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JP2501868B2 - 結晶性ガロアルミノシリケ―トの製造方法および芳香族炭化水素の製造方法 - Google Patents

結晶性ガロアルミノシリケ―トの製造方法および芳香族炭化水素の製造方法

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JP2501868B2
JP2501868B2 JP63118185A JP11818588A JP2501868B2 JP 2501868 B2 JP2501868 B2 JP 2501868B2 JP 63118185 A JP63118185 A JP 63118185A JP 11818588 A JP11818588 A JP 11818588A JP 2501868 B2 JP2501868 B2 JP 2501868B2
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crystalline
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aromatic hydrocarbon
crystalline galloaluminosilicate
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は結晶性ガロアルミノシリケートの製造方法お
よび芳香族炭化水素の製造方法に関し、詳しくは高温度
で焼成して変性することによって、触媒性能のすぐれた
結晶性ガロアルミノシリケートを効率よく製造する方
法、およびこの結晶性ガロアルミノシリケートを触媒成
分として用いることによって、芳香族炭化水素を効率よ
く製造する方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来から、各種の炭化水素原料から芳香族炭化水素を
製造するにあたって、触媒として様々なゼオライトを用
いることが知られている。例えば、炭素数2〜12の炭化
水素原料から芳香族炭化水素を製造する際に、スチーム
で変性した結晶性ガロアルミノシリケートを触媒として
使用する方法(特表昭60−501357号公報)、あるいは炭
素数2〜4のパラフィンを50%より多く含有する脂肪族
炭化水素混合物から芳香族炭化水素を製造するにあたっ
て、触媒としてSiO2/Ga2O3=25〜100(モル比),Y2O3
/Ga2O3<1(モル比)(YはAl,Fe,Co,Cr)である結晶
性珪質ガリウムを使用する方法(特開昭59−98020号公
報)、さらには炭素数2〜4のパラフィンを50%より多
く含有する脂肪族炭化水素混合物から芳香族炭化水素を
製造するにあたり、SiO2/Ga2O3=25〜250(モル比),
Y2O3/Ga2O3<1(モル比)(YはAl,Fe,Co,Cr)である
結晶性珪質ガリウムであって、これを0.1〜5重量%の
コークスを付着させる第1段階及び350〜700℃の温度で
酸素含有ガスと接触させる第2段階の二段階処理を一回
ないし数回行ったもの、あるいは二段階処理を実施する
前に600〜1000℃の温度で2〜8時間焼成したものを触
媒として使用する方法(特開昭59−98022号公報)など
がある。
しかしながら、上記特表昭60−501357号公報に記載さ
れた方法は、芳香族炭化水素の収率が低く、また触媒寿
命も短いという問題があり、特開昭59−98020号公報に
記載された方法は、これもまた触媒寿命も短いという問
題がある。さらに、特開昭59−98022号公報に記載され
た方法は、触媒は調整する際に多段処理が必要であって
操作が煩雑になり、しかも芳香族炭化水素の収率が低
く、そのうえ触媒寿命も未だ充分でないという問題があ
る。
そこで、本発明は上述したような従来方法および触媒
の問題点を解消し、各種の炭化水素原料から長時間にわ
たって高収率で芳香族炭化水素を製造することのできる
方法ならびにそれに適した触媒を開発すべく鋭意研究を
重ねた。
〔課題を解決するための手段〕
その結果、ZSM−5型(MFI型)結晶構造の結晶性ガロ
アルミノシリケートを、高温下で焼成して変性したも
の、あるいは予め水酸化アルカリ水溶液で処理した後に
焼成して変性したものが、上記目的にかなったものとな
ることを見出した。本発明はかかる知見により完成した
ものである。
すなわち、本発明は水熱反応により得られるZSM−5
型結晶構造を有するガロアルミノシリケートを700〜100
0℃にて焼成することを特徴とするZSM−5型結晶構造を
有する変性された結晶性ガロアルミノシリケートの製造
方法(方法I)を提供するとともに、水熱反応により得
られるZSM−5型結晶構造を有するガロアルミノシリケ
ートを、水酸化アルカリ水溶液で処理し、しかる後に70
0〜1000℃にて焼成することを特徴とするZSM−5型結晶
構造を有する変性された結晶性ガロアルミノシリケート
の製造方法(方法II)を提供する。さらに本発明は、炭
素数2〜12の炭化水素を触媒と接触させて芳香族炭化水
素を製造するにあたり、上記方法Iあるいは方法IIで得
られた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを含む
触媒を用いることを特徴とする芳香族炭化水素の製造方
法(方法III)をも提供するものである。
本発明の方法IおよびIIにおいて、原料として用いら
れるZSM−5型結晶構造を有する結晶性ガロアルミノシ
リケートは、様々なものがあるが、好ましくは酸化物の
形態で表わしたときにSiO2/Al2O3≧12(モル比),Ga2
O3/Al2O3=0.0001〜2(モル比)となるものである。
ここで、上記原料としての結晶性ガロアルミノシリケー
トは、有機化合物が含有されているものでもよく、また
含有されていないものでもよい。なお、この結晶性ガロ
アルミノシリケートに含有されている有機化合物は、通
常は該結晶性ガロアルミノシリケートの生成過程で用い
られた結晶化剤である。
このような本発明の方法IおよびIIの原料としての結
晶性ガロアルミノシリケートは、各成分源の水溶液なら
びに適当な結晶化剤を混合して所定の温度,圧力にて水
熱反応させることによって得ることができる。
ここで用いる各成分源は、ケイ素源(シリカ源),ア
ルミニウム源(アルミナ源),ガリウム源および他の金
属源(例えばアルカリ金属源,アルカリ土類金属源な
ど)等がある。
上記ケイ素源としては様々なものが使用可能であり、
例えばシリカ粉末,珪酸,コロイド状シリカ,溶解シリ
カなどをあげることができる。この溶解シリカとして
は、酸化ナトリウムまたは酸化カリウム1モルに対して
酸化ケイ素1〜5モルを含有する水ガラス珪酸,アルカ
リ金属珪酸塩などがある。また、アルミニウム源として
は種々あるが、硫酸アルミニウム,アルミン酸ナトリウ
ム,コロイド状アルミナ,アルミナ等をあげることがで
きる。
一方、ガリウム源としても各種のものがあるが、硝酸
ガリウム,酸化ガリウム等をあげることができる。さら
に、アルカリ(土類)金属源としては、塩化ナトリウ
ム,塩化カリウム,塩化カルシウム,塩化マグネシウム
等様々なものがあるが、上述の溶解シリカなどを用いれ
ば、ケイ素源を兼ねることができ、またアルミン酸ナト
リウムなどを用いれば、アルミニウム源を兼ねることが
できる。
その他、稀土類金属や周期律表第VIII族金属の塩化
物,酸化物,水酸化物,炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを
必要に応じて加えることもできる。
また、このような各成分源とともに用いる結晶化剤
は、従来からZSM−5型ゼオライトの製造の際に使用さ
れている結晶化剤を充当すればよく、特に制限はない。
つまり、各種の有機化合物あるいはアンモニアなどが用
いられる。ここで上記有機化合物としては、第四級アル
キルアンモニウム塩(臭化テトラメチルアンモニム,臭
化テトラエチルアンモニム,臭化モノエチルトリメチル
アンモニム,臭化テトラ−n−プロピルアンモニム,臭
化トテラ−i−プロピルアンモニム,臭化テトラブチル
アンモニム,臭化モノベンジルトリエチルアンモニム
等)をはじめとして、第一級アルキルアミン類,第二級
アルキルアミン類,第三級アルキルアミン類,アルコー
ルアミン類(コリンなど),アルコール類,エーテル
類,アミド類などをあげることができる。このうち特に
第四級アルキルアンモニウム塩が好ましい。
上述の各成分源および結晶化剤を、水あるいは水を主
成分とする水性媒体に加えて水性混合物とし、これを水
熱反応させることにより、ZSM−5型の結晶構造を有す
る結晶性ガロアルミノシリケートを得る。この際の水熱
反応の条件は、特に制限はなく要するにZSM−5型の結
晶構造のゼオライトが生成するに必要な温度,圧力およ
び時間で加熱すればよい。また、反応系は通常撹拌下に
おき、雰囲気は必要により不活性ガスで置換してもよ
い。なお、pHは中性〜アルカリ性に調整しておくことが
好ましい。
このようにして得られるZSM−5型の結晶構造を有す
る結晶性ガロアルミノシリケートには、水熱反応の際に
用いた結晶化剤等の有機化合物が含有されている。
本発明の方法Iによれば、このようにして得られる結
晶性ガロアルミノシリケートを、そのまま(即ち、有機
化合物が含有されている状態)あるいは予め低温焼成し
た後(即ち、有機化合物が消失した状態)に、700〜100
0℃、好ましくは740〜850℃にて焼成し変性することに
よって、目的とする変性された結晶性ガロアルミノシリ
ケートを得る。この変性は通常は乾燥した空気,水素ガ
スあるいは窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で進行する
が、特に乾燥した空気中で行うのが最も好ましい。ここ
で加熱温度が700℃未満では変性が充分でないため、得
られる結晶性ガロアルミノシリケートを各種炭化水素原
料から芳香族炭化水素を製造する反応の触媒として用い
た場合に、その触媒性能ならびに触媒寿命が変性前に比
べてほとんど改善されない。また、加熱温度が1000℃を
超えると結晶構造が崩壊し、触媒活性を失うという問題
が生ずる。
また、本発明の方法IIによれば、前述の水熱反応で得
たZSM−5型結晶構造を有するガロアルミノシリケー
ト、好ましくは有機化合物含有のZSM−5型結晶構造を
有するガロアルミノシリケートを、まず水酸化アルカリ
水溶液で処理し、その後そのままの状態で、あるいはさ
らに予め低温焼成した後に、前述した700〜1000℃の焼
成処理(変性処理)を行う。ここで、水酸化アルカリ処
理は、水酸化カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カル
シウム,水酸化バリウム等の濃度0.1〜10規定、好まし
くは0.5〜2規定の水溶液を用い、温度0〜100℃の条件
で30分〜3日間程度、前記ガロアルミノシリケートを接
触処理すればよい。この水酸化アルカリ処理を行うこと
により、最終的に得られる変性された結晶性ガロアルミ
ノシリケートの触媒性能およびその寿命を一層向上させ
ることができる。
本発明の方法IIでは、上記水酸化アルカリ処理を行っ
た後に、該処理済のガロアルミノシリケートを700〜100
0℃の温度で焼成して変性するが、この焼成の際の条件
は、前述の本発明の方法Iの場合と同様である。
本発明の方法I,IIによって得られる変性された結晶性
ガロアルミノシリケートの結晶構造は、基本的には原料
であるガロアルミノシリケートと同じであり、ZSM−5
型の結晶構造である。また、この結晶性ガロアルミノシ
リケートは、酸化物の形態で表わしたときに SiO2/Al2O3≧12(モル比), Ga2O3/Al2O3=0.0001〜2(モル比) となり、さらに詳しくは式 0.9±0.2M2/nO・Al2O3・aGa2O3・bSiO2・zH2O で表わされる。ここでMはアルカリ金属(ナトリウム,
カリウムなど),アルカリ土類金属(カルシウム,マグ
ネシウム,バリウムなど),稀土類金属(ランタン,セ
リウムなど),周期律表第VIII族金属(白金,鉄,コバ
ルト,ニッケルなど)あるいはこれらの混合物または水
素を示す。また、nは上記Mの原子価である。さらにa
は0.0001〜2、好ましくは0.1〜1.0であり、bは12以
上、好ましくは30〜300であり、zは0〜40である。
次に、本発明の芳香族炭化水素の製造方法(方法II
I)では、上記の変性された結晶性ガロアルミノシリケ
ートを主成分とする触媒を用いる。通常はこのガロアル
ミノシリケートに粘土,化学処理された粘土あるいはシ
リカ,シリカ・アルミナ,アルミナなどの無機酸化物等
のバインダーを、ガロアルミノシリケートが1〜95重量
%、好ましくは10〜70重量%となるように混合したもの
を触媒として用いる。
本発明の方法IIIで原料として用いる炭素数2〜12の
炭化水素としては、様々なものがあるが、例えばパラフ
ィン系炭化水素,オレフィン系炭化水素,アセチレン系
炭化水素,環状パラフィン系炭化水素,環状オレフィン
系炭化水素の一種あるいは二種以上の混合物であって、
炭素数2〜12の炭化水素を主成分とするもの、具体的に
はエタン,プロパン,ブタン−ブチレン留分(BB留
分),エチレン,プロピレンあるいはナフサ留分などを
あげることができる。
本発明の方法IIIは、上記炭化水素を原料とするとと
もに、上述した変性された結晶性ガロアルミノシリケー
トを触媒として用いるわけであるが、他の条件は特に制
限はない。しかし、一般的には反応温度200〜800℃、好
ましくは400〜650℃とし、反応圧力0〜30kg/cm2、好ま
しくは0〜10kg/cm2とする。また反応形式は回分式でも
よいが好ましくは連続式(流通式)であり、反応系の状
態は液相でもよいが、気相が好ましく、さらに触媒の反
応系における状態は固定床,移動床,流動床のいずれで
もよい。反応形式が連続式の場合は触媒の使用量は、通
常は重量空間速度(WHSV)0.1〜100hr-1、好ましくは1
〜10hr-1である。また、反応系には希釈剤として水素ガ
スあるいは不活性ガス(例えば窒素ガスなど)を導入す
ることもできる。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例及び比較例により更に詳しく説
明する。
参考例1(結晶性ガロアルミノシリケートの調製) 硫酸アルミニウム7.6g,硝酸ガリウム6.9g,濃度97%硫
酸15.0gおよび臭化テトラプロピルアンモニウム26.4gを
水250mlに溶かしてA液を得た。一方、水ガラス(SiO2:
28.4重量%,Na2O:9.5重量%)214gを水212mlに溶かし
てB液を得、また水122mlに塩化ナトリウム80gを溶かし
てC液を得た。
次いで、上記A液とB液を滴下ロートを用いて同時に
C液中に少量ずつ滴下混合した。滴下終了後、5規定の
硫酸を加えてpHを9.5に調整し、オートクレーブで自己
圧力下(6.5kg/cm2G)にて、170℃,20時間水熱反応さ
せた。冷却後、沈殿物を分離し、水で5回洗浄してから
120℃で乾燥した。得られた固体生成物のX線回折パタ
ーンを調べたところ、ZSM−5ゼオライトのX線回折パ
ターンと同じものであることが確認された。
続いて、この固体生成物を、540℃,3時間、空気流通
下で焼成後、1規定硝酸アンモニウム溶液で80℃,2時間
イオン交換し、水洗後120℃で乾燥した。その後、さら
に上記焼成,イオン交換,乾燥を繰り返して結晶性ガロ
アルミノシリケートを得た。なお、この結晶性ガロアル
ミノシリケートを分析したところ成分組成(酸化物表
示)が、SiO2:Al2O3:Ga2O3=80:1:0.7(モル比)であ
るこたがわかった。
実施例1 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 上記参考例1で得られた結晶性ガロアルミノシリケー
トを700℃で3時間乾燥空気流通下で焼成して、変性さ
れた結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 上記実施例1(1)で得られた変性された結晶性ガロ
アルミノシリケートを触媒とし、第1表に示す組成の軽
質ナフサを原料として、等温反応器中で、温度500℃,WH
SV(重量空間速度)2.0hr-1,圧力1気圧の条件で反応
を進行させた。この反応において、芳香族炭化水素の収
率が60重量%以上を保持できる時間を測定した。結果を
第2表に示す。
実施例2 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 実施例1(1)において、焼成温度を740℃としたこ
と以外は、実施例1(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記実施例2(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
実施例3 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 実施例1(1)において、焼成温度を780℃としたこ
と以外は、実施例1(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記実施例3(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
実施例4 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 実施例1(1)において、焼成温度を820℃としたこ
と以外は、実施例1(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記実施例4(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例1 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 実施例1(1)において、焼成温度を600℃としたこ
と以外は、実施例1(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例1(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例2 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 実施例1(1)において、焼成温度を660℃としたこ
と以外は、実施例1(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例2(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例3 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 上記参考例1で得られた結晶性ガロアルミノシリケー
トを、500℃で1時間、20%のスチームを含んだ空気で
焼成(スチーム処理)し、その後さらに、540℃で3時
間乾燥空気流通下で焼成して、変性された結晶性ガロア
ルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例3(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例4 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 比較例3(1)において、スチーム処理を2時間とし
たこと以外は、比較例3(1)と同様の操作を行って、
変性された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例4(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例5 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 比較例3(1)において、スチーム処理を3時間とし
たこと以外は、比較例3(1)と同様の操作を行って、
変性された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例5(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
したこと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を
行い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持
できる時間を測定した。結果を第2表に示す。
比較例6 (1)結晶性ガロアルミノシリケートの変性 比較例3(1)で得られた変性された結晶性ガロアル
ミノシリケートを、第1段階でn−ブタンと温度600
℃,圧力1.5バール,WHSV8hr-1の条件で30分接触させ
て、ガロアルミノシリケート上に約1重量%のコークス
を付着させ、次いで第2段階でさらに温度500℃,圧力
1.5バールにおいて1時間乾燥空気と接触させてこの付
着コークスを除去して変性結晶性ガロアルミノシリケー
トを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例6(1)で得ら
れた変性結晶性ガロアルミノシリケートを触媒としたこ
と以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を行い、
また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持できる
時間を測定した。その結果、保持時間は28時間であっ
て、実施例3の57時間の半分以下であった。
参考例2(結晶性アルミノシリケートの調製) 参考例1において、硫酸アルミニウム7.6g,硫酸17.6g
および臭化テトラプロピルアンモニウム26.4gを水250ml
に溶かしてA液を得たこと以外は、参考例1と同様にし
て結晶性アルミノシリケートを調製した。このもののX
線回折パターンを調べたところ、ZSM−5ゼオライトの
X線回折パターンと同じものであることが確認された。
また、分析の結果、成分組成(酸化物表示)は、SiO2
Al2O3=80:1(モル比)であった。
比較例7 (1)結晶性アルミノシリケートの変性 上記参考例2で得られた結晶性アルミノシリケート
を、600℃で3時間乾燥空気流通下で焼成して、変性さ
れた結晶性アルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例7(1)で得ら
れた変性された結晶性アルミノシリケートを触媒とした
こと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を行
い、反応開始1時間後の芳香族炭化水素の収率を測定し
たところ、29重量%であった。
比較例8 (1)結晶性アルミノシリケートの変性 比較例7(1)において、焼成温度を780℃としたこ
と以外は、比較例7(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性アルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例1(2)において、上記比較例8(1)で得ら
れた変性された結晶性アルミノシリケートを触媒とした
こと以外は、実施例1(2)と同様の条件で反応を行
い、反応開始1時間後の芳香族炭化水素の収率を測定し
たところ、30重量%であった。
これらの結果から、ガリウムを含有しないZSM−5型
のゼオライト(結晶性アルミノシリケート)では、高温
で加熱して変性してもほとんど効果のないことがわか
る。
参考例3(結晶性ガロアルミノシリケートの調製) 硫酸アルミニウム7.6g,硝酸ガリウム6.9g,濃度97%硫
酸15.0gおよび臭化テトラプロピルアンモニウム26.4gを
水250mlに溶かしてA液を得た。一方、水ガラス(SiO2:
28.4重量%,Na2O:9.5重量%)214gを水212mlに溶かし
てB液を得、また水122mlに塩化ナトリウム80gを溶かし
てC液を得た。
次いで、上記A液とB液を滴下ロートを用いて同時に
C液中に少量ずつ滴下混合した。滴下終了後、5規定の
硫酸を加えてpHを9.5に調整し、1のオートクレーブ
で自己圧力下(6.5kg/cm2G)にて、170℃,20時間,300r
pmで攪拌しながら水熱反応させた。冷却後、沈殿物を分
離し、過剰の水で充分洗浄してから120℃で一昼夜乾燥
した。得られた固体生成物(結晶性ガロアルミノシリケ
ート)のX線回折パターンを調べたところ、ZSM−5ゼ
オライトのX線回折パターンと同じものであることが確
認された。
続いて、この固体生成物を、1規定水酸化ナトリウム
水溶液と混合し、湯浴にて50℃で1時間攪拌しながら処
理した。
続いて、この固体生成物を540℃,3時間、空気流通下
で焼成後、1規定硝酸アンモニウム溶液で80℃,2時間イ
オン交換し、水洗後120℃で乾燥した。その後、さらに
上記焼成,イオン交換,乾燥を繰り返してアルカリ処理
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。なお、こ
のアルカリ処理結晶性ガロアルミノシリケートを分析し
たところ成分組成(酸化物表示)が、SiO2:Al2O3:Ga2
O3=80:1:0.7(モル比)であることがわかった。
実施例5 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 上記参考例3で得られたアルカリ処理結晶性ガロアル
ミノシリケートを、700℃で3時間乾燥空気流通下で焼
成して、変性された結晶性ガロアルミノシリケートを得
た。
(2)芳香族炭化水素の製造 上記実施例5(1)で得られた変性された結晶性ガロ
アルミノシリケートを触媒とし、第1表に示す組成の軽
質ナフサを原料として、等温反応器中で温度500℃,WHSV
2.0hr-1,圧力1気圧の条件で反応を進行させた。
この反応において、芳香族炭化水素の収率が60重量%
以上を保持できる時間を測定した。結果を第3表に示
す。
実施例6 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 実施例5(1)において、焼成温度を740℃としたこ
と以外は、実施例5(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例5(2)において、上記実施例6(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
した以外は、実施例5(2)と同様の条件で反応を行
い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持す
る時間を測定した。結果を第3表に示す。
実施例7 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 実施例5(1)において、焼成温度を780℃としたこ
と以外は、実施例5(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例5(2)において、上記実施例7(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
した以外は、実施例5(2)と同様の条件で反応を行
い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持で
きる時間を測定した。結果を第3表に示す。
実施例8 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 実施例5(1)において、焼成温度を820℃としたこ
と以外は、実施例5(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例5(2)において、上記実施例8(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
した以外は、実施例5(2)と同様の条件で反応を行
い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持で
きる時間を測定した。結果を第3表に示す。
比較例9 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 実施例5(1)において、焼成温度を600℃としたこ
と以外は、実施例5(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例5(2)において、上記比較例9(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
した以外は、実施例5(2)と同様の条件で反応を行
い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持で
きる時間を測定した。結果を第3表に示す。
比較例10 (1)アルカリ処理された結晶性ガロアルミノシリケー
トの変性 実施例5(1)において、焼成温度を660℃としたこ
と以外は、実施例5(1)と同様の操作を行って、変性
された結晶性ガロアルミノシリケートを得た。
(2)芳香族炭化水素の製造 実施例5(2)において、上記比較例10(1)で得ら
れた変性された結晶性ガロアルミノシリケートを触媒と
した以外は、実施例5(2)と同様の条件で反応を行
い、また芳香族炭化水素の収率が60重量%以上を保持で
きる時間を測定した。結果を第3表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法I,IIにより得られた変性された結晶性ガ
ロアルミノシリケートは、従来の結晶性アルミノシリケ
ートおよび結晶性ガロアルミノシリケートに比べて触媒
としての性能および寿命が長く、また簡単な変性操作で
得られるため、芳香族炭化水素の製造用の触媒としては
勿論、そのほかの反応の触媒あるいは吸着剤等としても
有効な利用が期待される。また、上記変性された結晶性
ガロアルミノシリケートを触媒として用いる本発明の方
法IIIによれば、炭素数2〜12の各種炭化水素から長時
間にわたって高収率で芳香族炭化水素を製造することが
できる。
したがって、本発明の方法IIIは燃料油の製造あるい
は化成品、特にベンゼン,トルエン,キシレンの製造に
有効に利用される。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水熱反応により得られるZSM−5型結晶構
    造を有するガロアルミノシリケートを700〜1000℃にて
    焼成することを特徴とするZSM−5型結晶構造を有する
    変性された結晶性ガロアルミノシリケートの製造方法。
  2. 【請求項2】水熱反応により得られるZSM−5型結晶構
    造を有するガロアルミノシリケートを、水酸化アルカリ
    水溶液で処理し、しかる後に700〜1000℃にて焼成する
    ことを特徴とするZSM−5型結晶構造を有する変性され
    た結晶性ガロアルミノシリケートの製造方法。
  3. 【請求項3】炭素数2〜12の炭化水素を触媒と接触させ
    て芳香族炭化水素を製造するにあたり、請求項1あるい
    は2記載の変性された結晶性ガロアルミノシリケートを
    含む触媒を用いることを特徴とする芳香族炭化水素の製
    造方法。
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