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JP2024526762A - Jak阻害剤を調製するためのプロセス及び中間体 - Google Patents

Jak阻害剤を調製するためのプロセス及び中間体 Download PDF

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JP2024526762A JP2024501966A JP2024501966A JP2024526762A JP 2024526762 A JP2024526762 A JP 2024526762A JP 2024501966 A JP2024501966 A JP 2024501966A JP 2024501966 A JP2024501966 A JP 2024501966A JP 2024526762 A JP2024526762 A JP 2024526762A
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Abstract

本開示は、バリシチニブ、その塩、ならびに関連する合成中間体化合物及びその塩を調製するためのプロセスに関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が本明細書に組み込まれる2021年7月12日出願の米国仮特許出願第63/220,752号の優先権を主張する。
本開示は、バリシチニブ、その塩、ならびに関連する合成中間体化合物及びその塩を調製するためのプロセスに関する。バリシチニブ及びその塩は、炎症性疾患、骨髄増殖性障害、及び他の疾患の治療のためのプロテインチロシンキナーゼ(JAK)のヤヌスキナーゼファミリーの阻害剤として有用である。
タンパク質キナーゼ(PK)は、とりわけ、細胞増殖、生存及び分化、器官形成及び形態形成、新生血管形成、組織修復、ならびに再生を含む多様な重要な生物学的プロセスを調節する酵素のグループである。タンパク質キナーゼは、タンパク質(または基質)のリン酸化を触媒し、それにより様々な生物学的状況における基質の細胞活動を調節することによって、その生理学的機能を発揮する。正常な組織/器官における機能に加えて、多くのタンパク質キナーゼが、がんを含むヒト疾患の宿主におけるより特殊な役割も果たす。タンパク質キナーゼのサブセット(発癌性タンパク質キナーゼとも呼ばれる)は、調節不全の場合、腫瘍形成及び増殖を引き起こし得、そして更に腫瘍維持及び進行に寄与し得る(Blume-Jensen P.et al.,Nature 2001,411(6835):355-365)。今までのところ、発癌性タンパク質キナーゼは、癌介入及び薬物開発のためのタンパク質標的の最大かつ最も魅力的な群のうちの1つである。
タンパク質キナーゼは、受容体型及び非受容体型に分類することができる。受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、細胞外部分、膜貫通ドメイン、及び細胞内部分を有し、その一方で非受容体チロシンキナーゼは、全体が細胞内である。プロテインチロシンキナーゼ(JAK)のヤヌスキナーゼファミリーは、非受容体型のチロシンキナーゼに属し、JAK1(別名、ヤヌスキナーゼ-1)、JAK2(別名、ヤヌスキナーゼ-2)、JAK3(別名、ヤヌスキナーゼ、白血球;JAKL;L-JAK、及びヤヌスキナーゼ-3)、及びTYK2(別名、タンパク質-チロシンキナーゼ2)のファミリーメンバーを含む。
JAK及びシグナル伝達物質及び転写活性化因子(STAT)が関与する経路は、広範なサイトカインのシグナル伝達に関わっている。サイトカインは、実質的に全ての細胞型において生物学的応答を刺激する低分子量ポリペプチドまたは糖タンパク質である。一般に、サイトカイン受容体は、固有のチロシンキナーゼ活性を有さないため、リン酸化カスケードを伝播するために受容体関連キナーゼを必要とする。JAKはこの機能を実現する。サイトカインは、これらの受容体に結合し、受容体の二量体化を引き起こし、これは、JAKが互いに、のみならずサイトカイン受容体内の特定のチロシンモチーフをリン酸化することを可能にする。これらのホスホチロシンモチーフを認識するSTATは受容体に動員され、次いで、それ自体が、JAK依存性チロシンリン酸化事象によって活性化される。活性化すると、STATは受容体から解離し、二量体化し、核に移行して特異的なDNA部位に結合し、転写を変化させる(Scott,M.J.,C.J.Godshall,et al.(2002)「Jaks,STATs,Cytokines,and Sepsis」Clin Diagn Lab Immunol 9(6):1153-9)。
JAKファミリーは、免疫応答に関与する細胞の増殖及び機能のサイトカイン依存性調節において一定の役割を果たす。JAK/STAT経路、特にJAKファミリーの4つ全てのメンバーは、喘息反応、慢性閉塞性肺疾患、気管支炎、及び他の関連する下気道の炎症性疾患の病因において一定の役割を果たすと考えられている。更に、JAKキナーゼを介してシグナル伝達する複数のサイトカインが、古典的アレルギー反応であってもそうでなくても、鼻及び副鼻腔に影響するもの(例えば、鼻炎、副鼻腔炎)などの上気道の炎症性疾患または状態と関連している。JAK/STAT経路はまた、眼の炎症性疾患/状態(虹彩炎、ブドウ膜炎、強膜炎、結膜炎、ならびに慢性アレルギー性応答が挙げられるが、これらに限定されない)において一定の役割を果たすことも示唆されている。従って、JAKキナーゼの阻害は、これらの疾患の治療的処置において有益な役割を有し得る。
JAKキナーゼのレベルでのシグナル伝達の遮断は、ヒト癌の治療の開発に期待できる。JAKの阻害はまた、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、乾癬、及び皮膚感作などの皮膚免疫障害に罹患している患者において治療的利益を有することが想定される。従って、JAK阻害剤が広く求められている。例えば、JAK阻害剤、バリシチニブ、{1-(エチルスルホニル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルは、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2009年3月10日出願の米国特許第8,158,616号明細書で報告されている。
JAK阻害剤に関連する障害の治療のための化合物に対する需要の増大を考慮すると、バリシチニブ、その塩、及びそれらに関連する中間体への新たな及びより効率的な経路が必要である。本明細書に記載のプロセス及び化合物は、これら及びその他のニーズを満たすのに役立つ。
本開示は、とりわけ、バリシチニブを調製するプロセスであって、式3の化合物
Figure 2024526762000001
またはその塩を、(i)式2aの塩またはその塩、及び(ii)式2bの化合物から選択される試薬と反応させることを含み、
Figure 2024526762000002
式中、Xが対アニオンである、前記プロセスを提供する。
本開示はまた、とりわけ、バリシチニブを調製するプロセスであって、式3の化合物
Figure 2024526762000003
またはその塩を、(i)式2aの塩、及び(ii)式2bの化合物から選択される試薬と反応させることを含み、
Figure 2024526762000004
式中、Xが対アニオンである、前記プロセスを提供する。
本開示は、式3の化合物
Figure 2024526762000005
またはその塩を更に提供する。
本開示はまた、式6の化合物
Figure 2024526762000006
を、ヒドラジンと反応させることを含む、式3の化合物またはその塩を製造するプロセスを提供する。
本開示は、式2cの塩
Figure 2024526762000007
を、式3の化合物と反応させて、
Figure 2024526762000008
バリシチニブまたはその塩を形成することを含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスを更に提供する。
いくつかの実施形態では、式2cの塩は、式2dの塩
Figure 2024526762000009
を、塩基と反応させて、式2cの塩を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式2dの塩は、
(a)式2Pの化合物
Figure 2024526762000010
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物を形成することと、
Figure 2024526762000011
(b)式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物
Figure 2024526762000012
またはその塩を形成することと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成することと、を含むプロセスによって調製され、
式中、Pはアミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、式2dの塩は、
(a)式22Pの化合物
Figure 2024526762000013
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式23Pの化合物を形成することと、
Figure 2024526762000014
(b)式23Pの化合物を還元して、式1aの化合物
Figure 2024526762000015
またはその塩を形成することと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成することと、を含むプロセスによって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩は、
式6の化合物
Figure 2024526762000016
を、ヒドラジンと反応させることを含むプロセスによって調製される。
本発明の1つ以上の実施形態の詳細を、以下の添付の図面及び発明を実施するための形態に記載する。
化合物2d、形態IのX線粉末回折(XRPD)パターンである。 化合物2d、形態Iの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムである。 化合物2d、形態Iの熱重量分析(TGA)サーモグラムである。 化合物2d、形態IIのXRPDパターンである。 化合物2d、形態IIのDSCサーモグラムである。 化合物2d、形態IIのTGAサーモグラムである。 化合物2、ヘキサフルオロリン酸塩のXRPDパターンである。 化合物2、ヘキサフルオロリン酸塩のDSCサーモグラムである。 化合物2、ヘキサフルオロリン酸塩のTGAサーモグラムである。
本開示は、{1-(エチルスルホニル)-3-[4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル]アゼチジン-3-イル}アセトニトリルとしても知られるバリシチニブを調製するプロセス、及びそのプロセスで使用される中間体を提供する。バリシチニブは、以下の構造を有する:
Figure 2024526762000017
バリシチニブは、本開示において化合物1とも呼ばれる。化合物及び化合物を調製する種々のプロセスは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2009年3月10日出願の米国特許第8,158,616号明細書で開示されている。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、式3の化合物、
Figure 2024526762000018
またはその塩を、(i)式2aの塩またはその塩、及び(ii)式2bの化合物から選択される試薬と反応させることを含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスであり、
Figure 2024526762000019
式中、Xが対アニオンである。
いくつかの実施形態では、本開示は、式3の化合物
Figure 2024526762000020
またはその塩を、(i)式2aの塩、及び(ii)式2bの化合物から選択される試薬と反応させることを含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスを提供し、
Figure 2024526762000021
式中、Xが対アニオンである。
いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1~約1.5モル当量の試薬((i)式2aの塩もしくはその塩、または(ii)式2bの化合物)が利用される。いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1.25モル当量の試薬が利用される。いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1モル当量の試薬が利用される。
いくつかの実施形態では、試薬((i)式2aの塩もしくはその塩、または(ii)式2bの化合物)と、式3の化合物またはその塩との反応は、溶媒構成要素中で実施される。溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒または極性非プロトン性溶媒を含むことができる。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は水を含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はアルコールを含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はジメチルホルムアミドを含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は、水、アルコール、またはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、試薬は式2aの塩である。いくつかの実施形態では、試薬は、式2aの塩の塩(例えば、式2aの塩の塩酸塩)である。いくつかの実施形態では、試薬は、式2aの塩の塩酸塩である。いくつかの実施形態では、式2aの塩の塩酸塩は、式2dの塩である。
Figure 2024526762000022
いくつかの実施形態では、Xは、Cl、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。いくつかの実施形態では、Xは、Cl、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。いくつかの実施形態では、XはBF である。いくつかの実施形態では、XはPF である。いくつかの実施形態では、XはAsF である。いくつかの実施形態では、XはSbF である。いくつかの実施形態では、XはClO である。いくつかの実施形態では、XはClである。
いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して、式2dの塩である試薬の約1~約2モル当量が利用される。いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1.5モル当量の試薬が利用される。いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩に対して約1モル当量の試薬が利用される。
いくつかの実施形態では、試薬((i)式2aの塩もしくはその塩、または(ii)式2bの化合物)と、式3の化合物またはその塩との反応は、溶媒構成要素中で実施される。溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒または極性非プロトン性溶媒を含むことができる。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は水を含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はアルコールを含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は式C1~6アルキル-OHの化合物を含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はエタノールである。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素はジメチルホルムアミドを含む。いくつかの実施形態では、溶媒構成要素は、水、アルコール、またはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、試薬は式2bの化合物である。いくつかの実施形態では、式2bの化合物は、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩を塩基と反応させることを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩と塩基との反応は、水を含む溶媒構成要素中で行われる。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩の反応のために存在する塩基は、強塩基である。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩の反応のために存在する塩基は、水酸化物である。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩の反応のために存在する塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩の反応のために存在する塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩に対して、約10~約15モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩に対して、約12モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくは式2cの塩、またはその塩と塩基との反応は、約-10℃~60℃の温度で行われる。いくつかの実施形態では、該温度は約0℃~室温である。いくつかの実施形態では、該温度は約40℃~約60℃である。いくつかの実施形態では、該温度は0℃~室温であり、次いで、約40℃~約60℃に加熱される。
いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくはその塩、または式2bの化合物は、
式1aの化合物
Figure 2024526762000023
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式2aの塩もしくはその塩、または式2bの化合物は、
式5aの化合物
Figure 2024526762000024
またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式5aの化合物は塩である。いくつかの実施形態では、式5aの化合物はナトリウム塩である。
いくつかの実施形態では、式2aの塩またはその塩(あるいは、式5aの化合物またはその塩)とビルスマイヤー試薬との反応の生成物は、式2dの塩である。
Figure 2024526762000025
いくつかの実施形態では、式2dの塩は結晶性である。いくつかの実施形態では、式2dの塩の結晶形態は、形態Iである。
いくつかの実施形態では、形態Iは、実質的に図1に示されるようなXRPDパターンを有する。形態Iは、実質的に図2に示されるようなDSCサーモグラムを有し得る。いくつかの実施形態では、形態Iは、実質的に図3に示されるようなTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態Iは、2シータ(±0.2度)で、7.4、12.5、13.1、14.1、14.6、15.0、15.9、17.7、18.5、19.0、20.5、20.8、22.2、23.0、24.3、26.3、及び27.9度で特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態では、形態Iは、DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が56℃、最大101℃の吸熱ピークを有する。
いくつかの実施形態では、式2dの塩の結晶形態は、形態IIである。いくつかの実施形態では、形態IIは、実質的に図4に示されるようなXRPDパターンを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは、実質的に図5に示されるようなDSCサーモグラムを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは、実質的に図6に示されるようなTGAサーモグラムを有する。
いくつかの実施形態では、形態IIは2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも1つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも2つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも3つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度から選択される少なくとも4つのXRPDピークを有する。いくつかの実施形態では、形態IIは2シータ(±0.2度)で、7.3、11.5、11.9、13.3、15.5、15.8、16.1、17.4、19.1、19.4、19.6、21.4、22.0、22.6、23.2、24.9、25.5、26.7、及び29.1度で特徴的なXRPDピークを有する。
いくつかの実施形態では、形態IIは、DSCサーモグラムにおいて、開始温度(±3℃)が47℃、最大99℃の吸熱ピークを有する。
いくつかの実施形態では、式2aの塩を作製するプロセスは、式2dの塩を塩基と反応させて、式2cの塩を形成することを更に含む。
Figure 2024526762000026
いくつかの実施形態では、式2aの塩またはその塩(あるいは、式5aの化合物またはその塩)とビルスマイヤー試薬との反応の生成物は、式2cの塩(X-がClの式2aの塩である)である。
Figure 2024526762000027
いくつかの実施形態では、式2aの塩を作製するプロセスは、式2cの塩をMの塩と反応させて、式2aの塩を形成することを更に含み、式中、
が対カチオンであり、
が、Cl以外の対アニオンである。
いくつかの実施形態では、Mは、アルカリ金属対カチオンである。いくつかの実施形態では、Mは、Li、Na、またはKである。いくつかの実施形態では、Mは、Naである。いくつかの実施形態では、Xは、Br、I、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。いくつかの実施形態では、Xは、BF 、PF 、AsF 、SbF 、及びClO から選択される。いくつかの実施形態では、XはBF である。いくつかの実施形態では、XはPF である。いくつかの実施形態では、XはAsF である。いくつかの実施形態では、XはSbF である。いくつかの実施形態では、XはClO である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の反応のいずれかで使用されるビルスマイヤー試薬は、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。いくつかの実施形態では、塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、及びトリホスゲンから選択される。いくつかの実施形態では、塩素化剤は塩化オキサリルである。いくつかの実施形態では、塩素化剤はオキシ塩化リンである。いくつかの実施形態では、塩素化剤はトリホスゲンである。
いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約1~約5モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約1~約4モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約1~約3モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約1モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約2モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約3モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約4モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドとの反応のために存在する塩素化剤の約5モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。
いくつかの実施形態では、塩素化剤との反応のために存在するジメチルホルムアミドの約10~約25モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、塩素化剤との反応のために存在するジメチルホルムアミドの約10~約20モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、塩素化剤との反応のために存在するジメチルホルムアミドの約10~約15モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、塩素化剤との反応のために存在するジメチルホルムアミドの約11~約14モル当量が、式1aもしくは5aの化合物またはその塩に対して利用される。いくつかの実施形態では、塩素化剤との反応のために存在するジメチルホルムアミドの約11~約13モル当量が、式1aの化合物またはその塩に対して利用される。
いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬の調製は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬の調製のために存在する溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬の調製のために存在する溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬の調製のために存在する溶媒構成要素は、アセトニトリル、ジメチホルムアミド(dimethyformamide)、またはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~約60℃の温度で調製される。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~約30℃の温度で調製される。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約-10℃~約室温の温度で調製される。いくつかの実施形態では、該温度は約0℃~約室温である。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約室温~約60℃の温度で調製される。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約30℃~約70℃、約40℃~約70℃、約30℃~約60℃、または約40℃~約60℃の温度で調製される。いくつかの実施形態では、ビルスマイヤー試薬は、約75℃~約80℃、約80℃~約90℃、または約85℃~約90℃の温度で調製される。
いくつかの実施形態では、式1aもしくは5aの化合物またはその塩とビルスマイヤー試薬との反応が、約40℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式1aもしくは5aの化合物またはその塩とビルスマイヤー試薬との反応が、約70℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式1aもしくは5aの化合物またはその塩とビルスマイヤー試薬との反応が、約40℃~約60℃の温度で実施される。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、塩酸塩である。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式1aPの化合物を脱保護することを含むプロセスによって調製され、
Figure 2024526762000028
式中、Pは、アミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、Pは、(RSiから選択され、式中、RはC1~6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。いくつかの実施形態では、Pはトリメチルシリルである。いくつかの実施形態では、脱保護は、式1aPの化合物を塩基と反応させることによって実施される。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する塩基は、水酸化物塩基である。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する塩基は、水酸化アンモニウムである。いくつかの実施形態では、脱保護は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式1aPの化合物を脱保護するために存在する溶媒構成要素は、メタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式1aPの化合物は、
式2Pの化合物
Figure 2024526762000029
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含むプロセスによって調製され、
式中、Pは、アミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、グリニャール触媒は、鉄触媒である。いくつかの実施形態では、鉄触媒は、鉄(III)アセチルアセトネートである。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgBrが利用される。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量のグリニャール触媒が利用される。いくつかの実施形態では、化合物式2PとMeMgBrとの反応は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、化合物式2PとMeMgBrとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、化合物式2PとMeMgBrとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。いくつかの実施形態では、化合物式2PとMeMgBrとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で実施される。
いくつかの実施形態では、式2Pの化合物は、
式12aの化合物を保護して、
Figure 2024526762000030
式2Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、保護は、式12aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Y(式中、Yはハロである)と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、P-Yは、(RSi-Yであり、式中、Yはハロであり、RはC1~6アルキルである。いくつかの実施形態では、Pは、(RSiであり、式中、RはC1~6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属水素化物は水素化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式12aの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属水素化物が利用される。いくつかの実施形態では、式12aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される。いくつかの実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、約-10℃~約20℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式12aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式23Pの化合物を還元して
Figure 2024526762000031
式1aの化合物またはその塩を形成する、ことを含むプロセスによって調製され、式中、Pはアミノ保護基である。なお、還元により生じたHClは、保護基Pの除去をもたらす。
いくつかの実施形態では、式23Pの化合物の還元は、式23Pの化合物を触媒の存在下で水素ガスと反応させることを含むプロセスによって遂行される。例えば、式23Pの化合物と水素ガスとの反応のために存在する触媒は、Pd炭素である。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物に対する触媒の量は、約5重量%~約15重量%である。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約40℃~約70℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約50℃~約60℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、約50℃~約55℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応のために存在する溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応のために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式23Pの化合物と水素及び触媒との反応のために存在する溶媒構成要素は、メタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、塩酸塩である。
いくつかの実施形態では、式23Pの化合物は、
式22Pの化合物
Figure 2024526762000032
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgClと反応させることを含むプロセスによって調製され、式中、Pは、アミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、グリニャール触媒は、鉄触媒である。いくつかの実施形態では、鉄触媒は、鉄(III)アセチルアセトネートである。いくつかの実施形態では、式22Pの化合物に対して約1~約2モル当量のMeMgClが利用される。いくつかの実施形態では、式22Pの化合物に対して約1%~約10%モル当量のグリニャール触媒が利用される。いくつかの実施形態では、化合物式22PとMeMgClとの反応は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、化合物式22PとMeMgClとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、化合物式22PとMeMgClとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。いくつかの実施形態では、化合物式22PとMeMgClとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で実施される。
いくつかの実施形態では、式22Pの化合物は、
式22aの化合物を保護して、
Figure 2024526762000033
式22Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、保護は、式22aの化合物をアルカリ金属水素化物及びP-Y(式中、Yはハロである)と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、Pは、(RSiであり、式中、RはC1~6アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。いくつかの実施形態では、アルカリ金属水素化物は水素化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式22aの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属水素化物が利用される。いくつかの実施形態では、式22aの化合物に対して約1~約2モル当量のP-Yが利用される。いくつかの実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、約-10℃~約20℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式22aの化合物とアルカリ金属水素化物及びP-Yとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物またはその塩は、
式18aの化合物
Figure 2024526762000034
を、酸と反応させて、式1aの化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式18aの化合物の反応のために存在する酸は、強酸である。いくつかの実施形態では、式18aの化合物の反応のために存在する酸は、塩酸である。いくつかの実施形態では、式18aの化合物と酸との反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式18aの化合物と酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、式18aの化合物と酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式18aの化合物と酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、イソプロピルアルコールを含む。
いくつかの実施形態では、式18aの化合物は、
式17aの化合物
Figure 2024526762000035
を、酢酸ホルムアミジン及びオルトギ酸トリエチルと反応させて、式18aの化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して約10~約15モル当量の酢酸ホルムアミジンが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して、約10、約11、約12、約13、約14、または約15モル当量の酢酸ホルムアミジンが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して約12モル当量の酢酸ホルムアミジンが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して約6~約10モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して約6、約7、約8、約9、または約10モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物に対して約8モル当量のオルトギ酸トリエチルが利用される。いくつかの実施形態では、式17aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びオルトギ酸トリエチルとの反応は、約100℃~約150℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、この温度は約110℃~約120℃である。いくつかの実施形態では、式17aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びオルトギ酸トリエチルとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒は式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、極性プロトン性溶媒は1-ブタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式17aの化合物は、
式20aの化合物
Figure 2024526762000036
を、式21aの化合物と反応させて、
Figure 2024526762000037
式17aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式20aの化合物に対して約0.4~約1モル当量の式21aの化合物が利用される。いくつかの実施形態では、式20aの化合物と式21aの化合物との反応は、室温で実施される。いくつかの実施形態では、式20aの化合物と式21aの化合物との反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式20aの化合物と式21aの化合物との反応のために存在する溶媒構成要素は、ジメチルホルムアミドを含む。
いくつかの実施形態では、式20aの化合物は、
式19aの化合物
Figure 2024526762000038
を、ブロモ-1,1-ジメトキシエタン及び塩基と反応させて、式20aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属炭酸塩である。いくつかの実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応のために存在する塩基は、炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、式19aの化合物に対して約1~約2モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式19aの化合物に対して約1~約2モル当量のブロモ-1,1-ジメトキシエタンが利用される。いくつかの実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応が、約70℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式19aの化合物とブロモ-1,1-ジメトキシエタンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジメチルホルムアミドを含む。
いくつかの実施形態では、式17aの化合物は、
式16aの化合物
Figure 2024526762000039
を、酢酸エチル及び塩基と反応させて、式17aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチルとの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属アルコキシドである。いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチルとの反応のために存在する塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。いくつかの実施形態では、式16aの化合物に対して約1~約3モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式16aの化合物に対して約1~約2モル当量の酢酸エチルが利用される。いくつかの実施形態では、式16aの化合物に対して約2モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチル及び塩基との反応は、室温で実施される。いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチル及び塩基との反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチルとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式16aの化合物と酢酸エチルとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、
式27aの化合物
Figure 2024526762000040
を、水中の塩基存在下で加水分解することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解のために存在する塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解のために存在する塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式27aの化合物に対して約1~約2モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式27aの化合物に対して約1.5モル当量の塩基が利用される。いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解は、室温で実施される。いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフラン、アセトン、またはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、式5aの化合物のナトリウム塩である。いくつかの実施形態では、式5aの化合物またはその塩は、式5aの化合物である。
いくつかの実施形態では、式27aの化合物の加水分解の生成物は、式5aの化合物のナトリウム塩である。いくつかの実施形態では、プロセスは、式5aの化合物のナトリウム塩を強酸と反応させて、式5aの化合物を形成することを更に含む。
いくつかの実施形態では、式5aの化合物は、式5aの化合物のナトリウム塩を強酸と反応させることを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式5aの化合物のナトリウム塩の反応のために存在する強酸は、塩酸である。いくつかの実施形態では、式5aの化合物のナトリウム塩と強酸との反応、及び式27aの化合物の加水分解は、単一のポット中で実施される。
いくつかの実施形態では、式27aの化合物は、
式26Pの化合物
Figure 2024526762000041
を、強酸と反応させることを含むプロセスによって調製され、式中、Pはアミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、Pは、p-トルエンスルホニルである。いくつかの実施形態では、式26Pの化合物の反応のために存在する強酸は、塩酸である。いくつかの実施形態では、式26Pの化合物と強酸との反応は、室温で実施される。いくつかの実施形態では、式26Pの化合物と強酸との反応は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、式26Pの化合物と強酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式26Pの化合物と強酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、エタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式26Pの化合物は、
式25Pの化合物
Figure 2024526762000042
を、アルカリ金属アルコキシドと反応させて、式26Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製され、式中Pはアミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、式25Pの化合物に対して約0.1モル当量のアルカリ金属アルコキシドが利用される。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応は、室温で実施される。いくつかの実施形態では、アルカリ金属アルコキシドはナトリウムエトキシドである。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、エタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式27aの化合物は、
式25Pの化合物
Figure 2024526762000043
を、アルカリ金属アルコキシドと反応させて、式27aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式25Pの化合物に対して約1~約2モル当量のアルカリ金属アルコキシドが利用される。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物に対して約1モル当量のアルカリ金属アルコキシドが利用される。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応は、約50℃~約80℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式25Pの化合物とアルカリ金属アルコキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、エタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式25Pの化合物は、
式2Pの化合物
Figure 2024526762000044
を、マロン酸ジエチル及び塩基と反応させることを含むプロセスによって調製され、式中、Pはアミノ保護基である。
いくつかの実施形態では、式2Pの化合物とマロン酸ジエチルとの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属炭酸塩である。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物とマロン酸ジエチルとの反応のために存在する塩基は、炭酸セシウムである。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物と塩基との反応は、約40℃~約70℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物と塩基との反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式2Pの化合物とマロン酸ジエチルとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジメチルホルムアミドを含む。
いくつかの実施形態では、式2Pの化合物は、式12aの化合物を保護して式2Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、保護は、式12aの化合物を塩基及びP-Y(式中、Yはハロである)と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、Pは、p-トルエンスルホニルである。いくつかの実施形態では、式12aの化合物及びP-Yの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかの実施形態では、式12aの化合物及びP-Yの反応のために存在する塩基は、水酸化ナトリウムである。いくつかの実施形態では、式12aの化合物の保護は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式12aの化合物及びP-Yの反応のために存在する溶媒構成要素は、アセトンを含む。
いくつかの実施形態では、式12aの化合物は、
式11aの化合物、
Figure 2024526762000045
またはその塩を、強酸と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩の反応のために存在する強酸は、塩酸である。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と強酸との反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と強酸との反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩の反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と強酸との反応は、テトラヒドロフランの還流温度で行われる。
いくつかの実施形態では、式11aの化合物は、
式10aの化合物
Figure 2024526762000046
またはその塩を、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドとの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属アルコキシドである。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドとの反応のために存在する塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基との反応は、約10℃~約30℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基との反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式11aの化合物またはその塩と(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式10aの化合物またはその塩は、
式9aの化合物
Figure 2024526762000047
を、アンモニアと反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式9aの化合物とアンモニアとの反応は、約40℃~約70℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式9aの化合物とアンモニアとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式9aの化合物とアンモニアとの反応のために存在する溶媒構成要素は、トルエンを含む。
いくつかの実施形態では、式9aの化合物は、
式8aの化合物
Figure 2024526762000048
を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式8aの化合物との反応のために存在するビルスマイヤー試薬は、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、式8aの化合物と反応させるためのビルスマイヤー試薬を調製するのに使用される塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。いくつかの実施形態では、式8aの化合物と反応して式8aの化合物を形成するためのビルスマイヤー試薬を調製するのに使用される塩素化剤は、オキシ塩化リンである。いくつかの実施形態では、式8aの化合物に対して約4~約6モル当量(例えば、5モル当量)の塩素化剤が利用される。いくつかの実施形態では、式8aの化合物に対して約1~約3モル当量(例えば、2モル当量)のジメチルホルムアミドが利用される。いくつかの実施形態では、ジメチルホルムアミドと塩素化剤との反応は、約-10℃~約20℃(例えば、約0℃~約10℃)の温度で調製される。いくつかの実施形態では、式8aの化合物とビルスマイヤー試薬との反応は、約80℃~約130℃(例えば、約90℃~約120℃、または約95℃~約115℃)の温度で実施される。
いくつかの実施形態では、式12aの化合物は、
式15aの化合物
Figure 2024526762000049
を、塩素化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式15aの化合物との反応のために存在する塩素化剤は、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される。いくつかの実施形態では、式15aの化合物との反応のために存在する塩素化剤は、オキシ塩化リンである。いくつかの実施形態では、式15aの化合物と塩素化剤との反応は、約50℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式15aの化合物とアンモニアとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式15aの化合物との反応のために存在する溶媒構成要素は、トルエンを含む。
いくつかの実施形態では、式15aの化合物は、
(i)式14aの化合物
Figure 2024526762000050
を酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属アルコキシドと反応させて、式14aaの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000051
(ii)式14aaの化合物を強酸と反応させることと、を含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式14aの化合物との反応のために存在するアルカリ金属アルコキシドは、ナトリウムエトキシドである。いくつかの実施形態では、式14aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属アルコキシドとの反応は、約50℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式14aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属アルコキシドとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式14aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属水酸化物との反応のために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、式14aの化合物と酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属水酸化物との反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、式14aの化合物との反応のために存在する溶媒構成要素は、エタノールを含む。
いくつかの実施形態では、式14aaの化合物の反応のために存在する強酸は、塩酸である。
いくつかの実施形態では、式14aの化合物は、
式13aの化合物
Figure 2024526762000052
を、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの反応は、約80℃~約100℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式13aの化合物とブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジメチルスルホキシドを含む。
いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩は、
式6の化合物
Figure 2024526762000053
を、ヒドラジンと反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、ヒドラジンはヒドラジン水化物である。
いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約1~約3モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約1.5~約2.5モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約2~約2.2モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約2.1モル当量のヒドラジンが利用される。
いくつかの実施形態では、式6の化合物の反応は、溶媒構成要素中で遂行される。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、非プロトン性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、アセトニトリルを含む。
いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応は、約20℃~約30℃の温度で遂行される。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応は、雰囲気温度で遂行される。
いくつかの実施形態では、式6の化合物は、
式55の化合物
Figure 2024526762000054
またはその塩をエタンスルホニルクロリドと反応させて、式6の化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩に対して、約1~約2モル当量のエタンスルホニルクロリドが利用される。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩に対して、約1.5モル当量のエタンスルホニルクロリドが利用される。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応は、塩基の存在下で遂行される。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する塩基は、第3級アミンである。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する塩基は、トリ-(C1~6アルキル)アミンである。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する塩基は、ジイソプロピルエチルアミンである。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応は、溶媒構成要素の存在下で遂行される。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、非プロトン性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応のために存在する溶媒構成要素は、アセトニトリルを含む。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩とエタンスルホニルクロリドとの反応は、約-10℃~約30℃の温度で遂行される。いくつかの実施形態では、室温とは約0℃~約5℃である。いくつかの実施形態では、温度は約0℃~約5℃であり、次いで、室温まで温められる。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩は、
式54の化合物を脱保護して、
Figure 2024526762000055
式55の化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製され、式中、P50は保護基である。
いくつかの実施形態では、P50はR50-O-C(O)-であり、式中、R50はC1~6アルキルである。いくつかの実施形態では、R50は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはt-ブチルである。いくつかの実施形態では、P50はt-ブチル-O-C(O)-である。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護は、式54の化合物を強酸で処理することを含む。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護のために存在する強酸は、HClである。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護は、溶媒構成要素中で遂行される。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護のために存在する溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒及び有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護のために存在する溶媒構成要素は、非プロトン性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護のために存在する溶媒構成要素は、水及びアセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、式54の化合物の脱保護は、雰囲気温度で遂行される。
いくつかの実施形態では、式55の化合物またはその塩は、式55の化合物の塩酸塩である。
いくつかの実施形態では、式54の化合物は、
式7の化合物
Figure 2024526762000056
をジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基と反応させて、式54の化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式7の化合物に対して約1~約1.5モル当量のジエチルシアノメチルホスフェートが利用される。いくつかの実施形態では、式7の化合物に対して約1.2モル当量のジエチルシアノメチルホスフェートが利用される。いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェートとの反応のために存在する塩基は、アルカリ金属アルコキシドである。いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェートとの反応のために存在する塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。
いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基との反応は、約-20℃~約30℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、温度は、約-5℃未満である。いくつかの実施形態では、温度は約-10℃~約-5℃であり、次いで、室温まで温められる。
いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基との反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基との反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式7の化合物とジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基との反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式7の化合物は、
式56の化合物を酸化させて、
Figure 2024526762000057
式7の化合物を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化は、式56の化合物を次亜塩素酸ナトリウムの存在下でTEMPOと反応させることを含むプロセスによって遂行される。いくつかの実施形態では、式56の化合物に対して約0.005~約0.02当量のTEMPOが利用される。いくつかの実施形態では、式56の化合物に対して約0.01当量のTEMPOが利用される。いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化は、約-10℃~約20℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、該温度は約0℃~約5℃である。
いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化は、溶媒構成要素中で実施される。いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化のために存在する溶媒構成要素は、水及び有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化のために存在する溶媒構成要素は、極性非プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式56の化合物の酸化のために存在する溶媒構成要素は、酢酸エチルを含む。
いくつかの実施形態では、式56の化合物は、
式57の化合物
Figure 2024526762000058
またはその塩を、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートと反応させることを含むプロセスによって調製され、
式中、P50はtert-ブチル-O-C(O)-である。
いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と水素及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応のために存在する触媒は、Pd炭素である。
いくつかの実施形態では、式57の化合物に対して約1~約1.5モル当量のジ-tert-ブチルジカーボネートが利用される。いくつかの実施形態では、式57の化合物に対して約1.1モル当量のジ-tert-ブチルジカーボネートが利用される。いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応は、約10psi~約50psiの圧力で実施される。いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応は、約30psiの圧力で実施される。いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応は、室温で実施される。
いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応は、溶媒構成要素中で実施され、ここで溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応のために存在する溶媒構成要素は、ジ-C1~6アルキルエーテルまたは4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルを含む。いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩と、水素、触媒、及びジ-tert-ブチルジカーボネートとの反応のために存在する溶媒構成要素は、テトラヒドロフランを含む。
いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩は、式57の塩酸塩である。
いくつかの実施形態では、式57の化合物またはその塩は、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応を含むプロセスによって調製される。いくつかの実施形態では、2-(クロロメチル)オキシランに対して約1~約1.1モル当量のジフェニルメタンアミンが利用される。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応は、約20℃~約80℃の温度で実施される。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応は室温で実施され、次いで、メタノールの還流温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応は溶媒構成要素中で実施され、ここで、溶媒構成要素は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応のために存在する溶媒構成要素は、アルコールを含む。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応のために存在する溶媒構成要素は、式C1~6アルキル-OHを含む。いくつかの実施形態では、ジフェニルメタンアミンと2-(クロロメチル)オキシランとの反応のために存在する溶媒構成要素は、メタノールを含む。
本開示は、式2cの塩
Figure 2024526762000059
を式3の化合物と反応させて、
Figure 2024526762000060
バリシチニブまたはその塩を形成することを含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスを更に提供する。
いくつかの実施形態では、式2cの塩は、式2dの塩
Figure 2024526762000061
を、塩基と反応させて、式2cの塩を形成することを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式2dの塩は、
(a)式2Pの化合物
Figure 2024526762000062
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物を形成することと、
Figure 2024526762000063
(b)式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物
Figure 2024526762000064
またはその塩を形成することと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成することと、を含むプロセスによって調製され、
式中、Pはアミノ保護基である。いくつかの実施形態では、Pはトリメチルシリルである。
いくつかの実施形態では、式2dの塩は、
(a)式22Pの化合物
Figure 2024526762000065
を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させ、式23Pの化合物を形成することと、
Figure 2024526762000066
(b)式23Pの化合物を還元して、式1aの化合物
Figure 2024526762000067
またはその塩を形成することと、
(c)式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、式2dの塩を形成させることと、を含むプロセスによって調製され、
式中、Pはアミノ保護基である。いくつかの実施形態では、Pは、t-ブチルジメチルシリルである。
いくつかの実施形態では、式3の化合物またはその塩は、
式6の化合物
Figure 2024526762000068
を、ヒドラジンと反応させることを含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、
(a)式1aの化合物またはその塩
Figure 2024526762000069
を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させ、式2cの塩を生成することと、
Figure 2024526762000070
(b)式2cの塩と式MClO の塩とを反応させて、式2aの塩を生成し、
Figure 2024526762000071
式中、Mは対カチオンであり、XはClO であることと、
(c)式2aの塩を式3の化合物
Figure 2024526762000072
またはその塩と反応させ、バリシチニブまたはその塩を形成することと、を含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスである。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、
(a)式5aの化合物
Figure 2024526762000073
を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させて、式2cの塩を生成することと、
Figure 2024526762000074
(b)式2cの塩と式MClO の塩とを反応させて、式2aの塩を生成し、
Figure 2024526762000075
式中、Mは対カチオンであり、XはClO であることと、
(c)式2aの塩を式3の化合物
Figure 2024526762000076
またはその塩と反応させて、バリシチニブまたはその塩を形成することと、を含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスである。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるのは、
(a)式6の化合物
Figure 2024526762000077
を、ヒドラジンと反応させて、式3の化合物
Figure 2024526762000078
またはその塩を生成することと、
(b)式3の化合物またはその塩と式2aの塩
Figure 2024526762000079
とを反応させ、バリシチニブまたはその塩を生成することと、を含む、バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスであり、式中、Mは対カチオンであり、XはClO である。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物
Figure 2024526762000080
またはその塩は、
(a)式12aの化合物
Figure 2024526762000081
を塩化トリメチルシリルと反応させて、式2Pの化合物を生成し、
Figure 2024526762000082
式中、Pはトリメチルシリルであることと、
(b)式12bの化合物をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式12cの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000083
(c)式12dの化合物を脱保護して、式1aの化合物またはその塩を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式12aの化合物
Figure 2024526762000084
は、
(a)式13aの化合物
Figure 2024526762000085
を、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させて、式14aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000086
(b)式14aの化合物を酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属アルコキシドと反応させて、式14aaの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000087
(c)式14aaの化合物を強酸と反応させて、式15aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000088
(d)式15aの化合物を塩素化剤と反応させて、式12aの化合物を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式1aの化合物
Figure 2024526762000089
またはその塩は、
(a)式22aの化合物、
Figure 2024526762000090
を、t-ブチルジメチルシリルクロリド及びアルカリ金属水素化物と反応させて、式22Pの化合物を生成し、
Figure 2024526762000091
式中、Pはt-ブチルジメチルシリルであることと、
(b)式22Pの化合物をグリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式23aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000092
(c)式23aの化合物を水素及びパラジウム炭素で還元して、式1aの化合物またはその塩を形成し、式中、Pがアミノ保護基であることと、を含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式6の化合物は、
(a)ジフェニルメタンアミンを2-(クロロメチル)オキシランと反応させて、式57の化合物またはその塩を生成することと、
Figure 2024526762000093
(b)式57の化合物またはその塩を、水素、パラジウム炭素、及びジ-tert-ブチルジカーボネートと反応させて、式56aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000094
(c)式56aの化合物を酸化させて、式7aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000095
(d)式7aの化合物を、ジエチルシアノメチルホスフェート及び塩基と反応させて、式54aの化合物を生成することと、
Figure 2024526762000096
(e)式54aの化合物を脱保護して、式55の化合物またはその塩を生成することと、
Figure 2024526762000097
(f)式55の化合物またはその塩をエタンスルホニルクロリドと反応させて、式6の化合物を形成することと、を含むプロセスによって調製される。
いくつかの実施形態では、式3の化合物
Figure 2024526762000098
またはその塩が本明細書で提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に提供されるのは、
式6の化合物
Figure 2024526762000099
を、ヒドラジンと反応させることを含む、式3の化合物またはその塩を製造するプロセスである。
いくつかの実施形態では、ヒドラジンはヒドラジン水化物である。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約1~約3モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約1.5~約2.5モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約2~約2.2モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物に対して約2.1モル当量のヒドラジンが利用される。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応は、溶媒構成要素中で遂行される。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、非プロトン性有機溶媒を含む。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応のために存在する溶媒構成要素は、アセトニトリルを含む。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応は、約20℃~約30℃の温度で遂行される。いくつかの実施形態では、式6の化合物とヒドラジンとの反応は、雰囲気温度で遂行される。
本明細書の様々な箇所で、本発明の化合物の置換基が群または範囲で開示される。本発明はこうした群及び範囲の構成要素のメンバーのありとあらゆる個々の部分的組み合わせを含むことが、具体的に意図される。例えば、用語「C1~6アルキル」は、メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、Cアルキル、及びCアルキルを個々に開示することが、具体的に意図される。
別個の実施形態に関連して記載される本発明のある特定の特徴は、明確にするため、単一の実施形態で組み合わせて提供することもできることが更に理解される。反対に、単一の実施形態に関連して記載される本発明の様々な特徴は、簡潔にするため、別個にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供することもできる。
本明細書で使用するとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて用いられる「アルキル」という用語は、直鎖または分岐であり得る飽和炭化水素基を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~12個、1~8個、または1~6個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどの化学基;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、n-ヘプチル、n-オクチルなどの高級同族体が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキル部分は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、または2,4,4-トリメチルペンチルである。いくつかの実施形態では、アルキル部分はメチルである。
本明細書で使用するとき、単独でまたは他の用語と組み合わせて使用される用語「ハロ」及び「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
本明細書で使用するとき、用語「4~10員のヘテロシクロアルキルエーテル」は、少なくとも1つの酸素ヘテロ原子環員及び4~10環員を有する環構造の一部として1つ以上のアルケニレン基を任意に含有する非芳香族環または環系を指す。用語「ヘテロシクロアルキル」には、単環式の4、5、6、及び7員のヘテロシクロアルキル基が含まれる。4~10員のヘテロシクロアルキルエーテルの例としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサンなどが挙げられる。
本明細書に記載されるプロセスは、当技術分野で公知の任意の適切な方法に従ってモニタリングされ得る。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光法(例えばHまたは13C)、赤外分光法、もしくは分光測光法(例えばUV-可視光)など、またはクロマトグラフィー、例えば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)、もしくは他の関連技法によってモニタリングされ得る。
本明細書で使用するとき、用語「反応させる」及び「接触させる」は、当該技術分野で公知であるとおりに使用され、化学試薬を、分子レベルでのそれらの相互作用が化学的変換または物理的変換を達成することを可能にするような方式で、一緒にすることを一般に指す。いくつかの実施形態では、反応は2つの試薬が関与し、ここで第1の試薬に対して1当量以上の第2の試薬が使用される。本明細書に記載されるプロセスの反応工程は、特定される生成物の調製に好適な時間及び条件で遂行され得る。
いくつかの実施形態では、試薬及び中間体は、塩であってもよい。
本開示はまた、本明細書で開示される化合物の薬学的に許容される塩も含む。本明細書で使用するとき、用語「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される酸または塩基を本明細書で開示される化合物へ付加することによって形成された塩を指す。本明細書で使用するとき、「薬学的に許容される」という表現は、毒性学上の観点から薬学的適用における使用に許容可能であり、活性成分と不利に相互作用しない物質を指す。単塩及び二塩を含む薬学的に許容される塩としては、酢酸、乳酸、クエン酸、ケイ皮酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、マンデル酸、リンゴ酸、シュウ酸、プロピオン酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硝酸、硫酸、グリコール酸、ピルビン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、サリチル酸、安息香酸、及び類似の公知の許容可能な酸などであるがこれらに限定されない、有機酸及び無機酸に由来するものが挙げられるがこれらに限定されない。好適な塩の一覧は、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)中で見出される。
化合物の調製は、様々な化学基の保護及び脱保護を伴い得る。保護及び脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定され得る。保護基の化学的性質は、例えば、Greene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4d.Ed.,Wiley&Sons,2007で見出され得、これは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される保護基ならびに形成方法及び切断方法に対する調整は、様々な置換基を考慮して必要に応じてなされ得る。
本明細書に記載されるプロセスの反応は、有機合成の当業者によって容易に選択され得る好適な溶媒中で実行され得る。好適な溶媒は、反応が実施される温度、例えば溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で出発物質(反応物)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒、または2つ以上の溶媒の混合物中で実行され得る。特定の反応工程に依存して、特定の反応工程に好適な溶媒が選択され得る。いくつかの実施形態では、反応は、試薬のうちの少なくとも1つが液体または気体であるなどの場合に、溶媒の非存在下において実行され得る。
好適な溶媒としては、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1-ジクロロエタン、2-クロロプロパン、α,α,α-トリフルオロトルエン、1,2-ジクロロエタン、1,2-ジブロモエタン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,2-ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、それらの混合物、及び同種のものなどのハロゲン化溶媒が挙げられ得る。
好適な溶媒としては、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、t-ブチルメチルエーテル、それらの混合物、及び同種のものなどのエーテル溶媒が挙げられ得る。
好適なプロトン性溶媒としては、一例として非限定的に、水、メタノール、エタノール、2-ニトロエタノール、2-フルオロエタノール、2,2,2-トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-メトキシエタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、i-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール、2-エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1-、2-、もしくは3-ペンタノール、ネオペンチルアルコール、t-ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、グリセロール、それらの混合物、及び同種のものが挙げられ得る。
好適な非プロトン性溶媒としては、一例として非限定的に、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(DMPU)、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N-メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N-メチルアセトアミド、N-メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、ヘキサメチルホスホルアミド、それらの混合物、及び同種のものが挙げられ得る。
好適な炭化水素溶媒としては、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン(例えば、n-ヘプタン)、エチルベンゼン、m-、o-、またはp-キシレン、オクタン、インダン、ノナン、ナフタレン、それらの混合物、及び同種のものが挙げられ得る。
超臨界二酸化炭素及びイオン性液体も、溶媒として用いられ得る。
本明細書に記載されるプロセスの反応は、当業者によって容易に決定され得る適切な温度で実行され得る。反応温度は、例えば試薬及び溶媒(存在する場合)の融点及び沸点、反応の熱力学(例えば激しい発熱反応は低減された温度で実行される必要があり得る)、ならびに反応の速度論(例えば高い活性化エネルギー障壁は高温を必要とし得る)に依存する。「高温」は、室温(約22℃)よりも高い温度を指す。
本明細書に記載のプロセスの反応は、空気中で、または不活性雰囲気下で実行され得る。典型的には、空気と実質的に反応性である試薬または生成物を含む反応は、当業者に周知の空気感受性合成技法を用いて実行され得る。
いくつかの実施形態では、化合物の調製は、例えば酸付加塩などの塩形態の所望の反応または形成の触媒作用に影響を及ぼすような酸または塩基の添加を伴い得る。
例示的な酸は、無機または有機酸であり得る。無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、及び硝酸が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、4-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸、トリフルオロ酢酸、プロピオル酸、酪酸、2-ブチン酸、ビニル酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、及びデカン酸が挙げられる。
例示的な塩基としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及びカリウム水酸化物)、及びアルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム)が挙げられる。いくつかの例示的な強塩基としては、ヒドロキシド、アルコキシド、金属アミド、金属水素化物、金属ジアルキルアミド、及びアリールアミンが挙げられるがこれらに限定されず、ここでアルコキシドとしては、メチル、エチル、及びt-ブチルオキシドのリチウム、ナトリウム及びカリウム塩が挙げられ、金属アミドとしては、ナトリウムアミド、カリウムアミド、及びリチウムアミドが挙げられ、金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、及び水素化リチウムが挙げられ、金属ジアルキルアミドとしては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、トリメチルシリル、及びシクロヘキシル置換アミドのナトリウム及びカリウム塩が挙げられる。
本開示はまた、本明細書に記載される化合物の塩形態も含む。例示的な塩(または塩形態)としては、アミンなどの塩基性残基の鉱酸または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。一般に、塩形態は、遊離塩基または酸を、適切な溶媒中または溶媒の様々な組み合わせ中で、化学量論量のまたは過剰量の所望の塩形成無機または有機酸または塩基と反応させることにより調製され得る。適切な塩の一覧は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418で見出される。
本明細書に記載のプロセスに従う化合物の調製の実行に際しては、濃縮、濾過、抽出、固相抽出、再結晶、クロマトグラフィー、及び同種のものなどの通常の単離及び精製操作を使用して、所望される生成物を単離することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物及びその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的に、または実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離は、例えば、本発明の化合物に富む組成物を含み得る。実質的な分離としては、本発明の化合物またはその塩を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%含有する組成物が挙げられ得る。化合物及びそれらの塩を単離する方法は、当該技術分野において日常的なものである。
いくつかの実施形態では、バリシチニブ、バリシチニブ試薬を調製するための中間体及びその塩は、その物質の無水形態及びその物質の溶媒和/水和形態の両方を含み得る。同じ物質の異なる形態は、例えば、吸湿性、溶解性、安定性などに関して異なるバルク特性を有する。高い融点を有する形態は、良好な熱力学的安定性を有することが多く、これは、固体形態を含む薬物製剤の貯蔵期限を長くするのに有利である。低い融点を有する形態は、熱力学的にあまり安定でないことが多いが、これらは、水溶性が増加し、それにより薬物のバイオアベイラビリティが増加する点で有利である。吸湿性が低い形態は、熱及び湿度に対するその安定性のために望ましく、長期保存中の分解に耐性がある。
いくつかの実施形態では、開示される化合物またはその塩は、結晶性である。本明細書で使用するとき、「結晶性」または「結晶形態」とは、結晶性物質のある特定の格子配置を指すことを意味する。同じ物質の異なる結晶形態は、典型的には、異なる結晶格子(例えば、単位格子)を有し、これは、各結晶形態に特徴的な異なる物理的特性に起因する。場合によっては、異なる格子配置は、異なる水または溶媒含有量を有する。
異なる固体形態及びその塩形態は、固体状態特性決定法、例えば、X線粉末回折(XRPD)によって同定することができる。他の特性決定法、例えば示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的蒸気収着(DVS)、固相NMRなどは、形態の同定を更に助け、のみならず、安定性及び溶媒/水含有量の決定を助ける。
反射(ピーク)のXRPDパターンは、典型的には、特定の結晶形態の指紋と考えられる。XRPDピークの相対強度は、とりわけ、試料調製技法、結晶サイズ分布、使用される様々なフィルター、サンプルの取り付け手順、及び用いられる特定の計器に応じて広く変化し得ることはよく知られている。場合によっては、計器の種類または設定に応じて、新たなピークが観測され得るか、または既存のピークが消失し得る。本明細書で使用するとき、「ピーク」という用語は、最大ピーク高さ/強度の少なくとも約4%の相対高さ/強度を有する反射を指す。更に、計器の変動及び他の要因は、2シータ値に影響を及ぼし得る。したがって、本明細書で報告されるものなどのピーク割り当ては、プラスマイナス約0.2°(2シータ)だけ変化し得、「実質的に」及び「約」という用語は、本明細書でXRPDとの関係において使用される場合、上述の変動を包含することを意味する。
同様に、DSC、TGA、または他の熱実験に関する温度読み取り値は、機器、特定の設定、試料調製などに応じて約±3℃変動し得る。したがって、図面のいずれかに示されるDSCサーモグラムを「実質的に」有する本明細書で報告される結晶形態、または「約」という用語は、こうした変動に対応すると理解される。
一般に、用語「約」は、±10%を意味する。いくつかの実施形態では、用語「約」は、±5%を意味する。
いくつかの実施形態では、固体形態及び塩形態は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、その固体形態、塩形態、または結晶形態が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、固体形態及び塩形態に富む組成物を含むことができる。実質的な分離とは、固体形態及び塩形態を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、または少なくとも約99重量%含有する組成物を含むことができる。固体形態及びその塩形態を単離するための方法は、当技術分野で日常的なものである。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体形態及び塩形態は、水及び溶媒(例えば、水和物及び溶媒和物)などの他の物質と共に見出され得るか、または単離され得る。
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、合理的なベネフィット/リスク比に見合い、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに好適な、塩、材料、組成物、及び/または剤形を指すために用いられる。
本明細書に記載される反応は、当業者によって容易に決定され得る適切な温度で実施され得る。反応温度は、例えば試薬及び溶媒(存在する場合)の融点及び沸点、反応の熱力学(例えば激しい発熱反応は低減された温度で実行される必要があり得る)、ならびに反応の速度論(例えば高い活性化エネルギー障壁は高温を必要とし得る)に依存する。
本明細書で使用するとき、「雰囲気温度」及び「室温」または「rt」という表現は、当技術分野で理解されており、概して、温度、例えば反応が実施される部屋の温度に近い反応温度、例えば約20℃~約30℃の温度を指す。
本明細書に記載の保護基(例えば、P、P、P50など)としては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWuts and Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,4th ed.,John Wiley & Sons:New Jersey,pages 696-887(及び、特にはpages 872-887)(2007)で詳述されるアミンの保護基が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載される保護基の例としては、CHOC(=O)C(CH、CHOCHCHSi(CH、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、2-(4-トリフルオロメチルフェニルスルホニル)エトキシカルボニル(Tsc)、t-ブトキシカルボニル(BOC)、1-アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、2-アダマンチルカルボニル(2-Adoc)、2,4-ジメチルペント-3-イルオキシカルボニル(Doc)、シクロヘキシルオキシカルボニル(Hoc)、1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(TcBOC)、ビニル、2-クロロエチル、2-フェニルスルホニルエチル、アリル、ベンジル、2-ニトロベンジル、4-ニトロベンジル、ジフェニル-4-ピリジルメチル、N’,N’-ジメチルヒドラジニル、メトキシメチル、t-ブトキシメチル(Bum)、ベンジルオキシメチル(BOM)、2-テトラヒドロピラニル(THP)、トリ(C1~4アルキル)シリル(例えば、トリ(イソプロピル)シリルまたはt-ブチルジメチルシリル)、1,1-ジエトキシメチル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)、N-ピバロイルオキシメチル(POM)、p-ニトロフェニルスルホニル、p-トルエンスルホニル、フェニルスルホニル、メタンスルホニルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、保護基はトリ(C1~4アルキル)シリル(例えば、トリ(イソプロピル)シリルまたはt-ブチルジメチルシリル)である。いくつかの実施形態では、保護基はt-ブチルジメチルシリルである。いくつかの実施形態では、保護基はp-トルエンスルホニルである。
本発明は、特定の実施例によって、より詳細に説明されるであろう。以下の実施例は例示目的で提供され、いかなる様式でも本発明を限定するようには意図されない。当業者は、本質的に同じ結果をもたらす、変更または改変され得る様々な重要でないパラメーターを容易に認識するであろう。
実施例1.2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(バリシチニブ、化合物1)の調製
Figure 2024526762000100
工程1.2-(1-(エチルスルホニル)-3-ヒドラジネイルアゼチジン(hydrazineylazetidin)-3-イル)アセトニトリル(化合物3):
窒素下のフラスコに、2-(1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イリデン)アセトニトリル(化合物6、1.0g、5.37mmol)及びアセトニトリル(10mL)を投入した。ヒドラジン水化物(0.66g、11.3mmol、2.1当量)を、25℃未満に制御された反応温度で、30分間かけて反応混合物にゆっくりと添加した。反応は、雰囲気温度で2時間撹拌した後に完了した。完了後、反応溶媒を減圧下で蒸発させた。残留反応混合物をジクロロメタン(CHCl、20mL)で希釈し、ブライン(10mL)で洗浄した。有機層を分離して回収した。水層をジクロロメタンの別の部分(CHCl、10mL)で抽出し、有機層を回収した。合わせた有機層を減圧下で蒸発させた。粗製の所望の生成物である2-(1-(エチルスルホニル)-3-ヒドラジネイルアゼチジン-3-イル)アセトニトリル(化合物3、0.82g、72%)をゲルとして得、これを更に精製することなく次の工程でそのまま使用した。化合物3の場合:H NMR(CDCl,400MHz)δ3.97(d,J=8.8Hz,2H),3.68(d,J=8.9Hz,2H),3.35(br,3H),2.99(q,J=7.4Hz,2H),2.93(s,2H),1.33(t,J=7.4Hz,3H)ppm;13C NMR(CDCl,101MHz)δ117.22,57.43,55.36,45.72,24.69,7.86ppm;C14S(MW:218.28),LCMS(EI)m/e 219.2(M+H)。
工程2.2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(バリシチニブ、化合物1):
エタノール(8mL)中の2-(1-(エチルスルホニル)-3-ヒドラジネイルアゼチジン-3-イル)アセトニトリル(化合物3、0.84g、3.85mmol、1.32当量)の溶液に、ビニアミジニウム過塩素酸塩(vinamidinium perchlorate)(化合物2過塩素酸塩、1.0g、2.91mmol)を一度に添加した。得られた反応混合物を雰囲気温度で16時間撹拌した。反応混合物にn-ヘプタン(16mL)を添加し、得られた混合物を雰囲気温度で更に1時間撹拌した。反応混合物を濾過し、固体をn-ヘプタン(10mL)で洗浄した。湿潤ケークを通して空気を引き込むことによって終夜乾燥させた後で、所望の生成物である2-(3-(4-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)-1H-ピラゾール-1-イル)-1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イル)アセトニトリル(バリシチニブ、化合物1、1.2g、85%)を、褐色固体として得た。バリシチニブ(化合物1)の場合:H NMR(DMSO-d,300MHz)δ 12.15(s,1H),8.94(s,1H),8.72(s,1H),8.49(s,1H),7.63(d,1H),7.09(d,1H),4.62(d,2H),4.25(d,2H),3.71(s,2H),3.24(q,2H),1.26(t,3H)ppm;C1617S(MW,371.42),LCMS(EI)m/e 372(M+H)。
実施例2:2-(1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イリデン)アセトニトリル(化合物6)の調製
Figure 2024526762000101
工程1.tert-ブチル3-(シアノメチレン)アゼチジン-1-カルボキシレート(化合物54a):
ジエチルシアノメチルホスフェート(745g、4.20mol、1.20当量)及び無水テトラヒドロフラン(THF、9L)を、サーモウェル、添加漏斗、及び窒素保護チューブを装備した4口フラスコに室温で添加した。溶液を氷メタノール浴で-14℃へ冷却し、無水テトラヒドロフラン(THF、3.85L、3.85mol、1.1当量)中のカリウムtert-ブトキシド(t-BuOK)の1.0M溶液を、反応温度を-5℃未満に保ちながら20分間にわたって添加した。得られた反応混合物を-10℃で3時間撹拌し、無水テトラヒドロフラン(THF、2L)中のtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物7a、600g、3.50mol)の溶液を、内部温度を-5℃未満に保ちながら2時間にわたって添加した。反応混合物を-5~-10℃で1時間にわたって撹拌し、次いで徐々に室温まで暖め、室温で終夜撹拌した。続いて、反応混合物を水(4.5L)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(NaCl、4.5L)により希釈し、酢酸エチル(EtOAc、2×9L)で抽出した。合わせた有機層をブライン(6L)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させた。有機溶媒を減圧下で除去し、残留物をジクロロメタン(CHCl、4L)で希釈し、その後シリカゲル(SiO、1.5Kg)に吸収させた。シリカゲルに吸収させた粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO、3.5Kg、0~25%のEtOAc/ヘキサン勾配溶出)によって精製して、tert-ブチル3-(シアノメチレン)アゼチジン-1-カルボキシレート(化合物54a、414.7g、理論上679.8g、収率61%)を白色固体として得た。化合物54aの場合:HNMR(CDCl,300MHz),δ 5.40(m,1H),4.70(m,2H),4.61(m,2H),1.46(s,9H)ppm;C10142(MW,194.23),LCMS(EI)m/e 217(M+Na)。
工程2.2-(1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イリデン)アセトニトリル(化合物6):
アセトニトリル(7L)中tert-ブチル3-(シアノメチレン)アゼチジン-1-カルボキシレート(化合物54a、1000g、5.2mol)溶液、及び3NのHCl水溶液(7L)を室温で18時間撹拌した。HPLCが、全ての出発物質(tert-ブチル3-(シアノメチレン)アゼチジン-1-カルボキシレート)が消費されたことを示した場合、反応混合物を減圧下で濃縮して乾燥させた。粗製の所望の脱保護生成物(化合物55a)を含む残留物を、続いてアセトニトリル(12L)中に懸濁させ、得られた懸濁液を次いで0~5℃に冷却した。続いて、ジイソプロピエチルアミン(Diisopropyethylamine)(DIEA、3.14L、18.03mol、3.5当量)を、内部温度を5℃未満に保ちながら徐々に添加した。得られた均質な溶液を0℃に冷却させ、内部温度を5℃未満に保ちながら、エタンスルホニルクロリド(EtSOCl、730mL、7.73mol、1.5当量)を1時間かけて添加した。得られた反応混合物を徐々に室温まで温め、室温で終夜撹拌した。反応が完了したことをHPLCが示したら、反応混合物を減圧下で濃縮して容量を約2Lにした。ロータリーエバポレーターの浴温は45℃を超えないように設定した。続いて、濃縮した残留物をジクロロメタン(CHCl、10L)で希釈し、得られたジクロロメタン溶液を塩化ナトリウム水溶液(10L)で洗浄した。水相をジクロロメタンで逆抽出した(CHCl、5L)。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、残留物を減圧下でシリカゲル(SiO、1 Kg)に吸収させた。ロータリーエバポレーターの浴温は45℃を超えないように設定した。続いて、材料をシリカゲルカラム(SiO、2.5Kg)に充填し、ヘプタン中20~60%酢酸エチルで溶出して、2-(1-(エチルスルホニル)アゼチジン-3-イリデン)アセトニトリル(化合物6、882g、理論上968.4g、収率91%)をオフホワイトの固体として得た。化合物6の場合:H NMR(CDCl,300MHz)δ 5.46(m,1H),4.77(m,2H),4.70(m,2H),3.05(q,2H),1.39(t,3H)ppm;C10S(MW,186.23),LCMS(EI)m/e 187(M+H)。
実施例3:tert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物7a)の調製
Figure 2024526762000102
工程1.1-ベンズヒドリルアゼチジン-3-オール塩酸塩(化合物57a):
メタノール(MeOH、6L)中のジフェニルメタンアミン(2737g、15.0mol、1.04当量)の溶液を、室温で、添加漏斗からの2-(クロロメチル)オキシラン(1330g、14.5mol)で処理した。初回添加の間に、わずかな吸熱が認められた。得られた反応混合物を室温で3日間撹拌し、その後、更に3日間加温還流させた。反応が完了したとみなされたことをTLCが示した時に、反応混合物を、最初は室温へ、次に氷浴中で0~5℃に冷却した。固形分を濾過によって回収し、アセトン(4L)で洗浄して、粗製の所望の生成物の第1の収穫物(1516g)を得た。濾液を減圧下で濃縮し、得られた半固形分をアセトン(1L)で希釈した。続いて、この固形分を濾過によって収集し、粗製の所望の生成物の第2の収穫物(221g)を得た。粗生成物である1-ベンズヒドリルアゼチジン-3-オール塩酸塩(化合物57a、1737g、理論上3998.7g、収率43.4%)は、更なる精製を行うことなく後続の反応で使用するのに十分なほど純粋であることが見出された。化合物57aの場合:HNMR(DMSO-d,300MHz),δ 12.28(br. d,1H),7.7(m,5H),7.49(m,5H),6.38(d,1H),4.72(br. s,1H),4.46(m,1H),4.12(m,2H),3.85(m,2H)ppm;C1618ClNO(57aの遊離塩基,C1617NO MW,239.31),LCMS(EI)m/e 240(M+H)。
工程2.tert-ブチル3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物56a):
炭酸ナトリウムの水溶液(NaCO、5L)及びジクロロメタン(CHCl、5L)の10%溶液中の1-ベンズヒドリルアゼチジン-3-オール塩酸塩(化合物57a、625g、2.27mol)の懸濁液を、全ての固形分が溶解するまで室温で撹拌した。2つの層を分離し、水層をジクロロメタン(CHCl、2L)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この得られた1-ベンズヒドリルアゼチジン-3-オール塩酸塩の粗製の遊離塩基をテトラヒドロフラン(THF、6L)中に溶解し、溶液を大きなParrボンベ中に配置した。ジ-tert-ブチルジカーボネート(BOCO、545g、2.5mol、1.1当量)及び20%のパラジウム(Pd)炭素(125g、水分50%)を、Parrボンベに添加した。容器に水素ガス(H)を30psiまで充填し、一定の水素雰囲気(容器に3回再充填して圧力を30psiに維持した)下で、室温で18時間撹拌した。反応が完了したことをHPLCが示したとき(これ以上水素が取り込まれなかったとき)、反応混合物をセライトパッドを介して濾過し、セライトパッドをTHF(4L)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、残留物を最小量のジクロロメタン(CHCl)と共にBiotage 150カラムに充填した。カラムを、ヘプタン中20~50%の酢酸エチルで溶出し、純粋な所望の生成物を含有する画分を収集して組み合わせた。溶媒を減圧下で除去して、tert-ブチル3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物56a、357g、理論上393.2g、収率90.8%)を無色油として得、これを室温の真空中に放置すると固化した。化合物56aの場合:HNMR(CDCl,300MHz),δ 4.56(m 1H),4.13(m,2H),3.81(m,2H),1.43(s,9H)ppm。
工程3.tert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物7a):
酢酸エチル(400mL)中のtert-ブチル3-ヒドロキシアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物56a、50g、289mmol)の溶液を、0℃に冷却した。続いて、得られた溶液を、0~5℃で、固体のTEMPO(0.5g、3.2mmol、0.011当量)、及び水(60mL)中の臭化カリウム(KBr、3.9g、33.2mmol、0.115当量)の溶液で処理した。反応温度を0~5℃に保ちながら、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(NaHCO、450mL)及び次亜塩素酸ナトリウム水溶液(NaClO、10~13%の有効塩素、450mL)を添加した。次亜塩素酸ナトリウムの溶液を添加すると、反応混合物の色は直ちに変化した。追加量の次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加したとき、反応混合物の色は徐々に退色した。全ての出発物質が消費されたことをTLCが示した時に、反応混合物の色はもはや変化しなかった。続いて、反応混合物を酢酸エチル(EtOAc、500mL)で希釈し、2つの層を分離した。有機層を、水(500mL)及び飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させた。続いて、溶媒を減圧下で除去して、粗生成物であるtert-ブチル3-オキソアゼチジン-1-カルボキシレート(化合物7a、48g、理論上49.47g、収率97%)を得たが、これは十分に純粋であることが見出され、更なる精製を行うことなく後続の反応でそのまま使用された。粗製化合物7aの場合:HNMR(CDCl,300MHz),δ 4.65(s,4H),1.42(s,9H)ppm。
実施例4.(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2のクロリド塩酸塩、または化合物2d)の調製
Figure 2024526762000103
無水アセトニトリル(65mL)中の塩化オキサリル(21.88g、15.1mL、169mmol、2.25当量)の溶液を氷浴中で0~5℃に冷却した。無水DMF(70.8g、75.0mL、969mmol、12.9当量)を溶液に滴下して、対応するビルスマイヤー試薬を形成した。DMFの添加中、内部温度を10℃未満に制御した。氷バッチ(ice batch)を取り除き、反応混合物を40分間かけて雰囲気温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(1a、10.0g、75.1mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬中に固体として雰囲気温度で一度に投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で5~10分間撹拌して、完全な混合を確実にしてから、85~90℃まで温めた。反応混合物を85~90℃で1時間撹拌してから、雰囲気温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、100mL)を投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、THF及びMTBEの1対1混合物(2×100mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(2d、24.38g、理論上23.72g、HPLC面積%により98.9%、NMRにより90.2重量%、収率92.6%)を、6~7%のDMF及びアセトニトリルならびに1~2%の水を含有する黄色から褐色の結晶性固体(形態I)として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dの場合:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW、化合物2cの場合は279.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M、基準ピーク)。
化合物2dの結晶形態Iを、XRPD、DSC、及びTGAによって特性決定した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は以下のとおりであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダ上に分散させた。XRPDの一般的な測定条件は以下のとおりであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
化合物2dの形態Iは、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2d、結晶形態IのXRPDパターンを図1に示し、ピークデータを表1に提供する。
Figure 2024526762000104
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下のとおりであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2d、結晶形態IのDSC分析により、開始温度が55.6℃、及び最大100.6℃の1つの吸熱ピークが明らかになった。化合物2d、結晶形態IのDSCサーモグラムを図2に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAの一般的な実験条件は以下のとおりであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流、白金試料ホルダ。化合物2d、結晶形態IのTGA分析により、分解に起因した、100℃未満で8.0%の重量減少及び175℃超で著しい重量減少があることが判明した。化合物2d、結晶形態IのTGAサーモグラムを図3に提供する。
実施例5:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d)の代替的調製
無水アセトニトリル(130mL)中の塩化オキサリル(43.76g、30.2mL、338mmol、2.25当量)の溶液を氷浴中で0~5℃に冷却した。無水DMF(141.6g、140.0mL、1938mmol、12.9当量)を溶液に滴下して、対応するビルスマイヤー試薬を形成した。DMFの添加中、内部温度を10℃未満に制御した。氷浴を取り除き、反応混合物を40分間かけて雰囲気温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、25.44g、150mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬中に固体として雰囲気温度で一度に投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で5~10分間撹拌して完全な混合を確実にした後、85~90℃まで温めた。反応混合物を85~90℃で1時間撹拌してから、雰囲気温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、200mL)を投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で48時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、THF及びMTBEの1対1混合物(2×200mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、46.17g、理論上47.43g、HPLC面積%により99.5%、NMRにより95.2重量%、収率92.7%)を、2.3%のDMF及びアセトニトリルならびに0.8 %の水を含有する黄色から褐色の結晶性固体(形態II)として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dの場合:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW、化合物2cの場合は279.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
化合物2dの結晶形態IIを、XRPD、DSC、及びTGAによって特性決定した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は以下のとおりであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDの一般的な測定条件は以下のとおりであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。
化合物2dの結晶形態IIは、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2d、結晶形態IIのXRPDパターンを図4に示し、ピークデータを表2に提供する。
Figure 2024526762000105
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下のとおりであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2d、結晶形態IIのDSC分析により、開始温度が46.6℃、及び最大99.2℃の1つの吸熱ピークが明らかになった。化合物2d、結晶形態IIのDSCサーモグラムを図5に提供する。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAの一般的な実験条件は以下のとおりであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流、白金試料ホルダ。化合物2d、結晶形態IIのTGA分析により、分解に起因した、150℃未満で4.7%の重量減少及び175℃超で著しい重量減少があることが判明した。化合物2d、結晶形態IIのTGAサーモグラムを図6に提供する。
実施例6:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(2d)の代替的調製
Figure 2024526762000106
無水アセトニトリル(65mL)中のオキソ塩化リン(POCl、17.25g、10.5mL、112.5mmol、1.5当量)の溶液を氷浴中で0~5℃に冷却した。無水DMF(70.8g、70.0mL、968mmol、12.9当量)を溶液に滴下して、対応するビルスマイヤー試薬を形成した。DMFの添加中、内部温度を10℃未満に制御した。氷バッチを取り除き、反応混合物を雰囲気温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、12.72g、75.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬中に固体として雰囲気温度で一度に投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で5~10分間撹拌して完全な混合を確実にした後、75~80℃まで温めた。反応混合物を75~80℃で1時間撹拌してから、雰囲気温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、100mL)を投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、THF及びMTBEの1対1混合物(2×100mL)で洗浄して、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、27.83g、理論上23.72g、HPLC面積%により96.1%、NMRにより69.0重量%、収率81.0%)を、11.49%のDMF及びアセトニトリルならびに1.38%の水を含有する黄色から褐色の結晶性(形態I)固体として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。化合物2dの場合:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW、化合物2cの場合は279.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
実施例7:POClを用いた(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2の塩化物または化合物2c)の調製
Figure 2024526762000107
無水アセトニトリル(65mL)中のオキソ塩化リン(POCl、23.0g、14.0mL、150mmol、2.0当量)の溶液を氷浴中で0~5℃に冷却した。無水DMF(70.8g、70.0mL、968mmol、12.9当量)を溶液に滴下して、対応するビルスマイヤー試薬を形成した。DMFの添加中、内部温度を10℃未満に制御した。氷バッチを取り除き、反応混合物を雰囲気温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、12.72g、75.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬中に固体として雰囲気温度で一度に投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で5~10分間撹拌して完全な混合を確実にした後、75~80℃まで温めた。反応混合物を75~80℃で1時間撹拌してから、雰囲気温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(100mL)を投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で2時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、THF及びMTBEの1対1混合物(2×100mL)で洗浄して、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d)を、黄色から褐色の湿潤ケークとして得た。続いて、湿潤ケークを水(120mL)に溶解し、得られた水溶液のpHを、0~5℃で、50%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、19.06g)で処理することにより、7~8に調整した。中和された水溶液を、続いて炭(5.5g)で処理し、雰囲気温度で12時間撹拌した。炭をセライト床を通して濾過することにより除去し、セライト床を水(50mL)で洗浄した。所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、HPLC面積%により99.0%超の純度)を含む得られた水溶液を、更なる処理を行うことなく後続の反応に使用した。
実施例8:トリホスゲンを用いた(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c)の合成
Figure 2024526762000108
無水アセトニトリル(73mL)中のトリホスゲン((CClO)CO、37.4g、126mmol、1.5当量)の溶液を氷浴中で0~5℃に冷却した。無水DMF(79.0g、84mL、1083mmol、12.9当量)を溶液に滴下して、対応するビルスマイヤー試薬を形成した。DMFの添加中、内部温度を10℃未満に制御した。氷バッチを取り除き、反応混合物を40分間かけて雰囲気温度まで徐々に温めた。メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、14.25g、84.0mmol)を、インサイチュ生成されたビルスマイヤー試薬中に固体として雰囲気温度で一度に投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で5~10分間撹拌して完全な混合を確実にした後、80~90℃まで温めた。反応混合物を80~90℃で1時間撹拌してから、雰囲気温度まで徐々に冷却した。無水テトラヒドロフラン(THF、112mL)を投入し、得られたスラリーを雰囲気温度で12時間、続いて0~5℃で2時間撹拌した。固体を濾過により収集し、THF及びMTBEの1対1混合物(2×200mL)で洗浄し、恒量まで真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c)、28.3g、理論上23.5g、HPLC面積%により98.8%、HPLCにより64.9重量%、収率78.2%)を、19.7%のDMF及び0.8%の水を含有する黄色から褐色の非晶質固体として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。化合物2cの場合:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ13.65(s,1H),8.99(s,1H),8.48(s,2H),7.99-7.94(m,1H),6.84(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),3.48(s,6H),2.82(s,6H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ163.8,151.3,147.6,145.0,132.1,117.5,102.9,91.6,48.9,42.1ppm;C1319Cl(MW、化合物2cの場合は279.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
実施例9:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム塩の調製
Figure 2024526762000109
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、雰囲気温度で過塩素酸ナトリウム(NaClO、1.933g、15.79mmol、1.50当量)を添加した。20~25℃で12時間撹拌した後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)を白色固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW、化合物2の過塩素酸塩の場合は343.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムテトラフルオロホウ酸塩(化合物2のテトラフルオロホウ酸塩)
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、雰囲気温度でテトラフルオロホウ酸ナトリウム(NaBF、1.733g、15.79mmol、1.50当量)を添加した。20~25℃で12時間撹拌した後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムテトラフルオロホウ酸塩(化合物2のテトラフルオロホウ酸塩、1.80g、理論上3.49g、収率51.6%)を白色固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.39-12.34(s,1H),8.85-8.80(s,1H),7.99-7.94(s,2H),7.71-7.65(dd,J=3.4,2.2Hz,1H),6.52-6.46(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.34-3.29(s,6H),2.38-2.33(s,6H)ppm;11B NMR(DMSO-d,128MHz)δ -1.27ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ -148.23及び-148.28ppm;C1318BF(MW、化合物2のテトラフルオロホウ酸塩の場合は331.13、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸塩(化合物2のヘキサフルオロリン酸塩)
実施例4で説明した対応するビルスマイヤー反応を介して4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(12.19g、91.6mmol)から生成された、水(80mL)中の粗製(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド塩酸塩(化合物2d、25.61g、91.6mmol)の溶液に、0~5℃で水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液を添加して、溶液のpHを7~8に調整した。得られた水溶液に炭(7.69g)を添加し、混合物を雰囲気温度で2~4時間撹拌した。炭をセライト床を通して濾過することにより除去し、湿潤炭ケークを水(15mL)で洗浄した。続いて、合わせた水溶液にヘキサフルオロリン酸ナトリウム(NaPF、20.08g、120mmol、1.31当量)を雰囲気温度で添加した。20~25℃で1時間撹拌した後、スラリーを氷浴中で30分間冷却した。固体を濾過し、冷HO(2×25mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸塩(化合物2のヘキサフルオロリン酸塩、24.30g、理論上35.81g、収率67.9%、HPLC面積%により98.7%)を白色の結晶性固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。粗製の化合物2のヘキサフルオロリン酸塩は、水からの再結晶化によって精製され、白色の結晶性固体として純粋な生成物を生成することができる。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の場合:H NMR(500MHz,DMSO-d)δ12.36(s,1H),8.83(s,1H),7.97(br s,2H),7.68(dd,J=3.2,2.6Hz,1H),6.48(dd,J=3.4,1.8Hz,1H),3.32(s,6H),2.36(br s,6H)ppm;13C NMR(125MHz,DMSO-d)δ163.7,152.9,151.4,151.0,128.9,120.7,101.5,99.8,48.9,40.0ppm;19F NMR(DMSO-d,470.6MHz)δ -70.2(d,J(PF)=711.1Hz)ppm;31P NMR(DMSO-d,162MHz)δ -144.19(septet,J(PF)=711Hz)ppm.C1318P(MW、化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の場合は389.29、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。化合物2のヘキサフルオロリン酸の結晶化度を、XRPD、DSC及びTGAによって特性決定した。
X線粉末回折(XRPD):X線粉末回折(XRPD)は、Bruker D8 Advance ECO X線粉末回折計(XRPD)機器から得た。XRPDのための一般的な実験手順は以下のとおりであった:(1)1.5418Åでの銅からのX線照射及びLYNXEYE(商標)検出器、(2)40kV、25mAでのX線パワー、ならびに(3)試料粉末はゼロバックグラウンド試料ホルダー上に分散させた。XRPDの一般的な測定条件は以下のとおりであった:開始角度3度、停止角度30度、サンプリング0.015度、及び走査速度2度/分。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩は、XRPD分析により結晶性固体であることが確認された。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のXRPDパターンを図7に示し、ピークデータを表3に提供する。
Figure 2024526762000110
Figure 2024526762000111
示差走査熱量測定(DSC):DSCは、オートサンプラーを備えたTA Instruments示差走査熱量計、Discovery DSC2500から得た。DSC機器の条件は以下のとおりであった:10℃/分で20~300℃、Tzeroアルミニウム試料パン及び蓋、ならびに50mL/分の窒素ガス流量。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶性試料のDSC分析により、融解に起因する、開始温度が231.7℃、及び最大232.7℃の1つの吸熱ピーク、ならびに分解に起因する、開始温度が241.1℃、及び最大242.1℃の第2の吸熱ピークが明らかになった。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のDSCサーモグラムを図8に示す。
熱重量分析(TGA):TGAは、オートサンプラーを備えたTA Instruments熱重量分析装置、Discovery TGA5500から得た。TGAの一般的な実験条件は以下のとおりであった:10℃/分で25℃から300℃の傾斜、25mL/分の窒素パージガス流、白金試料ホルダ。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩の結晶性試料のTGA分析によって、分解に起因する、250℃を超える著しい重量減少が明らかとなった。化合物2のヘキサフルオロリン酸塩のTGAサーモグラムを図9に示す。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロヒ酸塩(化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩):
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、雰囲気温度でヘキサフルオロヒ酸ナトリウム(NaAsF、3.35g、15.79mmol、1.50当量)を添加した。20~25℃で12時間撹拌した後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロヒ酸塩(化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩、4.51g、理論上4.56g、収率99%)を白色固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩の場合:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.38(s,1H),8.83(s,1H),7.97(s,2H),7.76-7.57(t,J=2.9Hz,1H),6.59-6.36(dd,J=3.2,1.8Hz,1H),3.32(s,6H),2.35(s,6H)ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ -62.16(quartet,J(AsF)=937.5Hz)ppm;C1318As(MW、化合物2のヘキサフルオロヒ酸塩の場合は433.23、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩)
水(8.06mL)中の(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムクロリド(化合物2c、2.94g、10.525mmol)の溶液に、雰囲気温度でヘキサフルオロアンチモン酸ナトリウム(NaSbF、4.08g、15.79mmol、1.50当量)を添加した。20~25℃で12時間撹拌した後、スラリーを氷浴中で2時間冷却した。固体を濾過し、冷HO(3×2mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩(化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩、2.61g、理論上5.05g、収率51.7%)を白色固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩の場合:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.37(s,1H),8.83(s,1H),7.98(s,2H),7.68(s,1H),6.49(s,1H),3.32(s,6H),2.35(s,6H)ppm;19F NMR(DMSO-d,376.5MHz)δ -166.86ppm;C1318Sb(MW、化合物2のヘキサフルオロアンチモン酸塩の場合は480.07、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
実施例10:(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩)の代替的調製
方法1
Figure 2024526762000112
内部温度を50℃未満に保ちながら、塩化オキサリル(20.0mL、228mmol、3.04当量)を15分間かけて徐々にDMF(107mL、1378mmol、18.4当量)に投入した。添加後、得られたスラリーを雰囲気温度まで冷却し、雰囲気温度で2時間撹拌した。4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、10.0g、75mmol)を雰囲気温度でスラリーに添加し、得られた反応混合物を雰囲気温度で16時間、続いて50℃で5.5時間撹拌した。反応混合物を雰囲気温度に冷却し、氷(60g)でクエンチした。クエンチした反応混合物を真空下で濃縮して残留物にし、続いてこれを水(50mL)に溶解した。続いて、過塩素酸ナトリウム(NaClO、20.23g、165mmol、2.2当量)を、雰囲気温度で水溶液に添加した。得られた混合物を氷浴中で冷却した後、水酸化ナトリウム(NaOH、7.5g、188mmol、2.5当量)を徐々に添加した。固体を濾過によって回収し、水(30mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、18.7g、理論上25.78g、収率72.5%)を灰色の固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW、化合物2の過塩素酸塩の場合は343.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
方法2
Figure 2024526762000113
無水DMF(2.92g、3.1mL、40mmol、20当量)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸塩(化合物5a、354mg、2.0mmol)の溶液に、雰囲気温度でオキシ塩化リン(POCl、920mg、0.56mL、6.0mmol、3.0当量)を添加した。続いて、得られた反応混合物を80~90℃に温め、80~90℃で30分間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を雰囲気温度まで冷却した。冷却した反応混合物を、氷(10g)に注ぎ込むことによってクエンチした。続いて溶液を減圧下で濃縮し、得られた残留物を水(3mL)で処理した。この水溶液をNaOH水溶液でpH7~8に中和し、それから活性炭(50mg)で処理した。混合物を雰囲気温度で30分間撹拌し、それからセライト床を通して濾過した。セライト床を水(2mL)で洗浄した。続いて、合わせた濾液及び洗浄溶液を、雰囲気温度で固体の過塩素酸ナトリウム(NaClO、367mg、3.0mmol、1.5当量)で処理した。混合物を雰囲気温度で1時間撹拌し、続いて0~5℃で1時間撹拌した。続いて固体を濾過によって回収し、水(2×2mL)で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、330mg、理論上688mg、収率48%)を灰色の固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。化合物2の過塩素酸塩の場合:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW、化合物2の過塩素酸塩の場合は343.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
方法3
Figure 2024526762000114
無水DMF(12.48g、13.2mL、171mmol、20当量)中の酢酸ナトリウム2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)(化合物5b、1.70g、8.54mmol)の溶液に、雰囲気温度でオキシ塩化リン(POCl、3.93g、2.4mL、25.6mmol、3.0当量)を添加した。続いて、得られた反応混合物を80~90℃に温め、80~90℃で30分間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を雰囲気温度まで冷却した。冷却した反応混合物を、氷(40g)に注ぎ込むことによってクエンチした。続いて溶液を減圧下で濃縮し、得られた残留物を水(10mL)で処理した。この水溶液をNaOH水溶液でpH7~8に中和し、それから活性炭(200mg)で処理した。混合物を雰囲気温度で30分間撹拌し、それからセライト床を通して濾過した。セライト床を水(5mL)で洗浄した。続いて、合わせた濾液及び洗浄溶液を、雰囲気温度で固体の過塩素酸ナトリウム(NaClO、1.57g、12.8mmol、1.5当量)で処理した。混合物を雰囲気温度で1時間撹拌し、続いて0~5℃で1時間撹拌した。続いて固体を濾過によって回収し、水(2×5mL)で洗浄し、真空乾燥させて、所望の生成物である(E)-N-(3-(ジメチルアミノ)-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アリリデン)-N-メチルメタンアミニウム過塩素酸塩(化合物2の過塩素酸塩、1.3g、理論上2.94g、収率44.3%)をオフホワイトの固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ12.50-12.17(s,1H),8.94-8.73(s,1H),8.08-7.87(s,2H),7.77-7.57(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),6.56-6.31(dd,J=3.5,1.7Hz,1H),3.54-3.04(s,6H),2.45-2.17(s,6H)ppm;C1318ClN(MW、化合物2の過塩素酸塩の場合は343.77、アニオンを含まない化合物2の場合は244.32)LCMS(EI)m/e 244.2(M,基準ピーク)。
実施例11:2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロンアルデヒド((E)-3-ヒドロキシ-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アクリルアルデヒド(化合物2b)の調製
内部温度を50℃未満に保ちながら、塩化オキサリル(12.00mL、137mmol、3.64当量)をDMF(50mL、646mmol、17.18当量)に滴下した。
Figure 2024526762000115
得られた混合物を雰囲気温度で30分間撹拌した。4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、5.00g、37.6mmol)を固体として一度に添加し、得られた反応混合物を室温で3日間撹拌し、続いて50℃で4時間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を室温に冷却し、氷(30g)でクエンチした。水酸化ナトリウム(NaOH、16.1g、403mmol、10.72当量)をクエンチした反応混合物に添加し、混合物を室温で26時間撹拌した。追加の水酸化ナトリウム(NaOH、2.2g、55.0mmol、1.46当量)を添加し、混合物を40℃で4時間撹拌した。加水分解反応が完了したら、混合物を氷バッチ中で0~5℃に冷却し、その後、濃HCl溶液を添加してpHを5~6に調整した。混合物を徐々に雰囲気温度まで温め、雰囲気温度で2時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、冷水で洗浄し、真空乾燥させて、粗製の所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロンアルデヒド((E)-3-ヒドロキシ-2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)アクリルアルデヒド(化合物2b、6.33g、理論上7.113g、収率89%)を灰色の粉末として得、これを、更なる精製を行うことなく後続の反応でそのまま使用した。化合物2bの場合:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ13.74(br s,2H),9.52(s,2H),8.73(s,1H),7.53(dd,J=3.4,2.3Hz,1H),7.46(dd,J=3.5,1.7Hz,1H)ppm;C(MW,189.17)LCMS(EI)m/e 190.1(M,基準ピーク)。
実施例12:4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)の調製
Figure 2024526762000116
工程1.4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a):
機械的撹拌機、添加漏斗、コンデンサー、サーモカップル、及びNaOHスクラビング水溶液中へのNスイープを装備した5Lの4口フラスコ中に、オキシ塩化リン(POCl、1L、10.572mol、4.82当量)を、氷/塩浴中に充填して冷却した。続いて、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、320mL、4.138mol、1.85当量)を0±2℃でフラスコに滴下した。約0.5時間にわたり約100mLのDMFを添加した後で結晶化が起こり、反応温度が0から10℃まで上昇した。添加を停止し、混合物を約2℃まで再度冷却した。残りのDMFを8℃未満で2.5時間かけて添加した。懸濁液は非常に粘度が高いため、撹拌が困難であった。DMFの添加が完了したら、混合物を3~5℃で0.5時間撹拌した。4,6-ジヒドロキシピリミジン(化合物8a、250g、2.232mol)を固体として少しずつ添加した。4,6-ジヒドロキシピリミジンの約3分の1を添加した後で、反応混合物はより流動性が高くなり、ゆっくりとした発熱現象が生じ、反応温度が0.5時間かけて約12℃に上昇した。残りの4,6-ジヒドロキシピリミジンを0.25時間かけて少しずつ添加し、反応温度が12から27℃まで上昇した。反応温度を断続的な冷却で25~27℃に維持し、その間に黄色の懸濁液はより希薄になり、続いて再度より濃厚になった。約1時間で発熱現象が静まった後、反応混合物をゆっくりと加熱した。約55℃で、反応混合物は極めて濃厚になり、第2の穏やかな発熱現象が起きた。加熱マントルを除去したが、反応温度は約63℃まで上昇し続け、この温度に数分間留まってから低下した。混合物の加熱を再開すると、やがて穏やかな還流(約100℃)が達成された。約95℃で、HClガスの安定したかなり急速な放散が開始され、反応混合物は徐々に希薄になりかつ黒ずんできた。約0.5時間後、透明な褐色の溶液が生じ、還流温度が1.25時間かけて115℃までゆっくりと上昇した。合計で2.5時間の還流後に、反応混合物を雰囲気温度へ冷却し、雰囲気温度で終夜撹拌した。過剰量のPOCl(可能な限り多量の)を減圧下で除去した(浴温45~50℃)。濃厚な残留褐色油を、20Lの分離漏斗中で冷HO(5L)の中へ非常にゆっくりと注ぎ込み、必要に応じて氷を添加して、水性混合物を室温近くに維持した。水性混合物を、EtOAc(2×3L、続いて1×2L)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をHO(2×2.5L)、NaHCO飽和水溶液(1L)、ブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して(浴温35℃)、粗製4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a、270g、理論上395g、68.4%)を黄橙色固体として得た。この粗製材料の20g分量をクーゲルロール蒸留(90~100℃のオーブン温度、225mTorr)で精製して、15.3gの純粋な4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a)を白色の固体として得、これを室温で放置すると黄色に変色した。4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒドの場合:H NMR(300MHz,CDCl)δ 10.46(s,1H),8.89(s,1H)ppm。
工程2.4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物10a):
MeOH(265mL、1.855mol、2.0当量)中の7MのNHの溶液を、雰囲気温度で1.25時間にわたり、トルエン(3L)中の4,6-ジクロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物9a、163.7g、0.9301mol)の溶液に添加した。反応温度は20から26℃までゆっくりと増加して、黄色の懸濁液が形成された。穏やかな冷却を適用して、反応温度を26℃未満に保った。懸濁液を雰囲気温度で3.5時間撹拌し、その後固体を濾過によって回収した。固体をEtOAc(1L)で洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、固体をトルエン及びn-ヘプタン(2:1v/v、600mL)で粉砕し、濾過し、乾燥させて、71.1gの4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを黄色の固体として得た。反応混合物から濾過した元の固体は、追加量の4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを含有していた。EtOAc(1.25L)中で1.5時間撹拌し、濾過し、続いてTHF(750mL)中で1時間撹拌し、濾過することによって、濾過した固体から生成物を抽出した。EtOAc及びTHFの両方の濾液を減圧下で濃縮し、得られた固体をトルエン及びn-ヘプタン(2:1v/v、450mL)で粉砕し、濾過し、乾燥させて、追加の44.1gの4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドを黄色の固体として得た。4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(115.2g、理論上146.5g)の合わせた収率は78.6%であった。4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒドの場合:HNMR(300MHz,DMSO-d)δ 10.23(s,1H),8.71(bs,1H),8.55(bs,1H),8.39(s,1H)ppm;CClNO(MW,157.56),LCMS(EI)m/e 158(M+H)。
工程3.6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a):
THF(1.5L)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(276.0g、0.807mol、1.1当量)の懸濁液を氷/塩浴中で-2℃まで冷却し、THF(807mL、0.807mol、1.1当量)中の1Mのカリウムtert-ブトキシド(KOBu)を-2~-3℃で1.5時間かけて添加した。濃い赤橙色の混合物を-2~-3℃で1時間撹拌した。続いて、4-アミノ-6-クロロピリミジン-5-カルバルデヒド(化合物10a、115.2g、0.7338mol、1.0当量)を、THF(200mL)を使用して容器及び漏斗をすすぎなら、固体形態としての反応混合物に少しずつ添加した。添加の間に、反応温度は-3から13℃へ上昇し、褐色が生じた。反応温度が10℃に低下した時、冷却浴を除去し、反応混合物を雰囲気温度まで温めさせ、雰囲気温度で42時間撹拌した。反応混合物を-2℃へ冷却し、その後NHCl飽和水溶液(750mL)のゆっくりした添加によってクエンチした。混合物を減圧下で濃縮して、大部分のTHFを除去した。残留物を、EtOAc(3L)とHO(1L)とに分配した。有機相を濾過して界面の不溶性物質を除去し、次に2NのHCl(4×250mL)、続いて3NのHCl(2×250mL)で抽出した。合わせたHCl抽出物をEtOAc(500mL)で逆抽出し、続いてセライトに通して濾過して不溶性物質を除去した。濾液を氷/ブライン浴中で冷却し、6NのNaOH水溶液でpH8に調整し、EtOAc(3×1L)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブライン(1L)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、炭(10g)及びシリカゲル(10g)と共に1時間撹拌した。混合物を、EtOAc(1L)でセライトパッドを洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液を濃縮して、残留EtOAcをn-ヘプタン(500mL)と共蒸発させた。得られた淡褐色の固体を高真空下で2時間ポンピングして、粗製6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a、72.3g、理論上136.2g、53.1%)を得た。粗製の所望の生成物である化合物11aを更に精製することなく次の反応に使用した。粗生成物である化合物11aの試料(2.3g)を、0%~35%EtOAc/n-ヘプタンで溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1.7gの純粋な6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a)を白色固体として得、これはE/Z異性体の1対2混合物であることが見出された。6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミンの場合:H NMR(300MHz,DMSO-d)E-異性体の場合:δ 8.02(s,1H),7.08(bs,2H),6.92(d,1H,J=13.1),5.35(d,1H,J=13.0Hz),3.68(s,3H)ppm、Z-異性体の場合:δ 8.06(s,1H),7.08(bs,2H),6.37(d,1H,J=6.8Hz),5.02(d,1H,J=6.7Hz),3.69(s,3H)ppm;CClNO(MW,185.61),LCMS(EI)m/e 186/188(M+H)。
工程4.4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a):
濃塩酸水溶液(HCl、5mL)を、THF(700mL)中の粗製6-クロロ-5-(2-メトキシビニル)ピリミジン-4-イルアミン(化合物11a、70.0g、0.3784mol)の溶液に添加し、得られた反応混合物を7.5時間加熱還流させた。温まると、軽い懸濁液が形成され、これは徐々に再溶解した。HPLCによりモニタリングして反応が完了したとみなされたとき、反応混合物を雰囲気温度まで冷却し、雰囲気温度で終夜撹拌した。固体NaHCO(15g)を反応混合物に添加し、得られた混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。炭(7g)、シリカゲル(7g)、及びNaSO(20g)を添加し、混合物を1時間かけて40℃まで加熱した。続いて、混合物を雰囲気温度まで冷却し、セライトパッドをTHF(1L)で洗浄しながらセライトに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた固体を減圧下で乾燥させて、粗製4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、58.1g、理論上58.1g、100%)を黄褐色の固体として得た。この粗製の所望の生成物である化合物12をEtOAc(1.0L)中に50~55℃で溶解させ、活性炭(3g)で処理した。混合物を温かいうちにセライトに通して濾過し、セライトパッドを温かいEtOAc(250mL)で洗浄した。濾液を約500mLに濃縮し、懸濁液を雰囲気温度で終夜静置した。次に、懸濁液を2時間かけて0~5℃まで冷却した後、固体を濾過によって回収した。固体を乾燥させて、純粋な4-クロロ-7H-[ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、54.5g、理論上58.1g、94%)を黄褐色の結晶として得た。化合物12aの場合:H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.58(bs,1H),8.58(s,1H),7.69(d,1H,J=3.5Hz),6.59(d,1H,J=3.5Hz)ppm;LCMS(EI)m/e 154/156(M+H).
実施例13:4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)の代替的調製
Figure 2024526762000117
工程1.エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノエート(化合物14a):
シアノ酢酸エチル(化合物13a、182Kg、1609モル)及びDMSO(325Kg)の混合物に、5℃でナトリウムtert-アミロキシド(AmONa、158.8Kg)を少しずつ添加した。続いて、混合物を70~75℃まで温め、シアノ酢酸エチル(191Kg、1689モル、合計3298モル、5.0当量)を投入した。混合物を70~75℃で30分間撹拌した後に、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(130.4Kg、665.2モル)を添加した。続いて得られた反応混合物を90℃まで加熱し、反応が完了するまで90℃で撹拌した。反応混合物を5℃に冷却し、16%塩化アンモニウム(NHCl)水溶液を添加した。混合物を30分間撹拌した後に、酢酸エチル(490Kg)を投入した。有機相を分離し、水(695Kg)で洗浄した。水相を酢酸エチル(455Kg)で抽出した。合わせた有機相を、17%塩化ナトリウム水溶液(NaCl、318Kg)、及びブライン(325Kg)で洗浄した。有機溶液を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残留物を石油エーテル(390Kg)中に溶解させ、60℃にて炭で処理した。混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固して、粗製エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノエート(化合物14a、146.6Kg、理論上152.5Kg、96.1%)を黄色~褐色の油として得、これを更に精製することなく後続の反応でそのまま利用した。
工程2.7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a):
反応容器に、エタノール中18%ナトリウムエトキシド(EtONa)溶液(1558Kg)及び酢酸ホルムアミジン(153.5Kg、1474.4モル)を投入した。混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した後に、エチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノエート(化合物14a、269.8Kg、1176.7モル、1.25当量)を投入した。反応混合物を75℃に加熱し、未反応のエチル2-シアノ-4,4-ジエトキシブタノエート(化合物14)が検出されなくなるまで75℃で撹拌した。混合物を0℃に冷却し、21%塩化アンモニウム水溶液(NHCl、783Kg)を投入した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留溶液を20~30℃に冷却してから濾過した。ケークを、水(493Kg)で再度スラリー化してから濾過した。固体を水(474Kg)中に懸濁させ、濃塩酸(HCl、89.2Kg)を添加した。混合物を20℃で1時間撹拌し、続いて環化反応が完了するまで30℃に加温した。続いて、混合物を5℃に冷却し、水酸化アンモニウム水溶液(NHOH、72Kg)を添加した。添加後、混合物を5℃で1時間撹拌し、続いて濾過した。湿潤ケークを水で洗浄し、真空オーブン中で乾燥させて、7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a、99.6Kg、理論上159Kg、62.6%)をオフホワイト~黄色の固体として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。
工程3. 4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a):
7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-オール(化合物15a、99.6Kg、737モル)を、トルエン(500Kg)中のDIEA(128.4Kg、99.5 3モル、1.35当量)の溶液に雰囲気温度で添加し、得られた混合物を0℃に冷却した。続いて、POCl(338Kg、2202モル、3.0当量)を混合物に0℃で添加し、得られた反応混合物を70℃に加熱し、反応が完了するまで70℃で撹拌した。反応混合物を30℃に冷却し、水(3500Kg)、炭酸ナトリウム(NaCO、700Kg)、及び2-メチルテトラヒドロフラン(MeTHF、1200Kg)を添加した。続いて、得られた混合物を濾過した。濾液の有機相を分離し、ブライン(424Kg)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させてから濾過した。濾液を濃縮して、約1000KgのMeTHFを除去した。残りの溶液を、60℃で炭(28Kg)で1時間処理してから濾過した。濾液を濃厚なスラリーになるまで濃縮し、0℃に冷却してから濾過した。ケークを減圧下で乾燥させて、純粋な4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、71.9Kg、理論上113.2Kg、63.5%)を黄色~褐色の結晶として得た。この合成法によって製造された4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a)は、実施例12によって得られた化合物と全ての比較可能な側面で同一である。H NMR(400MHz,DMSO-d)δ 12.58(bs,1H),8.58(s,1H),7.69(d,1H,J=3.5Hz),6.59(d,1H,J=3.5Hz)ppm;LCMS(EI)m/e 154/156(M+H).
実施例14.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)の調製
Figure 2024526762000118
THF(4.0L)中の水素化ナトリウム(NaH、鉱油中60%懸濁液、309、7726mmol、1.211当量)の懸濁液を、氷浴中で0~5℃に冷却した後に、4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、980.0g、6381mmol)を投入した。混合物を0~15℃で30分間撹拌した後に、THF中のTBDMS-Cl(1165g、7728mmol、1.211当量)の溶液を0~15℃で投入した。得られた混合物を0~15℃で1~2時間撹拌した。混合物を-10℃に冷却し、鉄(III)アセチルアセトネート(Fe(acac)、113g、319mmol、0.05当量)を投入した。THF中の臭化メチルマグネシウムの溶液(3260mL、9780mmol、1.53当量)を混合物にゆっくりと投入し、内部温度を15℃未満に制御した。得られた反応混合物を15~30℃で2時間撹拌した。カップリング反応が完了したら、塩化アンモニウムの水溶液(NHCl、8.0L)を投入して反応混合物をクエンチし、クエンチングの間、内部温度は10℃未満に制御した。メチルtert-ブチルエーテル(MTBE、5.0L)をクエンチした反応混合物に投入し、得られた混合物をセライト床に通して濾過した。セライト床をMTBE(2×500mL)で洗浄した。合わせた濾液及び洗浄溶液の2つの相を分離させ、水相をMTBE(2×5.0L)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、残留物をメタノール(MeOH、5.0L)中に溶解した。続いて、溶液を26~28%水酸化アンモニウム水溶液(NHOH、1.0L)で処理し、得られた混合物を15~40℃で16時間撹拌した。N-TBDMS-脱保護反応が完了したら、反応混合物を減圧下で濃縮し、n-ヘプタン(2×4.0L)を投入して、共沸条件下で水を除去した。続いて残留物をn-ヘプタン(8.0L)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度で少なくとも1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、n-ヘプタン(2×1.0L)で洗浄して、粗製の所望の生成物である4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、840g、理論上849.6g、98.9%)を褐色の粉末として得、これを、酢酸エチル及びn-ヘプタンの混合物中の再結晶化によって精製した。
メタノール(MeOH、8.0L)中の粗製メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、1640g)の溶液を炭(2.0Kg)で処理し、得られた混合物を雰囲気温度で16時間撹拌した。混合物をセライト床に通して濾過し、セライト床をMeOH(2×8.0L)で洗浄した。合わせたメタノール溶液を減圧下で濃縮し、残留物に酢酸エチル(8.0L)を添加した。得られた溶液を減圧下で濃縮して、酢酸エチルの大部分(約6.0L)を除去した後に、n-ヘプタン(8.0L)を導入した。得られた混合物を雰囲気温度で14時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、酢酸エチル及びn-ヘプタンの混合物、続いてn-ヘプタンによって洗浄し、恒量まで乾燥させて、精製されたメチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、1325g、理論上1640g、再結晶による精製で80.8%、及び全体で80%)を、黄色~薄褐色の結晶性粉末として得た。化合物1aの場合:H NMR(DMSO-d,500MHz)δ 12.10(br s,1H),8.61(s,1H),7.47(dd,J=3.3,2.5Hz,1H),6.62(s,dd,J=3.5,1.7Hz,1H),2.64(s,3H)ppm;13C NMR(DMSO-d,125MHz)δ 158.7,151.3,151.2,126.5,117.6,99.6,21.3ppm;C(MW,133.15)LCMS(EI)m/e 134.1(M+H,基準ピーク)。
実施例15.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)の代替的な調製
Figure 2024526762000119
工程1.4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a):
THF(100mL)中のカリウムtert-ブトキシド(18.31g、163mmol、2.12当量)の混濁混合物を氷浴中で冷却した後に、THF(20mL)中の4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物16a、10.00g、77mmol)及び酢酸エチル(7.46g、85mmol、1.1当量)の溶液を15分間かけて投入した。混合物を室温まで温め、雰囲気温度で3時間撹拌した。続いて、インサイチュ生成された2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリルを、雰囲気温度で、酢酸ホルムアミジン(65.0g、624mmol、8.1当量)、1-ブタノール(80mL)、及びオルトギ酸トリエチル(56.2mL、337mmol、4.38当量)で処理した。得られた混合物を110~120℃に加熱し、110~120℃で1時間撹拌した。追加のオルトギ酸トリエチル(26.5mL、159mmol、2.06当量)を添加した。混合物を110℃で更に16時間撹拌した。追加の酢酸ホルムアミジン(31.38g、302mmol、3.92当量)及びオルトギ酸トリエチル(56.5mL、115mmol、1.5当量)を24時間にわたり3回に分けて添加した。混合物を更に24時間加熱し、減圧下で濃縮して残留物にした。残留物を水(150mL)及びMeTHF(210mL)で処理した。得られた混合物をセライトの床(12g)に通した。濾液の2つの相を分離させ、水相をMeTHF(175mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を減圧下で濃縮し、得られた残留物をIPA中HCl溶液(5.5M、50.8g)、水(31mL)、及び濃HCl(12M、15.6g)で処理した。この混合物を室温で3日間撹拌した。濃NHOH水溶液(38.6g、28~30%)を添加し、混合物を濃縮して残留物にし、これをTHF(170mL、2×150mL)で粉砕した。濾液を合わせ、濃縮して残留物にし、これをDCM(30mL)中に溶解し、DCM中0%~100%EtOAcで溶出するシリカゲル(SiO、120g)のカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a、5.1g、理論上10.25g、3工程で49.8%)をオフホワイトの結晶性固体として得たが、これは、実施例14によって得られた化合物と全ての比較可能な側面で同一である。
工程2.2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a):
DMF(15mL)中3-オキソブタンアミド(化合物19a、5.0g、49.5mmol)の溶液を、雰囲気温度で、炭酸セシウム(CsCO、16.11g、49.5mmol、1.0当量)で処理した。得られた混合物を雰囲気温度で撹拌した。次に、2-ブロモ-1,1-ジメトキシエタン(8.36g、49.5mmol、1.0当量)を混合物に添加し、得られた反応混合物を5~8時間かけて80℃まで加熱した。反応混合物を雰囲気温度に冷却し、続いて水(20mL)でクエンチした。続いて、クエンチした反応混合物を酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a、5.8g、理論上9.37g、61.9%)を、いくらかの残留DMFを含有する濃厚な油として得た。2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミドの場合:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ6.70(s,1H),6.30(s,1H),4.28(dd,1H),3.47(t,1H),3.23(s,6H),2.25(s,3H),2.19,(m,1H),2.00(m 1H);C15NO(MW,189.21),LCMS(EI)m/e 190.2(M+H)。
工程3.2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a):
DMF(4mL)中の2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンアミド(化合物20a、1.0g、4.23mmol)の溶液を塩化シアヌル(化合物21a、0.39g、2.11mmol、0.5当量)で処理した。得られた反応混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を水(10mL)でクエンチし、クエンチした反応混合物を酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a、280mg、理論上724mg、38.7%)を濃厚な油として得た。2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリルの場合:H NMR(DMSO-d6,400MHz、ケトン型及びエノール型の混合物が得られた)δ10.7(br.s、エノール型の-OHの場合は1/2H),4.38(m,1H),3.25(m、2つのOMeの場合は6H、及びケトン型の-CH-の場合は1/2H),2.25-2.50(m,2H),2.15及び2.25(s,3H);C13NO(MW,171.196),LCMS(EI)m/e 172.2(M+H)。この方法によって生成された2-アセチル-4,4-ジメトキシブタンニトリル(化合物17a)を、酢酸ホルムアミジンと反応させ、続いてHClで処置して、上記の実施例14に従う4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物1a)を得る。
実施例16.4-メチル-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)塩酸塩(化合物1aの塩酸塩)の調製
窒素下の反応容器に2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、200g、1.064モル)及びTHF(1.2L)を投入した。
Figure 2024526762000120
反応容器の内容物を-5℃未満まで冷却した後に、鉱油中60%NaH(51g、1.28モル、1.2当量)を少しずつ添加した。NaHの添加中、内部温度を-5~5℃に保った。添加後、撹拌を30分間継続し、続いてTHF(200mL)中のTBDMS-Cl(193g、1.28モル、1.2当量)の溶液を、内部温度を-5~5℃に保つことによってゆっくりと添加した。反応混合物の撹拌を30分間継続し、続いてFe(acac)(18.8g、53.2mmol、0.05当量)を添加し、続いてTHF中3.0MのMeMgCl溶液(532mL、1.596モル、1.5当量)を-5~5℃で添加した。反応混合物を更に1時間保ち、それまでにHPLCによるIPCによりカップリング反応の完了が示された後、反応混合物を水(2.0L)中のEDTA二ナトリウム塩二水和物(200g)の溶液の中に、内部温度を15℃未満に制御しながら注ぎ込んだ。二相混合物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、2.0L)で希釈し、セライト(150g)で処理し、遠心分離によって濾過した。固体ケークをMTBEで洗浄し、濾液を相分離させた。水相を分離し、MTBE(1.0L)で抽出した。有機相を合わせ、3%クエン酸水溶液(2×400mL)及びブライン(600mL)で順々に洗浄した。NaSOで乾燥させた後、有機相を濾過し、濃縮乾固した。残留物を石油エーテル(2.0L)で溶解させ、シリカゲルの薄層に通した濾過によって一切の不溶性物質を除去した。濾液を濃縮して、粗製の所望の生成物である7-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-クロロ-4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、300g)を油性の残留物として得、これを、更なる精製を行うことなく後続の反応でそのまま使用した。
メタノール(1.8L)中の粗製7-(tert-ブチルジメチルシリル)-2-クロロ-4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物22a、300g、1.064モル)及び5%パラジウム炭素(Pd/C、30g)の混合物を1気圧の水素下、50~55℃で3時間激しく撹拌した。HPLCによるIPCにより反応の完了が確認された後、反応混合物を20~25℃に冷却してから濾過した。濾過ケークをメタノールで洗浄し、濾液を濃縮乾固した。残留物を酢酸エチル(EtOAc、225mL)中に懸濁させ、10~15℃で1時間撹拌した。固体を濾過によって収集し、酢酸エチルで洗浄し、40~45℃で真空乾燥させて、4-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン塩酸塩(化合物1aの塩酸塩、151.5g、理論上180.5g、2工程で収率84%)を薄黄色の結晶性粉末として得た。化合物1aの塩酸塩の場合:H NMR(DMSO-d,500MHz)δppm 13.54(br s,1H),9.04(s,1H),7.95(dd,J=3.4,2.4Hz,1H),7.13(s,dd,J=3.4,1.5Hz,1H),2.97(s,3H);13C NMR(DMSO-d,125MHz)δppm 154.0,151.0,144.0,131.6,117.2,103.1,17.6;CClN(MW,169.61;遊離塩基の場合はC,MW 133.15)LCMS(EI)m/e 134.1(M+H,基準ピーク)。
実施例17.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(5b)及び2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a)の調製
Figure 2024526762000121
工程1.4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a):
アセトン(180mL)中の4-クロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物12a、18.0g、117mmol)の懸濁液に50%水酸化ナトリウム水溶液(NaOH、14.07g、176mmol、1.5当量)を雰囲気温度で添加した。続いて、得られた混合物を、明澄な溶液が生成されるまで雰囲気温度で撹拌した。p-トルエンスルホニルクロリド(pTsCl、25.7g、135mmol、1.15当量)を雰囲気温度で溶液に添加し、得られた反応混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を濾過し、固体をアセトンで洗浄した後に廃棄した。次に、濾液を減圧下で濃縮し、残留物をメチルtert-ブチルエーテル(MTBE、180mL)及びn-ヘプタン(180mL)で処理した。得られた混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、n-ヘプタン(180mL)で洗浄し、真空オーブン中で恒量まで乾燥させて、所望の生成物である4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a、32.1g、理論上36.0g、収率89.2%)をオフホワイトの粉末として得、これを更に精製することなく後続の反応に使用した。4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジンの場合、H NMR(DMSO-d,400MHz)δ8.78(s,1H),8.10(d,2H),7.79(d,1H),7.34(d,2H),6.72(d,1H),2.41(s,3H)ppm;C1310ClNS(MW,307.75),LCMS(EI)m/e 308.1(M+H)。
工程2.2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a):
無水DMF(30mL)中の4-クロロ-7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(化合物24a、7.0g、22.75mmol)及びマロン酸ジエチル(5,46g、34.1mmol、1.5当量)の溶液を、雰囲気温度で、固体炭酸セシウム(CsCO、18.53g、56.9mmol、2.5当量)で処理した。続いて、得られた反応混合物を50~60℃に温め、50~60℃で2~3時間間撹拌した。反応が完了したら、反応混合物を雰囲気温度まで冷却した後に、水(HO、80mL)で処理した。次に、クエンチした反応混合物を雰囲気温度で1時間、続いて0~5℃で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、水(50mL)、続いてn-ヘプタン(50mL)で洗浄し、40℃の真空オーブン中で恒量まで乾燥させて、所望の生成物である2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、6.2g、理論上9.81g、収率63.2%)をオフホワイトの粉末として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチルの場合:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.98(s,1H),8.12(d,2H),7.77(d,1H),7.34(d,2H),6.72(d,1H),5.10(s,1H),4.25(m,4H),2.42(s,3H),1.27(m,6H)ppm;C2021S(MW,431.46),LCMS(EI)m/e 432.3(M+H)。
工程3.2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物26a):
エタノール(EtOH、20mL)中の2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、4.0g、9.27mmol)の溶液を、雰囲気温度で、エタノール中21%のナトリウムエトキシド(NaOEt、21重量%、0.30g、0.927mmol、0.10当量)の溶液で処理し、得られた反応混合物を雰囲気温度で12時間撹拌した。反応混合物を0.1Nの塩酸水溶液(10mL)でクエンチし、得られた混合物を減圧下で濃縮した。次に、残留物をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物26a、2.08g、理論上3.33g、収率62.6%)をオフホワイトの粉末として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチルの場合:H NMR(CDCl,400MHz)δ8.96(s,1H),8.11(d,2H),7.75(d,1H),7.33(d,2H),6.70(d,1H),4.19(q,2H),4.30(s,2H),2.41(s,3H),1.25(t,3H)ppm;C1717S(MW,359.40),LCMS(EI)m/e 360.2(M+H)。
工程4. 2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a):
エタノール(EtOH、20mL)中の2-(7-トシル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)マロン酸ジエチル(化合物25a、4.0g、9.27mmol)の溶液を、雰囲気温度で、エタノール中21%ナトリウムエトキシド(NaOEt、21重量%、3.0g、9.27mmol、1.0当量)の溶液で処理した。得られた反応混合物を65~75℃まで加熱し、65~75℃で12時間撹拌した。反応混合物を1.0Nの塩酸水溶液でクエンチし、得られた混合物を減圧下で濃縮した。次に、残留物をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a、1.3g、理論上1.9g、収率68.3%)をオフホワイトの粉末として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチルの場合:H NMR(CDCl,400MHz)δ11.40(br s,1H),8.90(s,1H),7.42(d,1H),6.65(d,1H),4.23(q,2H),4.13(s,2H),1.27(t,3H)ppm;C1011(MW,205.22),LCMS(EI)m/e 206.2(M+H)。
工程5.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(化合物5b):
アセトン(10mL)及びTHF(10mL)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a,1.2g、5.85mmol)の溶液を、雰囲気温度で、6Nの水酸化ナトリウムの水溶液(6NのNaOH、1.462mL、8.77mmol、1.5当量)で処理した。得られた反応混合物を雰囲気温度で5時間撹拌した。固体を濾過により回収し、単離した固体をメタノール(MeOH、4.0mL)中に懸濁させた。次に、得られた懸濁液にアセトン(15mL)を添加し、混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。固体を濾過によって回収し、アセトン(2×5mL)で洗浄し、真空乾燥させて、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウム(化合物5b、1.1g、理論上1.164g、収率94.5%)をオフホワイトの粉末として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸ナトリウムの場合:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ8.36(s,1H),7.37(d,1H),6.40(d,1H),3.61(s,2H)ppm;CNaO(MW,199.15;対応する酸の場合はC,MW 177.16),LCMS(EI)m/e 178.1(M+H)。
工程6.2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a):
アセトン(10mL)及びTHF(10mL)中の2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸エチル(化合物27a,1.2g、5.85mmol)の溶液を、雰囲気温度で、6Nの水酸化ナトリウムの水溶液(6NのNaOH、1.462mL、8.77mmol、1.5当量)で処理した。得られた反応混合物を雰囲気温度で5時間撹拌した。続いて、反応混合物を1Nの塩酸水溶液(1NのHCl、9.0mL)で処理した後に、減圧下で濃縮した。次に、残留物をシリカゲル(SiO)カラムクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物である2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸(化合物5a、0.83g、理論上1.04g、収率79.8%)をオフホワイトの固体として得、これを更に精製することなく後続の反応で使用した。2-(7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-イル)酢酸の場合:H NMR(DMSO-d,400MHz)δ12.01(br s,1H),8.56(s,1H),7.36(d,1H),6.57(d,1H),3.66(s,2H)ppm;C(MW,177.16),LCMS(EI)m/e 178.1(M+H)。
本明細書で説明されたものに加えて、本発明の様々な修正が、前述の説明から当業者には明らかとなろう。こうした修正もまた、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図される。本出願で引用されたすべての特許、特許出願、及び刊行物を含む各参考文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (33)

  1. バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスであって、
    式3の化合物、
    Figure 2024526762000122
    またはその塩を、(i)式2aの塩、及び(ii)式2bの化合物
    Figure 2024526762000123
    から選択される試薬と反応させることを含み、
    式中、Xが対アニオンである、前記プロセス。
  2. 前記試薬が前記式2bの化合物である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記式2aの塩、もしくはその塩、または前記式2bの化合物が、
    式1aの化合物、
    Figure 2024526762000124
    またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項1または2に記載のプロセス。
  4. 前記ビルスマイヤー試薬が、ジメチルホルムアミドを塩素化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 前記塩素化剤が、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、トリホスゲン、塩化チオニル、塩化スルフリル、及び五塩化リンから選択される、請求項4に記載のプロセス。
  6. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応の生成物が、式2dの塩である、請求項3~5のいずれか1項に記載のプロセス。
    Figure 2024526762000125
  7. 前記式2dの塩を塩基と反応させて式2cの塩を形成することを更に含む、請求項6に記載のプロセス。
    Figure 2024526762000126
  8. 前記ビルスマイヤー試薬との前記反応の生成物が、式2cの塩である、請求項3~5のいずれか1項に記載のプロセス。
    Figure 2024526762000127
  9. 前記式2cの塩を式Mの塩と反応させて、式2aの塩を形成することを更に含み、式中、
    が対カチオンであり、
    が、Cl以外の対アニオンである、請求項8に記載のプロセス。
  10. 前記式1aの化合物またはその塩が、
    式1aPの化合物を脱保護すること
    Figure 2024526762000128
    を含むプロセスによって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項3~9のいずれか一項に記載のプロセス。
  11. 前記式1aPの化合物が、
    式2Pの化合物
    Figure 2024526762000129
    を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させることを含むプロセスによって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記式2Pの化合物が、
    式12aの化合物を保護して、
    Figure 2024526762000130
    前記式2Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項11に記載のプロセス。
  13. 前記式12aの化合物が、
    式11aの化合物
    Figure 2024526762000131
    またはその塩を、強酸と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項12に記載のプロセス。
  14. 前記式11aの化合物またはその塩が、
    式10aの化合物
    Figure 2024526762000132
    またはその塩を、(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド及び塩基と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記式10aの化合物またはその塩が、
    式9aの化合物
    Figure 2024526762000133
    を、アンモニアと反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記式9aの化合物が、
    式8aの化合物
    Figure 2024526762000134
    を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項15に記載のプロセス。
  17. 前記式12aの化合物が、
    式15aの化合物
    Figure 2024526762000135
    を、塩素化剤と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項12に記載のプロセス。
  18. 前記式15aの化合物が、
    (i)式14aの化合物
    Figure 2024526762000136
    を、酢酸ホルムアミジン及びアルカリ金属アルコキシドと反応させて、式14aaの化合物を生成することと、
    Figure 2024526762000137
    (ii)前記式14aaの化合物を強酸と反応させることと、を含むプロセスによって調製される、請求項17に記載のプロセス。
  19. 前記式14aの化合物が、
    式13aの化合物
    Figure 2024526762000138
    を、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール及びナトリウムtert-アミロキシドと反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項18に記載のプロセス。
  20. 前記式1aの化合物またはその塩が、
    式23Pの化合物を還元することを含むプロセスによって調製され、
    Figure 2024526762000139
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項3~9のいずれか一項に記載のプロセス。
  21. 前記式23Pの化合物が、
    式22Pの化合物
    Figure 2024526762000140
    を、グリニャール触媒の存在下でMeMgClと反応させることを含むプロセスによって調製され、
    式中、Pが、アミノ保護基である、請求項20に記載のプロセス。
  22. 前記式22Pの化合物が、
    式22aの化合物を保護して、
    Figure 2024526762000141
    前記式22Pの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項21に記載のプロセス。
  23. 前記式1aの化合物またはその塩が、
    式18aの化合物
    Figure 2024526762000142
    を、酸と反応させて、前記式1aの化合物またはその塩を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項22に記載のプロセス。
  24. 前記式18aの化合物が、
    式17aの化合物
    Figure 2024526762000143
    を、酢酸ホルムアミジン及びオルトギ酸トリエチルと反応させて、前記式18aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項23に記載のプロセス。
  25. 前記式17aの化合物が、
    式20aの化合物を
    Figure 2024526762000144
    式21aの化合物と反応させて
    Figure 2024526762000145
    前記式17aの化合物を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項24に記載のプロセス。
  26. 前記式2aの塩または前記式2bの化合物が、
    式5aの化合物
    Figure 2024526762000146
    またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬と反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項1または2に記載のプロセス。
  27. 前記式3の化合物またはその塩が、
    式6の化合物
    Figure 2024526762000147
    を、ヒドラジンと反応させることを含むプロセスによって形成される、請求項1~26のいずれか一項に記載のプロセス。
  28. バリシチニブまたはその塩を調製するプロセスであって、式2cの塩
    Figure 2024526762000148
    を、式3の化合物と反応させて、
    Figure 2024526762000149
    前記バリシチニブまたはその塩を形成することを含む、前記プロセス。
  29. 前記式2cの塩は、式2dの塩
    Figure 2024526762000150
    を、塩基と反応させて、式2cの塩を形成することを含むプロセスによって調製される、請求項28に記載のプロセス。
  30. 前記式2dの塩が、
    (a)式2Pの化合物
    Figure 2024526762000151
    を、グリニャール触媒の存在下でMeMgBrと反応させて、式1aPの化合物を形成することと、
    Figure 2024526762000152
    (b)前記式1aPの化合物を脱保護して、式1aの化合物
    Figure 2024526762000153
    またはその塩を形成することと、
    (c)前記式1aの化合物またはその塩を、ジメチルホルムアミドから形成されたビルスマイヤー試薬及び塩素化剤と反応させて、前記式2dの塩を形成することと、を含むプロセスによって調製され、
    式中、Pがアミノ保護基である、請求項29に記載のプロセス。
  31. 前記式3の化合物またはその塩が、
    式6の化合物
    Figure 2024526762000154
    を、ヒドラジンと反応させることを含むプロセスによって調製される、請求項28~30のいずれか一項に記載のプロセス。
  32. 式3の化合物
    Figure 2024526762000155
    またはその塩。
  33. 請求項32に記載の化合物またはその塩を製造するプロセスであって、
    式6の化合物
    Figure 2024526762000156
    を、ヒドラジンと反応させることを含む、前記プロセス。
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