Nothing Special   »   [go: up one dir, main page]

JP2676538B2 - 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法 - Google Patents

耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法

Info

Publication number
JP2676538B2
JP2676538B2 JP30694588A JP30694588A JP2676538B2 JP 2676538 B2 JP2676538 B2 JP 2676538B2 JP 30694588 A JP30694588 A JP 30694588A JP 30694588 A JP30694588 A JP 30694588A JP 2676538 B2 JP2676538 B2 JP 2676538B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
norbornene
ring
molded product
antioxidant
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP30694588A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02153942A (ja
Inventor
敏朗 鈴木
政義 松井
伸一郎 本田
元亨 大和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Zeon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zeon Corp filed Critical Zeon Corp
Priority to JP30694588A priority Critical patent/JP2676538B2/ja
Publication of JPH02153942A publication Critical patent/JPH02153942A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2676538B2 publication Critical patent/JP2676538B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒
系の存在下に金型内に開環重合して成る成形品に関し、
更に詳しくは、耐酸化劣化性を改善したポリノルボルネ
ン系成形品の製造法に関する。
従来の技術 ジシクロペンタジエン(以下、DCPと略記)に代表さ
れるノルボルネン系モノマーを反応射出成形(以下、RI
Mと略記)法などにより金型内で開環重合することによ
って、機械的強度や耐熱性、耐水性等に優れた開環重合
体(ポリノルボルネン系成形品)を得ることができる。
ところが、ポリノルボルネン系成形品は、ある程度の
不飽和結合が残存するため、成形品の表面から酸化劣化
を受け易く、その結果、表面層に硬くて脆い皮膜を形成
する。この皮膜は耐衝撃性に劣り、特に落錘によるデュ
ポン衝撃強度値は経時的に大幅に低下する。例えば、開
環重合直後のポリノルボルネン系成形品のデュポン衝撃
強度値は400kgf・cm以上と高いけれども、空気中で80
℃、72時間の処理試験により酸化劣化を受け、約30kgf
・cm程度にまで急激に低下する。
このようにノルボルネン系モノマーを開環重合して得
られる成形品は、経時的に表面層から酸化劣化を受け易
く、耐衝撃性が低下し、ヒビ割れなどを生じやすい。
ポリノルボルネン系成形品の耐酸化劣化性を改善する
ために、従来、成形品を各種塗料により塗装したり、成
形品表面に熱可塑性樹脂シートを積層したり、あるいは
ノルボルネン系モノマーに酸化防止剤を添加して成形し
たりする方法(特開昭58−129013号)が提案されてい
る。
しかしながら、塗装による方法では、一般に硬い塗膜
が形成されるため、成形品表面の耐衝撃性は比較的低
い。また、熱可塑性樹脂シートを積層して複合体を形成
する方法では、ポリノルボルネン系成形品との密着性が
悪い熱可塑性樹脂が多く、しかも、一般に成形品の表面
がやわらかになり、ある程度硬い表面が必要とされる用
途には不適当である。酸化防止剤を添加する方法では、
成形品中に酸化防止剤がほぼ均一に分散され、表面部分
に高濃度で分布させることができないため、表面層の酸
化劣化防止効果は不充分である。そこで、酸化防止剤を
多量に添加すると、その可塑化効果により成形品のガラ
ス転移点(Tg)が低下したり、機械的強度が低下する。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的は、耐熱性や機械的強度などポリノルボ
ルネン系成形品の有する優れた物性を保持しつつ、耐酸
化劣化性の改善された成形品を提供することにある。
更に、本発明の目的は、ポリノルボルネン系成形体の
表面からの酸化劣化を防止し、耐衝撃性に優れた成形品
を提供することにある。
そこで、本発明者らは、従来技術の有する問題点を解
決するために鋭意研究した結果、ポリノルボルネン系成
形品の表面に酸化防止剤および/または紫外線吸収剤含
有層を形成すれば、上記目的を達成できることを見出
し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
課題を解決するための手段 すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)ノルボルネン系モノマーの開環重合体で形成され
た成形品を、該重合体を膨潤可能な有機溶剤に酸化防止
剤および/または紫外線吸収剤を溶解した溶液に浸漬処
理することを特徴とする耐酸化劣化性を改善した成形品
の製造法。
(2)ノルボルネン系モノマーの開環重合体を膨潤可能
な有機溶剤に酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を
溶解した溶液を予め金型内面に塗布した後、ノルボルネ
ン系モノマーを金型内で開環重合することを特徴とする
耐酸化劣化防止性を改善した成形品の製造法。
かくして、本発明によれば、ノルボルネン系モノマー
を金型内で開環重合して得られる成形品の表面に酸化防
止剤および/または紫外線吸収剤含有層を形成した成形
品の製造法が提供される。
以下、本発明の構成要件について詳述する。
(ノルボルネン系モノマー) 本発明の開環重合体(成形品)の原料として使用する
ノルボルネン系モノマーは、二環体または三環体以上の
多環ノルボルネン系モノマーである。三環体以上である
ことによって、熱変形温度の高い重合体が得られ複合材
料として要求される耐熱性を満たすことができる。
また、本発明においては、生成する重合体を熱硬化型
とすることができ、そのためには全モノマー中の少なく
とも10重量%、好ましくは30重量%以上の架橋性モノマ
ーを使用してもよい。
二環体のノルボルネン系モノマーとしては、2−ノル
ボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、5−フェニルノルボルネンな
どが例示される。
三環体以上のノルボルネン系モノマーとしては、ジシ
クロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタジエンなど
のごとき三環体、テトラシクロドデセンなどのごとき四
環体、トリシクロペンタジエンなどのごとき五環体、テ
トラシクロペンタジエンなどのごとき七環体、これらの
アルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プロピル、
ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例えば、エ
チリデン置換体など)、アリール置換体(例えば、フェ
ニル、トリル、ナフチル置換体など)などが例示され
る。
なかでも、入手の容易さ、反応性、耐熱性等の見地か
ら、三環体ないし五環体が賞用される。
架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2個以上有す
る多環ノルボルネン系モノマーであり、その具体例とし
てジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、テ
トラシクロペンタジエンなどが例示される。したがっ
て、ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物
である場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必要は
ない。
これらのノルボルネン系モノマーは、単独で使用して
もよいし、また、2種以上を混合して用いることもでき
る。
三環体以上のノルボルネン系モノマーは、ジシルロペ
ンタジエン類を熱処理することによっても得ることがで
きる。熱処理の条件としては、ジシクロペンタジエン類
を不活性ガス雰囲気下、好ましくは酸化防止剤を添加し
て、120〜250℃温度で、0.5〜20時間加熱する方式が挙
げられる。この熱処理により、ペンタシクロペンタデカ
ジエン(すなわちシクロペンタジエン三量体)と未反応
ジシクロペンタジエンを含むモノマー混合物が得られ
る。
なお、上記三環体以上のノルボルネン系モノマーの1
種以上と共に開環重合し得るシクロブテン、シクロペン
テン、シクロペンタジエン、シクロオクテン、シクロド
デセンなどの単環シクロオレフィンなどを、本発明の目
的を損なわない範囲で併用することができる。
用いる触媒は、ノルボルネン系モノマーの開環重合用
触媒として公知のメタセシス触媒系であればいずれでも
よく(例えば、特開昭58−127728号、同58−129013号、
同59−51911号、同60−79035号、同60−186511号、同61
−126115号など)、特に制限はない。
メタセシス触媒の具対例としては、タングステン、モ
リブテン、タンタルなどのハロゲン化物、オキシハロゲ
ン化物、酸化物、有機アンモニウム塩などが挙げられ、
また、活性剤(共触媒)の具体例としては、アルキルア
ルミニウムハライド、アルコキシアルキルアルミニウム
ハライド、アリールオキシアルキルアルミニウムハライ
ド、有機スズ化合物などが挙げられる。
メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマーの1モル
に体し、通常、約0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜1
0ミリモルの範囲で用いられる。活性剤(共触媒)は、
触媒成分に対して、好ましくは2〜10(モル比)の範囲
で用いられる。
メタセシス触媒および活性剤は、いずれもモノマーに
溶解して用いる方が好ましいが、生成物の性質を本質的
に損なわない範囲であれば少量の溶剤に懸濁または溶解
させて用いてもよい。
(成形品) 本発明で用いる成形品は、ノルボルネン系モノマーを
塊状で開環重合することにより得られた開環重合体(ポ
リノルボルネン系成形品)である。実質的に塊状重合で
あればよく、少量の不活性溶剤が存在していてもかまわ
ない。
開環重合体の好ましい製造法では、ノルボルネン系モ
ノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方にはメタセ
シス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の安定な
反応溶液(反応原液)を調製する。この二種類の反応溶
液を混合し、次いで所定形状の金型または型枠(両者を
合せて金型という)中に注入し、そこで塊状による開環
重合を行なう。
本発明においては従来からRIM成形装置として公知の
衝撃混合装置を、二種類の反応溶液を混合するために使
用することができる。この場合,二種類の反応溶液を納
めた容器は別々の流れの供給源となる。二種類の流れを
RIM機のミキシング・ヘッドで瞬間的に混合させ、次い
で、高温の成形金型中に注入し、そこで即座に塊状重合
が行われる。
室温におけるポットライフが1時間もあるような場合
には、ミキサー中で二種類の反応容液の混合が完了して
から、予備加熱した金型中へ1回もしくは数回にわたっ
て射出あるいは注入してもよい(例えば特開昭59−5191
1号公報、米国特許第4,426,502号明細書参照)。この方
式の場合には、衝突混合装置に比較して、装置を小型化
することができ、また低圧で操作可能という利点を有す
る。
また、本発明では二種類の反応溶液を使用する場合に
限定されない。当業者であれば容易に理解しうるよう
に、例えば第三番目の容器に反応液と添加剤を入れて第
三の流れとして使用するなど各種の変形が可能である。
金型温度は、通常、30℃以上、好ましくは40〜200
℃、特に好ましくは50〜130℃である。金型圧力は通常
0.1〜100Kg/cm2の範囲内である。
重合時間は適宜選択すればよいが、通常は約20分より
短かく、好ましくは5分以下であるが、それより長くて
もよい。
重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス
雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ましい。成形
金型は不活性ガスでシールしてもよいが、しなくてもか
まわない。
任意成分 酸化防止剤、充填材、補強材、発泡剤、顔料、着色
剤、エラストマー、ジシクロペンタジエン系熱重合樹脂
など種々の添加剤を配合することにより、本発明の成形
品の特性を改質することができる。
添加剤は予め反応原液のいずれか一方または双方に混
合しておくか、あるいは金型のキャビティーに入れてお
く。
充填材にはガラス、カーボンブラック、タルク、炭酸
カルシウム、雲母などの無機質充填剤がある。補強材と
しては、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維状充填材があ
る。
エラストマーとしては、天然ゴム、ポリブタジエン
(BR)、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合
体(SBR)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック
共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体(SIS)、EPDM、エチレン酢酸ビニル共
重合体(EVA)およびこれらの水素化物などがある。
(酸化防止剤、紫外線吸収剤) 本発明で使用できる酸化防止剤としては、フェノール
系、リン系、アミン系など各種のプラスチック・ゴム用
酸化防止剤がある。更に、本発明では、通常プラスチッ
クやゴムの光安定剤として使用されている紫外線吸収剤
も使用することができる。これらの酸化防止剤および紫
外線吸収剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、2種以
上を組合わせて用いることもできる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4−ジ
オキシジフェニル、ヒドロキノン・モノベンジルエーテ
ル、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−
ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−アミルヒドロキ
ノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4−ヒ
ドロキシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,
4′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−o−クレゾ
ール)、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベ
ンゼン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリ
スリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ブチル化
ヒドロキシアニソール、フェノール縮合物、ブチレン化
フェノール、ジアルキル・フェノール・スルフィド、高
分子量多価フェノール、ビスフェノールなどが挙げられ
る。
リン系の酸化防止剤としては、例えば、トリ(フェニ
ル)フォスファイト、トリス(ノニフェニル)フォスフ
ァイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォ
スファイトなどのアリールあるいはアルキルアリールフ
ォスファイト類が挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニール−
α−ナフチルアミン、フェニール−β−ナフチルアミ
ン、4,4′−ジオクチルフェニルアミン、N,N′−ジ−β
−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−
シクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ
−o−トリル−エチレンジアミン、アルキル化ジフェニ
ルアミンなどが挙げられる。
これらの酸化防止剤は、上記したもの以外にも各種の
市販品を使用することができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、4−t−ブチルフェ
ニルサリチレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルア
クリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート、フェニルサリチート、2,2′
−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、4
〔(N−エチル−N−フェニルアミノ)メチレナミノ〕
ベンゾイックアシッドエチルエーテルなどを挙げること
ができる。
(酸化防止剤および/または紫外線吸収剤含有層を形成
する方法) ポリノルボルネン系成形品の表面に酸化防止剤および
/または紫外線吸収剤含有層を形成する具体的な方法と
しては、開環重合して得られる成形品を酸化防止剤およ
び/または紫外線吸収剤の有機溶剤溶液に浸漬処理する
方法、および該有機溶剤溶液を予め金型内面に塗布・乾
燥させておく方法がある。
浸漬処理法 トルエンなどのポリノルボルネン系成形品を膨潤させ
易い有機溶媒に酸化防止剤および/または紫外線吸収剤
を溶解させ、その溶液に該成形品を浸漬し、表面層に酸
化防止剤および/または紫外線吸収剤を浸透させると、
溶媒を乾燥除去した後、成形品の表面に酸化防止剤およ
び/または紫外線吸収剤の濃厚層が形成される。
有機溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジ
エチルエーテル、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸
エチル、ピリジン、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタ
ン、オキサゾリン、ジメチルフォルムアミド、リグロイ
ン、クロロホルム、ガソリン、トリクロロエチレン、四
塩化炭素などを挙げることができる。
酸化防止剤および/または紫外線吸収剤の有機溶剤溶
液の濃度は、特に限定されないが、浸漬処理の効率の観
点から、好ましくは1〜60重量%より、より好ましくは
3〜50重量%、更に好ましくは5〜30重量%である。
浸漬温度は、室温(23℃)ないし有機溶剤の沸点まで
の範囲であり、通常、室温付近で実施する。浸漬時間
は、酸化防止剤および/または紫外線吸収剤の濃度にも
よるが、1分ないし5時間、好ましくは3〜30分程度で
ある。
浸漬処理した後、成形品を乾燥し、有機溶剤を除去す
る。乾燥方法は、空気乾燥あるいは熱風による乾燥など
がある。
金型内面に塗布する方法 ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒系の存在下
に金型内で開環重合させる際に、予め金型内面に前記有
機溶剤溶液をスプレーや刷毛塗りにより塗布しておく
と、開環重合反応終了後に、ポリノルボルネン系成形品
の表面層に酸化防止剤および/または紫外線吸収剤の濃
厚な層が形成される。
実施例 以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるも
のではない。なお、部および%は、特に断りのない限り
重量基準である。
実施例1(浸漬処理法) ジシクロペンタジエン(DCP)を2つの容器に入れ、
一方にはDCPに対しジエチルアルミニウムクロリド(DEA
C)を33ミリモル濃度、n−プロパノールを42.9ミリモ
ル濃度、四塩化ケイ素を20ミリモル濃度になるように添
加した。他方には、DCPに対しトリ(トリデシル)アン
モニウムモリブデートを4ミリモル濃度になるように添
加した。
両反応後を1:1の比率で混合し、80℃に加温した金型
内(300×300×3mm)に注入し、約3分間開環重合反応
を行ないポリDCPの板状成形品を得た。これらの一連の
操作は、窒素ガス雰囲気下で行なった。
この板状成形品の各サンプルを次の浸漬処理法により
処理を行なった。
各種酸化防止剤および紫外線吸収剤のトルエン10重量
%を調製し、各成形品サンプルをそれぞれ20分間浸漬し
た。その後、室温で24時間風乾した。
得られた処理後の各成形品サンプルについて、デュポ
ン衝撃試験を行ない、酸化処理を受ける前の初期値を測
定した。ついで、各成形品サンプルを空気雰囲気中で、
80℃で72時間酸化処理を行なった後、再度デュポン衝撃
試験を行ない、劣化試験後の値を測定した。
使用した酸化防止剤および紫外線吸収剤は、次のとお
りである。
(A)2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール (BHT;住友化学社製) (B)4,4′−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフ
ェノール) (Ethanox 702;Ethyl Corp.USA社製) (C)1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン (Ethanox 330;Ethyl Corp.USA社製) (D)トリス(ノニルフェニル)フォスファイト (Mark 1178;アデカ・アーガス社製) (E)フェニル−β−ナフチルアミン (Noclizer D;大内新興社製) (F)4〔(N−エチル−N−フェニルアミノ)メチレ
ナミノ〕ベンゾイックアシッドエチルエステル (Givsorb UV2;GIVAUDAN Co.社製) デュポン衝撃強度値は、デュポン衝撃試験法にしたが
い、成形品(300×300×3mm)の300×300mm面の片面に
打撃を与える打撃試験後、成形品の打撃面と反対側の面
(打撃により凸状が形成される面)に爪で引っ掛かるク
ラックが生じない値を衝撃強度値とした。
測定結果を第1表に一括して示す。
第1表から明らかなように、本発明の方法により処理
して得た成形品は、80℃で、72時間空気雰囲気中で酸化
処理を行なっても、デュポン衝撃強度値は400kgf・cm以
上を保持しているものもあり、高度の耐酸化劣化防止性
を示している。これに対して、未処理の成形品は、酸化
処理後には、30kgf・cmと極端に衝撃強度が低下した。
実施例2(金型内面塗布法) アセトンに2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(B
HT;住友化学社製)を5%となるように添加し、80℃に
加温した金型(300×300×3mm)の内側両面に、片面当
たり5mlスプレーした。
これを1分間放置した後、実施例1と同条件で注型を
行なった。得られた成形品サンプルについてデュポン衝
撃試験を行なったところ、酸化前のデュポン衝撃値は40
0kgf・cm以上であった。ついで、成形品サンプルを80℃
で72時間酸化処理を行なった後、再度デュポン衝撃試験
を行なったところ、劣化後の値は320kgf・cmであった。
発明の効果 本発明の方法により耐熱性や機械的強度などポリノル
ボルネン系成形品の有する優れた物性を保持しつつ、耐
酸化劣化性の改善された成形品を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大和 元亨 神奈川県川崎市川崎区夜光1―2―1 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭62−1731(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノルボルネン系モノマーの開環重合体で形
    成された成形品を、該開環重合体を膨潤可能な有機溶剤
    に酸化防止剤および/または紫外線吸収剤を溶解した溶
    液に浸漬処理することを特徴とする耐酸化劣化性を改善
    した成形品の製造法。
  2. 【請求項2】ノルボルネン系モノマーの開環重合体を膨
    潤可能な有機溶剤に酸化防止剤および/または紫外線吸
    収剤を溶解した溶液を予め金型内面に塗布した後、ノル
    ボルネン系モノマーを金型内で開環重合することを特徴
    とする耐酸化劣化防止性を改善した成形品の製造法。
JP30694588A 1988-12-06 1988-12-06 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法 Expired - Fee Related JP2676538B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30694588A JP2676538B2 (ja) 1988-12-06 1988-12-06 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30694588A JP2676538B2 (ja) 1988-12-06 1988-12-06 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02153942A JPH02153942A (ja) 1990-06-13
JP2676538B2 true JP2676538B2 (ja) 1997-11-17

Family

ID=17963166

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30694588A Expired - Fee Related JP2676538B2 (ja) 1988-12-06 1988-12-06 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2676538B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02153942A (ja) 1990-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6962729B2 (en) Contact metathesis polymerization
EP1535941B1 (en) Processes for producing thermoplastic resins, crosslinked resins and crosslinked resin composite materials
KR960008297B1 (ko) 복합 성형품 및 그 제조방법
EP1655321B1 (en) Polymerizable compositions and molded articles produced by using the same
KR20050035123A (ko) 접촉 치환 중합
EP1363967B1 (en) Improved fiber substrate adhesion to elastomeric substrates
JPH01319538A (ja) ガラス繊維強化ノルボルネン系ポリマーおよびその製造法
US7273915B2 (en) Crosslinkable resin composition and resin formed body produced therefrom
KR20030051686A (ko) 접촉 치환 중합
JPH0369322A (ja) 複合成形品の製造法
JP2676538B2 (ja) 耐酸化劣化性を改善した成形品の製造法
JPH04249149A (ja) 複合成形体およびその製造方法
JP2894726B2 (ja) マイクロカプセルを含有するバルク重合用反応配合液およびノルボルネン系ポリマーの製造方法
JP2959781B2 (ja) 複合材料の製造方法
EP0360068B1 (en) Coated polynorbornene product and method therefor
JP3041649B2 (ja) 複合成形品の製造方法
JP2001287307A (ja) 複合成形体およびその製造方法
US5169691A (en) Coated polynorbornene product and method therefor
EP0436153A2 (en) Mold release agent
JPH03146516A (ja) ノルボルネン系ポリマーの製造方法
JP2001310345A (ja) 複合成形体およびその製造方法
JPH06166744A (ja) ノルボルネン系ポリマーの製造法
JP2001131264A (ja) シクロオレフィンポリマーの製造方法
JPH09268233A (ja) ガラス長繊維強化ノルボルネン系樹脂成形品

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees