JP2560889Y2 - 自動2輪車の出力軸チェーンカバー - Google Patents
自動2輪車の出力軸チェーンカバーInfo
- Publication number
- JP2560889Y2 JP2560889Y2 JP1992048627U JP4862792U JP2560889Y2 JP 2560889 Y2 JP2560889 Y2 JP 2560889Y2 JP 1992048627 U JP1992048627 U JP 1992048627U JP 4862792 U JP4862792 U JP 4862792U JP 2560889 Y2 JP2560889 Y2 JP 2560889Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chain
- output shaft
- sprocket
- engine
- chain cover
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Gears, Cams (AREA)
- Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、自動2輪車のエンジン
側の出力スプロケットを覆うための出力軸チェーンカバ
ーに関する。
側の出力スプロケットを覆うための出力軸チェーンカバ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】自動2輪車においては、一般にエンジン
により後輪を駆動する方式が採られており、その場合の
動力伝達手段として、一般にチェーン・スプロケット機
構が使用されている。すなわち、車体に対しスイングア
ームおよびダンパーにより懸架された後輪に被動スプロ
ケットを取り付け、エンジン側の出力スプロケットと前
記被動スプロケットとの間にエンドレスチェーンを巻装
する機構が使用されている。
により後輪を駆動する方式が採られており、その場合の
動力伝達手段として、一般にチェーン・スプロケット機
構が使用されている。すなわち、車体に対しスイングア
ームおよびダンパーにより懸架された後輪に被動スプロ
ケットを取り付け、エンジン側の出力スプロケットと前
記被動スプロケットとの間にエンドレスチェーンを巻装
する機構が使用されている。
【0003】その場合、エンジン側では、前記出力スプ
ロケットの周辺をカバー(出力軸チェーンカバー)で覆
う構造が採られており、通常、このチェーンカバーはミ
ッションケースの側面に装着されることになる。そし
て、前記出力軸チェーンカバーは、一般に、その近傍に
配置される歯車軸(中間軸等)や変速操作軸などを軸受
部材としても兼用されている。このような自動2輪車の
出力軸チェーンカバーを開示する文献には、例えば実公
昭44−30500号がある。
ロケットの周辺をカバー(出力軸チェーンカバー)で覆
う構造が採られており、通常、このチェーンカバーはミ
ッションケースの側面に装着されることになる。そし
て、前記出力軸チェーンカバーは、一般に、その近傍に
配置される歯車軸(中間軸等)や変速操作軸などを軸受
部材としても兼用されている。このような自動2輪車の
出力軸チェーンカバーを開示する文献には、例えば実公
昭44−30500号がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上記出力軸チェーンカ
バーにおいては、エンジンの小型軽量化の観点から出力
軸と変速操作軸や中間軸との間隔をできるだけ小さくす
ることが要請される。一方、特に自動2輪車のレーサー
では、コースに最適の最終変速比にするために上記出力
スプロケットを歯数の多い(ピッチ円の大きい)ものに
変更したり、歯数の少ないものに変更する場合があり、
そのような場合を考慮して出力スプロケットの周辺に余
分なスペースを設けておくことも要請される。その場
合、加速時および減速時のチェーンの振れまで考慮して
スペースを設定する必要があるので、隣接する前記変速
操作軸や中間軸との距離もかなり大きく設定せざるを得
なくなる。
バーにおいては、エンジンの小型軽量化の観点から出力
軸と変速操作軸や中間軸との間隔をできるだけ小さくす
ることが要請される。一方、特に自動2輪車のレーサー
では、コースに最適の最終変速比にするために上記出力
スプロケットを歯数の多い(ピッチ円の大きい)ものに
変更したり、歯数の少ないものに変更する場合があり、
そのような場合を考慮して出力スプロケットの周辺に余
分なスペースを設けておくことも要請される。その場
合、加速時および減速時のチェーンの振れまで考慮して
スペースを設定する必要があるので、隣接する前記変速
操作軸や中間軸との距離もかなり大きく設定せざるを得
なくなる。
【0005】しかしながら、従来の出力軸チェーンカバ
ーでは、このような2つの相反する要請に対応すること
は不可能であり、後者の要請を満たそうとすると、その
分エンジンが大型になり、重量も増大してしまうことに
なる。本考案はこのような技術的課題に鑑みてなされた
ものであり、本考案の目的は、エンジンの小型軽量化を
損なうことなく、歯数の多い出力スプロケットを装着す
ることができ、しかも、カバー本体の強度設計の容易化
を図ることができる自動2輪車の出力軸チェーンカバー
を提供することである。
ーでは、このような2つの相反する要請に対応すること
は不可能であり、後者の要請を満たそうとすると、その
分エンジンが大型になり、重量も増大してしまうことに
なる。本考案はこのような技術的課題に鑑みてなされた
ものであり、本考案の目的は、エンジンの小型軽量化を
損なうことなく、歯数の多い出力スプロケットを装着す
ることができ、しかも、カバー本体の強度設計の容易化
を図ることができる自動2輪車の出力軸チェーンカバー
を提供することである。
【0006】
【課題解決のための手段】本考案は、自動2輪車のエン
ジンのミッションケースの側面に取り付けられてエンジ
ン側の出力スプロケットを覆うための出力軸チェーンカ
バーにおいて、出力軸の軸受部及び変速操作軸の軸受部
と出力スプロケットの周辺部分に配置される覆い壁部と
が一体に形成され、前記覆い壁部の一部が前記変速操作
軸の軸受部のボス部で形成され、前記覆い壁部のスプロ
ケット側の面に金属との接着性に優れた熱硬化性樹脂か
ら成る肉盛り部が形成され、前記肉盛り部をチェーンが
振れる時の緩衝部材として使用する構成とすることによ
り、上記目的を達成するものである。
ジンのミッションケースの側面に取り付けられてエンジ
ン側の出力スプロケットを覆うための出力軸チェーンカ
バーにおいて、出力軸の軸受部及び変速操作軸の軸受部
と出力スプロケットの周辺部分に配置される覆い壁部と
が一体に形成され、前記覆い壁部の一部が前記変速操作
軸の軸受部のボス部で形成され、前記覆い壁部のスプロ
ケット側の面に金属との接着性に優れた熱硬化性樹脂か
ら成る肉盛り部が形成され、前記肉盛り部をチェーンが
振れる時の緩衝部材として使用する構成とすることによ
り、上記目的を達成するものである。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本考案を具体的に説明
する。図1は本考案を適用した出力軸チェーンカバーを
備えた自動2輪車のエンジンの模式的側面図である。な
お、図1のエンジンは、クランクケースとミッションケ
ースを一体化した形態のエンジンケースを備えている。
図1において、エンジン10のクランクケース11の上
面にはシリンダ12が結合され、該シリンダ12の上面
にはシリンダヘッド13が結合されている。前記シリン
ダ12には吸気管14および排気管15が接続され、前
記吸気管14には気化器16が装着されている。前記ク
ランクケース11にはクランクシャフト(不図示)が軸
支され、前記シリンダ12内には前記クランクシャフト
に連結されたピストン(不図示)が往復動可能に嵌合し
ている。そして、前記ピストンと前記シリンダヘッド1
3との間に燃焼室(不図示)が形成されている。
する。図1は本考案を適用した出力軸チェーンカバーを
備えた自動2輪車のエンジンの模式的側面図である。な
お、図1のエンジンは、クランクケースとミッションケ
ースを一体化した形態のエンジンケースを備えている。
図1において、エンジン10のクランクケース11の上
面にはシリンダ12が結合され、該シリンダ12の上面
にはシリンダヘッド13が結合されている。前記シリン
ダ12には吸気管14および排気管15が接続され、前
記吸気管14には気化器16が装着されている。前記ク
ランクケース11にはクランクシャフト(不図示)が軸
支され、前記シリンダ12内には前記クランクシャフト
に連結されたピストン(不図示)が往復動可能に嵌合し
ている。そして、前記ピストンと前記シリンダヘッド1
3との間に燃焼室(不図示)が形成されている。
【0008】エンジン10のミッションケース17の側
面には出力軸チェーンカバー18が取り付けられてい
る。そして、該チェーンカバー18には、中間軸(歯車
軸)の軸受部19、変速操作軸の軸受部20、出力軸2
1の軸受部22、およびオイルポンプ駆動軸の軸受部2
5が設けられている。このチェーンカバー18は、エン
ジン10と同様、アルミニウム合金またはマグネシウム
合金等の軽合金の鋳物(ダイカスト等)で形成されてい
る。前記出力軸21の突出部には出力スプロケット23
が固定されており、該出力スプロケット23と後輪スプ
ロケット(不図示)との間にはエンドレスチェーン(駆
動チェーン)24が巻装されている。
面には出力軸チェーンカバー18が取り付けられてい
る。そして、該チェーンカバー18には、中間軸(歯車
軸)の軸受部19、変速操作軸の軸受部20、出力軸2
1の軸受部22、およびオイルポンプ駆動軸の軸受部2
5が設けられている。このチェーンカバー18は、エン
ジン10と同様、アルミニウム合金またはマグネシウム
合金等の軽合金の鋳物(ダイカスト等)で形成されてい
る。前記出力軸21の突出部には出力スプロケット23
が固定されており、該出力スプロケット23と後輪スプ
ロケット(不図示)との間にはエンドレスチェーン(駆
動チェーン)24が巻装されている。
【0009】図2は前記出力軸チェーンカバー18の正
面図であり、図3は図2中の線3−3に沿った断面図で
ある。図2および図3において、出力軸チェーンカバー
18の表面には図示のように所望の位置に補強リブ40
が形成されており、出力スプロケット23の周辺部には
前記補強リブとチェーン覆いを兼ねた円弧状の覆い壁部
26が形成されている。図示の例では、この覆い壁部2
6の一部は、変速操作軸の軸受部20のボス部27によ
って形成されている。
面図であり、図3は図2中の線3−3に沿った断面図で
ある。図2および図3において、出力軸チェーンカバー
18の表面には図示のように所望の位置に補強リブ40
が形成されており、出力スプロケット23の周辺部には
前記補強リブとチェーン覆いを兼ねた円弧状の覆い壁部
26が形成されている。図示の例では、この覆い壁部2
6の一部は、変速操作軸の軸受部20のボス部27によ
って形成されている。
【0010】そこで、出力スプロケット23の周辺部分
に立設される覆い壁部26の内周面(スプロケット側の
面)には、金属との接着性に優れた熱硬化性樹脂から成
る肉盛り部28が形成されている。この肉盛り部28
は、スプロケット23に巻装された駆動チェーン24が
半径方向に波打ちする(振れる)時の緩衝部材として使
用されるものである。なお、前記肉盛り部28を設ける
範囲は、図示の例では覆い壁部26の前部領域に限定さ
れているが、これはチェーン24の波打ち挙動の状態を
考慮して任意の範囲あるいは全体に設けてもよい。
に立設される覆い壁部26の内周面(スプロケット側の
面)には、金属との接着性に優れた熱硬化性樹脂から成
る肉盛り部28が形成されている。この肉盛り部28
は、スプロケット23に巻装された駆動チェーン24が
半径方向に波打ちする(振れる)時の緩衝部材として使
用されるものである。なお、前記肉盛り部28を設ける
範囲は、図示の例では覆い壁部26の前部領域に限定さ
れているが、これはチェーン24の波打ち挙動の状態を
考慮して任意の範囲あるいは全体に設けてもよい。
【0011】前記肉盛り部28に使用する熱硬化性樹脂
としては、ウレタン系接着剤〔例えば日本合成ゴム社の
マイティグリップ(商品名)〕などを使用するのが好ま
しい。そして、前記肉盛り部28は、チェーン24に半
径方向外側の対応位置において、その厚さ(高さ)を、
例えば、3mm〜10mm程度にするとともに、その幅
をチェーン24の外側リンクプレートの幅以上にするよ
うに形成される。また、前記肉盛り部28とスプロケッ
ト23の外周またはチェーン24のリンクプレートとの
半径方向の間隔は、使用チェーンのサイズにも依るが、
標準歯数のスプロケットを使用する場合にはチェーン振
れによっても接触しないような寸法(例えば、約10m
m〜20mm程度)に設定される。
としては、ウレタン系接着剤〔例えば日本合成ゴム社の
マイティグリップ(商品名)〕などを使用するのが好ま
しい。そして、前記肉盛り部28は、チェーン24に半
径方向外側の対応位置において、その厚さ(高さ)を、
例えば、3mm〜10mm程度にするとともに、その幅
をチェーン24の外側リンクプレートの幅以上にするよ
うに形成される。また、前記肉盛り部28とスプロケッ
ト23の外周またはチェーン24のリンクプレートとの
半径方向の間隔は、使用チェーンのサイズにも依るが、
標準歯数のスプロケットを使用する場合にはチェーン振
れによっても接触しないような寸法(例えば、約10m
m〜20mm程度)に設定される。
【0012】前記スプロケット23を標準歯数より多い
歯数(大きいピッチ円)のものに交換すると、チェーン
24の振れが過大になった時には、図2中に二点鎖線で
示すようにチェーン24が前記肉盛り部28に接触する
ことが考えられる。図4〜図6は、歯数の多いスプロケ
ットを使用する場合に、図2中の線4−4に沿ってチェ
ーン24と肉盛り部28との半径方向位置関係を例示す
る部分断面図であり、図4はチェーン振れが生じない時
の状態、図5は使用初期におけるチェーン振れを生じた
時の状態、図6は一定期間使用後におけるチェーン振れ
を生じた時の状態をそれぞれ示す。
歯数(大きいピッチ円)のものに交換すると、チェーン
24の振れが過大になった時には、図2中に二点鎖線で
示すようにチェーン24が前記肉盛り部28に接触する
ことが考えられる。図4〜図6は、歯数の多いスプロケ
ットを使用する場合に、図2中の線4−4に沿ってチェ
ーン24と肉盛り部28との半径方向位置関係を例示す
る部分断面図であり、図4はチェーン振れが生じない時
の状態、図5は使用初期におけるチェーン振れを生じた
時の状態、図6は一定期間使用後におけるチェーン振れ
を生じた時の状態をそれぞれ示す。
【0013】図4〜図6において、チェーン24は、左
右の内側リンクプレート31、31と左右の外側リンク
プレート32、32とをピン33により交互に連結する
とともに、各ピン33に回転自在のローラ34を嵌装し
た構造を有する。チェーン振れ(半径方向の波打ち現
象)が生じない時には、図4に示すように、チェーン2
4の内外のリンクプレート31、32〔またはスプロケ
ット23の外周(歯先円)〕と前記肉盛り部28との間
には所定の隙間Sが確保されている。この隙間Sは、例
えば約4mm〜15mm程度に選定される。使用初期に
おいて大きなチェーン振れが生じると、図5に示すよう
に、リンクプレート31、32の周縁部分が前記肉盛り
部28に接触し、摺擦することになる。
右の内側リンクプレート31、31と左右の外側リンク
プレート32、32とをピン33により交互に連結する
とともに、各ピン33に回転自在のローラ34を嵌装し
た構造を有する。チェーン振れ(半径方向の波打ち現
象)が生じない時には、図4に示すように、チェーン2
4の内外のリンクプレート31、32〔またはスプロケ
ット23の外周(歯先円)〕と前記肉盛り部28との間
には所定の隙間Sが確保されている。この隙間Sは、例
えば約4mm〜15mm程度に選定される。使用初期に
おいて大きなチェーン振れが生じると、図5に示すよう
に、リンクプレート31、32の周縁部分が前記肉盛り
部28に接触し、摺擦することになる。
【0014】その場合、チェーン24の各構成部分は調
質鋼等の硬質金属で作られており、前記肉盛り部28は
比較的軟質の合成樹脂で形成されているので、該肉盛り
部28が緩衝部材として機能することになる。そのた
め、チェーン24を傷めることは無く、また摺擦による
騒音が発生することも殆ど無い。また、最悪の場合で
も、チェーン24とチェーンカバー18本体との接触
は、これを確実に阻止することが可能である。このよう
な状態で一定期間使用すると、前記肉盛り部28がリン
クプレート31、32によって徐々に削られることにな
る。
質鋼等の硬質金属で作られており、前記肉盛り部28は
比較的軟質の合成樹脂で形成されているので、該肉盛り
部28が緩衝部材として機能することになる。そのた
め、チェーン24を傷めることは無く、また摺擦による
騒音が発生することも殆ど無い。また、最悪の場合で
も、チェーン24とチェーンカバー18本体との接触
は、これを確実に阻止することが可能である。このよう
な状態で一定期間使用すると、前記肉盛り部28がリン
クプレート31、32によって徐々に削られることにな
る。
【0015】チェーン24との摺擦によって前記肉盛り
部28が削られると、図6に示すように、リンクプレー
ト31、32の周縁部分に倣った凹部35、35が形成
されるが、この凹部35、35が一定の深さに達すると
回転自在のローラ34が接触することになる。このロー
ラ34は、肉盛り部28に接触しても、その表面を自由
に転動するだけであり、摺擦することはない。そのた
め、前記ローラ34が接触する状態になると、前記肉盛
り部28の前記リンクプレート31、32によるそれ以
上の摩耗(削り現象)は阻止されることになる。また、
ローラ34は肉盛り部28上を転動するので、接触して
も騒音は発生せず、しかも、摩擦抵抗も微々たるもので
あるので駆動効率の低下も生じない。
部28が削られると、図6に示すように、リンクプレー
ト31、32の周縁部分に倣った凹部35、35が形成
されるが、この凹部35、35が一定の深さに達すると
回転自在のローラ34が接触することになる。このロー
ラ34は、肉盛り部28に接触しても、その表面を自由
に転動するだけであり、摺擦することはない。そのた
め、前記ローラ34が接触する状態になると、前記肉盛
り部28の前記リンクプレート31、32によるそれ以
上の摩耗(削り現象)は阻止されることになる。また、
ローラ34は肉盛り部28上を転動するので、接触して
も騒音は発生せず、しかも、摩擦抵抗も微々たるもので
あるので駆動効率の低下も生じない。
【0016】以上説明した実施例によれば、出力スプロ
ケット23の周辺部分に立設される覆い壁部26の側面
に接着性に優れた熱硬化性樹脂を肉盛りし、歯数の多い
スプロケットを使用しかつチェーン振れが生じるような
場合に、前記熱硬化性樹脂をチェーン24が摺擦する緩
衝部材として機能させるように構成したので、出力軸と
変速操作軸との間隔を増大させなくても、歯数の多いス
プロケットを使用することが可能になり、その分エンジ
ンの小型軽量化を図ることが可能になる。また、覆い壁
部26の一部を変速操作軸の軸受部20のボス部27で
形成することから、該変速操作軸の軸受部20の有効利
用によって覆い壁部26を設ける範囲を減少させるとと
もに、前記覆い壁部26と前記ボス部27との連続化に
よりカバー本体の強度設計の容易化を図ることが可能に
なる。また、前記緩衝部材28は接着剤を肉盛りするだ
けで形成するので、工程が楽であるとともに、必要スペ
ースを最小限に抑えることもできる。
ケット23の周辺部分に立設される覆い壁部26の側面
に接着性に優れた熱硬化性樹脂を肉盛りし、歯数の多い
スプロケットを使用しかつチェーン振れが生じるような
場合に、前記熱硬化性樹脂をチェーン24が摺擦する緩
衝部材として機能させるように構成したので、出力軸と
変速操作軸との間隔を増大させなくても、歯数の多いス
プロケットを使用することが可能になり、その分エンジ
ンの小型軽量化を図ることが可能になる。また、覆い壁
部26の一部を変速操作軸の軸受部20のボス部27で
形成することから、該変速操作軸の軸受部20の有効利
用によって覆い壁部26を設ける範囲を減少させるとと
もに、前記覆い壁部26と前記ボス部27との連続化に
よりカバー本体の強度設計の容易化を図ることが可能に
なる。また、前記緩衝部材28は接着剤を肉盛りするだ
けで形成するので、工程が楽であるとともに、必要スペ
ースを最小限に抑えることもできる。
【0017】図7および図8は、前記肉盛り部28の断
面形状の他の例を示す図である。前述の実施例では、肉
盛り部28の表面を平坦に形成する場合を説明したが、
この肉盛り部28は、図7および図8に示すように、最
初からローラ34のみが接触し、リンクプレート31、
32は接触しないような段差形状36または溝付き形状
37にしてもよい。
面形状の他の例を示す図である。前述の実施例では、肉
盛り部28の表面を平坦に形成する場合を説明したが、
この肉盛り部28は、図7および図8に示すように、最
初からローラ34のみが接触し、リンクプレート31、
32は接触しないような段差形状36または溝付き形状
37にしてもよい。
【0018】
【考案の効果】以上の説明から明らかなごとく、本考案
によれば、自動2輪車のエンジンのミッションケースの
側面に取り付けられてエンジン側の出力スプロケットを
覆うための出力軸チェーンカバーにおいて、出力軸の軸
受部及び変速操作軸の軸受部と出力スプロケットの周辺
部分に配置される覆い壁部とが一体に形成され、前記覆
い壁部の一部が前記変速操作軸の軸受部のボス部で形成
され、前記覆い壁部のスプロケット側の面に金属との接
着性に優れた熱硬化性樹脂から成る肉盛り部が形成さ
れ、前記肉盛り部をチェーンが振れる時の緩衝部材とし
て使用する構成としたので、エンジンの小型軽量化を損
なうことなく歯数の多いスプロケットを装着することが
でき、しかも、覆い壁部の一部を変速操作軸の軸受部の
ボス部で形成することから、該変速操作軸の軸受部の有
効利用によって覆い壁部を設ける範囲を減少させるとと
もに、前記覆い壁部と前記ボス部との連続化によりカバ
ー本体の強度設計の容易化を図ることができる自動2輪
車の出力軸チェーンカバーが提供される。
によれば、自動2輪車のエンジンのミッションケースの
側面に取り付けられてエンジン側の出力スプロケットを
覆うための出力軸チェーンカバーにおいて、出力軸の軸
受部及び変速操作軸の軸受部と出力スプロケットの周辺
部分に配置される覆い壁部とが一体に形成され、前記覆
い壁部の一部が前記変速操作軸の軸受部のボス部で形成
され、前記覆い壁部のスプロケット側の面に金属との接
着性に優れた熱硬化性樹脂から成る肉盛り部が形成さ
れ、前記肉盛り部をチェーンが振れる時の緩衝部材とし
て使用する構成としたので、エンジンの小型軽量化を損
なうことなく歯数の多いスプロケットを装着することが
でき、しかも、覆い壁部の一部を変速操作軸の軸受部の
ボス部で形成することから、該変速操作軸の軸受部の有
効利用によって覆い壁部を設ける範囲を減少させるとと
もに、前記覆い壁部と前記ボス部との連続化によりカバ
ー本体の強度設計の容易化を図ることができる自動2輪
車の出力軸チェーンカバーが提供される。
【図1】本考案を適用した出力軸チェーンカバーを備え
たエンジンを例示する模式的側面図である。
たエンジンを例示する模式的側面図である。
【図2】本考案を適用した出力軸チェーンカバーの一実
施例の正面図である。
施例の正面図である。
【図3】図2中の線3−3に沿った断面図である。
【図4】チェーン振れが生じない時の状態を図2中の線
4−4に沿って示す部分断面図である。
4−4に沿って示す部分断面図である。
【図5】使用開始時にチェーン振れが生じて肉盛り部に
接触する状態を図2中の線4−4に沿って示す部分断面
図である。
接触する状態を図2中の線4−4に沿って示す部分断面
図である。
【図6】一定期間使用後にチェーン振れが生じて肉盛り
部に接触する状態を図2中の線4−4に沿って示す部分
断面図である。
部に接触する状態を図2中の線4−4に沿って示す部分
断面図である。
【図7】肉盛り部の他の形状を例示する図5に対応する
部分断面図である。
部分断面図である。
【図8】肉盛り部のさらに他の形状を例示する図5に対
応する部分断面図である。
応する部分断面図である。
10 エンジン 11 クランクケース 12 シリンダ 13 シリンダヘッド 17 ミッションケース 18 出力軸チェーンカバー 19 中間軸の軸受部 20 変速操作軸の軸受部 21 出力軸 22 出力軸の軸受部 23 出力スプロケット 24 チェーン 26 覆い壁部 27 ボス部 28 肉盛り部 31 内リンクプレート 32 外リンクプレート 33 ピン 34 ローラ 35 凹部 36 段差形状 37 溝付き形状
Claims (1)
- 【請求項1】 自動2輸車のエンジンのミッションケ
ースの側面に取り付けられてエンジン側の出力スプロケ
ットを覆うための出力軸チェーンカバーにおいて、出力
軸の軸受部及び変速操作軸の軸受部と出力スプロケット
の周辺部分に配置される覆い壁部とが一体に形成され、
前記覆い壁部の一部が前記変速操作軸の軸受部のボス部
で形成され、前記覆い壁部のスプロケット側の面に金属
との接着性に優れた熱硬化性樹脂から成る肉盛り部が形
成され、前記肉盛り部をチェーンが振れる時の緩衝部材
として使用することを特徴とする自動2輪車の出力軸チ
ェーンカバー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992048627U JP2560889Y2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 自動2輪車の出力軸チェーンカバー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1992048627U JP2560889Y2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 自動2輪車の出力軸チェーンカバー |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061165U JPH061165U (ja) | 1994-01-11 |
JP2560889Y2 true JP2560889Y2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=12808635
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1992048627U Expired - Lifetime JP2560889Y2 (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | 自動2輪車の出力軸チェーンカバー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560889Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6635105B2 (ja) * | 2017-02-16 | 2020-01-22 | Jfeスチール株式会社 | 閉断面部品、車両用構造部品、および衝撃吸収能向上方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS577595U (ja) * | 1980-06-14 | 1982-01-14 | ||
JPS5742772U (ja) * | 1980-08-21 | 1982-03-09 | ||
JPS598534B2 (ja) * | 1982-04-27 | 1984-02-25 | 日立電線株式会社 | 熱収縮性チユ−ブの製造方法 |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP1992048627U patent/JP2560889Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH061165U (ja) | 1994-01-11 |
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