JP2500316B2 - 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 - Google Patents
1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法Info
- Publication number
- JP2500316B2 JP2500316B2 JP63279083A JP27908388A JP2500316B2 JP 2500316 B2 JP2500316 B2 JP 2500316B2 JP 63279083 A JP63279083 A JP 63279083A JP 27908388 A JP27908388 A JP 27908388A JP 2500316 B2 JP2500316 B2 JP 2500316B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tetrakis
- naphthalene
- halogenomethyl
- reaction
- formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規化合物である1,4,5,8−テトラキス
(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、ならびにその化
合物の製造方法に関する。
(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、ならびにその化
合物の製造方法に関する。
従来から、ナフタレンのペリ位(1,8位)にハロゲノ
メチル基−(−CH2X,Xはハロゲン原子)が置換した1,8
−ビス(ハロゲノメチル)ナフタレンはよく知られた化
合物である。
メチル基−(−CH2X,Xはハロゲン原子)が置換した1,8
−ビス(ハロゲノメチル)ナフタレンはよく知られた化
合物である。
しかしながら、ナフタレン環の、更に、他のペリ位
(4,5位)にもハロゲノメチル基が置換したビスペリ置
換体の1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタ
レンは、応用面での幅広い用途が期待されているにもか
かわらず、合成が困難であった。
(4,5位)にもハロゲノメチル基が置換したビスペリ置
換体の1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタ
レンは、応用面での幅広い用途が期待されているにもか
かわらず、合成が困難であった。
本発明は、新規化合物の1,4,5,8−テトラキス(ハロ
ゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその化合物の製
造方法を提供することを目的とするものである。
ゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその化合物の製
造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成する本発明に係る新規化合物の1,4,5,
8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は
下記一般式(II)で示される。
8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は
下記一般式(II)で示される。
ただし(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基
−[SC(NH2)2]+X-であり、Xは臭素原子または塩素
原子である。
−[SC(NH2)2]+X-であり、Xは臭素原子または塩素
原子である。
また、上記一般式(II)で示される1,4,5,8−テトラ
キス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は、下記構造
式(I)で示される1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメ
チル)ナフタレンをチオ尿素で処理することにより製造
される。
キス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は、下記構造
式(I)で示される1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメ
チル)ナフタレンをチオ尿素で処理することにより製造
される。
ただし(I)式中、Xは臭素原子又は塩素原子であ
る。
る。
そして上記一般式(I)で示される1,4,5,8−テトラ
キス(ハロゲノメチル)ナフタレンは、下記構造式
(A)で示される1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレンにハロゲン化剤を作用させることによ
り製造される。
キス(ハロゲノメチル)ナフタレンは、下記構造式
(A)で示される1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレンにハロゲン化剤を作用させることによ
り製造される。
また一般式(I)において、Xが塩素原子の、下記構
造式(C)で示される1,4,5,8−テトラキス(クロロメ
チル)ナフタレンは、上記のように1,4,5,8−テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)とハロゲン化
剤との反応によって製造される以外に、下記構造式
(B)で示される1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチ
ル)ナフタレンをハロゲン交換剤で処理するハロゲン交
換反応を利用しても製造することができる。
造式(C)で示される1,4,5,8−テトラキス(クロロメ
チル)ナフタレンは、上記のように1,4,5,8−テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)とハロゲン化
剤との反応によって製造される以外に、下記構造式
(B)で示される1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチ
ル)ナフタレンをハロゲン交換剤で処理するハロゲン交
換反応を利用しても製造することができる。
1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン
(I)の製造方法によれば、反応はエーテル類やベンゼ
ンなどの不活性有機溶媒中で行われる。先ず、原料の1,
4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン
(A)に上記不活性有機溶媒を加えて懸濁液をつくり、
次に、これにハロゲン化剤を滴下してハロゲン化反応を
行う。ハロゲン化剤としては、三臭化リンなどのハロゲ
ン化リンや塩化チオニルなどのハロゲン化チオニルなど
が用いられる。通常、ハロゲン化剤は約5倍量と過剰に
作用し、これを数回に分けて添加してハロゲン化反応を
完結させるようにする。反応温度は室温ないし50℃の範
囲であり、また、反応収率を上げるために、反応中たえ
ず効率よく撹拌することが好ましい。
(I)の製造方法によれば、反応はエーテル類やベンゼ
ンなどの不活性有機溶媒中で行われる。先ず、原料の1,
4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン
(A)に上記不活性有機溶媒を加えて懸濁液をつくり、
次に、これにハロゲン化剤を滴下してハロゲン化反応を
行う。ハロゲン化剤としては、三臭化リンなどのハロゲ
ン化リンや塩化チオニルなどのハロゲン化チオニルなど
が用いられる。通常、ハロゲン化剤は約5倍量と過剰に
作用し、これを数回に分けて添加してハロゲン化反応を
完結させるようにする。反応温度は室温ないし50℃の範
囲であり、また、反応収率を上げるために、反応中たえ
ず効率よく撹拌することが好ましい。
このようにして反応を行うと、ハロゲン化反応の進行
とともに、原料の1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレン(A)の懸濁液はすみやかに消えて透
明な溶液となり、間もなく生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)が白色沈澱物と
して反応液から分離してくる。反応終了後に、この沈澱
物を濾過・捕集すれば、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲ
ノメチル)ナフタレン(I)を得ることができる。
とともに、原料の1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレン(A)の懸濁液はすみやかに消えて透
明な溶液となり、間もなく生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)が白色沈澱物と
して反応液から分離してくる。反応終了後に、この沈澱
物を濾過・捕集すれば、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲ
ノメチル)ナフタレン(I)を得ることができる。
ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
る。
る。
なお1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタ
レン(I)の製造の原料となる1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)は、下記反応式
に示すように、通常市販されているナフタレン−1,4,5,
8−テトラカルボン酸(D)をアルカリ溶液中で硫酸ジ
メチルで処理してナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステル(E)としたのち、水素化剤
で還元して、そのエステル基(−CO2Me)をヒドロキシ
メチル基(−CO2OH)に変換することによって製造され
る。
レン(I)の製造の原料となる1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)は、下記反応式
に示すように、通常市販されているナフタレン−1,4,5,
8−テトラカルボン酸(D)をアルカリ溶液中で硫酸ジ
メチルで処理してナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステル(E)としたのち、水素化剤
で還元して、そのエステル基(−CO2Me)をヒドロキシ
メチル基(−CO2OH)に変換することによって製造され
る。
また、本発明によれば、1,4,5,8−テトラキス(ハロ
ゲノメチル)ナフタレン(I)においてXが塩素原子の
場合の製造方法として、上記の1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)を原料とする製
造方法のほかに、更に、ハロゲン交換反応を用いる製造
方法が提供される。すなわち、1,4,5,8−テトラキス
(ブロモメチル)ナフタレン(B)に塩化リチウムをハ
ロゲン交換剤として作用させると、下記反応式に示すよ
うにハロゲン交換反応が起こり、原料分子中の4個のブ
ロム原子が塩素原子に置換された1,4,5,8−テトラキス
(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
ゲノメチル)ナフタレン(I)においてXが塩素原子の
場合の製造方法として、上記の1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)を原料とする製
造方法のほかに、更に、ハロゲン交換反応を用いる製造
方法が提供される。すなわち、1,4,5,8−テトラキス
(ブロモメチル)ナフタレン(B)に塩化リチウムをハ
ロゲン交換剤として作用させると、下記反応式に示すよ
うにハロゲン交換反応が起こり、原料分子中の4個のブ
ロム原子が塩素原子に置換された1,4,5,8−テトラキス
(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
反応は、アセトンやジメチルホルムアミドなどを溶媒
として用いて行われ、反応温度は室温ないし50℃の範囲
であり、また、反応時間は10ないし20時間で十分であ
る。このようにして反応を行うと、反応の進行とともに
原料の臭化物(B)は溶けて透明な溶液となるので、反
応終了後に水で処理すると生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
として用いて行われ、反応温度は室温ないし50℃の範囲
であり、また、反応時間は10ないし20時間で十分であ
る。このようにして反応を行うと、反応の進行とともに
原料の臭化物(B)は溶けて透明な溶液となるので、反
応終了後に水で処理すると生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
次に、このようにして得られた1,4,5,8−テトラキス
(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)をチオ尿素で処理
すると、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフ
タレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラ
キス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハラ
イド(II)を得ることができる。反応はアルコールなど
の溶媒中で行われ、その反応温度は50℃ないし80℃の範
囲である。反応の進行とともに、原料である1,4,5,8−
テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)とチオ
尿素の結晶は消え、新しく、下記反応式で示すように新
規化合物1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチ
ル)ナフタレン−テトラハライド(II)の結晶が得られ
る。
(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)をチオ尿素で処理
すると、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフ
タレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラ
キス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハラ
イド(II)を得ることができる。反応はアルコールなど
の溶媒中で行われ、その反応温度は50℃ないし80℃の範
囲である。反応の進行とともに、原料である1,4,5,8−
テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)とチオ
尿素の結晶は消え、新しく、下記反応式で示すように新
規化合物1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチ
ル)ナフタレン−テトラハライド(II)の結晶が得られ
る。
ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
り、(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基(−
[SC(NH2)2]+X-)である。
り、(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基(−
[SC(NH2)2]+X-)である。
得られた1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナ
フタレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テト
ラキス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハ
ライド(II)は、新規化合物である。
フタレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テト
ラキス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハ
ライド(II)は、新規化合物である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳述する。
参考例1 ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テトラメチ
ルエステル(E)の製造。
ルエステル(E)の製造。
炭酸ナトリウム16gを水200mlに溶かした溶液にナフタ
レン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(D)15.2gを少しず
つ添加した。カルボン酸が反応するにつれ炭酸ガスの気
泡が激しく発生した。1.5時間かけてカルボン酸を添加
した後、反応液を約40℃の水浴で30分加熱してカルボン
酸の結晶を完全に溶かした。この溶液に硫酸ジメチル19
mlを5分で滴下し、混合物を50℃で40分反応させた。
レン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(D)15.2gを少しず
つ添加した。カルボン酸が反応するにつれ炭酸ガスの気
泡が激しく発生した。1.5時間かけてカルボン酸を添加
した後、反応液を約40℃の水浴で30分加熱してカルボン
酸の結晶を完全に溶かした。この溶液に硫酸ジメチル19
mlを5分で滴下し、混合物を50℃で40分反応させた。
次に、炭酸ナトリウム11g、続いて硫酸ジメチル19ml
を添加して40分同温度で反応させた後、更に、炭酸ナト
リウム5.5gと硫酸ジメチル10mlを順次加え、1時間撹拌
して反応を終了させた。反応混合物を室温に下げ、析出
した白色沈澱物を吸引濾過して水洗して乾燥した。この
ようにして得たものを、ジオキサンより再結晶して精製
すると、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テト
ラメチルエステル(E)が無色結晶として得られた(1
5.0g、収率84%)。
を添加して40分同温度で反応させた後、更に、炭酸ナト
リウム5.5gと硫酸ジメチル10mlを順次加え、1時間撹拌
して反応を終了させた。反応混合物を室温に下げ、析出
した白色沈澱物を吸引濾過して水洗して乾燥した。この
ようにして得たものを、ジオキサンより再結晶して精製
すると、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テト
ラメチルエステル(E)が無色結晶として得られた(1
5.0g、収率84%)。
m.p.198-199℃ 元素分析:測定値C;60.21,H;4.50 計算値C;60.00,H;4.48(C18H16O8) 高分解能質量分析:測定値360.078(計算値360.085) 参考例2 1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレ
ン(A)の製造。
ン(A)の製造。
水素化ジイソブチルアルミニウム1モルを含むヘキサ
ン1000mlの撹拌溶液に、ナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸テトラメチルエステル(E)25gの結晶を少
しずつ添加した。
ン1000mlの撹拌溶液に、ナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸テトラメチルエステル(E)25gの結晶を少
しずつ添加した。
発熱により反応液が室温を越えないように、時々反応
フラスコを氷水浴で冷却した。エステルは添加と共にす
みやかに溶解し透明な反応液が得られた。添加終了後、
反応液を更に8日間室温で撹拌した。反応混合物に、冷
却下、メタノール、水、希塩酸の順で添加して過剰の水
素化物を分解し、更に水を加えて室温で撹拌した。生じ
た白色固体を吸引濾過して集め、充分水洗して乾燥後、
ジメチルスルホキシド−クロロホルムの混合溶媒から再
結晶すると、1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチ
ル)ナフタレン(A)が無色微結晶として得られた(1
6.2g、収率94%)。
フラスコを氷水浴で冷却した。エステルは添加と共にす
みやかに溶解し透明な反応液が得られた。添加終了後、
反応液を更に8日間室温で撹拌した。反応混合物に、冷
却下、メタノール、水、希塩酸の順で添加して過剰の水
素化物を分解し、更に水を加えて室温で撹拌した。生じ
た白色固体を吸引濾過して集め、充分水洗して乾燥後、
ジメチルスルホキシド−クロロホルムの混合溶媒から再
結晶すると、1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチ
ル)ナフタレン(A)が無色微結晶として得られた(1
6.2g、収率94%)。
m.p.229-231℃ 元素分析:測定値C;67.85,H;6.38 計算値C;67.73,H;6.50(C14H16O4) 高分解能質量分析:測定値248.096(計算値248.105) 参考例3 1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン
(B)に製造。
(B)に製造。
1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレ
ン(A)42.5gを含むジオキサン1.4lの懸濁液に、三臭
化リン180mlを10分かけて滴下した。原料のテトラオー
ルの結晶は間もなく溶解し、新たに白色固体が析出し
た。1時間後に、更に三臭化リン180mlを加えて一晩撹
拌した。氷水浴で冷却下、反応混合物に水を加えて未反
応の三臭化リンを分解した後、更に水を加えて全体の容
量を約3lとして、室温で30分間撹拌した。析出した白色
固体を吸引濾別し、水洗して乾燥した。このようにして
得たものをジオキサンから再結晶して精製すると、1,4,
5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン(B)が
無色結晶として得られた(79.1g、収率93%)。
ン(A)42.5gを含むジオキサン1.4lの懸濁液に、三臭
化リン180mlを10分かけて滴下した。原料のテトラオー
ルの結晶は間もなく溶解し、新たに白色固体が析出し
た。1時間後に、更に三臭化リン180mlを加えて一晩撹
拌した。氷水浴で冷却下、反応混合物に水を加えて未反
応の三臭化リンを分解した後、更に水を加えて全体の容
量を約3lとして、室温で30分間撹拌した。析出した白色
固体を吸引濾別し、水洗して乾燥した。このようにして
得たものをジオキサンから再結晶して精製すると、1,4,
5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン(B)が
無色結晶として得られた(79.1g、収率93%)。
m.p.>220℃(分解) 元素分析:測定値C;33.80,H;2.51 計算値C;33.63,H;2.42(C14H12Br4) 高分解能質量分析:測定値499.769 計算値499.764(C14H12▲Br79 2▼
▲Br81 2▼) 質量分析;測定値500 計算値500(C14H12▲Br79 2▼ ▲Br
81 2▼) IR(Nujol):ν=545cm-1(C−Br) 参考例4 1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレン
(C)の製造。
▲Br81 2▼) 質量分析;測定値500 計算値500(C14H12▲Br79 2▼ ▲Br
81 2▼) IR(Nujol):ν=545cm-1(C−Br) 参考例4 1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレン
(C)の製造。
ジメチルホルムアミド15mlに塩化リチウム0.3gを溶か
した溶液に、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナ
フタレン(B)0.3gを加えて室温で撹拌した。テトラブ
ロマイドの白色固体は反応の進行とともに次第に溶け、
1時間後には透明な溶液に変化した。1晩室温で撹拌
後、水を加えて全体を500mlとして、室温で1時間撹拌
した。生じた沈澱物を集め、水洗して乾燥すると、無色
固体の1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレ
ン(C)が得られた。このようにして得たものを、更
に、ジメチルスルホキシド−メタノール−水系の混合溶
媒から再結晶して精製した(0.187g、収率97%)。
した溶液に、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナ
フタレン(B)0.3gを加えて室温で撹拌した。テトラブ
ロマイドの白色固体は反応の進行とともに次第に溶け、
1時間後には透明な溶液に変化した。1晩室温で撹拌
後、水を加えて全体を500mlとして、室温で1時間撹拌
した。生じた沈澱物を集め、水洗して乾燥すると、無色
固体の1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレ
ン(C)が得られた。このようにして得たものを、更
に、ジメチルスルホキシド−メタノール−水系の混合溶
媒から再結晶して精製した(0.187g、収率97%)。
m.p.207-209℃ 元素分析:測定値C;52.35,H;3.51 計算値C;52.20,H;3.76(C14H12Cl4) 質量分析:測定値322 計算値322(C14H12▲Cl35 3▼ ▲Cl
37 1▼)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=7.82(s,4H,ArH) 5.39(s,8H,CH2) IR(Nujol):ν=620cm-1(C−Cl) 実施例1 チオ尿素6.08gを含む99%エタノール200mlの加熱・撹
拌溶液に1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタ
レン(B)10gの結晶を少しずつ添加した。発熱ととも
に臭化物の結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出
した。この白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱
・還流して反応を終結させた。反応混合物にベンゼン10
0mlを加えて氷冷却下30分撹拌した後、生成物を吸引濾
過して集めた。このようにして得たものを、ベンゼンで
2回、次いでペンタンで2回洗浄した後真空乾燥する
と、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン
のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラキス(イソチ
ウロイオメチル)ナフタレン−テトラブロマイド(II)
が白色粉末状結晶として得られた(15.61g、収率97
%)。
37 1▼)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=7.82(s,4H,ArH) 5.39(s,8H,CH2) IR(Nujol):ν=620cm-1(C−Cl) 実施例1 チオ尿素6.08gを含む99%エタノール200mlの加熱・撹
拌溶液に1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタ
レン(B)10gの結晶を少しずつ添加した。発熱ととも
に臭化物の結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出
した。この白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱
・還流して反応を終結させた。反応混合物にベンゼン10
0mlを加えて氷冷却下30分撹拌した後、生成物を吸引濾
過して集めた。このようにして得たものを、ベンゼンで
2回、次いでペンタンで2回洗浄した後真空乾燥する
と、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン
のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラキス(イソチ
ウロイオメチル)ナフタレン−テトラブロマイド(II)
が白色粉末状結晶として得られた(15.61g、収率97
%)。
m.p.>195℃(分解) 元素分析:測定値C;26.59,H;3.80 計算値C;26.87,H;3.51(C18H28N8S4B
r4)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.22(s,16H,C(NH2)2Br) 7.83(s,4H,ArH) 5.16(s,8H,CH2) 実施例2 チオ尿素4.72gを含む99%エタノール150mlの加熱・撹
拌溶液に、1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフ
タレン(C)5.0gの結晶を少しずつ添加した。塩化物の
結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出した。この
白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱・還流して
反応を終結させた。反応混合物にベンゼン70mlを加えて
氷冷下30分撹拌した後、生成物を吸引濾過して集めた。
このようにして得たものを、ベンゼンで3回、次いでペ
ンタンで2回洗浄した後真空乾燥すると、1,4,5,8−テ
トラキス(クロロメチル)ナフタレンのチオ尿素誘導体
である1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチル)
ナフタレン−テトラクロライド(II)が白色粉末状結晶
として得られた(9.23g、収率95%)。
r4)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.22(s,16H,C(NH2)2Br) 7.83(s,4H,ArH) 5.16(s,8H,CH2) 実施例2 チオ尿素4.72gを含む99%エタノール150mlの加熱・撹
拌溶液に、1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフ
タレン(C)5.0gの結晶を少しずつ添加した。塩化物の
結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出した。この
白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱・還流して
反応を終結させた。反応混合物にベンゼン70mlを加えて
氷冷下30分撹拌した後、生成物を吸引濾過して集めた。
このようにして得たものを、ベンゼンで3回、次いでペ
ンタンで2回洗浄した後真空乾燥すると、1,4,5,8−テ
トラキス(クロロメチル)ナフタレンのチオ尿素誘導体
である1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチル)
ナフタレン−テトラクロライド(II)が白色粉末状結晶
として得られた(9.23g、収率95%)。
m.p.>180℃(分解) 元素分析:測定値C;34.87,H;4.35 計算値C;34.50,H;4.50(C18H28N8S4C
l4)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.25(s,16H,C(NH2)2Cl) 7.81(s,4H,ArH) 5.14(s,8H,CH2) 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、新規化合物とし
て、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレ
ンのチオ尿素誘導体の1,4,5,8−テトラキス(イソチウ
ロニオメチル)ナフタレン−テトラハライドが得られ
る。
l4)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.25(s,16H,C(NH2)2Cl) 7.81(s,4H,ArH) 5.14(s,8H,CH2) 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、新規化合物とし
て、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレ
ンのチオ尿素誘導体の1,4,5,8−テトラキス(イソチウ
ロニオメチル)ナフタレン−テトラハライドが得られ
る。
かかる化合物は、ポリエステルやポリエーテル用モノ
マーとして有用であり、また界面活性剤製造原料として
も有用である。
マーとして有用であり、また界面活性剤製造原料として
も有用である。
かつ、かかる化合物は、市販のナフタレン−1,4,5,8
−テトラカルボン酸から容易に製造することができる。
−テトラカルボン酸から容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Organi c Chemistry,Vol.47 No.6 P.1011−1018 (1982)
Claims (2)
- 【請求項1】下記一般式(II)で示される1,4,5,8−テ
トラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体。 ただし(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基−
[SC(NH2)2]+X-であり、Xは臭素原子または塩素原
子である。 - 【請求項2】下記一般式(I)で示される1,4,5,8−テ
トラキス(ハロゲノメチル)ナフタレンをチオ尿素で処
理することを特徴とする下記一般式(II)で示される1,
4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導
体の製造方法。 ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
り、(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基−
[SC(NH2)2]+X-である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63279083A JP2500316B2 (ja) | 1988-11-04 | 1988-11-04 | 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63279083A JP2500316B2 (ja) | 1988-11-04 | 1988-11-04 | 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02124837A JPH02124837A (ja) | 1990-05-14 |
JP2500316B2 true JP2500316B2 (ja) | 1996-05-29 |
Family
ID=17606179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63279083A Expired - Lifetime JP2500316B2 (ja) | 1988-11-04 | 1988-11-04 | 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2500316B2 (ja) |
-
1988
- 1988-11-04 JP JP63279083A patent/JP2500316B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JournalofOrganicChemistry,Vol.47No.6P.1011−1018(1982) |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02124837A (ja) | 1990-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6013828A (en) | Processes and intermediates useful to make antifolates | |
US6262262B1 (en) | Processes and intermediates useful to make antifolates | |
EP0905128B1 (en) | Processes and intermediates useful to make antifolates | |
JP2500316B2 (ja) | 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 | |
US4851588A (en) | Novel process for the preparation of bronopol | |
JPH082821B2 (ja) | 1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン誘導体およびその製造方法 | |
US6090168A (en) | Processes and intermediates useful to make antifolates | |
US4187225A (en) | Novel synthesis of bis pyrazolone oxonol dyes | |
JPH0352839A (ja) | p‐又はm‐tert―ブトキシベンズアルデヒドの製造法 | |
JPS5838261A (ja) | 新規な1,3−二置換イミダゾ−ル誘導体及びその製造方法 | |
JPH08208591A (ja) | 2−アミノベンゼンスルホン酸誘導体ならびに2−アミノベンゼンスルホニルクロリド誘導体とその製造法およびその合成中間体としての使用 | |
JP2002179612A (ja) | 2,3−ジブロモ琥珀酸類の製造方法 | |
JPH01238548A (ja) | ナフタレン―1,4,5,8―テトラカルボン酸テトラアルキルエステルの製造方法 | |
JPH01313471A (ja) | N−スルフアモイルアミジン化合物の製造法 | |
JPS61109771A (ja) | ピラゾ−ル誘導体およびその製法 | |
JPS6191163A (ja) | アントラニル酸誘導体の製造方法 | |
JPH023672A (ja) | 2,6‐ジエチルアニリン誘導体およびその製法 | |
JPS62207238A (ja) | β−アルコキシアクロレイン誘導体の製造法 | |
JPH03157362A (ja) | ベンジルハライド類 | |
JPH03148232A (ja) | 5,6,5′,6′‐テトラヒドロキシ―1,1′‐スピロビスインダン類の製造方法 | |
JPH07291948A (ja) | ベンゾトリアゾリルアセチル化合物 | |
JPH11180963A (ja) | ビスシアノエチルイソシアヌレートの製造方法 | |
JPH01113354A (ja) | 4−アジド−1−ナフトアルデヒド | |
JPS5823668A (ja) | 4−ベンゾイル−5−ヒドロキシピラゾ−ル系化合物の製造方法 | |
KR20000051463A (ko) | 2-벤조티아졸릴 4-아미노-5-클로로-2-메톡시티오벤조에이트 및 그를 이용한 시사프라이드의 제조방법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |