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JP2504324B2 - 楽音合成装置 - Google Patents

楽音合成装置

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JP2504324B2
JP2504324B2 JP2297956A JP29795690A JP2504324B2 JP 2504324 B2 JP2504324 B2 JP 2504324B2 JP 2297956 A JP2297956 A JP 2297956A JP 29795690 A JP29795690 A JP 29795690A JP 2504324 B2 JP2504324 B2 JP 2504324B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、管楽器をシミュレートする装置に係り、
特に、雑音を伴った管楽器音に忠実に再現することがで
きる楽音合成装置に関する。
「従来の技術」 近年、自然楽器の発音メカニズムをシミュレートした
モデルを動作させ、これにより自然楽器の楽音を合成す
る装置が各種開発されている。この種の技術は、例え
ば、特開昭63−40199号公報または特公昭58−58679号公
報に開示されている。
第9図は、官楽器の発音メカニズムをシミュレートす
る楽音合成装置の構成を示したものである。この図にお
いて、11はROM(リードオンリメモリ)、12は加算器、1
3は減算器、14および15は乗算器である。これら構成要
素11〜15は、クラリネット等の管楽器のマウスピースお
よびリードからなる部分の動作をシミュレートするもの
であり、これらは励振回路10を構成している。
20は管楽器の管部、すなわち、共鳴管の伝送特性をシ
ミュレートした双方向伝送回路である。この双方向伝送
回路20は、共鳴管における空気圧力波の伝播遅延をシミ
ュレートした遅延回路D,D,…、これらの遅延回路間に介
挿されたジャンクションJU,JU,…、共鳴管の終端部にお
いて空気圧力波が反射する際のエネルギー損失等をシミ
ュレートしたローパスフィルタLPF、および双方向伝送
回路20内を伝播するデータの直流成分を阻止するハイパ
スフィルタHPFからなる。このジャンクションJU,JU,…
は、共鳴管において管の径が変化している箇所で発生す
る空気圧力波の散乱をシミュレートするものであり、第
9図には乗算器M1〜M4および加算器A1,A2からなる4乗
算格子を用いた場合が示されている。ここで、各乗算器
M1〜M2に付された“1+k",“−k",“1−k",“k"等は
乗算係数であり、実際の共鳴管に近い伝送特性が得られ
るように数値kが決められる。
このような構成において、加算器12および減算器13に
は、吹奏圧に相当するデータPが入力される。そして、
加算器12の出力データは、双方向伝送回路20の内部を、
遅延回路D→ジャンクションJU→遅延回路D→…という
ように伝播し、ローパスフィルタLPFに到達する。そし
て、ローパスフィルタLPFおよびハイパスフィルタHPFを
介した後、遅延回路D→ジャンクションJU→…というよ
うに、上述とは逆向に伝播し、双方向伝送回路20から出
力されて減算器13に入力される。
そして、減算器13によって、双方向伝送回路20の出力
データ(このデータは共鳴管の終端部側からマウスピー
スとリードとの間隙に戻される空気圧力波の圧力に相当
する)からデータPが減算される。この減算によって、
リードとマウスピースの間隙部の空気圧に相当するデー
タP1が得られる。そして、このデータP1がROM11に供給
されることにより、このROM11からリードとマウスピー
スとの間隙の断面積、すなわち、空気流に対するアドミ
ッタンスに相当するデータYが出力される。第10図はRO
M11に記憶されたリードとマウスピースとの間隙内の空
気圧力(入力)と間隙の断面積(出力)との関係を示す
非線形関数Aを例示したものである。
このようなデータYとデータP1とは、乗算器14によっ
て乗算され、この結果、リードとマウスピースとの間隙
を通過する空気の流速に相当するデータFLが得られる。
このデータFLには、乗算器15によって乗算係数Gが乗じ
られる。ここで、乗算係数Gは管楽器のリード取り付け
部付近の管径に応じて決められる定数であり、空気流の
通りにくさ、すなわち、空気流に対するインピーダンス
に相当するものである。従って、乗算器15からは、マウ
スピースとリードとの間隙を通過する空気流の流速と管
部の空気流に対するインピーダンスの積、すなわち、間
隙を通過する空気流による管内の圧力変化分に相当する
データP2が得られる。そして、このデータP2とデータP
とが加算器12によって加算され、双方向伝送回路20に入
力される。
このようにして励振回路10と双方向伝送回路20とで構
成される閉ループにおいて、データの循環、すなわち、
共振動作が行われ、双方向伝送路20のローパスフィルタ
LPFの接続点のデータが取り出され、こうしたデータに
基づいて楽音が発生される。
ところで、実際の管楽器においては、サブトーンと呼
ばれる奏法がある。このサブトーンとは、リードとマウ
スピースとの間隙に息を吹き込む際に生じる雑音成分を
誇張させた奏法である。従来、こうした雑音の合成は、
吹奏圧に相当するデータPに雑音に相当するデータを重
畳することにより行われていた。
「発明が解決しようとする課題」 しかしながら、上述した雑音成分は、息を吹き込むこ
とによって、マウスピースとリードとの間隙部分に乱流
が生じ、この乱流に起因して管内の空気圧力波が乱さ
れ、これが雑音となって発生されるものである。従っ
て、上述した従来の雑音再現方法、すなわち、単に雑音
に相当するデータを重畳しただけでは実際の雑音発生メ
カニズムに即しておらず、この方法によって発生される
雑音は自然さに欠けてしまうという欠点があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、実
際の雑音発生メカニズムに即した楽音合成装置を提供す
るものであり、これにより、管楽器演奏時の雑音効果を
忠実に再現することを目的としている。
「課題を解決するための手段」 請求の範囲第1項記載の発明は、励振信号を発生する
励振手段と、少なくとも所定時間自己の入力信号を遅延
すると共に、前記励振信号を繰り返し循環させるループ
手段とから構成され、このループ手段の循環信号を楽音
信号として用いるようにした楽音合成装置において、雑
音信号を発生する雑音発生手段と、前記励振信号に応じ
て、前記雑音発生手段が発生する雑音信号の特性を制御
する雑音制御手段と、前記ループ手段を循環する循環信
号に前記雑音発生手段が発生する雑音信号を重畳させ
て、該重畳した信号を前記ループ手段へ出力する雑音重
畳手段とを具備し、前記励振信号に応じた特性の雑音信
号を前記ループ手段を循環する循環信号に重畳すること
を特徴としている。また、請求の範囲第2項記載の発明
は、請求の範囲第1項記載の発明において、前記雑音制
御手段は、前記励振信号および前記ループ手段を循環す
る循環信号に応じて、前記雑音発生手段が発生する雑音
信号の特性を制御することを特徴としている。
「作用」 上記構成によれば、雑音制御手段が励振信号に応じて
雑音信号の特性を制御することにより、雑音発生手段が
管内乱流を近似した雑音信号を発生し、雑音重畳手段が
ループ手段を循環する循環信号に当該雑音信号を重畳さ
せる。これにより、実際の雑音発生メカニズムに即した
楽音合成がなされる。
「実施例」 以下、図面を参照し、本発明の実施例について説明す
る。第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置の
全体構成を示すブロック図である。この図において、1
はクラリネット等の管楽器を模した操作子であり、吹奏
者の操作に応じた各種信号を発生する。ここで、第2図
および第3図を参照して操作子1の構成について説明す
る。
まず、第2図(イ)は、この操作子1の一例を示す外
観図である。図において、1aはキーオン信号Konおよび
キーオフ信号Koffを発生するキースイッチである。1bは
マウスピースであり、この内部には同図(ロ)に示すよ
うにカンチレバー1cおよび圧力センサ1dが設けられてい
る。カンチレバー1cは、吹奏者がマウスピース1bをくわ
えた時にリードへ与える圧力(この圧力はアンブシュー
ルと呼ばれる)を検出して出力する。一方、圧力センサ
1dは、吹奏者によってマウスピース1b内へ吹き込まれた
息圧を検出して出力する。
このような構成による操作子1は、第3図に示すよう
に、上述した各検出信号をマイクロコンピュータ5へ供
給する。このマイクロコンピュータ5は、第1図に示す
CPU2、ROM3、RAM4および図示されていないAD変換器から
構成されている。こうした構成によるマイクロコンピュ
ータ5は、上記キースイッチ1a,カンチレバー1cおよび
圧力センサ1dのそれぞれから供給された信号をディジタ
ルデータに変換した後、スケーリングなどの処理を施
し、各種データを発生する。これらデータの内、キーオ
ンKon/キーオフKoffデータは、圧力センサ1dの出力信号
が所定値以上であるか否かの判断によって生成されるも
のである。セント値データCは、音高を表すデータであ
り、キースイッチ1aの操作に応じたキーコードに基づい
て生成される。息圧データPは、圧力センサ1dの出力信
号に応じて生成されるものであって、カンチレバー1cか
ら得られるアンブシュールデータEによって吹奏感を出
すように修飾される。
次に、再び第1図を参照して実施例の構成について説
明する。図において、6はノイズ発生器であり、前述し
たサブトーンや、息漏れ音を再現するための雑音データ
Nを発生する。この雑音データNは、後述するマウスピ
ースとリードとの間隙における乱流現象をシミュレート
するために用いられる。なお、このノイズ発生器6の構
成については後述する。7はリード部であり、管楽器の
マウスピースおよびリードからなる部分の動作をシミュ
レートするものである。8は管楽器の管部、すなわち、
共鳴管の伝送特性をシミュレートする管体部である。そ
して、これら構成要素6〜8は、楽音合成回路9を構成
している。
次に、この楽音合成回路9の構成について第4図を参
照して説明する。なお、この図において、前述した第9
図と対応する部分には同一の符号を付してある。この楽
音合成回路9は、励振回路10と、ジャンクション22と、
管体形成回路20とから構成されている。励振回路10は、
減算器13、加算器16,33、乗算器31,32,34、ROM11a,11b
およびフィルタ30a,30bとからなり、管楽器のマウスピ
ース部をシミュレートする回路である。ジャンクション
22は、加算器22aおよび22bからなる。管体形成回路20
は、管楽器における共鳴管をシミュレートする回路であ
り、その詳細については後述する。
まず、このジャンクション22では、乗算器34および管
体形成回路20の出力データが加算器22aによって加算さ
れて管体形成回路20に入力され、管体形成回路20および
加算器22aの出力データが加算器22bによって加算され、
さらに、この加算器22bの出力データがフィルタ30bを介
して減算器13に入力される。このようにすることで、共
鳴管のマウスピース側の端部における空気圧力波の散乱
がシミュレートされる。ここで、フィルタ30bが介挿さ
れているのは、励振回路10と管体形成回路20との間を循
環する信号が特定の周波数で著しく大きくならないよう
にする為である。
減算器13には、吹奏圧に相当する息圧データPが入力
されると共に、フィルタ30bを介した帰還データ(この
データは共鳴管の終端部で反射されてマウスピース側に
戻ってくる空気圧力波に相当する)が入力される。そし
て、マウスピースとリードの間隙における空気圧に相当
するデータが減算器13から出力され、フィルタ30aに入
力される。このフィルタ30aは、リードの動きをシミュ
レートするものであり、入力された信号を帯域制限して
出力する。これは、リードへの圧力を変化させた場合、
リード自身の慣性等があるため、リードの変位に遅れが
生じる。さらに、この圧力変化の周波数が高いとリード
は反応しなくなる。こうした圧力変化に応じたリードの
追随性をシミュレートするように、このフィルタ30aで
は帯域制限が行われる訳である。加えて、このフィルタ
30aにあっては、前述したアンブシュールデータEに応
じてリードに初期変位を与えるように構成されている。
こうしたフィルタ30aの出力データP1には、加算器16
によって、アンブシュールデータEがオフセットとして
加算され、実際にリードに加えられる圧力に相当するデ
ータP2が求められる。そして、このデータP2は、ROM11a
に入力され、該ROM11aに記憶されている非線形関数A
(第10図参照)により、マウスピースとリードとの間隙
部分の空気流に対するアドミッタンスに相当するデータ
Yにテーブル変換される。続いて、このデータYと定数
bとが、乗算器31によって乗算される。ここで、この定
数bはマウスピースとリードとの間隙幅に相当する値で
あるから、この乗算によりマウスピースとリードとの間
隙を通過する空気流の流速に相当するデータFLが求めら
れる。
ところで、マウスピースとリードとの間隙部分におけ
る空気流の流速は、空気圧に応じて変化するが、ある速
度に達すると飽和してしまう。第5図は、こうした空気
流の流速の飽和特性を示す非線形特性Bの一例を示した
ものである。この飽和特性は、非線形関数Bのテーブル
としてROM11bに記憶されている。そして、このROM11bに
は、減算器13の出力、すなわち、前述したマウスピース
とリードの間隙における空気圧に相当するデータが入力
されることによって、テーブル変換がなされ、飽和状態
における空気流速を表すデータが出力される。このデー
タは、乗算器32において上述したデータFLと乗算され、
この結果、間隙部における真の空気流速を表すデータf
が求められる。
次に、このデータfに応じて雑音データNを発生する
ノイズ発生器6の構成について第6図を参照して説明す
る。この図において、40は減算器40a,40e、加算器40b,4
0g、係数乗算器40c,40fおよび遅延回路40d,40hから構成
される2次のローパスフィルタである。このローパスフ
ィルタ40は、マウスピースとリードとの間隙における乱
流現象をシミュレートするため、外部から供給されるホ
ワイトノイズ信号WNをフィルタリングし、これを雑音デ
ータNとして出力する。このフィルタリングは、ホワイ
トノイズ信号WNのスペクトル分布を乱流のスペクトル分
布に近似するものであり、この乱流のスペクトル分布
は、後述するようにデータfのレイノルズ数Rに応じて
決るものである。41は乗算器41a,41cと演算器41bとから
構成されるフィルタ定数発生回路であり、その詳細につ
いては後述する。
ここで、上述したホワイトノイズ信号WNのフィルタリ
ングについて説明する。まず、レイノルズ数Rとは、流
体における流れの状態を表す値であって、一般にこの値
が2000(無次元量)以下では層流となり、これ以上では
乱流となることが知られている。コルモゴロフ則によれ
ば、このレイノルズ数Rが大きくなればなる程、乱流の
スペクトル成分は低周波領域まで伸び、その直流分のエ
ネルギーはレイノルズ数Rにほぼ比例するとしている。
そこで、スペクトル分布が一様なホワイトノイズ信号WN
をレイノルズ数Rに応じてフィルタリングを行えば、所
望のスペクトル分布を持つ乱流を近似することができ
る。
このような原理に基づき、このローパスフィルタ40で
は、係数乗算器40fの係数αをデータfのレイノルズ
数Rに応じて変化させ、その周波数特性を第7図に示す
ものにしている。同図では、横軸にlog周波数、縦軸にd
B振幅をとり、係数αが0.1、0.03、0.01、0.003およ
び0.001の各場合における周波数特性を示してある。
ところで、この周波数特性とレイノルズ数Rとの相関
を見ると、係数αとR−1/2とが比列関係にあるのが
分る。そこで、上述したフィルタ定数発生回路41では、
まず、乗算器41aにおいて前述したデータfと定数C1
を乗算してレイノルズ数Rを求める。ここで、この定数
C1は、a/νで与えられる値であり、aは流れの太さ、幅
などを代表する値、νは動粘性係数である。このように
して求めたレイノルズ数Rは、演算器41bによりR−1/2
の演算がなされ、これが乗算器41cにおいて定数C2と乗
算される。定数C2は、係数αとR−1/2との両者を対
応させるための値である。こうして乗算器41cから出力
される係数データDαは、前述したローパスフィルタ
40における係数乗算器40fの乗算係数αを設定する。
この結果、時々刻々と変化するデータfのレイノルズ数
Rに応じてローパスフィルタ40のカットオフ周波数が制
御され、乱流をシミュレートした雑音データNが出力さ
れる。
次に、この雑音データNは、加算器33(第4図参照)
によってデータfと加算され、この結果、乱流に相当す
るデータがオフセットとして付与されたデータFLNが出
力される。そして、このデータFLNには、乗算器34によ
って定数Zが乗じられる。この定数Zは、管楽器のリー
ド取り付け部付近の管径に応じて決められる値であり、
空気流の通りにくさ、すなわち、空気流に対するインピ
ーダンスに相当するものである。こうした乗算により、
管内における空気圧に相当するデータが得られ、このデ
ータがジャンクション22の加算器22aを介して管体形成
回路20に入力される。そして、管体形成回路20の出力デ
ータがジャンクション22へ出力され、フィルタ30bを介
して減算器13に入力され、再び前述と同様の信号処理が
行われる。
ここで、第8図を参照して管体形成回路20の構成につ
いて説明する。この図において、20a,…,20aはシフトレ
ジスタで構成される遅延回路であり、共鳴管における空
気圧力波の伝播遅延をシミュレートする。20b,…,20b
は、これら遅延回路20aの間に介挿されたジャンクショ
ンである。20cはインバータであり、この共鳴管の終端
部における空気圧力波の反射をシミュレートする。20d
はローパスフィルタ(LPF)、20eはハイパスフィルタ
(HPF)である。このような構成によれば、最終段の遅
延回路20aから出力される信号は、LPF20dを通って管端
で反射するものと、HPF20eを通って楽音出力として出力
されるものとに分れる。ここで、HPF20eを介挿している
のは、管楽器における音響放射インピーダンス特性が高
域通過特性であるからである。なお、図示されている遅
延量d1〜dn、ジャンクション係数k1〜kn-1およびフィル
タ係数FCL,FCHは、前述したキーコード、アンブシュー
ルデータE、息圧データPをもとに演算を行った結果与
えられるものであり、この演算はCPU2により実行され
る。
このように構成された楽音合成回路9では、マウスピ
ースとリードとの間隙を通過する空気流の流速に相当し
たデータfに応じた乱流の雑音データNがオフセットと
して付与されるので、実際の管楽器における雑音発生メ
カニズムに即した信号処理が行われる。こうした信号処
理を経て出力される楽音信号は、第1図に示すサウンド
システム40に供給され、このサウンドシステム40がスピ
ーカSPから楽音として発音するための処理を行う。これ
により、実際の管楽器吹奏において、息を強く吹き込ん
でマウスピースとリードとの間隙部分の空気流速度が飽
和した時に雑音が大きくなるサブトーンや、息漏れ音な
どの雑音効果を忠実に再現できるようになる。
なお、上述した実施例では、第11図(イ)に示すよう
に加算器33においてデータfに雑音データNを加算する
ようにしたが、雑音データNの直流分の乗り方によって
は、同図(ロ)に示すように加算器35および乗算器36を
設け、雑音データNに1を加算してからデータfと乗算
するようにしても良い。このようにすると、デーあfが
雑音データNで変調される。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、雑音制御手
段が励振信号に応じて雑音信号の特性を制御することに
より、雑音発生手段が管内乱流を近似した雑音信号を発
生し、雑音重畳手段がループ手段を循環する循環信号に
当該雑音信号を重畳させるので、実際の雑音発生メカニ
ズムに即した楽音合成がなされ、演奏時に発生される雑
音が忠実に再現されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による楽音合成装置の全体
構成を示すブロック図、第2図は同実施例における操作
子1の一例を示す外観図である。第3図は同実施例にお
ける情報変換回路の構成を示すブロック図、第4図は楽
音合成回路9の構成を示すブロック図、第5図はROM11b
に記憶された非線形関数Bを説明する図、第6図はノイ
ズ発生器6の構成を示すブロック図、第7図はローパス
フィルタ40の周波数特性を示す図、第8図は管体形成回
路20の構成を示すブロック図、第9図は従来の楽音合成
装置の構成を示すブロック図、第10図は第4図および第
9図における非線形関数Aを説明する図、第11図はデー
タfに雑音データNを付与する一例を示すブロック図で
ある。 5……マイクロコンピュータ、 6……ノイズ発生器、7……リード部、 8……管体部、40……ローパスフィルタ、 41……フィルタ定数発生回路。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】励振信号を発生する励振手段と、少なくと
    も所定時間自己の入力信号を遅延すると共に、前記励振
    信号を繰り返し循環させるループ手段とから構成され、
    このループ手段の循環信号を楽音信号として用いるよう
    にした楽音合成装置において、 雑音信号を発生する雑音発生手段と、 前記励振信号に応じて、前記雑音発生手段が発生する雑
    音信号の特性を制御する雑音制御手段と、 前記ループ手段を循環する循環信号に前記雑音発生手段
    が発生する雑音信号を重畳させて、該重畳した信号を前
    記ループ手段へ出力する雑音重畳手段と を具備し、 前記励振信号に応じた特性の雑音信号を前記ループ手段
    を循環する循環信号に重畳することを特徴とする楽音合
    成装置。
  2. 【請求項2】前記雑音制御手段は、前記励振信号および
    前記ループ手段を循環する循環信号に応じて、前記雑音
    発生手段が発生する雑音信号の特性を制御することを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の楽音合成装置。
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