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JP2650217B2 - Htlv―1感染の診断、治療及び予防接種のためのペプチド - Google Patents

Htlv―1感染の診断、治療及び予防接種のためのペプチド

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JP2650217B2
JP2650217B2 JP2509469A JP50946990A JP2650217B2 JP 2650217 B2 JP2650217 B2 JP 2650217B2 JP 2509469 A JP2509469 A JP 2509469A JP 50946990 A JP50946990 A JP 50946990A JP 2650217 B2 JP2650217 B2 JP 2650217B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、免疫学的に重要なHTLV−1タンパク質の抗
原部位に対応する配列のペプチドに関する。これらのペ
プチドはHTLV−1に対する抗原の有無を検出するための
診断薬として有用であり、また動物および人間のHTLV−
1に対する抗体を誘発するための方法と組成中の免疫原
としても有用である。
人間T細胞自血病/リンパ腫(ATL)の病因作用因子
は、HTLV−1(ヒトT細胞リンパ栄養ウィルス1型)と
して認定されている。例えば、Sarngadharan他による<
ヒトT細胞白血病ウィルス>(B.N.Fields他編“ウィル
ス学”(1985年)の1345−1371ページ)に記述されてい
る。このウィルスが最も流行している世界の地域は日本
の南部にある九州で、ここでは、人口の略15%がこれに
感染している。最近では、熱帯性痙性不全対麻痺(TS
P)と呼ばれる熱帯性麻痺もまたHTLV−1の感染を伴っ
ている。これについては、Rodgers−Johnson他著の論文
<HTLV−1とHTLV−III並びに熱帯性痙性麻痺>(Lance
t,II,1247頁、1985年)およびVernant他著の論文<ヒト
T細胞白血病ウィルス1型を伴う地方病性熱帯痙性不完
全対麻痺:25例の臨床血清疫学的研究>(神経学年報21
号、123頁、1987年)に報告されている。
熱帯においてTSPは、西洋世界における多発硬化症候
群と同様の規模と重要性を有していることが、Marxの論
文<神経病と連鎖した白血病ウィルス>(サイエンス、
236号、1059−1061頁、1987年)で報告されている。
HTLV−1とヒトT細胞リンパ栄養ウィルスII型(HTLV
−2)は、Tリンパ球への向性およびリンパ増殖性疾患
との相互関係を共有する腫瘍レトロウィルス家族の抗原
的に関係した成員である。
HTLV−2とHTLV−1の相同度のために血清学的な研究
ではHTLV−1とHTLV−2による感染を区別することが出
来ない。HTLV−1とHTLV−2を明確に分別するために
は、ウィルスの単離および/または分子の同定を要す
る。HTLV−2は人間の病気を必ず伴ったものではない
が、これまではHTLV−1感染と考えられていた静脈内薬
物の乱用者(IVDAs)が今日でHTLV−2感染であること
が判明している。現在HTLV−2感染は静脈内薬物乱用者
の間では全く普通であると考えられている。Tedder他著
の論文<英国内のエイズ、拡大リンパ節疾患およびエイ
ズの危険のある被験者におけるHTLV−1およびHTLV−2
感染の低罹患率>(Lancet、2号、125−128頁)、Robe
rt−Gurott他著の論文<エイズ流行地からの静脈内薬物
乱用者におけるHTLV−1、HTLV−IIおよびHTLV−IIIに
対する抗体の罹患率>(J.A.M.A255号、3133−3137頁)
に記述がある。
HTLV−2とエイズとの連合を考えると、ウィルスの単
離はことさら困難であり危険である。従って、ウィルス
の単離と取扱いを含む再分別をしないでHTLV−1とHTLV
−2の感染を区別出来れば有益であろう。HTLV−1を容
易に検出でき、HTLV−1による感染をHTLV−2による感
染から区別出来る自動化血液スクリーニングテストフォ
ーマットもまた非感染血液を供給するために極めて重要
である。
HTLV−1感染の検出方法は、通常、血液、血清および
血液由来生成物中に存在するHTLV−1抗原に対する抗体
を検出し計量することによりウィルスへの被爆を測定す
る。かような分析法はATLおよびTSPの診断を助け、血液
と血液製剤をスクリーニングしHTLV−1にすでに被爆し
ているか否かを調べてさらなる感染を阻止するのに使用
できる。
HTLV−1による感染を診断しHTLV−1への被曝判別す
るために現在行われている試みには、被検試料中のHTLV
−1免疫原成分に対する抗体の存在を検出する酸素結合
免疫吸着検定法(ELISA)が含まれている。その他の方
法では、ウェスタンブロッティング法を用いて被検試料
中のHTLV−1の特異性抗体を検出している。
ELESAおよびウェスタンブロッティング法の他に、一
般に、放射性標識免疫測定法だけに限らないほとんどの
公知の免疫学的検定法、並び凝薬試験法または間接免疫
蛍光検査法を、特異性試薬を用いたHTLV−2およびその
抗体の検出法として利用できる。
これらの検定法の抗原源としてはHTLV−1感染T細胞
線より得た抗原タンパク質と組替えDNA技法により生産
した抗原を含むことが出来るが、これだけに限定される
ものではない。これらの抗原発生源から得た抗原を使用
するには、しかし、重大な障害が存在する。
連続細胞線におけるHTLV−1の生産はそれ自体、研究
者がウィルスに感染する危険があるために、高度危険
(P3汚染物質)の実験室内で実施しなければならない。
T細胞由来HTLV−1抗原を使用するとELISA試験におい
て偽陰性および偽陽性の結果が多分生じ得る。例えば、
エイズウィルスへの被曝を測定する場合に、細胞線から
得た完全なウィルスHTLV−1抗原を用いたELISA試験で
は偽陰性および偽陽性の結果が報告された筈である。Gu
rtler達の論文<抗LAV/HTLV−IIIのスクリーニング用市
販ELISAキットの感度と特異性>(雑誌“ウィルス学の
方法"15号、11−23頁、1987年)にも報告されている。
電気的にブロットして完全なウィルス抗原を使用したHT
LV−1検出のためのウェスタンブロティング分析法は、
ELISA試験に比しより大きい特異性を提供するであろう
が、しかし、より多くの手間と時間を要する。さらに、
HTLV−1の生産細胞は人間に由来するものであるから、
これらの細胞線から得たウィルス抗原試料は徹底的に純
化しなければ、HLA抗原のような正常細胞性抗原に汚染
されELISA試験において偽陽性反応を惹起す。
細胞線から得たウィルス抗原を完全に純化すると、免
疫学的に重要なタンパク質の免疫原性または別の不活性
抗原を多分破壊し、そのために偽陰性反応が生じる。さ
らに、反応混合物中に存在する他の抗原および抗体によ
る反応阻止のために抗体がその特異抗原と反応出来ない
立体障害が原因で、生ウィルス誘導抗原を用いた偽陰性
反応が生じ得る。また、生ウィルスより単離したタンパ
ク質は、全ウィルスまたはウィルス遺伝物質に汚染され
る恐れがあるためにワクチンには不適当である。
HTLV−1を検出するELISA試験には、また、細菌中のH
TLV−1ゲノムの部分をクローニングすることにより生
産された遺伝的に重要なウィルスタンパク質を用いるこ
とが出来る。HTLV−1の完全なヌクレオチド配列が、Se
iki他の著になる論文<ヒト成人T細胞白血病ウィル
ス:白血病細胞DNA中に蓄積されたプロウィルスゲノム
の完全なヌクレオチド配列>(米国科学アカデミー会報
80号、3618−3622頁、1983年)で報告されている。これ
らのウィルス外膜糖タンパク質と核タンパク質は、HTLV
−1のenv遺伝子とgag遺伝子でそれぞれ暗号化されてお
り、明らかに、HTLV−1感染患者の血清中の抗体により
認識された抗原である。
ウィルスの外膜と核に在る遺伝的に重要なHTLV−1抗
原は、細菌、酵母菌またはワクチニアのような種々の発
現システムにおいてHTLV−1ゲノムの部分をクローニン
グすることにより調製できる。かような組替え抗原は、
HTLV−1タンパク質についてなされたように、診断に使
用でき、また、潜在性ワクチン組成として使用できる。
Cabradilla他著の論文<細菌で合成したenvポリペプチ
ドを有する、ヒトエイズ・レトロウィルスに対する抗体
の血清診断法>(バイオテクノロジー、4号、128−133
頁、1986年)、Chang他著の論文<組替え型大腸菌由来
ウィルス抗原ペプチドヒトを用いた免疫測定法でのヒト
T細胞リンパ栄養ウィルスIII(HTLV−III)の検出>
(バイオテクノロジー、3号、905−909頁、1985年)、
Putney他著の論文<大腸菌−ウィルス外膜の産出断片−
に対する抗体を中性化するHTLV−III/LVA>(サイエン
ス、234号、1392−1395頁、1986年)、Kieny他著の論文
<組替え型ワクチニアウィルスから発現したエイズウィ
ルスenvタンパク質>(バイオテクノロジー、4号、790
−795頁、1986年)に記述されている。しかしながら、
組替えDNA法により生産したHTLV−1抗原は、HTLV−1
抗原試料を汚染し得る発現システムの抗原抗体の反応性
によりERISA試験において偽陽性反応が生じるのを避け
るために、徹底的に精製しなければならない。また、精
製中にHTLV−1抗原が変性すると重要な抗原活性が損な
われる。
ワクチンの場合、細菌または酵母菌から精製した組替
え型タンパク質もしばしば細菌または酵母菌タンパク質
によって汚染される。これらの不純物はたとえ極小量で
あっても有害反応を惹起し得る。
組替え技術によって生産したHTLV−1抗原はウィルス
汚染細胞培養から得た抗原よりも改良されてはいるが、
組替え認タンパク質もまだ可能な限り正確な診断を与え
得る試薬は提供出来ていない。病気の本性から正確な結
果を必要とするために、HTLV−1の診断においては100
%の正確さと特異性を獲得し得る他の試薬を開発しなけ
ればならない。
タンパク質は、特異性抗体のための結合部よりなるタ
ンパク質部位であるエピトープと抗原決定基を多数含ん
でいる。一般に、タンパク質は5乃至10個のエピトープ
を含んでおり、各々のエピトープは6乃至8個のアミノ
酸を持つ配列より成る。エピトープは、6乃至8個のア
ミノ酸が線形配列で並んでいる連続型またはエピトープ
を形成するアミノ酸がタンパク質の3次元折畳み構造に
より群集する不連続型のいずれでもあり得る。1つのエ
ピトープが比較的小数のアミノ酸より構成されていて
も、抗体に対するその反応性はエピトープを囲むタンパ
ク質中のアミノ酸によって左右される。
タンパク質のエピトープまたは抗原部位の地図作成を
目的とした複数の研究が、関連タンパク質の種々の部位
に対応する合成ペプチドを用いて進められた。例えば、
Lerner他著の論文<合成ワクチンの発展>(免疫疾患の
生物学:病院実習本、ディクソン・フィッシャー社編、
331−338頁、1983年)並びにLerner著の論文<生物学的
及び医学における前決定特異性抗体>(“最新の免疫
学”誌、36:1、1984年)が挙げられる。エピトープは、
タンパク質表面に発見されるアミノ酸残基に多分相当す
る親水性配列中に発見出来る。タンパク質の折畳みモデ
ルに基づく幾つかの予測法が開発されている。かような
方法な、エピトープを生産する免疫系プロセスタンパク
質の抗原提示細胞が、タンパク質表面上で発見されたエ
ピトープと必ずしも対応しないために、用途が制限され
ている。免疫系が反応し抗体が生み出すのは、これらの
処理されたエピトープに対してであり、従って、ペプチ
ド配列が免疫系により実際に認識されたエピトープを示
しているかを先験的に予知することは不可能である。か
ような処理されたエピトープを示すペプチドは、診断目
的には極めて有用になるであろう。
通常略100個またはそれ以上のアミノ酸長さを持つ組
替えペプチドはひだを形成し、無傷タンパク質の三次構
造を模擬する三次構造を生みだして不連続エピトープの
形成を許す。しかしながら、線形内部エピトープは分子
中に隠れ、特異性抗体に接近不能となり得る。
エピトープ地図の研究における有用性に加え、合成ペ
プチドは、タンパク質の主要抗原決定基を包有するなら
ば、ワクチンと診断試薬を含む免疫原性組成としての潜
在能力を有する。ペプチドは特異性抗体の生産と反応に
おいて幾つかの利点を有している。ペプチドの正確な配
列は、タンパク質のアミノ酸配列により実際に決定され
るか或いはタンパク質のDNA配列暗号から予見されるよ
うに、アミノ酸の配列から選択することが可能である。
特異合成ペプチドを使用すれば、特異性抗体の生産また
は検定の際に全長のペプチドを使用する必要がなくな
る。さらに、メリフィールドとコッカーズの固相ペプチ
ド合成法であれば、関連合成ペプチドをほぼ無制限な数
量を化学的に生産できる。例えば、EricksonとMerrifie
dlの論文<固相ペプチドの合成>(タンパク質、第3
版、1976年、第2巻、第3章、アカデミック・プレス社
刊、ニューヨーク)に記述されている。自動ペプチド合
成装置を利用によりかような技術が一層の進歩を遂げて
いる。
タンパク質のどの部位が免疫優性であるかを決定する
のに種々の判定基準を用いることが出来るが、そのよう
な部位に対応するペプチドは、大規模なスクリーニング
や診断において常に有用であるとは限らず、例えば、ペ
プチドがタンパク質と反応する抗体により認識される正
しい間隔位置になければ抗原性は失われる。さらに、HT
LV−1とHTLV−2に関し特に顕著であるが、これらの2
つのウィルスグループの各々に重要な遺伝的変異性を含
んでおり、ウィルス血清型を数多いものにしている。こ
れは、スクリーニングと診断並びにワクチンの調製に使
用するペプチドを誘導するタンパク質部位の選択に重大
な制限を課している。
最近、HTLV−1からの表面糖タンパク質gp120とgp41
の種々の免疫優性部位に対応する免疫的に反応性なペプ
チドと、2つのウィルスのenv遺伝子で暗号表示されるH
IV−2の対応タンパク質が合成され、HIV−1またはHIV
−2に感染した固体からの血清と略100%の効率で反応
を示している。抗体の存在を検出する検定法においてか
ようなペプチドを使用すれば、偽陽性または偽陰性の反
応は生じない。
HTLV−1の免疫的に重要なタンパク質から誘導したペ
プチドを用いてHTLV−1感染の診断に対し同様なアプロ
ーチをすることは、特にウィルスが地方病性であると思
われる世界の地域においては極めて有用であろう。
最近の幾つかの出版物がすでに、HTLV−1の抗原タン
パク質に対応する選択合成ペプチドの免疫反応性を示す
データを提示している。或る研究において、幾つかのHT
LV−1のgagペプチドが合成された。Palker達によれば
<ヒトT細胞リンパ栄養ウィルス1型(HTLV−1)p核
タンパク質のC末端部位が人間の免疫原性であり、HTLV
−1特異性エピトープを含んでいる>(“免疫学”誌、
136号2393−2397頁、1986年)。HTLV−1のp19タンパク
質のC末端に対応する“sp−71"と命名されたgagペプチ
ドの1つは、ラジオイムノアッセイ(RIA:放射同位元素
標識免疫定量法)において9人中8人のHTLV−1患者の
血清と反応したことが判明した。SP−71のアミノ酸配列
は、Pro−Tyr−Val−Glu−Pro−Thr−Ala−Pro−Gln−V
al−Leuである。Copeland達は、論文<ヒトT細胞白血
病ウィルス1型の外被タンパク質:合成ペプチドに対す
る抗血清での特性付けと天然エピトープの同定>(“免
疫学”誌、137号2945−2951頁、1986年)において、HTL
V−1のenv遺伝子により暗号表示されるタンパク質生成
物部位に対応する3つの付加HTLV−1ペプチドを合成し
た。これらのペプチドの中、sp−70は、主表面糖タンパ
ク質pg46のC末端付近に位置しており、抗原活性は有し
ていたが、HTLV−1陽性患者12人の中の4人の血清にの
み反応した。ペプチドsp−70は、塩基対6066−6098を包
囲するHTLV−1ゲノムのヌクレオチド配列により符号化
され、Pro−Pro−Phe−Ser−Leu−Ser−Pro−Val−Pro
−Thr−Leu−NH2のアミノ酸配列を有している。
HTLV−1感染患者の血清と100%の効率で反応するgp4
6のようなHTLV−1の免疫的に重要なタンパク質部位に
対応するペプチドは、診断法に、またHTLV−1に対応す
る抗体の生産を誘発する潜在性免疫原組成として直ちに
使用されるであろう。
図面の説明 第1図は、HTLV陽性抗血清に対する本発明のペプチド
の反応性を示す棒グラフである。糖タンパク質gp46とgp
21のアミノ酸配列に沿ったペプチドの相対位置並びに個
々のペプチドに対し反応するHTLV−1サンプル(N=7
1)の比率を示している。潜在性グリコシル化部位には
星印をつけて示してある。
第2図は、HTLV−1のgag遺伝子符号化タンパク質(g
p15、gp19およびgp24)のエピトープ地図作成結果を示
している。X軸上の数字は個別ヘキサペプチドの最初の
アミノ酸(アミノ末端)のアミノ酸番号を示す。Y軸
は、HTLV−1に陽性な2つのプール血清により各ペプチ
ドについて得た対応光学濃の読み値を示す。
発明の要約 本発明は、HTLV−1のgagタンパク質とHTLV−1のenv
タンパク質に対応する9つの新しい合成ペプチドを提供
する。これらのペプチドは単独または組合せで、他の分
子と連結または非連結の状態で、HTLV−1感染を検出す
る選択的診断法、HTLV−1感染に対する免疫法並びに多
クローン抗体と単一クローン抗体の生産に用いて有益で
ある。
発明の詳細な説明 前記の新しいペプチドは、HTLV−1ウィルス感染また
は該ウィルスとの事前接触の診断試験によく使用でき、
また人間を含む動物の体内でのHTLV−1に対する抗体の
生産を誘発する組成内免疫原として有用である。本発明
により取込まれたペプチドは、アミノ酸配列を含むオリ
ゴペプチドより成り、該アミノ酸配列はHTLV−1の特異
抗体と反応する連続(線形)エピトープよりなる配列を
含んでいる。
エピトープに対応するペプチドを検出するために18か
ら26までのアミノ酸残基を持つ35の異なるペプチドが合
成された。
これらのペプチドのアミノ酸の配列を第1表に示して
ある。これらのペプチドは5つ以上のアミノ酸残基で互
いに重複し、env遺伝子翻訳生成物(21のgp46ペプチド
と14のgp21ペプチド)を完全に包含している。アミノ酸
配列は、予測アミノ酸配列より得た。Seiki他の論文<
ヒト成人T細胞白血病ウィルス:白血病細胞DNAに蓄積
されたプロウィルスゲノムの完全なヌクレオチド>(19
83年、米国科学アカデミー会報80号、3618−3622頁)に
報告されている。これらのペプチドの中の4つは以前に
得られた(A−HTLV−1,B−HTLV−1,C−HTLV−1,H−HTL
V−1)(WO 89/08664参照)。
35の異なるペプチドをマイクロタイタ・プレートの井
戸(Wells)に結着させ、酸素結合免疫吸着検定法(EI
A)によりHTLV−1陽性患者から得た6つの血清との反
応性につきスクリーニングを実施した。血清サンプルの
1つ以上と陽性反応を示した11のペプチドを次に65の追
加HTLV−1陽性血清サンプルでさらに試験した。ペプチ
ドのアミノ酸配列と、各ペプチドと反応したHTLV−1陽
性血清のフラクションを第1表に示す。
試験結果は、envタンパク質に三つの高い免疫原部位
があることを示している。第一の部位はH−HTLV−1
(アミノ酸176から199まで)とT−HTLV−1(アミノ酸
190から212まで)のペプチドで限定されるアミノ酸残基
176から212までの間であり、第二の部位はC−HTLV−1
(アミノ酸223から243まで)とV−HTLV−1(アミノ酸
239から261まで)のペプチドで限定されるアミノ酸残基
223から261までの間であり、第三の部位はB−HTLV−1
(アミノ酸273から295まで)とX−HTLV−1(アミノ酸
291から313まで)のペプチドで限定されるアミノ酸残基
273から313までの間である。gp46のアミノ末端基の半分
から得た1つのペプチド(O−HTLV−1アミノ酸89から
110まで)はHTLV−1陽性血清と陽性の反応をする。
最近、アミノ酸残基274から392まで(逐次配列中のgp
46/gp21の番号)に対応するペプチドがHTLV−1陽性血
清の18%と反応した。Palkerの他の論文<env暗号化合
成ペプチドおよびgp46に対する単クローン抗体によるヒ
トT細胞白血病ウィルスI型(HTLV−1)gp46とgp21の
外被糖タンパク質の免疫原部位地図の作成>(“免疫
学”誌、142号、971−978頁、1989年)井に報告されて
いる。他の研究者はgp21内のエピトープに対応するペプ
チドの発見に失敗した(Cope−land他、1986年)。
gp21が免疫原性でないことを示す従来の研究とは反対
に、本発明のgp21配列由来のペプチドはHTLV−1陽性の
抗血清と陽性の反応をする4つのペプチドを生みだし
た。本発明は、ヒトにおいて免疫原性のエピトープを含
有するgp21内の2つの部位を明らかにした(第1図)。
アミノ酸345−404に対応するgp21のアミノ末端基の半分
の1部位が、AA−HTLV−1(アミノ酸345から367)、BB
−HTLV−1(アミノ酸363から385)およびA−HTLV−1
(アミノ酸381から404)の3つのペプチドによって決定
された。1つのエピトープを含むもう1つの部位は、ペ
プチドGG−HTLV−1(アミノ酸466から488)で規定され
るgp21のカルボキシ末端であった。興味深いことに、ア
ミノ酸404から406のgp21内の潜在N結合糖タンパク質部
位のみを含むペプチドは、試験したHTLV−1陽性ヒト血
清のいずれとも反応性を示さなかった。
第1図のペプチドは、バイオシステムを応用した430A
型ペプチド合成装置を用いて合成した。ペプチドは固相
から分離し、保護側鎖をフッ素水素で除去した。ファル
マシアの方法(Pharmacia、Uppsala、スエーデン)に従
いSPDPを用いてペプチドをウシ血清アルブミン(BSA)
に結合させた。SPDPとの反応を促進させるために、最初
のペプチド配列に対しシステインをC末端に付加した。
ペプチドBSA複合体をつぎにマイクロタイタプレート(N
UNC、デンマーク)に載せた。ペプチドに対する血清の
反応性を50分の1の希釈度で間接ELISA法により試験し
た。5つの陰性対照値の平均値+6SD以上の吸収度を示
した血清をペプチドと陽性反応をするものとみなした。
糖タンパク質のアミノ酸配列に沿ったペプチドの相対位
置と個々のペプチドと反応したHTLV−1血清(n=71)
の比率を得た。HTLV−1陽性血清中の抗体と結合した4
つの反応性gp21ペプチドと7つのgp46ペプチドのみを指
定した。可能な糖鎖形成部位に星印を付けて示してあ
る。Coperand(1986年)およびParker(1989年)達が記
述したenvペプチドの位置を確認した。
HTLV−1gag遺伝子生産物のエピトープを決定するため
に別の系列のペプチドを合成した。異なるスクリーニン
グ戦略を用いて前記の方法と比較した。完全なgag遺伝
子生産物を含み、5つのアミノ酸残基で互いに重なり合
っているヘキソンペプチドを、Geysen達が論文<単−ア
ミノ酸分解までのエピトープに対するウィルス抗原用ペ
プチド合成の利用>(米国科学アカデミー会報81号、39
98−4002頁、1984年)に記載しているように、ポリエチ
レン製の棒上で合成した。ペプチド合成のためのフレー
ムは、新しい各ペプチド毎に1個のアミノ酸C末端だけ
移動させた(各個別ペプチド1毎に模写をした)。次
に、防御を解除したが未だ前記の棒に付着しているペプ
チドにつきEIA試験を実施した。全ての3つのgag暗号化
タンパク質に強反応した2つのプール血清を用いてペプ
チドを試験した。各血清の最終希釈度は100分の1であ
った。得られた試験結果を第2図に示してある。試験結
果によれば、5つのペプチド(17から21のアミノ酸長)
が合成され、前記のごとくマイクロタイタプレート上に
塗布された。HTLV陽性血清をペプチドに対し試験した
際、1つのペプチドが強く反応した(Gag−1−HTLV−
1)。X軸上の番号は各々のヘキサペプチドの最初の
(N末端基)アミノ酸に対するアミノ酸座標である。Y
軸はHTLV−1陽性血清のプールに対する各ペプチドの吸
光度を示す。
この発明は、かように免疫的に反応性のペプチドと、
HTLV−1のenv遺伝子により暗号化された外被糖タンパ
ク質部位に対応し、ペプチドの抗原特性に重大な影響を
与えない機能的に同等な上記ペプチドの変種を包含して
いる。
これらのペプチドは、公知の固相ペプチド合成技法に
より合成した。MerrifiedとBarany著<ペプチド:分
析、合成、生物学>(1980年、第1巻第1章、GrossとM
einenhofer編、アカデミープレス社刊、ニューヨーク)
に記載されている。この合成では、また、上記ペプチド
のアミノまたはカルボキシル基末端に基となる蛋白質配
列に対応していない1個または2個のアミノ酸を付加す
ることができる。かような余剰アミノ酸は、上記ペプチ
ドを相互に結合させたり、他のペプチドに結合させた
り、また、大きな担体蛋白質または固体支持体に結合さ
せるのに有用である。これらの目的に役立つアミノ酸に
は、チロシン、リシン、グルタミン酸、アスパラギン
酸、システィンおよびそれらの誘導体が含まれる。それ
らに加え蛋白質の修飾技術、例えば、NH2のアセルチル
化、COOH末端のアミド化は、上記ペプチドを他の蛋白質
または、ペプチド分子または支持体に結合する付加的手
段として用いることができる。
これらペプチドの類似体および相同体もまた含まれて
いる。類似体は、本ペプチドと機能的に同等であるが天
然でなく生じたアミノ酸を含むペプチドである。相同体
は、保存的に置き換えたアミノ酸を有するかまたはHTLV
−1のいずれか他の隔離集団のゲノムで暗号化されたペ
プチドに対応するペプチドである。保存的アミノ酸置換
体は、グリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロ
イシン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン
酸、セリン、トレオニン、リシン、アルギニン、フェニ
ルアラニンおよびチロシンを含むが、それらだけに限定
するものではない。本発明により取り込まれたペプチド
は、HTLV−1抗体と反応し得る少なくとも1つの連続
(線形)エピトープを含有する各アミノ酸配列よりな
る。下記に示す完全なアミノ酸配列よりも少ない内容の
かようなペプチド誘導体は、HTLV−1に対し特異性を示
す抗体により認識された線形エピトープを少なくとも1
つ含むことを条件として本発明の実施態様とした。かよ
うなアミノ酸配列を含む“ペプチド”の用語は、類似
体、相同体およびそれらの誘導体を含んでいる。
HTLV−1タンパク質に対応する新しいペプチドについ
て以下に説明する。アミノ酸残基の番号付けについて
は、Seiki達により<米国科学アカデミー会報80号、361
8−3622頁、1983年>にすでに記述されている。アミノ
酸の省略表示は次の通りである。Ala(アラニン)、Arg
(アルギニン)、Asn(アスパラギン)、Asp(アスパラ
ギン酸)、Cys(システイン)、Gln(グルタミン)、Gl
u(グルタミン酸)、Gly(グリシン、His(ヒスチジ
ン)、Ilr(イソロイシン)、Leu(ロイシン)、Lys
(リジン)、Met(メチオニン)、Phe(フェニルアラニ
ン)、Pro(プロリン)、Ser(セリン)、Thr(トレオ
ニン)、Trp(トリプトファン)、Tyr(チロシン)、Va
l(バリン)。
ペプチド I−HTLV−1 X−Lys−Asp−Ile−Ser−Gln−Leu−Thr−Gln−Ala
−Ile−val−Lys−Asn−His−Lys−Asn−Lue−Leu−Lys
−Ile−Ala−Gln−Tyr−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。Xはこのペプチ
ドのアミノ末端基NH2グループまたはこのペプチドのア
ミノ末端基NH2グループに結合した1個の付加アミノ酸
のいずれかであり、この付加アミノ酸は核ペプチドのペ
プチド、タンパク質または他の支持体への結合を促進す
るために選択されたものである。Yは欠落しているかま
たはシステイン残基であり、Zはヒドロキシルグループ
またはアミノグループである。
ペプチドI−HTLV−1は、I−HTLV−1のevnタンパ
ク質から誘導されたものである。
Xが水素、Yがシステイン残基、Zがヒドロキシルグ
ループであるペプチドI−HTLV−1がとくに好ましい。
ペプチド AA−HTLV−1 X−Ser−Leu−Leu−His−Gln−Val−Asp−Lys−Asp
−Ile−Ser−Gln−Lue−Thr−Gln−Ala−Ile−Val−Lys
−Asn−His−Lys−Asn−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドAA−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドAA−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド BB−HTLV−1 X−Lys−Asn−His−Lys−Asn−Leu−Leu−Lys−Ile
−Ala−Gln−Tyr−Ala−Ala−Gln−Asn−Arg−Arg−Gly
−Lue−Asp−Leu−Leu−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドBB−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドBB−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド GG−HTLV−1 X−Gln−Leu−Arg−His−Leu−Pro−Ser−Arg−Val
−Arg−Tyr−Pro−His−Tyr−Ser−Leu−Ile−Lys−Pro
−Glu−Ser−Ser−Leu−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドGG−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドGG−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド O−HTLV−1 X−Thr−Lys−Lys−Pro−Asn−Arg−Asn−Gly−Gly
−Gly−Tyr−Tyr−Ser−Ala−Ser−Tyr−Ser−Asp−Pro
−Cys−Ser−Leu−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドO−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドO−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド T−HTLV−1 X−Leu−Leu−Pro−His−Ser−Asn−Leu−Asp−His
−Ile−Leu−Glu−Pro−Ser−Ile−Pro−Trp−Lys−Ser
−Lys−Leu−Leu−Thr−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドT−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドT−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド V−HTLV−1 X−Val−Leu−Tyr−Ser−Pro−Asn−Val−Ser−Val
−Pro−Ser−Ser−Ser−Ser−Thr−Pro−Leu−Leu−Tyr
−Pro−Ser−Ler−Ala−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドV−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドV−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド X−HTLV−1 X−Asn−Ser−Leu−Ile−Leu−Pro−Pro−Phe−Ser
−Leu−Ser−Pro−Val−Pro−Thr−Leu−Gly−Ser−Arg
−Ser−Arg−Arg−Ala−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドX−HTLV−1はHTLV−1のenvタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドX−HTLV
−1がとくに好ましい。
ペプチド GAG−HTLV−1 X−Asp−Ser−Asp−Pro−Gln−Ile−Pro−Pro−Pro
−Tyr−Val−Glu−Pro−Thr−Ala−Pro−Gln−Val−Lue
−Y−Z, とそれらの類似体および相同体である。X,YおよびZは
前記と同じ定義である。
ペプチドGAG−HTLV−1はHTLV−1のgagタンパク質か
ら誘導されたものである。Xが水素、Yがシステイン残
基、ZがヒドロキシルグループであるペプチドGAG−1
−HTLV−1がとくに好ましい。
これらのペプチドは、HTLV−1またはHTLV−1を伴う
抗原に対する抗体の検出方法において単独または組合せ
て使用できる。抗体は血清、他の体液、組織サンプルお
よびHTLV−1に対する抗体を含有出来るその他のサンプ
ルを含むが、但し、それだけに限定されず生物学的サン
プル中にも発見できる。特に、H−HTLV−1、O−HTLV
−1およびT−HTLV−1は、HTLV−1感染をHTLV−2感
染と区別するために使用できる。本発明は、血液と血液
由来生成物を高い信頼性と特異性をもってスクリーニン
グするのに有益である。これらのペプチドはまた、HTLV
−1による感染を防止するためにワクチンとしても使用
できる。本発明はまた、ペプチドを特異的に認識する単
クローン及び多クローン抗体を提供する。
サンプル中のHTLV−1特異性抗体の存在を検出するた
めにペプチドを使用する方法は、サンプルを少なくとも
1つのペプチドに、サンプル中に存在し得るHTLV−1に
対するいずれかの抗体とペプチドとの間に免疫複合体が
形成される条件下で接触させることを含む。もし、サン
プル中にHTLV−1に対する抗体があれば、その存在を示
す免疫複合体が形成され、これを次に適当な手段で検出
し測定する。
かような検出方法には、放射性同位元素標準免疫定量
法(RIA)、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)、ウェス
タンブロッテング法等の同質性および異質性結合免疫測
定が含まれるが、但し、それらだけに限定されるもので
はない。さらに、新しいペプチドを用いた分析実験記録
により、競合および非競合結合測定法が実施可能であ
る。スクリーニング法は迅速で効率よく、多量のサンプ
ルを同時にスクリーニング出来る。
前記ペプチドを標識(信号発生)するか非標識とする
かは測定法のタイプによる。ペプチドに結合できる標識
は、当業技術において公知である酵素、放射性核種、発
蛍光物質、色原体物質、補因子、ビオチン/アビジンお
よび磁粉を含むがそれらだけに限定するものではない。
前記ペプチドは、当業技術において公知であるいずれ
の手段を用いて、他のペプチド、固体支持体および担体
タンパク質に結合出来る。固体支持体には、ポリスチレ
ンまたはポリビニール製マイクロタイタプレート、ガラ
ス管またはガラス玉並びに、紙、セルローズ、セルロー
ズ誘導品、シリカ等のクロマトグラフ用支持体が含まれ
るが、これらにのみ限るものではない。担体タンパク質
には、ウシ血清アルブミン(BSA)およびキーホールリ
ンペットヘモシアニン(KLH)が含まれるがこれらにの
み限定されるものではない。
患者の血清および血液ならびに血液由来生成物を大規
模かつ臨床的にスクリーニングする場合、特に好ましい
分析技術はELISA、凝集技法およびウエスタンブロッテ
ィング技法であり、ELISA試験は速度が早く、多量のサ
ンプルを同時に試験でき自動化が容易である点で特に好
ましい。前記のペプチドを採用したELISA試験は他のウ
ィルスを検出するための現行試験法に基づいている。こ
れらの分析法において試薬として使用するために、本発
明によるペプチドはマイクロタイタの滴定井の内面に都
合よく固着する。ペプチドは疎水性相互作用によりマイ
クロタイタの滴定井に直接固定出来、またはBSAのよう
な当業技術において公知の手段で担体タンパク質に共有
結合的に付着出来、滴定井を被覆する複合体を形成す
る。一般に、前記ペプチドは略1〜100μ/mlの範囲の濃
度で使用した。
但し、この濃度範囲は制限的なものではなく、例え
ば、分析を成功させるために、500μ/mlのペプチドを必
要とすることも有り得る。通常、これらのペプチドは10
〜100μ/mlの範囲の濃度で被覆に用いられる。
体液および組織サンプルに限定しないがそれらを含む
試料を次に前記ペプチドを塗被した滴定井に加える。こ
の時、試料中にHTLV−1に対する抗体が存在すれば、免
疫複合体が形成される。信号発生手段を加えて、複合体
形成の検出に役立てることが出来る。検出可能な信号
は、HTLV−1に特異な抗体が試料中にある場合に発生す
る。凝集検定法は、日本において一般に用いられてい
る。ラテックスまたは赤血球のいずれもこの技法に使用
できる。凝集検定に使用される方法は血液のスクリーニ
ング技術においてよく知られている。
本発明のペプチドを処方して組成物に入れ免疫原とし
て使用することも可能である。これらの免疫原は動物お
よびヒトの体内でのHTLV−1に対する抗体の生産を誘発
するのに使用できる。生産された抗体は、単クローンま
たは多クローン型のいずれでもあり得る。かような組成
物を調製するために、前記ペプチドの少なくとも1つを
免疫的に有効な量を、人間を含む動物への投与に適し生
理的に受け入れられる担体と混合する。前記ペプチドは
仲間同士互いに、他のペプチドに、担体タンパク質或い
は他の担体に共有結合的に付着し、リポソームまたは他
の小胞中に取り込まれるか、或いは、ワクチン技術にお
いて公知のように抗原性の補強物質または吸収性物質と
複合させることができる。代わりに、前記ペプチドを前
記のように複合化物にせず、人間を含む動物への投与に
適した通常生理食塩溶液または緩衝化合物のような生理
的に受け入れられる担体と単に混合する。ワクチンおよ
び抗体を生産、精製し特徴付ける方法は、当業技術にお
いて公知であるので詳述しない。
抗体を誘発するための全ての免疫原組成と共に、本発
明による前記ペプチドの免疫的に有効な量を経験的に決
定しなければならない。考慮すべきファクターは、未変
性ペプチドの免疫原性、ペプチドが抗原性補強物質或い
は担体タンパク質或いは他の担体と複合するのかまたは
混合するのか、静脈内、筋肉内、皮下等の組成物の投与
経路並びに投与すべき免疫量数である。かようなファク
ターは、ワクチン技術において公知であり、免疫学者の
技術の範囲内で不必要な実験をせずにかような決定を十
分なし得る。
本発明は、また、前記ペプチドに応答し発生しそれら
のペプチドを認識する抗体を含んでいる。かような抗体
は多クローン抗体でもまたは単クローン抗体でもあり得
る。抗体の生産方法は当業技術においてはよく知られて
いる。
以下、本発明の実施例につき詳述する。但し、記述例
は、いずれにせよ、本発明の範囲を限定するものではな
い。
例 1 アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystem
s)の430A型ペプチド合成装置(Peptide−synthesize
r)を全てのペプチドの合成に使用した。各合成には、
ペプチドインターナショナル社(Peptides Internation
al、ケンタッキー州ルイスビル市)製のp−メチルベン
ジルヒドリルアミンの固相支持樹脂を用いた。430A型ペ
プチド合成装置のユーザ用マニュアル(アプライドバイ
オシステムズ社刊、1986年)に従ってペプチドを合成し
た。
合成に使用する全てのアミノ酸は、α−NH2基を保護
するt−プチルカルボニ基(t−Boc)を含んでおり、
スイスのノヴァビオケム株式会社(Novabiochem AG)か
ら入手した。反応性側鎖基を持つアミノ酸は、不必要で
望ましくない側鎖反応を防ぐために追加保護基を含んで
いた。全てのペプチドの合成に使用した個々の保護され
たアミノ酸を第2表に示す。
個別の合成が終了後、合成ペプチドから保護基を除去
し、排除剤として10%のアニソールと10%のジメチルス
ルフィドを組み合せる無水フッ化水素酸(HF)を用いて
0℃の温度で前記ペプチドを処理して固体支持から引き
離した。分離後、サンプル中のHFをN2ガスでパージし、
さらに0℃の温度の真空中で全てのHF残分を除去した。
トリフルオル酢酸(TFA)処理してペプチドを樹脂から
抽出し、THFを室温で蒸発させて除去した。TFA除去後、
ペプチドを沈殿させ、無水エーテルで洗浄した。
特異性測定に使用する前に、必要ならば、逆相高性能
液体クロマトグラフ(HPLC)を用いペプチドをさらに精
製することが可能である。かような精製に特に適したカ
ラムは、逆相バイダックRC−18製カラム(Reverse−pha
se Vydak R C−18 Column)で、水(TFA)−アセトニト
リル(TFA)の勾配を用いてペプチドを溶離する。
例 2 ELISA測定法用マイクロタイタプレートの準備 下記の実験はマイクロタイタプレートの井戸の塗被を
容易にするためにウシ血清アルバミン(BSA)に結合さ
せたペプチドを用いて実施した。
200枚のペプチド塗被マイクロタイタプレートを生産
するために、下記のプロトコールを用いた。
ウシ血清アルバミン(BSA)0.15gのアリコット(Boer
hinger Mannheim,フラクションV)を3mlの結合緩衝液
(02MNa PO4,pH8.5)中で溶解させる。このBSA溶液を3
等分し、各溶液をPD−10カラム(Pharmacia AB,Uppsal
a,スエーデン)に入れ、1.5mlの結合緩衝液を加え、2.0
mlの結合緩衝液で溶離する。プール溶離サンプルのBS濃
度は、280nmにおける溶液の吸光度を測定して計算す
る。A280(0.1% BSA)=0.67ml/mg。回収率は、大体80
−90%である。
N−スクシンイミジル3−(2−ビリジルヂチオ)プ
ロビオン酸塩(SPDP、Pharmacia)を次にエタノール中
で溶解し最終濃度を5−40mMにする。SPDPの濃度は、フ
ァルマシアファインケミカル社(Pharmacia Fine chemi
cals)のSPDPパンフレットに従って反応性エステルを測
定して決定する。各BSA当量に対し10のSPDP当量を加え
て先に準備したBSAに、2−ビリジルジスルフィド残基
を導入する。SPDP溶液は、BSA溶液をかき回しながら加
える。混合物を室温で15−30分間温置する。
反応しない余分のSPDPを除去するために、ピリジルジ
スルフィドとBSAの混合物を6等分に分割し、各混合物
をPD−10カラムに入れる。カラムを平衡させ、生成物を
10%の酢酸水溶液で溶離させる。置換度は、ファルマシ
アファインケミカル社のSPDPパンフレットに従って測定
する。BSAの回収量は、大体90−120mgであり、置換度
は、6−8の範囲で、略7である。
ペプチド溶液は、25mgのペプチドと1BSA当量に対し7
ペプチド当量になるような量のピリジルジスルフィド・
BSA溶液を混合して調製する。混合液を室温で18−48時
間間温置する。G−25セファデックス(Sephadex G−2
5、ファルマシアLKB社製)を充填し10%酢酸水溶液で平
衡させたカラム(2.0cm2、80−100ml)に反応混合液を
流して遊離した2−チオピリドンを除去する。生成物を
10%酢酸水溶液で溶離する。次にA280が0.5より大きい
フランクションを集めてプールする。プール量は略30−
40mlである。プールフランクションを4℃の温度で保管
する。数カ月間安定である。
次に、ペプチド・BSAの共役液を塗被緩衝液(50mM Na
CO3,0.15M NaCl,pH9.5)で60mg/mlになるまで希釈す
る。溶液のpH値をチェックし、1−5MのNaClで9.5に調
節する。
塗被緩衝液に希釈したペプチド・BSA混合物の100μl
アリコットをマイクロタイタプレート(Nunc、高結合
形、カタログNo.4−68667)の各井戸に入れる。プレー
トを室温で15分間温置する。温置後、井戸から液を吸引
する。(0.22ミクロンのフィルターでろ過した)無菌食
塩加リン酸緩衝液(PBS,10mM NaPO4,0.15M NaCl,pH7.
2)中の3% BSAの200μlアリコットを各井戸に加え
る。プレートを覆い16時間37℃で温置する。
温置後、液を井戸から吸引する。マイクロタイタプレ
ートを安全キャビネットに入れて約3時間空気乾燥させ
る。
上記プレートは、閉鎖容器、例えば密閉アルミニウム
バックに入れ、+4℃または−20℃の温度で長期間保存
出来る。
例 3 ELISA法 前記ペプチドをELISA試験に使用し、免疫反応性を測
定した。全てのペプチドは、HTLV−2の抗体に陽性な血
清サンプル、HTLV−1の抗体に陽性な血清サンプル、HT
LV−1とHTLV−2の抗体に陽性を血清サンプルおよびHT
LV−1/HTLV−2に陰性である10人の供血者の血清に対
し、平行してELISA試験を行った。PCT特許公報WO89−08
664にすでに記述されているHTLV−1ペプチドに対する
血清試験も実施した。
マイクロタイタプレートは例2に記述の如く準備され
た。保管されていたプレートの場合は、先ず室温にまで
戻し、次に洗浄緩衝液(PBS中にTween20を0.05%)に10
分間予備浸漬させる。この予備浸漬溶液を使用前に井戸
から吸引する。
血清サンプルを各々血清希釈溶液(洗浄緩衝液中BSA
1%)に1:50に希釈する。希釈血清の100μlアリコット
を各井戸に入れ、プレートを加湿器に入れ90分間37℃の
温度に温置する。温置後、各プレートを3回洗浄緩衝液
で洗浄する。
抗ヒト免疫グロプリンG(IgG)共役体(Jackson,Lab
assco社、art.No10.4999999、109−056−003、アルカリ
ホスファターゼ)を0.5mlの水(H2O)に溶解し、アリコ
ットに分割し、冷凍する。冷凍アリコットを解凍し、血
清希釈緩衝液で1:500に希釈する。100μlのアリコット
を各井戸に加える。プレートを加湿室内で90分間37℃の
温度に温置する。温置後、各プレートを3回洗浄緩衝液
で洗浄する。アルカリホスファターゼ基質(Sigma、錠
剤)を基質希釈緩衝液(50mM Na2CO3,1mM MgCl2)で希
釈し最終濃度を1mg/mlにする。200μlのアリコットを
各井戸に加える。プレートを室温で約35分間温置する。
もし望むなら、3MのNaOHを100μl各井戸に加えて反応
を停止させることが可能である。
ペプチドと結合した抗体の量を決定するために、プレ
ートを405nmで読みとる。吸光度が高ければ高いほど、
結合抗体の量も多い。
例 4 HTLV−1およびHTLV−2陽性血清による原ペプチドのEL
ISA試験 A−HTLV−1、AA−HTLV−1、B−HTLV−1、C−HT
LV−1、HH−HTLV−1、V−HTLV−1およびX−HTLV−
1と相同なHTLV−2からの誘導ペプチドを第1例に記述
の方法により生産した。HTLV−2ペプチドは1989年11月
13日出願の米国特許出願番号07/434,239に記載されてい
る。HTLV−2のアミノ酸配列は、Shimitohnoが1985年に
論文<ヒトT細胞白血病ウィルスII型感染クローンの完
全なヌクレオチド配列:タンパク質分解酵素用のオープ
ンリーディングフレーム>(米国科学アカデミー会報83
号3101−3105頁に掲載)記述しているヌクレオチド配列
より誘導した。このグループのペプチド相同ペプチド
を、HTLV−2を認識しHTLV−1とHTLV−2を区別し交差
反応性である抗体を検出する特殊なペプチド能力を決定
するために、第2例および第3例に記述せる方法で患者
の血清を用いて試験した。
このスクリーニングテストに用いた血清サンプルは、
PCR分析によりHTLV−2に関し陽性であることを予め認
識したものであった。
HT−201−HT−220と命名したこれらの血清は、セロロ
ジカルズ社(Serologicals Inc.,Pensacola,Fla.)より
入手した。これまでの研究者は、ウェスタン法、ELES
A、蛍光抗体法のいずれの測定法においても、抗体がこ
れらの血清内のHTLV−1またはHTLV−2のいずれに対し
特異であるかを区別することが出来なかった。
第3表はELISA試験で得た結果を示している。陽性の
対照サンプルには、HTLV−1とHTLV−2の両方に対し陰
性である血清を用いNC−1およびNC−2と表記してあ
る。HTLV−1に陽性な血清はHTLV−1と表記し、患者の
血清HT−201−HT−220は201と220と表記してある。試験
結果は405nmでの吸光度の読み値である。
第3表に示した試験結果から明らかなように、H−HT
LV−2、O−HTLV−2、T−HTLV−2およびGag−1−H
TLV−2がHTLV−2感染患者の血清と強く反応する。全
てのペプチドは血清HT−218およびHT−219とは不十分に
しか反応しない。以前のELISA試験では、これらの血清
は、含有するHTLV−2特異性抗体のレベルが低かったた
めに弱い陽性であると判断されていた。驚くべきこと
に、HTLV−2ペプチドはHTLV−2感染患者の血清とよく
反応し、HTLV−1感染患者の血清中に存在する抗体とは
不十分にしか反応しない。Gag−1−HTLV−2ペプチド
は他の3つのペプチドほど特異性ではない。
残りのペプチドが大多数の患者の血清中のHTLV−2に
対する抗体を検出出来なかったのは意外である。これら
のペプチドはHTLV−1エピトープに相当し、それゆえHT
LV−2抗体とよく反応することが予期された。
例 5 ペプチドの特異性 HTLV−1ペプチドの特異性をよりよく決定するため
に、ELISA試験を第3例の記述の如く実施した。ペプチ
ドH−HTLV−1、O−HTLV−1およびT−HTLV−1を、
HTLV−1とHTLV−2の両方に陽性な血清に対して試験
し、H−HTLV−2、O−HTLV−2、T−HTLV−2と比較
した。患者の血清は、ニューヨーク州コーネル大学のWi
lliam Hall博士から入手した。得られた結果を第4表に
示す。2a,2b,2c,2d,2eおよび2fで示す血清は、5人の異
なる患者から得たもので、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)
の分析測定ではHTLV−2に陽性であり、また、ヒト免疫
不全ウィルス(HIV)には陽性であった。血清1a,1b,1c,
1d,1eおよび1fは、5人の異なる患者から得たもので、P
CR分析測定ではHTLV−1に陽性であった。血清患者1a,1
bおよび1cは成人T細胞白血病であり、患者1d,1eおよび
1fはHIVに対し陽性である。血清NL−1とNL−2は、HTL
V−1とHTLV−2のどちらにも感染していない患者から
得た陰性の対照サンプル血清である。
第4表に記載の数字は、2試験の平均値であり、405n
mにおける吸光度の読み値である。
試験結果は、前記ペプチドにより得られた特異性が高
いレベルであることを示している。
前記の結果より明らかなように、ここに記述した新し
い合成ペプチドは、HTLV−1のenvおよびgag遺伝子によ
り暗号化されるタンパク質部位に対応し、HTLV−1に対
する抗体の存在を検出する方法にとりユニークな試薬を
確かに提供するものである。また、ペプチドHTLV−2は
HTLV−1を確認する抗体とHTLV−2を確認する抗体をは
っきりと判別する。
2つのペプチドは1つのペプチドに比較し、より高度
数の血清陽性度または感度を提供するので、場合によっ
ては、分析試験に少なくとも2つのペプチドを使用する
ことが適当であるといえる。即ち、これは、偽陰性反応
の頻度を減少させることを意味している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スヴェンネルフォルム,ヴォー スウェーデン、エス―412 68 エーテ ボリ、ヤコブシュダールシュガータン 48 (72)発明者 リューモ,ラーシュ スウェーデン、エス―430 80 フォヴ ォス、フェーレクラヴェーゲン 17 (72)発明者 ホラール,ペーテル スウェーデン、エス―412 66 エーテ ボリ、オランゲリガータン 21ビー (72)発明者 ヤンション,スチク スウェーデン、エス―411 27 エーテ ボリ、フェーレニンシュガータン 33 (56)参考文献 特開 昭60−28993(JP,A) 特開 昭61−30600(JP,A) 特開 平2−209889(JP,A) 特表 平3−501722(JP,A) Journal of Immuno logy137(9),PP.2945−2951, 1986 Journal of Immuno logy142(3),PP.971−978, 1989

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X−Val−Leu−Tyr−Ser−Pro−Asn−Val
    −Ser−Val−Pro−Ser−Ser−Ser−Ser−Thr−Pro−Leu
    −Leu−Tyr−Pro−Ser−Leu−Ala−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  2. 【請求項2】X−Thr−Lys−Lys−Pro−Asn−Arg−Asn
    −Gly−Gly−Gly−Tyr−Tyr−Ser−Ala−Ser−Tyr−Ser
    −Asp−Pro−Cys−Ser−Leu−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  3. 【請求項3】X−Leu−Leu−Pro−His−Ser−Asn−Leu
    −Asp−His−Ile−Leu−Glu−Pro−Ser−Ile−Pro−Trp
    −Lys−Ser−Lys−Leu−Leu−Thr−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  4. 【請求項4】X−Asn−Ser−Leu−Ile−Leu−Pro−Pro
    −Phe−Ser−Leu−Ser−Pro−Val−Pro−Thr−Leu−Gly
    −Ser−Arg−Ser−Arg−Arg−Ala−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  5. 【請求項5】X−Ser−Leu−Leu−His−Glu−Val−Asp
    −Lys−Asp−Ile−Ser−Gln−Leu−Thr−Gln−Ala−Ile
    −Val−Lys−Asn−His−Lys−Asn−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  6. 【請求項6】X−Glu−Leu−Arg−His−Leu−Pro−Ser
    −Arg−Val−Arg−Tyr−Pro−His−Tyr−Ser−Leu−Ile
    −Lys−Pro−Glu−Ser−Ser−Leu−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  7. 【請求項7】X−Asp−Ser−Asp−Pro−Gln−Ile−Pro
    −Pro−Pro−Tyr−Val−Glu−Pro−Thr−Ala−Pro−Gln
    −Val−Leu−Y−Z、 の配列からなるペプチドであって、Xは該ペプチドのN
    末端のNH2基のHか、または該ペプチドを担体に結合さ
    せるために該ペプチドのN末端のNH2基に結合した1ア
    ミノ酸で、Asp,Glu,Lys,Cys,Tyrまたはそれらの誘導体
    のいずれかであり、Yは欠落しているか、またはCysで
    あり、ZはOH基かNH2基である、HTLV−1に対し特異的
    な抗体により認識されるペプチド。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の抗原ペプチドと、サンプ
    ルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在すれ
    ば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成さ
    れる条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV−
    1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複合
    体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV−
    1に対する抗体を検出する方法。
  9. 【請求項9】請求項2に記載の抗原ペプチドと、サンプ
    ルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在すれ
    ば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成さ
    れる条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV−
    1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複合
    体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV−
    1に対する抗体を検出する方法。
  10. 【請求項10】請求項3に記載の抗原ペプチドと、サン
    プルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在す
    れば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成
    される条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複
    合体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体を検出する方法。
  11. 【請求項11】請求項4に記載の抗原ペプチドと、サン
    プルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在す
    れば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成
    される条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複
    合体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体を検出する方法。
  12. 【請求項12】請求項5に記載の抗原ペプチドと、サン
    プルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在す
    れば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成
    される条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複
    合体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体を検出する方法。
  13. 【請求項13】請求項6に記載の抗原ペプチドと、サン
    プルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在す
    れば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成
    される条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複
    合体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体を検出する方法。
  14. 【請求項14】請求項7に記載の抗原ペプチドと、サン
    プルを、該サンプル中にHTLV−1に対する抗体が存在す
    れば、該抗体と前記ペプチドとの間に免疫複合体が形成
    される条件下において接触させ、前記サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体の存在を決定するために、前記免疫複
    合体の形成を測定することよりなる、サンプル中のHTLV
    −1に対する抗体を検出する方法。
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