JP2589544B2 - 像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔概要〕 電子写真プリンタや複写機などのように、像担持体上
の静電潜像をトナーで可視像化する像形成装置に関し、 アジテータを回転駆動するためのモータの出力を必要
以上に大きくする必要のない像形成装置を実現すること
を目的とし、 伝達機構を介してモータと連結してなるアジテータを
トナー貯蔵部中に内蔵し、電源オン直後に通常動作に先
立ってモータを起動しながら装置が正常動作可能かをチ
ェックするイニシャル動作が行われる像形成装置におい
て、 モータのイニシャル起動時に、通常回転速度より低い
速度でアジテータを回転させて大きなトルクを発生さ
せ、イニシャル動作後に情報信号の入力があると、通常
回転速度でアジテータを回転させるように構成する。

〔産業上の利用分野〕

本発明は、電子写真プリンタや複写機などのように、
像担持体上の静電潜像をトナーで可視像化する像形成装
置に関する。

〔従来の技術〕

第５図は本発明が適用される電子写真式記録装置の全
容を示す斜視図、第６図は同装置の側面図、第７図は同
装置におけるプロセスユニット着脱操作を示す側面図で
ある。装置本体１中には、プロセスユニット２、転写器
３、定着器４が内蔵され、プロセスユニット２中の感光
ドラム５、定着器４、搬送ローラ６…は、モータＭで駆
動される。

プロセスユニット２は、ユニットケース2a内におい
て、感光ドラム５の周りに、前帯電器７、現像ユニット
８、クリーナユニット９を配設することで、ユニット化
されている。このプロセスユニット２は、第７図に示す
ように、支軸14を中心にして、上本体1bを下本体1aから
分割開放し、開口17から下本体1a中に挿入することで、
装着される。

いまこの装置において、用紙カセット10aまたは10bか
ら印字用紙Ｐが供給され、搬送ローラ６…によって、感
光ドラム５と転写器３との間に移送され、定着器４を通
過して、スタッカー12上に排出される。

感光ドラム５の周りには、前帯電器７、静電潜像形成
装置11、現像ユニット８、転写器３、クリーナユニット
９の順に配設されている。そのため、感光ドラム５が反
時計方向に回転し、前帯電器７によって一様帯電された
面が、次の静電潜像形成装置11によって、情報に対応し
た静電潜像が形成された後、現像ユニット８によって、
可視像化される。このトナー像は、転写器３によって印
字用紙Ｐに転写された後、定着器４によって定着され、
ハードコピーとなってスタッカー12上に排出される。

ところで、現像ユニット８中に、アジテータ13を内蔵
し、回転させることで、トナーを攪拌すると共に、トナ
ーをマグネットロール14側に供給するようにしている。
このアジテータ13の駆動もモータＭで行なわれる。この
モータＭは、モータのイニシャル起動時も通常動作時と
同じ回転速度で駆動される。

〔発明が解決しようとする課題〕

プロセスユニット２の現像ユニット８には、トナー15
が内蔵されているが、プロセスユニット２を１週間〜１
月以上の長期間にわたって保存したとき、あるいは輸送
の際の振動を受けたりすると、トナー15が固められ、か
さ密度が３〜４割程度増大する。

このようにトナー15のかさ密度の増大したプロセスユ
ニット２を、静電記録装置にセットして最初に使用する
ときは、トナー15が固められているために、アジテータ
13の回転負荷が大きく、回転困難となる。その結果、モ
ータＭでアジテータ13を駆動することが不可能となる場
合が発生する。例えば、アジテータ13が破損あるいは変
形したり、モータＭが回転せず、他の部品の駆動用とし
ても共用するように構成された唯一のモータＭへの回転
起動指示に基づくイニシャル動作チェックが全てエラー
となる。

トナー15が固められている場合でも、アジテータ13を
駆動できるように、出力の大きなモータを使用すればよ
いが、アジテータ13がほぼ１回転すると、トナー15がほ
ぐされ、以後は容易に回転できるため、出力が必要以上
に大きなモータを使用することになる。

本発明の技術的課題は、アジテータを回転駆動するた
めのモータの出力を必要以上に大きくする必要のない像
形成装置を実現することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明に係る像形成装置は下記の構成からなるもので
ある。すなわち、伝達機構を介してモータと連結してな
るアジテータをトナー貯蔵部中に内蔵し、電源オン直後
に通常動作に先立ってモータを起動しながら装置が正常
動作可能かをチェックするイニシャル動作が行われる像
形成装置において、モータのイニシャル起動時に、通常
回転速度より低い速度でアジテータを回転させ、イニシ
ャル動作後に情報信号の入力があると、通常回転速度で
アジテータを回転させる速度制御装置を設けたものであ
る。

〔作用〕

このように、アジテータが通常速度より低速で回転す
る場合は、アジテータに大きなトルクが発生する。その
ため、トナーが固められていても、アジテータを確実に
回転させることができる。アジテータが１回転してトナ
ーが攪拌されると、アジテータの回転負荷が軽くなるた
め、以後はモータを通常速度で回転させても、確実にア
ジテータを駆動できる。またアジテータを低速回転する
と、マグネットロールへのトナー供給効率が低下するた
め、以後は通像速度で駆動する。

〔実施例〕

次に本発明による像形成装置が実際上どのように具体
化されるかを実施例で説明する。アジテータを最初のみ
低速回転させるには、モータとアジテータとの間の伝達
機構に、変速機構を介在させ、モータの回転速度は一定
として、アジテータの回転速度のみを切り換えることが
できる。あるいは、モータ自体の回転速度を切り換え可
能とし、アジテータが最初の１回転する間のみ、モータ
を低速回転させ、以後通常速度で回転させることもでき
る。

第１図は、後者のモータの回転速度を切り換える方法
のタイムチャートである。横軸は時間Ｔ、縦軸はモータ
の回転数である。時間T1とT2との和がイニシャル動作で
あり、また時間T1は、アジテータが１回転するのに要す
る時間である。

本発明では、現像ユニットを有するプロセスユニット
を装着した後、電源をオンすると、時間T1の間のみ、モ
ータは回転数Ｐで低速回転し、高いトルクを出力する。
その結果、現像ユニット中のトナーが固められていて
も、アジテータが確実に回転できる。

またアジテータが１回転すると、次の時間T2の間は、
アジテータが通常速度（回転数Ｎ）で回転し、出力トル
クは小さいが比較的高速で回転する。時間T2の間は、通
常動作に先立って、静電記録装置中に印字用紙が詰まっ
たりしていないか等をチェックする動作であり、所要時
間は短い。したがって、この時間T2の間も、通常速度よ
り低速で回転させてもよい。

以上のイニシャル動作の結果、静電記録装置が正常動
作可能となった後は、情報信号を受信するたびに、モー
タは通常回転数Ｎで回転し、情報信号で静電潜像を形成
し、現像、転写、定着の動作によって、ハードコピーが
行なわれる。

第２図は、モータの回転数−トルク特性である。モー
タの回転数が小さいＰの場合は、トルクTpは大きく、回
転数が大きいＮの場合には、トルクTnは小さくなる。し
たがって、本発明の方法により、モータを低速回転させ
て高トルクを出力させることで、固められているトナー
を確実に攪拌することができる。

第３図は本発明方法によりモータ速度を切り換える部
分の電気回路図、第４は同回路における動作を示すフロ
ーチャートである。第３図において、16は速度制御装置
すなわちCPUであり、予め定められたプログラムに従っ
てモータＭを制御する。モータＭとしては、パルスモー
タが使用されており、またパルスモータＭの相切り換え
回路17、相切り換えカウンタＡ、Ｂ、モータコントロー
ル部18、およびクロック発振器19を備えている。

そしてこのパルスモータは、このプリンタにおいて唯
一のモータであり、イニシャル動作時に、このモータへ
の駆動指示時点を基準として、各部分が正常動作したか
否かをチェックするよう構成されている。

次にこの回路の動作を第４図のフローチャートに従っ
て説明する。モータの回転スタートは、モータコントロ
ール部18が、低速回転指示信号（信号Ｂ）をクロック発
振器19と低速回転カウンタＡに送出することで行なわれ
る。この信号Ｂによって、クロック発振器19は、低速回
転に相当するクロックをカウンタＡ、Ｂ、相切り換え回
路17に送出する。クロックが相切り換え回路17に入力さ
れると、相切り換え回路17は、クロックを受信するたび
にパルスモータＭの相データを切り換えて、出力ポート
20にセットする。すなわち、クロック同期が早いほど、
モータは、早く回転することになる。

また信号Ｂは、低速回転カウンタＡをイネーブルに
し、クロックのカウントを開始する。低速回転カウンタ
Ａは、低速回転時の相切り換え数をカウントしているも
ので、規定（アジテータ１回転分）のパルスをカウント
すると、カウントアップ信号（信号Ｄ）をモータコント
ロール部18に送出する。モータコントロール部18は、信
号Ｄを検知すると、ただちに高速指示信号（信号Ｃ）を
送出し、クロック発振器19に、高速回転に相当するクロ
ックを発生させる。また信号Ｃは、高速回転カウンタＢ
をイネーブルにし、クロックのカウントを開始させる。

高速回転カウンタＢは、高速回転時の相切り換え数を
カウントしているカウンタであり、規定（例えば、アジ
テータ17回転分）のパルスをカウントすると、カウント
アップ信号（信号Ｅ）を送出する。モータコントロール
部18は、この信号Ｅを検知すると、クロック発振器19に
停止指示信号Ａを送出して、クロックの発振を停止させ
る。これによって、一連のイニシャル動作が終了し、パ
ルスモータが停止する。

なお、固められたトナーをほぐすためのアジテータの
低速回転駆動は、１回転より多くてもよいが、少なくと
も１回転程度は必要である。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、電源オン直後のアジテ
ータの最初の１回転程度は、アジテータがトルクの大き
な低速回転をするため、プロセスユニットが長期間保存
されたり、輸送時の振動などで、トナーが固められ、か
さ密度が増大している場合でも、アジテータが確実に回
転して、トナーを攪拌することができる。そして、トナ
ーが攪拌され、モータ負荷が低減した後は、通常速度で
回転し、トナーをマグネットロール側へ供給するため、
応答性よく直ちに印字動作に入れ、印字速度に支障を来
したりすることはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による像形成装置の実施例を説明するタ
イムチャート、第２図はモータの回転数−トルク特性を
示す図、第３図はモータ速度切換え回路の実施例を示す
図、第４図は同回路の動作を説明するフローチャート、
第５図は本発明が適用される電子写真式記録装置の全容
を示す斜視図、第６図は同装置の側面図、第７図は同装
置におけるプロセスユニット着脱操作を示す側面図であ
る。 図において、２はプロセスユニット、３は転写器、４は
定着器、５は感光ドラム、８現像ユニット、11は静電潜
像形成装置、13はアジテータ、14はマグネットロール、
15はトナー、16はCPU（速度制御装置）、Ｐは印字用
紙、Ｍは駆動モータをそれぞれ示す。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】伝達機構を介してモータと連結してなるア
   ジテータをトナー貯蔵部中に内蔵し、電源オン直後に通
   常動作に先立って前記モータを起動しながら装置が正常
   動作可能かをチェックするイニシャル動作が行われる像
   形成装置において、 前記モータのイニシャル起動時に、通常回転速度より低
   い速度でアジテータを回転させ、イニシャル動作後に情
   報信号の入力があると、通常回転速度でアジテータを回
   転させる速度制御装置を設けたことを特徴とする像形成
   装置。