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JP2685526B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JP2685526B2
JP2685526B2 JP63219564A JP21956488A JP2685526B2 JP 2685526 B2 JP2685526 B2 JP 2685526B2 JP 63219564 A JP63219564 A JP 63219564A JP 21956488 A JP21956488 A JP 21956488A JP 2685526 B2 JP2685526 B2 JP 2685526B2
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JP
Japan
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golf ball
dimple
flow
dimples
separation
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JP63219564A
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丈人 松木
武文 中下
輝男 佐々木
山田  要
憲吾 岡
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ディンプルの形状に特徴を有するゴルフボ
ールに関し、特に、ディンプルの形状を抗力係数を減じ
るように形成して、ゴルフボールの飛距離を増大させる
ものである。
従来の技術 周知のように、ゴルフボールの表面には、ボールが飛
ぶ際に抗力係数を低減して飛距離の増加を図るためにデ
ィンプルが設けられており、これらディンプルは、成形
の容易性等の製作上の理由より、大きな半径からなる円
弧に沿って球状に凹設されている。
発明が解決しようとする課題 本発明者がディンプルの形状と抗力係数との関係につ
いて、後述するように研究および実験した結果によれ
ば、ディンプルを単に円弧に沿った球状に凹設した場合
には、抗力係数の低減を効果的に図ることが出来ない不
具合があった。
よって、本発明は、上記ディンプルの形状を改良する
ことにより、簡単に抗力係数の低減を図りゴルフボール
の飛距離を増大させることを目的とするものである。
課題を解決するための手段 まず、上記したディンプルの形状と抗力係数との関係
についての本発明者の研究および実験について説明す
る。
ボールの抗力係数については、一般に、風洞実験によ
りレイノルズ数との関係で測定がなされており、ディン
プル付きのゴルフボールと、平滑な球とについて実験し
た結果は第1図の表に示す通りである(Bearman,P.W.&
Harvey,J.K.,“Golf ball aerodynamics",Aeronautica
l Quarterly,1976,p.112〜122に記載)。
尚、レイノルズ数とは Re=Ud/(μρ) U:流速、d:球の直径、 μ:粘性係数 ρ:密度 で定義される無次元数であり、流体の粘性の影響力を現
すパラメータである。上記式から判るようにレイノルズ
数は流速に比例する。
上記第1図に示す如く、実線で示すディンプル付ゴル
フボールの抗力係数CDは、点線で示す平滑な球の抗力係
数と比較して、レイノルズ数Reの小さい領域(4×104
〜5×104)で、抗力係数CDが急激に低減する(この時
のレイノルズ数をして臨界レイノルズ数Recという)。
一方、平滑な球では、レイノルズ数Reが小さい領域で
は抗力係数CDが大きく、レイノルズ係数Reが高い領域で
抗力係数CDが急激に低減して臨界レイノルズ数Recに達
し、該臨界レイノルズ数Recを超えた領域ではディンプ
ル付のゴルフボールに比べて抗力係数CDは1/2以下にな
る。
しかしながら、ゴルフボールにおいては、実際にボー
ルが飛ぶ時のレイノルズ数Reは、0.6×105〜2×105
小さい領域であり、この小さいレイノルズ数の領域で
は、上記したように平滑な球は抗力係数CDが高く飛距離
が出ず、ディンプル付ゴルフボールの方が抗力係数は低
く、飛距離が出る。しかしながら、ディンプル付ゴルフ
ボールにおいては、臨界レイノルズ数を超えた領域で、
平滑な球のように抗力係数CDを小さくすることができれ
ば更に飛距離アップが大きく期待出来る。
上記した臨界レイノルズ数Recを超えた領域におい
て、平滑な球の抗力係数が急激に低下する原因は下記の
理由に因ると考察されている。
即ち、臨界レイノルズ数Recを超えた後において、流
体は平滑な表面を有する球に対して第2図に示すよう
に、矢印方向から流れてくる流体は、球6(図面中、断
面円形で示されている)に衝突する前方の澱み点P1から
円の表面に沿って流れる層流境界層7となり、この層流
境界層7はθ=80゜付近の層流剥離点LSで円の表面から
剥離するが、すぐに、遷移点Tより層流剥離した境界層
が乱流に遷移して乱流境界層8を発生し、円の表面に再
付着する。この乱流境界層3は圧力上昇に耐えてθ=13
0゜付近の乱流剥離点TSで剥離するまで、円の表面に沿
って流れる。
上記乱流境界層8が層流境界層7と比較して円の表面
から剥離しにくいのは、乱流境界層内では乱雑な渦運動
により運動量の交換がさかんで、境界層外側の流れから
運動量を受けた流体粒子が境界層全体に運動量を運ん
で、圧力上昇による境界層の減速を押さえるからと認め
られている。
上記した臨界レイノルズ数Recを超えるレイノルズ数R
eでの円の外周の圧力分布状態は第3図に示す通りであ
る(Roshko,A.,“Experiments on the flow past a cir
cular cylinder at very high Reynolds number"J.Flui
d Mech.,1961,Vol.10,p345〜356に記載)。図中、θは
第2図と同様に、円の中心Oと前記澱み点P1とを結ぶ線
からの角度を現している。該第3図に示すように、θ=
100゜付近に平らな部分Xが生じており、この平らな部
分Xは層流境界層7が一旦剥離して乱流となり円の表面
に再付着する際の剥離泡と呼ばれるもので、その中では
圧力が余り大きく変化しないため上記平らな部分Xを構
成している。
上記したように、表面が平滑な円の場合は、レイノル
ズ数Reが臨界レイノルズ数Recより大きい領域では、層
流境界層は一旦剥離するが(層流剥離)、剥離泡を作っ
て乱流境界層へと遷移するからで、剥離泡の発生が再付
着後の乱流剥離点の後退の大きな原因となっている。
剥離泡が乱流剥離点の後退原因となるのは、まず、第
一の剥離泡が発生した部分では、剥離泡の上を流れが滑
り、見掛け上の円表面で流れが加速されて、剥離しよう
とする流れが再付着し、それによって、乱流剥離点が後
退するからである。
第二に、剥離泡が外部のポテンシャル流れに対して凸
状の流れとなり、それにより表面圧力がその部分で平坦
となり、圧力上昇が押さえられて乱流剥離点が後退する
からである。
第三に、第4図に示すように、層流境界層7が凸状流
れの剥離泡9に当たると、その内部は矢印Yで示すよう
にせん断流れが強くなり、層流境界層7の内縁(底部)
7aが再付着する点Zで速度0となるまで減速するが、層
流境界層7の外縁7bは圧力分布からも分かるように、殆
ど減速することなく流れ、この境界層のせん断流れによ
り境界層の再付着が促進され境界層の剥離が遅らされる
からである。
上記したように、剥離泡は圧力上昇を押さえる形状効
果と、境界層のせん断流れを強化する効果と、剥離泡内
の流れによる滑り効果があり、こられの組み合わせ効果
により、大幅な乱流剥離点の後退、それに伴う抗力係数
の大幅な軽減が起こるものとみなされる。
従って、ディンプル付きのゴルフボールについても、
上記した流れ、即ち凸状の剥離泡の流れと、該剥離泡に
よる層流境界層のせん断流れを発生させることができれ
ば、乱流剥離点を大幅に後退させて、抗力係数を大幅に
低減し、飛距離の増大を図ることが出来る。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたもので、ディ
ンプルの底面に円弧状の凸部を設けることにより、層流
剥離点で強制的に剥離泡を発生させ、剥離泡の凸状の流
れおよび該凸部自体の存在により、層流境界層の流れに
強いせん断流れを発生させると共に、該凸部表面での圧
力上昇を押さえ、よって、剥離点を従来のディンプルよ
り大幅に後退させるようにしたものである。
詳しくは、ゴルフボールのディンプルの底部に、上方
へ円弧状に突出した凸部を形成し、該凸部の大きさを、 凸部の最大径の基部の直径を(D1)、ディンプルの外
端縁の直径を(D2)とし、L=D1/D2とすると、 0.2<L<0.7 かつ、凸部11の高さを(H1)、円弧状に凹設したディ
ンプルの仮想最大深さを(H2)とし、K=H1/H2とする
と、 0.2≦K≦0.55 さらに、1個のゴルフボールに設けられた夫々凸部を
有するディンプルの空間体積の総和をVとすると、 250mm3<V<400mm3 に設定したことを特徴とするゴルフボールを提供するも
のである。
上記構成よりなるゴルフボールにおいて、1個のゴル
フボールに設けられた夫々凸部を有するディンプルの空
間体積の総和Vは、 300mm3<V<400mm3 の範囲が好ましく、特に、 300mm3<V<360mm3に設定することが最も好ましい。
また、上記構成よりなるゴルフボールにおいて、1個
のゴルフボールに設けるディンプルは、その径を2種以
上としていることが好ましい。
作用 上記したように、本発明では、ディンプルの底部に円
弧状の凸部を設けていることにより、剥離泡を強制的に
発生させることが出来、よって、レイノルズ数が臨界レ
イノルズ数を超えた領域において、抗力係数を従来のデ
ィンプルと比べ大きく低減することができ、結果的にゴ
ルフボールの飛距離を増大させることが出来る。
実施例 以下、本発明を第5図に示す実施例により詳細に説明
する。
上記各図面はゴルフボールの一部を拡大して示してお
り、10はディンプル、11はディンプル10の底部に円弧状
に突設した凸部、12はディンプル10の外縁端、13はディ
ンプルが設けられていない場分の外縁面である。
ディンプル10は断面真円形状の凹部であり、該ディン
プル10の最下端位置を中心として断面真円形状の凸部11
を一体に突設している。該凸部11は適切な大きさとする
必要があり、小さ過ぎると効果がなく、また、大き過ぎ
てもディンプル10の内部で閉じた流れが発生するのを阻
害するため、実験結果より、下記の範囲に設定してい
る。即ち、 凸部(11)の最大径の基部の直径を(D1)、ディンプ
ル(10)の外端縁(12)の直径を(D2)とし、 L=D1/D2とすると、 0.2<L<0.7に設定している。
また、凸部11の高さを(H1)、円弧状に凹設したディ
ンプルの仮想最大深さを(H2)とし、 K=H1/H2とすると、 0.2≦K≦0.55に設定している。
例えば、ディンプル10を、 D2=3.60mm、D1=1.80mm、L=0.5 H1=0.063mm、H2=0.251mm、 K=0.25に設定し、 上記寸法のディンプルのみを1個のゴルフボールに設
けた場合は、 ディンプル総数=392個 ディンプルの総容積V=320mm3 に設定している。
ゴルフボールの表面に形成する多数のディンプル10は
上記した形状としており、該形状のディンプル10を、そ
の径の変化させた大小種々設けても良いことは言うまで
もない。1個のゴルフボールに設けるディンプルの総数
は240〜600の範囲としており、かつ、ディンプル10の表
面を図中仮想線で示す平板20で閉鎖した場合におけるデ
ィンプルの空間体積の1個のゴルフボールに示す総和V
は、 250mm3<V<400mm3の範囲に設定している。この1個
のゴルフボールに占めるディンプルの総容積Vを上記し
た250mm3以上、400mm3以下としているのは、250mm3以下
では球筋が高すぎ、また、400mm3以上では球筋が低すぎ
てゴルフボールとして不適である理由による。
上記したように、ディンプル10の底部に凸部11を設け
た場合、第6図に示すように、ディンプル10の周りに矢
印方向に流体が流れると、上流側の後端A1に当たった流
れは、そこで分離してディンプル内の底辺に当たり、そ
こを澱み点P3として矢印方向に示すように更に分離し、
ディンプル内方にむかって流れる分離流れを発生する。
該分離流れはディンプル内部に設けた凸部11に当たって
上向きの流れとなり凸状の流れの剥離泡15を発生する。
また、上記後端A1から分離した流れは、直接的に凸部11
に当接し、当接点を澱み点P4として分離し、凸状の剥離
泡16を発生させる。
《実験例》 本発明に係わる形状のディンプルを備えたゴルフボー
ル(実施例1、2、3)と、ディンプル内に凸部を形成
していない従来のゴルフボール(比較例1、2)を設け
た。
上記した実施例1、2、3および比較例1、2はツル
ーテンパーM/Cを使用し、ヘッドスピード48.75m/sおよ
び45.0m/sでボールを打撃し、その飛距離を測定した。
その結果は下記の第1表に示す通りであった。
また、上記実施例1、2、3および比較例1、2のゴ
ルフボールは、ラージサイズ(直径42.75mmφ)、2ピ
ースボール、20面体配列で、各ゴルフボールに設けるデ
ィンプルは下記の第2表に示す通りであった。
発明の効果 以上の説明より明らかなように、本発明に係わるゴル
フボールによれば、各ディンプルの内部に適切寸法の凸
部を設けているため、ディンプル内で剥離泡をほぼ強制
的に発生させることができる。よって、剥離泡により乱
流剥離点を従来と比較して大幅に後退させることが出
来、よって、ゴルフボールの飛距離を増大させることが
出来る。
【図面の簡単な説明】
第1図はディンプル付ゴルフボールと平滑な球のレイノ
ルズ数と抗力係数との関係を示す線図、第2図は断面円
形の球に対する流体の流れを示す模式図、第3図は上記
円形まわりの圧力分布を示す線図、第4図は剥離泡の作
用を示す図面、第5図は本発明の実施例を示すディンプ
ルの一部拡大図、第6図はディンプル内の凸部の作用を
示す図面である。 10……ディンプル、11……凸部、 12……ディンプル外縁端、 13……ゴルフボール外縁面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡 憲吾 兵庫県神戸市須磨区神の谷7丁目7番 102―504号 (56)参考文献 実開 昭61−180056(JP,U) 実開 昭58−166362(JP,U) 実開 昭58−168363(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴルフボールのディンプル(10)の底部
    に、上方へ円弧状に突出した凸部(11)を形成し、該凸
    部(11)の大きさを、 凸部(11)の最大径の基部の直径を(D1)、ディンプル
    (10)の外端縁(12)の直径を(D2)とし、 L=D1/D2とすると、 0.2<L<0.7 かつ、凸部11の高さを(H1)、円弧状に凹設したディン
    プルの仮想最大深さを(H2)とし、K=H1/H2とする
    と、 0.2≦K≦0.55 さらに、1個のゴルフボールに設けられた夫々凸部(1
    1)を有するディンプルの空間体積の総和をVとする
    と、 250mm3<V<400mm3 に設定したことを特徴とするゴルフボール。
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