JP2532183B2 - パレットへのシ―ト掛け方法及び装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、パレットへのシート
掛け方法及び同シート掛け装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルミサッシ用の長尺型材、コイル、板
材等は、加工前においてパレットに積載され保管され
る。そしてこの場合に長尺型材等に対する汚れ付着を防
止するため、人手によってシートを掛け、更に該シート
を前記パレットの周縁に突設されている荷崩れ防止用の
支え棒に紐でくくり付けていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記長尺材を積載した
パレットへのシート掛けは、シートを被覆するための面
積が大きくて大変手間がかかる手作業であり、支え棒へ
のくくり付けも面倒な手作業であった。

【０００４】本発明は、前記実情に鑑み、自動化への途
を開くシート掛け方法を提案するとともに該方法の実施
に適した装置を提供する目的でなされた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願第１請求項に記載し
た発明は、ロールシートの先端部を垂下せしめて垂下端
部を固定し、該垂下状シートの中途部をスライドさせつ
つ水平方向に懸引してロールシートからシートを繰り出
させ、該繰り出されたシートを、荷崩れ防止用の支え棒
を立設したパレット上に被せ、前記ロールシートの上流
側をカッターで切断して前記パレット上のシートを分離
させるとともに、予め前記パレット上に待機させておい
た結束機を下降させて、この結束機の紐で前記被せられ
たシートを前記支え棒の上端に結びつけた構成のパレッ
トへのシート掛け方法である。

【０００６】本願第２請求項に記載した発明は、周縁に
荷崩れ防止用の支え棒を立設したパレットへのシート掛
け装置であって、シートの繰り出しが可能なシート供給
機と、前記繰り出されて垂下状とされたシートの下端を
固定するチャックと、前記垂下固定されたシートの中途
部をスライド可能に係留して前記支え棒上にシートを被
せるべく、前記パレット上を水平方向に往復移動する懸
引ヘッドと、シートを切断するカッターと、前記シート
の被せられた支え棒に紐でシートを結びつけるべくパレ
ット上に上下移動する結束機と、を備えた構成のパレッ
トへのシート掛け装置である。

【０００７】

【作用】前記第１請求項の発明におけるシート下端の固
定は、チャック等固定具に委ねることができ、シートの
懸引は、パレット上に水平移動する係留具に委ねること
ができる。つまり、人手に依らずに済む。

【０００８】前記第２請求項の発明は、次のように使用
される。まずシート供給機からシートを繰り出して垂下
状に設け、該シートの垂下下端をチャックで固定し、該
シートの中途部を懸引ヘッドで引っ張ってシートをパレ
ット上に案内する。ここで前記シートを適宜長さで切断
してパレット上に被せ、この状態下に結束機を降下し
て、被せられたシートを支え棒にくくり付け、チャック
の把持を解放する。尚、前記シートの切断はパレット上
に被せる途中、被せ切った後のいずれでもよい。

【０００９】

【実施例】以下、添付図面に基いて説明する。１は、長
尺材等を積載するパレットであり、該パレットの周縁に
は、荷崩れ防止用の支え棒２が立設してある。そして、
このパレット１の上面及び側方（例えば図１では左側）
に本発明に係る装置が配置されている。

【００１０】具体的には、パレット１の左側上方にロー
ルシート３を軸架したシート供給機４が配され、該シー
ト供給機４の下方にチャック５が配されている。このチ
ャック５は、前記シート供給機４から垂下したシート６
の下端を固定する。尚、前記シート供給機４について
は、１個のロールシート３を使い終えた際にもう一つの
ロールシート３を使用できるように、２個のロールシー
ト３，３を軸架し得るものを用いれば便利である。

【００１１】パレット１の上方には、懸引ヘッド７と結
束機８とが配されている。前記懸引ヘッド７は、垂下状
のシート６をスライドさせつつ水平方向に懸引してパレ
ット１上に被せる動作を行い、概ね、一対の板体９、９
間にシート６を巻きつけるための巻棒１０を掛渡し装着
して構成され、パレット１上方に設置されている支架材
１１に沿って、シート供給機４側から反対側へ水平方向
に往復移動できるように配設されている。すなわち、前
記支架材１１の両側部それぞれにチェーンホイール１２
を取付けて、該チェーンホイール１２にチェーン１３を
巻き回し、該チェーン１３に前記板体９を固定してい
る。１４は板体９をチェーン１３に取付けるための止着
具である。つまり、チェーン１３の回動に伴い懸引ヘッ
ド７が水平移動するように構成されている。

【００１２】１５は車輪であり、懸引ヘッド７の移動を
円滑且つ安定したものとするために前記板体９に取付け
られている。この車輪１５は、支架材１１の上下縁に設
けられた案内レール１６に係合している。

【００１３】１７は押圧ローラであり、前記巻棒１０に
巻き回したシート６を背面（図１の右側）から軽く押え
て前記チャック５と巻棒１０との間のシート６に張力を
与えるために設けられている。より具体的には、前記巻
棒１０の背面において、前記板体９、９間に支持材１８
を掛け渡すとともに該支持材１８にシリンダ１９を取付
け、前記巻棒１０方向に突出したシリンダーロッド２０
の先端に上述の押えローラ１７を装着している。

【００１４】前記結束機８は、パレット１の支え棒２上
に被せられたシート６を、支え棒２にくくり付けるため
に配されており、パレット１の上方において上下移動可
能に配置されている。すなわち、固定枠体２１に対し上
下動可能に支持板２２を取付け、該支持板２２に結束機
８を取付けている。

【００１５】尚、図２に示すように、シート６の幅は支
え棒２，２の幅よりも十分大きく設定されている。

【００１６】上述した構成は、シート６が懸引ヘッド７
によってパレット１上に案内され且つ結束されるための
基本構成である。そして、図示の装置では、更に加えて
前記シート６の懸引状態及び被覆状態を良好にするとと
もに、シート切断の安定化を図るために、後記の案内ロ
ーラ等を備えている。

【００１７】２３，２４は上下一対の案内ローラであっ
て、両案内ローラ２３，２４の間隔Ｌは、前記懸引ヘッ
ド７の巻棒１０が通過し得る可及的狭い間隔とされてい
る。つまり、前記両案内ローラ２３、２４の間隔Ｌを小
さくすることによって結束機８の上下移動量を小さくな
し得、結束機移動部材の小型化が図れる。そして、下方
の案内ローラ２４は、被せられたシート６の左右垂れ下
り量を同一化するために、左側へ水平移動できるように
構成されている。

【００１８】また、上方の案内ローラ２３の上方には、
上下一対の押え具２５，２６を設置し、該押え具２５，
２６間にカッター２７を配置している。

【００１９】上述のシート掛け装置は、次のように用い
られる。

【００２０】図１（ａ）において、パレット１を図示を
省略した結束機の下方に配し、懸引ヘッド７をチャック
５の上方に移動させ、シート供給機４からシート６を下
方に垂下させて、前記懸引ヘッド７の巻棒１０と押圧ロ
ーラ１７との間を通し、シート６の下端をチャック５で
把持固定する。この場合において、結束機は上方に退避
しており、また、下方の案内ローラ２４はパレット１側
に寄って位置し、押え具２５，２６は退避状態となって
いる。

【００２１】次に、図１（ｂ）に示すように、チェーン
１３を駆動して懸引ヘッド７をパレット７上に移動さ
せ、該懸引ヘッド７を所定の位置（本例ではパレット１
の略中央部）で止める。この操作により、シート６がシ
ート供給機４から引き出され、二つ折り状としてパレッ
ト１の上方左半分に存在している状態にある。尚、この
場合に、押圧ローラ１７はシート６を押えていない。ま
た、下方の案内ローラ２４もチャック５の近傍に位置し
ている。

【００２２】続いて、垂下状に設けられているシート６
を押え具２５，２６で押え付け、カッターでシート６を
切断する。この操作により、所望とする長さのシートが
得られる。従って前記シート掛け装置では、懸引ヘッド
７を止めた前記所定の位置を変えることによって、シー
ト掛けされるシート６の長さを変更することができる。

【００２３】かくして所定長さのシート６を得た後、チ
ェーン１３を駆動して押圧ローラ１７を巻棒１０側に移
動させ、シート６を巻棒１０に押し付ける。すなわち、
図１（ｃ）に示すように、チャック５と巻棒１０との間
のシート６の張力を保持した状態、換言すればシート垂
みのない状態を維持させる。そして、下方の押え具２６
を解放し、下方の案内ローラ２４を左側に移動させると
同時に懸引ヘッド７を右側に移動させ、一重のシート６
が左右の均衡を保ってパレット１の上方に位置している
状態にする。

【００２４】続いてモータＭを作動させて、図１（ｄ）
に示すように、結束機８を支え棒２の存在する位置に降
下させ、該結束機８にてシート６を支え棒２に紐でくく
り付ける。尚、図２に示すように、シート６の幅は支え
棒２，２の幅よりも十分大きく設定されているので、結
束機８にてシート６を支え棒２に被せて紐でくくり付け
ても、シート６の端部は支え棒２，２の上端を覆って余
りある状態であり、従ってシート６の部分にハッチング
を施して示すように、該シート６でパレット１に積載さ
れている長尺材等を覆うことができる。

【００２５】その後、結束機８を上昇させ、そして、図
１（ｅ）に示すように、チャック５によるシート６の下
端固定を解除すると同時に押圧ローラ１７によるシート
６の他端側の押持を解除し、懸引ヘッド７を左側へ元の
位置にまで戻す。このときにパレット１の右側に垂れ下
っている部分のシート６はパレット１上に折り返され
る。

【００２６】尚、支え棒２，２の上端においてシート６
は紐で部分的にくくり付けられているとともに、シート
６の端部は支え棒２，２の外側に位置していて該シート
６は支え棒２，２従ってパレット１を覆っているので、
パレット１に積載されている、支え棒２，２の内側に積
載されている長尺材等は、シート６によって覆われてい
る。そして、シート６はその複数箇所において支え棒
２，２に保持されているので、パレット１からずれ落ち
ることがない。

【００２７】かくしてシート掛けの終了したパレット１
は他所へ送り出される。

【００２８】

【発明の効果】以上説明したように本願発明に係るシー
ト掛け方法は、ロールシートの先端部を垂下せしめて垂
下端部を固定し、該垂下状シートの中途部をスライドさ
せつつ水平方向に懸引してロールシートからシートを繰
り出させ、該繰り出されたシートを、荷崩れ防止用の支
え棒を立設したパレット上に被せ、前記ロールシートの
上流側をカッターで切断して前記パレット上のシートを
分離させるとともに、予め前記パレット上に待機させて
おいた結束機を下降させて、この結束機の紐で前記被せ
られたシートを前記支え棒の上端に結びつけて構成され
るので、シートが垂みなくパレット上に拡げられること
になり、シート掛けの自動化への途が開かれる。また、
本願発明に係るシート掛け装置によれば、結束に到るま
でのシート掛けが自動的に行われ得るので、従来人手に
依って行われていたことによる作業性の悪さが解消す
る。また、本装置は、シートを二つ折りにして懸引する
ものであるため、装置自体が極めて小さなものとなる。
例えば７．５ｍ（長さ）×２．３ｍ（幅）のシートを４
ｍ程度の型材に被覆する装置とする場合、装置の大きさ
は、６．９ｍ（長さ）×３．２ｍ（幅）×３．３ｍ（高
さ）のもので済み、省スペース化も期待できる。更に懸
引ヘッドの中途で止める位置を適宜可変にすることがで
きるので、型材に見合ったシート長さを得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願方法発明のフローチャート

【図２】一実施例を示す平面図

【図３】同正面図

【図４】懸引ヘッドの拡大平面図

【図５】同正面図

【図６】押圧ローラの一部破断平面図

【図７】結束機取付け部分の一部破断平面図

【図８】結束機の使用状態における正面図

【符号の説明】

１ パレット ２ 支え棒 ３ ロールシート ４ シート供給機 ５ チャック ６ シート ７ 懸引ヘッド ８ 結束機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−9988（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−110107（ＪＰ，Ａ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ロールシートの先端部を垂下せしめて垂
   下端部を固定し、該垂下状シートの中途部をスライドさ
   せつつ水平方向に懸引してロールシートからシートを繰
   り出させ、該繰り出されたシートを、荷崩れ防止用の支
   え棒を立設したパレット上に被せ、前記ロールシートの
   上流側をカッターで切断して前記パレット上のシートを
   分離させるとともに、予め前記パレット上に待機させて
   おいた結束機を下降させて、この結束機の紐で前記被せ
   られたシートを前記支え棒の上端に結びつけたことを特
   徴とするパレットへのシート掛け方法。
2. 【請求項２】周縁に荷崩れ防止用の支え棒を立設したパ
   レットへのシート掛け装置であって、 シートの繰り出しが可能なシート供給機と、 前記繰り出されて垂下状とされたシートの下端を固定す
   るチャックと、 前記垂下固定されたシートの中途部をスライド可能に係
   留して前記支え棒上にシートを被せるべく、前記パレッ
   ト上を水平方向に往復移動する懸引ヘッドと、シートを切断するカッターと、 前記シートの被せられた支え棒に紐でシートを結びつけ
   るべくパレット上に上下移動する結束機と、を備えたこと を特徴とするパレットへのシート掛け装
   置。