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JP2500316B2 - 1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法 - Google Patents

1,4,5,8―テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその製造方法

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JP2500316B2
JP2500316B2 JP63279083A JP27908388A JP2500316B2 JP 2500316 B2 JP2500316 B2 JP 2500316B2 JP 63279083 A JP63279083 A JP 63279083A JP 27908388 A JP27908388 A JP 27908388A JP 2500316 B2 JP2500316 B2 JP 2500316B2
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JP
Japan
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tetrakis
naphthalene
halogenomethyl
reaction
formula
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利紘 鎌田
康夫 蒲
宣英 和佐田
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Agency of Industrial Science and Technology
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規化合物である1,4,5,8−テトラキス
(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体、ならびにその化
合物の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来から、ナフタレンのペリ位(1,8位)にハロゲノ
メチル基−(−CH2X,Xはハロゲン原子)が置換した1,8
−ビス(ハロゲノメチル)ナフタレンはよく知られた化
合物である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、ナフタレン環の、更に、他のペリ位
(4,5位)にもハロゲノメチル基が置換したビスペリ置
換体の1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタ
レンは、応用面での幅広い用途が期待されているにもか
かわらず、合成が困難であった。
本発明は、新規化合物の1,4,5,8−テトラキス(ハロ
ゲノメチル)ナフタレン誘導体、およびその化合物の製
造方法を提供することを目的とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明に係る新規化合物の1,4,5,
8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は
下記一般式(II)で示される。
ただし(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基
−[SC(NH22+-であり、Xは臭素原子または塩素
原子である。
また、上記一般式(II)で示される1,4,5,8−テトラ
キス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体は、下記構造
式(I)で示される1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメ
チル)ナフタレンをチオ尿素で処理することにより製造
される。
ただし(I)式中、Xは臭素原子又は塩素原子であ
る。
そして上記一般式(I)で示される1,4,5,8−テトラ
キス(ハロゲノメチル)ナフタレンは、下記構造式
(A)で示される1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレンにハロゲン化剤を作用させることによ
り製造される。
また一般式(I)において、Xが塩素原子の、下記構
造式(C)で示される1,4,5,8−テトラキス(クロロメ
チル)ナフタレンは、上記のように1,4,5,8−テトラキ
ス(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)とハロゲン化
剤との反応によって製造される以外に、下記構造式
(B)で示される1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチ
ル)ナフタレンをハロゲン交換剤で処理するハロゲン交
換反応を利用しても製造することができる。
1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン
(I)の製造方法によれば、反応はエーテル類やベンゼ
ンなどの不活性有機溶媒中で行われる。先ず、原料の1,
4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレン
(A)に上記不活性有機溶媒を加えて懸濁液をつくり、
次に、これにハロゲン化剤を滴下してハロゲン化反応を
行う。ハロゲン化剤としては、三臭化リンなどのハロゲ
ン化リンや塩化チオニルなどのハロゲン化チオニルなど
が用いられる。通常、ハロゲン化剤は約5倍量と過剰に
作用し、これを数回に分けて添加してハロゲン化反応を
完結させるようにする。反応温度は室温ないし50℃の範
囲であり、また、反応収率を上げるために、反応中たえ
ず効率よく撹拌することが好ましい。
このようにして反応を行うと、ハロゲン化反応の進行
とともに、原料の1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメ
チル)ナフタレン(A)の懸濁液はすみやかに消えて透
明な溶液となり、間もなく生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)が白色沈澱物と
して反応液から分離してくる。反応終了後に、この沈澱
物を濾過・捕集すれば、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲ
ノメチル)ナフタレン(I)を得ることができる。
ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
る。
なお1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタ
レン(I)の製造の原料となる1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)は、下記反応式
に示すように、通常市販されているナフタレン−1,4,5,
8−テトラカルボン酸(D)をアルカリ溶液中で硫酸ジ
メチルで処理してナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボ
ン酸テトラメチルエステル(E)としたのち、水素化剤
で還元して、そのエステル基(−CO2Me)をヒドロキシ
メチル基(−CO2OH)に変換することによって製造され
る。
また、本発明によれば、1,4,5,8−テトラキス(ハロ
ゲノメチル)ナフタレン(I)においてXが塩素原子の
場合の製造方法として、上記の1,4,5,8−テトラキス
(ヒドロキシメチル)ナフタレン(A)を原料とする製
造方法のほかに、更に、ハロゲン交換反応を用いる製造
方法が提供される。すなわち、1,4,5,8−テトラキス
(ブロモメチル)ナフタレン(B)に塩化リチウムをハ
ロゲン交換剤として作用させると、下記反応式に示すよ
うにハロゲン交換反応が起こり、原料分子中の4個のブ
ロム原子が塩素原子に置換された1,4,5,8−テトラキス
(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
反応は、アセトンやジメチルホルムアミドなどを溶媒
として用いて行われ、反応温度は室温ないし50℃の範囲
であり、また、反応時間は10ないし20時間で十分であ
る。このようにして反応を行うと、反応の進行とともに
原料の臭化物(B)は溶けて透明な溶液となるので、反
応終了後に水で処理すると生成物の1,4,5,8−テトラキ
ス(クロロメチル)ナフタレン(C)が得られる。
次に、このようにして得られた1,4,5,8−テトラキス
(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)をチオ尿素で処理
すると、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフ
タレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラ
キス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハラ
イド(II)を得ることができる。反応はアルコールなど
の溶媒中で行われ、その反応温度は50℃ないし80℃の範
囲である。反応の進行とともに、原料である1,4,5,8−
テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン(I)とチオ
尿素の結晶は消え、新しく、下記反応式で示すように新
規化合物1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチ
ル)ナフタレン−テトラハライド(II)の結晶が得られ
る。
ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
り、(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基(−
[SC(NH22+-)である。
得られた1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナ
フタレン(I)のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テト
ラキス(イソチウロニオメチル)ナフタレン−テトラハ
ライド(II)は、新規化合物である。
以下、本発明を実施例により、さらに詳述する。
〔実施例〕
参考例1 ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テトラメチ
ルエステル(E)の製造。
炭酸ナトリウム16gを水200mlに溶かした溶液にナフタ
レン−1,4,5,8−テトラカルボン酸(D)15.2gを少しず
つ添加した。カルボン酸が反応するにつれ炭酸ガスの気
泡が激しく発生した。1.5時間かけてカルボン酸を添加
した後、反応液を約40℃の水浴で30分加熱してカルボン
酸の結晶を完全に溶かした。この溶液に硫酸ジメチル19
mlを5分で滴下し、混合物を50℃で40分反応させた。
次に、炭酸ナトリウム11g、続いて硫酸ジメチル19ml
を添加して40分同温度で反応させた後、更に、炭酸ナト
リウム5.5gと硫酸ジメチル10mlを順次加え、1時間撹拌
して反応を終了させた。反応混合物を室温に下げ、析出
した白色沈澱物を吸引濾過して水洗して乾燥した。この
ようにして得たものを、ジオキサンより再結晶して精製
すると、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸テト
ラメチルエステル(E)が無色結晶として得られた(1
5.0g、収率84%)。
m.p.198-199℃ 元素分析:測定値C;60.21,H;4.50 計算値C;60.00,H;4.48(C18168) 高分解能質量分析:測定値360.078(計算値360.085) 参考例2 1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレ
ン(A)の製造。
水素化ジイソブチルアルミニウム1モルを含むヘキサ
ン1000mlの撹拌溶液に、ナフタレン−1,4,5,8−テトラ
カルボン酸テトラメチルエステル(E)25gの結晶を少
しずつ添加した。
発熱により反応液が室温を越えないように、時々反応
フラスコを氷水浴で冷却した。エステルは添加と共にす
みやかに溶解し透明な反応液が得られた。添加終了後、
反応液を更に8日間室温で撹拌した。反応混合物に、冷
却下、メタノール、水、希塩酸の順で添加して過剰の水
素化物を分解し、更に水を加えて室温で撹拌した。生じ
た白色固体を吸引濾過して集め、充分水洗して乾燥後、
ジメチルスルホキシド−クロロホルムの混合溶媒から再
結晶すると、1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチ
ル)ナフタレン(A)が無色微結晶として得られた(1
6.2g、収率94%)。
m.p.229-231℃ 元素分析:測定値C;67.85,H;6.38 計算値C;67.73,H;6.50(C14164) 高分解能質量分析:測定値248.096(計算値248.105) 参考例3 1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン
(B)に製造。
1,4,5,8−テトラキス(ヒドロキシメチル)ナフタレ
ン(A)42.5gを含むジオキサン1.4lの懸濁液に、三臭
化リン180mlを10分かけて滴下した。原料のテトラオー
ルの結晶は間もなく溶解し、新たに白色固体が析出し
た。1時間後に、更に三臭化リン180mlを加えて一晩撹
拌した。氷水浴で冷却下、反応混合物に水を加えて未反
応の三臭化リンを分解した後、更に水を加えて全体の容
量を約3lとして、室温で30分間撹拌した。析出した白色
固体を吸引濾別し、水洗して乾燥した。このようにして
得たものをジオキサンから再結晶して精製すると、1,4,
5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン(B)が
無色結晶として得られた(79.1g、収率93%)。
m.p.>220℃(分解) 元素分析:測定値C;33.80,H;2.51 計算値C;33.63,H;2.42(C1412Br4) 高分解能質量分析:測定値499.769 計算値499.764(C1412▲Br79 2
▲Br81 2▼) 質量分析;測定値500 計算値500(C1412▲Br79 2▼ ▲Br
81 2▼) IR(Nujol):ν=545cm-1(C−Br) 参考例4 1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレン
(C)の製造。
ジメチルホルムアミド15mlに塩化リチウム0.3gを溶か
した溶液に、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナ
フタレン(B)0.3gを加えて室温で撹拌した。テトラブ
ロマイドの白色固体は反応の進行とともに次第に溶け、
1時間後には透明な溶液に変化した。1晩室温で撹拌
後、水を加えて全体を500mlとして、室温で1時間撹拌
した。生じた沈澱物を集め、水洗して乾燥すると、無色
固体の1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフタレ
ン(C)が得られた。このようにして得たものを、更
に、ジメチルスルホキシド−メタノール−水系の混合溶
媒から再結晶して精製した(0.187g、収率97%)。
m.p.207-209℃ 元素分析:測定値C;52.35,H;3.51 計算値C;52.20,H;3.76(C1412Cl4) 質量分析:測定値322 計算値322(C1412▲Cl35 3▼ ▲Cl
37 1▼)1 H-NMR(DMSO-d6:δ=7.82(s,4H,ArH) 5.39(s,8H,CH2) IR(Nujol):ν=620cm-1(C−Cl) 実施例1 チオ尿素6.08gを含む99%エタノール200mlの加熱・撹
拌溶液に1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタ
レン(B)10gの結晶を少しずつ添加した。発熱ととも
に臭化物の結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出
した。この白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱
・還流して反応を終結させた。反応混合物にベンゼン10
0mlを加えて氷冷却下30分撹拌した後、生成物を吸引濾
過して集めた。このようにして得たものを、ベンゼンで
2回、次いでペンタンで2回洗浄した後真空乾燥する
と、1,4,5,8−テトラキス(ブロモメチル)ナフタレン
のチオ尿素誘導体である1,4,5,8−テトラキス(イソチ
ウロイオメチル)ナフタレン−テトラブロマイド(II)
が白色粉末状結晶として得られた(15.61g、収率97
%)。
m.p.>195℃(分解) 元素分析:測定値C;26.59,H;3.80 計算値C;26.87,H;3.51(C182884B
r41 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.22(s,16H,C(NH22Br) 7.83(s,4H,ArH) 5.16(s,8H,CH2) 実施例2 チオ尿素4.72gを含む99%エタノール150mlの加熱・撹
拌溶液に、1,4,5,8−テトラキス(クロロメチル)ナフ
タレン(C)5.0gの結晶を少しずつ添加した。塩化物の
結晶は速やかに溶け、新たに白色固体が析出した。この
白色懸濁液を、更に2時間撹拌しながら加熱・還流して
反応を終結させた。反応混合物にベンゼン70mlを加えて
氷冷下30分撹拌した後、生成物を吸引濾過して集めた。
このようにして得たものを、ベンゼンで3回、次いでペ
ンタンで2回洗浄した後真空乾燥すると、1,4,5,8−テ
トラキス(クロロメチル)ナフタレンのチオ尿素誘導体
である1,4,5,8−テトラキス(イソチウロニオメチル)
ナフタレン−テトラクロライド(II)が白色粉末状結晶
として得られた(9.23g、収率95%)。
m.p.>180℃(分解) 元素分析:測定値C;34.87,H;4.35 計算値C;34.50,H;4.50(C182884C
l41 H-NMR(DMSO-d6:δ=9.25(s,16H,C(NH22Cl) 7.81(s,4H,ArH) 5.14(s,8H,CH2) 〔発明の効果〕 以上述べたように本発明によれば、新規化合物とし
て、1,4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレ
ンのチオ尿素誘導体の1,4,5,8−テトラキス(イソチウ
ロニオメチル)ナフタレン−テトラハライドが得られ
る。
かかる化合物は、ポリエステルやポリエーテル用モノ
マーとして有用であり、また界面活性剤製造原料として
も有用である。
かつ、かかる化合物は、市販のナフタレン−1,4,5,8
−テトラカルボン酸から容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Journal of Organi c Chemistry,Vol.47 No.6 P.1011−1018 (1982)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(II)で示される1,4,5,8−テ
    トラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導体。 ただし(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基−
    [SC(NH22+-であり、Xは臭素原子または塩素原
    子である。
  2. 【請求項2】下記一般式(I)で示される1,4,5,8−テ
    トラキス(ハロゲノメチル)ナフタレンをチオ尿素で処
    理することを特徴とする下記一般式(II)で示される1,
    4,5,8−テトラキス(ハロゲノメチル)ナフタレン誘導
    体の製造方法。 ただし(I)式中、Xは臭素原子または塩素原子であ
    り、(II)式中、Rはハロゲン化イソチウロニオ基−
    [SC(NH22+-である。
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