JP2678628B2 - ミミズの糞塚防止剤 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はゴルフ場の芝生地においてミミズによる糞塚
の発生を防止するための糞塚防止剤に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

ミミズは土づくりに有益な土壌動物であるが、ゴルフ
場の芝生地においてはミミズが地上に排出した糞土が堆
積して糞塚ができると、ゴルフ場の体裁が損なわれ、プ
レーヤーに不快感を与えるだけでなく、プレーの妨げに
もなり、ルール上でも障害となる。

そこで、ゴルフ場の芝生地においては、ミミズの糞塚
が発生したときにはこれをほうき等で毎朝のように芝生
の中へすり込み、あるいはミミズの糞塚が発生を防止す
るために殺虫剤の希釈液を芝生地に散布するという手法
が用いられる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、ミミズを糞塚をほうき等で芝生の中へすり
込む作業は多くの時間と労力を要するものであり、しか
もゴルファーのプレー開始前の早朝に行なわなければな
らない。また、このようにしてミミズの糞塚を排除して
も、特に降雨後はミミズの活動も活発ですぐに新しい糞
塚ができてしまう。従って、このような作業によりゴル
フ場を糞塚のない状態に維持することは困難である。

一方、殺虫剤の希釈液を芝生地に散布するという手法
は効果が低いだけでなく糞塚の発生を一応防止できる期
間が短いため頻繁に散布しなければならないという問題
がある。

本発明は以上の如き課題を解決しようとしてなされた
ものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するために本発明は、ティーサポニン
からなるミミズの糞塚防止剤及びティーサポニンと殺虫
剤とからなる糞塚防止剤を提供するものである。

ティーサポニンは茶種子に含まれるサポニンである。
サポニンは茶、サザンカ、ツバキなどのツバキ科植物や
大豆、落花生などのマメ科植物その他多くの植物に含ま
れており、サポゲニンと糖とからなる配糖体である。サ
ポゲニンはステロイド又はトリテルペンであり、抽出さ
れるサポゲニンは植物により異なり通常数種類のものを
含む。

ティーサポニンはティーサポゲノールＡ、カメリアゲ
ニンＥなど数種のサポゲニンを含む配糖体である。サポ
ニンは界面活性作用があり持続性のアワを形成するとこ
ろから写真乳剤の延展剤やビールその他の飲料にも用い
られている。

本発明において用いられる殺虫剤としては例えば次の
ようなものがある。

NAC（１−ナフチルメチルカーバイト） MEP（0,0−ジメチル ０−４ニトロ−ｍ−トリルフォス ホロチオエイト） メソミル（ｓ−メチル Ｎ−（メチルカーバミルオキ シ）チオアセチミデート） 〔作 用〕 本発明によるミミズの糞塚防止剤は希釈倍率が例えば
500〜2500倍（重量）程度になるように水で希釈し、一
例とし1m²当り希釈液２程度の割合でゴルフ場の芝生
地に散布する。散布時は降雨後又は朝方が望ましい。

本発明によるミミズの糞塚防止剤はその希釈液をゴル
フ場の芝生地に散布したときには、ミミズを地中で殺体
し若しくはミミズを地中から飛び出させて殺体する結果
ミミズの糞塚の発生を防止する。

〔実施例〕 以下、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本
発明がこれら実施例に限定されるものでないことはいう
までもない。

＊実施例１ ティーサポニン100重量部からなるミミズの糞塚防止
剤を得た ＊実施例２ ティーサポニン40重量部と殺虫剤であるNAC50％水和
剤60重量部とを混合してミミズの糞塚防止剤を得た。

＊実施例３ ティーサポニン45重量部と殺虫剤であるMEP40％水和
剤55重量部とを混合してミミズの糞塚防止剤を得た。

＊実施例４ ティーサポニン25重量部とメソミル40％水和剤75重量
部とを混合してミミズの糞塚防止剤を得た。

＊比較例１ 比較例１としてNAC50％水和剤を用いた。

＊比較例２ 比較例２としてMEP40％水和剤を用いた。

＊比較例３ 比較例３としてメソミル40％水和剤を用いた。

〔試 験〕

次に、上記実施例１〜４及び比較例１〜３に関して本
出願人が行なった試験について説明する。

＊試験方法 ミミズの糞塚が多数見られる芝生地を1m²ずつの８区
画に分け、薬剤散布前に各区画の糞塚数を調査し、糞塚
をほうきで芝生地にすり込んだ。実施例１〜４の糞塚防
止剤及び比較例１〜３の薬剤各々2gを水２に溶かし、
それぞれジョロで７区画に均一に散布した。残りの１区
画（無処理区）には水２を散布した。散布翌日より５
日ごとに糞塚数を調査した。なお、発生した糞塚は調査
日ごとに調査後ほうきで芝生地へすり込んだ。従って、
下記の糞塚数は前回調査日から当該各調査日までの間に
新しく発生した糞塚の数である。

＊試験結果 上記試験で調査した糞塚数を次の表に示す。

上の表から明らかなように、実施例１の糞塚防止剤を
散布した区画では11日目まで糞塚の発生が抑制され、実
施例２〜４の糞塚防止剤を散布した区画では16日目ない
し21日目まで糞塚の発生が抑制されたが、比較例１〜３
の薬剤を散布した区画では６日目から糞塚の発生が見ら
れ、その後更に糞塚が増加した。

すなわち、ティーサポニンからなるミミズの糞塚防止
剤は10日間程度糞塚の発生を防止するものと思われ、テ
ィーサポニンと殺虫剤とからなるミミズの糞塚防止剤は
ティーサポニンと殺虫剤との相乗効果により16日間もし
くはそれ以上の期間にわたって糞塚の発生を防止するも
のと行われる。

〔発明の効果〕

本発明によるティーサポニンからなるミミズの糞塚防
止剤及びティーサポニンと殺虫剤とからなるミミズの糞
塚防止剤はゴルフ場の芝生地に散布すると長期間にわた
ってミミズの糞塚の発生を効果的に防止する。すなわ
ち、本発明によるミミズの糞塚防止剤は長期間の間隔を
おいて散布するだけでゴルフ場におけるミミズの糞塚の
発生を防止することができる。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ティーサポニンからなるミミズの糞塚防止
   剤。
2. 【請求項２】ティーサポニンと殺虫剤とからなるミミズ
   の糞塚防止剤。