JP2530334Y2 - タンデム型負圧ブースタ - Google Patents
タンデム型負圧ブースタInfo
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- JP2530334Y2 JP2530334Y2 JP16986287U JP16986287U JP2530334Y2 JP 2530334 Y2 JP2530334 Y2 JP 2530334Y2 JP 16986287 U JP16986287 U JP 16986287U JP 16986287 U JP16986287 U JP 16986287U JP 2530334 Y2 JP2530334 Y2 JP 2530334Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- port
- piston
- booster
- concave portion
- negative pressure
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Braking Systems And Boosters (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 A.考案の目的 (1) 産業上の利用分野 本考案は、ブースタシェルに、その内部を前部シェル
室と後部シェル室とに仕切る隔壁板を固設し、前部シェ
ル室を前側の前部負圧室と後側の前部作動室とに区画す
る前部ブースタピストンと、後部シェル室を前側の後部
負圧室と後側の後部作動室とに区画する後部ブースタピ
ストンとを、前記隔壁板に摺動自在に支承されて出力杆
に連なるピストンボスを介して連結し、このピストンボ
スに、その後端から突出してブースタシェルの後壁に摺
動自在に支承される弁筒を一体に連設すると共に、この
弁筒内を両負圧室に連通する第1ポートと、同弁筒内を
両作動室に連通する第2ポートとを設け、この第2ポー
トは前,後部作動室間を連通する軸方向ポートと、後部
作動室及び弁筒間を連通する半径方向ポートとから構成
され、弁筒内には前後動可能の入力杆と、この入力杆の
前後動に応じて第2ポートを第1ポートと大気とに連通
切換えする制御弁とを配設し、ピストンボスを後退方向
へ付勢する戻しばねを受容する凹部を該ボスの前面に設
けたタンデム型負圧ブースタに関する。
室と後部シェル室とに仕切る隔壁板を固設し、前部シェ
ル室を前側の前部負圧室と後側の前部作動室とに区画す
る前部ブースタピストンと、後部シェル室を前側の後部
負圧室と後側の後部作動室とに区画する後部ブースタピ
ストンとを、前記隔壁板に摺動自在に支承されて出力杆
に連なるピストンボスを介して連結し、このピストンボ
スに、その後端から突出してブースタシェルの後壁に摺
動自在に支承される弁筒を一体に連設すると共に、この
弁筒内を両負圧室に連通する第1ポートと、同弁筒内を
両作動室に連通する第2ポートとを設け、この第2ポー
トは前,後部作動室間を連通する軸方向ポートと、後部
作動室及び弁筒間を連通する半径方向ポートとから構成
され、弁筒内には前後動可能の入力杆と、この入力杆の
前後動に応じて第2ポートを第1ポートと大気とに連通
切換えする制御弁とを配設し、ピストンボスを後退方向
へ付勢する戻しばねを受容する凹部を該ボスの前面に設
けたタンデム型負圧ブースタに関する。
(2) 従来の技術 かかる負圧ブースタは、例えば実開昭61-45277号公報
に開示されているように、既に知られている。
に開示されているように、既に知られている。
(3) 考案が解決しようとする問題点 従来、斯かる負圧ブースタのピストンボスでは、第2
ポートの軸方向ポートは、該ボス前面の凹部の周壁中を
貫通するように形成されるが、その凹部周壁の肉厚は比
較的薄いため、該軸方向ポートを全長に亘り充分広い断
面積をもって形成するのが困難とされていた。ところが
軸方向ポートの断面積が充分でないと、制御弁の切換
時、各ブースタピストンの応答性の低下を招く。
ポートの軸方向ポートは、該ボス前面の凹部の周壁中を
貫通するように形成されるが、その凹部周壁の肉厚は比
較的薄いため、該軸方向ポートを全長に亘り充分広い断
面積をもって形成するのが困難とされていた。ところが
軸方向ポートの断面積が充分でないと、制御弁の切換
時、各ブースタピストンの応答性の低下を招く。
本考案は、上記のような事情に鑑みてなされたもの
で、第2ポートの軸方向ポートを、各部の断面積を広く
確保しつつ金型でも難なく成形できるようにした、応答
性良好なタンデム型負圧ブースタを提供することを目的
とする。
で、第2ポートの軸方向ポートを、各部の断面積を広く
確保しつつ金型でも難なく成形できるようにした、応答
性良好なタンデム型負圧ブースタを提供することを目的
とする。
B.考案の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために本考案によれば、前部ブー
スタピストンの内周部には、ピストンボス前面の凹部に
嵌合して底部が該凹部底壁に重合結着される連結筒が一
体に形成され、その連結筒の底部と前記凹部底壁との間
には、その間をシールして第1及び第2ポート間を遮断
する単一の環状シール部材が介装され、第2ポートの軸
方向ポートは、前記凹部の内周面に該凹部の前後両端部
に亘り形成した軸方向の溝と該溝を覆う連結筒外周面と
の間に画成された前側ポート部と、前記凹部底壁を軸方
向に貫通するようピストンボスに穿設されて前側ポート
部後端に連なる後側ポート部とより構成され、その後側
ポート部は、ピストンボス周方向へ長径を向けてピスト
ンボスの後端から前記凹部近くまで延びる後部長孔と、
前方に向かうにつれてピストンボス周方向に幅広となる
ように形成されて前記後部長孔の前端に連続するテーパ
孔とより構成され、前記前側ポート部は、前記後部長孔
よりも偏平で且つピストンボス周方向に長い長孔より形
成されて前記テーパ孔の前端に連続するように配設され
る。
スタピストンの内周部には、ピストンボス前面の凹部に
嵌合して底部が該凹部底壁に重合結着される連結筒が一
体に形成され、その連結筒の底部と前記凹部底壁との間
には、その間をシールして第1及び第2ポート間を遮断
する単一の環状シール部材が介装され、第2ポートの軸
方向ポートは、前記凹部の内周面に該凹部の前後両端部
に亘り形成した軸方向の溝と該溝を覆う連結筒外周面と
の間に画成された前側ポート部と、前記凹部底壁を軸方
向に貫通するようピストンボスに穿設されて前側ポート
部後端に連なる後側ポート部とより構成され、その後側
ポート部は、ピストンボス周方向へ長径を向けてピスト
ンボスの後端から前記凹部近くまで延びる後部長孔と、
前方に向かうにつれてピストンボス周方向に幅広となる
ように形成されて前記後部長孔の前端に連続するテーパ
孔とより構成され、前記前側ポート部は、前記後部長孔
よりも偏平で且つピストンボス周方向に長い長孔より形
成されて前記テーパ孔の前端に連続するように配設され
る。
(2) 作用 ピストンボス前面の凹部に前部ブースタピストンの連
結筒を嵌合すれば、該凹部内周面の上記溝と連結筒外端
面との間に軸方向ポートの前側ポート部を、その偏平度
合を大きくして形成できるため、その前側ポートの断面
積を凹部に制約されることなく広く確保することがで
き、一方、軸方向ポートの後側ポート部は凹部よりも後
方に在って凹部の制約を受けずに断面積を広く確保する
ことができる。従って軸方向ポートの断面積を全長に亘
り充分確保することができるため、制御弁切換時に該軸
方向ポートを空気が速やかに流れる。
結筒を嵌合すれば、該凹部内周面の上記溝と連結筒外端
面との間に軸方向ポートの前側ポート部を、その偏平度
合を大きくして形成できるため、その前側ポートの断面
積を凹部に制約されることなく広く確保することがで
き、一方、軸方向ポートの後側ポート部は凹部よりも後
方に在って凹部の制約を受けずに断面積を広く確保する
ことができる。従って軸方向ポートの断面積を全長に亘
り充分確保することができるため、制御弁切換時に該軸
方向ポートを空気が速やかに流れる。
また上記凹部内周面の、前側ポート部を画成するため
の溝は、これを金型で容易に成形することができるか
ら、前側ポート部の偏平度合を大きくしても成形上(例
えば金型の強度上)、問題はなく、しかも上記溝を凹部
内周面に直接成形することにより、前側ポート部画成用
の筒状体を凹部内周面と連結筒外周面間に特別に介装す
る必要もなくなる。またこのように凹部内周面と連結筒
外周面間を直接嵌合させるにも拘わらず、その凹部と連
結筒間を通して第1及び第2ポート相互が連通してしま
うのを、該凹部底壁と連結筒底部間に介装した構造単純
な1個の環状シール部材によって阻止し得る。
の溝は、これを金型で容易に成形することができるか
ら、前側ポート部の偏平度合を大きくしても成形上(例
えば金型の強度上)、問題はなく、しかも上記溝を凹部
内周面に直接成形することにより、前側ポート部画成用
の筒状体を凹部内周面と連結筒外周面間に特別に介装す
る必要もなくなる。またこのように凹部内周面と連結筒
外周面間を直接嵌合させるにも拘わらず、その凹部と連
結筒間を通して第1及び第2ポート相互が連通してしま
うのを、該凹部底壁と連結筒底部間に介装した構造単純
な1個の環状シール部材によって阻止し得る。
更に前側ポート部と後部長孔間では、前記テーパ孔の
特設により断面形状の変化を緩やかにすることができる
から、前側ポート部と後部長孔との周方向長さの差が大
きくても、その両者間に亘る空気の流通が常にスムーズ
に行われる。
特設により断面形状の変化を緩やかにすることができる
から、前側ポート部と後部長孔との周方向長さの差が大
きくても、その両者間に亘る空気の流通が常にスムーズ
に行われる。
(3) 実施例 以下、図面により本考案の一実施例について説明す
る。
る。
先ず第1図において、タンデム型負圧ブースタBのブ
ースタシェル1の前面には、該ブースタBにより作動さ
れるブレーキマスタシリンダMが取付けられる。
ースタシェル1の前面には、該ブースタBにより作動さ
れるブレーキマスタシリンダMが取付けられる。
ブースタシェル1は、対向端を相互に結合する前後一
対のシェル半体1a,1bと、両シェル半体1a,1b間に挟止さ
れてブースタシェル1内部を前部シェル室2と後部シェ
ル室3とに仕切る隔壁板1cとから構成され、後部シェル
半体1bが図示しない車体に支持される。
対のシェル半体1a,1bと、両シェル半体1a,1b間に挟止さ
れてブースタシェル1内部を前部シェル室2と後部シェ
ル室3とに仕切る隔壁板1cとから構成され、後部シェル
半体1bが図示しない車体に支持される。
前部シェル室2は、それに前後往復動可能に収容され
る鋼板製の前部ブースタピストン4と、その後面に重合
結着されると共に前部シェル半体1aと隔壁板1c間に挟着
されるゴム製の前部ダイヤフラム5とにより、前側の前
部負圧室2aと後側の前部作動室2bとに区画される。また
後部シェル室3は、それに前後往復動可能に収容される
鋼板製の後部ブースタピストン6と、その後面に重合結
着され、且つ隔壁板1cと共に両シェル半体1a,1b間に固
着されるゴム製の後部ダイヤフラム7とにより、前側の
後部負圧室3aと後側の後部作動室3bとに区画される。
る鋼板製の前部ブースタピストン4と、その後面に重合
結着されると共に前部シェル半体1aと隔壁板1c間に挟着
されるゴム製の前部ダイヤフラム5とにより、前側の前
部負圧室2aと後側の前部作動室2bとに区画される。また
後部シェル室3は、それに前後往復動可能に収容される
鋼板製の後部ブースタピストン6と、その後面に重合結
着され、且つ隔壁板1cと共に両シェル半体1a,1b間に固
着されるゴム製の後部ダイヤフラム7とにより、前側の
後部負圧室3aと後側の後部作動室3bとに区画される。
前,後部ブースタピストン4,6はそれぞれ鋼板により
環状に成形され、これらは、隔壁板1cにブッシュ8及び
シール部材9を介して摺動自在に支承される合成樹脂製
のピストンボス10の両端に次のように結着される。
環状に成形され、これらは、隔壁板1cにブッシュ8及び
シール部材9を介して摺動自在に支承される合成樹脂製
のピストンボス10の両端に次のように結着される。
即ち、ピストンボス10には、深さが該ボス10の長さの
略半分に達する円形凹部11が前端面に形成され、またそ
の外周面の後端からやや前方に寄った個所にフランジ12
が突設されており、上記円形凹部11には、前部ブースタ
ピストン4の内周端に一体に連設された連結筒13が嵌合
されており、その連結筒13の後端には、該筒13の底部と
しての端壁板13aが一体に連設され、その端壁板13aの後
面は、前記凹部11の底壁に重ねられる。また前記フラン
ジ12と協働して後部ブースタピストン6を挟持する押え
板14がピストンボス10の後端面に重ねられる。そして、
この押え板14、ピストンボス10及び端壁板13aの三者
は、ピストンボス10の軸線を囲む複数本(図示では三
本)の通しボルト15と、これらに螺合するナット16によ
り相互に固着される。
略半分に達する円形凹部11が前端面に形成され、またそ
の外周面の後端からやや前方に寄った個所にフランジ12
が突設されており、上記円形凹部11には、前部ブースタ
ピストン4の内周端に一体に連設された連結筒13が嵌合
されており、その連結筒13の後端には、該筒13の底部と
しての端壁板13aが一体に連設され、その端壁板13aの後
面は、前記凹部11の底壁に重ねられる。また前記フラン
ジ12と協働して後部ブースタピストン6を挟持する押え
板14がピストンボス10の後端面に重ねられる。そして、
この押え板14、ピストンボス10及び端壁板13aの三者
は、ピストンボス10の軸線を囲む複数本(図示では三
本)の通しボルト15と、これらに螺合するナット16によ
り相互に固着される。
その際、前部ブースタピストン4とピストンボス10の
前端面との間に、前部ダイヤフラム5の内周ビード5a
と、この内周ビード5aの外周面及び後面を覆う金属製の
環状のリテーナ17が挟入され、またフランジ12と押え板
14との間に、後部ブースタピストン6の内周端を包む後
部ダイヤフラム7の内周ビード7aが挟入される。したが
って、前,後部ブースタピストン4,6及びピストンボス1
0の三者が相互に結着されると同時に、各ダイヤフラム
5,7の内周ビード5a,7aが対応するブースタピストン4,6
に固着される。
前端面との間に、前部ダイヤフラム5の内周ビード5a
と、この内周ビード5aの外周面及び後面を覆う金属製の
環状のリテーナ17が挟入され、またフランジ12と押え板
14との間に、後部ブースタピストン6の内周端を包む後
部ダイヤフラム7の内周ビード7aが挟入される。したが
って、前,後部ブースタピストン4,6及びピストンボス1
0の三者が相互に結着されると同時に、各ダイヤフラム
5,7の内周ビード5a,7aが対応するブースタピストン4,6
に固着される。
さらに、通しボルト15の挿通のためにピストンボス10
に設けられたボルト孔18にはシール部材19が装着され、
これによってボルト孔18による前部負圧室2a及び後部作
動室3b間の連通が阻止される。また前記端壁板13a及び
ピストンボス10間には、複数本の通しボルト15を囲繞す
るシール部材20が介装され、これによって、端壁板13a
及びピストンボス10の当接面間隙による後述の第1及び
第2ポート30,31間の連通が阻止される。
に設けられたボルト孔18にはシール部材19が装着され、
これによってボルト孔18による前部負圧室2a及び後部作
動室3b間の連通が阻止される。また前記端壁板13a及び
ピストンボス10間には、複数本の通しボルト15を囲繞す
るシール部材20が介装され、これによって、端壁板13a
及びピストンボス10の当接面間隙による後述の第1及び
第2ポート30,31間の連通が阻止される。
各通しボルト15は、角形頭部15aを後部作動室3b側に
向けて配置され、その角形頭部15aが回転不能に嵌合す
る同形の凹部21(第2図参照)が前記押え板14に形成さ
れる。したがって、前部負圧室2a側でナット16を通しボ
ルト15に螺合する際、該ボルト15の回転が防止されるの
で、ナット16の締付けを確実に行うことができる。
向けて配置され、その角形頭部15aが回転不能に嵌合す
る同形の凹部21(第2図参照)が前記押え板14に形成さ
れる。したがって、前部負圧室2a側でナット16を通しボ
ルト15に螺合する際、該ボルト15の回転が防止されるの
で、ナット16の締付けを確実に行うことができる。
上記通しボルト15及びナット16を利用して、連結筒13
の端壁板13aに座板22が重合結着される。この座板22
は、複数のナット16間でナット16の高さよりも高く隆起
した複数の座部22a(第3図参照)を備えており、この
座部22aと前部シェル半体1aとの間にピストンボス10を
後退方向へ付勢する戻しばね23が縮設される。こうして
戻しばね23は連結筒13と共にピストンボス10前面の凹部
11に受容される。
の端壁板13aに座板22が重合結着される。この座板22
は、複数のナット16間でナット16の高さよりも高く隆起
した複数の座部22a(第3図参照)を備えており、この
座部22aと前部シェル半体1aとの間にピストンボス10を
後退方向へ付勢する戻しばね23が縮設される。こうして
戻しばね23は連結筒13と共にピストンボス10前面の凹部
11に受容される。
両ブースタピストン4,6の後退限は、後部ダイヤフラ
ム6の後面に多数隆起した突起24がブースタシェル1の
後壁に当接することにより規制される。
ム6の後面に多数隆起した突起24がブースタシェル1の
後壁に当接することにより規制される。
前部負圧室2aは、負圧導入管29を介して図示しない負
圧源(例えば内燃機関の吸気マニホールド内部)と接続
される。また前,後部両負圧室2a,3aは、ピストンボス1
0に形成された二股状の第1ポート39を介して弁筒25内
に連通し、また前,後部両作動室2b,3bは同じくピスト
ンボス10に形成された一対の第2ポート31,31を介して
弁筒25内に連通する。そして、第2ポート31,31は制御
弁32により第1ポート30と、前記後方延長筒26の端壁26
aに開口する大気導入口33とに交互に連通切換えされ
る。
圧源(例えば内燃機関の吸気マニホールド内部)と接続
される。また前,後部両負圧室2a,3aは、ピストンボス1
0に形成された二股状の第1ポート39を介して弁筒25内
に連通し、また前,後部両作動室2b,3bは同じくピスト
ンボス10に形成された一対の第2ポート31,31を介して
弁筒25内に連通する。そして、第2ポート31,31は制御
弁32により第1ポート30と、前記後方延長筒26の端壁26
aに開口する大気導入口33とに交互に連通切換えされ
る。
弁筒25内には、ブレーキペダル34に連なる入力杆35
と、これにより制御される前記制御弁32が次のように設
けられる。即ち、弁筒25内の前部には弁ピストン38が摺
合され、この弁ピストン38には、前記大気導入口33を貫
通した入力杆35の前端が首振り可能に結合される。また
弁筒25の内周面には環状の第1弁座401が突設され、こ
れに囲繞される環状の第2弁座402が弁ピストン38の後
端面に形成され、これら弁座401,402と協働する弁体41
が弁筒25内に配設される。弁体41はゴム製であって、前
後両端を開放した筒状をなしており、その後端部即ち基
端部41aは、弁筒25の内周面に嵌着された保持筒42によ
り、弁筒25内周面との密着状態に保持される。この弁体
41は、上記基端部41aから半径方向内方へ屈曲した薄肉
の可撓部41b、及びこの可撓部41bの前端に連なる肉厚の
弁部41cを備えており、その弁部41cは前記第1及び第2
弁座401,402に対向して配置される。
と、これにより制御される前記制御弁32が次のように設
けられる。即ち、弁筒25内の前部には弁ピストン38が摺
合され、この弁ピストン38には、前記大気導入口33を貫
通した入力杆35の前端が首振り可能に結合される。また
弁筒25の内周面には環状の第1弁座401が突設され、こ
れに囲繞される環状の第2弁座402が弁ピストン38の後
端面に形成され、これら弁座401,402と協働する弁体41
が弁筒25内に配設される。弁体41はゴム製であって、前
後両端を開放した筒状をなしており、その後端部即ち基
端部41aは、弁筒25の内周面に嵌着された保持筒42によ
り、弁筒25内周面との密着状態に保持される。この弁体
41は、上記基端部41aから半径方向内方へ屈曲した薄肉
の可撓部41b、及びこの可撓部41bの前端に連なる肉厚の
弁部41cを備えており、その弁部41cは前記第1及び第2
弁座401,402に対向して配置される。
而して、弁部41cは可撓部41bの変形により前後移動が
可能であって、前進時には第1及び第2弁座401,402に
着座し、後退時には保持筒42の前端で受止められる。
可能であって、前進時には第1及び第2弁座401,402に
着座し、後退時には保持筒42の前端で受止められる。
弁部41cには環状の補強板43が埋設され、これと入力
杆35との間には、弁部41cを両弁座401,402に向って付勢
する弁ばね44が縮設される。
杆35との間には、弁部41cを両弁座401,402に向って付勢
する弁ばね44が縮設される。
弁筒25の内面には、第1弁座401の外側で前記第1ポ
ート30の一端が、また同弁座401の内側で前記第2ポー
ト31の一端がそれぞれ開口する。
ート30の一端が、また同弁座401の内側で前記第2ポー
ト31の一端がそれぞれ開口する。
また第2弁座402の内側は弁体41及び保持筒42の中空
部を通して大気導入口33と連通する。
部を通して大気導入口33と連通する。
而して、弁体41、弁ばね44、第1弁座401及び第2弁
座402により制御弁32が構成される。
座402により制御弁32が構成される。
入力杆35及び保持筒42間には、入力杆35をの後退限に
向って付勢する戻しばね45が縮設される。
向って付勢する戻しばね45が縮設される。
入力杆35の後退限は、入力杆35に進退調節可能に螺合
したストッパ板46が後方延長筒26の端壁26a内面に当接
することにより規制される。したがって、ストッパ板46
を回せば、ストッパ板46と入力杆35との螺合位置が変わ
るので、入力杆35の後退限を前後に調節することができ
る。この調節後のストッパ板46の固定は、同じく入力杆
35に螺合したロックナット47の緊締により行われる。上
記ストッパ板46には、これが大気導入口33を閉塞しない
ように通気孔48が穿設されている。
したストッパ板46が後方延長筒26の端壁26a内面に当接
することにより規制される。したがって、ストッパ板46
を回せば、ストッパ板46と入力杆35との螺合位置が変わ
るので、入力杆35の後退限を前後に調節することができ
る。この調節後のストッパ板46の固定は、同じく入力杆
35に螺合したロックナット47の緊締により行われる。上
記ストッパ板46には、これが大気導入口33を閉塞しない
ように通気孔48が穿設されている。
弁筒25には、大気導入口33から弁筒25内に取入れる空
気を濾過するためのエアフィルタ49が入力杆35を取巻い
て装着される。このエアフィルタ49は入力杆35と弁筒25
との相対変位を妨げないように適度な柔軟性を有する。
気を濾過するためのエアフィルタ49が入力杆35を取巻い
て装着される。このエアフィルタ49は入力杆35と弁筒25
との相対変位を妨げないように適度な柔軟性を有する。
ピストンボス10には、その前面中心部に開口する大シ
リンダ孔37と、この大シリンダ孔37及び弁筒25内に両端
が開口する小シリンダ孔36とが設けられる。そして小シ
リンダ36には、前記弁ピストン38と一体または弁ピスト
ン38に当接する反力ピストン52が摺合され、大シリンダ
孔37には、反力ピストン52に対向する弾性ピストン50、
及びこの弾性ピストン50の前面に重合される出力ピスト
ン51が摺合される。この出力ピストン51の大シリンダ孔
37からの抜出防止のために、前記端壁板13aの内周縁が
大シリンダ孔37の開口部まで張出されている。
リンダ孔37と、この大シリンダ孔37及び弁筒25内に両端
が開口する小シリンダ孔36とが設けられる。そして小シ
リンダ36には、前記弁ピストン38と一体または弁ピスト
ン38に当接する反力ピストン52が摺合され、大シリンダ
孔37には、反力ピストン52に対向する弾性ピストン50、
及びこの弾性ピストン50の前面に重合される出力ピスト
ン51が摺合される。この出力ピストン51の大シリンダ孔
37からの抜出防止のために、前記端壁板13aの内周縁が
大シリンダ孔37の開口部まで張出されている。
出力ピストン51の前面には出力杆53が突設され、この
出力杆53は前記ブレーキマスタシリンダMのピストン55
に連設される。
出力杆53は前記ブレーキマスタシリンダMのピストン55
に連設される。
第1図、第4図及び第5図において、前記各第2ポー
ト31は、両作動室2b,3b間を連通する軸方向ポート31A
と、後部作動室3b及び弁筒25間を連通する半径方向ポー
ト31Rとから構成される。
ト31は、両作動室2b,3b間を連通する軸方向ポート31A
と、後部作動室3b及び弁筒25間を連通する半径方向ポー
ト31Rとから構成される。
また軸方向ポート31Aは、前記凹部11の側方に在って
該凹部11の前後両端部に亘り延びる前側ポート部31A
fと、その前側ポート部31Afの後端に連なり前記凹部11
底壁を軸方向に貫通する後側ポート部31Arとより構成さ
れており、その後側ポート部31Arは、ピストンボス10の
後端から凹部11近くまで延びる後部長孔cと、その後部
長孔cと前側ポート部31Afの後端との間を連続的に接続
するテーパ孔bとから構成され、そのテーパ孔bは、前
方に向かうにつれてピストンボス10周方向に幅広に形成
される。前記後部長孔c及び前側ポート部31Afは、いず
れもピストンボス10の周方向に長径を向けて配置される
が、特に前側ポート部31Afは、後部長孔cよりも偏平に
且つ長径を大にして形成される。
該凹部11の前後両端部に亘り延びる前側ポート部31A
fと、その前側ポート部31Afの後端に連なり前記凹部11
底壁を軸方向に貫通する後側ポート部31Arとより構成さ
れており、その後側ポート部31Arは、ピストンボス10の
後端から凹部11近くまで延びる後部長孔cと、その後部
長孔cと前側ポート部31Afの後端との間を連続的に接続
するテーパ孔bとから構成され、そのテーパ孔bは、前
方に向かうにつれてピストンボス10周方向に幅広に形成
される。前記後部長孔c及び前側ポート部31Afは、いず
れもピストンボス10の周方向に長径を向けて配置される
が、特に前側ポート部31Afは、後部長孔cよりも偏平に
且つ長径を大にして形成される。
さらに前側ポート部31Afは、凹部11の内周面に該凹部
11の前後両端部に亘り形成した軸方向の溝56と、該溝56
を覆う連結筒13外周面との間に画成され、また前側ポー
ト部31Afの前端はピストンボス10の前端面及び外周面に
開口する切欠き57とされる。このようにすると、ピスト
ンボス10の成形時、偏平度合の大きい前側ポート部31Af
を金型により簡単に形成することができる。
11の前後両端部に亘り形成した軸方向の溝56と、該溝56
を覆う連結筒13外周面との間に画成され、また前側ポー
ト部31Afの前端はピストンボス10の前端面及び外周面に
開口する切欠き57とされる。このようにすると、ピスト
ンボス10の成形時、偏平度合の大きい前側ポート部31Af
を金型により簡単に形成することができる。
次にこの実施例の作用を説明する。先ず負圧ブースタ
Bの休止状態では、第1図に示すように、入力杆35は後
退限に位置し、制御弁32は、弁部41cを第1及び第2弁
座401,402に着座させて前,後部両作動室2b,3bを両負圧
室2a,3a及び大気導入口33のいずれとも不通にした中立
状態にあり、このような制御弁32により、両負圧室2a,3
aには、負圧導入管29を通して供給される負圧源の負圧
が蓄えられ、両作動室2b,3bには、大気により適当に希
釈された負圧が保持される。こうして前,後部ブースタ
ピストン4,6には、前部の負圧室2aと作動室2b、後部の
負圧室3aと作動室3bの各間に生じる気圧差により僅かな
前進力が与えられるが、これらの前進力と戻しばね23の
弾発力とが釣合って、両ブースタピストン4,6は後退限
から僅かに前進したところで停止している。
Bの休止状態では、第1図に示すように、入力杆35は後
退限に位置し、制御弁32は、弁部41cを第1及び第2弁
座401,402に着座させて前,後部両作動室2b,3bを両負圧
室2a,3a及び大気導入口33のいずれとも不通にした中立
状態にあり、このような制御弁32により、両負圧室2a,3
aには、負圧導入管29を通して供給される負圧源の負圧
が蓄えられ、両作動室2b,3bには、大気により適当に希
釈された負圧が保持される。こうして前,後部ブースタ
ピストン4,6には、前部の負圧室2aと作動室2b、後部の
負圧室3aと作動室3bの各間に生じる気圧差により僅かな
前進力が与えられるが、これらの前進力と戻しばね23の
弾発力とが釣合って、両ブースタピストン4,6は後退限
から僅かに前進したところで停止している。
いま、車両を制動すべくブレーキペダル34を踏込み、
入力杆35及び弁ピストン38を前進させれば、当初、両ブ
ースタピストン4,6は不動であるから、第2弁座402が弁
部41cから直ちに離れて両作動室2b,3bを大気導入口33に
連通させる。その結果、大気が大気導入口33から第2弁
座402及び第2ポート31を通して両作動室2b,3bに素早く
導入され、該室2b,3bを両負圧室2a,3aより高圧にするの
で、それらの気圧差に基づく大きな前進力を得て両ブー
スタピストン4,6は戻しばね23の力に抗して応答良く前
進し、出力杆53を介してブレーキマスタシリンダMのピ
ストン55を前方へ駆動する。こうして、ブレーキマスタ
シリンダMをブレーキペダル34の踏込みに遅れなく作動
させ、車両に制動かけることができる。
入力杆35及び弁ピストン38を前進させれば、当初、両ブ
ースタピストン4,6は不動であるから、第2弁座402が弁
部41cから直ちに離れて両作動室2b,3bを大気導入口33に
連通させる。その結果、大気が大気導入口33から第2弁
座402及び第2ポート31を通して両作動室2b,3bに素早く
導入され、該室2b,3bを両負圧室2a,3aより高圧にするの
で、それらの気圧差に基づく大きな前進力を得て両ブー
スタピストン4,6は戻しばね23の力に抗して応答良く前
進し、出力杆53を介してブレーキマスタシリンダMのピ
ストン55を前方へ駆動する。こうして、ブレーキマスタ
シリンダMをブレーキペダル34の踏込みに遅れなく作動
させ、車両に制動かけることができる。
このような制動中、入力杆35と共に、弁ピストン38も
前進して反力ピストン52を介し弾性ピストン50に当接す
るが、その弾性ピストン50は、両ブースタピストン4,6
の作動反力を受けて小シリンダ孔36側へ膨出変形し、反
力ピストン52に上記反力の一部を作用させるので、その
力は弁ピストン38及び入力杆35を介してブレーキペダル
34側にフィードバックされる。このような反力作用によ
り操縦者は出力杆53の出力、即ち制動力の大きさを感知
することができる。
前進して反力ピストン52を介し弾性ピストン50に当接す
るが、その弾性ピストン50は、両ブースタピストン4,6
の作動反力を受けて小シリンダ孔36側へ膨出変形し、反
力ピストン52に上記反力の一部を作用させるので、その
力は弁ピストン38及び入力杆35を介してブレーキペダル
34側にフィードバックされる。このような反力作用によ
り操縦者は出力杆53の出力、即ち制動力の大きさを感知
することができる。
ブレーキペダル34に対する踏力、即ち入力杆35の入力
の増加により出力杆53の出力が倍力限界点を超えると、
弁ピストン38は前面をピストンボス10に当接させるの
で、前記入力全体が弁ピストン38、ピストンボス10、弾
性ピストン50及び出力ピストン51を介して出力杆53に伝
達することになり、結局、各ブースタピストン4,6の気
圧差による前進力と入力による前進力との和が出力杆53
から出力される。
の増加により出力杆53の出力が倍力限界点を超えると、
弁ピストン38は前面をピストンボス10に当接させるの
で、前記入力全体が弁ピストン38、ピストンボス10、弾
性ピストン50及び出力ピストン51を介して出力杆53に伝
達することになり、結局、各ブースタピストン4,6の気
圧差による前進力と入力による前進力との和が出力杆53
から出力される。
次に、ブレーキペダル34に対する踏力を解放すると、
まず入力杆35が戻しばね45の弾発力により弁ピストン38
と共に後退し、第2弁座402を弁体41の弁部41cに着座さ
せると共に弁部41cを第1弁部401から大きく離間させる
ので、両作動室2b,3bが第1及び第2ポート30,31を介し
て両負圧室2a,3aと連通して各ブースタピストン4,6前後
の気圧差が直ちに無くなり、したがって両ブースタピス
トン4,6は戻しばね23の弾発力をもって後退し、ブレー
キマスタシリンダMの作動を解除していく。そして、入
力杆35がストッパ板46を延長筒26の隔壁26aに当接させ
る後退限まで戻ると、後部ブースタピストン6は、第6
図に示すように、一旦後部ダイヤフラム7の突起24をブ
ースタシェル1の後壁に当接させる後退限まで戻り、今
度は第1弁座401を弁座41cに着座させると共に弁部41c
を第2弁座402から僅かに離間させるので、第2ポート3
1を通して再び両作動室2b,3bに大気が導入されるが、そ
れにより生じる気圧差により両ブースタピストン4,6が
少しく前進すれば第2弁座402及び弁部41c間の小間隙は
無くなり、制御弁32を当初の中立状態にする。こうして
両作動室2b,3bには大気に希釈された負圧が保持され、
負圧ブースタBは第1図の休止状態となる。
まず入力杆35が戻しばね45の弾発力により弁ピストン38
と共に後退し、第2弁座402を弁体41の弁部41cに着座さ
せると共に弁部41cを第1弁部401から大きく離間させる
ので、両作動室2b,3bが第1及び第2ポート30,31を介し
て両負圧室2a,3aと連通して各ブースタピストン4,6前後
の気圧差が直ちに無くなり、したがって両ブースタピス
トン4,6は戻しばね23の弾発力をもって後退し、ブレー
キマスタシリンダMの作動を解除していく。そして、入
力杆35がストッパ板46を延長筒26の隔壁26aに当接させ
る後退限まで戻ると、後部ブースタピストン6は、第6
図に示すように、一旦後部ダイヤフラム7の突起24をブ
ースタシェル1の後壁に当接させる後退限まで戻り、今
度は第1弁座401を弁座41cに着座させると共に弁部41c
を第2弁座402から僅かに離間させるので、第2ポート3
1を通して再び両作動室2b,3bに大気が導入されるが、そ
れにより生じる気圧差により両ブースタピストン4,6が
少しく前進すれば第2弁座402及び弁部41c間の小間隙は
無くなり、制御弁32を当初の中立状態にする。こうして
両作動室2b,3bには大気に希釈された負圧が保持され、
負圧ブースタBは第1図の休止状態となる。
このようなタンデム型負圧ブースタBにおいて、ピス
トンボス10、前部ブースタピストン4に連なる連結筒13
の端壁板13a、及びピストンボス10と協働して後部ブー
スタピストン6を挟持する押え板14の三者をピストンボ
ス10の軸線周りに配置された複数本の通しボルト15と、
これらに螺合するナット16とにより結着し、さらに前部
ブースタピストン4及びピストンボス10間に前部ダイヤ
フラム5の内周ビード5aを、また後部ブースタピストン
6及び押え板14間に後部ダイヤフラム7の内周ビード7a
をそれぞれ挟入したので、ピストンボス10を分割するこ
となく、これに前,後部ピストン4,6及び前,後部ダイ
ヤフラム5,7を結着することができ、しかも連結筒13の
端壁板13a及び押え板14は複数本の通しボルト15により
回転を拘束されるので、ナット16の締付時でも回転する
ことはなく、これにより前、後部ダイヤフラム5,7の捩
れを防止することができる。
トンボス10、前部ブースタピストン4に連なる連結筒13
の端壁板13a、及びピストンボス10と協働して後部ブー
スタピストン6を挟持する押え板14の三者をピストンボ
ス10の軸線周りに配置された複数本の通しボルト15と、
これらに螺合するナット16とにより結着し、さらに前部
ブースタピストン4及びピストンボス10間に前部ダイヤ
フラム5の内周ビード5aを、また後部ブースタピストン
6及び押え板14間に後部ダイヤフラム7の内周ビード7a
をそれぞれ挟入したので、ピストンボス10を分割するこ
となく、これに前,後部ピストン4,6及び前,後部ダイ
ヤフラム5,7を結着することができ、しかも連結筒13の
端壁板13a及び押え板14は複数本の通しボルト15により
回転を拘束されるので、ナット16の締付時でも回転する
ことはなく、これにより前、後部ダイヤフラム5,7の捩
れを防止することができる。
また第2ポート31の軸方向ポート31Aのうち特に前側
ポート部31Afは、ピストンボス10前面の凹部11と前部ブ
ースタピストン4の連結筒13との嵌合により、該凹部11
内周面の溝56と連結筒13外端面との間に、その偏平度合
を大きくして形成することができるから、その前側ポー
ト31Afの断面積を凹部11に制約されることなく広く確保
することができ、一方、上記軸方向ポート31Aの後側ポ
ート部31Arが凹部11よりも後方に在って凹部11の制約を
受けずに断面積を広く確保することができる。従って軸
方向ポート31の断面積を全長に亘り充分確保することが
できるため、制御弁32の切換時、軸方向ポート31Aでは
空気の多量の流通が可能であり、前,後部ブースタピス
トン4,6の応答性が良好となる。しかも、前側ポート部3
1Afと前記後部長孔c間は、テーパ孔bにより断面形状
の変化が緩やかになるため、軸方向ポート31Aでの空気
の流通はスムーズに行われ、異音を発することがない。
ポート部31Afは、ピストンボス10前面の凹部11と前部ブ
ースタピストン4の連結筒13との嵌合により、該凹部11
内周面の溝56と連結筒13外端面との間に、その偏平度合
を大きくして形成することができるから、その前側ポー
ト31Afの断面積を凹部11に制約されることなく広く確保
することができ、一方、上記軸方向ポート31Aの後側ポ
ート部31Arが凹部11よりも後方に在って凹部11の制約を
受けずに断面積を広く確保することができる。従って軸
方向ポート31の断面積を全長に亘り充分確保することが
できるため、制御弁32の切換時、軸方向ポート31Aでは
空気の多量の流通が可能であり、前,後部ブースタピス
トン4,6の応答性が良好となる。しかも、前側ポート部3
1Afと前記後部長孔c間は、テーパ孔bにより断面形状
の変化が緩やかになるため、軸方向ポート31Aでの空気
の流通はスムーズに行われ、異音を発することがない。
C.考案の効果 以上のように本考案によれば、前部ブースタピストン
の内周部には、ピストンボス前面の凹部に嵌合して底部
が該凹部底壁に重合結着される連結筒が一体に形成さ
れ、その連結筒の底部と前記凹部底壁との間にはその間
をシールする環状シール部材が介装され、第2ポートの
軸方向ポートは、前記凹部の内周面に該凹部の前後両端
部に亘り形成した軸方向の溝と該溝を覆う連結筒外周面
との間に画成された前側ポート部と、前記凹部底壁を軸
方向に貫通するようピストンボスに穿設された後側ポー
ト部とより構成され、その後側ポート部は、ピストンボ
ス周方向へ長径を向けてピストンボスの後端から前記凹
部近くまで延びる後部長孔と、前方に向かうにつれてピ
ストンボス周方向に幅広となるように形成されて後部長
孔の前端に連続するテーパ孔とより構成され、前側ポー
ト部は、後部長孔よりも偏平でかつピストンボス周方向
に長い長孔より形成されてテーパ孔の前端に連続するよ
うに配設されるので、ピストンボス前面の凹部と前部ブ
ースタピストンの連結筒との単なる嵌合により、該凹部
内周面の上記溝と連結筒外端面との間に軸方向ポートの
前側ポート部を、その偏平度合を大きくして形成するこ
とができ、これにより、その前側ポートの断面積を凹部
に制約されることなく広く確保することができるから、
上記軸方向ポートの後側ポート部が凹部よりも後方に在
って凹部の制約を受けずに断面積を広く確保し得る効果
と相俟って、軸方向ポートの断面積を全長に亘り充分確
保することができ、制御弁切換時の前,後部ブースタピ
ストンの応答性向上に寄与することができる。
の内周部には、ピストンボス前面の凹部に嵌合して底部
が該凹部底壁に重合結着される連結筒が一体に形成さ
れ、その連結筒の底部と前記凹部底壁との間にはその間
をシールする環状シール部材が介装され、第2ポートの
軸方向ポートは、前記凹部の内周面に該凹部の前後両端
部に亘り形成した軸方向の溝と該溝を覆う連結筒外周面
との間に画成された前側ポート部と、前記凹部底壁を軸
方向に貫通するようピストンボスに穿設された後側ポー
ト部とより構成され、その後側ポート部は、ピストンボ
ス周方向へ長径を向けてピストンボスの後端から前記凹
部近くまで延びる後部長孔と、前方に向かうにつれてピ
ストンボス周方向に幅広となるように形成されて後部長
孔の前端に連続するテーパ孔とより構成され、前側ポー
ト部は、後部長孔よりも偏平でかつピストンボス周方向
に長い長孔より形成されてテーパ孔の前端に連続するよ
うに配設されるので、ピストンボス前面の凹部と前部ブ
ースタピストンの連結筒との単なる嵌合により、該凹部
内周面の上記溝と連結筒外端面との間に軸方向ポートの
前側ポート部を、その偏平度合を大きくして形成するこ
とができ、これにより、その前側ポートの断面積を凹部
に制約されることなく広く確保することができるから、
上記軸方向ポートの後側ポート部が凹部よりも後方に在
って凹部の制約を受けずに断面積を広く確保し得る効果
と相俟って、軸方向ポートの断面積を全長に亘り充分確
保することができ、制御弁切換時の前,後部ブースタピ
ストンの応答性向上に寄与することができる。
また上記凹部内周面の、前側ポート部を画成するため
の溝は、これを金型で容易に成形することができるた
め、前側ポート部の偏平度合を大きくしても成形上問題
はなく、しかも上記溝を凹部内周面に直接成形すること
により、前側ポート部画成用の筒状体を凹部内周面と連
結筒外周面間に特別に介装する必要はなくなり、それだ
け構造の簡素化が図られる。またこのように凹部内周面
と連結筒外周面間を直接嵌合させるにも拘わらず、その
凹部と連結筒間を通して第1及び第2ポート相互が連通
してしまうのを、該凹部底壁と連結筒底部間に介装した
構造単純な1個の環状シール部材により確実に阻止する
ことができるから、構造を一層簡素化することができ
る。
の溝は、これを金型で容易に成形することができるた
め、前側ポート部の偏平度合を大きくしても成形上問題
はなく、しかも上記溝を凹部内周面に直接成形すること
により、前側ポート部画成用の筒状体を凹部内周面と連
結筒外周面間に特別に介装する必要はなくなり、それだ
け構造の簡素化が図られる。またこのように凹部内周面
と連結筒外周面間を直接嵌合させるにも拘わらず、その
凹部と連結筒間を通して第1及び第2ポート相互が連通
してしまうのを、該凹部底壁と連結筒底部間に介装した
構造単純な1個の環状シール部材により確実に阻止する
ことができるから、構造を一層簡素化することができ
る。
更に前側ポート部と後部長孔間では、前記テーパ孔の
特設により断面形状の変化を緩やかにすることができる
から、前側ポート部と後部長孔との周方向長さの差が大
きくても、その両者間に亘る空気の流通が常にスムーズ
に行われ、軸方向ポートにおける空気流の乱れに因る異
音の発生が効果的に抑えられる。
特設により断面形状の変化を緩やかにすることができる
から、前側ポート部と後部長孔との周方向長さの差が大
きくても、その両者間に亘る空気の流通が常にスムーズ
に行われ、軸方向ポートにおける空気流の乱れに因る異
音の発生が効果的に抑えられる。
図面は本考案の一実施例を示すもので、第1図はタンデ
ム型負圧ブースタの休止状態での縦断側面図、第2図及
び第3図は第1図のII-II線及びIII-III線断面図、第4
図はピストンボスの平面図、第5図は第4図のV−V線
断面図、第6図は同負圧ブースタが作動を終えて休止状
態に戻る直前の状態を示す部分縦断側面図である。 B……負圧ブースタ、b……テーパ孔、c……後部長
孔、1……ブースタシェル、1a,1b……シェル半体、1c
……隔壁板、2……前部シェル室、2a……前部負圧室、
2b……前部作動室、3……後部シェル室、3a……後部負
圧室、3b……後部作動室、4……前部ブースタピスト
ン、5……前部ダイヤフラム、5a……内周ビード、6…
…後部ブースタピストン、7……後部ダイヤフラム、7a
……内周ビード、10……ピストンボス、11……凹部、13
……連結筒、13a……連結筒底部としての端壁板、14…
…押え板、15……通しボルト、16……ナット、25……弁
筒、30……第1ポート、31……第2ポート、31A……軸
方向ポート、31Af……前側ポート部、31Ar……後側ポー
ト部、31R……半径方向ポート、32……制御弁、33……
大気導入口、35……入力杆、53……出力杆
ム型負圧ブースタの休止状態での縦断側面図、第2図及
び第3図は第1図のII-II線及びIII-III線断面図、第4
図はピストンボスの平面図、第5図は第4図のV−V線
断面図、第6図は同負圧ブースタが作動を終えて休止状
態に戻る直前の状態を示す部分縦断側面図である。 B……負圧ブースタ、b……テーパ孔、c……後部長
孔、1……ブースタシェル、1a,1b……シェル半体、1c
……隔壁板、2……前部シェル室、2a……前部負圧室、
2b……前部作動室、3……後部シェル室、3a……後部負
圧室、3b……後部作動室、4……前部ブースタピスト
ン、5……前部ダイヤフラム、5a……内周ビード、6…
…後部ブースタピストン、7……後部ダイヤフラム、7a
……内周ビード、10……ピストンボス、11……凹部、13
……連結筒、13a……連結筒底部としての端壁板、14…
…押え板、15……通しボルト、16……ナット、25……弁
筒、30……第1ポート、31……第2ポート、31A……軸
方向ポート、31Af……前側ポート部、31Ar……後側ポー
ト部、31R……半径方向ポート、32……制御弁、33……
大気導入口、35……入力杆、53……出力杆
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−108582(JP,U) 実開 昭60−125271(JP,U) 実開 昭60−157361(JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ブースタシェル(1)に、その内部を前部
シェル室(2)と後部シェル室(3)とに仕切る隔壁板
(1c)を固設し、前部シェル室(2)を前側の前部負圧
室(2a)と後側の前部作動室(2b)とに区画する前部ブ
ースタピストン(4)と、後部シェル室(3)を前側の
後部負圧室(3a)と後側の後部作動室(3b)とに区画す
る後部ブースタピストン(6)とを、前記隔壁板(1c)
に摺動自在に支承されて出力杆(53)に連なるピストン
ボス(10)を介して連結し、このピストンボス(10)
に、その後端から突出してブースタシェル(1)の後壁
に摺動自在に支承される弁筒(25)を一体に連設すると
共に、この弁筒(25)内を両負圧室(2a,3a)に連通す
る第1ポート(30)と、同弁筒(25)内を両作動室(2
b,3b)に連通する第2ポート(31)とを設け、この第2
ポート(31)は前,後部作動室(2b,3b)間を連通する
軸方向ポート(31A)と、後部作動室(3b)及び弁筒(2
5)間を連通する半径方向ポート(31R)とから構成さ
れ、弁筒(25)内には前後動可能の入力杆(35)と、こ
の入力杆(35)の前後動に応じて第2ポート(31)を第
1ポート(30)と大気とに連通切換えする制御弁(32)
とを配設し、ピストンボス(10)を後退方向へ付勢する
戻しばね(23)を受容する凹部(11)を該ボス(10)の
前面に設けたタンデム型負圧ブースタにおいて、前部ブ
ースタピストン(4)の内周部には、前記凹部(11)に
嵌合して底部(13a)が該凹部(11)底壁に重合結着さ
れる連結筒(13)が一体に形成され、その連結筒(13)
の底部(13a)と前記凹部(11)底壁との間には、その
間をシールして第1及び第2ポート(30,31)間を遮断
する単一の環状シール部材(20)が介装され、第2ポー
ト(31)の軸方向ポート(31A)は、前記凹部(11)の
内周面に該凹部(11)の前後両端部に亘り形成した軸方
向の溝(56)と該溝(56)を覆う連結筒(13)外周面と
の間に画成された前側ポート部(31Af)と、前記凹部
(11)底壁を軸方向に貫通するようピストンボス(10)
に穿設されて前側ポート部(31Af)後端に連なる後側ポ
ート部(31Ar)とより構成され、その後側ポート部(31
Ar)は、ピストンボス(10)周方向へ長径を向けてピス
トンボス(10)の後端から前記凹部(11)近くまで延び
る後部長孔(c)と、前方に向かうにつれてピストンボ
ス(10)周方向に幅広となるように形成されて前記後部
長孔(c)の前端に連続するテーパ孔(b)とより構成
され、前記前側ポート部(31Af)は、前記後部長孔
(c)よりも偏平で且つピストンボス(10)周方向に長
い長孔より形成されて前記テーパ孔(b)の前端に連続
するように配設されたことを特徴とする、タンデム型負
圧ブースタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16986287U JP2530334Y2 (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | タンデム型負圧ブースタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16986287U JP2530334Y2 (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | タンデム型負圧ブースタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0173459U JPH0173459U (ja) | 1989-05-17 |
JP2530334Y2 true JP2530334Y2 (ja) | 1997-03-26 |
Family
ID=31460295
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16986287U Expired - Lifetime JP2530334Y2 (ja) | 1987-11-06 | 1987-11-06 | タンデム型負圧ブースタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2530334Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4655799B2 (ja) * | 2005-07-20 | 2011-03-23 | 株式会社アドヴィックス | 負圧式倍力装置 |
-
1987
- 1987-11-06 JP JP16986287U patent/JP2530334Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0173459U (ja) | 1989-05-17 |
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