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JP2024150782A - 複合目症状改善用眼科組成物 - Google Patents

複合目症状改善用眼科組成物 Download PDF

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JP2024150782A
JP2024150782A JP2024131251A JP2024131251A JP2024150782A JP 2024150782 A JP2024150782 A JP 2024150782A JP 2024131251 A JP2024131251 A JP 2024131251A JP 2024131251 A JP2024131251 A JP 2024131251A JP 2024150782 A JP2024150782 A JP 2024150782A
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貴之 宮野
孝弘 黒瀬
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Rohto Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】目の諸症状を改善できる眼科組成物を提供すること。【解決手段】(A)ビタミンA類から選択される少なくとも1種を4万~20万IU/100mL、及び(B)脂溶性抗酸化剤を含有する、複合目症状改善用眼科組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、複合目症状改善用眼科組成物に関する。
目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼瞼炎、眼のかゆみ、光線による眼炎、及び眼病などの目の症状を緩和したり、予防したりするために、多くの眼科組成物が市販され、使用されている。それらの眼科組成物は、通常、一般用医薬品の眼科用剤の有効成分として承認されている、充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤、アミノ酸類、サルファ系抗菌剤、無機塩類、高分子粘稠剤、及び防腐成分などの成分、並びにその他の添加剤などを組み合わせて配合することにより、調製される(例えば、特許文献1)。
特開2004-59479号公報
近年、パソコンの普及による目の酷使、コンタクトレンズの普及、抗原物質の飛散増加などにより、さらに効果的に目の症状を改善できる眼科組成物が求められている。
本発明は、目の諸症状を改善できる眼科組成物を提供することを目的とする。
本発明は、複合目症状改善用眼科組成物に関し、当該眼科組成物によれば、所定量の(A)ビタミンA類と(B)脂溶性抗酸化剤とを組み合わせて配合することにより、複合目症状を顕著に改善することができる。
本発明は、例えば、以下の各発明を提供する。
[1]
(A)ビタミンA類を4万~20万IU/100mL、及び(B)脂溶性抗酸化剤を含有する、複合目症状改善用眼科組成物。
[2]
(A)成分として、レチノール、及びその誘導体、並びにそれらの塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]に記載の眼科組成物。
[3]
更に(C)充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤、及びアミノ酸類からなる群より選択される少なくとも1種の成分を含有する、[1]又は[2]に記載の眼科組成物。
[4]
複合目症状が、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼瞼炎、眼のかゆみ、光線による眼炎、眼病、視覚機能の低下、及び眼の不快感からなる群より選択される2以上の目症状が複合した症状である、[1]~[3]のいずれかに記載の眼科組成物。
[5]
更に緩衝剤を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の眼科組成物。
[6]
更に非イオン界面活性剤を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の眼科組成物。
[7]
更にテルペノイドを含む、[1]~[6]のいずれかに記載の眼科組成物。
本発明によれば、目の諸症状を改善できる眼科組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態に係る複合目症状改善用眼科組成物(単に「眼科組成物」ということもある。)は、(A)ビタミンA類(「(A)成分」ともいう。)を4万~20万IU/100mL、及び(B)脂溶性抗酸化剤(「(B)成分」ともいう。)を含有する。
本明細書において、「複合目症状」とは、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼瞼炎、眼のかゆみ、光線による眼炎、眼病、視覚機能の低下、及び眼の不快感といった目の症状が2以上複合した症状を意味する。複合目症状は、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼のかゆみ、視覚機能の低下、及び眼の不快感(例えば、ハードコンタクトレンズ又はソフトコンタクトレンズを装着しているときの不快感)といった目の症状が2以上複合した症状であることが好ましく、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼のかゆみ、視覚機能の低下、及び眼の不快感といった目の症状が複合した症状であることがより好ましい。複合目症状としては、例えば、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼瞼炎、眼のかゆみ、光線による眼炎、眼病、及びハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感であってよく、目の疲れ、結膜充血、目のかすみ、眼瞼炎、眼のかゆみ、光線による眼炎、眼病、ハードコンタクトレンズを装着しているときの不快感、及び視覚機能の低下であってもよい。また、複合目症状の改善には、複合目症状の緩和、治療及び予防が含まれる。
〔(A)成分〕
(A)成分であるビタミンA類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。ビタミンA類の具体例としては、例えば、レチノール(ビタミンA1)、3-デヒドロレチノール(ビタミンA2)及びそれらの誘導体、並びにそれらの塩が挙げられる。
ビタミンA類の誘導体の形態としては、例えば、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、酪酸レチノール、プロピオン酸レチノール、オクチル酸レチノール、ラウリル酸レチノール、オレイン酸レチノール及びリノレン酸レチノール等の1価のカルボン酸とのエステルが挙げられる。
ビタミンA類の塩の形態としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩等)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩等)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩等)等]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩等)、有機塩基との塩(例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩等)、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩等]等が挙げられる。これらの塩は1種のものを選択して単独で使用してもよく、2種以上のものを任意に組み合わせて使用してもよい。
ビタミンA類としては、レチノールの誘導体が好ましく、レチノールと1価のカルボン酸とのエステルがより好ましく、パルミチン酸レチノール及び酢酸レチノールが更に好ましい。
ビタミンA類としては、合成物を使用してもよいし、又は天然物から得られる抽出物(例えば、ビタミンA油など)を使用してもよい。ビタミンA油とは、レチノールを含有する動物の組織等から得られる脂肪油、若しくはその濃縮物、又はそれらに植物油を適宜添加したものである。ビタミンA類として、市販されているものを使用することもできる。ビタミンA類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における(A)成分の含有量は、眼科組成物の総量を基準として、(A)成分の総含有量が、4万~20万IU/100mLであることが好ましく、4万~10万IU/100mLであることがより好ましく、4.5万~6万IU/100mLであることが更に好ましく、4.8万~5.5万IU/100mLであることが更により好ましい。
「IU」とは、第十六改正日本薬局方ビタミンA定量法等に記載の手法により求められる国際単位を意味する。例えば、第十六改正日本薬局方の医薬品各条において、酢酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA250万単位以上を含むこと、パルミチン酸レチノールの場合、1gにつきビタミンA150万単位以上を含むことが記載されている。
〔(B)成分〕
(B)成分である脂溶性抗酸化剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。脂溶性抗酸化剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、トコフェロール誘導体(酢酸トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸トコフェロール、コハク酸トコフェロールカルシウムなど)、ノルジヒドログアヤレチン酸、没食子酸プロピル、脂溶性ビタミンC誘導体、及びそれらの塩が挙げられる。トコフェロール及びトコフェロール誘導体は、α、β、γ、δ-トコフェロール及びそれらの誘導体であってよく、またd体(天然ビタミンE等)及びdl体のいずれであってもよい。
脂溶性抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、トコフェロール誘導体及びそれらの塩が好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール誘導体がより好ましく、ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸d-α-トコフェロールが更に好ましい。
(B)脂溶性抗酸化剤は、市販されているものを使用してもよい。脂溶性抗酸化剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。脂溶性抗酸化剤は、2種以上を組み合わせて使用することが好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(B)成分の含有量は特に限定されず、(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、(B)成分の総含有量が、0.00001~1w/v%であることが好ましく、0.0001~0.5w/v%であることがより好ましく、0.001~0.1w/v%であることが更に好ましく、0.004~0.075w/v%であることが更により好ましい。
(B)成分としてジブチルヒドロキシトルエンを使用する場合、ジブチルヒドロキシトルエンの含有量としては、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.00001~0.1w/v%であることが好ましく、0.0001~0.05w/v%であることがより好ましく、0.001~0.01w/v%であることが更に好ましく、0.004~0.006w/v%であることが更により好ましい。
(B)成分として酢酸トコフェロールを使用する場合、酢酸トコフェロールの含有量としては、例えば、眼科組成物の総量を基準として、0.001~1w/v%であることが好ましく、0.005~0.5w/v%であることがより好ましく、0.01~0.1w/v%であることが更に好ましく、0.03~0.075w/v%であることが更により好ましく、0.04~0.06w/v%であることが特に好ましく、0.045~0.055w/v%であることが最も好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(B)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(B)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(B)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1万IUに対して、(B)成分の総含有量が、0.0001~0.1g/1万IUであることが好ましく、0.0005~0.025g/1万IUであることがより好ましく、0.001~0.015g/1万IUであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、更に(C)充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤及びアミノ酸類からなる群より選択される少なくとも1種の成分(「(C)成分」ともいう。)を含有するのが好ましい。
〔(C)成分〕
(C)成分である充血除去剤は、充血を抑制する作用を有する化合物、及びその塩である。充血除去剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。充血除去剤として、例えば、イミダゾリン系充血除去薬等の公知の充血除去剤を適宜選択して使用することができる。
充血除去剤の具体例としては、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、オキシメタゾリン、キシロメタゾリン、エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、及びそれらの塩が挙げられる。充血除去剤としては、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、及びそれらの塩が好ましく、塩酸テトラヒドロゾリンがより好ましい。
充血除去剤は、市販されているものを使用してもよい。充血除去剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分である眼筋調節剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。眼筋調節剤として、例えば、アセチルコリンと類似した活性中心を有するコリンエステラーゼ阻害剤が挙げられる。
眼筋調節剤の具体例としては、ネオスチグミン、トロピカミド、ヘレニエン、アトロピン及びそれらの塩が挙げられる。眼筋調節剤としては、ネオスチグミン及びその塩が好ましく、メチル硫酸ネオスチグミンがより好ましい。
眼筋調節剤は、市販されているものを使用してもよい。眼筋調節剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分である抗炎症剤は、抗炎症作用又は消炎作用を有する化合物、及びその塩である。抗炎症剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗炎症剤の具体例としては、ベルベリン、アズレン類(アズレン、アズレンスルホン酸、カマアズレン、グアイアズレン等)、アラントイン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム、グリチルリチン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、セレコキシブ、ロフェコキシブ、インドメタシン、ジクロフェナク、ブロムフェナク、ピロキシカム、メロキシカム、サリチル酸メチル、イブプロフェン、イブプロフェンピコノール、ブフェキサマク、フルフェナム酸ブチル、ベンダザック、ケトプロフェン、フェルビナク、プラノプロフェン及びそれらの塩が挙げられる。抗炎症剤としては、ベルベリン、アズレンスルホン酸、アラントイン、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、グリチルリチン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、プラノプロフェン及びそれらの塩が好ましく、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、アラントイン、グリチルリチン酸二カリウム、イプシロン-アミノカプロン酸がより好ましく、グリチルリチン酸二カリウムが更に好ましい。
抗炎症剤は、市販されているものを使用してもよい。抗炎症剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分である抗ヒスタミン剤は、抗ヒスタミン作用を有する化合物、及びその塩である。抗ヒスタミン剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
抗ヒスタミン剤の具体例としては、クロルフェニラミン、イプロヘプチン、ジフェンヒドラミン、ケトチフェン、オロパタジン、レボカバスチン、及びそれらの塩が挙げられる。抗ヒスタミン剤としては、クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、及びそれらの塩が好ましく、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミンがより好ましく、マレイン酸クロルフェニラミンが更に好ましい。
抗ヒスタミン剤は、市販されているものを使用してもよい。抗ヒスタミン剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分であるビタミン剤(但し、(A)成分又は(B)成分に該当する成分は除く。)は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、公知のビタミンから適宜選択して使用することができる。
ビタミン剤の具体例としては、ビタミンB1、ビタミンB2(フラビンアデニンジヌクレオチド)、ナイアシン(ニコチン酸及びニコチン酸アミド)、パントテン酸、パンテノール、ビタミンB6(ピリドキシン、ピリドキサール及びピリドキサミン)、ビオチン、葉酸及びビタミンB12(シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、メチルコバラミン及びアデノシルコバラミン)及びそれらの塩等の水溶性ビタミンが挙げられる。ビタミンの塩の具体例としては、例えば、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、塩酸ピリドキシン、パントテン酸カルシウム及びパントテン酸ナトリウム等が挙げられる。ビタミン剤としては、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチド、パンテノール、ピリドキシン及びそれらの塩が好ましく、シアノコバラミン、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、パンテノール及び塩酸ピリドキシンがより好ましく、塩酸ピリドキシンが更に好ましい。
ビタミン剤は、市販されているものを使用してもよい。ビタミン剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分であるアミノ酸類は、分子内にアミノ基とカルボキシル基を有する化合物、及びその誘導体、並びにそれらの塩である。アミノ酸類は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されず、公知のアミノ酸類から適宜選択して使用することができる。
アミノ酸類の具体例としては、アミノ酸及びその塩、アミノ酸誘導体及びその塩、並びにムコ多糖及びその誘導体及びそれらの塩が挙げられる。アミノ酸及びその塩の具体例としては、例えば、グリシン、アラニン、アミノ酪酸、及びアミノ吉草酸等のモノアミノモノカルボン酸、アスパラギン酸、及びグルタミン酸等のモノアミノジカルボン酸、アルギニン、及びリジン等のジアミノモノカルボン酸、並びにそれらの塩が挙げられる。アミノ酸誘導体及びその塩の具体例としては、例えば、アミノエチルスルホン酸(タウリン)等のアミノ酸誘導体及びその塩が挙げられる。ムコ多糖及びその誘導体並びにそれらの塩としては、コンドロイチン硫酸及びその塩が挙げられる。アミノ酸類は、D体、L体、DL体のいずれでもよい。アミノ酸類としては、モノアミノジカルボン酸、アミノ酸誘導体、ムコ多糖及びそれらの塩が好ましく、アスパラギン酸、タウリン、コンドロイチン硫酸及びそれらの塩がより好ましく、アスパラギン酸カリウム、アスパラギン酸マグネシウム、アスパラギン酸マグネシウム・カリウム(等量混合物)、タウリン、コンドロイチン硫酸ナトリウムが更に好ましく、タウリンが更により好ましい。
アミノ酸類は、市販されているものを使用してもよい。アミノ酸類は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(C)成分における「塩」としては、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。具体的には、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等の無機塩基との塩、有機塩基との塩等の塩基性塩があり、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、又はジエタノールアミン、エチレンジアミン等との塩が挙げられる。また、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、エタノールアミン、N-メチルグルカミン、L-グルカミン等のアミンの塩;リジン、δ-ヒドロキシリジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩等であってもよい。さらに、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸、グルコン酸、パルミチン酸等の有機酸との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩であってもよい。(C)成分における「塩」には、塩の溶媒和物及び水和物が含まれる。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)成分の含有量は特に限定されず、(C)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(C)成分の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、(C)成分の総含有量が、0.0001~10w/v%であることが好ましく、0.0005~5w/v%であることがより好ましく、0.001~2w/v%であることが更に好ましく、0.01~1w/v%であることが更により好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)充血除去剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~1w/v%であることが好ましく、0.0005~0.5w/v%であることがより好ましく、0.001~0.1w/v%であることが更に好ましく、0.01~0.05w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)眼筋調節剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0001~0.1w/v%であることが好ましく、0.001~0.01w/v%であることがより好ましく、0.004~0.005w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)抗炎症剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.0005~5w/v%であることが好ましく、0.005~1w/v%であることがより好ましく、0.05~0.5w/v%であることが更に好ましく、0.2~0.25w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)抗ヒスタミン剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.001~1w/v%であることが好ましく、0.005~0.1w/v%であることがより好ましく、0.015~0.05w/v%であることが更に好ましく、0.025~0.04w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)ビタミン剤の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.005~1w/v%であることが好ましく、0.01~0.75w/v%であることがより好ましく、0.05~0.5w/v%であることが更に好ましく、0.09~0.2w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における(C)アミノ酸類の総含有量は、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、眼科組成物の総量を基準として、0.01~10w/v%であることが好ましく、0.05~7.5w/v%であることがより好ましく、0.1~5w/v%であることが更に好ましく、0.5~2w/v%であることが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、(C)成分として充血除去剤、眼筋調節剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤及びアミノ酸類から選ばれる2種以上の異なる分類からそれぞれ選択される成分を組み合わせて含有するのが好ましく、3種以上の異なる分類からそれぞれ選択される成分を組み合わせて含有するのがより好ましく、4種以上の異なる分類からそれぞれ選択される成分を組み合わせて含有するのが更に好ましく、5種以上の異なる分類からそれぞれ選択される成分を組み合わせて含有するのが更により好ましく、6種全ての分類からそれぞれ選択される成分を組み合わせて含有するのが特に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する(C)成分の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び(C)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する(C)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1万IUに対して、(C)成分の総含有量が、0.0005~2g/1万IUであることが好ましく、0.001~1g/1万IUであることがより好ましく、0.01~0.5g/1万IUであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(B)成分に対する(C)成分の含有比率は特に限定されず、(B)成分及び(C)成分の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分に対する(C)成分の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(B)成分の総含有量1質量部に対して、(C)成分の総含有量が、0.001~50000質量部であることが好ましく、0.01~5000質量部であることがより好ましく、0.1~500質量部であることが更に好ましい。
〔緩衝剤〕
本実施形態に係る眼科組成物は、更に緩衝剤を含有することが好ましい。眼科組成物が緩衝剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。緩衝剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
緩衝剤としては、例えば、無機酸由来の緩衝剤である無機緩衝剤、及び有機酸又は有機塩基由来の緩衝剤である有機緩衝剤が挙げられる。
無機緩衝剤としては、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、炭酸緩衝剤等が挙げられる。ホウ酸緩衝剤としては、ホウ酸又はその塩(ホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。リン酸緩衝剤としては、リン酸又はその塩(リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。炭酸緩衝剤としては、炭酸又はその塩(炭酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、ホウ酸緩衝剤又はリン酸緩衝剤として、ホウ酸塩又はリン酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、ホウ酸緩衝剤として、ホウ酸又はその塩(ホウ酸ナトリウム、テトラホウ酸カリウム、メタホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ砂等);リン酸緩衝剤として、リン酸又はその塩(リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム等);炭酸緩衝剤として、炭酸又はその塩(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム等)などが例示できる。
有機緩衝剤としては、例えば、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、トリス緩衝剤、AMPD緩衝剤等が挙げられる。クエン酸緩衝剤としては、クエン酸又はその塩(クエン酸アルカリ金属塩、クエン酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。酢酸緩衝剤としては、酢酸又はその塩(酢酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ土類金属塩等)が挙げられる。また、クエン酸緩衝又は酢酸緩衝剤として、クエン酸塩又は酢酸塩の水和物を用いてもよい。より具体的な例として、クエン酸緩衝剤として、クエン酸又はその塩(クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸二水素ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等);酢酸緩衝剤として、酢酸又はその塩(酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸ナトリウム等)などが例示できる。トリス緩衝剤としては、例えば、トロメタモール又はその塩(トロメタモール塩酸塩等)が挙げられる。AMPD緩衝剤としては、例えば、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール又はその塩が挙げられる。
緩衝剤としては、ホウ酸緩衝剤(例えば、ホウ酸とホウ砂の組み合わせ等)、リン酸緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウムとリン酸二水素ナトリウムの組み合わせ等)、トリス緩衝剤(例えば、トロメタモール)が好ましく、ホウ酸緩衝剤がより好ましく、ホウ酸とホウ砂の組み合わせが更に好ましい。
緩衝剤は、市販されているものを使用してもよい。緩衝剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における緩衝剤の含有量は特に限定されず、緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。緩衝剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、緩衝剤の総含有量が、0.01~10w/v%であることが好ましく、0.05~5w/v%であることがより好ましく、0.1~3w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する緩衝剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する緩衝剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1万IUに対して、緩衝剤の総含有量が、0.001~3g/1万IUであることが好ましく、0.005~1g/1万IUであることがより好ましく、0.01~0.5g/1万IUであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(B)成分に対する緩衝剤の含有比率は特に限定されず、(B)成分及び緩衝剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分に対する緩衝剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(B)成分の総含有量1質量部に対して、緩衝剤の総含有量が、0.01~50000質量部であることが好ましく、0.5~5000質量部であることがより好ましく、1~1000質量部であることが更に好ましい。
〔非イオン界面活性剤〕
本実施形態に係る眼科組成物は、更に非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。眼科組成物が非イオン界面活性剤を更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。非イオン界面活性剤は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
非イオン界面活性剤としては、例えばモノラウリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート40)、モノステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート65)、モノオレイン酸POE(20)ソルビタン(ポリソルベート80)等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類;ポロクサマー407、ポロクサマー235、ポロクサマー188、ポロクサマー403、ポロクサマー237、ポロクサマー124等のPOE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油50、POE硬化ヒマシ油60、POE硬化ヒマシ油80等のPOE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油3、POEヒマシ油4、POEヒマシ油6、POEヒマシ油7、POEヒマシ油10、POEヒマシ油13.5、POEヒマシ油17、POEヒマシ油20、POEヒマシ油25、POEヒマシ油30、POEヒマシ油35、POEヒマシ油50等のPOEヒマシ油;モノステアリン酸ポリエチレングリコール(2E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(4E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(9E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(10E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(23E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(25E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(32E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40E.O.、ステアリン酸ポリオキシル40)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(45E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(75E.O.)、モノステアリン酸ポリエチレングリコール(140E.O.)等のモノステアリン酸ポリエチレングリコール;POE(9)ラウリルエーテル等のPOEアルキルエーテル類;POE(20)POP(4)セチルエーテル等のPOE-POPアルキルエーテル類;POE(10)ノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類等が挙げられる。なお、上記例示した化合物において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、及び括弧内の数字は付加モル数を示す。
非イオン界面活性剤としては、POEソルビタン脂肪酸エステル類;POE・POPグリコール類;POE硬化ヒマシ油;POEヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコールが好ましく、ポリソルベート80、ポロクサマー407、POE硬化ヒマシ油40、POE硬化ヒマシ油60、POEヒマシ油3、POEヒマシ油10、POEヒマシ油35、ステアリン酸ポリオキシル40がより好ましく、ポリソルベート80、POE硬化ヒマシ油60がさらに好ましく、ポリソルベート80さらにより好ましい。
非イオン界面活性剤は、市販されているものを使用してもよい。非イオン界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物における非イオン界面活性剤の含有量は特に限定されず、非イオン界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。非イオン界面活性剤の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、非イオン界面活性剤の総含有量が、0.001~5w/v%であることが好ましく、0.01~3w/v%であることがより好ましく、0.1~1w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対する非イオン界面活性剤の含有比率は特に限定されず、(A)成分及び非イオン界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対する非イオン界面活性剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1万IUに対して、非イオン界面活性剤の総含有量が、0.001~1g/1万IUであることが好ましく、0.005~0.5g/1万IUであることがより好ましく、0.01~0.1g/1万IUであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(B)成分に対する非イオン界面活性剤の含有比率は特に限定されず、(B)成分及び非イオン界面活性剤の種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分に対する非イオン界面活性剤の含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(B)成分の総含有量1質量部に対して、非イオン界面活性剤の総含有量が、0.1~1000質量部であることが好ましく、0.5~100質量部であることがより好ましく、1~50質量部であることが更に好ましい。
〔テルペノイド〕
本実施形態に係る眼科組成物は、更にテルペノイドを含有することが好ましい。眼科組成物がテルペノイドを更に含有することで、本発明による効果がより顕著に奏される。テルペノイドは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。
テルペノイドとしては、例えば、環式テルペン及び非環式テルペンが挙げられる。
環式テルペンは、分子内に少なくとも1つの環構造を有するテルペノイドである。環式テルペンとしては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール(「リュウノウ」ともいう)、メントン、シネオール、カルボン、アネトール、オイゲノール、リモネン、ピネン、それらの誘導体等が挙げられる。
非環式テルペンは、分子内に環構造を有しないテルペノイドである。非環式テルペンとしては、例えば、ゲラニオール、シトロネロール、リナロール、酢酸リナリル、それらの誘導体等が挙げられる。
本発明において、テルペノイドとして、上記化合物を含有する精油を使用してもよい。このような精油としては、例えば、ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ハッカ油、ウイキョウ油、ケイヒ油、ローズ油等が挙げられる。
テルペノイドはd体、l体及びdl体のいずれでもよく、dl-メントール、d-メントール、l-メントール、dl-カンフル、d-カンフル、l-カンフル、dl-ボルネオール、d-ボルネオール、l-ボルネオール、dl-メントン、d-メントン、l-メントンが例示される。ただし、ゲラニオール及びシネオール等のようにテルペノイドによっては光学異性体が存在しない場合もある。
テルペノイドとしては、メントール、カンフル、ボルネオール、メントン及びユーカリ油が好ましく、メントール及びカンフルがより好ましく、l-メントール及びd-カンフルが更に好ましく、l-メントールが更により好ましい。
テルペノイドは、市販されているものを使用してもよい。テルペノイドは、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本実施形態に係る眼科組成物におけるテルペノイドの含有量は特に限定されず、テルペノイドの種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。テルペノイドの含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、テルペノイドの総含有量が、0.00001~1w/v%であることが好ましく、0.0001~0.5w/v%であることがより好ましく、0.0005~0.1w/v%であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(A)成分に対するテルペノイドの含有比率は特に限定されず、(A)成分及びテルペノイドの種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(A)成分に対するテルペノイドの含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(A)成分の総含有量1万IUに対して、テルペノイドの総含有量が、0.00001~0.5g/1万IUであることが好ましく、0.0001~0.1g/1万IUであることがより好ましく、0.0005~0.005g/1万IUであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物における、(B)成分に対するテルペノイドの含有比率は特に限定されず、(B)成分及びテルペノイドの種類、他の配合成分の種類及び含有量、眼科組成物の用途及び製剤形態等に応じて適宜設定される。(B)成分に対するテルペノイドの含有比率としては、本発明による効果をより一層高める観点から、例えば、本実施形態に係る眼科組成物に含まれる(B)成分の総含有量1質量部に対して、テルペノイドの総含有量が、0.0001~100質量部であることが好ましく、0.001~10質量部であることがより好ましく、0.01~5質量部であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物のpHは、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物のpHとしては、例えば、4.0~9.5であってよく、4.0~9.0であることが好ましく、4.5~9.0であることがより好ましく、4.5~8.5であることが更に好ましく、5.0~8.5であることが更により好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、必要に応じて、生体に許容される範囲内の浸透圧比に調節することができる。適切な浸透圧比は、眼科組成物の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定され得るが、例えば、0.4~5.0とすることができ、0.6~3.0とすることが好ましく、0.8~2.2とすることがより好ましく、0.8~2.0とすることが更に好ましい。浸透圧比は、第十六改正日本薬局方に基づき、286mOsm(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液の浸透圧)に対する試料の浸透圧の比とし、浸透圧は日本薬局方記載の浸透圧測定法(凝固点降下法)を参考にして測定する。なお、浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)は、塩化ナトリウム(日本薬局方標準試薬)を500~650℃で40~50分間乾燥した後、デシケーター(シリカゲル)中で放冷し、その0.900gを正確に量り、精製水に溶かし正確に100mLとして調製するか、市販の浸透圧比測定用標準液(0.9w/v%塩化ナトリウム水溶液)を用いることができる。
本実施形態に係る眼科組成物の粘度は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される範囲内であれば、特に限定されるものではない。本実施形態に係る眼科組成物の粘度としては、例えば、回転粘度計(RE550型粘度計、東産業社製、ローター;1°34‘×R24)で測定した20℃における粘度が0.01~10000mPa・sであることが好ましく、0.05~8000mPa・sであることがより好ましく、0.1~1000mPa・sであることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分の他に種々の薬理活性成分及び生理活性成分から選択される成分を組み合わせて適当量含有していてもよい。当該成分は特に制限されず、例えば、一般用医薬品製造販売承認基準2012年版(一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会 監修)に記載された眼科用薬における有効成分が例示できる。眼科用薬において用いられる成分として、具体的には、例えば、次のような成分が挙げられる。
抗アレルギー剤:例えば、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム、アシタザノラスト等。
サルファ剤:例えば、スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等。
ステロイド剤:例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フランカルボン酸フルチカゾン、フランカルボン酸モメタゾン、プロピオン酸ベクロメタゾン、フルニソリド等。
局所麻酔剤:例えば、リドカイン、プロカイン等。
その他:レバミピド等。
本実施形態に係る眼科組成物には、本発明の効果を損なわない範囲であれば、その用途及び製剤形態に応じて、常法に従い、様々な添加物を適宜選択し、1種又はそれ以上を併用して適当量含有させてもよい。このような添加物として、例えば、医薬品添加物事典2007(日本医薬品添加剤協会編集)に記載された各種添加物が例示できる。
代表的な成分として次の添加物が挙げられる。
担体:例えば、水、含水エタノール等の水性溶媒。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
基剤:例えば、オクチルドデカノール、酸化チタン、臭化カリウム、プラスチベース等。
pH調節剤:例えば、塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等。
安定化剤:例えば、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート(ロンガリット)、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、シクロデキストリン、モノエタノールアミン等。
陰イオン界面活性剤:例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、N-アシルタウリン塩等。
両性界面活性剤:例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等。
防腐剤、殺菌剤又は抗菌剤:例えば、塩化亜鉛、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、安息香酸ナトリウム、エタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、クロロブタノール、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、硫酸オキシキノリン、フェネチルアルコール、ベンジルアルコール、ビグアニド化合物(具体的には、塩酸ポリヘキサニド等)、グローキル(ローディア社製 商品名)等。
キレート剤:例えば、エチレンジアミン二酢酸(EDDA)、エチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミン四酢酸(エデト酸、EDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)等。
等張化剤:例えば、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、グリセリン、プロピレングリコール等。
増粘剤:例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等。
糖類:例えば、グルコース、シクロデキストリン等。
糖アルコール類:例えば、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、グリセリン等。これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。
本実施形態に係る眼科組成物が水を含有する場合、水の含有量としては、本発明による効果をより顕著に奏する観点から、例えば、眼科組成物の総量を基準として、水の含有量が、80w/v%以上100w/v%未満であることが好ましく、85w/v%以上99.5w/v%以下であることがより好ましく、90w/v%以上99.2w/v%以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る眼科組成物に使用される水は、医薬上、薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容されるものであればよい。このような水として、例えば、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。それらの定義は第十六改正日本薬局方に基づく。
本実施形態に係る眼科組成物は、所望量の(A)成分、及び必要に応じて他の成分を所望の濃度となるように添加及び混和することにより調製することができる。例えば、精製水でそれらの成分を溶解又は分散させ、所定のpH及び浸透圧に調整し、濾過滅菌等により滅菌処理することで調製できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、目的に応じて種々の製剤形態をとることができる。製剤形態として、例えば、液剤、ゲル剤、半固形剤(軟膏等)等が挙げられる。
本実施形態に係る眼科組成物は、例えば、点眼剤(点眼液又は点眼薬ともいう。また、点眼剤にはコンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)、人工涙液、洗眼剤(洗眼液又は洗眼薬ともいう。また、洗眼剤にはコンタクトレンズ装用中に洗眼可能な洗眼剤を含む。)、コンタクトレンズ用組成物[コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズケア用組成物(コンタクトレンズ消毒剤、コンタクトレンズ用保存剤、コンタクトレンズ用洗浄剤、コンタクトレンズ用洗浄保存剤)等]として用いることができる。なお、「コンタクトレンズ」は、ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ(イオン性及び非イオン性の双方を包含し、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ及び非シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの双方を包含する)を含む。
本実施形態に係る眼科組成物は、本発明による効果をより顕著に発揮できることから、点眼剤(コンタクトレンズ装用中に点眼可能な点眼剤を含む。)であることが好ましい。本実施形態に係る眼科組成物が点眼剤である場合、その用法・用量としては、効果を奏し、副作用の少ない用法・用量であれば特に限定されないが、例えば成人(15歳以上)及び7歳以上の小児の場合、1回1~2滴を1日4回点眼して用いる方法、1回1~3滴、1~2滴、又は2~3滴を1日5~6回点眼して用いる方法を例示できる。
本実施形態に係る眼科組成物は、任意の容器に収容して提供される。本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンテレフタレートである。また、本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、容器内部を視認できる透明容器であってもよく、容器内部の視認が困難な不透明容器であってもよい。好ましくは透明容器である。ここで、「透明容器」とは、無色透明容器及び有色透明容器の双方が含まれる。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器には、ノズルが装着されてもよい。ノズルの材質については特に制限されず、例えば、ガラス製であってもよく、またプラスチック製であってもよい。好ましくはプラスチック製である。プラスチックとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン及びこれらを構成するモノマーの共重合体、並びにこれら2種以上を混合したものが挙げられる。好ましくは、ポリエチレンである。
本実施形態に係る眼科組成物を収容する容器は、複数回の使用量が収容されるマルチドーズ型であってもよく、単回の使用量が収容されるユニットドーズ型であってもよい。
本実施形態に係る眼科組成物は、内容積が4~30mLである容器に充填されてなることが好ましく、内容積が5~20mLである容器に充填されてなることがより好ましく、内容積が6~16mLである容器に充填されてなることが更に好ましく、内容積が10~15mLである容器に充填されてなることが更により好ましい。
以下、実施例等に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例1:点眼後の効果に関する評価]
表1及び表2に記載の処方に従い、各水性組成物(点眼剤)を調製し、これを被験液とした。各被験液は、13mL容量のポリエチレンテレフタレート製点眼容器に13mL充填した。充填後、点眼容器にポリエチレン製ノズルを装着した。
被験者として、日常的にVDT(Visual Display Terminals)作業を1日4時間以上行っているオフィスワーカーを4名選定した。2名は年齢が50歳前後であり、年齢が進むに伴い目の疲労やかすみ等の症状を強く感じるようになった被験者である。その他の2名は30歳台の被験者である。各被験者は、事前に左右の目の状態に差がないことを確認してから、試験を実施した。
被験者4名が、試験A~Eについて、左右眼のうち、表1及び表2に記載されている方の目にそれぞれ1滴ずつ点眼し、0~100のメモリを付した10cmの直線を用いた「VAS法(Visual Analog Scale)」で点眼30秒後の目の諸症状(目の疲れ、目の充血、目のかすみ、目のかゆみ、ピントのあいにくさ、目の不快感、乾きによる目の疲れ)に対する改善効果を評価した。スコア上昇値が高いほど、目の症状が改善されたことを示す。
対応する参考比較例の被験液のスコアを用いて、各実施例の被験液のスコア上昇率を、下記式を用いて算出した。
スコア上昇率(%)={(各実施例の被験液の平均VASスコア値-対応する参考比較例の被験液の平均VASスコア値)/対応する参考比較例の被験液の平均VASスコア値}×100
平均VASスコア値とは、被験者4名のスコアの平均値である。また、対応する参考比較例の被験液は、ジブチルヒドロキシトルエンを含有しないこと以外は実施例の被験液と同じ処方である。
Figure 2024150782000001

表1中、パルミチン酸レチノール及び濃塩化ベンザルコニウム液50は、100mLあたりの配合量を示す。
Figure 2024150782000002

表2中、パルミチン酸レチノール及び濃塩化ベンザルコニウム液50は、100mLあたりの配合量を示す。
結果を表3に示す。
Figure 2024150782000003
脂溶性抗酸化剤(ジブチルヒドロキシトルエン)を5万IU/100mLビタミンA配合点眼剤に添加した場合には各効能に対する効果が顕著に向上した。また、50歳前後の被験者では、30歳台の被験者に比較して、「目の疲れ」(特に「乾きよる目の疲れ」)、「ピントの合いにくさ」に関する項目で、顕著にスコアが上昇する傾向が確認された。「ピントの合いにくさ」の項目に関しては、本発明に係る眼科組成物により、角膜の修復作用が向上するため、視覚機能が向上し、これによりピントが合いやすくなると考えられる。
〔製剤例〕
下記表4~表13に記載の処方で、点眼剤(製剤例1~88)が調製され、マルチドース型容器に収容される。
なお、下記表4~表13における各成分量の単位は、w/v%である。また、表4~13中、パルミチン酸レチノールは、100mLあたりの配合量を示す。製剤例1~30のpHは6.5、製剤例31~60のpHは7、製剤例61~88のpHは6である。
Figure 2024150782000004
Figure 2024150782000005
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Figure 2024150782000012
Figure 2024150782000013

Claims (1)

  1. 本明細書に記載の発明。
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