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JP2529252Y2 - 正特性サーミスタ装置 - Google Patents

正特性サーミスタ装置

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Publication number
JP2529252Y2
JP2529252Y2 JP1990036170U JP3617090U JP2529252Y2 JP 2529252 Y2 JP2529252 Y2 JP 2529252Y2 JP 1990036170 U JP1990036170 U JP 1990036170U JP 3617090 U JP3617090 U JP 3617090U JP 2529252 Y2 JP2529252 Y2 JP 2529252Y2
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Japan
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positive temperature
tapered surfaces
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JP1990036170U
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Inventor
善光 元由
正登 長野
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日本油脂株式会社
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Publication date
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Priority to US07/668,176 priority patent/US5142265A/en
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C1/00Details
    • H01C1/14Terminals or tapping points or electrodes specially adapted for resistors; Arrangements of terminals or tapping points or electrodes on resistors
    • H01C1/1406Terminals or electrodes formed on resistive elements having positive temperature coefficient
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01C1/00Details
    • H01C1/01Mounting; Supporting
    • H01C1/014Mounting; Supporting the resistor being suspended between and being supported by two supporting sections
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01CRESISTORS
    • H01C1/00Details
    • H01C1/02Housing; Enclosing; Embedding; Filling the housing or enclosure
    • H01C1/022Housing; Enclosing; Embedding; Filling the housing or enclosure the housing or enclosure being openable or separable from the resistive element

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Details Of Resistors (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、一対の正特性サーミスタ素子を一つの絶縁
ケース内に封入した、いわゆるダブル素子タイプの正特
性サーミスタ装置に関し、特に絶縁ケース内での各正特
性サーミスタ素子の支持構造上の改良に関する。
[従来の技術] 上記したようなダブル素子タイプの正特性サーミスタ
装置は、絶縁ケースに内蔵する一対の正特性サーミスタ
素子の一方を加熱用とし、他方を受熱用とすると、例え
ばカラー・テレビジョンの自動消磁回路等に用いること
ができるが、具体的に製品として提供されている代表的
なものの物的な断面構造は第3図示のようになってい
る。
以下、これを従来例として説明するが、これに際して
はまた、後に本考案の実施例を分解斜視図で示す第2図
も適宜参照することができる。当該第2図には、後述す
る本考案による改良部分を除くと、ここで説明する従来
例と同様の構成が図示されているからである。
さて、第3図示の正特性サーミスタ装置では、天板部
ないし上蓋6によって内部中空部が閉じられている絶縁
性のケース(樹脂ケース等)4があり、この中に一対の
正特性サーミスタ素子1,1が重ね合せに収められてい
る。
絶縁ケース4は通常、角柱状ないし箱状をしており、
また、各正特性サーミスタ素子1,1は普通、適当な厚味
の円板形状をしていて、詳しく図示してはいないが、そ
の表裏両主面にそれぞれ端子電極面がある。
ケース4内において、これら一対の正特性サーミスタ
素子1,1の間には共通電極板2が挟み込まれ、当該共通
電極板2に対し、各正特性サーミスタ素子1,1の互いに
向かい合う主面ないし端子電極面が共通に電気的に接続
している。
これに対し、各正特性サーミスタ素子1,1のもう一つ
の各端子電極面には、絶縁ケース4の四つの側壁面部の
中、対向する一対のケース側壁面部5,5の内面に沿って
各設けられた計一対の個別電極板3,3にそれぞれ備え付
けの弾性接点手段7,7が圧接している。
弾性接点手段7,7は、図示の場合、片持ち梁状に形成
されることでバネ性を持たされた導電性の板バネ接点と
なっているが、これは、当該各正特性サーミスタ素子1,
1の対応する端子電極面と各個別電極板3,3との電気的接
続を確実化し、かつ、ケース4内において両正特性サー
ミスタ素子1,1の重ね合せ状態を安定に維持するためで
ある。したがって従来からも、この機能を高める上で
は、これら各個別電極板3,3ごとの弾性接点手段7,7を構
成する接点数をそれぞれに増し、例えば第2図に示され
ているように板バネ接点を一対、並設するような場合も
ある。
共通電極板2や個別電極板3,3は、それらの配置位置
に対応してケース4の底壁部8にそれぞれ穿たれたスリ
ット9;10,10(いずれも第2図参照)内に細幅となった
部分を挿入し、さらにその先端部分2′;3′,3′をケー
ス外部に突出させるが、この先端部分2′;3′,3′は相
当細くなっていて、プリント配線基板(図示せず)に直
か付けできるようになっている。
また、各電極板2;3,3の細幅部分をケースの内側から
対応するスリット9;10,10内に差し通すようにして収め
た後には、その後、不用意に抜け出ることがないよう、
各電極板2;3,3の細幅部分にはプレス打ち抜き成形等に
より、ケース底壁部8の裏面外面に係合する抜け止め用
の弾性舌片11;12,12等も設けられる。
[考案が解決しようとする課題] 従来のダブル素子タイプの正特性サーミスタ装置は具
体的に上記のような構造を持っていたが、本書で興味の
あるのは、絶縁ケース4内で一対の正特性サーミスタ素
子1,1の重ね合せ状態を維持するための手段である。
これに関し、この従来例では、既述のように、弾性を
有する接点手段7,7を一対用い、そのバネ力により、一
対の正特性サーミスタ素子1,1を両側から押し挟むよう
にしていた。
しかし、この種の正特性サーミスタ装置の製造工程な
いしはアセンブリ工程から実際の使用状態下にまで及ぶ
様々な環境下では、上記のように単に一対の弾性接点手
段7,7による押し挟み力だけでは当該正特性サーミスタ
素子1,1間の重ね合せ状態を維持し得ないことがあっ
た。
事実、外部から大きな振動や衝撃が加わると、各正特
性サーミスタ素子1が各弾性接点手段7によってそれぞ
れ共通電極板2の方に押し付けられていても、当該弾性
接点手段7は正特性サーミスタ素子1の主面上の中央付
近で点接触しているに過ぎないため、第4図に示すよう
に正特性サーミスタ素子1がケース内部に傾いたり、傾
かないまでも共通電極板2に沿って第4図の紙面と直交
する方向に横ずれしたりすることがあった。
こうなると、先に述べた自動消磁回路に見られるよう
に、そうした一対の正特性サーミスタ素子1,1の一方を
加熱側、他方を受熱側として用いるような用途、すなわ
ち、両者間の熱結合が大いに問題となるような用途にお
いては、その熱結合度が設計仕様値ないし要求値から大
きくずれ、正特性サーミスタ装置単体としてのみなら
ず、これを用いた回路系の電気的特性も期待値から大幅
に逸脱してしまう。
また、第4図のような正特性サーミスタ素子の傾き
や、第4図の図面紙面に直交する方向の相互の相対的な
横ずれは、それを絶縁ケース内に収めるときのアセンブ
リ工程でも生じ得るので、その挿入作業には十分気を付
けねばならず、作業性もはかばかしくなかった。程度の
問題として言えば、一対の素子間の相対的な横ずれより
個々の素子の傾きの方が起き易く、またそうした傾きの
方が熱的、電気的特性の変動をより大きくするが、もち
ろん、横ずれ自体も望ましくない。
本考案は、このような問題を解決すべくなされたもの
で、上記のようなダブル素子タイプの正特性サーミスタ
装置として、絶縁ケース内に収める一対の正特性サーミ
スタ素子の相互の横ずれや個々の傾きを防止し、正規の
重ね合せ状態に極力安定に維持し得る構造を開示せんと
するものである。
[課題を解決するための手段] 上記問題点を解決するため、本考案では上記したダブ
ル素子タイプの正特性サーミスタ装置、すなわち、 :内部中空部の周囲を囲む側壁部と、該内部中空部の
上下を覆う天板部及び底壁部とを持つ絶縁ケースを有
し、該絶縁ケースの上記内部中空部内に、表裏両主面を
有する板状の正特性サーミスタ素子を一対、共通電極板
を間に挟んで重ね合せ、さらに該重ね合せた一対の正特
性サーミスタ素子をその両側から一対の弾性接点手段で
押し挟んだ状態で収めると共に、上記共通電極板の一部
と、上記一対の弾性接点手段を個々に有する各個別電極
板の一部とを上記絶縁ケース外へ突出させ、該各突出部
分を外部回路との電気的接続部分とした正特性サーミス
タ装置, における改良として、さらに次の構成要件〜を有す
る正特性サーミスタ装置を提案する。
:上記絶縁ケースの天板部と底壁部の内面にそれぞれ
設けられた、互いに対向する一対の凹部を有すること。
:これら一対の凹部の中、一方の凹部は、絶縁ケース
の上記側壁部内面に沿って位置する各個別電極板に近い
位置からそれぞれ共通電極板のある位置に向けて凹むV
字状の凹みの各内壁面に相当する一対のテーパ面を有す
ること。
:他方の凹部は、一つの対角線を一対の個別電極板間
の距離方向に整合させ、頂点を共通電極板の延長上また
はその近傍に置いた四角錐状の凹みの各内壁面に相当す
る計四つのテーパ面を有すること。
:上記重なり合った一対の正特性サーミスタ素子の各
々の両主面の中、上記各弾性接点手段側の主面の周縁部
は、上記一方の凹部の一対のテーパ面の各一方に対して
は点接触(各正特性サーミスタ素子の主面が円形の場
合)または線接触(各正特性サーミスタ素子の主面が矩
形の場合)し、上記他方の凹部の計四つのテーパ面の中
の隣接する二つのテーパ面のそれぞれに対しては点接触
すること。
これが本考案による基本的な構成の正特性サーミスタ
装置であるが、ただし、本考案ではまた、絶縁ケースが
内部中空の角柱状をなしている場合には、側壁部は隣接
するもの同志が互いに直交する四つの側壁面部から構成
されることになるので、その中、上記一対の個別電極板
が沿っている側壁面部に直交する一対の側壁面部に着目
し、上記した天板部及び底壁部に代えて、それら一対の
側壁面部の個々の内面に対し、上記した凹部の一方あて
を設ける構成も開示する。
さらに本考案では、上述の構成要件,に代えて、
下記構成要件〜を有する正特性サーミスタ装置も提
案する。
:上記一対の凹部の中の上記一方の凹部が、上記V字
状の凹みの各内壁面に相当する一対のテーパ面を有する
という構成要件に代えて、当該一方の凹部もまた、他
方の凹部と同様に、一つの対角線を一対の個別電極板間
の距離方向に整合させ、頂点を共通電極板の延長上また
はその近傍に置いた四角錐状の凹みの各内壁面に相当す
る計四つのテーパ面を有すること。
:上記に呼応して、上記重なり合った一対の正特性
サーミスタ素子の各々の両主面の中、各弾性接点手段側
の主面の周縁部にあって一方の凹部に接触する周縁部の
接触が、上記の構成要件に認められるように、一対の
テーパ面の各一方に対しての点接触または線接触である
のに代えて、当該一方の凹部の計四つのテーパ面の中、
隣接する二つのテーパ面のそれぞれに対しての点接触で
あること。
[作用] 本考案によると、絶縁ケースを構成している各壁面部
分の中、一対の正特性サーミスタ素子の各厚味方向(そ
れらの重ね合せ方向)に対して直交する方向で互いに対
向する二つの面部分、すなわち天板部と底壁部か、また
は各弾性接点手段が備えられてはいない一対の側壁面部
の各々の内面にそれぞれ一つずつ、計一対の凹部が設け
られ、その一方の凹部はV字状の凹みの各内壁面に相当
する一対のテーパ面を有し、他方の凹部は四角錐状の凹
みの各内壁面に相当する計四つのテーパ面を有してい
て、各正特性サーミスタ素子は、それぞれの主面が円形
の場合には、一方の凹部の一方のテーパ面に対して一
点、他方の凹部の隣接する二つのテーパー面に対して各
一点の計三点でそれぞれ点接触するので、各正特性サー
ミスタ素子は三点支持を受けることになるし、主面形状
が矩形の場合にも、一方の凹部の一方のテーパ面に対し
ては当該矩形の一辺で線接触し、他方の凹部の隣接する
二つのテーパ面に対しては矩形の角部で点接触するの
で、やはり各正特性サーミスタ素子は三点支持に準じた
支持を受けることになる。
そのため、各正特性サーミスタ素子は、互いに相手方
の素子に対して相対的な横ずれを起こそうとしたり、あ
るいはまた個々に傾こうとしても、各テーパ面の当接関
係によりそうした動きが規制され、動けないので、一対
の正特性サーミスタ素子の相対的な位置関係は所期通り
に確保され、かつ、外部から受けることのある衝撃や振
動に対しても高い耐性を示す。こうしたことから、本考
案に従って作製された正特性サーミスタ装置は、設計仕
様値からのずれが少なく、安定した熱的、電気的特性を
持つ信頼性の高いものとなる。
また、本考案の別な態様によれば、一対の凹部の双方
共に四角錐状に凹んだ凹みの各内壁面に相当する計四つ
のテーパ面を有する構成も提案されるが、この場合に
も、結局は上記した三点支持が四点支持に変わるか、あ
るいはこれに準じたものになるだけであるので、もちろ
んこの場合にも、各素子の傾きや相互の横ずれは共に効
果的に抑止される。
[実施例] 以下、第1,2図に即し、本考案の望ましい一実施例に
つき説明するが、便宜上、第3図示従来例との対比を良
く表すため、本考案に従っての改良部分以外には当該従
来例に関して用いたと同一の符号を付し、同一の構成を
援用するものとする。
したがってまず、この実施例でも、内部に中空部を有
する樹脂ケース等の絶縁ケース4は箱形ないし角柱状を
なし、隣接するものとは互いに直交する四つの側壁面部
5,5;5′,5′から成る側壁部と、内部中空部の下を塞ぐ
底壁部8、上を覆う天板部ないし上蓋6を有している。
特にこの実施例で用いている絶縁ケース4は、四つの
側壁面部5,5,;5′,5′と底壁部8とが予め樹脂一体成形
されており、上蓋ないし天板部6のみが別体に成形され
ていて、後述のようにしてケース内部の中空部に正特性
サーミスタ素子1,1と各電極板2;3,3を収めた後、この天
板部6の対向する一対の側縁に形成されている嵌合用突
起13,13をケース側壁部の対応する一対の側壁面部5,5の
上部に掘られている嵌合溝14,14に嵌め込むことでケー
ス内部を閉ざすようになっている。なお、これら嵌合用
の突起13,13や対応する嵌合溝14,14は第2図中ではそれ
らの各一方のみが見えている。ただし、このようなケー
ス組立て法自体は本考案が直接にこれを規定するもので
はなく、任意である。
このような絶縁ケース4の内部中空部には一対の正特
性サーミスタ素子1,1が重ね合せ状態で収められるが、
それらの間には共通電極板2が挟み込まれる。詳しく図
示してはいないが、この種の正特性サーミスタ素子1,1
の表裏両主面には当該主面それ自体として、または主面
上に別途に形成された導電面として端子電極面があるの
で、共通電極板2はこれら一対の正特性サーミスタ素子
1,1の互いに向かい合う端子電極面に共通に電気的に接
続することになる。
これに対し、各正特性サーミスタ素子1,1のもう一方
の側の端子電極、すなわち重ね合せ方向で互いに背向す
る主面側の端子電極面には、絶縁ケース4内の対向する
一対の側壁5,5の内側に沿って各々配される個別電極板
3,3に各備え付けの弾性接点手段7,7がそれぞれ当接す
る。
弾性接点手段7,7は図示の場合、それぞれがプレス打
ち抜き成形等により並設状に形成された一対の板バネ接
点で構成されているが、その作用は既に従来例に関して
述べた通りで、各正特性サーミスタ素子1,1の対応する
端子電極面との電気的接触を確実化し、かつ、共通電極
板2を挟む一対の正特性サーミスタ素子1,1の重ね合せ
状態をある程度は安定化する働きを有している。逆に、
この作用を有する限り、その形状ないし構成は図示され
ている板バネ状に限定されるものではない。また、本考
案には直接の関係はないが、図示されている板バネ接点
に見られるように、対応する正特性サーミスタ素子の端
子電極面に対して接触面積の小さな接点手段を用いた場
合には、後述の各電極板のケース外への突出先端部分に
電気的にも物理的にも接触する配線路や、さらにはこの
配線路を介しての外部回路に伝わる望ましくない熱伝導
を低減ないし抑制する働きもある。
共通電極板2は、その細幅となった一部が絶縁ケース
4の底壁部8に貫通形成されているスリット9を介し外
部に突出し、その先端部分2′は図示していないプリン
ト配線基板上の所定個所に備えられた透孔中に貫通し、
当該基板裏面側に備えられている所定の導電パタンに半
田等を介して電気的接触を採る等の作業に便利なよう
に、一層、尖鋭化されている。
全く同様に、各正特性サーミスタ素子1,1に専用の電
極となる各個別電極板3,3の細幅となった部分も底壁部
8の側縁部に形成されている各スリット10,10を介して
外部に突出し、その先端部分3′,3′を外部回路への電
気的接続部分として利用できるようになっている。
さらにこの実施例の場合、各電極板2,3,3は、実際の
組立てにおいては第2図に示されているように、ケース
内部の方から各対応するスリット9,10,10内にそれらの
先端部分2′,3′,3′を挿入し、さらに細幅部分をも押
し込むことによりケースへの止め付けを計るが、この
際、各細幅部分に例えばプレス打ち抜き成形等により弾
性舌片11,12,12を形成しておくと、それら弾性舌片11,1
2,12を撓ませながら各スリット9,10,10内を通過させた
後、スリットを抜け出た所で弾性復元させることで底壁
部8の裏面外面に噛ませ、抜け止めとすることができ
る。ただし、この点についても本考案としては必須のも
のではなく、場合により、各端子電極板2,3,3の外部に
突出する部分2′,3′,3′は底壁部8ではなく、どれか
の側壁面部(例えば個別電極板3,3の沿っている側壁面
部5,5に直交する側壁面部5′,5′の一方)の適当個所
を介して突出していても良い。
しかるに、図示されている実施例装置においても、こ
こまでの構成部分は、従来のこの種の正特性サーミスタ
装置におけるそれに対し、特に変更を要しない部分であ
る。この実施例において、本考案に従ったが故に新たに
賦与された、従来にない特徴的な構成要素は、天板部な
いし上蓋6と底壁部8のそれぞれにあってケースの内部
中空部を向いた内面部分に認められる。
まず、第2図中ではひっくり返した状態で示されてい
るが、天板部6の内面にはV字形の凹部20が形成され、
当該Vの字の各脚部に相当する面部分21-1,21-2はそれ
ぞれテーパ面となっている。
これらは計一対のテーパ面21-1,21-2の傾斜の方向は
第1図の方に良く示されている通りで、組立状態ではそ
れぞれ各個別電極板3,3のある位置から共通電極板2の
ある位置に向けて上向き傾斜となっている。
したがって、当該天板部6に形成された凹みとしてこ
れら一対のテーパ面を有するV字形凹部20を見た場合に
は、当該凹部20は共通電極板2のある位置ないしその近
傍でV字の最も凹んだ部分が来るように作られている。
一方、底壁部8のケース内部を向いた面、すなわち上
面にも凹部30が形成されているが、この実施例では、こ
の底壁部8の内面に形成される凹部30は四角錐の突起を
押し付けて凹ませたような形状をしており、したがって
当該凹部30自体としても四角錐状となっている。
その結果、テーパ面として全部で四つのテーパ面3
1-1,31-2;31-3,31-4が形成されるが、凹部30はま
た、その四角錐の底面における一つの対角線を一対の個
別電極板3,3間の距離方向に整合させ(したがってもう
一つの対角線は各個別電極板3,3に平行)、頂点を共通
電極板2の延長上(したがって図示姿勢の場合には共通
電極板2の下)またはその近傍に置くように形成されて
いる。
これを各テーパ面31-1,31-2;31-3,31-4に関して言
えば、各テーパ面31-1,31-2;31-3,31-4はそれぞれ三
角形状をなし、当該三角形の一辺を底壁部8の面上にあ
って当該底壁部8の直交する二周縁部のそれぞれ真ん中
あたりを結ぶ斜め位置に置き、残り二辺の交わる頂点が
底壁部8の対角線が交わる中心点ないし重心点を通る垂
線上に位置する下り勾配の傾斜面となっている。
このように、底壁部8に凹部30が設けられている絶縁
ケース4内に、既述した通り、共通電極板2を間に挟ん
で重ね合せた一対の正特性サーミスタ素子1,1をさらに
その両側から一対の個別電極板3,3の各弾性接点手段7,7
で挟んだ状態で収め、その後に凹部20を有する天板部6
を被せ、固定すると、その断面構造は第1図示のように
なる。
ここで重要なことは、天板部6と底壁部8とに設けら
れている凹部20,30により形成される各テーパ面に対
し、一対の正特性サーミスタ素子1,1のそれぞれ個別電
極板側の主面がその周縁部において接触関係にあるとい
うことである。逆に言えば、このような関係を満たすた
めに、天板部6や底壁部8の厚味や各凹部20,30の深
さ、各テーパ面の寸法や傾斜度等の各寸法要因を、用い
ている正特性サーミスタ素子1,1の径や厚味に応じて設
計する。
この接触関係をもう少し詳しく見てみると、この実施
例の場合、用いている正特性サーミスタ素子1,1が円板
状なので、第2図中、右側ないし手前側に位置する正特
性サーミスタ素子1の個別電極板側主面の周縁部上に付
した三つの点P1,P2,P3の中、絶縁ケース4内に収めら
れたときに高さ方向で最も高い位置点となる点P1がま
ず、第1図の方に良く示されているように、天板部6に
設けられているV字形(取付け状態では下向きになるの
で屋根形と言っても良いが)の凹部20の形成する一対の
テーパ面21-1,21-2の中、右側のテーパ面21-1の途中の
一点で点接触する。
一方、第2図中、当該右側の正特性サーミスタ素子1
の個別電極板側主面周縁部に示されている残り二つの点
P2,P3は、それぞれ、底壁部8に設けられている凹部30
の四つのテーパ面の中、この右側正特性サーミスタ素子
1の下に位置する二つのテーパ面31-1,31-2の個々に対
し、一点で点接触する。第1図中では断面構造のため、
これら二点P2,P3の中、点P3のみが一方のテーパ面31-2
に接触している状態が示されている。
同様のことは、左側の正特性サーミスタ素子1に対し
ても言え、上記三点P1,P2,P3と丁度、共通電極板2を
含む面に関して個々に面対称となる三点(簡明のため、
この左側素子に関してはそれらの点に符号は付していな
い)の中、上部の一点は天板部6側のもう一つのテーパ
面21-2に対して点接触し、残り二つの点は底壁部8の残
り二つのテーパ面31-3,31-4の個々に対して点接触す
る。
したがって、各正特性サーミスタ素子1に対していわ
ゆる三点支持構造が形成され、各テーパ面がそれぞれ、
各正特性サーミスタ素子1,1を相手方に向けて押す方向
に傾いているので、本装置に外部から振動や衝撃が加わ
っても、一対の正特性サーミスタ素子1,1が互いに離れ
る方向への移動は規制され、すでに第4図に即して説明
したような素子の傾きや相互の横ずれ、及びそれらに伴
う従来の不都合は効果的に防止することができる。
さらに、換言すると、これら三点支持構造は、結局、
絶縁ケース4内での各正特性サーミスタ素子1,1の位置
決め作用も持っているので、絶縁ケース内へのそれら各
素子1,1の挿入作業が容易になる。
加えて、三点支持構造ということは、逆に言えばそれ
ら三点以外では正特性サーミスタ素子1,1が絶縁ケース
の他の部分に接触しないようにできることも意味するの
で、既述した自動消磁回路におけるように、素子自体に
発熱が見込まれる場合、その熱をなるべく絶縁ケースに
伝えないようにすることもでき、ひいては熱放散を均一
化することができる。これが従来のように、振動や衝撃
が加わると各正特性サーミスタ素子が絶縁ケース内面の
その時々で異なる位置に接触し得るような状況下では、
当該その時々での熱放散関係が変動し、素子特性の変動
や素子間特性のばら付きを招くことになる。
第1,2図示の凹部構造ないしテーパ面形成構造は、例
えば各正特性サーミスタ素子1,1が円板状のものから角
板状のものに変更されても、凹部ないしテーパ面に関す
る寸法的で設計的な変更のみでこれに対処することがで
きる。すなわち、第2図中に仮想線の矩形で示すような
素子1′を考えれば、これは容易に理解できる。
この正特性サーミスタ素子1′は、その個別電極板側
の主面周縁部の四つの辺部の中、最も上に位置する辺部
が先に説明した点P1を通っており、したがって、天板部
6に設けた凹部20の一方のテーパ面21-1に対し、点接触
に代えて線接触することができる。
一方、この辺部に対向する辺部の両端点P2,P3は、先
に円板状素子1について説明した点P2,P3となるように
なっており、したがって、これら二点は底壁部8に設け
られている凹部30の四つのテーパ面の中、同じ素子側に
位置する二つのテーパ面31-1,31-2に対して先と同様に
点接触する。
そのため、明らかなように、この角板状の素子1′を
用いた場合にも、当該素子1′に対し、上下の凹部20,3
0による各テーパ面構造により、三点支持構造の変形例
として、その中の一点を線接触に変えた支持構造が提供
され、同様にそれら一対の角板状正特性サーミスタ素子
1′,1′を互いに離れる方向への移動や相互の横ずれか
ら守ることができ、ないしはそれらの絶縁ケース内にお
ける位置決めを計ることができる。
以上、図示実施例につき説明したが、一つの改変例と
して、凹部20と凹部30の各形状は互いに置換することが
できる。つまり、天板部側の凹部20が四角錐状をなし、
底壁部側の凹部30がV字形であっても良い。
また、天板部6の側にも底壁部8の側にも、共に四角
錐状の凹部を形成することもでき、このようにした場合
には四点支持以上のより安定な支持構造を得ることがで
きる。
さらに、上記では一対の凹部20,30が天板部6と底壁
部8とに設けられている場合に限り説明したが、これに
代え、各個別電極板3,3の沿っている各側壁面部5,5に直
交する一対の側壁面部5′,5′の一方宛に凹部20、30を
設けても良く、これは仮に、第1図を上から見た断面図
として見ると良く理解され(各電極板の引き出し方向に
関しては無視)、この場合にも上記説明はほぼそのまま
に適用することができる。
もっとも、組立ての実際を考えると、このように側壁
部5′,5′に各テーパ面構造を備えさせた場合には、一
対の正特性サーミスタ素子1,1を重ね合せ状態で各電極
板2,3,3共々、絶縁ケース4の内部中空部に挿入する
際、一方の凹部(例えば凹部30)が四角錐状であると、
若干、無理な押し込み作業となる。しかしこれも、絶縁
ケース4の素材の如何により、その適度な弾性をして決
して不可能なことではなく、十分に実現可能である。も
ちろん、側壁部5′,5′の一方を最後に取り付けるよう
なケース構造とすれば何の問題もない。
なお、図示の場合には天板部6及び底壁部8のそれ自
体にそれぞれ凹部を直接に形成していたが、凹部形成用
の板をそれぞれ別に設け、それらをそれぞれ、天板部6
や底壁部8の内面に沿って設けても良い。これはまた、
既述のように、天板部6や底壁部に代え、側壁部5′,
5′にこれら凹部を備えさせる場合にも言うことができ
る。
絶縁ケース4についても、例えば図示された角柱状な
いしは箱状のものに代え、円筒形のケース等も使うこと
ができる。外側の形状のみならず、内部中空部までも円
筒形であっても、一対の個別電極板3,3を対向的に支持
する構造は容易に得られるし、天板部、底壁部が円形で
あっても、本考案に従ってテーパ面を形成する凹部は当
然、その内面に設けることができる。
[効果] 本考案によると、いわゆるダブル素子構造を採る正特
性サーミスタ装置において、絶縁ケース内に内蔵の一対
の正特性サーミスタ素子間の相対的な横ずれや個々の素
子の傾きを効果的に抑制することができ、両者間の熱結
合状態や各電極板に対する電気的接触関係を大いに安定
し得るし、絶縁ケース内における各正特性サーミスタ素
子の位置決め効果も得ることができる。
換言すれば、耐衝撃特性、耐振動特性を向上させるこ
とができ、結局は熱的、電気的特性を安定化させ、ある
いはまた接触不良の発生を抑えたり熱放散の関係も一義
的にし得るので、設計特性により実際の製品特性を管理
し易くなり、本正特性サーミスタ装置単体としてはもと
より、本装置を用いた回路系の設計自由度や信頼性も増
す。
にもかかわらず、そのために要求される物理的な構造
は極めて簡単であるので、生産性も何等損われないし、
逆に作業性が向上する。テーパ面構造により各正特性サ
ーミスタ素子の位置決め幇助効果も期待できるからであ
る。
また、各テーパ面との点接触部分ないしは線接触部分
等、ほとんど面積を有さないような部分にてのみしか、
各正特性サーミスタ素子が絶縁ケースの内面部分と接触
しない構造を得ることもできるので、絶縁ケースの直接
的な熱伝導を抑えることができ、各素子の熱放散関係を
安定化することによって特性の均一性を得ることもでき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による正特性サーミスタ装置の基本的一
実施例における要部の断面図, 第2図は第1図示装置の分解斜視図, 第3図は従来の正特性サーミスタ装置の代表的一例にお
ける要部の断面図, 第4図は第3図の正特性サーミスタ装置において起こり
得る不具合な状態の説明図, である。 図中、1,1′は正特性サーミスタ素子、2は共通電極
板、3は個別電極板、4は絶縁ケース、5,5′は側壁面
部、6は天板部ないし上蓋、7は弾性接点手段、8は底
壁部、20,30は凹部、21-1,21-2,31-1,31-2,31-3,3
1-4は各凹部により形成される各テーパ面、P1,P2,P3
は各正特性サーミスタ素子の一方の主面周縁部において
の各テーパ面との接触点、である。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部中空部の周囲を囲む側壁部と、該内部
    中空部の上下を覆う天板部及び底壁部とを持つ絶縁ケー
    スを有し、該絶縁ケースの上記内部中空部内に、表裏両
    主面を有する板状の正特性サーミスタ素子を一対、共通
    電極板を間に挟んで重ね合せ、さらに該重ね合せた一対
    の正特性サーミスタ素子をその両側から一対の弾性接点
    手段で押し挟んだ状態で収めると共に、上記共通電極板
    の一部と、上記一対の弾性接点手段を個々に有する各個
    別電極板の一部とをそれぞれ上記絶縁ケース外へ突出さ
    せ、該各突出部分を外部回路との電気的接続部分とした
    正特性サーミスタ装置であって; 上記絶縁ケースの上記天板部と上記底壁部の内面にそれ
    ぞれ設けられ、互いに対向する一対の凹部を有し; 該一対の凹部の中、一方の凹部は、上記絶縁ケースの上
    記側壁部内面に沿って位置する上記各個別電極板に近い
    位置からそれぞれ上記共通電極板のある位置に向けて凹
    むV字状の凹みの各内壁面に相当する一対のテーパ面を
    有する一方で; 他方の凹部は、一つの対角線を上記一対の個別電極板間
    の距離方向に整合させ、頂点を上記共通電極板の延長上
    またはその近傍に置いた四角錐状の凹みの各内壁面に相
    当する計四つのテーパ面を有し; 上記重なり合った一対の上記正特性サーミスタ素子の各
    々の上記両主面の中、上記各弾性接点手段側の主面の周
    縁部は、上記一方の凹部の上記一対のテーパ面の各一方
    に対しては点接触または線接触し、上記他方の凹部の上
    記計四つのテーパ面の中の隣接する二つのテーパ面のそ
    れぞれに対しては点接触すること; を特徴とする正特性サーミスタ装置。
  2. 【請求項2】上記絶縁ケースは内部中空の角柱状をな
    し、上記側壁部は隣接するもの同志が互いに直交する四
    つの側壁面部から構成されていると共に; 上記一対の凹部の各々は、上記天板部及び底壁部に代
    え、上記四つの側壁面部の中、上記一対の個別電極板が
    それぞれに沿っている一対の側壁面部に直交する一対の
    側壁面部の個々の内面に備えられていること; を特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】上記一対の凹部の中の上記一方の凹部が、
    上記V字状の凹みの各内壁面に相当する一対のテーパ面
    を有するのに代えて、該一方の凹部も、一つの対角線を
    上記一対の個別電極板間の距離方向に整合させ、頂点を
    上記共通電極板の延長上またはその近傍に置いた四角錐
    状の凹みの各内壁面に相当する計四つのテーパ面を有
    し; 上記重なり合った一対の上記正特性サーミスタ素子の各
    々の上記両主面の中、上記各弾性接点手段側の主面の周
    縁部にあって該一方の凹部に接触する周縁部の該接触
    も、上記一対のテーパ面の各一方に対しての上記点接触
    または線接触であるのに代えて、該一方の凹部の上記計
    四つのテーパ面の中、隣接する二つのテーパ面のそれぞ
    れに対しての点接触であること; を特徴とする請求項1または2に記載の装置。
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