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JP2671139B2 - 情報記録媒体,光情報記録方法および光情報記録再生方法 - Google Patents

情報記録媒体,光情報記録方法および光情報記録再生方法

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JP2671139B2
JP2671139B2 JP63270535A JP27053588A JP2671139B2 JP 2671139 B2 JP2671139 B2 JP 2671139B2 JP 63270535 A JP63270535 A JP 63270535A JP 27053588 A JP27053588 A JP 27053588A JP 2671139 B2 JP2671139 B2 JP 2671139B2
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B7/00Recording or reproducing by optical means, e.g. recording using a thermal beam of optical radiation by modifying optical properties or the physical structure, reproducing using an optical beam at lower power by sensing optical properties; Record carriers therefor
    • G11B7/24Record carriers characterised by shape, structure or physical properties, or by the selection of the material
    • G11B7/2407Tracks or pits; Shape, structure or physical properties thereof
    • G11B7/24073Tracks
    • G11B7/24079Width or depth

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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、高エネルギー密度のレーザビームを用いて
信号の情報の書き込みするために使用できる情報記録媒
体および該情報記録媒体に情報の書き込みを行なう方法
そして記録された情報の読み取りを行なう方法に関する
ものである。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザー光等の高エネルギー密度のビ
ームを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリーとして使用されうるものである。これらの情報記
録媒体のうちで、音楽等のオーディオ再生用としてコン
パクトディスク(CD)が広く実用化されている。
コンパクトディスク(CD)は、一般にCDフォーマット
信号等のEFM(Eight to Fourteen Modulation)デジタ
ルオーディオ信号情報を有する孔(ピット)が予め形成
されているプラスチックの円盤状透明基板と、この上に
設けられたアルミニウム等の金属からなる反射性薄膜お
よび保護膜とから構成されている。CDからの情報の読み
取りは、レーザービームを光ディスクに照射することに
より行なわれ、ピットの有無による反射率の変化によっ
てCDフォーマット信号等が読み取られる。
CDは、CD規格に基づいて、CDを1.2〜1.4m/秒の定線速
度で回転させて記録することにより、信号面内径45mmお
よび信号面外径116mmの範囲内で、ピット幅0.8μm、ト
ラックピッチ1.6μmにて最大74分の記録時間を有する
ことが要求されている。従来のオーディオ用CDは、予め
基板にピットが形成された(従って、記録層を有しな
い)再生専用のものであり、情報の記録、編集等ができ
ないとの欠点を有していた。従ってDRAW(Direct Read
After Write、書き込み可能)型CDの開発が望まれてい
る。
また、文書、データ、静止画像等のファイルにおいて
も、CD−ROM(Read Only Memory)またはCD−I(Inter
active)用のDRAW型光ディスクが望まれている。
通常のDRAW型の情報記録媒体は、基本構造として、プ
ラスチック、ガラス等からなる円盤状の透明基板と、こ
の上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属または半金属
からなる記録層とを有する。記録媒体への情報の書き込
みは、たとえばレーザービームを記録媒体に照射するこ
とにより行なわれ、記録層の照射部分がその光を吸収し
て局所的に温度上昇する結果、ピット形成等の物理的変
化あるいは相変化等の化学的変化を生じてその光学的特
性を変えることにより情報が記録される。光ディスクか
らの情報の読み取りもまた、レーザービームを光ディス
クに照射することなどにより行なわれ、記録層の光学的
特性の変化に応じた反射光または透過光を検出すること
により情報が再生される。
しかしながら、このような従来のDRAW型の情報記録媒
体では、記録に際して、速い線速度で光ディスクを回転
させるため、広いピット間隔をとらなければ情報を記録
することができず、遅い線速度で高密度の情報の記録を
行なうCD方式による情報の書き込みは難しかった。ま
た、情報を記録することができたとしても、再生時のレ
ーザービームに対する高い反射率が要求される市販のCD
プレーヤーでは情報を読み取ることができなかった。
上記のように光ディスクへの情報の書き込みおよび読
み取りは、通常ディスク表面の所定の位置にレーザビー
ムを照射することにより行なわれている。一方、光ディ
スクへの情報記録層の増加が強く望まれているところか
ら、ピットなどの記録部位の密度の増大が図られてい
る。そして、このような記録部位の密度の増大により、
レーザビームを正しく所定の位置に照射することが困難
になるため、最近ではレーザビームを案内して正確に照
射予定位置をたどる(一般にトラッキングと呼ばれる)
ようにするために、添付図面の第1図に示したような断
面形状を有するトラッキングガイド(プレグルーブとも
呼ばれる)がディスク表面に設けられることが多くなっ
ている。
上記従来のDRAW型の情報記録媒体はISO(国際標準化
機構)で標準化が行なわれており、このような情報記録
媒体のグルーブの深さおよび幅については、優れた特性
を得るためのこれらの範囲が、“光ディスク標準化動向
説明資料”(光産業技術振興協会・光ディスク懇談会
編、113頁、昭和62年12月3日発行)に以下のように記
載されている。
すなわち、グルーブ(溝内)に記録する場合、グルー
ブの深さは700Å以上、その幅は0.8μm以上で光ディス
クの特性が良好であり、また、ランド(溝間)に記録す
る場合、グルーブの深さは800Å以上、その幅は0.6μm
以下においてその特性が良好である。
従って、上記情報の記録は、前記寸法を有するグルー
ブに行なわれており、高反射率、ピットのある部分と無
い部分の反射光量の差が大きいことからグルーブよりむ
しろランド面に行なわれることが一般的である。
従来のCD方式のディスクにおいても前記寸法のグルー
ブが一般的である。しかしながら、本発明者の研究によ
ると、上記グルーブのトラッキングガイドを有する記録
層のグルーブにレーザー光の照射によりピットを形成さ
せて情報を記録した場合でも、3ビーム方式で情報を読
み取る市販のCDプレーヤーで再生した場合には再生が困
難との問題があった。
すなわち、本発明者の研究によると、上記トラッキン
グガイドを有する記録層のグルーブにレーザー光の照射
によりピットを形成させて情報を記録した場合、ピット
が半径方向に広がり易く、その大きさが大きくなりすぎ
るため、再生時の信号の読み誤りが増加したり、トラッ
キング精度が低下することが明らかとなった。これはCD
方式により記録を行なうディスクは、通常の光ディスク
に比べて遅い線速度で高密度の情報の記録を行なうた
め、熱の蓄積が起こり易くなり、上記のようなピットの
広がりが生ずると考えられる。しかしながら、この広が
りを抑えるためレーザー光のパワーを低くすると完全な
記録が行なえないとの問題が発生する。このようなピッ
トの広がりは、エッジに溝の側壁が存在しないランド面
の場合に、その広がりが顕著であるが、グルーブにピッ
トを形成させるときも問題となっていた。
[発明の目的] 本発明は、トラッキング特性が向上したDRAW型情報記
録媒体および該情報記録媒体に光記録する寸法、特にコ
ンパクトディスク(CD)フォーマット信号等のように遅
い定線速度で光記録を行なうための新規な方法を提供す
る。
また、本発明は、記録された信号を3ビーム方式にて
レーザー光を照射して良好なトラッキングにより再生す
ることができる情報の再生方法、特に市販のCDプレーヤ
ーを利用して再生が可能な光情報再生方法を提供するこ
とを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、円盤状基板の表面に設けられた深さが200
〜600Åの範囲にあり且つ幅が0.3〜0.6μmの範囲にあ
るグルーブからなるトラッキングガイド上に、レーザー
光による情報の書き込みが可能な記録層が設けられ、さ
らに該記録層上に保護層が設けられてなる情報記録媒
体; 上記情報記録媒体を、定線速度で回転させながら、該
記録層が設けられた該トラッキングガイドのグルーブに
レーザー光を照射して情報を記録することからなる光情
報記録方法、および; 上記情報が記録された情報記録媒体を定線速度で回転
させながら、該トラッキングガイドのグルーブに3ビー
ム方式にてレーザー光を照射して該情報を記録再生する
ことからなる光情報再生方法にある。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は下記の通
りである。
1)該トラッキングガイドのグルーブの深さが300〜500
Åの範囲にあることを特徴とする上記情報記録媒体。
2)該トラッキングガイドのグルーブの幅が0.4〜0.5μ
mの範囲にあることを特徴とする上記情報記録媒体。
3)該円盤状基板がポリメタクリル酸系樹脂もしくはポ
リカーボネート樹脂であることを特徴とする上記情報記
録媒体。
上記本発明の光情報記録方法の好ましい態様は下記の
通りである。
1)上記情報の記録が、該情報記録媒体を、1.2〜2.8m/
秒の定線速度で回転させながら、該記録層が設けられた
該トラッキングガイドのグルーブにレーザー光を照射す
ることにより行なわれることを特徴とする光情報記録方
法。
2)上記情報の記録が、該情報記録媒体を、定線速度で
回転させながら、該記録層が設けられた該トラッキング
ガイドのグルーブにレーザー光を照射してCDフォーマッ
トのEFM信号を記録することにより行なわれることを特
徴とする光情報記録方法。
上記本発明の光情報記録再生方法の好ましい態様は下
記の通りである。
1)上記情報の再生が、該情報記録媒体を、1.2〜2.8m/
秒の定線速度で回転させながら、該記録層が設けられた
該トラッキングガイドのグルーブにレーザー光を照射す
ることにより行なわれることを特徴とする光情報記録再
生方法。
尚、上記グルーブ幅は、グルーブの底面からグルーブ
の深さの50%の高さ位置でのグルーブ幅の値である。
[発明の効果] 本発明の情報記録媒体は従来の同種のプレグルーブ付
き情報記録媒体に比較してトラッキング精度が顕著に向
上している。すなわち、本発明の情報記録媒体はプレグ
ルーブ付きで且つグルーブにピットを形成することによ
り記録を行なう情報記録媒体であって、従来の同種の情
報記録媒体に比べて、深さが浅くかつ幅の狭いグルーブ
にピット形成させるためピットの形が小さく均一である
ことから、再生時の読み誤りがほとんどない。また、市
販のCDプレーヤーを利用して再生が可能で、特に3ビー
ム方式で再生した際のトラッキング・サーボ・ゲインが
優れているので再生時の音跳び等がなく、さらにプレー
ヤービリティーが良好でランダムアクセスが容易であ
る。
[発明の詳細な記述] 本発明の情報記録媒体は、上記問題を解決するため、
トラッキングガイドのグルーブの幅を従来のISO対応光
ディスクやCD方式光ディスクよりも狭くして熱伝導を抑
えることにより、記録ピットの幅を狭く、揃ったものと
している。これにより再生時の信号の読み誤りの無い、
そしてトラッキング精度の優れた情報記録媒体を得るこ
とができる。すなわち、ピットが形成される際、グルー
ブのエッジからランド部へのピットの広がりが側壁によ
って抑えられ、上記のような形が小さく、良く揃ったピ
ットが得られる。本発明の情報記録媒体は、さらに市販
のCDプレーヤで再生することができるように充分な反射
率を得るためグルーブの深さを上記に示された通常の深
さより浅いものとしている。
ISO対応型の光ディスクでは、グルーブの深さは浅い
ほど、そしてランド幅とグルーブ幅が近いほどランドと
グルーブの反射光量の差が小さいためトラッククロス信
号が小さくなりアクセス時のトラックカウント誤りが生
じ易いとの問題があったが、CDフォーマット信号の記
録、再生への用途にはこれは問題とならない。
本発明の情報記録媒体は、円盤状基板の表面にトラッ
キングガイドが設けられたものであり、そして該トラッ
キングガイドの断面は例えば第1図で示される形状を有
し、hはグルーブの深さまたwはグルーブ幅を表わして
いる。そのグルーブの深さ(第1図のh)が200〜600Å
の範囲にあり、且つその幅(第1図のw)が0.3〜0.6μ
mの範囲にあることが必要である。ただし、この第1図
のwで示されるグルーブ幅は、グルーブの底面からグル
ーブの深さの50%の高さ位置(すなわち第1図に示すよ
うに上からh/2、下からh/2の位置)でのグルーブ幅(す
なわち全半値幅)の値である。
さらに、上記トラッキングガイドのグルーブの深さが
300〜500Åの範囲にあり、且つその幅が0.4〜0.5μmの
範囲にあることが好ましい。
本発明の情報記録媒体は、上記基板にレーザによる情
報の書き込みが可能な記録層が設けられたものである。
本発明の光情報記録方法は、上記本発明の情報記録媒
体を、定線速度で回転させながら、該記録層が設けられ
たトラッキングガイドのグルーブにレーザー光を照射し
て情報の記録を行なう。好ましくは該情報記録媒体を1.
2〜2.8m/秒の定線速度で回転させながら、該記録層が設
けられたトラッキングガイドのグルーブにレーザー光を
照射してCDフォーマットのEFM信号等のディジタル信号
を記録する。
本発明の情報記録媒体への記録はトラッキングガイド
のグルーブ(溝内)に行なわれており、これにより、本
発明の効果である大きさの抑制されたピットの形成を行
なうことができる。そして、CDプレーヤーで再生可能な
高い反射率を得るため上記特定の範囲のグルーブの深さ
に設定されている。
本発明の情報記録媒体のトラッキングガイドのグルー
ブにピット記録された状態の一例を第2図に示す。これ
はトラッキングガイドを上から見た模式図である。第2
図において、1がグルーブ、2がランド部そして3がピ
ットを表わしている。本発明の狭いグルーブに形成され
たピットは、その幅がグルーブの側壁に阻まれグルーブ
幅が同一の寸法に近くなっていることがわかる。
このように、本発明の情報記録媒体の記録状態は、ピ
ットの幅が狭く、揃っており、且つ高い反射率を有する
ものである。従って、上記情報記録媒体をCDの再生方法
として極めて一般的な方法である3ビーム法で再生した
際、トラッキング・サーボ・ゲインが顕著に向上して、
周囲の振動等による音飛び現象等が減少したものとな
る。
上記3ビーム法は、トラッキングサーボ方式の一つと
してすでに公知であり、三つのビームは信号読み取り用
の主ビームとトラッキング用の二本の副ビームからなっ
ている。他のトラッキングサーボ方式としては、信号を
読み取り用のビームがトラッキングサーボも兼ねる、す
なわち一つのビームが再生とトラッキングの役割を果た
すプッシュプル法やDPD法等が知られている。本発明に
おいて特に有用な3ビーム法について添付第3図を参照
しながら説明する。第3図は、3ビーム法により情報記
録媒体の記録層上に生ずる三つのビームのビームスポッ
トの位置の一例を示す模式図である。3ビーム法に用い
られる三っつのビームは、信号を読み取り用の主ビーム
4とその前後にトラック(本発明ではグルーブ上のピッ
ト列)6を挟んでトラッキング用の二本の副ビーム5a、
5bからなり、前の副ビーム5aは主ビームより右より、後
の副ビーム5bは主ビームより左側に配置されている。再
生時のトラッキングは、二本の副ビーム5a、5bにより行
なわれ、第3図(b)は副ビーム5a、5bの位置関係が良
好なトラッキング状態にある場合の配置である。すなわ
ち、副ビーム5aおよび5bは、それぞれのビームスポット
がトラックにかかっている程度がほぼ同じであることか
ら、副ビーム5aから検出される反射光量と、副ビーム5b
からの反射光量が等しくなり、従ってトラッキングサー
ボからレーザービームを放射するピックアップへの出力
は0となり、トラッキング状態は補正されない。しか
し、第3図の(a)および(c)の場合は、副ビーム5a
および5bは、それぞれのビームスポットがトラックにか
かっている程度が異なることから、副ビーム5aから検出
される反射光量と、副ビーム5bからの反射光量との差が
生じ、トラッキング状態は補正される。このようにし
て、3ビーム法によるトラッキングが行なわれる。
本発明の光情報記録再生方法は、上記情報が記録され
た本発明の情報記録媒体を定線速度で回転させながら、
該トラッキングガイドのグルーブに3ビーム方式にてレ
ーザー光を照射して該情報を再生することを特徴として
いる。好ましくは、該情報記録媒体を、1.2〜2.8m/秒の
定線速度で回転させながら、情報の再生が行なわれる。
本発明の再生方法である3ビーム法で情報を再生した
際、上記のようにトラッキング・サーボ・ゲインの向上
および音飛び現象等の減少が顕著であり、さらに特にCD
フォーマットのEFM信号を用いて記録されたディジタル
信号を再生する場合に有利であるといえる。
また、上記のように大きさの抑制されたピットが記録
されているので、3ビーム法のみならずプッシュプル
法、DPD法等の各種トラッキング方式のCDプレーヤーで
再生することができる。
本発明の情報記録媒体はたとえば下記の方法により製
造することができる。
プレグルーブ付き基板は、たとえば、ポリカーボネー
ト樹脂、ポリアクリル系樹脂などのプラスチック材料を
モールディングして製造する方法、プラスチック板、あ
るいはガラス板などの平面基板にプレグルーブを有する
樹脂層を積層させる方法などによって製造することがで
き、これらの方法は既に一般的に知られている。
本発明の情報記録媒体においては、プレグルーブの深
さが、基板の屈折率と、利用するレーザ光の波長との関
係において同種の従来の情報記録媒体と相違する。通常
は、本発明の情報記録媒体のプレグルーブは従来の同種
の情報記録媒体のプレグルーブよりも浅く且つ狭く形成
される。
上記基板上には、レーザー光の熱エネルギーの記録層
から損失を防ぐ等のため中間塗布層を設けても良い。中
間塗布層の形成に際して発生するプレグルーブ底部と側
壁頂部との間の塗布層の厚さ変動は、塗布層の所定平均
厚さによっても変化するが、通常は200〜400オングスト
ロームの範囲にある。従って、プレグルーブの深さの決
定にあたって、類似した系における塗布層厚さ変動の既
知データを参照することができる。ただし、対象の系に
ついて種々グルーブ深さを変化させた基板を予め調製
し、それぞれに所定の中間塗布層を形成したのち、塗布
層の所定部位間の寸法を測定し、前記に規定された関係
式との対応を見ながら、最も適したプレグルーブ深さを
決定することが好ましく、この方法により高い精度で基
板上のプレグルーブの深さを決定することができる。
プレグルーブを有する基板表面への中間塗布層の形成
は、公知の塗布法により行なうことができる。公知の塗
布法の例としてはスピンコート法、ディップコート法な
どを挙げることができる。
なお、塗布法により形成される中間層の例としては、
上記断熱層以外に接着層、反射層、感度強化層(ガス発
生層)などを挙げることができる。
中間塗布層が断熱層である場合には、例えばポリメチ
ルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合
体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルア
ルコール、N−メチロール・アクリルアミド共重合体、
スチレン・スルホン酸共重合体、スチレン・ビニルトル
エン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化
ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポ
リエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重
合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネートなどの高分子物質を
溶剤に溶解した塗布液を用いて形成することができる。
中間塗布層の層厚(平均層厚)は、中間層に要求され
る特性を考慮して決定されている。中間塗布層の層厚は
通常は100〜1000オングストロームの範囲にある。
基板上または中間塗布層の上には、記録層が設けられ
る。
記録層に用いられる材料の例としては、Te、Zn、In、
Sn、Zr、Al、Cu、Ge等の金属;Bi、As、Sb等の半金属;G
e、Si等の半導体;およびこれらの合金またはこれらの
組合せを挙げることができる。また、これらの金属また
は半金属の硫化物、酸化物、ホウ化物、ケイ素化合物、
炭化物および窒化物等の化合物;およびこれらの化合物
と金属との混合物も記録層に用いることができる。
記録層は、上記の記録材料を蒸着、スパッタリング、
イオンプレーティングなどの方法によって基板上(また
は中間塗布層上)に形成することができる。所望によ
り、中間層の下に下塗り層を介在させてもよい。記録層
は単層または重層でもよいが、その層厚は光情報記録に
要求される光学濃度の点から一般に100乃至5500オング
ストロームの範囲である。
記録層の上には保護層が設けられる。保護層として
は、軟質樹脂材料からなる軟質保護層と硬質樹脂材料か
らなる硬質保護層との積層体が好ましい。この積層体
は、軟質保護層側を記録層側にして、記録層上に積層す
る。軟質樹脂材料の例としては、ポリウレタン、ポリ塩
化ビニリデン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、シリコ
ンゴム、ステレン・ブタジエン・ゴム、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリアクリル酸エステルを挙げることができる。
通常、これらは、溶液塗布、ラテックス塗布、熔融塗布
などの方法により記録層上に塗布され、必要により乾
燥、加熱などの処理を行なって軟質保護層とされる。軟
質保護層の層厚は通常100Å〜5μmの範囲にあり、好
ましくは0.3〜3μmの範囲にある。硬質樹脂材料の例
としては、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などが挙げられ
る。通常、これらは、溶液塗布などの方法により軟質保
護層上に塗布され、必要により紫外線照射、加熱などの
処理を行なって硬質保護層とされる。硬質保護層の層厚
は通常0.1〜10μmの範囲にあり、好ましくは1〜3μ
mの範囲にある。
基板の記録層が設けられる側とは反対側の表面には、
耐傷性、防湿性などを高めるために、たとえば二酸化ケ
イ素、酸化スズ、弗化マグネシウムなどの無機物質、あ
るいは熱可塑性樹脂、光硬化型樹脂などの高分子物質か
らなる薄膜が、真空蒸着、スパッタリングまたは塗布等
の方法により設けられていてもよい。
貼り合わせタイプの情報記録媒体においては、上記構
成を有する二枚の基板を接着剤等を用いて接合すること
により製造することができる。エアーサンドイッチタイ
プの記録媒体においては、二枚の円盤状基板のうちの少
なくとも一方が上記構成を有する基板を、リング状の外
側スペーサと内側スペーサとを介して、あるいはいずれ
か一方もしくは双方の基板に設けられた突起を介して接
合することにより製造することができる。
次に、本発明の光情報記録方法および再生方法につい
て説明する。本発明では、CDフォーマット信号等の遅い
定線速度にてディジタル信号を記録する場合に特に有利
であることから、CDフォーマット信号を記録、再生する
方法を例にとって以下に説明する。
例えば前記通常のグルーブより浅く且つ狭いグルーブ
のトラッキングガイドを有する基板の表面に記録層が設
けられた本発明の情報記録媒体を、1.2〜2.8m/秒の定線
速度にて回転させながら、半導体レーザー光などの記録
用光をその記録層に照射してCDフォーマット信号を記録
する。一般に、記録光としては750〜850nmの範囲の発振
波長を有する半導体レーザービームが用いられる。本発
明の情報記録媒体では、10mW以上のレーザーパワーで記
録することができる。
これにより、記録層には長さが0.70〜4.0μmのピッ
トが0.70〜4.0μmの間隔で同心円状もしくはスパイラ
ル状に形成される。そして、CDフォーマット信号などの
EFM信号情報が記録層に書き込まれる。信号の記録は溝
上に行なわれる。このとき、信号面の内径は50mm、外径
が115mmの記録媒体で、60分以上の記録が可能である。
本発明の光情報記録方法は、上記のような記録を行な
う際、本発明のトラッキングガイドによりトラッキング
制御が極めて良好に行なうことができる。そして上記記
録がトラッキングガイドのグルーブ(溝内)にされるこ
とにより本発明の効果である大きさの抑制されたピット
の形成を行なうことができる。ランド部(溝間)に記録
された場合は、ピットの広がりが抑えられず、本発明の
効果は得られない。
情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度
で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行なうことができ
る。本発明においては、高い反射率を得るため通常のグ
ルーブの深さより浅い上記特定の範囲のグルーブの深さ
に設定されているので、記録層がプレーンな平面で60%
以上の高い反射率を有することから市販のCDプレーヤー
を用いて充分に読み取りを行なうことができる。
本発明のトラッキングガイドのグルーブの幅は前述の
ように通常より狭いため、ピットの幅が狭く、揃ったも
のとなる。従って、CDの再生方法として極めて一般的な
方法である3ビーム法で再生することにより、トラッキ
ング・サーボ・ゲインが顕著に向上して、周囲の振動等
による音飛び現象等が減少し、安定した再生が行なえ
る。
なお、本発明の情報記録媒体は、CD−ROM、CD−Iな
どのCDフォーマットで記録される媒体とは本質的に互換
性がある。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。ただ
し、これらの各例は本発明を制限するものでない。
[実施例1] 射出成形によりプレグルーブを設けた円盤状ポリカー
ボネート基板[外径:130mm、内径:15mm、長さ:1.2mm、
グルーブ深さ(第1図のh):410オングストローム、グ
ルーブ幅(第1図のw):0.42μm、屈折率:1.57]のプ
レグルーブ面に塩素化ポリエチレン含有塗布液[メチル
セロソルブ・ブタノール・イソプロパノール混合溶媒
(12:8:80、体積比)に塩素化ポリエチレンが0.3%溶解
しているもの]をスピンコーターを用いて塗布し、次い
で乾燥して中間塗布層を形成した。
次に、上記中間塗布層の上にIn:GeS:Au=66:22:12
(重量比)の比率で共蒸着させて、厚さ300オングスト
ロームの記録層を形成した。さらに、記録層上に厚さ2
μmのポリウレタンの保護層を設置した。下記の評価の
際、記録はグルーブ(溝内)に行なった。
[比較例1] 実施例1において、プレグルーブを設けた円盤状ポリ
カーボネート基板のグルーブ深さ(第1図のh)を750
オングストローム、グルーブ幅(第1図のw)を0.80μ
mに変更した以外は実施例1と同様の方法により光ディ
スクを得た。下記の評価の際、記録はグルーブ(溝内)
に行なった。
[比較例2] 光ディスクは比較例1と同様にして製造し、下記の評
価の際、記録はランド面(溝間)に行なった。
[比較例3] 実施例1において、プレグルーブを設けた円盤状ポリ
カーボネート基板のグルーブの深さ(第1図のh)は変
更せず(即ち410オングストローム)、グルーブ幅(第
1図のw)を0.80μmに変更した以外は実施例1と同様
の方法により光ディスクを得た。下記の評価の際、記録
はグルーブに行なった。
[光ディスクの評価] ケンウッド(株)製のEFMエンコーダーより発生する
リードイン情報および基準信号を得られた光ディスク
の、実施例1、比較例1および比較例3はグルーブ(溝
内)に、比較例2はランド部(溝間)に記録を行なっ
た。
上記情報の記録された光ディスクをCDプレーヤー(CD
X−550、YAMAHA(株)製)にて再生し、プレーヤービリ
ティーを評価した。
上記評価結果は、実施例1ではその再生音は音跳びが
なく、ランダムアクセスが可能であった。比較例1、2
および3ではその再生音は音跳びが多く、ランダムアク
セスが不可能であった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の情報記録媒体の基板の断面の一例を
示す模式図である。 第2図は、本発明の情報記録媒体のトラッキングガイド
のグルーブに情報がピットにより記録された状態の一例
を示す平面の模式図である。 第3図は、3ビーム法により情報記録媒体の記録層上に
生ずる三つのビームのビームスポットの位置の一例を示
す模式図である。 グルーブの深さ:h グルーブの幅:w グルーブ:1 ランド:2 ピット:3 主ビーム:4 副ビーム:5a、5b トラック(グルーブ):6

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状基板の表面に設けられた深さが200
    〜600Åの範囲にあり且つ幅が0.3〜0.6μmの範囲にあ
    るグルーブからなるトラッキングガイド上に、レーザー
    光による情報の書き込みが可能な記録層が設けられ、さ
    らに該記録層上に保護層が設けられてなる情報記録媒
    体。
  2. 【請求項2】円盤状基板の表面に設けられた深さが200
    〜600Åの範囲にあり且つ幅が0.3〜0.6μmの範囲にあ
    るグルーブからなるトラッキングガイド上に、レーザー
    光による情報の書き込みが可能な記録層が設けられ、さ
    らに該記録層上に保護層が設けられた情報記録媒体を、
    定線速度で回転させながら、該記録層が設けられた該ト
    ラッキングガイドのグルーブにレーザー光を照射して情
    報を記録することからなる光情報記録方法。
  3. 【請求項3】円盤状基板の表面に設けられた深さが200
    〜600Åの範囲にあり且つ幅が0.3〜0.6μmの範囲にあ
    るグルーブからなるトラッキングガイド上に、レーザー
    光による情報の書き込みが可能な記録層が設けられ、さ
    らに該記録層上に保護層が設けられた情報記録媒体を、
    定線速度で回転させながら、該記録層が設けられた該ト
    ラッキングガイドのグルーブにレーザー光を照射して情
    報を記録した後、該情報記録媒体を定線速度で回転させ
    ながら、該トラッキングガイドのグルーブに3ビーム方
    式にてレーザー光を照射して情報を再生することからな
    る光情報記録再生方法。
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