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JP2564656B2 - サーミスタの作製方法 - Google Patents

サーミスタの作製方法

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JP2564656B2
JP2564656B2 JP1221216A JP22121689A JP2564656B2 JP 2564656 B2 JP2564656 B2 JP 2564656B2 JP 1221216 A JP1221216 A JP 1221216A JP 22121689 A JP22121689 A JP 22121689A JP 2564656 B2 JP2564656 B2 JP 2564656B2
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thermistor
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heat
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舜平 山崎
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  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 「発明の利用分野」 本発明は、気相法で合成させるダイヤモンドを用いた
サーミスタの作製方法に関する。
「従来の技術」 ダイヤモンドを用いた電子装置に関しては、まだ開発
が始まったばかりであり、ダイオード、トランジスタ、
集積回路への応用は少なくない。
とりあえず受動素子とし、この応用として高温領域で
のサーミスタを設けんとする試みが多数知られている。
他方、サーミスタとしてはチタン酸バリウムを用いた
PTC(positive temperature coejfficient),また炭化
珪素を用いたNTC(negative temperature coefficien
t)が知られている。これらはその使用温度範囲が広
く、また熱応答速度をより速くすることが求められてい
た。
このダイヤモンドを用いてサーミスタを作らんとした
時、電極を設ける領域を低抵抗領域とし、熱をセンス
(感知)する部分を真性または実質的に真性のダイヤモ
ンドとするための作製方法は、まったく知られていな
い。
「従来の欠点」 ダイヤモンドを用いた電子装置であるサーミスタ(TH
ERMALLY SENSITIVE RESISTER)作る試みは古くから行わ
れている。しかし大きなサーミスタ定数を有し、かつ印
加電圧が低くてすむ良好な特性を有し、歩留まりの大き
な構成に関する具体的な提案はない。
本発明人は、従来のダイヤモンドにおける熱的特性が
いかなるものかを調べた。そしてこのサーミスタ定数B
はホウ素等の不純物を添加しないアンドープのダイヤモ
ンドでは約7000(活性化エネルギ0.6eV)を有し、優れ
た特性である。しかしこのアンドープのダイヤモンドで
は、電極とのコンタクトが高抵抗のためうまくいかな
い。電極間距離を精密に制御できないため、印加電圧が
大きく、かつ素子毎にばらついてしまった。
逆にホウ素を不純物としてダイヤモンド中に添加し抵
抗を下げ、良好なオーム接触にすると、サーミスタの定
数Bは2000(活性化エネルギ0.21eVホウ素を300ppm添
加)と小さくなってしまう。このため、電極へのオーム
接触を良好にし、かつサーミスタ定数を大にする手段は
これまでまったく考えられていなかった。
そして、真性または実質的に真性のダイヤモンドと一
導電型のダイヤモンドとを積層し、連続的にエッチング
除去する手段も提案されていない。
「発明の目的」 本発明は、真性のサーミスタ定数の大きいアンドープ
のダイヤモンドに対し、電極付を行う領域のみに対し、
不純物をダイヤモンド中に選択的に添加して一導電型の
ダイヤモンドを形成し、サーミスタ機能を有するデバイ
スを得ることを目的とする。
そしてサーミスタ定数が大きく、かつコンタクト部の
電気抵抗を小さくして印加電圧を下げることを目的とす
る。
「発明の構成」 本発明は、基板上のダイヤモンド(結晶化した炭素の
俗称をいう)またはダイヤモンド本体の上部に真性また
は実質的に真性のダイヤモンドと、一導電型を有する一
対の互いに離間した第2のダイヤモンドを形成する。
本発明は、この一導電型の第2のダイヤモンドの間の
真性または実質的に真性(不純物領域に添加された不純
物濃度より小さい濃度の領域)の第1のダイヤモンドに
熱または熱の変化をセンス(感知)せしめたサーミスタ
の製造方法を提唱するものである。
特に基板が平坦の場合はプレナ型の構造とし、またダ
イヤモンド本体または基板が凸部を有する場合は凸部を
感熱部とし、その側部の不純物領域を作る。
プレナ型は気体または液体の感熱に良好である。
凸部に感熱部を持つ非プレナ型は固体の接触型に対し
て好ましい。
不純物領域を作るためのダイヤモンドは、単にダイヤ
モンド単体、シリコン等の半導体上に形成させた膜状ま
たは結晶性のダイヤモンドまたセラミックスあるいは窒
化珪素上に形成された膜状または凸部を有する粒状ダイ
ヤモンドであってもよい。
例えばI型(真性または実質的に真性、以下I型とい
う)の第1のダイヤモンドを形成し、さらにこの上面に
一導電型の第2のダイヤモンドを形成する。
さらに第1のダイヤモンドを選択的に除去して一対の
互いに離間した第2のダイヤモンドを設け、ここに電極
を形成してサーミスタとする。
さらにI型のダイヤモンド上に一導電型の第2のダイ
ヤモンドを形成してこの上に電極用の金属を作る。この
金属をマスクとしてその下の第2のダイヤモンドのみを
酸素プラズマにより除去することにより、一対の互いに
離間した第2のダイヤモンドを作る、サーミスタを形成
する。
そして、これら電極にワイヤボンドを行い、全体に酸
化防止を兼ねた窒化珪素膜を保護膜としてコートした。
ダイヤモンド合成にはメタノール(CH3OH),エタノ
ール(C2H5OH)等のC−OH結合を有する炭素化合物を用
いた。
また第2のダイヤモンドはメタノールにより、ダイヤ
モンドの形成の際、一導電型となる不純物、例えばトイ
メチルボロン(BC(H3)等を同時に添加して第2の
P型ダイヤモンドを形成する。
「実施例1」 本発明のプレナ型サーミスタの実施例を第1図に示
す。
本発明を成就するための膜状のダイヤモンドの形成装
置の概要を第3図に示す。
有磁場マイクロ波CVD装置によりI型及び一導電型の
第1及び第2のダイヤモンドを作製した。
即ち、第1図に示す如く、第2のダイヤモンド(2)
はシリコン半導体(1−1)上に窒化珪素(1−2)を
0.5μmの厚さに形成した絶縁表面を有する基板(1)
上に形成した。
ダイヤモンド膜は第3図に示す有磁場マイクロ波CVD
装置を用いて作製した。
本発明のダイヤモンドを形成する概要を以下に示す。
この窒化珪素膜(1−2)を有する基板(1)を、ダ
イヤモンド粒を混合したアルコールを用いた混合液中に
浸して、超音波を1分〜1時間加えた。すると基板上に
微小な損傷を多数形成させることができる。この損傷
は、その後のダイヤモンド形成用の核のもととすること
ができる。この基体(1)を有磁場マイクロ波プラズマ
CVD装置(以下単にプラズマCVD装置ともいう)内に配設
した。プラズマCVD装置は、2.45GHzの周波数のマイクロ
波エネルギを最大10KWまで、マイクロ波発振器(18),
アテニュエイタ(16),石英窓(15)より反応室(19)
に加えることができる。磁場はヘルムホルツコイル(1
7),(17′)を用い、875ガウスの共鳴面を構成せしめ
るため、最大2.2KGにまで加えた。このコイルの内部の
基板(1)をホルダ(13)に基板おさえ(14)で配設さ
せた。
基板位置移動機構(12)で反応炉内での位置を調節
し、10-3〜10-6torrまで真空引きをした。この後これら
に対し、メタンガスを用いるのではなく本発明において
は、メチルアルコール(CH3OH)又はエチルアルコール
(C2H5OH)等のアルコール(22)を水素(21)で40〜20
0体積%(100体積%の場合はCH3OH:H2=1:1に対応)例
えば70体積%に希釈して導入した。
圧力は0.01〜3torr、例えば0.26torrとした。2.2KG
(キロガウス)の磁場を加え、基板の位置またはその近
傍が875ガウスとなるようにした。マイクロ波は5KWを加
え、このマイクロ波と基板ホルダからの熱エネルギで基
板の温度を200〜1000℃、例えば800℃とした。
するとこのマイクロ波エネルギで分解されプラズマ化
したアルコール中の炭素は、基板中に成長し、ダイヤモ
ンド(ダイヤモンドという名称は単結晶化した炭素であ
って、SP3の結合子がすべてまたは大部分であるものを
いう)(2)を第1図(A)に示した如く、0.5〜5μ
m例えば平均厚さ1.3μm(成膜時間2時間)の成長を
させることができた。
第1図(A)において、珪素基板(1)上に窒化珪素
(1−2)が形成された基体(1)上に真性(意図的に
不純物を添加しない)または1×1017cm-3以下にBまた
は他の不純物であるZn,P,N,As,S,O,Se等が1×1015〜1
×1017cm-3の濃度に添加された実質的に真性のI型ダイ
ヤモンドの層(2)を例えば1.3μmの平均厚さに形成
した。
さらに、第3図に示す有磁場マイクロ波CVD装置にお
いて、この第1のダイヤモンド上に第2の一導電型のダ
イヤモンド即ちP型のダイヤモンドを形成した。
形成に際しては、B(CH33/CH3OH=0.01〜3%の割
合のホウ素化合物を添加した。またこの第2のダイヤモ
ンドの厚さは0.5μmとした。
次に第1図(B)に示す如く、これら第2のダイヤモ
ンド(3)の上にフォトレジスト(8)を3μmの厚さ
に形成した。このフォトレジストをマスクとしてプラズ
マエッチング法を用いて第2のダイヤモンドを選択的に
エッチングした。
エッチングガスとしては、NF3を用いた。するとフォ
トレジストをマスクとして選択的にダイヤモンドのみを
エッチング除去することができた。
エッチング装置は、平行平板型であり、電極間隔が30
cm、反応圧力が0.1Torr、高周波電力(13.56MHz)が400
Wの条件でエッチングを行った。
この後フォトレジススト(8)を除去した。
なお、フォトレジストとダイヤモンドとの間には窒化
珪素等の保護膜を必要により形成してもよい。
このダイヤモンドの下側はもし直接シリコン基板と接
していると、ダイヤモンドとこの基板の珪素と反応しや
すい。この実施例はダイヤモンドと酸素との間に約1700
℃の融点を有する非酸化物である窒化珪素を介在させた
ため、特に基板との合金化を心配する必要がなかった。
かくして接合(PN,PI,NI接合では必ずしもないため単
に接合という)を有せしめることができた。
第1図(C)においてこのダイヤモンド(2)上側に
一対の電極(5−1),(5−2)を真空蒸着法、スパ
ッタ法で形成した。この電極としてはチタンまたはタン
グステン、さらにその上に必要に応じてボンディングが
可能な金属を2層膜とし、P型の第2のダイヤモンド
(10−1),(10−2)上に密接させた。
そしてそれぞれの電極(5−1)(5−2)にワイヤ
ボンド(7−1),(7−2)を施し、全体に窒化珪素
膜(6)の反射防止を兼ねた保護膜を500〜5000Åの厚
さに形成した。
すると、第1図(C)において、電気的には電極(5
−1)−P型不純物領域(10−1)−サーミスタとして
の真性または実質的に真性の感熱部(3)−他のP型不
純物領域(10−2)−電極(5−2)構成とし、プレナ
(上部が平坦)型で感熱をする構造にすることができ
た。
第1図(C)の構造において、一対をなす電極間に5
〜30V例えば20Vの電圧で印加して得た特性を第4図(4
3),(44)に示す。
第1図の構造であり、単に不純物領域(10−1),
(10−2)を全く作らない従来例としての特性も第4図
に示す。
第4図において、曲線(41)はダイヤモンド中にまっ
たく不純物を添加しなかった場合の抵抗と、温度との関
係を示す。(グラフは温度の逆数として示す)すると曲
線(41)はサーミスタ定数7000、活性化エネルギ0.6eV
を得た。この場合、電極間隔が5mmであるため、端子間
電圧が70〜250Vと大きい。
さらに第1図におけるダイヤモンド(2)全体にダイ
ヤモンド成膜と同時にホウ素を300ppm添加すると、曲線
(42)が得られる。不純物が入っているため、電極部で
のオームは接触はよいが、サーミスタ定数は2200と小さ
い。
本発明の第1図(C)に示す如く、感熱領域(3)の
間隔((10−1),(10−2)の距離)が0.3mm,0.1mm
とすると、それぞれ曲線(43),(44)が得られ、端子
間電圧も10V、5Vと低い電圧で十分な動作をさせること
ができた。またサーミスタ定数も7000,6500と大きく
し、活性化エネルギも0.6eVを有せしめることができ
た。
即ち大きい温度特性を有し、かつ低い電圧での動作を
させることがわかった。
「実施例2」 第5図は本発明の他の実施例を示す。
第5図(A)は平坦状のダイヤモンド本体(2)に実
施例1と同じく第2のダイヤモンドを離間して(10−
1),(10−2)として設けた。さらにこの上に、チタ
ンの電極(5−1),(5−2)を作った。そのリード
(7−1),(7−2)も溶着法で形成した。
この実施例の場合は、熱が基板内に速やかに伝達する
ため、実施例1に比べて応答速度を速くすることができ
る。しかし高価なダイヤモンドそれ自体を用いなければ
ならない。
「実施例3」 この実施例は非プレナ型のサーミスタで、第5図
(B)に示すが、凸部を有し、この凸部を感熱の感熱部
(3)とした。このため、この凸部を有するI型のダイ
ヤモンドに対し、P型のダイヤモンドを形成し、さらに
電極(5−1),(5−2)を設けた。
この後その上面を研磨して平坦部を形成した。
さらに不純物領域(10−1),(10−2)は凹部に設
けられ、電極(5−1),(5−2)に対し、リード
(7−1),(7−2)を形成し、上面が感熱部(3)
の上面より低くしてある。
固体の接触型のサーミスタにこの構造は優れていた。
「効果」 本発明はダイヤモンドをサーミスタに用いたもので、
プレナ構造および非プレナ構造を有せしめたものであ
る。
そして、低い動作電圧にてサーミスタ定数を6000以上
とする耐熱性のサーミスタを作ることができた。
またダイヤモンドを用いているため、抵抗値の温度特
性も(第1の温度状態から第2の温度状態に移動に必要
な時間)3秒以内に小さくすることができた。
本発明において500℃以上の加熱をする場合、これら
の上に酸化防止保護膜を利用することは有効である。
また本発明の実施例において、基板として窒化珪素を
用いたが、ダイヤモンドそれ自体を用い、その上部に第
1図に示す如き複数の不純物領域を作ることは有効であ
る。
本発明は、1つのサーミスタを作る場合を主として示
した。しかし同一基板上に複数のダイヤモンドを用いた
トランジスタ、耐熱性のダイオード(整流素子)、それ
らを集積化させた電子装置を作り、この電子装置を完成
した後適当な大きさにスクライブ、ブレイクをして1つ
づつ単体または集積化した発光装置とすることは有効で
ある。さらにかかる電子装置を含めて、同じダイヤモン
ドを用いて、またこの上または下側のシリコン半導体を
用いてダイオード、トランジスタ、抵抗、コンデンサを
一体化して作り、複合した集積化電子装置を構成しせめ
ることは有効である。
本発明において、サーミスタ定数を大きくするため、
感熱部にコンタクト部の不純物領域に添加した不純物で
はなく、他の元素周期律表II b、IV b、VI b族の不純物
を添加して助長することは有効である。
元素周期律表III bの元素即ちB(ホウ素),Al(アル
ミニウム),Ga(ガリウム)または元素周期律表V b族の
元素即ちN(窒素),P(リン),As(砒素),Sb(アンチ
モン)をイオン注入法によりダイヤモンド成膜後添加し
てもよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例のサーミスタの構造を示す。 示す。 第2図は本発明のダイヤモンドを形成するための有磁場
マイクロ波装置の1例を示す。 第3図は本発明方法により作られたダイヤモンド電子装
置の1例を示す。 第4図はサーミスタの特性を示す。 第5図は本発明の他の実施例を示す。 1……基板 2……ダイヤモンド 3……感熱部 5−1,5−2……電極 7−1,7−2……リード 10−1,10−2,10……不純物領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205 H01L 21/205 21/265 21/268 Z 21/268 21/265 Z

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真性または実質的に真性な第1のダイヤモ
    ンド上に一対の互いに離間した一導電型を有する第2の
    ダイヤモンドを形成する工程と、 前記第2のダイヤモンド上に電極を形成する工程と、 を有するサーミスタの作製方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、ダイヤモ
    ンドが気相法で形成されることを特徴とするサーミスタ
    の作製方法。
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