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JP2024109499A - 座金 - Google Patents

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JP2024109499A
JP2024109499A JP2023023814A JP2023023814A JP2024109499A JP 2024109499 A JP2024109499 A JP 2024109499A JP 2023023814 A JP2023023814 A JP 2023023814A JP 2023023814 A JP2023023814 A JP 2023023814A JP 2024109499 A JP2024109499 A JP 2024109499A
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政晴 熊谷
Masaharu Kumagai
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Abstract

【課題】 一般市販のボルト又はナットに使用しても、所望の緩み止め効果を得ることができる座金を提供する。【解決手段】 座金6、7は被締結体3を締結するボルト2とナット5の間に介在され、座金6、7は周囲に外枠6g、7gを有する皿状に形成され、ボルト2又はナット5の六角部2c、5aを嵌合する六角形の凹所6a、7aを形成し、中央にボルト2のねじ部2aを挿通する透孔6b、7bが形成され、裏面には段差6c、7cが形成され、段差6c、7cの高所6d、7dと低所6e、7eとの間にはボルト2又はナット5のリード角の0.5~1倍とした傾斜面6f、7fが形成され、一方の座金6は凹所6aにボルト2又はナット5の六角部2c、5aを嵌合し、他方の座金7は開口側を被締結体3に当接させるとともに、両座金の裏面同士を接合し、ボルト2又はナット5が緩み方向に回動したとき、嵌合した座金の傾斜面6f、7fを摺動して一方の座金6を軸方向に移動させる。【選択図】図1

Description

本発明は、被締結体を締結するボルトとナットの間に介在される座金に関し、詳しくは、ボルト又はナットの緩み止め機能を有する座金に関する。
部品、部材を締め付け固定に使用する締結部材として、ナットおよびボルトが多岐の分野で使用されている。これらのナットおよびボルトは、部品、部材を固定するためのものであるが、締結部分に振動が与えられると緩むことがある。このため、従来から緩み止めを目的としたナットやボルトの構造、或いは、座金を利用して緩み止めを行う構造が種々提案され、実用に供されている。
このうち、座金を利用した緩み止め構造として、例えば、特開2015-17657号公報(特許文献1)、特開2011-220387号公報(特許文献2)、及び、実用新案登録第3113151号公報(特許文献3)に開示された緩み止め構造は、座金或いはナットの表面にボルトの回転方向を許容する傾斜面と、ボルトの回転を阻止する回転阻止部を円周方向に複数並べて形成し、各々の回転阻止部に嵌入させることにより回り止めを行うようにしている。
また、特許第7016204号公報(特許文献4)に開示された緩み止め締結構造は、締結具と前記被締結体との間に座金を介在させ、締結具と座金とが対向する面には、各々偶数個の高所と低所を形成し、この高所と低所の間には締結具のリード角方向と同じ斜面を形成し、この斜面の角度を締結具のリード角よりも小さい角度に形成している。この構造にすることにより、締結具が緩む方向に回転したとき、締結具と座金に形成した斜面により互いに離間しようとして、座金の座面を被締結体に押圧して摩擦力を増大させるとともに、締結具の回動変位を阻止することにより緩み止めを行うようにしている。
特開2015-17657号公報 特開2011-220387号公報 実用新案登録第3113151号公報 特許第7016204号公報
特許文献1~3に示した座金を使用した緩み止め構造は、ナットの座面及び座金の表面に傾斜面と回転阻止部を形成し、回転阻止部によって廻り止めを行うようにしている。しかし、いずれの緩み止め構造においても、ナットの表面には多数の傾斜面を鋸歯状に形成しているが、ナットの表面に多数の傾斜面を形成することは、プレス加工において困難があることから、実用に供されていない。また、ナットの表面に傾斜面を形成した場合、ナットのJIS規格から逸脱するため、汎用性のない特殊なナットとして、市場性を失う問題がある。また、ナット及び座金の表面には多数の傾斜面を形成した場合には、傾斜面の角度が大きくなるため、ナットが緩み方向に回転したとき、座金を回転付勢させて被締結体との摩擦力を失うことから、緩み止め効果を低減する問題がある。
また、特許文献4に示した緩み止め締結構造は、締結具と座金とが対向する面に、締結具のリード角よりも小さい角度の斜面を形成しているが、この緩み止め構造においても、特許文献1~3に示した緩み止め構造と同様に、ナットのJIS規格から逸脱するため、汎用性のない特殊なナットに該当する問題がある。さらに、ナットの対向面に斜面を形成することは、困難性を伴うものの可能であっても、ボルトにおける対向する面、すなわちネジ部の基端周縁に斜面を形成することは極めて困難であり、実質的に量産できない問題がある。
本発明が解決しようとする課題は、一般市販のボルト又はナットに使用しても、所望の緩み止め効果を得ることができる座金を提供することにある。
そこで、本発明による座金は、被締結体を締結するボルトとナットの間に介在される座金であって、前記座金は周囲に外枠を有する皿状に形成され、前記ボルト又はナットの六角部を嵌合する六角形の凹所を形成するとともに、中央に前記ボルトのねじ部を挿通する透孔が形成され、前記凹所の反対面の裏面には段差が形成され、前記段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じであって前記リード角の0.5~1倍とした傾斜面が形成され、一対の前記座金のうち一方の前記座金は前記凹所に前記ボルト又はナットの六角部を嵌合し、他方の前記座金は開口側を前記被締結体に当接させるとともに、両座金の裏面同士を接合し、前記前記ボルト又はナットが緩み方向に回動したときに、嵌合した前記座金の傾斜面を摺動して前記座金の一方を軸方向に移動させることを要旨としている。
また、前記座金の裏面には、偶数個の段差を等間隔に形成し、各々の前記段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じ傾斜面が形成され、各前記高所と低所の間に前記リード角方向と同じ傾斜角の斜面部を各々形成している。
さらに、前記座金に形成された外枠を、開口端が開拡する角度にように傾斜させても良い。
さらにまた、前記座金の裏面に平座金の一方面を接合し、前記平座金の一部にはスリットが形成され、このスリットの一方側と他方側の板厚を異ならせた段差を形成し、この段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じ傾斜面を形成しても良い。
本発明によれば、ボルトとナットの間に介在される座金は、六角形の凹所を形成した皿状に形成し、裏面に段差と傾斜面を形成し、一方の回転側座金の凹所にはボルト又はナットの六角部を嵌合するようにしているので、市販されているJIS規格のボルト又はナットを使用することが可能となる。また、回転側座金と同じ構成の座金を反転して固定側座金としているので、この固定側座金の開口側を被締結体に当接させることができる。このように回転側座金と固定側座金を同じ構成とすることにより、座金の製造が容易になり、コストを低減することができる。さらに、2個の座金の一方をボルト又はナットに装着するとともに、他方の座金を反転して被締結体に当接させる簡易な作業のため、装着時の作業性を向上させることができる。しかも、一対の座金が同じ構成としているので、ボルト又はナットを締め付けたときに、軸方向の荷重が座金の外枠に均等に印可されるので、耐荷重が向上して変形等を防止することができる。
また、座金の裏面に偶数個の段差を等間隔に形成し、各々の段差の高所と低所との間にリード角方向と同じ傾斜角の斜面部を各々形成することにより、ボルト又はナットを締め付け方向に回転したとき、小さな回転角で両座金の段差に当接させることができ、締め付け作業が迅速になる。また、段差及び傾斜部をプレス加工によって押圧形成するときに、プレスのパンチを傾斜させることなく垂直方向に均等に押圧できるので、パンチの変形を未然に防止することができる。
さらに、皿状に形成した座金の開口側の外周に形成された外枠を開口側が開拡する角度に傾斜させることにより、ボルト又はナットを締め付けたとき、被締結体に当接させた固定側座金を回転側座金によって押圧したとき、開口側が弾性に抗して開口側が開拡しようとするので、固定側座金の弾力によって緩み止め効果を助長させることが可能となる。
さらにまた、座金の裏面に接合する平座金の一部にスリットを形成し、このスリットの一方側と他方側の板厚を異ならせて段差を形成すると、スリットを境に面方向に捻ることにより螺旋状の傾斜面を形成することができる。このため、傾斜面を形成するプレスのパンチを使用することがないので、傾斜面によるパンチが偏荷重を受けて損傷ことが未然に防止できる。
本発明の座金による締結状態を示す断面図である。 (A)(B)は、図1に示す座金の斜視図である。 一対の座金の断面図である。 座金の装着過程を示す説明図である。 (A)はナットを締め付けた状態、(B)はナットが緩む状態、(C)はナットが緩もうとしたときのナットとボルトのネジ部の状態を示す説明図である。 本発明の座金の変形例を示す断面図である。 (A)(B)は、本発明の座金の他の変形例を示す平面図である。 段差及び傾斜部を1つにした座金を示す斜視図である。 (A)(B)は、スリットを形成した平座金を示す斜視図である。 図9に示す平座金を接合した一対の座金を示す断面図である。 ボルトに座金を装着する状態を示す説明図である。
本発明の座金は、被締結体を締結するボルトとナットの間に介在される座金であって、前記座金は周囲に外枠を有する皿状に形成され、前記ボルト又はナットの六角部を嵌合する六角形の凹所を形成するとともに、中央に前記ボルトのねじ部を挿通する透孔が形成され、前記凹所の反対面の裏面には段差が形成され、前記段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じであって前記リード角の0.5~1倍とした傾斜面が形成され、一対の前記座金のうち一方の前記座金は前記凹所に前記ボルト又はナットの六角部を嵌合し、他方の前記座金は開口側を前記被締結体に当接させるとともに、両座金の裏面同士を接合し、前記前記ボルト又はナットが緩み方向に回動したときに、嵌合した前記座金の傾斜面を摺動して前記座金の一方を軸方向に移動させるようにしている。
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。図1から図3は、本発明による座金の実施例を示し、図1は、締結具としてのナットとボルトにより被締結体を締結した状態を示している。例えば金属板からなる基板1には貫通孔1aが形成され、この貫通孔1aにボルト2のねじ部2aが挿通されている。この基板1には、貫通孔3aが形成された金属板等の被締結体3が重合されていて、貫通孔3aにボルト2のねじ部2aが挿通されている。ボルト2のねじ部2aの先端側は、被締結体3よりも突出させている。ボルト2は一般市販品の六角ボルトであり、頭部の六角部2cの座面2bは基板1に面接合されていて、締め付け状態では摩擦作用によって不動となっている。ボルト2のねじ部2aの先端側にはナット5が螺合されていて、被締結体3とナット5の間には、後述する重合された一対の座金6、7を介在している。ナット5は一般市販の六角ナットの規格に従った構成となっていて、六角部5aは六角形に形成されている。
一対の座金6、7は、図2、図3に示すように、同じ構成であり、一方の座金6はナットの六角部5aに嵌合することから、以下、回動座金6と称し、他方の座金7は被締結体3に固定されることから、以下、固定座金7と称して説明する。
回動座金6は、鋼板或いはステンレス板等の金属板によって、周囲に外枠6gを有する皿状に形成されている。この回動座金6の板厚は、六角ナットの規格寸法によって異ならせるが、概ね0.5mm~2mmとすることが好ましい。この皿状に形成した回動座金6の開口側には、ナット5の六角部5aを嵌合するように、六角形の凹所6aが形成され、周囲に外枠6gが形成されている。この凹所6aの深さは、ナットの規格寸法の厚さに対して3分の1乃至10分の1としている。なお、深さは、ナット5を所定の回転トルクで締め付けるときに、回動座金6の外枠6gが外方に拡開して離脱しない耐荷重になるように設定される。さらに、回動座金6の中央には、ボルト2のねじ部2aを挿通する透孔6bが形成されている。
回動座金6の凹所6aとは反対面の裏面には、図2(B)に示すように、段差6cが中心線上の2個所に形成されている。この段差6cの高さは、六角ナットの規格寸法に応じて異なるが、概ね0.3mmから1mmとなる。さらに、段差6cの高所6dと低所6eの間には、傾斜面6fが各々形成されている。この傾斜面6fは、ボルト2又はナット5のリード角方向と同じ傾斜であって、ボルト2、ナット5のネジ部のリード角の0.5~1倍としている。傾斜面6fの傾斜角度は、後述するように、リード角よりも大きい場合には、ナット5が緩み方向に回転したときに、初期から急角度の斜面によって回転が阻止されるとともに、固定座金7を追随して回転させることから、ナット5の緩み止め作用を喪失させることになる。また、リード角より大幅に小さくした場合には、緩み方向に回転するナット5の回転角が大きくしなければ緩み止め作用が生じない。このため、傾斜面6fは、ナット5が緩もうとしたときに速やかに緩み止め作用を生じさせる一方、固定座金7を回転させない傾斜角に設定している。因みに、M10の六角ナットの場合、リード角が約3度であることから、傾斜面6fの角度は、1.5度から3度に設定される。
一方、固定座金7は、図3に示すように、上述した回動座金6の表裏を反転したものであり、構成は回動座金6と同じである。すなわち、固定座金7も周囲に外枠7gを有する皿状に形成され、開口側には六角形の凹所7aが形成され、中央には、ボルト2のねじ部2aを挿通する透孔7bが形成されている。さらに、凹所7aとは反対面の裏面には、回転座金6と同じように段差7cが中心線上の2個所に形成されに、段差7cの高所7dと低所7eの間には、傾斜面7fが各々形成されている。この傾斜面7fもボルト2又はナット5のリード角方向と同じ傾斜方向であり、その傾斜角もネジ部のリード角の0.5~1倍としている。
このように、回動座金6と固定座金7を同一の構成に形成することにより、座金としては1種類を製造すれば良く、製造するためのプレス金型が1種類にできるので、製造コストを低減することが可能となる。また、被締結体3を締結するときに、一方を反転させて介在させれば良いので、回動座金6と固定座金7の判別作業が不要になり、作業性を向上させることができる。
次に、図4により、回動座金6と固定座金7の装着手順について説明する。まず、固定座金7の凹所7aの開口を被締結体3に向けてボルト2のねじ部2aに挿通し、外枠7gの開口端を被締結体3に当接させる。次に、回動座金6の裏面が固定座金7の裏面に接合するようにボルト2のねじ部2aに挿通する。さらに、ナット5をボルト2のねじ部2aに螺合して、ナット5の六角部5aを回動座金6の凹所6aに嵌合する。その後、嵌合により一体となった状態でナット5をさらに螺合する。
このように、ナット5に一体となった回動座金6を締め付け方向に回転すると、回動座金6の段差6cが固定座金7の段差7cに当接することにより、固定座金7が回動座金6に従動して回動し、ナット5が所定の締め付けトルクに達したときに停止する。この状態では、図5(A)に示すように、固定座金7の外枠7gの端面が被締結体3に強固に押圧され不動の状態になる。このとき、回動座金6外枠6gがほぼ直角に立ち上がっているので、外枠7gを軸方向に押圧するので、固定座金7は変形することない。また、被締結体3の硬度が固定座金7の硬度よりも小さい場合には、図5(A)に示す円内のように、外枠7gの端面が被締結体3に食い込むので、固定座金7の回転が阻止されるようになる。
ナット5を締め付けた状態から、被締結体3及びナット5に外部から振動が与えられると、ナット5と一体に回動座金6反時計方向に回転して緩みが生ずる。このとき、図5(B)に示すように、固定座金7は外枠7gの端面が被締結体3に強固に押圧されているので不動の状態となっている。このため、ナット5と一体の回動座金6のみが回転する。このとき、回動座金6の傾斜面6fが固定座金7の傾斜面7fを摺動して、図5(C)に示すように、ナット5が固定座金7と回動座金6の傾斜面6f、7fが摺動して上方に押し上げられるので、ナット5とのねじ山が上方に移動してボルト2のねじ山を押圧するので摩擦力が増大し、ナット5の緩み方向の回転が阻止される。一方、固定座金7は被締結体3の方向に押圧されることから不動状態が維持される。
この結果、ナット5の緩みが停止する。なお、停止した状態では、ナット5が僅かな角度で回転しているが、さらにナット5が緩み方向に回転しようとすると、回動座金6が固定座金7の傾斜面7fによって上方に移動し、ナット5とのねじ山を押圧するとともに、回動座金6が被締結体3を押圧して摩擦力が増大するので、さらに緩み止め作用が継続される。仮に、ナット5が大きく回転した場合であっても、短時間にナット5と回動座金6を阻止するので、ナット5の脱落が阻止される。
図6は、回動座金6及び固定座金7の変形例を示し、前述した実施例と相違する点は、両者の外枠の開口側が開拡するように傾斜させたことである。なお、その他の構成は、前述した実施例と同じであり、詳細な説明は省略する。回動座金6及び固定座金7の外枠の6h、7hの凹所6a、7aに対する傾斜角度は、30度乃至60度にすることが望ましく、回動座金6等の材質、板厚によって異なるが、30度以下ではナット5を締め付けたときに変形もしくは座屈することがあり、60度以上ではばね効果が得られないことがある。また、外枠を拡開すると、形状によってはナット5の外面が外枠6gの内面に接合しない場合もあるが、凹所6aの底面と外枠6gの角部がナット5に底面角部に当接しているので、ナット5は回動座金6と一体となって締め付けられる。
このように、外周縁を傾斜した回動座金6及び固定座金7の装着手順も、前述した実施例と同じである。回動座金6及び固定座金7を装着し、ナット5を締め付け方向に回転すると、固定座金7が軸方向の圧力を受け、固定座金7が有する弾力に抗して外枠7hの開口側が外方に拡開しようとする。これにより、回動座金6のばね作用によって、ナット5の緩み止め効果を助長させることが可能となる。
図7は、回動座金6及び固定座金7の他の変形例を示し、図7(A)に示す例は、回動座金6及び固定座金7の外枠6i、7iを六角形の各辺毎に各々起立させている。また、図7(B)に示す例は、6辺のうち4辺の外枠6j、7jを対称に起立形成している。なお、その他の構成は、前述した実施例と同じであり、詳細な説明は省略する。いずれの例においても、外枠6i、7iの各辺を折り曲げて起立形成するので、回動座金6及び固定座金7の板厚が大きい場合には、前述した回動座金6及び固定座金7のようなプレスによる絞り加工ではなく、加工が容易な板金の折り曲げ加工によって形成できるので、コストを低減することが可能になる。
図8は、回動座金6及び固定座金7のさらに他の変形例を示し、裏面に形成する段差6cを1個所とし、段差6cの高所6dから低所6eのほぼ1周にわたり傾斜面6fを形成した例である。このように、段差6cを1個所にすることにより、傾斜面6fの角度を小さくすることができる。これにより、被締結体3及びナット5が振動により緩み方向に回転するとき、傾斜角度が緩やかなことから、回動座金6及びナット5が緩み始めの初動時における回転が容易になるので、緩み止め作用の確実性が向上する。なお、この例においても、装着手順は同じであり、装着するとき、回動座金6と固定座金7の段差6c同士が当接して回転させることができる。
図9は、回動座金6及び固定座金7の裏面に接合する平座金を示している。ここで、図9(A)は、回動座金6の裏面に接合する平座金8を示し、図9(B)は、固定座金7の裏面に接合する平座金9を示している。なお、平座金8と平座金9は、前述した回動座金6及び固定座金7と同様に、同一の構成としているので、一方の平座金8について詳述する。
平座金8は、回動座金6及び固定座金7と同様に、鋼板或いはステンレス板等の金属板によって円環状に形成され、中央にはボルト2のねじ部2aを挿通する透孔8aが形成されている。平座金8の板厚は、概ね0.5mm~2mmといているが、六角ナットの規格寸法によって異ならせることが好ましい。この平座金8の一部にはスリット8bが形成され、このスリット8bの一方側と他方側は、板厚を異ならせることによって、段差8cを形成している。これにより、板厚が厚い一方側が、前述した回動座金6の高所6dと同様の高所8dとなり、板厚が薄い他方側が、前述した回動座金6の低所6eと同様の低所8eとなる。また、この段差8cの寸法は、六角ナットの規格寸法に応じて異なるが、概ね0.3mmから1mmとしている。なお段差8cの寸法は、スリット8bの一方側と他方側の板厚を異ならせることにより形成される。また、平座金8の段差8cとは反対の図示上方の面は、ほぼ平坦に形成され、この平坦面を図10に示すように回動座金6の裏面に接合する。平座金8と回動座金6は一体化する必要があり、このため、図10に示すように平座金8の外周と回動座金6の裏面を、例えば溶接10によって固着する。
そして、高所8dから低所8eに至るほぼ1周にわたり傾斜面8fが形成されている。このように、スリット8bにより段差8cを形成することにより、傾斜面8fの角度を小さくすることができる。この結果、傾斜角度が緩やかなことから、平座金8及びナット5が緩み始めに容易に回転することから、確実に緩み止めが可能となる。
一方、図9(B)に示す平座金9は、上述した平座金8と同一の構成とし、表裏を反転したものである。従って、平座金9の一部にはスリット9bが形成され、スリット9bの一方側と他方側の間には段差9cを形成し、板厚が厚い一方側を高所9dとし、板厚が薄い他方側を低所9eとしている。また、高所9dから低所9eに至るほぼ1周にはわたり傾斜面9fが形成され、段差9cとは反対の面は、ほぼ平坦に形成している。そして、平座金9は、固定座金7の裏面に、図10に示すように、溶接10によって固着する。このように、固定座金7に平座金9を固着した構成は、前述した固定座金7と同じである。
平座金8、9は、いわゆる市販のばね座金と類似し、相違する点は、傾斜面の傾斜方向が異なることと、回動座金6及び固定座金7の裏面に接合する面を平坦にしていることである。このため、平座金8、9は、市販のばね座金とほぼ同様の工法により製造することが可能であり、最終工程において、回動座金6及び固定座金7の裏面に接合する面を、切削加工又は圧潰加工によって平坦に加工すれば製造できる。このため、平座金8、9は簡易で安価に製造することが可能となる。
図11は、前述した回動座金6及び固定座金7をボルト2の緩み止めとして使用した実施例を示している。回動座金6及び固定座金7の構成は、図2、図3と同じである。ボルト2は、一般市販品の六角ボルトであり、頭部の六角部2cは、JIS規格によって形状及び寸法が定められていて、六角部2cの六角形状はナット5の六角形状と同じである。なお、図11に示す実施例は、金属板からなる基板1にネジ孔1bが形成されていて、このネジ孔1bにボルト2のねじ部2aを螺合するようにしている。なお、前述した実施例における基板1に形成された貫通孔1aにねじ部2aを挿通し、基板1の裏面から突出させたねじ部2aにナット5を螺合させるようにしても良い。
次に、ボルト2の緩み止めを行うための回動座金6と固定座金7の装着手順について説明する。まず、回動座金6をボルト2のねじ部2aに挿通し、凹所6aを頭部の六角部2cに嵌合する。その後、固定座金7の凹所7aが被締結体3に向かうようにしてボルト2のねじ部2aに挿通する。そして、固定座金7の外枠7gの開口側の端面を被締結体3に当接させた後、ボルト2を締め付け方向に螺合することにより、回動座金6の裏面に固定座金7の裏面が当接する。さらにボルト2を締め付け方向に回転すると、回動座金6の段差6cが固定座金7の段差7cに当接することにより、固定座金7が回動座金6に従動して回動し、その後、ボルト2が所定の締め付けトルクに達したときに停止する。この状態では、固定座金7の外枠7gの端面が被締結体3に強固に押圧されて不動の状態になる。また、前述した実施例と同様に、回動座金6の外枠6gが、固定座金7の外枠7gを軸方向に押圧するので、固定座金7は変形することない。また、固定座金7の外枠7gの端面によって被締結体3を押圧することにより、外枠7gの端面が被締結体3に食い込み、固定座金7の回転が阻止される。
このように、ボルト2を締め付けた状態から、被締結体3及びボルト2に外部から振動が与えられると、ボルト2と一体に回動座金6反時計方向に回転して緩みが生ずる。このとき、固定座金7は外枠7gの端面が被締結体3に強固に押圧されているので不動の状態が保持される。このため、ボルト2と一体の回動座金6のみが回転する。このとき、回動座金6の傾斜面6fが固定座金7の傾斜面7fを摺動して、ボルト2が固定座金7と回動座金6の傾斜面6f、7fが摺動して上方に押し上げ、基板1に形成したネジ孔1bのねじ山を押圧することから摩擦力を増大させるので、ボルト2の緩み方向の回転が阻止される。一方、固定座金7は被締結体3の方向に押圧されることから不動状態が維持される。この結果、ボルト2の緩みが停止すること、及び、その後にボルト2が緩もうとした場合については、前述したナット5の場合と同様である。
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。ボルト及びナットは、JISねじ、インチねじのいずれにも適用可能であり、また、右ねじ或いは左ねじのいずれにも適用される。なお、左ねじのボルト及びナットに使用する場合は、段差と傾斜面の方向が、前述した実施例とは反対になる。
1 基板
2 六角ボルト
2a ねじ部
3 被締結体
5 六角ナット
5a 六角部(頭部)
6 回動座金
6a 凹所
6b 透孔
6c 段差
6d 高所
6e 低所
6f 傾斜面
6g 外枠
7 固定座金
7a 凹所
7b 透孔
7c 段差
7d 高所
7e 低所
7f 傾斜面
7g 外枠

Claims (4)

  1. 被締結体を締結するボルトとナットの間に介在される座金であって、
    前記座金は周囲に外枠を有する皿状に形成され、前記ボルト又はナットの六角部を嵌合する六角形の凹所を形成するとともに、中央に前記ボルトのねじ部を挿通する透孔が形成され、前記凹所の反対面の裏面には段差が形成され、前記段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じであって前記リード角の0.5~1倍とした傾斜面が形成され、
    一対の前記座金のうち一方の前記座金は前記凹所に前記ボルト又はナットの六角部を嵌合し、他方の前記座金は開口側を前記被締結体に当接させるとともに、両座金の裏面同士を接合し、前記前記ボルト又はナットが緩み方向に回動したときに、嵌合した前記座金の傾斜面を摺動して前記座金の一方を軸方向に移動させることを特徴とする座金。
  2. 前記座金の裏面には、偶数個の段差が等間隔に形成され、前記段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じ傾斜面が形成され、各前記高所と低所の間に前記リード角方向と同じ傾斜角の斜面部が各々形成された請求項1に記載の座金。
  3. 前記座金に形成された外枠を、開口端が開拡する角度にように傾斜させた請求項1に記載の座金。
  4. 前記座金の裏面に平座金の一方面を接合し、
    前記平座金の一部にはスリットが形成され、このスリットの一方側と他方側の板厚を異ならせた段差を形成し、この段差の高所と低所との間には前記ボルト又はナットのリード角方向と同じ傾斜面を形成した請求項1及び4に記載の座金。
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