JP2024129461A - 転がり軸受及び車両用駆動ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】貧潤滑となる場合でも転がり面における亀裂の発生及び進展を抑制可能な転がり軸受を提供する。【解決手段】転がり軸受(100)は、車両用駆動ユニットの回転軸を支持する。転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪(10)、外輪(20)及び転動体(30)を備えている。内輪、外輪及び転動体の各々は、転がり面(10da,20ca,30a)を有する。内輪、外輪及び転動体のうちの少なくともいずれかの転がり面における硬さは、62.5HRC以上67HRC以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、転がり軸受及び車両用駆動ユニットに関する。
特許第6023422号公報(特許文献1)には、機械部品が記載されている。特許文献1に記載の機械部品は、転がり軸受を構成している軌道輪又は転動体である。特許文献1に記載の機械部品は、表面に窒素を導入した上で焼入れを行い、その後に高温で焼戻しを行うことにより形成されている。
EV(Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)等の電動車両に用いられる車両用駆動ユニットには、カーボンニュートラルの実現等の環境問題への配慮から、今後ますます高効率化が求められることになる。
車両用駆動ユニットは複数の回転軸を有しており、複数の回転軸の各々は転がり軸受により支持されている。高効率化のために、潤滑油の低粘度化や油量の削減、オイルポンプの削減等により、軌道輪と転動体との間の潤滑が貧潤滑となることがある。
高効率化のための車両用駆動ユニットの小型化に伴って、回転軸を支持する軸受のサイズが小さくなる。また、高効率化のために、車両用駆動ユニットの駆動源(モータ等)の出力が増加される。その結果、転がり軸受への負荷は、さらに大きくなる。
特許文献1に記載の機械部品では、高温での焼戻しが行われており、表面のごく近傍における硬さが低下してしまう。そのため、特許文献1に記載の機械部品により構成されている転がり軸受を上記のような条件下で用いる場合、転がり面(軌道面、転動面)に亀裂が発生し、当該亀裂が進展してしまうおそれがある。
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものである。より具体的には、本発明は、貧潤滑となる場合でも転がり面における亀裂の発生及び進展を抑制可能な転がり軸受を提供するものである。
本発明の転がり軸受は、車両用駆動ユニットの回転軸を支持する転がり軸受である。転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を備える。内輪、外輪及び転動体の各々は、転がり面を有する。内輪、外輪及び転動体のうちの少なくともいずれかの転がり面における硬さは、760Hv以上900Hv以下である。
本発明の転がり軸受によると、貧潤滑となる場合でも転がり面における亀裂の発生及び進展を抑制可能である。
本発明の実施形態の詳細を、図面を参照しながら説明する。以下の図面では、同一又は相当する部分に同一の参照符号を付し、重複する説明は繰り返さないものとする。実施形態に係る転がり軸受を転がり軸受100とし、実施形態に係る車両用駆動ユニットを車両用駆動ユニット200とする。
(転がり軸受100の構成)
以下に、転がり軸受100の構成を説明する。
以下に、転がり軸受100の構成を説明する。
図1は、転がり軸受100の断面図である。図1に示されているように、転がり軸受100は、例えば、深溝玉軸受である。転がり軸受100は、内輪10と、外輪20と、複数の転動体30と、保持器40とを有している。内輪10の中心軸を、中心軸Aとする。中心軸Aの方向を、軸方向とする。中心軸Aを通り、かつ中心軸Aに直交する方向を、径方向とする。軸方向に沿って見た際に中心軸Aを中心とする円周に沿う方向を、周方向とする。
内輪10は、周方向に延在している円環状である。内輪10は、第1幅面10aと、第2幅面10bと、内径面10cと、外径面10dとを有している。
第1幅面10a及び第2幅面10bは、軸方向における内輪10の端面である。第1幅面10aは軸方向における一方側(図1中における右側)を向いており、第2幅面10bは軸方向における他方側(図1中における左側)を向いている。第2幅面10bは、軸方向における第1幅面10aの反対面である。
内径面10c及び外径面10dは、周方向に延在している。内径面10cの軸方向における一方端及び他方端は、それぞれ第1幅面10a及び第2幅面10bに連なっている。外径面10dの軸方向における一方端及び他方端は、それぞれ第1幅面10a及び第2幅面10bに連なっている。内径面10cは、径方向における内側を向いている。外径面10dは、径方向における外側を向いている。外径面10dは、径方向における内径面10cの反対面である。
外径面10dは、軌道面10daを有している。軌道面10daは、転動体30に接触する外径面10dの部分である。軌道面10daは、周方向に直交する断面視において、内径面10c側に凹んでいる。軌道面10daは、周方向に直交する断面視において、部分円弧状である。軌道面10daは、周方向に延在している軌道面10daは、軸方向における外径面10dの中央部にある。
外輪20は、周方向に延在している円環状である。外輪20は、第1幅面20aと、第2幅面20bと、内径面20cと、外径面20dとを有している。
第1幅面20a及び第2幅面20bは、軸方向における外輪20の端面である。第1幅面20aは軸方向における一方側(図1中における右側)を向いており、第2幅面20bは軸方向における他方側(図1中における左側)を向いている。第2幅面20bは、軸方向における第1幅面20aの反対面である。
内径面20c及び外径面20dは、周方向に延在している。内径面20cの軸方向における一方端及び他方端は、それぞれ第1幅面20a及び第2幅面20bに連なっている。外径面20dの軸方向における一方端及び他方端は、それぞれ第1幅面20a及び第2幅面20bに連なっている。内径面20cは、径方向における内側を向いている。外径面20dは、径方向における外側を向いている。外径面20dは、径方向における内径面20cの反対面である。
内径面20cは、軌道面20caを有している。軌道面20caは、転動体30に接触する内径面20cの部分である。軌道面20caは、周方向に直交する断面視において、外径面20d側に凹んでいる。軌道面20caは、周方向に直交する断面視において、部分円弧状である。軌道面20caは、周方向に延在している軌道面20caは、軸方向における内径面20cの中央部にある。
外輪20は、径方向において内径面20cと外径面10dとが間隔を空けて対向するように(径方向において軌道面20caが軌道面10daと間隔を空けて対向するように)内輪10の径方向における外側に配置されている。
転動体30は、軌道面10daと軌道面20caとの間に配置されている。転動体30は、球状である。転動体30は、表面30aを有している。転動体30は、表面30aにおいて、軌道面10da及び軌道面20caに接触する。なお、軌道面10da、軌道面20ca及び表面30aを、転がり面ということがある。
保持器40は、外径面10dと内径面20cとの間に配置されている。保持器40は、周方向において隣り合う2つの転動体30の間の間隔が一定範囲内となるように、複数の転動体30を保持している。
内輪10、外輪20及び転動体30は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製である。内輪10、外輪20及び転動体30を構成している鋼は、例えば、JIS規格に定められている高炭素クロム軸受鋼である。内輪10、外輪20及び転動体30を構成している鋼は、例えば、JIS規格に定められているSUJ2又はSUJ3である。
内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さは、760Hv以上900Hv以下(62.5HRC以上67HRC以下)である。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さは、JIS規格に定められているビッカース硬さ試験法にしたがって測定される。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さは、転がり面に垂直な断面において転がり面から深さ方向の距離が50μmとなる位置を転がり面表層と見做し、転がり面に垂直な断面において転がり面からの深さ方向の距離が50μmとなる位置で測定される。転がり面における硬さは、転がり面に垂直な断面において転がり面から深さ方向の距離が50μm、150μm、250μm、350μm及び450μmとなる位置でビッカース硬さを測定し、これら5点において測定されたビッカース硬さに基づいて決定される近似式(線形又は指数)から転がり面から深さ方向の距離が0μmとなる位置のビッカース硬さを推測することにより求めてもよい。
内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイト量は、2体積パーセント以上10体積パーセント以下であることが好ましい。内輪10、外輪20及び転動体30における残留オーステナイト量は、転がり面に垂直な断面において転がり面からの深さ方向の距離が50μmとなる位置でX線回折法により測定される。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における旧オーステナイト粒の粒度番号は、9番以上であることが好ましい。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における旧オーステナイト粒の粒度番号は、JIS規格に定められた方法にしたがって測定される。
内輪10、外輪20及び転動体30の表面には、浸窒処理が行われていない。このことを別の観点から言えば、内輪10、外輪20及び転動体30において、転がり面表層の窒素濃度を転がり面から深さが10μmまでの領域における平均窒素濃度と定義すると、転がり面表層の窒素濃度は、0.01質量パーセント未満である。上記の窒素濃度は、EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)を用いて、転がり面に垂直な断面において転がり面から深さ方向に線分析を行うことにより、転がり面からの深さが10μmとなる位置までの窒素濃度の平均値が測定される。
内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、例えば5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、好ましくは、5.0×1014m-2以上1.0×1016m-2以下である。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、さらに好ましくは、5・0×1014m-2以上1.0×1015m-2以下である。内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、コバルト管球型X線回折装置を用いて転がり面で測定される。
<変形例>
上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが62.5HRC以上67HRC以下である場合について説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下(62.5HRC以上67HRC以下)であればよい。上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイト量が2体積パーセント以上10体積パーセント以下である場合について説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイト量が2体積パーセント以上10体積パーセント以下であればよい。
上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが62.5HRC以上67HRC以下である場合について説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下(62.5HRC以上67HRC以下)であればよい。上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイト量が2体積パーセント以上10体積パーセント以下である場合について説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイト量が2体積パーセント以上10体積パーセント以下であればよい。
上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度が5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である場合について説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度が5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下であればよい。上記の例では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における窒素濃度が0.01質量パーセント未満である場合を説明したが、内輪10、外輪20及び転動体30のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における窒素濃度が0.01質量パーセント未満であればよい。
図2は、変形例に係る転がり軸受100の断面図である。図2に示されているように、転がり軸受100は、円錐ころ軸受であってもよい。
(転がり軸受100の製造方法)
以下に、転がり軸受100の製造方法を説明する。
以下に、転がり軸受100の製造方法を説明する。
図3は、転がり軸受100の製造工程図である。図3に示されているように、転がり軸受100の製造方法は、準備工程S1と、焼入れ工程S2と、冷却工程S3と、焼戻し工程S4と、後処理工程S5と、組み立て工程S6とを有している。
準備工程S1では、加工対象部材が準備される。加工対象部材は、好ましくは、JIS規格に定められている高炭素クロム軸受鋼(例えば、SUJ2、SUJ3)により形成されている。内輪10及び外輪20用の加工対象部材はリング状であり、転動体30用の加工対象部材は球状である。
焼入れ工程S2は、準備工程S1の後に行われる。焼入れ工程S2は、加工対象部材をA1変態点以上の温度からMS変態点以下の温度まで冷却することにより行われる。冷却工程S3は、焼入れ工程S2の後に行われる。冷却工程S3は、サブゼロ処理又はクライオ処理である。サブゼロ処理では、加工対象部材が、-99℃以上0℃以下の温度まで冷却される。クライオ処理では、加工対象部材が、-100℃以下の温度まで冷却される。サブゼロ処理及びクライオ処理が行われることにより、鋼中におけるマルテンサイト化が進行するとともに鋼中の残留オーステナイト量が減少する。
焼戻し工程S4は、冷却工程S3の後に行われる。焼戻し工程S4は、加工対象部材をA1変態点未満の温度において加熱保持することにより行われる。焼戻し工程S4における加熱温度は、例えば、180℃である。
後処理工程S5は、焼戻し工程S4の後に行われる。後処理工程S5では、加工対象部材の表面に対して機械加工(研削、研磨)が行われる。これにより、内輪10、外輪20及び転動体30が形成される。組み立て工程S6は、後処理工程S5の後に行われる。組み立て工程S6では、内輪10、外輪20及び転動体30が保持器40とともに組み立てられることにより、図1に示される構造の転がり軸受100となる。
(車両用駆動ユニット200の構成)
以下に、車両用駆動ユニット200の構成を説明する。
以下に、車両用駆動ユニット200の構成を説明する。
図4は、車両用駆動ユニット200の断面図である。図4に示されているように、車両用駆動ユニット200は、モータ110と、減速機120とを有している。
モータ110は、モータ本体111と、回転軸112と、モータハウジング113と、転がり軸受114とを有している。モータ本体111は、回転軸112を、回転軸112の中心軸回りに回転させる。モータ本体111は、モータハウジング113の内部に配置されている。回転軸112は、回転軸112の中心軸回りに回転可能に、転がり軸受114により支持されている。転がり軸受114は、例えば深溝玉軸受である。
減速機120は、回転軸121、回転軸122及び回転軸123と、ギア124、ギア125、ギア126及びギア127と、転がり軸受128、転がり軸受129及び転がり軸受130とを有している。転がり軸受128、転がり軸受129及び転がり軸受130は、例えば、深溝玉軸受である。
回転軸121は、回転軸112の回転が伝達されることにより、回転軸112の中心軸回りに回転される。回転軸121は、回転軸121の中心軸回りに回転可能に、転がり軸受128により支持されている。ギア124は、回転軸121に取り付けられており、回転軸121とともに回転する。
回転軸122は、回転軸122の中心軸回りに回転可能に転がり軸受129により支持されている。ギア125及びギア126は、回転軸122に取り付けられており、回転軸122とともに回転する。ギア125は、ギア124に噛み合わされている。そのため、回転軸122は、回転軸121の回転がギア124及びギア125により伝達されて回転する。ギア124及びギア125のギア比は、回転軸122の回転速度が回転軸121の回転速度よりも小さくなるように調整されている。
回転軸123は、回転軸123の中心軸回りに回転可能に、転がり軸受130により支持されている。ギア127は、回転軸123に取り付けられており、回転軸123とともに回転する。ギア127は、ギア126に噛み合わされている。そのため、回転軸123は、回転軸122の回転がギア126及びギア127により伝達されて回転する。ギア126及びギア127のギア比は、回転軸123の回転速度が回転軸122の回転速度よりも小さくなるように調整されている。
転がり軸受128の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さは、転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さよりも小さい。転がり軸受128の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さい。転がり軸受128の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度よりも大きいことが好ましい。
転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さは、転がり軸受130の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さよりも小さいことが好ましい。転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、転がり軸受130の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さいことが好ましい。転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、転がり軸受130の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度よりも大きいことが好ましい。
転がり軸受114の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さは、転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さよりも小さいことが好ましい。転がり軸受114の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さいことが好ましい。転がり軸受114の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度よりも大きいことが好ましい。
転がり軸受114及び転がり軸受128の少なくともいずれかは、転がり軸受100であることが好ましい。
<変形例>
図5は、変形例に係る車両用駆動ユニット200の断面図である。図5に示されているように、転がり軸受129及び転がり軸受130は、円錐ころ軸受であってもよい。
図5は、変形例に係る車両用駆動ユニット200の断面図である。図5に示されているように、転がり軸受129及び転がり軸受130は、円錐ころ軸受であってもよい。
(転がり軸受100の効果)
以下に、転がり軸受100の効果を説明する。
以下に、転がり軸受100の効果を説明する。
貧潤滑条件下で転がり軸受100が使用される場合、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面上における油膜厚さが小さくなり、内輪10(外輪20)の転がり面と転動体30の転がり面との間で、金属接触が生じることがある。転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが、760Hv以上900Hv以下(62.5HRC以上67HRC以下)になっている。すなわち、転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における塑性変形が生じにくい。そのため、転がり軸受100では、内輪10(外輪20)の転がり面と転動体30の転がり面との間で金属接触が生じたとしても塑性変形に起因した表面損傷(亀裂の発生及び進展)が生じがたい。
内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における塑性変形が生じにくいことは、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面の直下における塑性変形が小さくなり、塑性変形による残留応力の進行が鈍化することを意味する。そのため、転がり軸受100によると、転動疲労寿命も改善されることになる。
転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが高いため、内輪10(外輪20)の転がり面と転動体30の転がり面との接触部に異物噛み込みによる圧痕が形成されにくくなる。このように、転がり軸受100によると、耐異物性も改善されることになる。
転がり軸受100(すなわち、深溝玉軸受である場合)では、大きなアキシャル荷重が加わった際に、肩乗り上げに起因した応力集中が発生することがある。また、変形例に係る転がり軸受100(すなわち、円錐ころ軸受である場合)では、転がり面にエッジ当たりに起因した応力集中が発生することがある。上記のとおり、転がり軸受100及び変形例に係る転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが高く、塑性変形が生じにくいため、肩乗り上げやエッジ当たりに起因した応力集中に対する耐性が改善される。
転がり軸受100が高温使用されると、内輪10及び外輪20の残留オーステナイトが分解され、内輪10及び外輪20に経年寸法変化が生じる。内輪10及び外輪20の転がり面表層における残留オーステナイト量が2体積パーセント以上10体積パーセント以下である場合、残留オーステナイトの分解に伴う内輪10及び外輪20の経年寸法変化が抑制される。これにより、回転軸又はハウジングに対する嵌め合いを過度にタイトにする必要が無くなるため、内輪10及び外輪20の割れを抑制可能である。
また、残留オーステナイトの分解に伴う内輪10及び外輪20の経年寸法変化が抑制されることにより、転がり軸受100は、安定した転がりを継続することが可能となる。さらに、残留オーステナイトの分解に伴う内輪10及び外輪20の経年寸法変化が抑制されることにより、回転軸と内輪10との間のクリープも抑制されるため、回転軸に取り付けられるギアの歯当たりを最適に保つことが可能となり、車両用駆動ユニットの静粛性が担保される。
なお、転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下(62.5HRC以上67HRC以下)になっているため、内輪10及び外輪20の転がり面表層における残留オーステナイト量が小さくなっていても、耐異物性は維持される。
転がり軸受100では、内輪10、外輪20及び転動体30を形成する際に冷却工程S3が行われているため、焼戻し工程S4におけるマルテンサイトの転位密度の低下が生じにくい。その結果、内輪10、外輪20及び転動体30では、残留オーステナイトの周囲を転位密度の高いマルテンサイトが取り囲むことになり、転位密度に取り囲まれている残留オーステナイトの転位密度も高くなる。
周囲が転位密度の高いマルテンサイトで取り囲まれている残留オーステナイトは、分解に伴う体積膨張が周囲の転位密度の高いマルテンサイトにより拘束されるため、高温使用に伴って残留オーステナイトが分解されたとしても、当該分解に伴う寸法変化が小さくなる。このように、内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度を5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下とすることにより、残留オーステナイトの分解に伴う内輪10及び外輪20の経年寸法変化がさらに抑制される。
内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面表層における旧オーステナイト粒の粒度番号が9番以上である場合、結晶粒の微細化に伴って内輪10、外輪20及び転動体30の転がり面における硬さが上昇するため、塑性変形に起因した表面損傷、転動疲労寿命及び耐異物性がさらに改善される。また、内輪10、外輪20及び転動体30を構成している鋼がSUJ2、SUJ3等のJIS規格に定められている高炭素クロム軸受鋼である場合には、内輪10、外輪20及び転動体30に一般的な鋼を用いることができるため、転がり軸受100を低コスト化することが可能である。
(車両用駆動ユニット200の効果)
以下に、車両用駆動ユニット200の効果を説明する。
以下に、車両用駆動ユニット200の効果を説明する。
回転軸121の回転速度が回転軸122の回転速度よりも大きいため、回転軸121を支持している転がり軸受128は、回転軸122を支持している転がり軸受129よりも高温になりやすい。つまり、転がり軸受128では、転がり軸受129よりも内輪及び外輪の経年寸法変化が生じやすい。
他方で、回転軸121の回転速度が回転軸122の回転速度よりも大きいため、転がり軸受129に加わる荷重が転がり軸受128に加わる荷重よりも大きくなり、転がり軸受129が転がり軸受128よりも貧潤滑となりやすい(油膜厚さが小さくなりやすい)。その結果、内輪(外輪)の転がり面と転動体の転がり面との間で金属接触が生じやすい。つまり、転がり軸受129では、内輪、外輪及び転動体の転がり面における表面損傷が生じやすい。
車両用駆動ユニット200では、転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さが転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における硬さよりも大きくなっているとともに転がり軸受128の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量が転がり軸受129の内輪及び外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さくなっているため、転がり軸受128の内輪及び外輪における経年寸法変化を抑制しつつ転がり軸受129の内輪、外輪及び転動体の転がり面における表面損傷の抑制が可能である。
(付記)
本実施形態には、以下の構成が含まれている。
本実施形態には、以下の構成が含まれている。
<付記1>
車両用駆動ユニットの回転軸を支持する転がり軸受であって、
焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を備え、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体の各々は、転がり面を有し、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体のうちの少なくともいずれかの前記転がり面における硬さは、760Hv以上900Hv以下である、転がり軸受。
車両用駆動ユニットの回転軸を支持する転がり軸受であって、
焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を備え、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体の各々は、転がり面を有し、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体のうちの少なくともいずれかの前記転がり面における硬さは、760Hv以上900Hv以下である、転がり軸受。
<付記2>
前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイト量は、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、付記1に記載の転がり軸受。
前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイト量は、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、付記1に記載の転がり軸受。
<付記3>
前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、付記1又は付記2に記載の転がり軸受。
前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、付記1又は付記2に記載の転がり軸受。
<付記4>
前記内輪及び前記外輪のうちのすくなくともいずれかの転がり面表層における窒素濃度は、0.01質量パーセント未満である、付記1から付記3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
前記内輪及び前記外輪のうちのすくなくともいずれかの転がり面表層における窒素濃度は、0.01質量パーセント未満である、付記1から付記3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
<付記5>
第1回転軸と、
前記第1回転軸よりも回転速度が小さい第2回転軸と、
前記第1回転軸を支持している第1転がり軸受と、
前記第2回転軸を支持している第2転がり軸受とを備え、
前記第1転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第1内輪、第1外輪及び第1転動体を有し、
前記第1内輪、前記第1外輪及び前記第1転動体の各々は、第1転がり面を有し、
前記第2転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第2内輪、第2外輪及び第2転動体を有し、
前記第2内輪、前記第2外輪及び前記第2転動体の各々は、第2転がり面を有し、
前記第2転がり面における硬さは、前記第1転がり面における硬さよりも大きく、
前記第1転がり軸受は、付記1から付記4のいずれか1項に記載の前記転がり軸受である、車両用駆動ユニット。
第1回転軸と、
前記第1回転軸よりも回転速度が小さい第2回転軸と、
前記第1回転軸を支持している第1転がり軸受と、
前記第2回転軸を支持している第2転がり軸受とを備え、
前記第1転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第1内輪、第1外輪及び第1転動体を有し、
前記第1内輪、前記第1外輪及び前記第1転動体の各々は、第1転がり面を有し、
前記第2転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第2内輪、第2外輪及び第2転動体を有し、
前記第2内輪、前記第2外輪及び前記第2転動体の各々は、第2転がり面を有し、
前記第2転がり面における硬さは、前記第1転がり面における硬さよりも大きく、
前記第1転がり軸受は、付記1から付記4のいずれか1項に記載の前記転がり軸受である、車両用駆動ユニット。
<付記6>
前記第1内輪及び前記第1外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、前記第2内輪及び前記第2外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さい、付記5に記載の車両用駆動ユニット。
前記第1内輪及び前記第1外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、前記第2内輪及び前記第2外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さい、付記5に記載の車両用駆動ユニット。
<付記7>
複数の回転軸と、
複数の転がり軸受とを備え、
前記複数の転がり軸受の各々は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を有し、
前記内輪、前記外輪及び前転動体の各々は、転がり面を有し、
前記複数の回転軸の各々は、前記複数の転がり軸受の各々により支持されており、
回転速度が最も遅い前記複数の回転軸のうちの1つを第1回転軸とし、前記第1回転軸以外の前記複数の回転軸を第2回転軸とすると、前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、前記転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下である、車両用駆動ユニット。
複数の回転軸と、
複数の転がり軸受とを備え、
前記複数の転がり軸受の各々は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を有し、
前記内輪、前記外輪及び前転動体の各々は、転がり面を有し、
前記複数の回転軸の各々は、前記複数の転がり軸受の各々により支持されており、
回転速度が最も遅い前記複数の回転軸のうちの1つを第1回転軸とし、前記第1回転軸以外の前記複数の回転軸を第2回転軸とすると、前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、前記転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下である、車両用駆動ユニット。
<付記8>
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイト量が、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、付記7に記載の車両用駆動ユニット。
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイト量が、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、付記7に記載の車両用駆動ユニット。
<付記9>
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、付記7又は付記8に記載の車両用駆動ユニット。
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、付記7又は付記8に記載の車両用駆動ユニット。
<付記10>
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における窒素濃度が、0.01質量パーセント以上である、付記7から付記9のいずれか1項に記載の車両用駆動ユニット。
前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における窒素濃度が、0.01質量パーセント以上である、付記7から付記9のいずれか1項に記載の車両用駆動ユニット。
以上のように本発明の実施形態について説明を行ったが、上述の実施形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むことが意図される。
100 転がり軸受、10 内輪、10a 第1幅面、10b 第2幅面、10c 内径面、10d 外径面、10da 軌道面、20 外輪、20a 第1幅面、20b 第2幅面、20c 内径面、20ca 軌道面、20d 外径面、30 転動体、30a 表面、40 保持器、110 モータ、111 モータ本体、112 回転軸、113 モータハウジング、114 転がり軸受、120 減速機、121,122,123 回転軸、124,125,126,127 ギア、128,129,130 転がり軸受、200 車両用駆動ユニット、A 中心軸、S1 準備工程、S2 焼入れ工程、S3 冷却工程、S4 焼戻し工程、S5 後処理工程、S6 組み立て工程。
Claims (10)
- 車両用駆動ユニットの回転軸を支持する転がり軸受であって、
焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を備え、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体の各々は、転がり面を有し、
前記内輪、前記外輪及び前記転動体のうちの少なくともいずれかの前記転がり面における硬さは、760Hv以上900Hv以下である、転がり軸受。 - 前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイト量は、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、請求項1に記載の転がり軸受。
- 前記内輪及び前記外輪のうちの少なくともいずれかの転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、請求項1に記載の転がり軸受。
- 前記内輪及び前記外輪のうちのすくなくともいずれかの転がり面表層における窒素濃度は、0.01質量パーセント未満である、請求項1に記載の転がり軸受。
- 第1回転軸と、
前記第1回転軸よりも回転速度が小さい第2回転軸と、
前記第1回転軸を支持している第1転がり軸受と、
前記第2回転軸を支持している第2転がり軸受とを備え、
前記第1転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第1内輪、第1外輪及び第1転動体を有し、
前記第1内輪、前記第1外輪及び前記第1転動体の各々は、第1転がり面を有し、
前記第2転がり軸受は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の第2内輪、第2外輪及び第2転動体を有し、
前記第2内輪、前記第2外輪及び前記第2転動体の各々は、第2転がり面を有し、
前記第2転がり面における硬さは、前記第1転がり面における硬さよりも大きく、
前記第1転がり軸受は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の前記転がり軸受である、車両用駆動ユニット。 - 前記第1内輪及び前記第1外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量は、前記第2内輪及び前記第2外輪の転がり面表層における残留オーステナイト量よりも小さい、請求項5に記載の車両用駆動ユニット。
- 複数の回転軸と、
複数の転がり軸受とを備え、
前記複数の転がり軸受の各々は、焼入れ及び焼戻しが行われた鋼製の内輪、外輪及び転動体を有し、
前記内輪、前記外輪及び前転動体の各々は、転がり面を有し、
前記複数の回転軸の各々は、前記複数の転がり軸受の各々により支持されており、
回転速度が最も遅い前記複数の回転軸のうちの1つを第1回転軸とし、前記第1回転軸以外の前記複数の回転軸を第2回転軸とすると、前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、前記転がり面における硬さが760Hv以上900Hv以下である、車両用駆動ユニット。 - 前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイト量が、2体積パーセント以上10体積パーセント以下である、請求項7に記載の車両用駆動ユニット。
- 前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における残留オーステナイトの転位密度は、5.0×1014m-2以上1.0×1017m-2以下である、請求項7に記載の車両用駆動ユニット。
- 前記第2回転軸を支持している前記複数の転がり軸受のうちの少なくとも1つの前記外輪、前記内輪及び前記転動体の少なくともいずれかでは、転がり面表層における窒素濃度が、0.01質量パーセント以上である、請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の車両用駆動ユニット。
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