JP2617326B2 - ドリル - Google Patents
ドリルInfo
- Publication number
- JP2617326B2 JP2617326B2 JP62303314A JP30331487A JP2617326B2 JP 2617326 B2 JP2617326 B2 JP 2617326B2 JP 62303314 A JP62303314 A JP 62303314A JP 30331487 A JP30331487 A JP 30331487A JP 2617326 B2 JP2617326 B2 JP 2617326B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drill
- coating layer
- hard coating
- tip
- layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Drilling Tools (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は細径のドリルに関し、更に詳しくは、耐摩耗
性が優れていると同時に、切削使用時における折損事故
も少なく、その結果、使用寿命が長くなるドリルに関す
る。
性が優れていると同時に、切削使用時における折損事故
も少なく、その結果、使用寿命が長くなるドリルに関す
る。
(従来の技術) プリント基板や各種の金属素材を穿孔する際には、そ
の切削工具として各種のドリルが使用される。穿設する
孔が小径になれば、当然のこととして用いるドリルは細
径となる。一般に、直径2mm以下の小孔を形成するため
のドリルはプリント基板用小径ドリルと指称されている
が、このようなドリルの1例を第3図に平面図として示
す。
の切削工具として各種のドリルが使用される。穿設する
孔が小径になれば、当然のこととして用いるドリルは細
径となる。一般に、直径2mm以下の小孔を形成するため
のドリルはプリント基板用小径ドリルと指称されている
が、このようなドリルの1例を第3図に平面図として示
す。
図において、全長Aはみぞ長Bとシャンク長Eとで構
成される。ドリルはシャンク長E部分で切削装置にチャ
ッキングされ、その先端部を被削材に圧接して実用に供
される。
成される。ドリルはシャンク長E部分で切削装置にチャ
ッキングされ、その先端部を被削材に圧接して実用に供
される。
このような細径ドリルの基体は、切削使用時における
折損事故を防止するために高靭性の材料、例えば、WC−
Co系合金のような超硬合金で構成されている。
折損事故を防止するために高靭性の材料、例えば、WC−
Co系合金のような超硬合金で構成されている。
このような超硬合金製のドリルは折損事故の防止とい
う点では有効であるが、しかし一方では、被削材に対す
る耐摩耗性という点では不充分であるため消耗が激し
く、ドリルの使用寿命が短いという問題がある。
う点では有効であるが、しかし一方では、被削材に対す
る耐摩耗性という点では不充分であるため消耗が激し
く、ドリルの使用寿命が短いという問題がある。
このため、従来は、ドリルの切削作用面、すなわち前
述の図でいう先端部Cを含めたみぞ長部Bの全表面又は
1部の表面に、高硬度で耐摩耗性に優れる被覆層を形成
することが提案されている(特開昭56−3117号公報、特
開昭56−3119号公報及び特開昭57−184616号公報)。
述の図でいう先端部Cを含めたみぞ長部Bの全表面又は
1部の表面に、高硬度で耐摩耗性に優れる被覆層を形成
することが提案されている(特開昭56−3117号公報、特
開昭56−3119号公報及び特開昭57−184616号公報)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、上記したようなドリルは次のような問
題を発生する。例えば、材料がWC−6%Coから成り、直
径0.35mm、みぞ長Bが10mmであるドリル100本を製作
し、その半数50本には先端部Cを含むみぞ長Bの全面の
厚み0.2μmのSiC層で被覆し、これら2種類のドリルで
プリント基板(ガラス繊維補強のエポキシ樹脂板)に同
一切削条件で穿孔したところ、前者のドリルの折損数は
2本(折損事故率4%)であったにもかかわらず、後者
のドリルの場合には40本の折損数(折損事故率80%)で
あった。すなわち、ドリル基体の切削作用面の全面に耐
摩耗性の被覆層を形成したドリルは、あきらかに、折損
事故を増大せしめてしまうのである。
題を発生する。例えば、材料がWC−6%Coから成り、直
径0.35mm、みぞ長Bが10mmであるドリル100本を製作
し、その半数50本には先端部Cを含むみぞ長Bの全面の
厚み0.2μmのSiC層で被覆し、これら2種類のドリルで
プリント基板(ガラス繊維補強のエポキシ樹脂板)に同
一切削条件で穿孔したところ、前者のドリルの折損数は
2本(折損事故率4%)であったにもかかわらず、後者
のドリルの場合には40本の折損数(折損事故率80%)で
あった。すなわち、ドリル基体の切削作用面の全面に耐
摩耗性の被覆層を形成したドリルは、あきらかに、折損
事故を増大せしめてしまうのである。
しかも、この傾向は、第1図に示すようにドリルの直
径が細径化するほど顕著となるのである。すなわち、第
1図は、切削作用面の全面に被覆層を形成したドリルに
おける、その直径と折損事故率との関係を示す図であ
る。
径が細径化するほど顕著となるのである。すなわち、第
1図は、切削作用面の全面に被覆層を形成したドリルに
おける、その直径と折損事故率との関係を示す図であ
る。
これらの事実から明らかなように、ドリルの耐摩耗性
を向上せしめるために切削作用面、特にみぞ長の全面に
被覆層を形成することは、ドリル基体が高靭性であるに
もかかわらず、被覆層を形成しない場合に比べてその事
故発生率が画然と増大してしまうのである。
を向上せしめるために切削作用面、特にみぞ長の全面に
被覆層を形成することは、ドリル基体が高靭性であるに
もかかわらず、被覆層を形成しない場合に比べてその事
故発生率が画然と増大してしまうのである。
このことは、結果としてドリルの使用寿命を短くして
しまうことである。
しまうことである。
本発明は、ドリルの切削作用面に耐摩耗性の硬質被覆
層が形成されているにもかかわらず、上記したような問
題を生起することがなく、耐摩耗性も優れ、折損事故発
生も少ない細径のドリルの提供を目的とする。
層が形成されているにもかかわらず、上記したような問
題を生起することがなく、耐摩耗性も優れ、折損事故発
生も少ない細径のドリルの提供を目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段・作用) 本発明者らは上記現象の原因を解明するために、新た
に超硬合金のドリル基体の表面に被覆層を被覆して実用
試験を行い、そのときに折損事故を起したドリルにつ
き、そのドリル先端から折損個所までの距離を測定し、
この距離と折損事故率(%)の関係をプロットした。こ
の結果は、ほぼ第2図に示すような傾向であった。
に超硬合金のドリル基体の表面に被覆層を被覆して実用
試験を行い、そのときに折損事故を起したドリルにつ
き、そのドリル先端から折損個所までの距離を測定し、
この距離と折損事故率(%)の関係をプロットした。こ
の結果は、ほぼ第2図に示すような傾向であった。
図から明らかなように、折損は首下に、連続するみぞ
の切れ上がり部からみぞ長に入ったドリル軸に対して垂
直の断面積の最小の所B2で最も多く生起している。
の切れ上がり部からみぞ長に入ったドリル軸に対して垂
直の断面積の最小の所B2で最も多く生起している。
これらの結果から、本発明者らは上記現象がいわゆる
切欠効果に基づく現象であるとの結論を得るに到った。
すなわち、切削作用面の全面に硬質被覆層が形成されて
いるドリルを被削材に一定の力で圧接して切削動作に供
した場合、曲げモーメント及びトルクが最も集中し易す
いみぞ長Bの1/2部分からみぞ切れ上がりB1部の間にお
いて、例えば、硬質被覆層に存在する微小欠陥部が起点
となり、その切欠底つまりドリル基体面と硬質被覆層と
の接合界面に局部的応力が集中し、その結果、通常の測
定においては高靭性値を示すドリル基体であってもその
切欠底から折損が生起するのである。
切欠効果に基づく現象であるとの結論を得るに到った。
すなわち、切削作用面の全面に硬質被覆層が形成されて
いるドリルを被削材に一定の力で圧接して切削動作に供
した場合、曲げモーメント及びトルクが最も集中し易す
いみぞ長Bの1/2部分からみぞ切れ上がりB1部の間にお
いて、例えば、硬質被覆層に存在する微小欠陥部が起点
となり、その切欠底つまりドリル基体面と硬質被覆層と
の接合界面に局部的応力が集中し、その結果、通常の測
定においては高靭性値を示すドリル基体であってもその
切欠底から折損が生起するのである。
本発明者らは上記発明を基礎として、切削作用面の一
部のみに耐摩耗性の硬質被覆層を形成してその折損事故
の発生有無について試験したところ極めて良好な結果を
得、また先端部Cの耐摩耗性も満足すべき結果を得たこ
とにより、総合的にみて使用寿命が長期化する細径のド
リルを開発するに到った。
部のみに耐摩耗性の硬質被覆層を形成してその折損事故
の発生有無について試験したところ極めて良好な結果を
得、また先端部Cの耐摩耗性も満足すべき結果を得たこ
とにより、総合的にみて使用寿命が長期化する細径のド
リルを開発するに到った。
すなわち、本発明のドリルは、ドリル基体の表面が硬
質被覆層で被覆されているドリルにおいて、硬質被覆層
の被覆個所が、ドリル基体のみぞ長の内、先端部を含め
た先端からの距離がみぞ長の1/3以下の長さの表面部分
であり、該硬質被覆層が炭化チタン、窒化ケイ素、炭窒
化チタン、窒化チタンの1種以上の層と、炭化ケイ素、
立方晶窒化ケイ素、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カー
ボンの1種以上の層との2層以上からなる積層構造でな
ることを特徴とする。
質被覆層で被覆されているドリルにおいて、硬質被覆層
の被覆個所が、ドリル基体のみぞ長の内、先端部を含め
た先端からの距離がみぞ長の1/3以下の長さの表面部分
であり、該硬質被覆層が炭化チタン、窒化ケイ素、炭窒
化チタン、窒化チタンの1種以上の層と、炭化ケイ素、
立方晶窒化ケイ素、ダイヤモンド、ダイヤモンド状カー
ボンの1種以上の層との2層以上からなる積層構造でな
ることを特徴とする。
まず、本発明ドリルの基体を構成する材料は、従来の
プリント基板用小径ドリルの基体として採用されている
ような高靭性の材料であれば何であってもよいが、例え
ばWC−Co系、WC−Co−Ni系、WC−Co−Cr系、WC−Co−Ni
−Cr系、WC−VC−Co系、WC−Cr3C2−Co系、WC−VC−Cr3
C2−Co系、WC−TaC−VC−Co系、WC−TaC−Cr3C2−Co系
のような超硬合金;TiC−WC−TiN−Ni系、TiC−WC−TiN
−Co系、TiC−WC−TaC−TiN−Ni系、のようなサーメッ
トをあげることができる。
プリント基板用小径ドリルの基体として採用されている
ような高靭性の材料であれば何であってもよいが、例え
ばWC−Co系、WC−Co−Ni系、WC−Co−Cr系、WC−Co−Ni
−Cr系、WC−VC−Co系、WC−Cr3C2−Co系、WC−VC−Cr3
C2−Co系、WC−TaC−VC−Co系、WC−TaC−Cr3C2−Co系
のような超硬合金;TiC−WC−TiN−Ni系、TiC−WC−TiN
−Co系、TiC−WC−TaC−TiN−Ni系、のようなサーメッ
トをあげることができる。
本発明のドリルは、先端部Cの全表面を含めそれに連
らなりシャンク方向に延びるみぞ長の全表面のうち先端
部Cを含むみぞ長の1部の表面に後述する硬質被覆層が
形成されている。
らなりシャンク方向に延びるみぞ長の全表面のうち先端
部Cを含むみぞ長の1部の表面に後述する硬質被覆層が
形成されている。
前述したように、ドリルのみぞ長Bの1/2部分に曲げ
モーメント及びトリクが最も集中し、折損しやすくな
る。また、ドリルの耐摩耗性に関与する部分は、ほとん
どが刃先先端部C、または刃先先端B5からマージン部D
を含めた先端の部分である。これらの両方の影響とし
て、実際に確認された結果が第2図であって、第2図
は、硬質被覆層の被覆されたドリルの折損事故率から判
断した場合、ドリルのみぞ量Bのほぼ1/3に当たるB4の
部分から刃先先端B5側が顕著に安定しているものであ
る。したがって、みぞ長の長さをBとすると、硬質被覆
層が形成されている長さlは、l≦B×1/3であるよう
な長さであることが好ましい。この被覆層の長さが上記
関係を逸脱する長さ、すなわち、Bの1/3より長くなる
場合は、切削使用時における折損事故が増加しはじめる
ので好ましくない。より好ましくは、先端部Cとマージ
ン長Dの全表面である。
モーメント及びトリクが最も集中し、折損しやすくな
る。また、ドリルの耐摩耗性に関与する部分は、ほとん
どが刃先先端部C、または刃先先端B5からマージン部D
を含めた先端の部分である。これらの両方の影響とし
て、実際に確認された結果が第2図であって、第2図
は、硬質被覆層の被覆されたドリルの折損事故率から判
断した場合、ドリルのみぞ量Bのほぼ1/3に当たるB4の
部分から刃先先端B5側が顕著に安定しているものであ
る。したがって、みぞ長の長さをBとすると、硬質被覆
層が形成されている長さlは、l≦B×1/3であるよう
な長さであることが好ましい。この被覆層の長さが上記
関係を逸脱する長さ、すなわち、Bの1/3より長くなる
場合は、切削使用時における折損事故が増加しはじめる
ので好ましくない。より好ましくは、先端部Cとマージ
ン長Dの全表面である。
形成される硬質被覆層としては、その硬度がHv1500以
上、好ましくはHv2000以上となるような層が、耐摩耗性
を向上せしめるという点で好適である。
上、好ましくはHv2000以上となるような層が、耐摩耗性
を向上せしめるという点で好適である。
例えば、周期律表IV a、V a、VI a族の各金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物のそれぞ
れ;炭化ケイ素,窒化ケイ素,酸化アルミニウム;更に
はこれらの1種又は2種以上の固溶体又は立方晶窒化ホ
ウ素、ダイヤモンドをあげることができ、具体的には、
TiC、TiN、ZrC、TaC、TaN、WC、(Ti、W)C、Ti(C,
N)、Ti(C,O)、Ti(N,O)、Ti(C,N,O)、(Ti,Ta,
W)C、SiC、Si3N4、Al2O3、(Si,Al)、(O,N)CBN、
ダイヤモンドからなるものを代表例として挙げることが
できる。これらの硬質被覆層は、結晶質や非晶質で形成
される場合、又は化学量論的化合物や非化学量論的化合
物でなっている場合でもよい。
物、窒化物、炭窒化物、炭酸化物、炭酸窒化物のそれぞ
れ;炭化ケイ素,窒化ケイ素,酸化アルミニウム;更に
はこれらの1種又は2種以上の固溶体又は立方晶窒化ホ
ウ素、ダイヤモンドをあげることができ、具体的には、
TiC、TiN、ZrC、TaC、TaN、WC、(Ti、W)C、Ti(C,
N)、Ti(C,O)、Ti(N,O)、Ti(C,N,O)、(Ti,Ta,
W)C、SiC、Si3N4、Al2O3、(Si,Al)、(O,N)CBN、
ダイヤモンドからなるものを代表例として挙げることが
できる。これらの硬質被覆層は、結晶質や非晶質で形成
される場合、又は化学量論的化合物や非化学量論的化合
物でなっている場合でもよい。
また、硬質被覆層は積層構造とする。この場合、まず
最初にドリル基体となじみ易すい硬質層をドリル基体の
所定個所に形成し、更にその上に高硬度の被覆層を形成
した2層以上の構造のもの、例えば、基体表面にTiC、S
i3N4、Ti(C,N)、TiNの層を形成し、その上に、耐すき
とり摩耗性にすぐれるSiC層、CBN層又はダイヤモンド状
カーボン層を被覆形成したものは好適である。
最初にドリル基体となじみ易すい硬質層をドリル基体の
所定個所に形成し、更にその上に高硬度の被覆層を形成
した2層以上の構造のもの、例えば、基体表面にTiC、S
i3N4、Ti(C,N)、TiNの層を形成し、その上に、耐すき
とり摩耗性にすぐれるSiC層、CBN層又はダイヤモンド状
カーボン層を被覆形成したものは好適である。
硬質被覆層の厚みは、切欠効果を抑制するという点で
考えれば薄層であるほど公的であるがあまり薄くすると
ドリルの耐摩耗性が劣化するので、0.01〜10μmの範囲
内にあることが好ましい。更に好ましくは0.05〜4μ
m、特に好ましくは0.1〜3.0μmである。
考えれば薄層であるほど公的であるがあまり薄くすると
ドリルの耐摩耗性が劣化するので、0.01〜10μmの範囲
内にあることが好ましい。更に好ましくは0.05〜4μ
m、特に好ましくは0.1〜3.0μmである。
本発明のドリルは例えば次のようにして製造すること
ができる。まず、所定の超硬合金やサーメットから図に
示したようなドリル基体を製作する。
ができる。まず、所定の超硬合金やサーメットから図に
示したようなドリル基体を製作する。
ついで、ドリル基体の表面のうち、硬質被覆層を形成
しない部分に金属箔等でマスキングする。このとき、マ
スキングしない部分は、先端部Cを含むみぞ長の先端部
側の表面との長さが、前記したBの1/3以下となるよう
にする。
しない部分に金属箔等でマスキングする。このとき、マ
スキングしない部分は、先端部Cを含むみぞ長の先端部
側の表面との長さが、前記したBの1/3以下となるよう
にする。
マスキングされたドリル基体を、常用のプラズマCVD
装置又はイオンプレーティング装置内にセットし、マス
キングされていない部分に硬質被覆層を形成する。この
とき、反応ガスの種類;反応条件などを適宜に選定する
ことにより、所望する硬質被覆層を単層としてまた積層
構造として形成することができ、更に層厚を任意に設定
することもできる。
装置又はイオンプレーティング装置内にセットし、マス
キングされていない部分に硬質被覆層を形成する。この
とき、反応ガスの種類;反応条件などを適宜に選定する
ことにより、所望する硬質被覆層を単層としてまた積層
構造として形成することができ、更に層厚を任意に設定
することもできる。
最後に上記装置がらドリルを取りだし、マスキング部
分を除去すれば、先端部Cを含むみぞ長Bの一部のみに
硬質被覆層が形成されている本発明のドリルを得ること
ができる。
分を除去すれば、先端部Cを含むみぞ長Bの一部のみに
硬質被覆層が形成されている本発明のドリルを得ること
ができる。
(発明の実施例) 直径0.35mm、逃げ角10度、先端部Cの長さ0.6mm、み
ぞ長の長さ6.0mm、全長38mmであるプリント基板用小径
のドリルを用意した。ドリルの材質はWC−4wt%Co合金
である。
ぞ長の長さ6.0mm、全長38mmであるプリント基板用小径
のドリルを用意した。ドリルの材質はWC−4wt%Co合金
である。
このドリル基体の先端からXmmの部分を露出させ、他
の部分はマスキング剤(材)樹脂で被覆した。
の部分はマスキング剤(材)樹脂で被覆した。
ついで、プラズマCVD装置にセットし、まず厚み0.2μ
mのTiN層をドリル基体のX部分に形成し、ついで、反
応ガスを切換えて厚み0.5μmのSiC層を形成した。
mのTiN層をドリル基体のX部分に形成し、ついで、反
応ガスを切換えて厚み0.5μmのSiC層を形成した。
装置からドリルを取出し、マスキング部分を除去し
た。
た。
本発明の効果を確認するために、ガラス繊維補強のエ
ポキシ樹脂板からなるプリント基板に穿孔処理を施し
た。穿孔処理時の条件は、ドリル回転速度80,000rpm、
送り速度20μm/revであった。
ポキシ樹脂板からなるプリント基板に穿孔処理を施し
た。穿孔処理時の条件は、ドリル回転速度80,000rpm、
送り速度20μm/revであった。
上述のTiN層−SiC層の積層構造のうち、先端部を含め
た先端からの距離がみぞ長の1/3以下でなる硬質被覆層
が形成された本発明品と、更に膜厚さ1.0μmのTiN単層
構造の硬質被覆層を有する比較品とを用いて、プリント
基板2枚(3.2mm)を重ねて、上述の先行条件により寿
命まで切削し、孔加工数を求めた結果、本発明品は、40
00孔であったのに対し、比較品は1500孔であった。
た先端からの距離がみぞ長の1/3以下でなる硬質被覆層
が形成された本発明品と、更に膜厚さ1.0μmのTiN単層
構造の硬質被覆層を有する比較品とを用いて、プリント
基板2枚(3.2mm)を重ねて、上述の先行条件により寿
命まで切削し、孔加工数を求めた結果、本発明品は、40
00孔であったのに対し、比較品は1500孔であった。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明のドリルは全面
に被覆層を形成したドリルに比べその折損事故が著しく
少なく、また耐摩耗性という点でも遜色はない。したが
って、総合的にみて使用寿命は長くなりその工業的価値
は大である。
に被覆層を形成したドリルに比べその折損事故が著しく
少なく、また耐摩耗性という点でも遜色はない。したが
って、総合的にみて使用寿命は長くなりその工業的価値
は大である。
第1図は層で被覆したドリルの直径と折損事故率との関
係を示す図である。第2図はドリル先端から折損個所ま
での距離と折損事故率との関係を示す図である。第3図
はドリルの平面図である。 第2図において B5……先端、B4……1/3×(みぞ長)、B3……2/3×(み
ぞ長)、B2……みぞの切れ上がり部下の最小断面積部、
B1……みぞの切れ上がり部、E1……首下 第3図において A……全長、B……みぞ長、C……先端部、D……マー
ジン長、E……シャンク、E1……首下、B1……みぞの切
れ上がり部、B2……みぞの切れ上がり部下の最小断面積
部
係を示す図である。第2図はドリル先端から折損個所ま
での距離と折損事故率との関係を示す図である。第3図
はドリルの平面図である。 第2図において B5……先端、B4……1/3×(みぞ長)、B3……2/3×(み
ぞ長)、B2……みぞの切れ上がり部下の最小断面積部、
B1……みぞの切れ上がり部、E1……首下 第3図において A……全長、B……みぞ長、C……先端部、D……マー
ジン長、E……シャンク、E1……首下、B1……みぞの切
れ上がり部、B2……みぞの切れ上がり部下の最小断面積
部
フロントページの続き (72)発明者 小池 義文 神奈川県川崎市幸区塚越1丁目7番地 東芝タンガロイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−3117(JP,A) 実開 昭61−35710(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ドリル基体に硬質被覆層が形成されている
ドリルにおいて、硬質被覆層の形成箇所は、該ドリル基
体のみぞ長の内、先端部を含めた先端からの距離がみぞ
長の1/3以下の長さの表面部分であり、該硬質被覆層が
炭化チタン、窒化ケイ素、炭窒化チタン、窒化チタンの
1種以上の層と、炭化ケイ素、立方晶窒化ホウ素、ダイ
ヤモンド、ダイヤモンド状カーボンの1種以上の層とを
順次被覆してなる2層以上からなる積層構造でなること
を特徴とするドリル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62303314A JP2617326B2 (ja) | 1987-12-02 | 1987-12-02 | ドリル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62303314A JP2617326B2 (ja) | 1987-12-02 | 1987-12-02 | ドリル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01146606A JPH01146606A (ja) | 1989-06-08 |
JP2617326B2 true JP2617326B2 (ja) | 1997-06-04 |
Family
ID=17919472
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62303314A Expired - Lifetime JP2617326B2 (ja) | 1987-12-02 | 1987-12-02 | ドリル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2617326B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2643496B2 (ja) * | 1989-11-28 | 1997-08-20 | 三菱マテリアル株式会社 | 先端部表面硬質層被覆超硬合金製バックテーパー付きミニチュアドリル |
US7018143B2 (en) * | 1996-08-15 | 2006-03-28 | Bitmoore, An Oregon General Partnership | Reduced energy consuming, lateral cutting twist drill |
US8328473B2 (en) | 2004-07-09 | 2012-12-11 | Ibiden Co., Ltd. | Drill and method of producing printed circuit board |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5943246B2 (ja) * | 1979-06-25 | 1984-10-20 | 三菱マテリアル株式会社 | 表面被覆超硬合金製ミニチユアドリル |
JPS6135710U (ja) * | 1984-08-07 | 1986-03-05 | 株式会社 エフエスケ− | 回転切削工具 |
-
1987
- 1987-12-02 JP JP62303314A patent/JP2617326B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH01146606A (ja) | 1989-06-08 |
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