JP2648702B2 - ミリ波電波吸収体の製造方法 - Google Patents
ミリ波電波吸収体の製造方法Info
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Description
ゴムを含むミリ波電波吸収体の製造方法に係わり、更に
詳しくは耐久性に優れたミリ波電波吸収体の製造方法に
関するものである。
く用いられ、この電波吸収材としては、大別して減衰型
の電波吸収体と整合型の吸収体とがある。前者は吸収材
内部を透過中にエネルギーが減衰していくタイプであ
り、後者は吸収材後面に電波の反射板を設け、入射した
電波の吸収材表面の反射量と反射板からの反射量とをコ
ントロールして打ち消し合うようにさせ、実際上は電波
の反射波を減少させるようにしたものである。
の整合型電波吸収体としては、磁性フェライト(Fe2
O3)やカーボンブラックを合成樹脂あるいはゴムに配
合したシートを電波吸収層とし、これを反射板に接着剤
を介して接着するものが最も良く知られている。しか
し、整合型電波吸収体は、マイクロ波帯の吸収性には優
れているが、ミリ波帯の電波に対しては、磁性フェライ
トやカーボンブラックの特性が大きく変化するため吸収
性の優れた電波吸収体は得られていない。すなわち、ミ
リ波帯では、電波の波長が約6mmと非常に短くなるた
め整合型電波吸収体の厚さは1mm以下の薄さにしなけ
ればならないが、反射板に接着するために介在する接着
剤層の厚さがミリ波帯の電波吸収を阻害するため、電波
吸収性能に優れたミリ波電波吸収体を得ることは困難で
あった。また、電波吸収層の厚さが1mm以下の極薄で
あるため、耐久性が低下してしまうという問題があっ
た。 本発明は、かかる従来の課題に着目して案出された
もので、吸収層と反射層を接着剤を介することなく一体
的に成形硬化することにより、接着剤層による電波吸収
率低下の影響がなく、かつ耐久性に優れたミリ波電波吸
収体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
するため、炭素繊維、金属繊維、又は金網で補強された
熱硬化性樹脂板、あるいは金属板を反射層とし、該反射
層上に液状のエポキシ変性ウレタンゴム100重量部に
カーボンブラック3〜20重量部混合分散させた未硬化
樹脂を接着剤を介することなく積層し、前記未硬化樹脂
を厚さ0.3〜1.0mmの単層型の電波吸収層として
一体に成形硬化させることを特徴とするものである。
成る反射層上に液状のエポキシ変性ウレタンゴムにカー
ボンブラックを混合した未硬化樹脂を接着剤を介するこ
となく積層し、この未硬化樹脂を単層型の電波吸収層と
して一体に成形硬化させることにより、接着剤層による
電波吸収率の低下を招くことなく、ミリ波帯に限られた
周波数の電波に対して優れた吸収特性を発揮し、かつ吸
収層が1.0mm以下の極薄であっても耐久性に優れた
電波吸収体を得ることが出来る。
例を説明する。図1は、本発明の方法によって製造され
たミリ波電波吸収体の一例を示す断面図である。この図
1において1は吸収層、2は反射層であり、これら2層
が接着剤を介することなく一体に成形されている。電波
は矢印方向から入射させるようになっている。前記吸収
層1は、成形前に液状のエポキシ変性ウレタンゴムにカ
ーボンブラックの粉末を分散配合したものが使用され
る。この発明のひとつの特徴は、常温で液状のエポキシ
変性ウレタンゴムにカーボンブラック粉末を分散混入す
ることにある。
入した場合、誘電正接(tanδ=ε”/ε’)は1よ
りもかなり小さい。例えば、シリコーンゴム100重量
部に対しカーボンブラック30重量部を混入した場合、
tanδは0.41である。これに対して、常温で液状
のエポキシ変性ウレタンゴムをマトリックスに用いると
誘電損失が大きくなりtanδは1に近づく。従って、
液状のエポキシ変性ウレタンゴムにカーボンブラック粉
末を分散混入するごとき組成によれば反射をより少な
く、しかも層内部でより電波を吸収させることが可能と
なる。また、エポキシ変性ウレタンゴムは、優れた耐久
性を有すると共に、優れたゴム弾性を有することから、
厚さ1.0mm以下の極薄電波吸収層にした場合にも、
耐久性に優れ、特に屋外での使用に好適である。
ば、室温で液状で、一液型あるいは触媒を加えて硬化す
る二液型が好ましく、硬化温度は望ましくは室温である
が、50〜200゜C程度の加熱タイプでも使用可能で
ある。吸収層1のカーボンブラックの添加量および厚さ
は使用する周波数で決まるが、ミリ波に限定された周波
数を吸収するようにするには、カーボンブラックの添加
量は、エポキシ変性ウレタンゴム100重量部に対して
3〜20重量部かつ厚さを0.3〜1.0mmにする必
要がある。カーボンブラックの添加量が20重量部を超
えると、吸収する周波数帯が低くなり、ミリ波帯の電波
に対して整合することができなくなる。
部未満の場合には、吸収する周波数帯が高くなり、ミリ
波帯の電波に対して整合するような誘電特性を得ること
が出来ない。また、厚さが0.3mm未満では、周波数
帯域が高くなり、ミリ波帯の電波に整合することができ
ない。また、1.0mmを超えると吸収する周波数帯域
が逆に低くなり過ぎてミリ波帯の電波に整合することが
できない。上記吸収層1の厚さが、上記範囲以外の厚さ
の場合では、カーボンブラックの量をいくら変化させて
もミリ波帯の電波に対して整合させることは出来ないの
で、性能の優れた電波吸収体を得ることは出来ない。ま
た、上記反射層2は、炭素繊維または金網に熱硬化性樹
脂を含浸させて成形された層、金属板、金属粉を含有さ
せた樹脂板、表面に金属溶射した樹脂板などから選ばれ
た材料から構成されている。
ダムに(方向性なく)分散させて使用するものでもよい
し、また長繊維を一方向に引き揃え、あるいは格子状に
編組して使用してもよい。金網に使用する金属は、アル
ミ、鉄、鋼、黄銅等が使用可能である。熱硬化性樹脂と
しては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビス
マレイミド樹脂、フェノール樹脂等が使用できる。
である場合の金属粉としては、アルミ、鉄、鋼等が使用
可能であり、また樹脂としてはエポキシ樹脂が使用可能
である。また、この反射層2を金属板にする場合には、
銅箔、ステンレス箔、アルミ箔、鋼箔等の金属箔を使用
すれば、エポキシ変性ウレタンゴムの柔軟性が損なわれ
ないので、曲面形状に電波吸収体を適用することができ
る。
層1と反射層2とは接着剤を介することなく接合されな
ければならない。接着剤を介さないことにより、前述の
ようにカーボンブラックの配合量と厚さとの特定により
得られる高いミリ波電波吸収率の接着剤層による低下が
なく、ミリ波帯に限られた電波を吸収する効果が得られ
る。各層を接着剤なしで一体にする成形方法は、予め硬
化した樹脂板あるいは金属板からなる反射層2の上に接
着剤を介することなく前述したカーボンブラックを 配合
した未硬化のエポキシ変性ウレタンゴムをのせて、厚さ
0.3〜1.0mmの吸収層1に一体的に成形硬化する
ようにすればよい。以下に実施例および比較例を挙げ
る。 〔実施例1〕 エポキシ変性ウレタンゴム(横浜ゴム(株)社製)10
0重量部をカーボンブラック(ケッチェン)7重量部と
混合した。このゴムをアルミ板に塗布し、120°C、
60分間、100kgf/cm2の圧力でプレス成形
し、吸収層の厚さが0.6mmである一体成形物を得
た。この電波吸収性能を測定したところ50GHzで吸
収率は20dBであった。得られた電波吸収性能を図2
に示す。 〔実施例2〕 エポキシ変性ウレタンゴム(横浜ゴム(株)社製)10
0重量部をカーボンブラック(ケッチェン)10重量部
と混合した。このゴムをアルミ板に塗布し、120゜
C、60分間、100kgf/cm2の圧力でプレス成
形し、吸収層の厚さが0.6mmである一体成形物を得
た。この電波吸収性能を測定したところ40GHzで吸
収率は15dBであった。得られた電波吸収性能を図3
に示す。 〔比較例〕 実施例1において厚さ0.6mmのゴムシートだけを成
形硬化し、これを接着剤を使用してアルミ板に接着し
た。このようにして得られた成形物の電波吸収性能を測
定したところ図4に示したように、40〜60GHzに
おいて10dB以上の吸収率は得られなかった。
繊維、又は金網で補強された熱硬化性樹脂板、あるいは
金属板を反射層とし、該反射層上に液状のエポキシ変性
ウレタンゴム100重量部にカーボンブラック3〜20
重量部混合分散させた未硬化樹脂を接着剤を介すること
なく積層し、前記未硬化樹脂を厚さ0.3〜1.0mm
の単層型電波吸収層として一体に成形硬化させたので、
従来のように接着剤層による電波吸収率低下の影響がな
く、ミリ波帯に限られた周波数の電波に対して優れた吸
収特性を発揮し、かつ薄い吸収層であっても耐久性に優
れた電波吸収体を得ることが出来る。
体の断面図である。
電波吸収性能のグラフ説明図である。
電波吸収性能のグラフ説明図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素繊維、金属繊維、又は金網で補強さ
れた熱硬化性樹脂板、あるいは金属板を反射層とし、該
反射層上に液状のエポキシ変性ウレタンゴム100重量
部にカーボンブラック3〜20重量部混合分散させた未
硬化樹脂を接着剤を介することなく積層し、前記未硬化
樹脂を厚さ0.3〜1.0mmの単層型の電波吸収層と
して一体に成形硬化させるミリ波電波吸収体の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3003419A JP2648702B2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | ミリ波電波吸収体の製造方法 |
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JP3003419A JP2648702B2 (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | ミリ波電波吸収体の製造方法 |
Publications (2)
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JPH04340299A JPH04340299A (ja) | 1992-11-26 |
JP2648702B2 true JP2648702B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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1991
- 1991-01-16 JP JP3003419A patent/JP2648702B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH04340299A (ja) | 1992-11-26 |
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