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JP2025014199A - 熱式流量計 - Google Patents

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JP2025014199A JP2023116532A JP2023116532A JP2025014199A JP 2025014199 A JP2025014199 A JP 2025014199A JP 2023116532 A JP2023116532 A JP 2023116532A JP 2023116532 A JP2023116532 A JP 2023116532A JP 2025014199 A JP2025014199 A JP 2025014199A
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Abstract

Figure 2025014199000001
【課題】レンジアビリティが広い熱式流量計を提供する。
【解決手段】流体通路2の通路壁(第1の通路壁6)を用いて形成された絞り4,5と、通路壁の壁面に流体の流れる方向へ間隔をおいて並べて設けられた複数の流量測定用のセンサチップ(第1~第3のセンサチップ11~13)とを備える。絞り4,5を構成する通路壁(第1の通路壁6の第1、第2の傾斜部6d,6e)は、流体が流れる方向に向かうにしたがって通路断面積が漸次小さくなるように傾斜している。複数のセンサチップは、流体通路2における流体の流速が異なる複数の位置にそれぞれ設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、流体通路の絞りの下流側にセンサチップが設けられた熱式流量計に関する。
熱式流量計に用いられる熱式流量センサのセンサチップは、半導体の微細加工技術を利用してシリコン基板上に白金製の測温抵抗体やヒーターを複数形成したものが一般に知られている。熱式流量センサによって流体の流量を取得する方法としては、ヒーターの上下流に配置された温度センサによって熱の分布を取得して流量換算する方法と、ヒーターの消費電力を流量値に換算する方法とがある。
従来の熱式流量センサとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。
特許文献1に開示された熱式流量センサは、流体通路に形成された絞りと、この絞りの下流側に設けられたセンサチップとを備えている。絞りは、流体が流れる方向の下流側に向かうにしたがって流路断面積が徐々に減少するように形成されている。このように絞りを備えることにより、助走距離を短縮することができ、装置の小型化を図ることができる。助走距離とは、流体通路の入口から発達した流れに達するまでの長さである。熱式流量計は、発達前の流れ、あるいは発達した流れとなる流体の流速を熱式流量センサによって測定し、この流速に流体通路の断面積を乗じて流量を求める構成が採られている。熱式流量センサのセンサチップは、測定可能な流速に下限と上限とがあるため、流体通路に設置するにあたっては、流体通路を流れる流体の流速と適合するものが採用されている。
特許第3385307号公報
従来の熱式流量センサに用いられるセンサチップは、測定可能な流速の範囲が限られているために、流体通路を流れる流体の流速が測定可能な流速を下回ると測定精度が低下してしまう。このため、従来の熱式流量計は、レンジアビリティが狭いという問題があった。
本発明の目的は、レンジアビリティが広い熱式流量計を提供することである。
この目的を達成するために本発明に係る熱式流量計は、流体通路の通路壁を用いて形成された絞りと、前記通路壁の壁面に流体の流れる方向へ間隔をおいて並べて設けられた複数の流量測定用のセンサチップとを備え、前記絞りを構成する前記通路壁は、流体が流れる方向の下流側に向かうにしたがって通路断面積が漸次小さくなるように傾斜し、前記センサチップは、前記流体通路における流体の流速が異なる複数の位置にそれぞれ設けられているものである。
本発明は、前記熱式流量計において、前記絞りは、流体の流れる方向に間隔をおいて並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられ、前記絞りの下流端には、流体の流れる方向と平行に延びる通路壁が接続され、前記センサチップは、流体の流れる方向と平行に延びる前記通路壁における、前記絞りの前記下流端との境界部分に設けられていてもよい。
本発明は、前記熱式流量計において、複数の前記センサチップは、一定の勾配で傾斜して前記絞りを構成する一つの通路壁に設けられていてもよい。
本発明は、前記熱式流量計において、前記流体通路の通路断面の形状は矩形で、複数の前記センサチップは、前記矩形の一辺を構成する通路壁に設けられていてもよい。
本発明によれば、流体通路の上流側に配置されたセンサチップでは流速が低くて測定できない場合であっても、この流体が絞りを通ることによって、流体の流速が上昇する。上昇した流速が下流側のセンサチップの測定可能な流速の範囲に入ることにより、この流体の流速を下流側のセンサチップで測定することが可能になる。
したがって、複数のセンサチップを使用してレンジアビリティが広い熱式流量計を提供することができる。
図1は、本発明に係る熱式流量計の基本的な構成を示す断面図である。 図2は、流体通路を流体の流れる方向から見た断面図である。 図3は、絞りを有する流体通路を流体が流れる際の流速分布を示す模式図である。 図4は、流量に応じて使用するセンサチップを変える測定例を示す断面図である。 図5は、熱式流量センサの具体的な実施の形態を示す断面図である。 図6は、熱式流量センサの変形例を示す断面図である。 図7は、流体通路を流体の流れる方向から見た断面図である。 図8は、熱式流量センサの変形例を示す断面図である。
以下、本発明に係る熱式流量計の一実施の形態を図1を参照して詳細に説明する。
図1に示す熱式流量計1は、流体通路2を含む熱式流量センサ3を用いて構成されている。流体通路2には、気体や液体などの流体が図1中に矢印Aで示す方向(図1においては左側から右側)に向けて流れる。
図1に示す流体通路2には、2つの絞り4,5が設けられている。これらの絞り4,5は、流体の流れる方向に予め定めた間隔をおいて並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられている。流体が絞り4,5を通過することにより、流体の流速が上昇する。図1においては、流体が絞りを通過して流速が増加することを、大きさの異なる矢印A~Cを用いて表現している。矢印Bで示す流速は、矢印Aで示す流速より速く、矢印Cで示す流速より遅い。
流体通路2は、図2に示すように、通路断面の形状が矩形となるように形成されている。図2の破断位置は、図1中にII-II線によって示す位置である。
上述した2つの絞り4,5は、矩形の一辺となる通路壁に設けられている。詳述すると、2つの絞り4,5は、流体通路2を形成する第1~第4の通路壁6~9のうち、図2において最も下に描かれている第1の通路壁6を用いて形成されている。
第1の通路壁6は、図1に示すように、流体が流れる方向と平行に延びる第1~第3の平行部6a~6cと、これらの第1~第3の平行部6a~6cの間で絞り4,5を構成する第1および第2の傾斜部6d,6eとを有している。
第1の傾斜部6dは、第1の平行部6aと第2の平行部6bとの間に形成されている。第2の傾斜部6eは、第2の平行部6bと第3の平行部6cとの間に形成されている。
第1の傾斜部6dと第2の傾斜部6eは、それぞれ流体が流れる方向の下流側に向かうにしたがって通路断面積が漸次小さくなるように傾斜している。
図1に示すように、流体の流れる方向に対する第1の傾斜部6dの傾斜角度は、第2の傾斜部6eの傾斜角度より小さい。第1の傾斜部6dと第2の傾斜部6eの傾斜角度は、適宜変更することができる。
第2~第4の通路壁7~9は、平坦な壁面を有し、流体が流れる方向と平行に延びている。第2の通路壁7は、第1の通路壁6とは対向する位置に設けられ、第3および第4の通路壁8,9は、第1の通路壁6と第2の通路壁7とを接続している。
第1の平行部6aには、流量測定用の第1のセンサチップ11が設けられ、第2の平行部6bには、流量測定用の第2のセンサチップ12が設けられている。第3の平行部6cには、流量測定用の第3のセンサチップ13が設けられている。すなわち、第1~第3のセンサチップ11~13は、流体通路2における流体の流速が異なる複数の位置に設けられている。
これらの第1~第3のセンサチップ11~13は、図1および図2に示すように、第1~第3の平行部6a~6cの壁面との間に段差が生じることがないように配置されている。なお、第3の通路壁8と第4の通路壁9とが並ぶ方向における第1~第3のセンサチップ11~13の位置は、図2に示すように中央部でもよいし、第3の通路壁8や第4の通路壁9に近付くように偏った位置でもよい。
第1のセンサチップ11は、第1の平行部6aの下流側であって絞り4の上流側近傍に位置付けられており、流体通路2内においてほとんど速度境界層が存在しないフラットな流速分布となる流体の流速を測定する構成が採られている。一般に、流路内の流体の流れは、図3に示すように「発達前のフラットな流れ」と、「発達中の流れ」と、「発達後の流れ」とに分類される。図3において最も左側となる上流部に設けられている絞り14の途中や絞り14の直後は、矢印で流速を示すように、内壁面にほとんど速度境界層が存在しないフラットな速度分布(発達前のフラットな流れ)となる。絞り14を通過して通路径が一定の通路15に流入した流体の流れは、層流境界層(速度境界層)16が生じる助走区間L(発達中の流れとなる状態)を経て(発達後の流れ)である平衡に達した層流17となる。平衡後の流速分布は、図3中に示す放物線で示す流速分布で安定する。
第2のセンサチップ12は、図1に示すように、第2の平行部6bにおける、上流側の絞り4の下流端(第1の傾斜部6dの下流端)との境界部分に設けられている。
第3のセンサチップ13は、第3の平行部6cにおける、下流側の絞り5の下流端(第2の傾斜部6eの下流端)との境界部分に設けられている。
流体が絞り4,5(第1の傾斜部6dと第2の傾斜部6e)に沿って流れることにより、壁面との接触で流速が低くなる現象が抑えられる。このため、絞り4,5(第1の傾斜部6dと第2の傾斜部6e)の下流端と第2、第3の平行部6b,6cとの境界部分においては、流速分布が均等になる状態であって、流路内壁面の速度境界層を排除し、流体の流れが均等(フラット)な状態になる。このため、第2のセンサチップ12と第3のセンサチップ13は、このような流体の流れが均一な状態の流体の流速を図るようになる。
第1~第3のセンサチップ11~13は、熱式流量センサ用のセンサチップとして従来からよく知られているものを用いることができる。また、第1~第3のセンサチップ11~13は、測定可能な流速範囲が同一のものを用いることができるし、測定可能な流速範囲が異なるものを用いることができる。第1~第3のセンサチップ11~13として測定可能な流速範囲が異なるものを使用する場合は、第2のセンサチップ12は第1のセンサチップ11より測定可能な流速が高いものを用い、第3のセンサチップ13は第2のセンサチップ12より測定可能な流速が高いものを用いる。
第1~第3のセンサチップ11~13は、図1に示すように、それぞれ熱式流量計1の演算部18に接続されており、測定した流速を信号として演算部18に送る。演算部18は、第1~第3のセンサチップ11~13が測定した流速に、第1~第3のセンサチップ11~13が設けられている流体通路2の通路断面積を乗じて流量を求める。演算部18には表示部19が接続されている。表示部19は、演算部18が求めた流量を表示するものである。
第1~第3のセンサチップ11~13を使用して流体の流速を測定するにあたっては、第1~第3のセンサチップ11~13の出力値から最適な値を選択する必要がある。このため、第1~第3のセンサチップ11~13の個々について測定可能な流量レンジを予め確認しておき、測定する流量レンジに応じて使用するセンサチップを切替えることが望ましい。この構成を採る場合は、第1のセンサチップ11で大流量を測定し、第2のセンサチップ12で中流量を測定し、第3のセンサチップ13で微小流量を測定することができるようになる。演算部18には、このような第1~第3のセンサチップ11~13の出力値を選択する機能をもたせることができる。
流体通路2内の第1の平行部6aと対応する部分を流れる流体の流速が第1のセンサチップ11の測定可能な流速を下回った場合は、第1のセンサチップ11で正確な流速を測定することはできなくなる。しかし、流体通路2内の第2の平行部6bと対応する部分を流れる流体の流速は、第1の平行部6aと対応する部分の流速より高くなる。このため、第1のセンサチップ11では測定できなかった流速を第2のセンサチップ12で測定できるようになる。これと同様に、第2のセンサチップ12で測定できなかった流速を第3のセンサチップ13で測定できるようになる。
一方、第1~第3のセンサチップ11~13として測定可能な流速範囲が同一のものを使用する場合は、流速が流速範囲に入らないセンサチップの測定値が他のセンサチップの測定値と大きく異なるようになり、エラーとなる。このため、この場合は、エラーが生じていないセンサチップの測定値を用いて流量を求めることができる。
ここで、測定可能な流速範囲が同一の第1~第3のセンサチップ11~13を使って大流量、中流量、小流量を測定する場合の測定例を図4(A)~(C)によって説明する。図4(A)~(C)においては、流体の流速を矢印の長さと、流速を便宜的に数値化した流速値とによって示している。ここでは、第1~第3のセンサチップ11~13で計測可能な流速の範囲を流速値8~10として説明する。
(A)流体通路2に大流量が流れる場合について;
大流量(流速値を10とする)が流れる場合は、通路断面積が最も大きい第1の平行部6aに配置した第1のセンサチップ11によって測定する。第1のセンサチップ11の測定可能な流速の範囲は大流量の流体の流速に適合しているから、大流量時の流体の流速を第1のセンサチップ11で測定することができる。
(B)流体通路2に中流量が流れる場合について;
中流量(流速値7とする)では、流速が小さいため、第1の平行部6aに設けられている第1のセンサチップ11では精度良く流速を測ることはできない。第1の平行部6aで中流量であった流れは、絞り4により通路断面積が小さくなることで流速が増加して第2の平行部6bを通過するようになる。図4(B)においては、流速値7から流速値9に増加する。この場合は、第2の平行部6bを通過する流体の流速が第2のセンサチップ12で測定可能な流速の範囲内に入ることより、第2のセンサチップ12によって中流量時の流速を精度良く測定することができる。
(C)流体通路2に小流量が流れる場合について;
小流量(流速値4とする)が流れる場合、小流量では流速が小さいために、第1の平行部6aに設けられている第1のセンサチップ11や、第2の平行部6bに設けられている第2のセンサチップ12では精度良く流速を測ることはできない。第1の平行部6aを通過するときに小流量であった流体の流速は、絞り4を通過して増加した後、絞り5を通過することにより更に増加する。図4(C)においては、流速値が4→6→8と増加する。この場合は、流体が第3の平行部6cを通過する際の流速が第3のセンサチップ13の測定可能な流速の範囲内に入ることにより、小流量時の流速を第3のセンサチップ13で精度良く測定することができる。
このように構成された熱式流量計1においては、上流側のセンサチップ(第1、第2のセンサチップ11,12)では流速が低いために流速を測定できない場合であっても、絞り4,5によって流速が上昇するとともに、絞り途中や絞り直後は内壁面にほとんど速度境界層が存在しないフラットな流速分布となった流体の流速を下流側のセンサチップ(第2、第3のセンサチップ12,13)によって高い精度で測定することができる。したがって、この実施の形態によれば、レンジアビリティが広く、しかも、流体通路の短縮化が図られた熱式流量計を提供することができる。
本発明の熱式流量計に用いる熱式流量センサは、図5~図8に示すように構成することができる。図5~図8において、図1および図2によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図5に示す熱式流量センサ21は、流体通路2を形成する筐体の内部に二つのセンサチップ12,13が収容されている。流体通路2を形成する筐体22の上流側端部は、上流側の継手23を介して上流側の配管24に接続されている。筐体22の下流側端部は、下流側の継手25を介して下流側の配管26に接続されている。
筐体22内に形成された流体通路2の上流側端部は、上流側の継手23との接続部から下流側に向かうにしたがって通路断面積が徐々に大きくなるように形成されている。通路断面積を徐々に大きくするにあたっては、第1の通路壁6の壁面と、第1の通路壁6と対向する第2の通路壁7の壁面とを傾斜させて行っている。
第1の通路壁6には、図1に示す形態を採るときと同様に、上流側の絞り4と下流側の絞り5とが形成されている。第1の通路壁6の第1の平行部6aには、センサチップは設けられていない。
図5に示す熱式流量センサ21においては、第2のセンサチップ12では流速が低いために流速を測定できない場合であっても、下流側の絞り5によって流速が上昇するとともに絞り途中や絞り直後は内壁面にほとんど速度境界層が存在しないフラットな流速分布となった流体の流速を第3のセンサチップ13によって高い精度で測定することができる。したがって、この実施の形態においても、レンジアビリティが広く、しかも、流体通路の短縮化が図られた熱式流量計を提供することができる。
図6に示す熱式流量センサ31の流体通路2は、図7に示すように矩形断面となるように形成されている。図7の破断位置は、図6中にVII-VII線によって示す位置である。この流体通路2の第1の通路壁6は、一定の勾配で傾斜する傾斜部32を有している。第2~第4の通路壁7~9は、平坦な壁面を有し、流体が流れる方向に延びている。
第1の通路壁6の傾斜部32は、流体が流れる方向の下流側に向かうにしたがって通路断面積が漸次小さくなるように傾斜している。この熱式流量センサ31においては、第1の通路壁6の傾斜部32によって絞り33が構成されている。
この絞り33を構成する一つの通路壁(第1の通路壁6の傾斜部32)に複数のセンサチップ34,35が設けられている。図6に示す熱式流量センサ31においては、上流側のセンサチップ34と下流側のセンサチップ35とが流体の流れる方向に所定の間隔をおいて離間するように配置されている。上流側のセンサチップ34と下流側のセンサチップ35は、流体が流れる方向とは直交する方向(第3の通路壁8と第4の通路壁9とが並ぶ方向)において傾斜部32の中央に位置付けられ、傾斜部32の壁面との間に段差が生じることがないように配置されている。
流体が第1の通路壁6の傾斜部32に沿って流れる際には、傾斜部32の壁面との接触で流速が低くなる現象が抑えられる。このため、傾斜部32が壁面の一部となる通路内(絞り33内)においては、ほとんど速度境界層が存在しないフラットな流速分布で流体が流れるようになる。この結果、上流側のセンサチップ34と下流側のセンサチップ35は、ほとんど速度境界層が存在しないフラットな流速分布の流体の流速を測るようになる。
図6および図7に示す形態を採る場合であっても、流体の流速が上流側のセンサチップ34で測定可能な流速を下回る場合に、絞り33によって流速が上昇した流体の流速を下流側のセンサチップ35によって高い精度で測定することができる。したがって、この実施の形態においても、レンジアビリティが広く、しかも、流体通路の短縮化が図られた熱式流量計を提供することができる。
図8に示す熱式流量センサ36の第2の通路壁7には、一定の勾配で傾斜する傾斜部37が設けられている。この傾斜部37は、第1の通路壁6の傾斜部32とは、第1の通路壁6と第2の通路壁7との間で流体の流れる方向に延びる流体通路2の中心線CLに対して線対称となるように形成されている。
流体通路2を図8に示すように形成したとしても、図6、図7に示す形態を採るときと同様に、レンジアビリティが広く、しかも、流体通路の短縮化が図られた熱式流量計を提供することができる。
上述した各実施の形態においては、断面形状が矩形の流体通路2の一つの通路壁(第1の通路壁6)に複数のセンサチップ11~13、34,35を設ける例を示した。この構成を採る場合は、第1の通路壁6を第2~第4の通路壁7~9とは別体に形成することが可能になるから、複数のセンサチップ11~13、34,35を第1の通路壁6に組み付ける作業を容易に行うことができる。なお、流体通路2の断面形状は、矩形に限定されることはなく、例えば円形としてもよい。
1…熱式流量計、2…流体通路、4,5,33…絞り、6…第1の通路壁(通路壁)、6a~6c…第1~第3の平行部、6d,6e…第1、第2の傾斜部、11…第1のセンサチップ、12…第2のセンサチップ、13…第3のセンサチップ、32…傾斜部。

Claims (4)

  1. 流体通路の通路壁を用いて形成された絞りと、
    前記通路壁の壁面に流体の流れる方向へ間隔をおいて並べて設けられた複数の流量測定用のセンサチップとを備え、
    前記絞りを構成する前記通路壁は、流体が流れる方向の下流側に向かうにしたがって通路断面積が漸次小さくなるように傾斜し、
    前記センサチップは、前記流体通路における流体の流速が異なる複数の位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする熱式流量計。
  2. 請求項1に記載の熱式流量計において、
    前記絞りは、流体の流れる方向に間隔をおいて並ぶ複数の位置にそれぞれ設けられ、
    前記絞りの下流端には、流体の流れる方向と平行に延びる通路壁が接続され、
    前記センサチップは、流体の流れる方向と平行に延びる前記通路壁における、前記絞りの前記下流端との境界部分に設けられていることを特徴とする熱式流量計。
  3. 請求項1に記載の熱式流量計において、
    複数の前記センサチップは、一定の勾配で傾斜して前記絞りを構成する一つの通路壁に設けられていることを特徴とする熱式流量計。
  4. 請求項1~請求項3のうち何れか一つに記載の熱式流量計において、
    前記流体通路の通路断面の形状は矩形で、
    複数の前記センサチップは、前記矩形の一辺を構成する通路壁に設けられていることを特徴とする熱式流量計。
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