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JP2024137596A - マイクロ波の照射方法及び照射装置 - Google Patents

マイクロ波の照射方法及び照射装置 Download PDF

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JP2024137596A JP2023118289A JP2023118289A JP2024137596A JP 2024137596 A JP2024137596 A JP 2024137596A JP 2023118289 A JP2023118289 A JP 2023118289A JP 2023118289 A JP2023118289 A JP 2023118289A JP 2024137596 A JP2024137596 A JP 2024137596A
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真司 山田
友樹 丸山
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Toyo Seikan Group Holdings Ltd
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Abstract

Figure 2024137596000001
【課題】マイクロ波照射による加熱において加熱むらを抑制する。
【解決手段】マイクロ波照射装置1は、開口面54を有して発振器10から給電器具20を介した導通により給電されることで開口面54から指向性照射軸57の方向へマイクロ波を放射するように構成された指向性のアンテナ40と、略平面を含む周壁を有する被照射物90を搬送するように構成された搬送装置85とを備え、被照射物90が搬送される面である搬送面への、前記周壁の前記略平面の投影と前記マイクロ波によって被照射物90内に形成される電界の電界ベクトルの投影とは、斜めに交差するように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、マイクロ波の照射方法及び照射装置に関する。
一般に、被照射物にマイクロ波を照射することで被照射物を誘電加熱する加熱装置が知られている。誘電加熱では、種々の理由により均等に被照射物が加熱されないことがある。そこで均等な加熱のための工夫が様々行われている。
例えば特許文献1には、導電性格納容器内に、被照射物が入れられるマイクロ波反応容器が配置され、マイクロ波反応容器を囲むように複数のダイポールアンテナが均等に配置されたマイクロ波加熱装置について開示されている。このマイクロ波加熱装置では、各アンテナと導電性格納庫の内壁との距離が、マイクロ波反応容器から各ダイポールアンテナを見る方向では、照射されるマイクロ波の波長のほぼ1/4となるように、各部が配置されている。このような配置によって、ダイポールアンテナから放射されるマイクロ波がマイクロ波反応容器の方向を指向する。その結果、マイクロ波反応容器内の被照射物が、均等に加熱される。
特開2020-21678号公報
上記は一例であり、誘電加熱における加熱むらの抑制方法は種々あり得る。本発明は、マイクロ波照射による加熱において加熱むらを抑制することを目的とする。
本発明の一態様によれば、マイクロ波照射装置は、開口面を有して発振器から給電器具を介した導通により給電されることで前記開口面から指向性照射軸の方向へマイクロ波を放射するように構成された指向性のアンテナと、搬送面に沿って搬送方向に、略平面を含む周壁を有する被照射物を当該周壁が前記搬送面に対して略垂直となる姿勢で搬送するように構成された搬送装置とを備えるマイクロ波照射装置であって、前記搬送面への前記周壁の前記略平面の投影と前記マイクロ波によって前記被照射物内に形成される電界の電界ベクトルの投影とは、斜めに交差するように構成されている。
本発明によれば、マイクロ波照射による加熱において加熱むらを抑制できる。
図1は、一実施形態に係るマイクロ波照射装置の基本的な構成の一例の概略を模式的に示す図である。 図2は、ループアンテナの構成例と放射されるマイクロ波とについて説明するための模式図である。 図3は、トレー形状の容器に入ったポテトサラダを被照射物とした場合の、被照射物と指向性照射軸及び電界振幅面との位置関係、及び当該位置関係でマイクロ波を照射して加熱した後にサーモグラフィーで取得した被照射物の温度分布の例を示す図である。 図4は、マイクロ波照射装置の構成の第1の態様の概略を模式的に示す図である。 図5は、マイクロ波照射装置の構成の第2の態様の概略を模式的に示す図である。 図6は、第2の態様の実験及び解析の概要及び結果例を示す図である。 図7は、第1ループアンテナ及び第2ループアンテナの角度を様々に設定した場合の実験結果の一例を示す図である。 図8は、搬送方向に対して第1ループアンテナ及び第2ループアンテナを27度傾けて配置したときの実験結果の一例を示す図である。 図9は、搬送方向に対して第1ループアンテナを27度傾けて配置し、第2ループアンテナを垂直に配置したときの実験結果の一例を示す図である。 図10は、第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットを有する第2の態様のマイクロ波照射装置の構成例の概略を模式的に示す図である。 図11は、第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットを有する第2の態様のマイクロ波照射装置の別の構成例の概略を模式的に示す図である。 図12Aは、マイクロ波照射装置の構成の第3の態様の概略を模式的に示す図である。 図12Bは、マイクロ波照射装置の構成の第3の態様の概略を模式的に示す図である。 図13は、2次放射アンテナが(a)設けられていない場合と(b)設けられている場合との、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果の一例を示す図である。 図14は、2次放射アンテナを完全に対向させた比較例に係る、2次放射アンテナが(a)設けられていない場合と(b)設けられている場合との、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果の一例を示す図である。 図15は、第3の態様の実験結果の一例を示す図である。 図16は、第3の態様の実験結果の一例を示す図である。 図17は、第3の態様の実験結果の一例を示す図である。 図18は、第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットを有する第3の態様のマイクロ波照射装置の構成例の概略を模式的に示す図である。 図19は、第1加熱ユニット及び第2加熱ユニットを有する第3の態様のマイクロ波照射装置の構成例の概略を模式的に示す図である。 図20は、2次放射アンテナが(a)主筐体と導通している場合と(b)主筐体と導通していない場合との、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果の一例を示す図である。 図21は、被照射物が円形カップに入った物である場合の、2次放射アンテナが(a)設けられていない場合と(b)設けられている場合との、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果の一例を示す図である。 図22は、2次放射アンテナを完全に対向させた比較例に係る、被照射物が円形カップに入った物である場合の、2次放射アンテナが(a)設けられていない場合と(b)設けられている場合との、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果の一例を示す図である。 図23Aは、指向性照射軸の傾きについて説明するための模式図である。 図23Bは、電界振幅面の傾きについて説明するための模式図である。
一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、マイクロ波照射装置及びそれを用いたマイクロ波照射方法に関する。本実施形態のマイクロ波照射装置は、被照射物に対してマイクロ波を照射して、被照射物を内部加熱するように構成されている。特に、このマイクロ波照射装置では、指向性アンテナが用いられている。本実施形態のマイクロ波照射装置は、被照射物の加熱むらを低減するように構成されている。被照射物は、これに限らないが、例えば食品である。したがって、このマイクロ波照射装置やそれを用いたマイクロ波の照射方法は、例えば包装食品を含む食品の製造に用いられ得る。
[マイクロ波照射装置の基本構成]
図1は、本実施形態に係るマイクロ波照射装置1の基本的な構成の一例の概略を模式的に示す図である。マイクロ波照射装置1は、搬送装置85によって、搬送される被照射物90を次々と加熱するように構成されている。搬送装置85は、例えばベルトコンベアである。搬送装置85は、その長手方向に移動するベルト86を有する。被照射物90は、ベルト86の上の保持位置に置かれ、ベルト86の長手方向を搬送方向として搬送される。このように、本実施形態では、搬送装置85は、被照射物90を保持位置で保持する保持具として機能する。
マイクロ波照射装置1は、搬送装置85によって搬送される被照射物90にマイクロ波を照射するように構成されたアンテナ40を備える。アンテナ40は、指向性のアンテナである。図1に示す例では、マイクロ波照射装置1は、アンテナ40として、2つのループアンテナ、すなわち、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を有する。ループアンテナの数は、適宜に変更され得る。発振器10は、マイクロ波の周波数に応じた高周波電力を出力する。その周波数は、これに限らないが、例えば、200MHz~500MHz、915MHz又は2.45GHzといったものである。第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42には、同軸ケーブル21を介して、発振器10からマイクロ波電力が給電される。
アンテナ40について説明する。図2は、ループアンテナ51の構成例及び放射されるマイクロ波について説明するための模式図である。ループアンテナ51は、例えば、照射するマイクロ波の一波長分の長さを有して円環形状に形成された導線52を備える。導線52の両端は、給電点53となっている。給電点53には、給電器具20としての例えば同軸ケーブル21が接続されている。同軸ケーブル21は、発振器10とループアンテナ51とを接続して導通させる。発振器10は、同軸ケーブル21を介してマイクロ波電力をループアンテナ51に供給する。給電されると、エレメントとしての導線52に電流が生じ、ループアンテナ51は電波を放射して電界を形成する。
円環形状のループアンテナ51では、導線52によって形成された開口面54がマイクロ波の照射面55となり、開口面54の中心がマイクロ波の照射源56となる。照射源56を通り、開口面54に垂直な方向に指向性照射軸57が形成され、指向性照射軸57に沿って両方向にマイクロ波が放射される。
なお、導線52が形成する形状は、円環に限らず、四角形、三角形、非対称形など他の形の環状でもよい。ループアンテナは、形状や給電点の位置によって照射源の位置や、指向性照射軸の向きが変わり得る。しかしながら、何れの場合においてもループアンテナでは、給電されたときに電波が放射される源としての照射源が開口面に形成されるという概念が得られる。また、給電されたときに照射源から電波が主として放射される方向を示す指向性照射軸が形成されるという概念が得られる。
ループアンテナ51から放射されるマイクロ波は、直線偏波である。円環状のループアンテナ51から放射されるマイクロ波の電界Eの振動方向について説明する。この電界Eの振動方向は、指向性照射軸57を通りそれに対して垂直な方向のうち、給電点53と照射源56とを通る直線に対して垂直な面上の方向となる。すなわち、電界振幅面は、指向性照射軸57を通り、給電点53と照射源56とを通る直線に対して垂直な面となる。本実施形態のマイクロ波照射装置1では、電界振幅面が被照射物90の載置面であるベルト86と平行になるように、すなわち搬送面と平行になるように、ループアンテナ51は配置されている。なお、磁界Hの振動方向は、電界Eの振動方向と垂直な方向である。
図1に戻って説明を続ける。マイクロ波照射装置1は、被照射物90が第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の照射面55である開口面54を通り抜けて搬送されるように構成されている。このため、搬送装置85のベルト86は、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の開口面54を貫通するように設けられている。すなわち、搬送装置85は、開口面54を通過する搬送面に沿って搬送方向に被照射物90を搬送する。
マイクロ波照射装置1は、マイクロ波の遮蔽のため、金属筐体80を備える。すなわち、アンテナ40は、金属筐体80で覆われている。搬送装置85のベルト86は、金属筐体80を通り抜けている。より詳しくは、金属筐体80は、主筐体81を備える。アンテナ40は、主筐体81内に配置されている。主筐体81の両側面には、ベルト86が通り抜ける貫通孔が設けられている。この貫通孔のそれぞれには、ベルト86及びその上に置かれる被照射物90が通る大きさの側筐体82が接続されている。
金属筐体80内でループアンテナであるアンテナ40によってマイクロ波を形成するため、マイクロ波の電界振幅方向についての金属筐体80の主筐体81の幅は、次の条件を満たすように構成されている。ここで、図1に示す例では、マイクロ波の電界振幅方向は、ベルト86の長手方向に対して直交する水平方向である。
まず、ループアンテナに所定の周波数のマイクロ波電力が給電されることでループアンテナから放射されるマイクロ波の波長を、給電波長λと定義する。給電波長λは、自由空間波長である。上述のとおり、ループアンテナを構成する円環状の導線52の長さは、給電波長λの整数倍以上であり、そのときの整数値を用いて、例えば1波長ループアンテナ、2波長ループアンテナのように定義される。
主筐体81内にループアンテナが配置されているため、ループアンテナの幅の分だけ主筐体81内の実効的な空間が狭まる。主筐体81のマイクロ波の電界振幅方向についての筐体見かけ幅L´は、この方向の主筐体81の幅をLとし、この方向のループアンテナの幅をtとしたときに、L´=L-2tとなる。この筐体見かけ幅L´に基づいて、主筐体81の遮断波長λcを、λc=2L´=2(L-2t)と定義する。さらに、上述のループアンテナの導線52の長さが給電波長λのn倍(nは整数、ループアンテナの導線52の長さを給電波長λで除した値に最も近い整数をnとする)であるときに、アンテナ1波長換算の遮断波長λc´を、λc´=λc/nと定義する。
主筐体81の幅Lは、アンテナ1波長換算の遮断波長λc´と給電波長λとが、
λc´>λ
を満たすように、設定される。すなわち、
L´=L-2t>nλ/2
を満たすように、主筐体81の幅Lは設定される。主筐体81内でループアンテナによってマイクロ波を形成するためには、原則としてこの条件を満たさなければならないことは、数値シミュレーションによっても確認されている。この条件を満たさない場合には、電界形成の再現性が低下する。
また、主筐体81の筐体見かけ幅L´はnλ/2より大きくなければならないが、更にnλ/2ずつ増加した場合、主筐体81の内部に複数のピーク波形が形成され、主筐体81内でマイクロ波の多重反射が生じ得る。多重反射が生じると、複数の共振周波数が生じ、インピーダンス整合のための共振周波数の検出が難しくなる。そこで、
L´=L-2t<nλ/2+nλ/2=nλ
となるように、主筐体81の幅Lは設計される。
以上のように、主筐体81のマイクロ波の電界振幅方向の幅Lは、筐体見かけ幅L´=L-2tが
nλ/2<L´<nλ
を満たすように、設計されている。
[マイクロ波照射装置の動作の概要]
本実施形態のマイクロ波照射装置1の動作について説明する。発振器10から出力されたマイクロ波電力は、同軸ケーブル21を介して第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42とに供給される。第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42は、この給電に基づいて、マイクロ波を放射する。
被照射物90は、搬送装置85によって第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42から放射されたマイクロ波が照射される加熱位置に次々と搬送される。このマイクロ波の照射によって、被照射物90は次々と誘電加熱される。被照射物90が加熱位置で停止するように搬送装置85が間歇的に動かされてもよいし、被照射物90が加熱位置を十分な時間をかけて通過するように搬送装置85が連続的に動かされてもよい。
[マイクロ波の指向性照射軸と被照射物との関係]
本実施形態では、被照射物90は、次のような形状を有する。すなわち、図2に示すように、被照射物90は、略平面を含む周壁92を有する。一例としては、被照射物90は、略四角形の底面と開口とを有するトレー状の概形を有する容器91に内容物94が入れられたものである。本実施形態では、被照射物90は、その略平面を含む周壁92が例えばベルト86の表面といった搬送装置85の載置面に対して略垂直となる姿勢で、当該載置面に配置される。すなわち、搬送装置85は、アンテナ40の開口面54を通過する搬送面に沿って被照射物90を搬送方向に搬送する。ここで、被照射物90は、略平面を含む周壁92が搬送面に対して略垂直となる姿勢をとっている。ここで、周壁92が搬送面に対して略垂直とは、周壁92が容器91の側面等を形成していることを示すものであり、容器91の周壁92と認識できる程度に周壁92が搬送面に対して傾いているものを含む。
図3は、被照射物90と指向性照射軸57及び電界振幅面58との位置関係、及び当該位置関係でマイクロ波を照射して加熱した後にサーモグラフィーで取得した被照射物90の温度分布を示す。ここで、被照射物90は、トレー形状の容器91に入ったポテトサラダを内容物94としたものである。(a)は、被照射物90の長手方向が指向性照射軸57と平行になっている場合である。このとき、被照射物90の短辺側の周壁面又はそれを延長した平面が指向性照射軸57と略垂直になっており、被照射物90の長辺側の周壁面に略垂直に電界が入射する。(b)は、被照射物90の長手方向が指向性照射軸57と垂直になっている場合である。このとき、被照射物90の長辺側の周壁面又はそれを延長した平面が指向性照射軸57と略垂直になっており、被照射物90の短辺側の周壁面に略垂直に電界が入射する。(c)は、被照射物90の長手方向が指向性照射軸57に対して45度傾いている場合である。このとき、被照射物90の短辺側及び長辺側の周壁面又はそれを延長した平面に対して指向性照射軸57が約45度傾いており、被照射物90の短辺側及び長辺側の周壁面に対して、約45度傾いて電界が入射する。
(a)の場合の加熱後の温度分布から、(a)の場合、被照射物90の中央部分が十分に加熱されない加熱むらが生じていることがわかる。(b)の場合の加熱後の温度分布から、(b)の場合、被照射物90の短辺側の部分が十分に加熱されない加熱むらが生じていることがわかる。これらに対して、(c)の場合の加熱後の温度分布から、(c)の場合、被照射物90の中央部分を含めて被照射物90の大部分が比較的均一に加熱されていることがわかる。
本実施形態のマイクロ波照射装置1は、(c)の場合のように、被照射物90の周壁92の略平面又はそれを延長した平面に対して、指向性照射軸57が傾くように構成されており、被照射物90の周壁92の略平面に対して傾いて電界が入射するように構成されている。被照射物90の周壁92の略平面にマイクロ波が斜めに入射することで、入射面においてマイクロ波の屈折が生じる。このような屈折の発生も、被照射物90の均一な加熱に貢献していると考えられる。例えば、屈折により形成されたマイクロ波の伝搬経路が、被照射物90の良好な加熱に貢献することが考えられる。また、入射角によって反射率が変化することは知られており、入射角による被照射物90の表面におけるマイクロ波の反射の減少などが、被照射物90の良好な加熱に貢献することが考えられる。
このとき、後述するように、被照射物90内に形成される電界の向きは、周壁92の略平面に対して、傾いた向きとなる。すなわち、被照射物90が搬送される面である搬送面への、周壁92の略平面の投影とマイクロ波によって被照射物90内に形成される電界ベクトルの投影とは、斜めに交差する。同様に表現すると、被照射物90が搬送される搬送面への、被照射物90の周壁92の略平面の投影とマイクロ波の指向性照射軸57の投影とは、斜めに交差する。なお、ここでは、略四角形の被照射物90の例として、長方形の被照射物90を示したが、正方形の被照射物90など、他の形状の被照射物90であっても同様のことが成り立つ。このような位置関係を実現する態様は、いくつかある。それらを以下に示す。
[第1の態様]
図4は、マイクロ波照射装置1の構成の第1の態様の概略を模式的に示す図である。第1の態様では、搬送装置85のベルト86の進行方向、すなわち搬送方向に対して、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を含むアンテナ40は垂直に配置されている。したがって、アンテナ40から照射されるマイクロ波の指向性照射軸57は、ベルト86の進行方向、すなわち搬送方向と平行である。第1の態様では、このような指向性照射軸57に対して、被照射物90の周壁92の略平面が斜めとなるように、被照射物90がベルト86の載置面に斜めに配置されている。例えば、被照射物90を搬送装置85に導入する搬入装置88が、ベルト86の載置面に被照射物90を斜めに配置してもよい。ベルト86の載置面に被照射物90が斜めに配置されることで、指向性照射軸57と被照射物90との位置関係が図3(c)に示したような位置関係になり、被照射物90の均一な加熱が実現される。
[第2の態様]
図5は、マイクロ波照射装置1の構成の第2の態様の概略を模式的に示す図である。第2の態様では、搬送装置85のベルト86の進行方向、すなわち搬送方向に対して、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を含むアンテナ40が傾斜して設けられている。したがって、アンテナ40から照射されるマイクロ波の指向性照射軸57は、被照射物90が搬送される面である搬送面に対しては平行であるが、搬送方向に対して傾いている。すなわち、アンテナ40は、搬送面への指向性照射軸57の投影が搬送装置85の搬送方向の投影に対して斜めに交差するように配置されている。第2の態様では、被照射物90は、その長手方向がベルト86の進行方向と平行又は垂直になるようにベルト86の載置面に配置される。アンテナ40から放射されるマイクロ波の指向性照射軸57に対して、被照射物90の周壁92の略平面が斜めとなっているので、図3(c)に示したような位置関係が実現され、被照射物90の均一な加熱が実現される。
〈実験及び解析例〉
図6は、実験及び解析の概要及び結果例を示す図である。4種類の第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の配置に関して、実験及び解析を行った。最上段は、被照射物90を搬送するベルト86に対する第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の位置関係を模式図で示すものである。
図6において、左から1列目の「(a)傾斜なし」は、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して垂直に配置した場合である。この場合、図3(a)に示したように、アンテナ40から放射されるマイクロ波の指向性照射軸57は、被照射物90の長手方向と平行になっている。左から2列目の「(b)逆方向に20度傾斜」は、第1ループアンテナ41を、ベルト86による被照射物90の搬送面と指向性照射軸57とが平行になるように、かつベルト86による被照射物90の搬送方向に対して指向性照射軸57が20度傾くように、配置し、第2ループアンテナ42を、第1ループアンテナ41とは逆方向に20度傾けて、被照射物90の搬送方向に垂直な面に対して第1ループアンテナ41と対称になるように、配置した場合である。左から3列目の「(c)同一方向に20度傾斜」は、第1ループアンテナ41を、ベルト86による被照射物90の搬送面と指向性照射軸57とが平行になるように、かつベルト86による被照射物90の搬送方向に対して指向性照射軸57が20度傾くように、配置し、第2ループアンテナ42を、第1ループアンテナ41と平行になるように配置した場合である。左から4列目の「(d)片側のみ40度傾斜」は、第1ループアンテナ41を、ベルト86による被照射物90の搬送面と指向性照射軸57とが平行になるように、かつベルト86による被照射物90の搬送方向に対して指向性照射軸57が40度傾くように、配置し、第2ループアンテナ42を、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して垂直に配置した場合である。
図6の2段目は、「(a)傾斜なし」、「(b)逆方向に20度傾斜」、及び「(c)同一方向に20度傾斜」の各場合のマイクロ波照射装置1を用いて被照射物90を加熱した後の被照射物90の温度分布をサーモグラフィーで取得したものである。実験は、次のように行った。
実験装置の主筐体81は、アルミニウム材で形成した。主筐体81の寸法は、ベルト86が延びる方向に沿う長さを666 mm、その方向に直交する幅を400 mm、高さを400 mmとした。主筐体81内を通るように、幅150 mmの樹脂製のベルト86を設けた。
主筐体81内には、ベルト86が貫通するように、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を設けた。第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42は、それぞれアルミニウム材で形成し、その内径は258 mm、厚みは2 mmとした。第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42は、放射されるマイクロ波の指向性照射軸がベルト86の載置面に対して平行であり、かつ、上述の各角度となるように配置した。
第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42には、一つの発振器10から並列かつ同相に給電した。このため、一つの発振器10に接続された同軸ケーブル21を、途中で分岐させ、分岐したそれぞれの端を、第1ループアンテナ41の給電点53と第2ループアンテナ42の給電点53とに接続した。発振器10の出力電力の周波数は、450 MHzとした。
ポリプロピレン(PP)製のトレー(152×115×30 mm)にポテトサラダ150 gを充填し、充填後シールしない試料を被照射物90とした。被照射物90を、ベルト86上に配置してベルト86によって搬送しながら、出力を200 Wとし、4分間加熱した。金属筐体80の出口に設置したサーモグラフィーカメラを用いて加熱後のポテトサラダの表面温度を測定した。
図6の2段目に示したサーモグラフィーの結果とおり、「(a)傾斜なし」及び「(b)逆方向に20度傾斜」の場合、被照射物90の中央部分の加熱が不十分となる加熱むらが生じた。これに対して、「(c)同一方向に20度傾斜」の場合、被照射物90の中央部分の加熱も十分となり、加熱むらがほとんど生じないことが明らかになった。
図6の3段目から5段目までに、「(a)傾斜なし」、「(b)逆方向に20度傾斜」、「(c)同一方向に20度傾斜」、及び「(d)片側のみ40度傾斜」の各場合の数値シミュレーションによる電磁界解析の結果を示す。被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間に配置した場合について解析を行った。図6の3段目及び4段目は、「(a)傾斜なし」、「(b)逆方向に20度傾斜」、「(c)同一方向に20度傾斜」、及び「(d)片側のみ40度傾斜」に関し、発振器10からアンテナ40に高周波電力が供給されたときのある瞬間の、それぞれ電力及び電界の向き及び大きさを多数のベクトルの向き及び大きさで示した図である。図6の5段目は、「(b)逆方向に20度傾斜」、「(c)同一方向に20度傾斜」、及び「(d)片側のみ40度傾斜」に関し、被照射物90を加熱したときの被照射物90の温度分布のシミュレーション結果である。
これらの図に示すように、「(a)傾斜なし」及び「(b)逆方向に20度傾斜」の場合、電力のベクトルは、被照射物90の長手方向に沿っており、電界のベクトルは、被照射物90の長手方向と垂直な方向に沿っている。すなわち、電力ベクトル及び電界ベクトルは、いずれも被照射物90の周壁面に対して垂直に被照射物90に入射している。そして、被照射物90の中央部分や長辺に沿った部分など広い領域で電力ベクトルが小さく発熱が小さくなっていることがわかる。
これに対して、「(c)同一方向に20度傾斜」の場合、電力ベクトルは、被照射物90に斜めに入り、被照射物90の表面でその向きを変えている。同様に電界ベクトルは、被照射物90に斜めに入り、被照射物90の表面でその向きを変えている。電界ベクトルは、被照射物90内でおおよそ対角線に沿った方向に斜めに向いている。そして、被照射物90の対角線に沿った一部の狭い領域を除いて電力ベクトルは大きくなっており、全体的に発熱が大きくなっていることがわかる。
「(d)片側のみ40度傾斜」の場合も、「(c)同一方向に20度傾斜」の場合とおおよそ同様の傾向が認められた。「(d)片側のみ40度傾斜」の場合について「(c)同一方向に20度傾斜」の場合と比較すると、被照射物90の中央部分で電界ベクトルが被照射物90の長手方向と垂直に近い方向を向いており、電力ベクトルが比較的小さい領域が広く、やや加熱むらが生じていることがわかる。このように、複数のアンテナ40は、それらの指向性照射軸57が平行など略平行となるように配置されていることがより好ましい。
5段目の温度分布のシミュレーション結果に基づいて中央部分の発熱している範囲を比較すると、「(c)同一方向に20度傾斜」の場合、「(d)片側のみ40度傾斜」の場合、「(b)逆方向に20度傾斜」の場合の順に大きくなることがわかった。
図7は、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の角度を様々に設定した場合の実験結果を示す。この実験では、図6に示した実験の場合と異なり、被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間位置に配置し、300 Wで3分間加熱した。その他の実験条件は、図6に示した実験の場合と同様である。上段は、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42の位置関係を模式的に示し、下段は、各マイクロ波照射装置1で加熱後の被照射物90の温度分布をサーモグラフィーで取得したものである。
「(a)逆方向に20度傾斜」は、第1ループアンテナ41を、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して20度傾けて配置し、第2ループアンテナ42を、第1ループアンテナ41とは逆方向に20度傾けて配置した場合である。「(b)同一方向に12度傾斜」、及び「(c)同一方向に27度傾斜」は、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を平行とし、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して、それぞれ12度及び27度傾けて配置した場合である。「(d)同一方向に27度、12度傾斜」は、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して、第1ループアンテナ41を27度、第2ループアンテナ42を12度、傾けて配置した場合である。
サーモグラフィーで示された実験結果より、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を同一方向に傾斜させることにより、被照射物90の中央部分の発熱を良好にすることができることが明らかになった。また、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を、12度傾斜させるよりも27度傾斜させた方が、より効率よく良好な加熱を実現できることが明らかになった。
図8は、図7の「(c)同一方向に27度傾斜」のように、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を配置したときの実験結果である。図8の例では、(a)では被照射物90を第1ループアンテナ41側に配置し、(b)では被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間に配置し、(c)では被照射物90を第2ループアンテナ42側に配置し、それぞれ300 Wで3分間加熱した。
サーモグラフィーで示された実験結果より、被照射物90の位置によらず何れの位置でも被照射物90の中央部分の加熱が良好となったことが確認できた。このことから、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を斜めに配置することは、本実施形態のように、搬送装置85によって被照射物90を搬送しながら加熱する場合において有効であることが確認できた。
なお、図9は、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して、第1ループアンテナ41を27度傾けて配置し、第2ループアンテナ42を垂直に配置した場合の、同様の実験結果である。図9に示した場合では、被照射物90が傾斜して配置された第1ループアンテナ41の近傍にある場合には、中央部も含めてむらなく良好に加熱される一方、被照射物90が垂直に配置された第2ループアンテナ42の近傍にある場合には、中央部分が加熱されずに加熱むらが生じることが明らかになった。すなわち、図9に示したようなアンテナ40の配置構成は、搬送装置85によって被照射物90を搬送しながら加熱する場合には、加熱むらを生じさせないようにするという点では、図8に示したようなアンテナ40を平行に配置した構成に比べて、やや劣ることが明らかになった。
実験結果によると、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を傾ける方向によって、被照射物90の2つの対角線のうち一方の対角線に沿って特に加熱されている。これについては、例えばマイクロ波照射装置1を図10のように構成することで、さらに均一な加熱が実現され得ることがわかる。すなわち、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を傾斜させる向きを逆にした第1加熱ユニット31と第2加熱ユニット32との2組の加熱ユニットを、ベルト86による搬送方向に並べて配置し、被照射物90が第1加熱ユニット31及び第2加熱ユニット32の両方を通過して加熱されるように、マイクロ波照射装置1は構成されていればよい。
あるいは、例えばマイクロ波照射装置1を図11のように構成することでも、均一な加熱が実現され得ることがわかる。すなわち、ベルト86を挟んで一方に第1ループアンテナ41が配置され、他方に第2ループアンテナ42が配置された加熱ユニットが形成される。ここで、これら第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42は、ベルト86による搬送面に対して垂直に設けられ、搬送方向に垂直な方向に対して、斜めに配置されている。このように構成された2組の加熱ユニット、すなわち、第1加熱ユニット31と第2加熱ユニット32とが、ベルト86による搬送方向に並べて配置され、被照射物90が第1加熱ユニット31及び第2加熱ユニット32の両方を通過して加熱されるようにする。ここで、第1加熱ユニット31と第2加熱ユニット32とでは、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を傾斜させる向きが逆になっている。
なお、マイクロ波照射装置1は、第1加熱ユニット31と第2加熱ユニット32との一方を有していてもよい。すなわち、マイクロ波照射装置1は、ベルト86を挟んで一方に第1ループアンテナ41が配置され、他方に第2ループアンテナ42が配置され、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42が、ベルト86による搬送面に対して垂直に設けられ、搬送方向に垂直な方向に対して斜めに配置された、加熱ユニットを1つ有していてもよい。
また、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42から放射されるマイクロ波の波長と主筐体81の大きさとの関係についても別途に検討を行った。この検討では、2種類の主筐体81を用意した。一方の主筐体81は、上述の主筐体81と同様にその幅を400 mmとした。他方の主筐体81は、その幅を350 mmとした。
アンテナ等の配置については、図6(a)に示す構成とした。すなわち、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を、ベルト86による被照射物90の搬送方向に対して垂直に配置した。第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42には、内径232 mm、外径256 mm、その幅12 mmの円形のループアンテナを用いた。
また、発振器の出力電力の周波数も2種類とした。すなわち、2種類の主筐体81を用いて、それぞれ、発振器の出力電力の周波数を450 MHzとした場合と、915 MHzとした場合との2通りの給電周波数で実験を行った。その他の実験条件は、図6(a)に示す場合と同様にした。
その結果、幅が異なる2種類の主筐体81を有する試験装置100を用いて、2種類の給電周波数を用いた実験結果は次のようになった。すなわち、加熱後の加熱対象物の中央領域の温度を比較すると、給電周波数が450 MHz及び915 MHzの何れの場合においても、主筐体81の幅が350 mmの場合は、加熱対象物の中央部で発熱不足が生じ、中央領域の温度が低かった。これに対して、主筐体81の幅が400 mmの場合は、加熱対象物の中央部で発熱不足が改善し、中央領域も含めて、比較的均一な加熱結果が得られた。
この結果は次の理由によると考えられる。まず、給電周波数が450 MHzのとき、給電波長λは、667 mmとなる。第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142は、1波長分のループ長さを有している。給電周波数が915 MHzのとき、給電波長λは、328 mmとなる。第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142は、2波長分のループ長さを有している。
本実験において、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142の給電点は、鉛直上側に設けられている。このようなループアンテナの配置の場合、ループアンテナから放射されるマイクロ波の電界振幅方向は、指向性照射軸57に対して垂直で水平な方向になる。2種類の主筐体81では、この水平な方向の幅Lが異なる。
また、主筐体81内に設置された第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142の幅tは12 mmである。したがって、幅Lが350 mmの主筐体81の筐体見かけ幅L´は、L´=350 mm-12 mm×2=326 mmである。したがって、幅が350 mmの主筐体81の遮断波長λcは、λc=326 mm×2=652 mmである。また、幅Lが400 mmの主筐体81の筐体見かけ幅L´は、L´=400 mm-12 mm×2=376 mmである。したがって、幅が400 mmの主筐体81の遮断波長λcは、λc=376 mm×2=752 mmである。
給電周波数が450 MHzであり、給電波長λが667 mmであるとき、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142は1波長分のループ長さを有しているので、幅が350 mmの主筐体81のアンテナ1波長換算の遮断波長λc´は、λc´=652 mmである。すなわち、このとき、λc´<λであり、主筐体81内で、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142により、マイクロ波が適切に形成されなかったと考えられる。このため、加熱対象物の中央領域の温度が低くなったと考えられる。
一方、幅が400 mmの主筐体81のアンテナ1波長換算の遮断波長λc´は、λc´=752 mmである。すなわち、このとき、λc´>λであり、主筐体81内で、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142により、マイクロ波が適切に形成されたと考えられる。このため、加熱対象物の中央領域の温度が比較的高くなったと考えられる。
給電周波数が915 MHzであり、給電波長λが328 mmであるとき、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142は2波長分のループ長さを有しているので、幅が350 mmの主筐体81のアンテナ1波長換算の遮断波長λc´は、λc´=λc/2=326 mmである。すなわち、このとき、λc´<λであり、主筐体81内で、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142により、マイクロ波が適切に形成されなかったと考えられる。このため、加熱対象物の中央領域の温度が低くなったと考えられる。
一方、幅が400 mmの主筐体81のアンテナ1波長換算の遮断波長λc´は、λc´=λc/2=376 mmである。すなわち、このとき、λc´>λであり、主筐体81内で、第1ループアンテナ141及び第2ループアンテナ142により、マイクロ波が適切に形成されたと考えられる。このため、加熱対象物の中央領域の温度が比較的高くなったと考えられる。
以上の関係をまとめると次の表1の通りとなる。
Figure 2024137596000002
[第3の態様]
図12A及び図12Bは、マイクロ波照射装置1の構成の第3の態様の概略を模式的に示す図である。第3の態様では、搬送装置85のベルト86の進行方向、すなわち搬送方向に対して、第1ループアンテナ41及び第2ループアンテナ42を含むアンテナ40が垂直に設けられている。したがって、アンテナ40から照射されるマイクロ波の指向性照射軸57は、ベルト86の進行方向、すなわち搬送方向と平行である。一方で、第3の態様では、アンテナ40から照射されたマイクロ波によって形成される電界を変化させる2次放射アンテナ70が設けられている。2次放射アンテナ70は、金属板などの電導体である。2次放射アンテナ70は、アンテナ40から放射されたマイクロ波によって電磁誘導される。その結果、2次放射アンテナ70による電界が発生する。2次放射アンテナ70が、アンテナ40によって放射されたマイクロ波によって電磁誘導され、その結果、搬送面への被照射物90内の電界ベクトルの投影が搬送面への周壁92の略平面の投影と斜めに交差するような電界が形成されることで、図3(c)に示したような被照射物90の均一な加熱が実現され得る。
2次放射アンテナ70は、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72を含む。第1の2次放射アンテナ71は、第1ループアンテナ41側に配置されており、第2の2次放射アンテナ72は、第2ループアンテナ42側に配置されている。また、ベルト86に対して、すなわち指向性照射軸57に対して、第1の2次放射アンテナ71は一方側に配置されており、第2の2次放射アンテナ72は他方側に配置されている。すなわち、2つの2次放射アンテナ70は、指向性照射軸57を挟んで両側に、指向性照射軸57に対して非対称に設けられている。第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72は、金属筐体80と導通しており、アースがとられている。
図13は、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果を示す。(a)は、図12A及び図12Bに示した装置構成から2次放射アンテナ70を取り除いた装置構成の場合の結果であり、(b)は、図12A及び図12Bに示したように、2次放射アンテナ70が設けられている装置構成の場合の結果である。被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間に配置した場合について解析を行った。発振器10からアンテナ40に高周波電力が供給されたときのある瞬間の、それぞれ電力及び電界の向き及び大きさを多数のベクトルの向き及び大きさで示した図である。
これらの図に示すように、(a)の2次放射アンテナ70が設けられていない場合には、電力のベクトルは、被照射物90の長手方向に沿っており、電界のベクトルは、被照射物90の長手方向と垂直な方向に沿っている。すなわち、電力ベクトル及び電界ベクトルは、いずれも被照射物90の周壁面に対して垂直に被照射物90に入射している。そして、被照射物90の中央部分や長辺に沿った部分など広い領域で電力ベクトルが小さく発熱が小さくなっていることがわかる。
これに対して、(b)の2次放射アンテナ70が設けられている場合には、電力ベクトルは、被照射物90に斜めに入り、被照射物90の表面でその向きを変えている。同様に電界ベクトルは、被照射物90に斜めに入り、被照射物90の表面でその向きを変えている。電界のベクトルは、被照射物90内をおおよそ対角線に沿った方向に斜めに向いている。そして、被照射物90の対角線に沿った一部の狭い領域を除いて電力ベクトルは大きくなっており、全体的に発熱が大きくなることがわかる。
すなわち、アンテナ40を被照射物90の搬送方向と垂直に設けているものの、2次放射アンテナ70を設けることで、第2の態様でアンテナ40を傾けて配置した場合と同様の効果が得られることがわかる。
上述の例では、第1の2次放射アンテナ71は第1ループアンテナ41側に配置されて、第2の2次放射アンテナ72は第2ループアンテナ42側に配置されている。すなわち、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72とは、ずらして配置されている。これに対して、2つの2次放射アンテナ70を、指向性照射軸57に対して対称に、すなわち、指向性照射軸57を挟んで完全に対向させた場合について同様の解析を行った。図14は、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果であり、ある瞬間の電界の向き及び大きさを示す図である。(a)は、2次放射アンテナ70が設けられていない場合であり、(b)は、2つの2次放射アンテナ70が完全に対向して設けられた場合である。この解析結果から、2つの2次放射アンテナ70が完全に対向している場合、2次放射アンテナ70が無い場合と電界分布は変わらず、本実施形態に係る2次放射アンテナ70の効果は発揮されないことが明らかになった。
〈実験例〉
図15及び図16は、実験結果例を示す図である。図12Aに示したようなマイクロ波照射装置1の第3の態様の構成において、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔dを変化させて、被照射物90をベルト86で搬送しながら加熱したときの加熱後の被照射物90の温度をサーモグラフィーで測定した。いずれの場合も、出力を300 Wとし、加熱時間を4分とした。
図15に示す例では、何れの実験においても、第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間隔を550 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の搬送方向の長さを200 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72は、主筐体81と導通させた。(a)、(b)及び(c)は、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔が、それぞれ85 mm、35 mm、及び-65 mm(65 mmオーバーラップしている)の場合である。
図16に示す例では、何れの実験においても、第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間隔を480 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の搬送方向の長さを150 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72は、主筐体81と導通させた。(a)、(b)及び(c)は、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔が、それぞれ110 mm、0 mm、及び-20 mm(20 mmオーバーラップしている)の場合である。
図15に示した場合では、図の左下から右上に向けて効率よく加熱される領域が得られたのに対して、図16に示した場合では、図の右下から左上に向けて効率よく加熱される領域が得られた。このように、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の長さに応じて、形成される電界の状態が異なることが明らかになった。図15に示した場合と図16に示した場合との何れにおいても、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72とがオーバーラップしている場合には、被照射物90の中央部の加熱が不十分となるような加熱むらが生じた。これらのことから、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72とは重なり合う部分が無い方がより好ましいことが明らかになった。
図15に示す場合と図16に示す場合との比較で、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の配置に応じて、効率よく加熱される領域が異なることが明らかになった。そこで、図17に示すように、(a)に示す第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の配置で加熱した後に、(b)に示す第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の配置で加熱した。第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間隔を550 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の搬送方向の長さを200 mmとし、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔を85 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72は、主筐体81と導通させた。(a)に示す第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の配置で2分間加熱した後に、1分間の間隔をあけて、(b)に示す第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の配置で2分間加熱した。加熱後の温度を(c)に示す。この結果のように、被照射物90は、ほぼ均一に加熱されることが明らかになった。
図17に示した結果に基づくと、例えばマイクロ波照射装置1を図18又は図19に示すように構成することで均一な加熱が可能であることがわかる。
すなわち、図18に示すように、例えば、第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間に、第1ループアンテナ41側から第2ループアンテナ42側に向けて順に、ベルト86の一方側に第1の2次放射アンテナ71を設け、ベルト86の他方側に第2の2次放射アンテナ72を設け、再び、ベルト86の一方側に第3の2次放射アンテナ73を設ける。このような配置によって、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72とによって形成される第1加熱ユニット31と、第2の2次放射アンテナ72と第3の2次放射アンテナ73とによって形成される第2加熱ユニット32と有するマイクロ波照射装置1が構成される。被照射物90が第1加熱ユニット31及び第2加熱ユニット32の両方を通過して加熱されるように、マイクロ波照射装置1を構成することで、被照射物90の均一な加熱が可能となる。
あるいは、図19に示すように、ベルト86に対する第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との配置を逆にした第1加熱ユニット31と第2加熱ユニット32との2組の加熱ユニットを、ベルト86による搬送方向に並べて配置し、被照射物90が第1加熱ユニット31及び第2加熱ユニット32の両方を通過して加熱されるように、マイクロ波照射装置1を構成することで、被照射物90の均一な加熱が可能となる。
図20は、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果を示す。第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間隔を465 mmとし、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の搬送方向の長さを150 mmとし、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔を25 mmとした。(a)は第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72を主筐体81と導通させた場合であり、(b)は第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72を主筐体81と非導通とした場合である。被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間に配置した場合について解析を行った。発振器10からアンテナ40に高周波電力が供給されたときのある瞬間の、それぞれ電界の向き及び大きさを多数のベクトルの向き及び大きさで示した図である。第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72を導通させた場合と導通させなかった場合とで、被照射物90内の電界ベクトルは逆向きに傾くことが明らかになった。したがって、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72のそれぞれの金属筐体80への導通状態を、マイクロ波の照射途中で変更することで、形成される電界の状態を変更して、被照射物90の均一な加熱が実行されてもよい。
さらにここまでは、被照射物90が略四角形のトレーに入った物である場合について説明してきたが、被照射物90が円形のカップに入った物である場合についても検討した。すなわち、同様のマイクロ波照射装置1におけるアンテナ40から照射されたマイクロ波によって形成される電界の2次放射アンテナ70による変化について、円形カップに係る被照射物90の場合も検討した。図21は、数値シミュレーションによる電磁界解析の結果を示す。(a)は、2次放射アンテナ70を設けていない場合の解析結果であり、(b)は、2次放射アンテナ70を設けた場合の解析結果である。第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との間隔を465 mmとした。(b)の場合は、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72の搬送方向の長さを150 mmとし、第1の2次放射アンテナ71と第2の2次放射アンテナ72との間隔を25 mmとした。また、第1の2次放射アンテナ71及び第2の2次放射アンテナ72は、主筐体81と非導通とした。被照射物90を第1ループアンテナ41と第2ループアンテナ42との中間に配置した場合について解析を行った。発振器10からアンテナ40に高周波電力が供給されたときのある瞬間の、それぞれ電力及び電界の向き及び大きさを多数のベクトルの向き及び大きさで示した図である。
これらの図に示すように、(a)の2次放射アンテナ70が設けられていない場合には、電力のベクトルは、指向性照射軸57に沿っており、電界のベクトルは、指向性照射軸と垂直な方向に沿っている。被照射物90内の中央部分の指向性照射軸57に垂直な部分やその両端部分など広い領域で電力ベクトルが小さく発熱が小さくなっていることがわかる。
これに対して、(b)の2次放射アンテナ70が設けられている場合には、被照射物90内において、電力ベクトルは斜めを向き、同様に電界ベクトルは斜めを向いている。そして、当該斜めに沿った一部の狭い領域を除いて電力ベクトルは大きくなっており、全体的に発熱が大きくなることがわかる。すなわち、被照射物90が円形のカップに入った物である場合についても、2次放射アンテナ70の配置によって発熱の状態が改善することが明らかになった。
なお、図14を参照して説明したように、2つの2次放射アンテナ70を、指向性照射軸57を挟んで完全に対向させた場合について同様の解析を行うと、図22に示すように、(a)2次放射アンテナ70が設けられていない場合と、(b)2次放射アンテナ70が完全に対向して設けられた場合とでは、電界分布は変わらず、本実施形態に係る2次放射アンテナ70の効果は発揮されないことが明らかになった。
なお、第1の態様、第2の態様及び第3の態様は、適宜に組み合わせて用いられ得る。例えば、第2の態様のように、アンテナ40を傾けつつ、被照射物90の周壁92が指向性照射軸57と平行にならないように、被照射物がベルト86上に斜めに配置されてもよい。また、第3の態様についても同様に第1の態様又は第2の態様と組み合わせて用いられ得る。
[指向性照射軸及び電界振幅面の傾きについて]
以上の説明では、指向性照射軸57及び電界振幅面58が被照射物90の搬送面と平行であるものとして説明を行った。指向性照射軸57及び電界振幅面58は、被照射物90の搬送面と完全に平行でなくてもよい。例えば、図23Aに示すようにベルト86の上面のような被照射物90の搬送面に垂直な搬送方向に沿った平面でみたときに、少なくとも、例えば、搬送面と指向性照射軸57との成す角θが、被照射物90の対角線が成す角φよりも小さければ、上述のことは同様に成り立つ。また、例えば、少なくとも、図23Bに示す電界振幅面58a及び電界振幅面58bのように、電界振幅面58が被照射物90を完全に横切るとき、上述のことは同様に成り立つ。一方、図23Bに示す電界振幅面58cのように、電界振幅面58が被照射物90を横切らずに、上面又は下面を通るとき、上述のことは成り立たない可能性がある。
また、マイクロ波照射装置1による加熱の対象物、すなわち、マイクロ波照射装置1がマイクロ波を照射する被照射物90は、殺菌を目的とした食品に限らない。対象物は、被解凍物としての冷凍食品であり、マイクロ波照射装置1は、冷凍食品の解凍のために用いられてもよい。また、加熱の対象物は、食品に限らない。例えば、対象物は、凍結保存された細胞であり、マイクロ波照射装置1は、凍結保存された細胞の解凍のために用いられてもよい。また、対象物は、加熱によってガス化、合成、分解等される各種反応物質であり、マイクロ波照射装置1は、各種反応物質のガス化、合成、分解等のために用いられてもよい。このように、マイクロ波照射装置1がマイクロ波を照射する被照射物90は種々あり得、どのようなものであってもよいし、マイクロ波照射装置1の用途もそれに応じてどのようなものであってもよい。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
1:マイクロ波照射装置
10:発振器、20:給電器具、21:同軸ケーブル、
31:第1加熱ユニット、32:第2加熱ユニット
40:アンテナ、41:第1ループアンテナ、42:第2ループアンテナ
51:ループアンテナ、52:導線、53:給電点、54:開口面、55:照射面、56:照射源、57:指向性照射軸、58:電界振幅面
70:2次放射アンテナ、71:第1の2次放射アンテナ、72:第2の2次放射アンテナ、73:第3の2次放射アンテナ
80:金属筐体、81:主筐体、82:側筐体、85:搬送装置、86:ベルト、88:搬入装置
90:被照射物、91:容器、92:周壁、94:内容物

Claims (16)

  1. 給電器具を介した導通により発振器から開口面を有する指向性のアンテナに給電し、前記アンテナの前記開口面から指向性照射軸の方向へマイクロ波を放射させることと、
    搬送面に沿って搬送方向に、略平面を含む周壁を有する被照射物を当該周壁が前記搬送面に対して略垂直となる姿勢で搬送することと
    を含み、
    前記搬送面への、前記周壁の前記略平面の投影と前記マイクロ波によって前記被照射物内に形成される電界の電界ベクトルの投影とは、斜めに交差するように構成されている、
    マイクロ波の照射方法。
  2. 前記搬送面は、前記開口面を通過する、請求項1に記載のマイクロ波の照射方法。
  3. 開口面を有して発振器から給電器具を介した導通により給電されることで前記開口面から指向性照射軸の方向へマイクロ波を放射するように構成された指向性のアンテナと、
    搬送面に沿って搬送方向に、略平面を含む周壁を有する被照射物を当該周壁が前記搬送面に対して略垂直となる姿勢で搬送するように構成された搬送装置と
    を備えるマイクロ波照射装置であって、
    前記搬送面への前記周壁の前記略平面の投影と前記マイクロ波によって前記被照射物内に形成される電界の電界ベクトルの投影とは、斜めに交差するように構成されている、
    マイクロ波照射装置。
  4. 前記アンテナは、前記搬送面への前記指向性照射軸の投影と前記搬送方向の投影とが斜めに交差するように配置されている、
    請求項3に記載のマイクロ波照射装置。
  5. 前記指向性照射軸に沿って配置され、前記アンテナによって放射されたマイクロ波によって電磁誘導されることで、前記搬送面への前記被照射物内の前記電界ベクトルの投影が前記搬送面への前記周壁の前記略平面の投影と斜めに交差するような、電界を形成するように構成された2次放射アンテナをさらに備える、請求項3に記載のマイクロ波照射装置。
  6. 前記アンテナは、複数の指向性アンテナを備え、
    前記2次放射アンテナは、前記複数の指向性アンテナの間に設けられた複数の2次放射アンテナを備え、
    前記複数の2次放射アンテナは、前記指向性照射軸を挟んで両側に、前記指向性照射軸に対して非対称に設けられている、
    請求項5に記載のマイクロ波照射装置。
  7. 前記アンテナは、複数の指向性アンテナを備え、
    前記複数の指向性アンテナは、複数の前記指向性照射軸が略平行となるように配置されている、
    請求項3乃至6の何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  8. 前記アンテナは、前記指向性照射軸が前記搬送面と略平行となるように、配置されている、請求項3乃至6の何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  9. 前記搬送面は、前記開口面を通過する、請求項3乃至6の何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  10. 前記搬送面への前記被照射物内に形成される前記電界の電界ベクトルの投影が第1の方向となる第1加熱ユニットと、前記搬送面への前記被照射物内に形成される前記電界の電界ベクトルの投影が第1の方向とは異なる第2の方向となる第2加熱ユニットとを含む、請求項3乃至6の何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  11. 前記アンテナから照射される前記マイクロ波の電界振幅面は、前記搬送面に略平行である、請求項3乃至6の何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  12. 前記アンテナは、ループアンテナである、請求項3乃至6何れかに記載のマイクロ波照射装置。
  13. 前記アンテナは、前記指向性照射軸が前記搬送方向と平行になるように配置されており、
    前記搬送面への前記周壁の前記略平面の投影が、前記搬送方向に対して斜めに交差するように、前記被照射物を前記搬送装置に導入する搬入装置をさらに備える、
    請求項3に記載のマイクロ波照射装置。
  14. 開口面を有して発振器から給電器具を介した導通により給電されることで前記開口面から指向性照射軸の方向へマイクロ波を放射するように構成された指向性のアンテナと、
    前記指向性照射軸に沿って配置された複数の2次放射アンテナであって、前記指向性照射軸を挟んで両側に、前記指向性照射軸に対して非対称に設けられており、前記アンテナによって放射されたマイクロ波によって電磁誘導されることで電界を形成するように構成された2次放射アンテナと、
    搬送面に沿って搬送方向に、被照射物を、当該被照射物の周壁が前記搬送面に対して略垂直となる姿勢で、前記電界内を搬送するように構成された搬送装置と
    を備えるマイクロ波照射装置。
  15. 請求項1又は2に記載のマイクロ波の照射方法によって被照射物に前記マイクロ波を照射して、前記被照射物を加熱することを含む、加熱方法。
  16. 請求項15に記載の加熱方法によって、食品である前記被照射物を加熱することを含む、食品の製造方法。
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