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JP2549424B2 - 活性エネルギー線硬化型樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化型樹脂組成物

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JP2549424B2
JP2549424B2 JP63231648A JP23164888A JP2549424B2 JP 2549424 B2 JP2549424 B2 JP 2549424B2 JP 63231648 A JP63231648 A JP 63231648A JP 23164888 A JP23164888 A JP 23164888A JP 2549424 B2 JP2549424 B2 JP 2549424B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照
射によって硬化する樹脂組成物に関し、特に、プリント
配線板用銅張積層板、金属、ガラス、セラミックス、プ
ラスチックフィルム等の上に所望のパターン形状で積層
することが可能な活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に
関する。
〔従来の技術〕
近年、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、塗料、
インキ、封止材料、レジスト材料、保護膜用材料、パタ
ーン形成用材料等として多用されている。例えば、プリ
ント配線板用の保護被覆膜またはその配線パターン形成
用レジスト材料として用いられる活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物としては、具体的には、フィルム形成能を
有する高分子物質を含有するドライフィルムレジスト
(商品名RISTON:デュポン・ジャパン・リミテッド社製
など)、写真法による厚膜液状レジスト(商品名プロビ
マー:チバ・ガイギー(株)社製など)等が知られてい
る。
上記のような組成物は、その組成物にフィルム状への
賦形あるいは乾燥皮膜への賦形等の性質を付与するため
の高分子物質(以下、単に高分子物質と称す)と、活性
エネルギー線硬化性物質とを主成分としている。これら
組成物の支持体に対する密着性、パターン形成のための
現像性、塗膜としての耐久性、塗布性および乾燥性など
は、上記高分子物質の種類、分子構造などに大きく影響
される。したがって、上述したような特性を所望のレベ
ルにすることを目的として、その高分子物質の種類の選
択および分子設計が行なわれていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述のようにして高分子物質の種類の
選択および分子設計を行なっても、従来の活性エネルギ
ー線硬化型樹脂組成物は、種々の支持体に対する密着性
においては、まだ十分な特性を得るに至っていなかっ
た。
この問題を解決するために、複素環式化合物のような
金属と錯体を形成することができる添加助剤あるいはカ
ップリング剤をそのような樹脂に添加することが提案さ
れている(特公昭51-5934、特公昭58-24035など)。し
かしこの方法には、長期間が経過すると、上記添加助剤
等がその組成物の酸化および腐蝕等の現象を引き起こし
てしまうという問題があった。
一方、そのような添加助剤等を添加しなくとも十分な
密着性を有する硬化組成物を得ることを目的として、枝
鎖に極性基を有するグラフト共重合体より成る高分子物
質が特開昭61-291619号公報等において開示されてい
る。そこで開示された高分子物質(グラフト共重合高分
子)を含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、
添加助剤等に頼ること無く、密着性の向上、更には塗膜
の耐久性の向上を実現することができた。しかしなが
ら、これらの技術においては、その高分子物質(グラフ
ト共重合高分子)の分子設計が困難であるという問題が
まだ残されていた。すなわち、一般に、枝鎖の分子量お
よび含有率を一定にしつつ、グラフト共重合体全体の重
量平均分子量を広範囲(5万〜35万程度)に渡り適宜所
望の値の分子量になるよう合成することは、技術的に困
難を伴なう。
つまり、パターン形成時の現像特性、すなわち末重合
部の溶解速度、重合部の膨潤性、そしてそれらの結果と
しての感度、パターンのシャープさ、解像度の調節性を
良好なものとするには、高分子物質の平均分子量は小さ
過ぎてはならない。グラフト共重合高分子において、比
較的大きな分子量の幹鎖に、有効な密着性が得られる程
度に十分な長さを持った枝鎖を多数結合させ、上述した
目的に合致する数平均分子量を得ることは、現在の合成
技術においては、立体的障害の点から困難を伴なうもの
である。
言い替えれば、高分子物質の平均分子量が低すぎる
と、それを用いたパターン形成材料の現像特性、すなわ
ち末重合部の溶解速度、重合部の膨潤性、そしてそれら
の結果としての感度、パターンのシャープさ、解像度の
調節に一定の制限を受けるのである。
本発明は上記問題点に鑑み成されたものであり、その
目的はプリント配線板用鋼張積層板、金属、ガラス、セ
ラミックスプラスチック等上に所望のパターン形状で積
層することか可能な紫外線、電子線等の活性エネルギー
線(の照射)によって硬化する優れた樹脂組成物を提供
することである。
本発明の他の目的は、添加助剤等を添加しなくとも、
基体に対し優れた接着活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物を提供することである。
本発明の更に他の目的は、パターン形成時の現像特性
に優れた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供する
ことである。
また、本発明は、種々の用途に応じて所望の特性が得
られるように(その特性を)容易に制御できる優れた活
性エネルギー線硬化型樹脂組成物を提供することをも目
的としている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、 (A)アルキルメタアクリレート、アクリロニトリルお
よびスチレンからなる群より選ばれた一種以上のモノマ
ー(以下「モノマー」という)に由来する構造単位を
主体とする幹鎖に、下記一般式(x)および(y) [ただし、R1は水素、もしくは炭素原子数が1〜3のア
ルキル基またはヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水
素、もしくは炭素原子数が1〜4のヒドロキシ基を有し
ていてもよいアルキル基またはアシル基を表わし、R3
炭素原子数2〜6のアルキル基、あるいはハロゲン置換
されたアルキル基、 CH2 nOCH2 m (ただし、2≦m+n≦6、n≠0、m≠0) で表わされるアルキルエーテル基、 (ただし、2≦m+n≦4、n=0あるいはm=0の場
合も含む) で表わされるフェニルアルキル基である。] で表わされるモノマーのうちの少なくとも一種のモノマ
ー(以下「モノマノー」という)に由来する構造単位
を有する枝鎖が付加されてなり、かつ数平均分子量が5
千以上であり、重量平均分子量が5万以下であるグラフ
ト共重合高分子と、 (B)メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレー
ト、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアク
リレート、ベンジルメタアクリレート、アクリロニトリ
ル、イソボルニルメタアクリレート、イソボルニルアク
リレート、トリシクロデカンアクリレート、トリシクロ
デカンメタアクリレート、トリシクロデカンオキシエチ
ルメタアクリレート、スチレン、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートからな
るモノマーからなる群より選ばれた一種以上のモノマー
(以下「モノマー」という)に由来する構造単位を有
し、かつ前記一般式(x)あるいは(y)で表わされる
モノマーのうちの少なくとも一種のモノマーに由来する
構造単位を有し、かつ数平均分子量が5万以上であり、
重量平均分子量が35万以下であり、ガラス転移温度が60
℃以上である線状高分子と、 (C)分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物の少
なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂に存在するエポ
キシ基の一部を不飽和カルボン酸によってエステル化し
てなる樹脂と、 (D)エチレン性不飽和結合を有する単量体と、 (E)活性エネルギー線の照射によってルイス酸を発生
する重合開始剤と を有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物により
達成される。
以下、本発明の組成物を構成する各成分(A)〜
(E)について詳細に説明する。
グラフト共重合高分子(A)の幹鎖に用いるモノマー
としては、前述したようにアルキルメタアクリレート、
アクリロニトリル、スチレンからなる群より選ばれた一
種以上を主成分として用いる。
枝鎖に用いるモノマーとしては、前記一般式(x)ま
たは(y)で表わされるモノマーに加え、必要に応じて
以下の極性モノマーを併用することが可能である。
(I)アミノ基またはアルキルアミノ基含有アクリルモ
ノマノー (II)カルボキシル基含有アクリルまたはビニルモノマ
ー (III)N−ビニルピロリドン、もしくはその誘導体 (IV)ビニルピリジン、もしくはその誘導体 また、疎水性モノマーも、約25モル%以下の範囲内で
共重合の成分として用いることができる。
本発明の組成物に使用されるグラフト共重合高分子
(A)は、例えば「ポリマーアロイ基礎と応用」(高分
子学会編集、東京化学同人(株)発行、1981年)の10〜
35頁に記載されているような、従来より公知の種々の方
法で作成することができる。それらの方法としては、
連鎖移動法、放射線を用いる方法、酸化重合法、
イオングラフト重合法、マクロモノマー法などがあ
る。これらの方法を用い、先に例示したモノマーとモ
ノマーを用いて、数平均分子量5千以上、重量平均分
子量5万以下のグラフト共重合高分子が得らえるように
適宜重合条件を選定して重合することによって、本発明
の組成物を構成するグラフト共重合高分子(A)を得る
ことができる。
なお、前記方法〜のうち、あるいはの方法を
用いると、共重合高分子(A)の鎖枝の長さが揃うので
好ましい。特にのマイクロモノマノー法はより好まし
い方法である。
線状高分子(B)は、前述したモノマーのうちの少な
くとも一種を主成分とし、かつ前記一般式(x)あるい
は(y)で表わされるモノマーのうち少なくとも一種を
用い、数平均分子量5万以上、重量平均分子量35万以下
で、ガラス転移温度60℃以上の重合体になるように、適
宜重合条件を選定しつつ、従来より公知の方法を用いて
重合することにより得ることができる。なお、前記一般
式(x)および(y)で表わされるモノマーは、5モル
%から30モル%の範囲で加えることが好ましい。線状高
分子中のこのモノマーを30モル%以上多く含有させる
と、硬化塗膜中の極性基濃度が高くなり、密着性向上の
効果がそれ以上昇せずに、耐久性の低下が現われてくる
ので好ましくない。また、得られた線状高分子に混合さ
れたモノマーが5モル%以下であると、密着性向上お
よび塗膜の結合剤としての効果が不十分になる。
高いガラス転移温度を与え、耐水性を高める目的で
は、前述したモノマーとしては、メチルメタクリレー
ト、イソボルニルメタクリレート、イソボルニルアクリ
レート、トリシクロデカンメタクリレート、トリシクロ
デカンアクリレート等は特に好ましい結果を与える。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有さ
せる1分子内にエポキシ基を2個以上含む化合物の1種
以上からなるエポキシ樹脂に存在するエポキシ基の一部
を、不飽和カルボン酸によってエステル化して得られる
樹脂成分(C)(以後、ハーフエステル化エポキシ樹脂
と略称する)は、後述する重合開始剤(E)の存在下に
本発明の樹脂組成物に活性エネルギー線による高感度で
十分な硬化性を発揮させ、これに加えて、本発明の樹脂
組成物を、ガラス、プラスチック、セラミックス等から
なる各種支持体上に液体状で塗布してからこれを硬化さ
せて硬化膜として形成した際に、あるいはドライフィル
ムの形で各種支持体上に接着して用いた際に該樹脂組成
物からなる硬化膜に、より良好な支持体との密着性、耐
水性、耐薬品性、寸法安定性等を付与するための成分で
ある。
このハーフエステル化エポキシ樹脂(C)は、エポキ
シ樹脂に、所定量の不飽和カルボン酸を、付加触媒及び
重合禁止剤の共存下で、溶媒の存在下若しくは不存在下
において、80〜120℃の温度条件によって反応させて、
エポキシ樹脂に存在するエポキシ基の一部をカルボン酸
でエステル化(ハーフエステル化)するなどの方法によ
って得ることができる。
ハーフエステル化エポキシ樹脂(C)の形成に用いる
ことのできる1分子内にエポキシ基を2個以上含む化合
物の1種以上を含んでなるエポキシ樹脂としては、ビス
フェノールA型、ノボラック型、脂環型に代表されるエ
ポキシ樹脂、あるいは、ビスフェノールS、ビスフェノ
ールF、テトラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシ
ジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリストー
ルトリグリシジルエーテル、イソシアヌール酸トリグリ
シジルエーテルおよび下記一般式(I) (ただし、R4はアルキル基またはオキシアルキル基、R5
またはアルキル基を表わす) で表わされるエポキシウレタン樹脂等の多官能性のエポ
キシ樹脂及びこれらの一種以上の混合物などを挙げるこ
とができる。
なお、これら多官能性エポキシ樹脂の具体例としては
以下のようなものを挙げることができる。
すなわち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として
は、例えばエピコート828、834、871、1001、1004(商
品名、シェル化学社製)、DER 331-J、337-J、661-J、6
64-J、667-J(ダウケミカル社製)及びエピクロン800
(商品名、大日本インキ化学工業(株)社製)など;ノ
ボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピコート15
2、154、172、(商品名、シェル化学社製)、アラルダ
イトEPN 1138(商品名、チバガイギー社製)、DER 43
1、438及び439(商品名、ダウケミカル社製)など;脂
環式エポキシ樹脂としては、例えばアラルダイトCY-17
5、‐176、‐179、‐182、‐184、‐192(商品名、チバ
ガイギー社製)、チッソノックス090、091、092、301、
313(商品名、チッソ(株)社製)、シラキュアー(CYR
ACURE)6100、6110、6200及びERL 4090、4617、2256、5
411(商品名、ユニオンカーバイド社製)など;脂肪族
多価アルコールの多価グリシジルエーテル類としては、
例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ
エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール
ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ト
リメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水素添
加ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、2,2−ジ
ブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル
等;芳香族多価アルコールから誘導された多価グリシジ
ルエーテルとしては、ビスフェノールAのアルキレンオ
キシドの2〜16モル付加体のジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFのアルキレンオキシドの2〜16モル付加
体のジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのアルキ
レンオキシドの2〜16モル付加体のジグリシジルエーテ
ルなどがある。
上記エポキシ樹脂中のエポキシ基の一部のハーフエス
テル化(このエステル化を以下「ハーフエステル化」と
いう)に用いることのできる不飽和カルボン酸として
は、種々のものを用いることができるが、本発明の樹脂
組成物に、より良好な活性化エネルギーによる硬化性を
付与するためには、少なくとも分子の一方の末端にアク
リル性若しくはメタアクリル性ビニル基を有し、他方の
末端にカルボキシル基を有した一塩基性の不飽和カルボ
ン酸を好適なものとして用いることができる。
そのような不飽和カルボン酸の代表例としては、アク
リル酸及びメタアクリル酸が挙げられるが、ジカルボン
酸と1個のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸
エステルとを反応させて得られるモノエステル化合物も
使用することができる。
上記のジカルボン酸としてはフタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、シュウ酸、マロン酸、こはく酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、イソセバシン酸、テトラヒドロ
フタル酸及びこれらの無水物などを挙げることができ
る。
また、上記の1個のヒドロキシル基を有する(メタ)
アクリル酸エステルとしては、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリ
レート及び6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト等を挙げることができる。
前記エポキシ樹脂のハーフエステル化反応に用いるこ
とのできる付加反応触媒としては、例えば塩化亜鉛、塩
化リチウムなどの金属ハロゲン化物、例えばジメチルサ
ルファイド、メチルフェニルサルファイドなどのサルフ
ァイド類の化合物、例えばジメチルスルホキシド、メチ
ルエチルスルホキシドなどのスルホキド類の化合物、例
えばN,N−ジメチルアニリン、ピリジン、トリエチルア
ミン、ベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン類の
化合物及びその塩酸塩若しくは臭酸塩、例えばテトラメ
チルアンモニウムクロライド、トリメチルドデシルベン
ジルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアン
モニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、例え
ばパラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類の化合物
及び例えばエチルメルカプタン、プロピルメルカプタン
などのメルカプタン類の化合物などを挙げることができ
る。
更に、上記エポキシ樹脂のハーフエステル化に用いる
ことのできる重合禁止剤としては、例えばハイドロキノ
ン、アルキル若しくはアリール置換ハイドロキノン、第
3ブチルカテコール、ピロガロール、ナフチルアミン、
β−ナフトール、塩化第一銅、2,6−ジ第3ブチル−p
−クレゾール、フェノチアジン、N−ニトロソジフェニ
ルアミン及びニトロベンゼンなどを挙げることができ
る。
また、上記エポキシ樹脂のハーフエステル化反応を溶
媒の存在下で行なう場合に使用することのできる溶媒と
しては、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル及び
酢酸イソブチルなどを挙げることができる。
ハーフエステル化反応の際のエポキシ樹脂と不飽和カ
ルボン酸の使用量は、エポキシ樹脂のエポキシ基と不飽
和カルボン酸のカルボキシル基との比率が、好ましくは
1:0.3〜1:0.7、より好ましくは1:0.45〜1:0.55となるよ
うに適宜選択される。
すなわち、ハーフエステル化エポキシ樹脂における不
飽和カルボン酸によるエポキシ基のエステル化率が、上
記の範囲よりも高いと、エポキシ樹脂に由来する良好な
耐薬品性や寸法安定性等を有する活性エネルギー線で硬
化可能な本目的の樹脂組成物に有効を得ることが難し
い。また上記の範囲よりも低いと、(メタ)アクリル酸
エステル基に基づく、活性エネルギー線の作用による高
解像度で十分な硬化性を有する樹脂組成物に得らること
が難しい。
このように、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物は、少なくとも必須成分として含有されるハーフエ
ステル化エポキシ樹脂(C)の高感度と、アクリル酸エ
ステル基に基づく活性エネルギー線の作用による硬化性
と、エポキシ基に基づく熱硬化性とを有しており、本発
明樹脂組成物に活性エネルギー酸を照射させて硬化させ
た後、80℃以上で、10分〜3時間程度加熱して更に熱硬
化させて得た硬化膜には、エポキシ樹脂に由来する良好
な耐薬品性や寸法安定性等が更に有効に付与される。
本発明の樹脂組成物に用いるエチレン性不飽和結合を
有する単量体(D)とは、上述のハーフエステル化エポ
キシ樹脂成分(C)と同様に、本発明の樹脂組成物に活
性エネルギー線による硬化性を発揮させ、とりわけこれ
に活性エネルギー線に対する優れた感度を付与するため
の成分であり、好ましくは大気圧下で100℃以上の沸点
を有し、更に好ましくはエチレン性不飽和結合を2個以
上有するものであって、活性エネルギー線の照射で硬化
する公知の種々の単量体を用いることができる。
そのような2個以上のエチレン性不飽和結合を有する
単量体を具体的に示せば、例えば1分子中に2個以上
のエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂のアクリル酸
エステルまたはメタアクリル酸エステル、多価アルコ
ールのアルキレンオキシド付加物のアクリル酸エステル
またはメタアクリル酸エステル、二塩基酸と二価アル
コールから成る分子量500〜3000のポリエステルの分子
鎖末端にアクリル酸エステル基を持つポリエステルアク
リレート、多価イソシアネートと水酸基を有するアク
リル酸モノマーとの反応物が挙げられる。上記〜の
単量体は、分子内にウレタン結合を有するウレタン変性
物であってもよい。
に属する単量体としては、前述のハーフエステル化
エポキシ樹脂成分(C)の生成に用いられる多官能エポ
キシ樹脂のアクリル酸またはメタアクリル酸エステルな
どが挙げられる。
に属する単量体としては、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートな
どが挙げられ、商品名KAYARAD HX-220、HX-620、D-31
0、D-320、D-330、DPHA、R-604、DPCA-20、DPCA-30、DP
CA-60、DPCA-120(以上、日本化薬(株)製)、商品名N
KエステルBPE-200、BPE-500、BPE-1300、A-BPE-4(以
上、新中村化学(株)製)等で知られるものを使用でき
る。
に属する単量体としては、商品名アロニックスM-61
00、M-6200、M-6250、M-6300、M-6400、M-7100、M-803
0、M-8060、M-8100(以上、東亜合成化学(株)製)な
どが挙げられる。に属し、ポリエステルのウレタン結
合を含有するものとしては、商品名アロニックスM-110
0、アロニックスM-1200(以上、東亜合成化学(株)
製)等として知られるものが挙げられる。
に属する単量体としては、トリレンジイソシアナー
ト、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイ
ソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナ
ート、リジンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイ
ソシアナートなどのポリイソシアナートと水酸基含有ア
クリルモノマーとの反応物が挙げられ、商品名スミジュ
ールN(ヘキサメチレンジイソシアナートのビュレット
誘導体)、スミジュールL(トリレンジイソシアナート
のトリメチロールプロパン変性体)(以上、住友バイエ
ルウレタン(株)製)等で知られるポリイソシアナート
化合物に水酸基含有の(メタ)アクリル酸エステルを付
加した反応物などを使用できる。ここで言う水酸基含有
アクリルモノマーとしては(メタ)アクリル酸エステル
が代表的なもので、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ま
しい。また、先に挙げたグラフト共重合高分子(A)の
枝鎖に用いられる水酸基含有の他のアクリルモノマー、
特に一般式(x)で表わされる化合物も使用することが
できる。
上記したような2個以上のエチレン性不飽和結合を有
する単量体の他、これ等と共に例えば以下に列挙するよ
うなエチレン性不飽和結合を1個だけ有する単量体も用
いることができる。そのような1個のエチレン性不飽和
結合を有する単量体を例示すれば、例えばアクリル酸、
メタアクリル酸などのカルボキシル基含有不飽和モノマ
ー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレ
ートなどのグリシジル基含有不飽和モノマー;ヒドロキ
シエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプ
ロピルメタアクリレート等のアクリル酸またはメタクリ
ル酸のC2〜C8ヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレ
ングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコー
ルモノメタアクリレート、ポリプロピレングリコールモ
ノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタア
クリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸とポリエ
チレングリコールまたはポリプロピレングリコールとの
モノエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシ
ル等のアクリル酸またはメタクリル酸のC1〜C12アルキ
ルまたはシクロアルキルエステル;その他のモノマーと
して、例えばスチレン、ビニルトルエン、メチルスチレ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルイソブチルエーテ
ル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルア
ミド、アルキルグリシジルエーテルのアクリル酸または
メタクリル酸付加物、ビニルピロリドン、ジシクロペン
テニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ε−カプロ
ラクトン変性ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェノキシ
エチルアクリレートなど;が挙げられる。
何れにしても、上記エチレン性不飽和結合を有する単
量体を使用することにより、本発明の樹脂硬化膜を形成
するための樹脂組成物に活性エネルギー線に対する高感
度で十分な硬化性が付与される。
本発明の樹脂組成物に含有させる活性エネルギー線の
照射によってルイス酸を発生する重合開始剤(E)と
は、該ルイス酸の作用によって前述のハーフエステル化
エポキシ樹脂(C)を硬化させ、本発明の樹脂組成物に
活性エネルギー線に対する高感度で十分な硬化性を発揮
させるための成分であり、好適には例えば特公昭52-142
78号公報に示されている第VIa族に属する元素を含む光
感知性を有する芳香族オニウム塩化合物、または特公昭
52-14279号公報に示されている第Va族に属する元素を含
む光感知性を有する芳香族オニウム塩化合物、あるいは
特公昭52-14277号に示されている光感知性を有する芳香
族ハロニウム塩などを用いることができる。これら芳香
族オニウム塩化合物または芳香族ハロニウム塩は、その
いずれもが活性エネルギー線の照射によってルイス酸を
放出して前述のハーフエステル化エポキシ樹脂成分
(C)を硬化させるという特性を有している。
上記の第VIa族若しくは第Va族に属する元素を有する
光感知性の芳香族オニウム塩化合物には、代表的には下
記一般式II; [(R6)a(R7)b(R8)cX]d +[MQe]-(e-f) …(II) (上記式中、R6は一価の有機芳香族基、R7はアルキル
基、シクロアルキル基及び置換アルキル基から選らばれ
る一価の有機脂肪族基、R8は脂肪族基及び芳香族基から
選らばれる複素環若しくは縮合環構造を構成する多価有
機基、Xはイオウ、セレン及びテルルから選らばれる第
VIa族または窒素、リン、ヒ素、アンチモン及びビスマ
スから選らばれる第Va族に属する元素、Mは金属または
半金属及びQはハロゲン基をそれぞれ表わし、aはXが
第VIa族に属する元素である場合には0〜3の整数、X
が第Va族に属する元素である場合には0〜4の整数、b
は0〜2の整数、cはXが第VIa族に属する元素である
場合には0または1の整数、Xが第Va族に属する元素で
ある場合には0〜2の整数、fはMの価数で2〜7の整
数、eはfより大で8以下の整数であり、かつaとbと
cの和はXが第VIa族に属する元素である場合には3、
Xが第Va族に属する元素である場合には4及びd=e−
fである)で表される化合物が挙げられる。
また、光感知性の芳香族ハロニウム塩としては、下記
一般III; [(R9)g(R10)hX]i +[MQj]-(k-l) …(III) (上記式中、R9は一価の芳香族有機基、R10は二価の芳
香族有機基、Xはハロゲン基、Mは金属または半金属及
びQはハロゲン基をそれぞれ表わし、gは0または2つ
の整数かつhは0または1の整数であって、gとhの和
が2またはXの原子価に等しく、iはk−lに等しく、
1はMの原子価に等しい2〜7の整数であり、kはlよ
りも大きい8までの整数である)で表される化合物が挙
げられる。
上記第VIa族若しくは第Va族に属する元素を含む光感
知性の芳香族オニウム塩化合物の具体例としては、例え
などの第VIa族に属する元素の光感知性の芳香族オニ
ウム塩、及び例えば などの第Va族に属する元素の光感知性の芳香族オニウム
塩などを挙げることができる。
また、光感知性の芳香族ハロニウム塩の具体例として
は、例えば、 等が挙げられる。
尚、上記のようなルイス酸を放出する重合開始剤
(D)に加えて、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に広
く知られているポリアミン、ポリアミド、酸無水物、三
フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアモ
ド、イミダゾール類、イミダゾールと金属塩のコンプレ
ックス等の硬化剤を必要に応じて用いてもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性
エネルギー線によって硬化されるものであるが、グラフ
ト共重合高分子(A)及び/または線状高分子(B)と
して光重合性を有するものを用い、かつ活性エネルギー
線として波長250nm〜450nmの活性エネルギー線を用いる
場合には、活性エネルギー線の作用により賦活化し得る
遊離ラジカル生成性のラジカル重合開始剤を該樹脂組成
物中に添加しておくことが好ましい。
そのようなラジカル重合開始剤を具体的に示せば、ベ
ンジルエーテル;ベンゾインイソブチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインメチ
ルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類;ベン
ゾフェノン、4,4′−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベン
ゾフェノン、ベンゾフェノンメチルエーテルなどのベン
ゾフェノン類;2−エチルアントラキノン、2−tert−ブ
チルアントラキノンなどのアントラキノン類;2,4−ジメ
チルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
トンなどのキサントン類;2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシ
アセトフェノン、p-tert−ブチルトリクロロアセトフェ
ノン、p-tert−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−
ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセト
フェノンなどのアセトフェノン類;あるいはヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184チバ
・ガイギー(株)製);1−(4−イソプロピルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン
(ダロキュア1116メルク(MERCK)(株)製);2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オ
ン(ダロキュア1173メルク(株)製)等が好適に用いら
れるものとして挙げられる。これらのラジカル重合開始
剤に加えて、光重合促進剤としてアミノ化合物を添加し
てもよい。
光重合促進剤に用いられるアミノ化合物としては、エ
タノールアミン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエ
ート、2−(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート、p
−ジメチルアミノ安息香酸n−アミルエステル、p−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等が挙げられ
る。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の
成分である上述したグラフト共重合高分子(A)、線状
高分子(B)、ハーフエステル化エポキシ樹脂(C)、
エチレン性不飽和結合を有する単量体(D)及び重合開
始剤(E)の組成比は目的によって適宜決められる。
具体的には、グラフト共重合高分子(A)と線状高分
子(B)との重量比率は(A):(B)=80:20〜50:50
の範囲が望ましい。この範囲は本発明の活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物がグラフト共重合高分子に基づく良
好な密着性と、線状高分子に基づく良好なパターニング
性が得るために重要である。
グラフト共重合高分子(A)と線状高分子(B)の合
計量(A)+(B)に対するハーフエステル化エポキシ
樹脂(C)とエチレン性不飽和結合を有する単量体
(D)の合計量(C)+(D)の重量比率は、{(A)
+(B)}:{(C):(D)}=100:50〜100:200の
範囲が望ましく、ハーフエステル化エポキシ樹脂(C)
とエチレン性不飽和結合を有する単量体(D)の重量比
率は、(C):(D)=25:75〜75:25の範囲が望まし
い。
重合開始剤(E)は、前記樹脂の合計量(A)+
(B)+(C)+(D)に対して{(A)+(B)+
(C)+(D)}:(E)=100:1〜100:10の範囲で用
いるのが望ましい。
上記光重合促進剤(G)及び/又は上記ラジカル重合
開始剤(F)が重合開始剤(E)に付加して使用される
場合は、上記(A)、(B)、(C)、(D)の合計量
に対する上記(G)又は(F)の重量比率あるいは
[(A)+(B)+(C)+(D)]:(F)又は
(G)又は[(F)+(G)]が100:1〜100:10の範囲
で用いるのが望ましい。
更に、本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に
は、必要に応じて、縮合架橋触媒、熱重合禁止剤、染料
や顔料等の着色剤、充填剤、ヒドロキノンやバラメトキ
シフェノール等の熱安定剤、密着促進剤、可塑性、シリ
カやタルク等の体質顔料、塗工適性を与えるレベリング
剤などを添加しても良い。
例えば、縮合架橋触媒としては、パラトルエンスルホ
ン酸に代表されるスルホン酸、ギ酸などのカルボン酸等
が挙げられる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン
およびその誘導体、パラメトキシフェノール、フェノチ
アジン等が挙げられる。着色剤としては、油溶性染料及
び顔料が活性エネルギー線の透過を実質的に防げない範
囲で添加され得る。充填剤は、塗膜の硬度上昇、着色、
密着性、機械的強度上昇のために、塗料一般で使用され
る体質顔料、プラスチック微粒子等が用いられる。密着
促進剤としては、無機質表面改質剤としてのシランカッ
プリング剤、低合子界面活性剤等がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を溶液状
で用いる際、あるいはドライフィルムとする際のフィル
ム基材であるプラスチックフィルムなどの上に塗布する
場合などに用いる溶剤としては、アルコール類、グリコ
ールエーテル類、グリコールエステル類等の親水性溶剤
などが挙げられる。もちろん、これら親水性溶剤を主体
とし、それらに必要に応じてメチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸イ
ソブチル等のエステル類、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素及びそのハロゲン置換体、塩化メチレン、1,
1,1−トリクロルエタン等の塩素含有の脂肪族溶剤等を
適宜混合したものを用いることもできる。尚、これら溶
剤は、本発明の樹脂組成物の現像液として用いることも
できる。
次に、以上説明した方法によって得られる本発明の活
性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、通常の方法に従っ
て支持体上に被覆することができ、例えば、 (1)基板上に硬化した膜塗布を形成する場合、液体状
の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を支持体上に液状
膜を形成するため付与する。引き続いて蒸発乾燥させ
る。そして乾燥した塗膜は、活性エネルギーで照射する
ことで硬化させる。
(2)支持体上に所望パターンの形状に保護硬化層を形
成する場合、 液体状の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を液状塗
膜を形成するため支持体上に付与する。引き続いて蒸発
乾燥させる。そして乾燥した層を所望のパターンにレー
ザービームで走査し、未露光部を1,1,1−トリクロロエ
タン等の適当な溶剤で除去することで支持体上に所望パ
ターンの形状に硬化した保護層を形成する。
(3)支持体上に所望パターンの形状に保護硬化層を形
成する場合、 液体状の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を液状塗
膜を形成するために付与し、続いて蒸発乾燥する。活性
エネルギー線が透過しない所望の形状をもったパターン
を有するフォトマスクをそのドライフィルム層上に重ね
合わせ、フォトマスク上から活性エネルギー線で露光す
る。そして、未露光部を1,1,1−トリクロロエタン等の
適当な溶剤によって除去し、支持体上に所望のパターン
の形状に保護硬化層を形成する。
(4)感光性ドライフィルムを形成し支持体上に前記ド
ライフィルムを積層する場合、 液体状の活性エネルギー線硬化型樹脂を液状膜を形成
するためポリエチレンテレフタレートフィルム上に付与
し、続いて蒸発乾燥して前記ポリエチレンテレフタレー
トフィルム上に感光性ドライフィルムを得る。そのドラ
イフィルムを積層体を得るため通常の積層方法によって
支持体上に積層する。そして、支持体上に積層した感光
性ドライフィルムを上記した方法(1)と同様の方法で
活性エネルギー線で照射することで硬化する。
硬化した感光性フィルムを所望のパターンに形成した
い場合は支持体上に積層した上記ドライフィルムを上記
した方法(2)又は(3)と同様の方法で処理する。
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が前記(x)式に
よって表わされるモノマーを含むものである場合、上記
(1)〜(4)の方法で得た硬化膜を更に80℃〜200℃
の温度で加熱処理して縮合硬化させることは望ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の硬化、
あるいは該組成物へのパターン露光等に用いる活性エネ
ルギー線としては、既に広く実用化されている紫外線あ
るいは電子線などが挙げられる。紫外線光源としては、
波長250nm〜450nmの光を多く含む高圧水銀灯、超高圧水
銀灯、メタルハライドランプ等が挙げられ、実用的に許
容されるランプ−被照射物間の距離において365nmの近
傍の光の強度が1mW/cm2〜100mW/cm2程度のものが好まし
い。電子線照射装置としては、特に限定はないが、0.5
〜20M Radの範囲の線量を有する装置が実用的に適して
いる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
尚、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
実施例1 本発明の組成物を構成する成分として、以下にに示す
ものを用意した。
グラフト共重合高分子(A) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート80重量部、ブチ
ルアクリレート20重量部を用い、チオグリコール酸を連
鎖移動剤、アゾビスイソブチルニトリルを開始剤として
用い、ラジカル連鎖移動重合を行ない、末端にカルボキ
シ基を持つオリゴマーを得た。
このオリゴマーに、グリシジルメタアクリレートを反
応させることにより、分子鎖の片末端にメタアクリロイ
ル基を持つマクロモノマーを得た。
このマクロモノマーのGPC法による数平均分子量は、
約3千であった。このマクロモノマー30重量部とメチル
メタクリレート70重量部とを、メチルセロソルブ溶媒中
で溶液重合し、重量平均分子量が約5万、数平均分子量
が約1万2千のグラフト共重合高分子を得た。
線状高分子(B) メチルメタクリレートとイソボルニルメタクリレート
と2−ヒドロキシエチルアクリレートと70:20:10(モル
比)の割合で重合して得た線状アクリル共重合体。な
お、その数平均分子量は約7万、その重量平均分子量は
約25万である。
ハーフエステル化エポキシ樹脂(C) エピコート828(油化シェルエポキシ(株)社製のビ
スフェノールAタイプのエポキシ樹脂、エポキシ当量18
3〜193)の50%アクリル酸エステル エチレン性不飽和結合を有する単量体(D) 1).ジフェニルメタンジイソシアナートへの2−ヒド
ロキシエチルアクリレート付加物 2).トリメチロールプロパントリアクリレート 重合開始剤(E) 下記構造を有するビス−[4−(ジフェニルスルフォ
ニオ)フェニル]スルフィド−ビス−ヘキサフルオロア
ンチモート[BDS(SbF6)2エチレン性不飽和結合を有する単量体(D)の光重合開
始剤(F) イルガキュア651(チバ ガイギー(株)社製) 次に、以上の材料を通常の混合技術によって以下に示
すような重量比で混合することによって、本発明の組成
物を得た。
材料 重量部 (A) 50 (B) 50 (C) 50 (D)−1 70 (D)−2 20 (E) 7.5 (F) 2.5 メチレンブルー 1 メチルセロソルブ 250 メチルエチルケトン 100 以上のようにして得た液体状の本発明の組成物を、清
浄処理されたガラス板に約80μmの厚さに塗布し、100
℃で15分熱風乾燥してガラス板上に約40μmのドライフ
ィルムを得た。次いで、このガラス板を、最大照射エネ
ルギーが100mW/cm2の通常の高圧水銀灯下で、10秒露光
した。その後、150℃で30分間熱処理した。
以上のようにして得た本発明の組成物を被覆したガラ
ス板を、1%のカセイソーダ水溶液で10時間reflux処理
した。このようにして得た積層体を試験したところ、露
光して(硬化した)膜はガラス板上に強固に密着し、長
期間にあたって白化が観察されたりふくれ等を生じるこ
とがなかった。
実施例2 実施例1の液体状の組成物を、表面を清浄したガラス
板上に塗布し続いて空気乾燥によって乾燥後、乾燥後の
膜厚が50μmのドライフィルムを得た。これに、最小が
20μmの巾と間隔を有する等間隔条線群を有するガラス
マスクを重ね、光線の平行度の高い光線を発生する紫外
線照射装置(マスクアライナーMA-10、ミカサ(株)
製)にて露光した。更に同様の操作を露光条件を変えて
繰り返した。露光後30分経過してから、1,1,1−トリク
ロルエタンを用いてスプレー現像を行なった。
この方法で、3つの露光エネルギー(80mj/cm2、100m
j/cm2、120mj/cm2)で3つの異なるグループのサンプル
(サンプルグループI〜III)を得た。
サンプルI〜IIIの夫々において、異なった露光時間
を与えた(30秒、60秒、90秒)3つの異なるサンプルを
得た。
比較例として、活性エネルギー線型樹脂組成物の準備
として実施例1の作成法でグラフト共重合高分子(A)
を100重量部とし、線状高分子(B)を使用しなかった
以外は同様にして比較の樹脂組成物を得た。
そして、この比較の樹脂組成物を用いて上記方法をく
り返して比較サンプルグループI〜IIIを準備した。
このようにして得たサンプルをパターン解像度、未現
像部分の残渣そしてパターンふくれについて通常の評価
方法によって評価した。
その評価結果を以下の表に示す。
表−1に示す結果から、本発明の活性エネルギー線硬
化型組成物は、露光条件や現像条件によらず常に安定し
ていることが分かる。
実施例3 本発明の組成物を構成する成分として、以下にに示す
ものを用意した。
グラフト共重合高分子(A) 2−ヒドロキシエチルメタクリレート50重量部、ブト
キシメチルアクリルアミド50重量部を用い、実施例1と
同様の方法を用いて、分子鎖の片末端にメタアクリロイ
ル基を持つマクロモノマーを得た。このマクロモノマー
のGPC法による数平均分子量は、約2千であった。
このマクロモノマー20重量部とメチルメタクリレート
80重量部とを、メチルセロソルブ/メチルエチルケトン
(MEK)=60/40(重量比)の溶媒中で溶液重合し、数平
均分子量約5千、重量平均分子量が約3万の熱硬化性グ
ラフト共重合高分子を得た。
線状高分子(B) メチルメタクリレート、トリシクロデカンメタクリレ
ートと、ブトキシメチルアクリルアミドとを、60:30:10
のモル比で重合して得た線状アクリル共重合体。なお、
その数平均分子量は約6万、その重量平均分子量は約26
万である。
ハーフエステル化エポキシ樹脂(C) エピコート152(油化シェルエポキシ(株)社製のフ
ェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂、エポキシ当
量172〜179)の50%アクリル酸エステル エチレン性不飽和結合を有する単量体(D) 1).フェノールノボラックタイプのエポキシ樹脂(縮
合度3〜4)の100%アクリル酸エステル化物 2).ネオペンチルグリコールジアクリレート 重合開始剤(E) 前記感光性方向族オニウム塩(1)(UVE-1014、ゼネ
ラル電気社製) エチレン性不飽和結合を有する単量体(D)の光重合開
始剤(F) ダロキュア1173(メルク社製) 次に、以上の材料を以下に示すような重合比で混合す
ることによって、本発明の組成物溶液を得た。
材料 重量部 (A) 80 (B) 20 (C) 100 (D)−1 60 (D)−2 40 (E) 8.5 (F) 2.5 メチレンブルー 1 メチルセロソルブ 200 メチルエチルケトン 100 以上のようにして得た液体状の本発明の組成物を、ガ
ラスクロスエポキシ基材上に厚さ60μmの銅箔の導体回
路が形成されたプリント配線板上に、乾燥後の厚さが50
μmになるように、ロールコータにて全面に塗布した。
その際の乾燥は、100℃の熱風オーブン中3分間で行な
った。次いで、その塗膜が冷却した後、その塗膜の上に
ソルダーマスクパターンを重ね、365nm付近での紫外線
強度が7mW/cm2であってコリメーション編角が3°の平
行度の高い超高圧水銀灯を用いて35秒間露光した。露光
後、1,1,1トリクロルエタンを用いて20℃で50秒間スプ
レー現像を行なった。現像は安定に進行し、鮮明なパタ
ーンが得られた。現像後、乾燥し、同じ超高圧水銀灯で
5分間照射し、UVポストキュアを施し、次いで、150℃
で15分間加熱処理して、熱硬化を行なった。
以上のようにして得た保護膜を試験した結果その保護
膜は、耐酸性、耐アルカリ性、耐薬品性に優れたもので
あった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の活性エネルギー線硬化
型樹脂組成物は、グラフト共重合高分子(A)を構成成
分とするので、添加助剤等を添加しなくとも、種々の支
持体に対して十分な密着性を有し、かつ線状高分子
(B)を構成成分とするので、パターン形成時の現像特
性に優れる。また、同時に種々の用途に使用するに十分
な耐薬品性、耐久性等を有する。
更には、本発明の組成物は、その構成成分である高分
子物質として、グラフト共重合高分子と線状高分子とを
併用して用いるので、そのグラフト共重合高分子のみを
高分子物質として用いた場合に比べて、少ない活性エネ
ルギー線照射で、現像液に対する耐溶剤の塗膜になるの
で、その結果として、高感度、解像度のアップ、基材の
種類あるいは状態に左右されずにパターン形成ができる
等のパターニングプロセスの性質が向上し、作業条件巾
が拡大するのである。このこと故に、その用途は従来の
ものと比べて大きく広げることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 63/00 51:06 33:04)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アルキルメタアクリレート、アクリ
    ロニトリルおよびスチレンからなる群より選ばれた一種
    以上のモノマーに由来する構造単位を主体とする幹鎖
    に、下記一般式(x)および(y) [ただし、R1は水素、もしくは炭素原子数が1〜3のア
    ルキル基またはヒドロキシアルキル基を表わし、R2は水
    素、もしくは炭素原子数が1〜4のヒドロキシ基を有し
    ていてもよいアルキル基またはアシル基を表わし、R3
    炭素原子数2〜6のアルキル基、あるいはハロゲン置換
    されたアルキル基、 CH2 nOCH2 m (ただし、2≦m+n≦6、n≠0、m≠0) で表わされるアルキルエーテル基、 (ただし、2≦m+n≦4、n=0あるいはm=0の場
    合も含む) で表わされるフェニルアルキル基である。] で表わされるモノマーのうちの少なくとも一種のモノマ
    ーに由来する構造単位を有する枝鎖が付加されてなり、
    かつ数平均分子量が5千以上であり、重量平均分子量が
    5万以下であるグラフト共重合高分子と、 (B)メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレー
    ト、イソブチルメタアクリレート、t−ブチルメタアク
    リレート、ベンジルメタアクリレート、アクリロニトリ
    ル、イソボルニルメタアクリレート、イソボルニルアク
    リレート、トリシクロデカンアクリレート、トリシクロ
    デカンメタアクリレート、トリシクロデカンオキシエチ
    ルメタアクリレート、スチレン、ジメチルアミノエチル
    メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートからな
    る群より選ばれた一種以上のモノマーに由来する構造単
    位を有し、かつ前記一般式(x)あるいは(y)で表わ
    されるモノマーのうちの少なくとも一種のモノマーに由
    来する構造単位を有し、かつ数平均分子量が5万以上で
    あり、重量平均分子量が35万以下であり、ガラス転移温
    度が60℃以上である線状高分子と、 (C)分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物の少
    なくとも1種を含んでなるエポキシ樹脂に存在するエポ
    キシ基の一部を不飽和カルボン酸によってエステル化し
    てなる樹脂と、 (D)エチレン性不飽和結合を有する単量体と、 (E)活性エネルギー線の照射によってルイス酸を発生
    する重合開始剤と を有してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記グラフト共重合高分子(A)と前記線
    状高分子(B)との重量比が(A):(B)=80:20〜5
    0:50である請求項1記載の活性エネルギー線硬化型樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】前記グラフト共重合高分子(A)および前
    記線状高分子(B)の合計重量(A)+(B)と前記樹
    脂(C)と前記エチレン性不飽和結合を有する単量体
    (D)の合計量(C)+(D)の重量比が{(A)+
    (B)}:{(C)+(D)}=100:50〜100:200であ
    る請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化型樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】前記樹脂(C)と前記エチレン性不飽和結
    合を有する単量体(D)の重量比が(C):(D)=2
    5:75〜:75:25である請求項3記載の活性エネルギー線硬
    化型樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記グラフト共重合高分子(A)、前記線
    状高分子(B)、前記樹脂(C)及び前記エチレン性不
    飽和結合を有する単量体(D)の合計重量(A)+
    (B)+(C)+(D)と前記重合開始剤(E)の重量
    比が{(A)+(B)+(C)+(D)}:(E)=10
    0:1〜100:10である請求項1〜3のいずれかに記載の活
    性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記重合開始剤(E)が芳香族ハロニウム
    塩化合物、及び周期律表第VIa族若しくは第Va族に属す
    る元素を含む光感知性を有する芳香族オニウム塩化合物
    から成る群より選択した一種以上である請求項1〜5の
    いずれかに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記グラフト共重合高分子(A)、前記線
    状高分子(B)、前記樹脂(C)及び前記エチレン性不
    飽和結合を有する単量体(D)の合計100重量部に対し
    て、1〜10重量部の活性エネルギー線の作用により賦活
    化し得るラジカル重合開始剤を含む請求項1〜6のいず
    れかに記載の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物。
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