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JP2520223B2 - 紫外線吸収被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した紫外線吸収ガラス - Google Patents

紫外線吸収被膜形成用塗布液および該塗布液を使用した紫外線吸収ガラス

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JP2520223B2
JP2520223B2 JP5315533A JP31553393A JP2520223B2 JP 2520223 B2 JP2520223 B2 JP 2520223B2 JP 5315533 A JP5315533 A JP 5315533A JP 31553393 A JP31553393 A JP 31553393A JP 2520223 B2 JP2520223 B2 JP 2520223B2
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film
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coating
carbon atoms
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Tsuchiya KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線を吸収し、可視
光線を透過する酸化亜鉛系複合酸化物被膜を塗布、焼成
によって形成するための紫外線吸収被膜形成用塗布液お
よびその形成方法、さらにガラス基体上に該被膜を形成
せしめた紫外線吸収ガラスおよびその紫外線吸収ガラス
上に酸化物被膜を形成し、光学的特性、機械的特性、化
学的特性を改善した紫外線吸収ガラスに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】紫外線吸収被膜をガラス基体
上に設置する方法としては(1)有機または無機化合物
の紫外線吸収剤を含む有機高分子フィルムを表面に接着
する方法、(2)紫外線吸収能を有する物質自体の膜を
ガラス表面に付着させる方法、(3)有機または無機化
合物の紫外線吸収剤を有機または無機化合物バインダー
でガラス表面に付着させる方法がある。
【0003】そのうち(1)の方法および(3)の有機
物バインダーを用いる方法はそれ自体の表面硬度が低
く、膜自体が紫外線により劣化作用を受けるため、長期
の使用には適さない。
【0004】(2)の方法でガラス表面に紫外線吸収被
膜を形成する場合、金属またはその酸化物の真空蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング等の物理的製膜
法が利用される。しかし、この方法では真空系を必要と
し、製膜装置が大型化したり、製造コストが高くなった
りするという欠点がある。そこで、この方法とは別に金
属化合物の溶液を基体上に塗布、焼成して金属酸化物膜
を付着させる塗布法が考えられた。用いられる金属酸化
物は酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、酸化バナジウム
等である。酸化亜鉛は優れた紫外線吸収能もち、しかも
可視光透過率が非常に高いという利点がある。この種の
塗布液及び塗布法を用いて酸化亜鉛膜を形成させた例と
して、たとえば特開平3−223111号公報によれ
ば、2−エチルヘキサン酸亜鉛とリノール酸を用いて1
50〜200℃、含酸素雰囲気中で酸化重合させて塗布
液を調製、その液を塗布、焼成することにより形成した
例があり、透明な膜が得られたと報告されている。
【0005】しかしながら、酸化亜鉛は他の金属酸化物
よりも優れた紫外線吸収能を有するにも関わらず、ほと
んど実用に供されていない。これは酸化亜鉛膜の表面硬
度が低く、傷がつきやすいことと、酸やアルカリに侵さ
れてしまうためである。この欠陥を解消するためにガラ
ス面上の酸化亜鉛膜の上にシリコン、ジルコニウムまた
はその化合物の溶液を塗布焼成して保護膜を設けたもの
に特開平5−147978号公報がある。しかしながら
酸化物保護膜を紫外線吸収膜の上に別途設けるのは繁雑
で手間がかかる。
【0006】
【問題を解決するための手段】上述のような問題点を解
決し、ガラス基体上に紫外線吸収被膜を容易に、しかも
安価で製造する方法およびそれに適した材料開発をする
ために鋭意研究を行った結果、脂肪酸亜鉛、ジルコニウ
ムアルコキシドおよび/またはアルミニウムアルコキシ
ドの混合溶液にエタノールアミンを添加することによ
り、溶液が均質となり、安定化され、さらにこの溶液を
ガラス基体に塗布、400℃以上の温度で焼成・酸化す
ることで酸化亜鉛系複合酸化物被膜を形成し、容易にそ
の目的を達成することを見出し、本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明は従来技術では不可能であっ
た紫外線吸収能の優れた高硬度な酸化亜鉛系複合酸化物
の緻密な膜と安価で容易に形成するための塗布液および
その膜の形成方法、さらにその膜をガラス基体上に形成
せしめた紫外線吸収ガラス、およびその紫外線吸収ガラ
ス上に酸化物被膜を形成せしめた紫外線吸収ガラスを提
供するものである。
【0008】本発明の塗布液は従来の方法の塗布液、即
ち2−エチルヘキサン酸亜鉛およびリノール酸の酸化重
合で調製される塗布液に比べ、焼成時の熱分解で減少す
る重量、即ち有機物含有量が極めて少なく、緻密な膜を
作製するという点から有利であり、さらに、塗布液調製
時に加熱や雰囲気制御なども必要としないため、製造コ
ストも非常に安価であり、経済的にも有利である。
【0009】本発明の塗布液の製造方法としては、まず
脂肪酸亜鉛とジルコニウムアルコキシドおよび/または
アルミニウムアルコキシドをZn濃度がZrおよび/ま
たはAl濃度に対して1〜9(mol比)となるように
有機溶媒中で混合する。この際混合するジルコニウムア
ルコキシドとアルミニウムアルコキシドの割合は特に制
限はなく、どちらか一方だけでも又任意の配合で両物質
を用いても良い。しかし、紫外線吸収能と膜の硬度を考
慮してZn量と(Zr+Al)量は上述のmol比が好
ましい。これは亜鉛成分が増加すると紫外線吸収能は上
がるが、膜の硬さはおちる。逆にジルコニウム、アルミ
ニウムの成分が増えると硬さは上がるが紫外線吸収能は
下がるためである。従って、Zn濃度は(Zr+Al)
濃度に対して1〜9(mol比)が好ましい。
【0010】Zn原料として用いる脂肪酸亜鉛として
は、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、吉草酸亜
鉛、カプロン酸亜鉛等が挙げられるが、炭素数の多い脂
肪酸塩は熱分解時の重量減少が多いので、炭素数の少な
い脂肪酸亜鉛がより好ましい。使用する有機溶媒として
はメタノール、エタノール、n−プロパノール,i−プ
ロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、2−ブ
タノール等のアルコール系溶媒、エチレングリコール、
プロピレングリコール等のグリコール類、メトキシエタ
ノール、エトキシエタノール等のグリコールエーテル類
等が挙げられる。これらの有機溶媒のうち、1種だけを
用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもかまわな
い。有機溶媒の量としてはZn濃度が0.1〜2mol
/lが好ましい。この量は液中の亜鉛濃度を適切な値に
保ち、かつ塗布に適した粘度にするための量であり、溶
媒が多いと亜鉛濃度が低くなり、塗布膜厚の薄い紫外線
吸収効果の十分でない膜ができてしまい好ましくない。
逆に溶媒量が少ないと粘度が高くなり、塗布液としては
適さなくなり、塗布膜にクラックが入ったり、可視光透
過率の低い膜ができてしまう。
【0011】この脂肪酸亜鉛、ジルコニウムアルコキシ
ドおよび/またはアルミニウムアルコキシドの混合液は
亜鉛濃度およびアルコキシド濃度によっては脂肪酸亜鉛
が溶解せずに固体として分散または沈殿した状態で存在
しており、このままでは塗布液としては使用できない。
これにエタノールアミンを適切な量添加することによっ
て、脂肪酸亜鉛は全て溶解し、均質な安定した透明溶液
となる。添加するエタノールアミンの量は脂肪酸亜鉛に
対して0.7(mol比)より少ないと脂肪酸亜鉛の溶
解が不十分で、塗布の際、未溶解の脂肪酸亜鉛粒子が析
出した、表面の粗い塗布膜となったりする。また、添加
するエタノールアミンの量が脂肪酸亜鉛に対して1.5
(mol比)より多くなると、塗布膜が白濁してしま
う。従って、エタノールアミンの添加量としては脂肪酸
亜鉛に対して0.7〜1.5(mol比)が好ましい。
ジルコニウムアルコキシドおよび/またはアルミニウム
アルコキシドは加水分解および縮合が非常に速く、その
まま溶液にして塗布液として用いたのでは、塗布膜は乾
燥時に大気中の湿分で急激に加水分解され、白化してし
まう。そのため、ジルコニウムアルコキシドやアルミニ
ウムアルコキシドを使用した塗布液を調製するのは困難
であった。そこで、亜鉛源として結晶水をもつ脂肪酸亜
鉛を用いてアルコキシドの部分的加水分解を徐々に起こ
させ、Zr−O−Zr、Zr−O−Al、またはAl−
O−Al結合を含む部分的無機重合体を形成させ、これ
により、大気中の湿分で加水分解されるアルコキシ基の
量を減らすことに成功し、この問題を解決して本発明に
到達した。さらに、エタノールアミンは、ジルコニウム
アルコキシドおよび/またはアルミニウムアルコキシド
の残りのアルコキシ基と置換または配位し、アルコキシ
ドの加水分解−縮合による沈殿生成および膜の白濁化を
防止し、塗布液の安定性を高めるという役割も果たす。
【0012】添加するエタノールアミンとしてはモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミンが挙げられるが、沸点、粘度、作業性から考えて
モノエタノールアミンが好ましい。トリエタノールアミ
ンは沸点が高く、塗布膜を乾燥させる場合に高温を必要
とする。また、ジエタノールアミンは室温で固体もしく
は粘度の高い状態であるため、作業性の点から好ましく
ない。よって、塗布液を作業性よく調製し、塗布膜を7
0〜150℃程度の温度で乾燥するにはモノエタノール
アミンが最適である。
【0013】使用するジルコニウムアルコキシドとして
はテトラエトキシジルコニウム、テトラノルマルプロポ
キシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウ
ム、テトラノルマルブトキシジルコニウム、テトライソ
ブトキシジルコニウム等が挙げられる。また、アルミニ
ウムアルコキシドとしてはトリエトキシアルミニウム、
トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリイソプロポ
キシアルミニウム、トリノルマルブトキシアルミニウ
ム、トリイソブトキシアルミニウム等が挙げられる。以
上のような製法で得られた溶液は紫外線を吸収する緻密
な酸化亜鉛系複合酸化物被膜を形成するための塗布液と
しては最適のものである。
【0014】塗布液の塗布方法としてはスプレー、ロー
ルコート、スピンコート、浸漬、印刷等が均質な膜を容
易に製造する方法として優れている。上記の方法でガラ
ス基体表面に塗布膜を形成せしめた後、有機溶媒を除去
するために70〜150℃で10〜30分乾燥を行いさ
らに400℃以上の温度で10〜30分焼成を行う。紫
外線を十分吸収し、可視光領域の透過率を十分高くする
ためには、片面コートの場合膜厚は0.5〜2μm、両
面コートの場合、片面の膜厚は0.25〜1μm程度が
好ましい。この方法により、酸化亜鉛単体の膜よりも表
面硬度が高い、緻密でしかも紫外線吸収能の高いZnO
−ZrO2 系酸化物を主成分とする、またはZnO−A
2 3 系酸化物を主成分とする、またはZnO−Zr
2 −Al2 3 系酸化物を主成分とする酸化亜鉛系複
合酸化物被膜が得られる。
【0015】得られた酸化亜鉛系複合酸化物被膜は紫外
線吸収能、表面硬度という点では酸化亜鉛単体の膜より
優れているが、組成によっては可視光領域で若干、干渉
色がつく。この光の干渉(反射)を防ぎ、可視光透過率
をさらに高めるために、得られた紫外線吸収ガラス上に
酸化物被膜を形成させる。シリカ、アルミナ、ジルコニ
アの1種以上の酸化物被膜を紫外線吸収ガラス上に形成
させると、上述の可視光の干渉(反射)防止、および可
視透過率のさらなる向上という効果の他に酸やアルカリ
に対する化学的安定性や摩耗に対する耐久性がさらに向
上するという利点があることを見出した。特に本発明の
紫外線吸収被膜の屈折率より低い屈折率を有する酸化物
膜を紫外線吸収膜上に被膜することは反射防止、可視光
透過率向上効果が大きいため、シリカおよびアルミナ単
体の膜またはシリカまたはアルミナにジルコニアを添加
した複合酸化物膜が好ましい。その他にもシリカ、アル
ミナ、ジルコニアの少なくとも1種以上を含む酸化物被
膜のうち、本発明の紫外線吸収被膜より屈折率の低いも
のは有効である。これらの酸化物膜は耐薬品性に優れた
高硬度のものが多く、紫外線吸収被膜の表面硬度および
耐薬品性も同時に改善する。
【0016】酸化物被膜を本発明により得られた紫外線
吸収ガラス上に形成する方法としては、Si、Al、Z
rまたはそれらの真空蒸着、イオンプレーティング、ス
パッタリング、反応性スパッタリング等の物理的製膜
法、CVD、MOCVD、プラズマCVD等の化学的製
膜法、金属塩、金属アルコキシド溶液等のスプレー、ロ
ールコート、スピンコート、浸漬、印刷等による塗布、
酸化熱分解法が挙げられるが、これに限られるわけでは
ない。このうち、塗布、酸化熱分解法が最も容易で、安
価な方法であるため、経済性、大量生産、大面積ガラス
へのコート等を考えると非常に好ましい。
【0017】この塗布法で用いられる塗布液はSi、A
l、Zrのアルコキシドまたはアルコキシドのアルコキ
シ基を一部塩素またはアルキル基、またはアセトキシ基
で置換したもの、又は各金属の塩から調製されるが、S
iアルコキシドを用いる場合にはガラス形成を容易にす
るため、修飾体としてNa、K、Ca、Al、B、Z
r、Pb等のアルコキシド、無機塩を添加して調製する
こともできる。具体的にはSiの原料としてはテトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメト
キシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0018】アルミナの原料としてはトリエトキシアル
ミニウム、トリノルマルプロポキシアルミニウム、トリ
イソプロポキシアルミニウム、トリノルマルブトキシア
ルミニウム、トリイソブトキシアルミニウム等が挙げら
れる。ジルコニアの原料としてはテトラエトキシジルコ
ニウム、テトラノルマルプロポキシジルコニウム、テト
ライソプロポキシジルコニウム、テトラノルマルブトキ
シジルコニウム、テトライソブトキシジルコニウム等が
挙げられる。
【0019】紫外線吸収ガラス上に設ける酸化物被膜の
作製用塗布液濃度としては溶液中の金属成分の濃度で
0.1〜2mol/lが好ましい。これは0.1mol
/lより濃度が薄いと1回の塗布操作で形成できる膜の
厚さが非常に薄くなり、光の干渉(反射)防止および可
視光透過率向上、耐摩耗性、耐薬品性の向上効果が十分
に得られない。この薄い濃度の塗布液で十分な効果を発
揮する膜を形成させるには塗布操作を多数回繰り返さな
ければならず、生産性が非常にわるく、実用上好ましく
ない。塗布液の濃度が2mol/l以上となると、塗布
膜が白化したり、クラックを発生する。したがって、
0.1〜2mol/lが好ましい。
【0020】この塗布液を用いて形成する塗布膜の厚さ
は0.1〜2μm程度が好ましい。0.1μmより薄い
と光の干渉(反射)防止および可視光透過率向上、耐摩
耗性、耐薬品性の向上効果が十分に得られない。逆に、
2μmより厚い膜では、可視光の透過率が悪くなったり
するため好ましくない。
【0021】紫外線吸収ガラス上への酸化物被膜の形成
方法は上述のように塗布液をスプレー、ロールコート、
スピンコート、浸漬等による塗布を行った後、70〜1
50℃で10〜30分乾燥、400℃以上の温度で10
〜30分焼成する。この作業により、本発明の紫外線吸
収ガラス上に干渉(反射)防止効果および可視光透過率
向上効果、耐摩耗性、耐薬品性向上効果をあわせもつ酸
化物被膜を形成することができ、優れた紫外線吸収ガラ
スとなる。
【0022】以上のように、本発明で得られた紫外線吸
収ガラスは優れた紫外線吸収能、耐久性を有するため、
自動車、船舶、鉄道車両用ガラス、自動車等のヘッドラ
イト、ランプ類、照明器具、ショーケース等の室内装飾
用ガラス、建造物等の窓ガラス、眼鏡、サングラス、レ
ンズ等のオプティカルガラス分野での広範な用途がある
と考えられる。
【0023】
【実施例1】酢酸亜鉛(試薬一級、不純物としてFe、
Pb、As等を含む)0.58mol、テトラノルマル
プロポキジルコニウム(試薬特級、不純物としてHf、
Fe、Si、Al等を含む)0.25molおよびトリ
イソプロポキシアルミニウム(試薬特級)0.006m
olをノルマルプロピルアルコール(試薬特級、水を含
む)430ml中で混合、攪拌し、その混合液にモノエ
タノールアミン(試薬特級、水を含む)0.45mol
を添加し、1時間混合する。こうして調製された酸化亜
鉛系複合酸化物被膜形成用塗布液にスライドガラスを浸
漬し、48cm/minの速度でひきあげて塗布膜を形
成した。この塗布膜を150℃で10分間乾燥して有機
溶媒の除去および膜の硬化を行った後、電気炉にて50
0℃で30分間焼成して片面の膜厚が0.35μmの均
質な酸化亜鉛系複合酸化物被膜を得た。本実施例の紫外
線吸収ガラスの光透過率特性を第1図に示す。370n
m以下の波長の光はほとんど吸収し、可視光領域では優
れた透過特性を示すことがわかる。得られた紫外線吸収
被膜の密着性を調べるために碁盤目テープ試験を行っ
た。結果は100/100で全く剥離のない密着性の良
い膜であることがわかった。
【0024】
【実施例2】酢酸亜鉛0.58mol、トリイソプロポ
キシアルミニウム0.25molをイソプロパノール5
00ml中で混合、攪拌し、その混合液にモノエタノー
ルアミン0.45molを添加し、1時間混合する。こ
うして調製された酸化亜鉛系複合酸化物被膜形成用塗布
液にスライドガラスを浸漬し、24cm/minの速度
でひきあげて塗布膜を形成した。この塗布膜を150℃
で10分間乾燥して有機溶媒の除去および膜の硬化を行
った後、電気炉にて500℃で30分間焼成して片面の
膜厚が0.25μmの均質な酸化亜鉛系複合酸化物被膜
を得た。本実施例の紫外線吸収ガラスの光透過率特性を
第2図に示す。実施例1と同様に370nm以下の波長
の光はほとんど吸収し、可視光領域では優れた透過特性
を示すことがわかる。
【0025】
【実施例3〜6】実施例1で得られた酸化亜鉛系複合酸
化物被膜を有する紫外線吸収ガラスに第1表に示す塗布
液を浸漬法により塗布した。引き上げ速度は24cm/
minで行い、150℃で10分間乾燥の後、500℃
で30分間焼成を行った。この操作により紫外線吸収ガ
ラス上に第1表に示す膜厚の酸化物被膜を形成した。実
施例3および実施例4で得られた紫外線吸収ガラスの光
透過特性を図3および図4に示す。実施例1に比較して
370nm以下の紫外線吸収能はほとんど変わりない
が、可視光透過率がかなり改善され、高い値を示すよう
になり、さらに光の干渉の度合いが少なくなり、透明感
の高い紫外線吸収ガラスとなった。実施例5および実施
例6についても同様の光特性をもつ紫外線吸収ガラスと
なった。
【0026】また、第1表に示すように得られた紫外線
吸収ガラスについて化学的安定性、密着性について試験
をおこなった。比較例1は実施例1で得られた紫外線吸
収ガラスそのもので、その上に何も被覆していないもの
である。耐酸性試験は試料を1%塩酸水溶液に35℃で
1時間浸漬し、浸漬前と浸漬後の光吸収特性の変化を調
べた。耐アルカリ性試験は試料を1%水酸化ナトリウム
水溶液に35℃で1時間浸漬し、浸漬前と浸漬後の光吸
収特性の変化を調べた。密着性試験は1mm角の碁盤目
テープ試験を行い、剥離の度合いを調べた。
【0027】以上の実施例および比較例の結果から、酸
化亜鉛系複合酸化物被膜だけの紫外線吸収ガラスよりも
その表面に酸化物被膜を設けた紫外線吸収ガラスの方が
可視光透過率、透明性、さらに化学的耐久性という点に
おいて優れたものであることが明らかとなった。
【0028】
【発明の効果】本発明の酸化亜鉛系複合酸化物被膜形成
用塗布液は、ガラス基体上に塗布、乾燥、焼成すること
によって、紫外線領域の光だけを吸収し、可視光領域の
光に関しては高い透過特性を示すという優れた光学特性
を有する緻密な被膜となる。それゆえ、製造コストの非
常に安価な紫外線吸収ガラスが本発明により、容易に製
造することが可能となる。さらにその紫外線吸収ガラス
上に少なくともシリコン、アルミニウム、ジルコニウム
の1種以上の酸化物被膜を形成させることにより、透明
性、可視光透過率がさらに向上し、しかも化学的耐久性
にも優れた紫外線吸収ガラスとなる。
【0029】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得られた各紫外線吸収ガラ
スの光透過率特性を、グラフとしてガラス基板と比較し
て示す図である。
【図2】本発明の実施例2で得られた各紫外線吸収ガラ
スの光透過率特性を、グラフとしてガラス基板と比較し
て示す図である。
【図3】本発明の実施例3で得られた各紫外線吸収ガラ
スの光透過率特性を、グラフとしてガラス基板と比較し
て示す図である。
【図4】本発明の実施例4で得られた各紫外線吸収ガラ
スの光透過率特性を、グラフとしてガラス基板と比較し
て示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式Zn(OCOR)・xHO(式
    中、xは結晶水の数を表し、Rは炭素数1〜8の直鎖ま
    たは分枝鎖のアルキル基を示す)の脂肪酸亜鉛と、その
    モル当り0.7〜1.5モル比のエタノールアミンと、
    Znのモル濃度に対し1〜1/9モル濃度の式Zr(O
    R′)(式中、R′は炭素数1〜4の直鎖または分枝
    鎖のアルキル基を示す)のジルコニウムアルコキシド、
    および(または)式Al(OR″)(式中、R″は炭
    素数1〜4の直鎖または分枝鎖のアルキル基を示す)の
    アルミニウムアルコキシドからなる酸化亜鉛系複合酸化
    物紫外線吸収膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】 式Zr(OR′)(式中、R′は炭素
    数1〜4の直鎖のまたは分枝鎖のアルキル基を示す)の
    ジルコニウムアルコキシドおよび(または)式Al(O
    R″)(式中、R″は炭素数1〜4の直鎖または分枝
    鎖のアルキル基を示す)のアルミニウムアルコキシド
    と、式Zn(OCOR)・xHO)(式中、xは結
    晶水の数を表し、Rは炭素数1〜8の直鎖または分枝鎖
    のアルキル基を示す)の脂肪酸亜鉛とを有機溶媒中で混
    合して前記金属アルコキシドの部分的加水分解・重縮合
    を行い、さらにエタノールアミンを添加して透明溶液と
    することを特徴とする、酸化亜鉛系複合酸化物紫外線吸
    収被膜形成用塗布液の製造方法。
  3. 【請求項3】 式Zn(OCOR)・xHO(式
    中、xは結晶水の数を表し、Rは炭素数1〜8の直鎖ま
    たは分枝鎖のアルキル基を示す)の脂肪酸亜鉛と、その
    モル当り0.7〜1.5モル比のエタノールアミンと、
    Znのモル濃度に対し1〜1/9モル濃度の式Zr(O
    R′)(式中、R′は炭素数1〜4の直鎖または分枝
    鎖のアルキル基を示す)のジルコニウムアルコキシド、
    および(または)式Al(OR″)(式中、R″は炭
    素数1〜4の直鎖または分枝鎖のアルキル基を示す)の
    アルミニウムアルコキシドからなる酸化亜鉛系複合酸化
    物紫外線吸収膜形成用塗布液をガラス基体上に塗布・乾
    燥させた後、400℃以上で焼成して酸化亜鉛系複合酸
    化物被膜を施した紫外線吸収ガラス上に、少なくともシ
    リコン、アルミニウム、ジルコニウムの一種以上の酸化
    物よりなる被膜を形成させた、紫外線吸収ガラス。
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