4DNAリガーゼ(ベ
セスダ リサーチ ラボラトリーズ)の20単位と混合
し、4℃で1晩インキユベートした。当該リゲートした
DNAで大腸菌を、同848菌細胞液2mlに全リゲーシヨン反
応混液を加え、0℃で15分間インキユベートすることに
より形質転換した。混合物を5分間で37℃までに加温
し、その時間経過後LB培地40mlを加え、37℃のインキユ
ベーシヨンを更に1時間つづけた。次いでアンピシリン
を加え、全濃度で100μg/mlとし、インキユベーシヨン
を再び1時間つづけた。最後に、細胞を3,000Gで10分間
遠心分離し、新しいLB培地1ml中に再び懸濁させ、100μ
g/mlのアンピシリンを含む10個のLB寒天平板培地上に等
量づつ広げた。結果として約50,000コロニーが発生した
が、それを平板培地からかき取り、細胞の1部分を、当
初のA550が約0.1となるまで500mlの補充した2B培地に接
種した。培養物を成育させ、プラスミドを上述の方法に
より抽出した。ライブラリー用としてプールしたコロニ
ーの中で、100試験したところ96がテトラサイクリン感
受性で、10試験したところ、7つが挿入DNAを有するプ
ラスミドを含有していた。
G.サザンハイブリダイゼーシヨン ハイブリダイゼーシヨンはサザンの方法(1975年)に
より実施した。大きい、又はスーパーコイル型DNA分子
のニトロセルローズへの移転には、アルカリ変性に先立
つて、アガロースゲルを10分間0.25モルのHCl中に浸漬
することによりDNAをまず一部加水分解した。エス・セ
レビシエのHIS4遺伝子由来の標識した断片の、ピキア
パストリスDNAへのハイブリダイゼーシヨンは50%のホ
ルムアミド、6倍量のSSC、5倍のデンハルト氏液、0.1
%SDS、1ミリモルのEDTA、100μg/mlの変性したニシン
の精子DNAの存在下で42℃で行なつた。エス・セレビシ
エHIS4遺伝子から標識された断片のピキア パストリス
DNAのハイブリダイゼーシヨンのためのハイブリダイゼ
ーシヨン後の洗浄は、2倍のSSC、1ミリモルのEDTA、
0.1%のSDS及び1.0%のピロリン酸ソーダ中で55℃で行
なつた。
より実施した。大きい、又はスーパーコイル型DNA分子
のニトロセルローズへの移転には、アルカリ変性に先立
つて、アガロースゲルを10分間0.25モルのHCl中に浸漬
することによりDNAをまず一部加水分解した。エス・セ
レビシエのHIS4遺伝子由来の標識した断片の、ピキア
パストリスDNAへのハイブリダイゼーシヨンは50%のホ
ルムアミド、6倍量のSSC、5倍のデンハルト氏液、0.1
%SDS、1ミリモルのEDTA、100μg/mlの変性したニシン
の精子DNAの存在下で42℃で行なつた。エス・セレビシ
エHIS4遺伝子から標識された断片のピキア パストリス
DNAのハイブリダイゼーシヨンのためのハイブリダイゼ
ーシヨン後の洗浄は、2倍のSSC、1ミリモルのEDTA、
0.1%のSDS及び1.0%のピロリン酸ソーダ中で55℃で行
なつた。
H.32p−標識 ニツク翻訳はリグビイ(Rigby)らの方法(1977年)
で実施した。
で実施した。
1.酵母形質転換 エス・セレビシエの形質転換はヒンネン(Hinnen)ら
の方法(1978年)のスフエロプラスト世代法により実施
した。
の方法(1978年)のスフエロプラスト世代法により実施
した。
ピキア パストリスの形質転換は上述した手順に順じ
実施した。
実施した。
J.ピキア HIS4遺伝子の単離 ピキアHIS4遺伝子を含むDNA断片をエス・セレビシエh
is4株を相補する彼らの能力を用いピキアDNAライブラリ
ーから単離した。当該ライブラリーは、エス・セレビシ
エ−大腸菌シヤトルベクターYEp13のBamHI部位へと挿入
された野生型ピキアDNAの5−20KbpSau3AIの部分消化断
片より構成されていた。
is4株を相補する彼らの能力を用いピキアDNAライブラリ
ーから単離した。当該ライブラリーは、エス・セレビシ
エ−大腸菌シヤトルベクターYEp13のBamHI部位へと挿入
された野生型ピキアDNAの5−20KbpSau3AIの部分消化断
片より構成されていた。
エス・セレビシエNRRL Y−15859(5799−4D;his4AB
C株の一つ)のスフエロプラストをヒンネン等の方法(1
978年)により作り出し、当該ピキアDNAライブラリーと
混合し、ヒスチジン欠缺培地中で再生させた。形質転換
により5×107の全再生可能なスフエロプラストから1
×103の原栄養性の酵母コロニーが得られた。全酵母DNA
を20のHis+コロニーから抽出し、大腸菌を形質転換し
た。17の酵母DNA調製物がアンピシリン抵抗性コロニー
を形成し、いずれのコロニーもYEp13と挿入DNAよりなる
プラスミドを含有していた。His+形質転換プラスミドが
ピキアHIS4遺伝子を含有しているがサプレツサー活性を
もつDNA遺伝子を含まないことを確認するために、当該
プラスミドの制限(酵母)消化物をエス・セレビシエHI
S4遺伝子の大きな部分を含む、標識されたDNA断片へと
ハイブリダイゼーシヨンし、低い現密度で洗浄した。当
該his4エス・セレビシエ株を相補したプラスミドのいず
れもが、当該エス・セレビシエHIS4遺伝子とハイブリダ
イゼーシヨンされた配列を含有していた。
C株の一つ)のスフエロプラストをヒンネン等の方法(1
978年)により作り出し、当該ピキアDNAライブラリーと
混合し、ヒスチジン欠缺培地中で再生させた。形質転換
により5×107の全再生可能なスフエロプラストから1
×103の原栄養性の酵母コロニーが得られた。全酵母DNA
を20のHis+コロニーから抽出し、大腸菌を形質転換し
た。17の酵母DNA調製物がアンピシリン抵抗性コロニー
を形成し、いずれのコロニーもYEp13と挿入DNAよりなる
プラスミドを含有していた。His+形質転換プラスミドが
ピキアHIS4遺伝子を含有しているがサプレツサー活性を
もつDNA遺伝子を含まないことを確認するために、当該
プラスミドの制限(酵母)消化物をエス・セレビシエHI
S4遺伝子の大きな部分を含む、標識されたDNA断片へと
ハイブリダイゼーシヨンし、低い現密度で洗浄した。当
該his4エス・セレビシエ株を相補したプラスミドのいず
れもが、当該エス・セレビシエHIS4遺伝子とハイブリダ
イゼーシヨンされた配列を含有していた。
His+形質転換プラスミドの1つを更に特性化のため選
択した。当該6.0Kbpの断片の詳細な制限(酵素)地図は
第3図に示してある。当該his4変異株NRRL Y−15851
(GS115)を高頻度で形質転換できる最少のサブフラグ
メントは2.7KbpのBgl II断片(第3図参照)である、と
当該6.0Kbp断片の一部分でGS115を形質転換することに
より決定された。このBgl II断片は、またエス・セレビ
シエhis4変異株NRRL−15859も高頻度で形質転換でき
た。かくして、この発明にもとづき単離され、特性づけ
られた当該HIS4遺伝子は、エス・セレビシエ中で同定さ
れているHIS4A、HIS4B及びHIS4C遺伝子機能、すなわ
ち、それぞれホスホリボシル−ATP−シクロハイドラー
ゼ、ホスホリボシル−ATP−ピロホスホヒドラターゼ及
びヒスチジノール脱水素酵素を含有していると信じられ
ている。
択した。当該6.0Kbpの断片の詳細な制限(酵素)地図は
第3図に示してある。当該his4変異株NRRL Y−15851
(GS115)を高頻度で形質転換できる最少のサブフラグ
メントは2.7KbpのBgl II断片(第3図参照)である、と
当該6.0Kbp断片の一部分でGS115を形質転換することに
より決定された。このBgl II断片は、またエス・セレビ
シエhis4変異株NRRL−15859も高頻度で形質転換でき
た。かくして、この発明にもとづき単離され、特性づけ
られた当該HIS4遺伝子は、エス・セレビシエ中で同定さ
れているHIS4A、HIS4B及びHIS4C遺伝子機能、すなわ
ち、それぞれホスホリボシル−ATP−シクロハイドラー
ゼ、ホスホリボシル−ATP−ピロホスホヒドラターゼ及
びヒスチジノール脱水素酵素を含有していると信じられ
ている。
実施例III 調節領域−Lac遺伝子融合体の構築 当該HIS4プロモータ及び調節領域配列を含むDNA断片
を同定するために、プラスミドpYJ8をEcoRI及びPvuIIで
切断し、電気泳動を用い溶出した。ピキアDNAの600pb断
片を回収し、EcoRI及びSmaIでポリリンカー部位を切断
したプラスミドpBPfIへリゲートした。得られたプラス
ミド、pBPf3でピキア パストリスNRRL Y−15851で形
質転換し、それを当該ピキア HIS4調節領域の制御のも
とでのβ−ガラクトシダーゼの生産を目的とした次の試
験に使用した。
を同定するために、プラスミドpYJ8をEcoRI及びPvuIIで
切断し、電気泳動を用い溶出した。ピキアDNAの600pb断
片を回収し、EcoRI及びSmaIでポリリンカー部位を切断
したプラスミドpBPfIへリゲートした。得られたプラス
ミド、pBPf3でピキア パストリスNRRL Y−15851で形
質転換し、それを当該ピキア HIS4調節領域の制御のも
とでのβ−ガラクトシダーゼの生産を目的とした次の試
験に使用した。
実施例IV アミノ酸調節下でのβ−ガラクトシダーゼの発現 A.平板培養による測定 pBPf3で形質転換されたピー・パストリスNRRL−15851
を0.4μg/mlのビチオン、40μg/mlのXgal(5−ブロモ
−4−クロル−3−インドリル−β−D−グリコシド)
で補充されたYPD及びSD2%平板寒天培地上に塗布した。
SD含有平板培地は一塩基性リン酸カリウム(monobasic
potassium phosphate)を加えてpHを7.0に調節した。Xg
al測定の原理は、もしも細胞中に存在するならば、β−
グリコシダーゼはXgalと反応して青色の化合物を生成す
るということにある。生成した青い色は肉眼で検出でき
る。pBPf3形質転換ビー パストリス細胞中に、最少(S
D培地)平板上で約4−5時間以内に青い色があらわれ
たが、一方富化(YPD)培地を含む平板培地上に青い色
が表われるのには1週間のインキユベーシヨンを必要と
した。対照として、形質転換されていないピー・パスト
リス細胞、pBPf1で形質転換したピー・パストリス細
胞、pBPf2(ピキアHIS4遺伝子の5′未満からの400bpの
R1−B2断片とpBPf1の誘導体)で形質転換されたピー・
パストリス細菌のいずれもがいずれの試験した条件下で
は青い色にはならなかつた。これらの観察は、当該600p
bのR1−R2ピキア HIS4断片−LacZ遺伝子の融合体が発
現し、アミノ酸を調節した条件下で調節できることを示
唆している。
を0.4μg/mlのビチオン、40μg/mlのXgal(5−ブロモ
−4−クロル−3−インドリル−β−D−グリコシド)
で補充されたYPD及びSD2%平板寒天培地上に塗布した。
SD含有平板培地は一塩基性リン酸カリウム(monobasic
potassium phosphate)を加えてpHを7.0に調節した。Xg
al測定の原理は、もしも細胞中に存在するならば、β−
グリコシダーゼはXgalと反応して青色の化合物を生成す
るということにある。生成した青い色は肉眼で検出でき
る。pBPf3形質転換ビー パストリス細胞中に、最少(S
D培地)平板上で約4−5時間以内に青い色があらわれ
たが、一方富化(YPD)培地を含む平板培地上に青い色
が表われるのには1週間のインキユベーシヨンを必要と
した。対照として、形質転換されていないピー・パスト
リス細胞、pBPf1で形質転換したピー・パストリス細
胞、pBPf2(ピキアHIS4遺伝子の5′未満からの400bpの
R1−B2断片とpBPf1の誘導体)で形質転換されたピー・
パストリス細菌のいずれもがいずれの試験した条件下で
は青い色にはならなかつた。これらの観察は、当該600p
bのR1−R2ピキア HIS4断片−LacZ遺伝子の融合体が発
現し、アミノ酸を調節した条件下で調節できることを示
唆している。
B.液体培養測定 ピー・パストリスNRRL Y−15851をプラスミドpBPf3
で形質転換した。形質転換した細胞を0.4μg/mlのビオ
チンで補充したSD培地に接種し、溶液のml当のA600が約
0.7になるまで30℃で振とう培養した。次いで、3.5mlの
培養物を96.5mlの下記のいずれか一つの培地を含む2本
のフラスコに加えた: I 0.4μg/mlビチオンを含むSD培地、 及び II HAM これらの2つの培養体を、30℃で80時間振とうしなが
ら培養し、対数増殖期まで成育させた。サンプルを各特
定時間経過後に採取し、β−ガラクトシダーゼについて
測定した。
で形質転換した。形質転換した細胞を0.4μg/mlのビオ
チンで補充したSD培地に接種し、溶液のml当のA600が約
0.7になるまで30℃で振とう培養した。次いで、3.5mlの
培養物を96.5mlの下記のいずれか一つの培地を含む2本
のフラスコに加えた: I 0.4μg/mlビチオンを含むSD培地、 及び II HAM これらの2つの培養体を、30℃で80時間振とうしなが
ら培養し、対数増殖期まで成育させた。サンプルを各特
定時間経過後に採取し、β−ガラクトシダーゼについて
測定した。
β−ガラクトシダーゼ測定 ガラクトシダーゼは次のようにして測定した。
1.必要した溶液Z緩衝液 : 最終濃度 Na2HPO4・7H2O16.1g 0.06 M NaH2PO4 5.5g 0.04 M KCl 0.75g 0.01 M MgSO4・7H2O 0.246g 0.001M 2−メルカプトエタノール 2.7mL 0.05 M 1に調製。pHは7とする。
O−ニトロフエニル−β−D−ガラクトシド(ONPG) 400mgのONPG(シグマ N−1127)を100mlの蒸留水に
とかし4mg/mlのONPG溶液をつくる。
とかし4mg/mlのONPG溶液をつくる。
2.分析手順 (i) 適当量(OD600で0.1−0.5の酵母細胞)を培養
培地からとり、遠心分離し、細胞ペレツトを水で洗う。
培地からとり、遠心分離し、細胞ペレツトを水で洗う。
(ii) 1mlのZ緩衝液を細胞ペレツト、30μのCHCl3
及び30μの0.1%SDSに加え、かきまぜ(vortex)5分
間30℃インキユベートする。
及び30μの0.1%SDSに加え、かきまぜ(vortex)5分
間30℃インキユベートする。
(iii)0.2mlのONPG(4mg/ml)を加え、かきまぜたのち
反応を開始する。
反応を開始する。
(iv) 適当な時点(A420<1となつた時点)で1MのNa
2CO3溶液0.5ml加えて反応を停止させる。
2CO3溶液0.5ml加えて反応を停止させる。
(v) 420nmで上澄液の吸光度を読み取る。
3.C,β−ガラクトシダーゼ単位の計算: 1単位=30℃、pH7で1分子当り形成されたオルトニト
ロフエノール(ONP)の1nモル 1cmのパスレングス(pathlength)で、1nモルのONP
は、420nm(A420)で0.0045の吸光度を持つ。従つて、4
20nmでの吸光度1で1ml当り222nモル、又は分析した上
澄液の全量が1.7mlであるので378nモル/1.7mlである。
従って、単位は次の通り計算する。
ロフエノール(ONP)の1nモル 1cmのパスレングス(pathlength)で、1nモルのONP
は、420nm(A420)で0.0045の吸光度を持つ。従つて、4
20nmでの吸光度1で1ml当り222nモル、又は分析した上
澄液の全量が1.7mlであるので378nモル/1.7mlである。
従って、単位は次の通り計算する。
これらの実験の結果は表にまとめて示す。
上記の表に示した結果は、ピキアHIS4プロモータ領域
の制御のもとでβ−ガラトシダーゼが発現したことを示
している。
の制御のもとでβ−ガラトシダーゼが発現したことを示
している。
実施例V ピキアの統合的形質転換 ピー・パストリスのゲノムへのベクターの統合的組換
を実証するために、NRRL Y−15851などのhis4ピキア
宿主中で選抜できるベクター、プラスミドpYJ8(第4図
参照)でピー・パストリスNRRL Y−15851を形質転換
した。ピキアのゲノムに相同の約6.0KbpのDNA配列をプ
ラスミドpYJ8は有している。更に、プラスミドpYJ8は、
検出可能なピキア宿主における自律複製配列活性を有し
ていない。NRRL Y−15851のpYJ8での形質転換は、pYJ
8μg当り約50のHis+のコロニーを形成させしめた。pYJ
8配列のピー・パストリスのゲノム中での存在は、次の
様にして実証した。形質転換体コロニーを再生寒天平板
培地からつまみとり、SD寒天平板培地上に塗布した。当
該平板培地を30℃で3日間培養し、その時点で各形質転
換体の一つのコロニーを1MG培地を含むフラスコ中へ接
種した。1MG培養体を30℃で振とうしながらA600で約1
−2となるまで成育させ、遠心分離により収集した。酵
母の培養物からのDNAは上述の如く抽出し、各DNA(制限
酵素処理しないもの)1−2μgを30ボルト、30ミリア
ンペアで10−15時間かけ0.8%のアガローズゲル中への
電気泳動させ、ニトロセルロースへ移しかえ、32p−標
識のpBR322に上述の如くハイブリダイゼーシヨンした。
対照として大腸菌から分離したプラスミドpYJ8 10ng含
むサンプルと形質転換していないピキア パストリスGS
115DNAを1−2μg含むサンプルを実験サンプルと平行
して電気泳動させた。試験したpYJ8−ピキア形質転換体
のいずれにおいても、標識したpBR322プローブは高分子
のピキア染色体DNAにハイブリダイゼーシヨンした。対
照では、標識したプローブは、形質転換していないピキ
アDNAにはハイブリダイゼーシヨンしなかつた。
を実証するために、NRRL Y−15851などのhis4ピキア
宿主中で選抜できるベクター、プラスミドpYJ8(第4図
参照)でピー・パストリスNRRL Y−15851を形質転換
した。ピキアのゲノムに相同の約6.0KbpのDNA配列をプ
ラスミドpYJ8は有している。更に、プラスミドpYJ8は、
検出可能なピキア宿主における自律複製配列活性を有し
ていない。NRRL Y−15851のpYJ8での形質転換は、pYJ
8μg当り約50のHis+のコロニーを形成させしめた。pYJ
8配列のピー・パストリスのゲノム中での存在は、次の
様にして実証した。形質転換体コロニーを再生寒天平板
培地からつまみとり、SD寒天平板培地上に塗布した。当
該平板培地を30℃で3日間培養し、その時点で各形質転
換体の一つのコロニーを1MG培地を含むフラスコ中へ接
種した。1MG培養体を30℃で振とうしながらA600で約1
−2となるまで成育させ、遠心分離により収集した。酵
母の培養物からのDNAは上述の如く抽出し、各DNA(制限
酵素処理しないもの)1−2μgを30ボルト、30ミリア
ンペアで10−15時間かけ0.8%のアガローズゲル中への
電気泳動させ、ニトロセルロースへ移しかえ、32p−標
識のpBR322に上述の如くハイブリダイゼーシヨンした。
対照として大腸菌から分離したプラスミドpYJ8 10ng含
むサンプルと形質転換していないピキア パストリスGS
115DNAを1−2μg含むサンプルを実験サンプルと平行
して電気泳動させた。試験したpYJ8−ピキア形質転換体
のいずれにおいても、標識したpBR322プローブは高分子
のピキア染色体DNAにハイブリダイゼーシヨンした。対
照では、標識したプローブは、形質転換していないピキ
アDNAにはハイブリダイゼーシヨンしなかつた。
下記の文献を本明細書中で引用した。
ビルボイム及びドーリー(1979年)核酸研究7巻、1513
−1523頁〔Birnboim and Doly(1979)Nucl.Acids Res.
7,1513−1523;〕 ヒンネン等(1978年)米国国立教育学会大会講演集、75
巻、1929−1933頁〔Hinnen et al(1978)Proc.Nat.Aca
d.Sci.,USA 75,1929−1933〕 リグビイ等(1977年)分子微生物学誌、113巻、237頁
〔Rigby et al(1977)J.Mol.Biol.113,237〕 サザン(1975年)分子微生物学誌、98巻503−517頁〔So
uthern(1975)J.Mol.Biol.98,503−517〕
−1523頁〔Birnboim and Doly(1979)Nucl.Acids Res.
7,1513−1523;〕 ヒンネン等(1978年)米国国立教育学会大会講演集、75
巻、1929−1933頁〔Hinnen et al(1978)Proc.Nat.Aca
d.Sci.,USA 75,1929−1933〕 リグビイ等(1977年)分子微生物学誌、113巻、237頁
〔Rigby et al(1977)J.Mol.Biol.113,237〕 サザン(1975年)分子微生物学誌、98巻503−517頁〔So
uthern(1975)J.Mol.Biol.98,503−517〕
第1図はプラスミドYEp13の制限(酵素)地図(restric
tion map)を、第2図はプラスミドpYA4の制限(酵素)
地図を、第3図はピキアHIS4遺伝子及び特定の重要なサ
プフラグメントを含むピキア染色体DNAの6.0キロ塩基対
(Kbp)の制限酵素地図を、第4図はプラスミドpYJ8の
制限酵素地図を、第5図はプラスミドpBPf1の制限酵素
地図を第6図はプラスミドpBPf3の制限酵素地図を示
す。
tion map)を、第2図はプラスミドpYA4の制限(酵素)
地図を、第3図はピキアHIS4遺伝子及び特定の重要なサ
プフラグメントを含むピキア染色体DNAの6.0キロ塩基対
(Kbp)の制限酵素地図を、第4図はプラスミドpYJ8の
制限酵素地図を、第5図はプラスミドpBPf1の制限酵素
地図を第6図はプラスミドpBPf3の制限酵素地図を示
す。
Claims (5)
- 【請求項1】ピキア パストリス NRRL Y−11430株
より入手しうる単離DNA断片であって、かつ該DNA断片は
次の制限酵素地図により規定される単離DNA断片。 - 【請求項2】更にホスホリボシル−ATP−シクロハイド
ラーゼ及びホスホリボシル−ATP−ピロホスヒドラター
ゼの産生の遺伝情報コードするものである請求項1に記
載の単離DNA断片。 - 【請求項3】大腸菌パラスミドpBR325由来の配列とピキ
ア パストリス NRRL Y−11430菌株より入手しうる
ピキア パストリス HIS遺伝子とよりなり、下記の制
限酵素地図を有するハイブリッドプラスミドpYJ8。 - 【請求項4】(a)大腸菌NRRL B−15889株(LE392−
pYJ8)を栄養培地中で培養し、 (b)培養した細胞を破砕して、 (c)破砕した細胞から目的とするプラスミドを回収す
ることよりなる大腸菌プラスミドをpBR325由来の配列と
ピキア パストリス NRRL Y−11430菌株より入手し
うるピキア パストリス HIS遺伝子よりなり、下記の
制限酵素地図を有するハイブリッドプラスミド pYJ8の
単離方法。 - 【請求項5】(a)大腸菌NRRL B−15889株(LE392−
pYJ8)を栄養培地中で培養し、 (b)培養した細胞を破砕して、 (c)破砕した細胞から大腸菌プラスミドpBR325由来の
配列とピキアパストリス NRRL Y−11430菌株より入
手しうるピキア パストリス HIS遺伝子よりなり、次
の制限酵素地図 を有するハイブリッドプラスミドpYJ8を回収し、 (d)かくして回収したハイブリッドプラスミドpYJ8を
NruI、又はEcoRVとNruI、EcoRVとSphI又はNruIとSphIの
組合せから選ばれた制限酵素で消化し、ヒスチジノール
脱水素酵素の産生の遺伝情報をコードする約6.0KbpのDN
A断片を得、 (e)かくして得られたDNA断片を回収すること、から
なるDNA断片を生産する方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US666578 | 1984-10-30 | ||
US06/666,578 US4885242A (en) | 1984-10-30 | 1984-10-30 | Genes from pichia histidine pathway and uses thereof |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6213968A Division JPH07163354A (ja) | 1984-10-30 | 1994-09-07 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
JP8328822A Division JP2710610B2 (ja) | 1984-10-30 | 1996-12-09 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61108391A JPS61108391A (ja) | 1986-05-27 |
JP2617443B2 true JP2617443B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=24674601
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60243783A Expired - Lifetime JP2617443B2 (ja) | 1984-10-30 | 1985-10-30 | 機能遺伝子の分離法、同遺伝子を含むdna断片及びその製法、組換プラスミド及び同プラスミドによる酵母の形質転換法並びに同発現法 |
JP6213968A Pending JPH07163354A (ja) | 1984-10-30 | 1994-09-07 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
JP8328822A Expired - Lifetime JP2710610B2 (ja) | 1984-10-30 | 1996-12-09 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
Family Applications After (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6213968A Pending JPH07163354A (ja) | 1984-10-30 | 1994-09-07 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
JP8328822A Expired - Lifetime JP2710610B2 (ja) | 1984-10-30 | 1996-12-09 | 機能遺伝子を含むdna断片 |
Country Status (12)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4885242A (ja) |
EP (1) | EP0188677A3 (ja) |
JP (3) | JP2617443B2 (ja) |
AU (1) | AU571748B2 (ja) |
DK (1) | DK496285A (ja) |
ES (1) | ES8609477A1 (ja) |
FI (1) | FI854144L (ja) |
GR (1) | GR852608B (ja) |
IL (1) | IL76764A0 (ja) |
NO (1) | NO854333L (ja) |
PT (1) | PT81401B (ja) |
ZA (1) | ZA858182B (ja) |
Families Citing this family (38)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4855231A (en) * | 1984-10-30 | 1989-08-08 | Phillips Petroleum Company | Regulatory region for heterologous gene expression in yeast |
IL90021A0 (en) * | 1988-04-25 | 1989-12-15 | Phillips Petroleum Co | Process for the production of interferon |
IL89992A0 (en) * | 1988-04-25 | 1989-12-15 | Phillips Petroleum Co | Expression of human serum albumin in methylotrophic yeasts |
IL89993A0 (en) * | 1988-04-25 | 1989-12-15 | Phillips Petroleum Co | Expression of the hiv 24kda gag protein in methylotrophic yeasts |
CA2000101A1 (en) * | 1988-12-22 | 1990-06-22 | Mary E. Digan | Pichia pastoris glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase gene |
AU5196290A (en) * | 1989-02-13 | 1990-09-05 | Salk Institute Biotechnology/Industrial Associates, Inc., The | Production of superoxide dismutase in pichia pastoris yeast cells |
US5268273A (en) * | 1990-12-14 | 1993-12-07 | Phillips Petroleum Company | Pichia pastoris acid phosphatase gene, gene regions, signal sequence and expression vectors comprising same |
WO1992013951A1 (en) * | 1991-02-04 | 1992-08-20 | The Salk Institute Biotechnology/Industrial Associates, Inc. | Production of human serum albumin in methylotrophic yeast cells |
DE69232666T2 (de) * | 1991-04-01 | 2003-03-20 | Merck & Co., Inc. | Gene, die die proteolytische aktivitaet von pichia beeinflussen und deren verwendung |
CA2058820C (en) * | 1991-04-25 | 2003-07-15 | Kotikanyad Sreekrishna | Expression cassettes and vectors for the secretion of human serum albumin in pichia pastoris cells |
US5330901A (en) * | 1991-04-26 | 1994-07-19 | Research Corporation Technologies, Inc. | Expression of human serum albumin in Pichia pastoris |
US5945275A (en) * | 1994-10-18 | 1999-08-31 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted anticoagulant protein |
US5872098A (en) * | 1995-06-05 | 1999-02-16 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted anticoagulant protein |
US5863894A (en) * | 1995-06-05 | 1999-01-26 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted anticoagulant protein |
US5866542A (en) * | 1994-10-18 | 1999-02-02 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted anticoagulant protein |
CA2202351A1 (en) * | 1994-10-18 | 1996-04-25 | George Phillip Vlasuk | Nematode-extracted serine protease inhibitors and anticoagulant proteins |
US5866543A (en) * | 1995-06-05 | 1999-02-02 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted anticoagulant protein |
US6090916A (en) | 1994-10-18 | 2000-07-18 | Corvas International, Inc. | Nematode-extracted serine protease inhibitors and anticoagulant proteins |
MX9605082A (es) | 1996-10-24 | 1998-04-30 | Univ Autonoma De Nuevo Leon | Levaduras metilotroficas modificadas geneticamente para la produccion y secrecion de hormona de crecimiento humano. |
EP1073768A2 (en) * | 1998-04-24 | 2001-02-07 | Hoechst Marion Roussel | Method for screening antimycotic substances using essential genes from s. cerevisiae |
EP0972847A3 (en) * | 1998-04-24 | 2000-02-09 | Hoechst Marion Roussel | Method for screening antimycotic substances |
US6440414B1 (en) * | 1999-10-01 | 2002-08-27 | Amgen Inc. | Pharmaceutical compositions of fibrinolytic agent |
US6261820B1 (en) * | 1999-10-01 | 2001-07-17 | Amgen Inc. | Fibronolytically active polypeptide |
US7033776B2 (en) * | 1999-12-17 | 2006-04-25 | Amgen Inc. | Method for treatment of indwelling catheter occlusion using fibrinolytic metalloproteinases |
US7598055B2 (en) * | 2000-06-28 | 2009-10-06 | Glycofi, Inc. | N-acetylglucosaminyltransferase III expression in lower eukaryotes |
US7625756B2 (en) | 2000-06-28 | 2009-12-01 | GycoFi, Inc. | Expression of class 2 mannosidase and class III mannosidase in lower eukaryotic cells |
US7863020B2 (en) | 2000-06-28 | 2011-01-04 | Glycofi, Inc. | Production of sialylated N-glycans in lower eukaryotes |
US8697394B2 (en) * | 2000-06-28 | 2014-04-15 | Glycofi, Inc. | Production of modified glycoproteins having multiple antennary structures |
US7449308B2 (en) | 2000-06-28 | 2008-11-11 | Glycofi, Inc. | Combinatorial DNA library for producing modified N-glycans in lower eukaryotes |
KR100787073B1 (ko) * | 2000-06-28 | 2007-12-21 | 글리코파이, 인크. | 변형된 당단백질의 제조방법 |
US7009045B2 (en) * | 2000-07-14 | 2006-03-07 | Archer-Daniels-Midland Company | Transformation systems for flavinogenic yeast |
US7118901B2 (en) * | 2002-12-18 | 2006-10-10 | Roche Diagnostics Operations, Inc. | Recombinant bovine pancreatic desoxyribonuclease I with high specific activity |
DE60319333D1 (de) * | 2002-12-20 | 2008-04-10 | Roche Diagnostics Gmbh | Hitzelabile Desoxyribonuklease I-Varianten |
US7332299B2 (en) | 2003-02-20 | 2008-02-19 | Glycofi, Inc. | Endomannosidases in the modification of glycoproteins in eukaryotes |
EP1460425A1 (en) * | 2003-03-17 | 2004-09-22 | Boehringer Mannheim Gmbh | Deglycosylated enzymes for conjugates |
ATE455849T1 (de) * | 2003-12-05 | 2010-02-15 | Hoffmann La Roche | Rekombinante carboxypeptidase b und ihre aufreinigung |
CA2621344C (en) * | 2005-09-14 | 2014-12-16 | Sanofi-Aventis Deutschland Gmbh | Cleavage of precursors of insulins by a variant of trypsin |
DE202008014341U1 (de) | 2008-10-28 | 2009-02-12 | Heßler, Christoph, Dr. | Mobile Fräse zur Kantenbearbeitung |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU560472B2 (en) * | 1981-08-25 | 1987-04-09 | Celltech Limited | Yeast expression vectors |
US4617274A (en) * | 1981-10-29 | 1986-10-14 | Phillips Petroleum Company | Biochemical conversions by yeast fermentation at high cell densities |
EP0128743A3 (en) * | 1983-06-07 | 1985-12-27 | Genex Corporation | Expression of foreign genes in yeast |
AU578486B2 (en) * | 1984-08-03 | 1988-10-27 | Ronald Norman Belsham | Picture frame clamp |
US4879231A (en) * | 1984-10-30 | 1989-11-07 | Phillips Petroleum Company | Transformation of yeasts of the genus pichia |
US4837148A (en) * | 1984-10-30 | 1989-06-06 | Phillips Petroleum Company | Autonomous replication sequences for yeast strains of the genus pichia |
-
1984
- 1984-10-30 US US06/666,578 patent/US4885242A/en not_active Expired - Lifetime
-
1985
- 1985-10-16 AU AU48751/85A patent/AU571748B2/en not_active Ceased
- 1985-10-20 IL IL76764A patent/IL76764A0/xx unknown
- 1985-10-23 FI FI854144A patent/FI854144L/fi not_active Application Discontinuation
- 1985-10-24 ZA ZA858182A patent/ZA858182B/xx unknown
- 1985-10-29 GR GR852608A patent/GR852608B/el unknown
- 1985-10-29 ES ES548305A patent/ES8609477A1/es not_active Expired
- 1985-10-29 DK DK496285A patent/DK496285A/da not_active Application Discontinuation
- 1985-10-29 EP EP85113734A patent/EP0188677A3/en not_active Withdrawn
- 1985-10-30 JP JP60243783A patent/JP2617443B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1985-10-30 NO NO854333A patent/NO854333L/no unknown
- 1985-10-30 PT PT81401A patent/PT81401B/pt not_active IP Right Cessation
-
1994
- 1994-09-07 JP JP6213968A patent/JPH07163354A/ja active Pending
-
1996
- 1996-12-09 JP JP8328822A patent/JP2710610B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Gene,182,18(1)P.48−59 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
PT81401B (pt) | 1987-11-11 |
US4885242A (en) | 1989-12-05 |
AU571748B2 (en) | 1988-04-21 |
EP0188677A2 (en) | 1986-07-30 |
ES8609477A1 (es) | 1986-07-16 |
EP0188677A3 (en) | 1987-09-30 |
ES548305A0 (es) | 1986-07-16 |
JPH09168388A (ja) | 1997-06-30 |
GR852608B (ja) | 1986-03-04 |
JPH07163354A (ja) | 1995-06-27 |
IL76764A0 (en) | 1986-02-28 |
JP2710610B2 (ja) | 1998-02-10 |
DK496285D0 (da) | 1985-10-29 |
AU4875185A (en) | 1986-06-12 |
ZA858182B (en) | 1986-06-25 |
FI854144L (fi) | 1986-05-01 |
FI854144A0 (fi) | 1985-10-23 |
PT81401A (en) | 1985-11-01 |
DK496285A (da) | 1986-05-01 |
NO854333L (no) | 1986-05-02 |
JPS61108391A (ja) | 1986-05-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2617443B2 (ja) | 機能遺伝子の分離法、同遺伝子を含むdna断片及びその製法、組換プラスミド及び同プラスミドによる酵母の形質転換法並びに同発現法 | |
CA1273882A (en) | Autonomous replication sequences for yeast strains of the genus pichia | |
EP0560401B1 (en) | DNA fragment encoding an AOX | |
EP0096430B2 (en) | Cloning system for Kluyveromyces species | |
US4990446A (en) | Promoters for the expression of foreign genes in yeast, plasmids comprising them, and use thereof for the production of polypeptides | |
US4808537A (en) | Methanol inducible genes obtained from pichia and methods of use | |
CA1297438C (en) | Transformation of yeasts of the genus pichia | |
US4818700A (en) | Pichia pastoris argininosuccinate lyase gene and uses thereof | |
US5166329A (en) | DNA encoding the alcohol oxidase 2 gene of yeast of the genus Pichia | |
EP0183071A2 (en) | Regulatory region for heterologous gene expression in yeast | |
US5135868A (en) | Cultures of yeast of the genus Pichia altered by site selective genomic modification | |
JPH08500014A (ja) | K.ラクチス(K.lactis)トランスアルドラーゼ遺伝子のプロモーターおよびその使用 | |
KR20010023688A (ko) | 효모에서 폴리펩티드를 생산하는 발현 벡터 | |
JPH08500008A (ja) | K.ラクチス(K.lactis)リボソームタンパク質RP28の遺伝子のプロモーターおよびその使用 | |
EP0248227A1 (en) | Yeast production of streptokinase | |
IE83234B1 (en) | DNA fragment encoding an AOX |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |