JP2023525525A - 電極に連結した粒子を含むデバイス、並びにこれを作製及び使用する方法。 - Google Patents
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Abstract
一部の例では、デバイスは、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極、第1の複数の結合を介して第1の電極に連結され、第2の複数の結合介して第2の電極に連結される粒子、及び粒子に連結されるポリメラーゼを含む。一部の例では、構成は、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極、空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第1の導電性標識を含む流体、並びに第1の導電性標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の第1の導電性ブリッジの一過的形成に応答して第1のシグナルを発生させるための検出回路を含む。
Description
(関連出願の相互参照)
本出願は、それらの各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれている、以下の出願の利益を主張する:
「Devices Including Particles Coupled to Electrodes,and Methods of Making and Using the Same」と題する2020年5月11日出願の米国仮特許出願第63/022,990号、及び
「Compositions Including Labels That Transiently Form or Selectively Complete Bridges Between Electrodes」と題する、2020年5月11日出願の米国仮特許出願第63/023,001号。
本出願は、それらの各々の全内容が参照により本明細書に組み込まれている、以下の出願の利益を主張する:
「Devices Including Particles Coupled to Electrodes,and Methods of Making and Using the Same」と題する2020年5月11日出願の米国仮特許出願第63/022,990号、及び
「Compositions Including Labels That Transiently Form or Selectively Complete Bridges Between Electrodes」と題する、2020年5月11日出願の米国仮特許出願第63/023,001号。
DNAなどのポリヌクレオチドの配列決定に、学術的及び企業による莫大な量の時間及びエネルギーが費やされてきた。一部の配列決定システムは、「合成による配列決定」(sequencing by synthesis:SBS)技術及び蛍光をベースとする検出を使用する。しかし、蛍光をベースとする検出は、励起光源、イメージングデバイスなどの光学的構成要素を必要とすることがあり、この検出は、操作が複雑で、時間を浪費し、費用もかかり得る。更に、多数の配列決定戦略には、DNAセグメントのアンサンブルクラスターの読み取りが短いという制限がある。配列決定の総合的な精度を改善するために、単一DNA分子の長い読み取りを可能にする技術が、非常に重要である。
両電極間に粒子ベースのブリッジを含むデバイスが、本明細書において提供される。各塩基(A、T、C又はG)の区別される電気シグナルにより、ポリヌクレオチドを電気的に配列決定するためのこのようなデバイスを作製する方法、並びに構成、及びこのようなデバイスを使用する方法が開示される。デバイスは、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極、粒子、並びにポリメラーゼを含むことができる。粒子は、複数の結合を介して第1の電極に連結され得、複数の結合を介して第2の電極に連結され得る。ポリメラーゼは、粒子に連結され得る。
一部の例では、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極を含むデバイスが、本明細書において提供される。本デバイスは、複数の結合を介して第1の電極に連結され、かつ複数の結合を介して第2の電極に連結された粒子を含む。本デバイスは、粒子に連結されているポリメラーゼを含む。
一部の例では、この粒子は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する。
一部の例では、粒子は、非導電性である。
一部の例では、粒子は、三次構造を有するポリマーを含む。一部の例では、三次構造を有するポリマーは、ポリヌクレオチド又はポリペプチドを含む。一部の例では、ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、フォールディングされており、中央狭窄部を有する三次構造に架橋している。中央狭窄部は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの一部を形成することができる。
一部の例では、粒子は、ナノ粒子であって、このナノ粒子を第1の電極及び第2の電極に結合させる官能基を有する、ナノ粒子を含む。一部の例では、ナノ粒子は、無機物である。
更に又は代替的に、粒子は、一部の例では、空間の長さの少なくとも約10%の直径を有する。
更に又は代替的に、粒子は、一部の例では、リンカーによって相互に連結した一対のナノ粒子を含む。
一部の例では、デバイスを作製する方法が、本明細書において提供される。本方法は、相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極上に溶液を堆積させることを含む。溶液は、液体中に粒子を含み、各粒子は、それぞれのポリメラーゼに連結されている。本方法は、粒子の1つを溶液から第1の電極及び第2の電極に隣接する空間に輸送することを含む。本方法は、第1の電極及び第2の電極の各々に、粒子の1つを結合させることを含む。
一部の例では、輸送は、粒子の1つを第1の電極及び第2の電極において誘導泳動により又は磁気により捕捉することを含む。
更に又は代替的に、結合形成は、一部の例では、第1の電極と粒子の1つとの間に第1の複数の結合を形成すること、及び第2の電極と粒子の1つとの間に第2の複数の結合を形成することを含む。
更に又は代替的に、本方法は、一部の例では、粒子の1つを使用して、第1の電極及び第2の電極に隣接する空間から他の粒子を立体的に排除することを更に含む。
一部の例では、この粒子は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する。
一部の例では、粒子は、非導電性である。
一部の例では、粒子は、三次構造を有するポリマーを含む。一部の例では、三次構造を有するポリマーは、ポリヌクレオチド又はポリペプチドを含む。一部の例では、ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、フォールディングされて、中央狭窄部を有する三次構造に架橋されており、中央狭窄部は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの一部を形成する。
一部の例では、粒子は、ナノ粒子であって、このナノ粒子を第1の電極及び第2の電極に結合させる官能基を有する、ナノ粒子を含む。一部の例では、ナノ粒子は、無機物である。
更に又は代替的に、粒子は、一部の例では、空間の長さの少なくとも約10%の直径を有する。
一部の例では、固体基板、及びこの固体基板上に配設されている複数の電極対を含む、デバイスアレイが提供される。各電極対の電極は、それぞれの空間によって相互に離隔されている。本デバイスアレイは、複数の粒子を含み、各々は、それぞれの電極対の電極に結合されている。電極対の大部分は、それぞれ、粒子のうちの単一の粒子に結合されている。本デバイスアレイは、複数のポリメラーゼを含んでおり、ポリメラーゼはそれぞれ、粒子のうちのそれぞれ1つに連結されている。
一部の例では、それぞれの空間は、粒子がそれぞれ結合されている電極対の間で変動する。
一部の例では、上部に配設された複数の電極対を有する固体基板上に溶液を堆積させることを含む、デバイスアレイを作製する方法が、本明細書において提供される。各電極対の電極は、それぞれの空間によって相互に離隔されている。溶液は、液体中に粒子を含む。各粒子は、それぞれのポリメラーゼに連結されている。本方法は、空間のうちのそれぞれ1つに溶液から粒子を輸送すること、及び各電極対の電極に粒子の1つを結合させることを含む。電極対の大部分は、それぞれ、粒子の正確に1つに結合される。
一部の例では、輸送は、電極対のうちのそれぞれ1つの電極において、粒子の1つを誘導泳動により又は磁気により捕捉することを含む。
更に又は代替的に、結合形成は、一部の例では、粒子の1つと電極対のうちのそれぞれ1つの電極の各々との間に複数の結合を形成することを含む。
更に又は代替的に、本方法は、一部の例では、粒子の1つを使用して、あらゆる他の粒子が、電極対のうちのそれぞれ1つの電極に接触するのを立体的に排除することを更に含む。
一部の例では、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極を含む構成が、本明細書において提供される。本構成は、複数の結合を介して第1の電極に連結され、かつ複数の結合を介して第2の電極に連結された粒子を含む。本構成は、第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドを含む。本構成は、複数のヌクレオチドを含み、各ヌクレオチドは、対応する標識に連結されている。本構成は、粒子に連結されているポリメラーゼであって、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用して、第1のポリヌクレオチドにヌクレオチドを付加するための、ポリメラーゼを含む。本構成は、第1の電極と第2の電極との間の電流の少なくとも変化を使用して、第1のポリヌクレオチドへのヌクレオチドの付加の配列を検出するための検出回路を含む。その変化は、それらのヌクレオチドに対応する標識に応答する。
一部の例では、粒子は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、標識は、ブリッジを流れる第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は非導電性であり、標識はそれぞれ、第1の電極と第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、このブリッジを介して電流が流れる。
一部の例では、粒子は、三次構造を有するポリマーを含む。更なる選択肢として、三次構造を有するポリマーは、DNA又はポリペプチドを含む。更に又は代替的に、三次構造は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジを形成し、この場合、標識は、導電性ブリッジへのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は、ナノ粒子であって、このナノ粒子を第1の電極及び第2の電極に結合させる官能基を有する、ナノ粒子を含む。
一部の例では、ナノ粒子は、非導電性である。標識はそれぞれ、第1の電極と第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、このブリッジを介して、電流が流れることができる。一部の例では、標識の少なくとも1つは、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、及びフラーレンからなる群から選択される。更に又は代替的に、ナノ粒子及び官能基は、一部の例では、第1の電極と第2の電極との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する。標識は、官能基へのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は、リンカーによって相互に連結した一対のナノ粒子を含む。標識は、リンカーへのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、ポリヌクレオチドを配列決定する方法が、本明細書において提供される。本方法は、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することを含む。本方法は、ヌクレオチドにそれぞれ連結されている標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させることを含む。粒子は、複数の結合を介して第1の電極に連結され、複数の結合を介して第2の電極に連結される。本方法は、ポリメラーゼが第1のポリヌクレオチドにヌクレオチドを付加する、配列を検出することであって、それらのヌクレオチドに対応する標識を使用して誘発された電流の少なくとも変化を使用する、ことを含む。
一部の例では、粒子は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、標識は、ブリッジを流れる、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は非導電性であり、標識はそれぞれ、第1の電極と第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、このブリッジを介して、電流が流れる。
一部の例では、粒子は、三次構造を有するポリマーを含む。一部の例では、三次構造を有するポリマーは、DNA又はポリペプチドを含む。更に又は代替的に、三次構造は、第1の電極と第2の電極との間に、導電性ブリッジを形成する。標識は、導電性ブリッジへのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は、ナノ粒子であって、このナノ粒子を第1の電極及び第2の電極に結合させる官能基を有する、ナノ粒子を含む。一部の例では、ナノ粒子は、非導電性である。標識はそれぞれ、第1の電極と第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、このブリッジを介して、電流が流れる。一部の例では、標識の少なくとも1つは、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、及びフラーレンからなる群から選択される。更に又は代替的に、一部の例では、ナノ粒子及び官能基は、第1の電極と第2の電極との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する。標識は、官能基へのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
一部の例では、粒子は、リンカーによって相互に連結されている一対のナノ粒子を含み、標識は、リンカーへのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させる。
電極間にブリッジを含むデバイスもまた、本明細書において提供される。各塩基(A、T、C又はG)の区別される電気シグナルにより、ポリヌクレオチドを電気的に配列決定するための、このようなデバイスを作製する方法、並びに構成、及びこのようなデバイスを使用する方法が開示される。デバイスは、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極、並びにポリメラーゼを含むことができる。第1の電極と第2の電極との間のブリッジは、完成していてもよく、又は標識を使用して一過的に形成されていてもよい。
一部の例では、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極を含む構成が、本明細書において提供される。本構成は、空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第1の導電性標識を含む流体を含む。本構成は、第1の導電性標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の第1の導電性ブリッジの一過的形成に応答して、第1のシグナルを発生する検出回路を含む。
一部の例では、第1の導電性標識は、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、又はフラーレンを含む。
更に又は代替的に、一部の例では、流体は、空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第2の導電性標識を更に含む。検出回路は、第2の導電性標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の第2の導電性ブリッジの一過的形成に応答して、第2のシグナルを発生させるためのものである。一部の例では、検出回路は更に、第1のシグナルと第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、第1の導電性ブリッジの形成と第2の導電性ブリッジの形成とを区別するためのものである。
一部の例では、第1の導電性標識は、第1の電極及び第2の電極の各々に一過的に結合して、第1の導電性ブリッジを形成する。一部の例では、第1の導電性標識は、第1の電極に一過的に結合するための第1の反応性基、及び第2の電極に一過的に結合するための第2の反応性基を含む。一部の例では、第1の反応性基及び第2の反応性基は、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択される。更に又は代替的に、検出回路は更に、一部の例では、第1の導電性ブリッジ間に、第1の反応性基と第1の電極との間の一過的結合、又は第2の反応性基と第2の電極との間の一過的結合を妨害するバイアス電圧を印加するためのものである。一部の例では、バイアス電圧は、第1の反応性基と第1の電極との間の一過的結合、及び第2の反応性基と第2の電極との間の一過的結合を妨害する。
一部の例では、本構成は、第1の電極及び第2の電極に隣接して連結されているポリメラーゼ、及び第1の導電性標識に連結されているヌクレオチドを更に含む。第1の導電性標識は、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドに及ぼす作用に応答して第1の導電性ブリッジを形成する。一部の例では、本構成は、第1の電極及び第2の電極、並びにポリメラーゼに連結した粒子を含む。一部の例では、粒子は、非導電性である。
一部の例では、配列決定する方法が、本明細書において提供される。本方法は、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することを含む。本方法は、ヌクレオチドにそれぞれ連結した導電性標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジを一過的に形成することを含む。本方法は、ポリメラーゼが、導電性ブリッジの少なくとも一過的形成を使用して、第1のポリヌクレオチドにヌクレオチドを付加する配列を検出することを含む。一部の例では、導電性標識は、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、又はフラーレンのうちの1種以上を独立して含む。更に又は代替的に、一部の例では、配列は、導電性ブリッジ間の導電性の少なくとも差異を使用して検出される。
一部の例では、導電性標識は、第1の電極及び第2の電極のそれぞれに一過的に結合して、導電性ブリッジを形成する。一部の例では、導電性標識はそれぞれ、第1の電極に一過的に結合するための第1の反応性基、及び第2の電極に一過的に結合するための第2の反応性基を含む。一部の例では、第1の反応性基及び第2の反応性基は、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択される。更に又は代替的に、本方法は、一部の例では、導電性ブリッジ間に、第1の反応性基と第1の電極との間の一過的結合、又は第2の反応性基と第2の電極との間の一過的結合を妨害するバイアス電圧を印加することを更に含む。一部の例では、バイアス電圧は、第1の反応性基と第1の電極との間の一過的結合、及び第2の反応性基と第2の電極との間の一過的結合を妨害する。
一部の例では、本方法は、第1の電極及び第2の電極に隣接して連結されているポリメラーゼを使用して、導電性標識の1つに連結されているヌクレオチドに作用させることを更に含む。そのような導電性標識は、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドに及ぼす作用に応答して導電性ブリッジの1つを形成する。一部の例では、粒子は、第1の電極及び第2の電極、並びにポリメラーゼに連結される。一部の例では、粒子は、非導電性である。
一部の例では、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極を含む構成が、本明細書において提供される。ブリッジは、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かる。本構成は、導電性ブリッジを形成するような様式でブリッジに一過的に結合している標識を含む流体を含む。本構成は、導電性ブリッジの形成に応答してシグナルを発生させるための、及びシグナルの発生後に導電性ブリッジを妨害するように選択されたバイアス電圧を発生させるための検出回路を含む。
一部の例では、検出する方法が、本明細書において提供される。本方法は、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジへの標識の一過的な結合形成を使用して、導電性ブリッジを形成することを含む。本方法は、導電性ブリッジの形成を検出することを含む。本方法は、続いて、バイアス電圧の印加に応答して、一過的な結合形成を妨害することを含む。
一部の例では、空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極を含む構成が、本明細書において提供される。本構成は、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かる第1のブリッジ及び第2のブリッジを含む。第1のブリッジは、第1のポリマー鎖を含み、第2のブリッジは、第1のポリマー鎖とは異なる第2のポリマー鎖を含む。本構成は、第1のポリマー鎖にハイブリダイズし、第2のポリマー鎖にハイブリダイズしない第1のオリゴマーを含む流体を含む。本構成は、第1のポリマー鎖への第1のオリゴマーのハイブリダイゼーションに応答して、第1のシグナルを発生するよう構成されている検出回路を含む。
一部の例では、流体は、第2のポリマー鎖にハイブリダイズし、第1のポリマー鎖にハイブリダイズしない、第2のオリゴマーを更に含む。本検出回路は、第2のポリマー鎖への第2のオリゴマーのハイブリダイゼーションに応答して、第2のシグナルを発生させるためのものである。一部の例では、検出回路は更に、第1のシグナルと第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、第1のオリゴマーと第1のポリマー鎖とのハイブリダイゼーションと、第2のオリゴマーと第2のポリマー鎖とのハイブリダイゼーションとを区別するためのものである。
一部の例では、第1のポリマー鎖及び第2のポリマー鎖は、三次構造の異なる部分を含む。一部の例では、三次構造は、ポリヌクレオチド又はポリペプチド三次構造を含む。第1のポリマー鎖及び第2のポリマー鎖はそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列を含んでもよい。第1のオリゴマー及び第2のオリゴマーはそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列をそれぞれ相補する、第3の一本鎖DNA配列及び第4の一本鎖DNA配列を含んでもよい。
一部の例では、三次構造は、ポリペプチドを含む。
一部の例では、配列決定する方法が、本明細書において提供される。本方法は、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することを含む。本方法は、ポリメラーゼがヌクレオチドの第1のものを第1のポリヌクレオチドに付加したことに応答して、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジの第1のポリマー鎖に、そのヌクレオチドに連結した第1の標識をハイブリダイズすることを含む。本方法は、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジの第2のポリマー鎖に、ヌクレオチドの第2のものに連結されている第2の標識を逐次にハイブリダイズすることを含む。本方法は、第1のポリマー鎖を有する第1の標識と第2のポリマー鎖を有する第2の標識との間のそれぞれのハイブリダイゼーションに応答する、ブリッジを流れる電流の少なくとも変化を使用して、ポリメラーゼが、ヌクレオチドの第1のもの及びヌクレオチドの第2のものを第1のポリヌクレオチドに付加する配列を検出することを含む。
一部の例では、第1の標識は、第2のポリマー鎖とハイブリダイズせず、第2の標識は、第1のポリマー鎖とハイブリダイズしない。
一部の例では、第1の標識及び第2の標識は、それぞれのポリマーを含む。
一部の例では、第1のポリマー鎖及び第2のポリマー鎖は、三次構造の異なる部分を含む。
一部の例では、三次構造は、ポリヌクレオチド又はポリペプチド三次構造を含む。第1のポリマー鎖及び第2のポリマー鎖はそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列を含んでもよい。第1の標識及び第2の標識はそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列をそれぞれ相補する第3の一本鎖DNA配列及び第4の一本鎖DNA配列を含んでもよい。
一部の例では、三次構造は、ポリペプチドを含む。
本明細書に記載されている利益を実現するため、本明細書に記載されている本開示の態様の各々の任意の個々の特徴/例は、任意の好適な組合せで一緒に実施されてもよいこと、及びこれらの態様のいずれか1つ以上からの任意の特徴/例は、任意の好適な組合せで、本明細書に記載されている他の態様の特徴のいずれかと一緒に実施されてもよいことを理解すべきである。
本明細書において提供されている例は、両電極間の粒子ベースのブリッジを使用して、ポリヌクレオチドを電子的に配列決定することに関連する。電子的な配列決定を実施するための構成及び方法、並びに粒子ベースのブリッジを含むデバイス、及びこのようなデバイスを形成する方法、及びこのようなデバイスのアレイが開示されている。
より詳細には、本発明の構成、デバイス、及び方法は、ロバストで、再現性のある感度の高い方法で、ポリヌクレオチドを配列決定するために好適に使用することができ、高いスループットを有する。例えば、本デバイスは、第1の電極及び第2の電極に連結される粒子を含むことができる。粒子は、そのような両電極間の電流の変化を測定するのを容易にすることができる。一部の例では、ポリヌクレオチドは、少なくともそのような変化を使用して配列決定することができる。より詳細には、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチドの組み込み事象の間の、ヌクレオチドと電極ブリッジとの相互作用から生じる、導電性の一過的変化の検出を使用して配列決定することができる。そのようなヌクレオチドの1つ以上(及び、一部の例では、それらのヌクレオチドのすべて)はそれぞれ、電極間の電流の区別できる変化を引き起こす標識に連結されており、その変化に基づいて個々のヌクレオチドを特定することができる。標識で修飾されているヌクレオチドは、水素結合、π-πスタッキング、及び静電相互作用などであるが、これらに限定されない、いくつかの分子間相互作用を介して、ブリッジの導電性を変化させることができる。一部の例では、標識はそれぞれ、両電極の間のポリヌクレオチドブリッジにハイブリダイズすることができ、このようなハイブリダイゼーションはそれぞれ、特定のヌクレオチドのそれぞれに特有のレベルで、ブリッジを流れる電流を変化させることができる。他の例では、標識は、DNAインターカレーション機構により、ブリッジと相互作用することができる。他の例では、標識は、DNA溝結合機構により、ブリッジと相互作用することができる。粒子は、必ずしも必要としないが、このようなブリッジの一部を形成することができる。一部の例では、標識は、両電極間に一過的ブリッジを形成することができ、このようなブリッジは相互に異なる電流をもたらすことができ、この電流に基づいて、ヌクレオチドのそれぞれが特定され得る。これらの例及び他の例では、ポリメラーゼは、粒子に連結されていてもよく、ヌクレオチドを、成長する相補性ポリヌクレオチドに付加することができる。
本粒子をベースとするデバイス、構成、及び方法は、ロバストに作製及び使用することができる。例えば、粒子の代わりに有機分子(DNA、π-コンジュゲートポリマーなど)を含む電子デバイスは、分子構成分が集合する確率的性質により、例えば、2本の電極をブリッジする有機分子がボトムアップ自己集合するため、製造が困難となり得る。本開示は、それぞれの電極間に粒子を局在化させる湿式化学技法を使用して、溶液中で粒子をベースとする電子デバイスをアセンブリする方法をとりわけ提供する。このような手法により、個々の電子デバイス内部に、粒子、及びこの粒子に連結した任意の官能基を制御して留置することが可能となる。例えば、一部の例では電極に粒子を連結する前に、粒子は、電気的な官能基(例えば、DNA、π-共役ポリマーなどのポリヌクレオチド)又は生化学官能基(例えば、酵素、抗原など)を有する官能基を含むことができるか、又はこれに連結されることができる。本デバイスは、単一分子感度を有するセンサーとして、例えば、一部の例では、ポリヌクレオチドのリアルタイム配列決定に使用することができるバイオセンサーとして、使用することができる。例えば、官能基は、デバイスの両電極間の導電性の変化により、単一分子の分析対象の検出を容易にすることができる。
以下に一層詳細に記載されているとおり、いくつかの例は、粒子が、「受動的な」吸着を使用して、個々のデバイス内部に局在化され得ることを提示しており、その場合、単一粒子は、例えば、粒子と電極との間の少なくとも表面相互作用を使用して、両電極間の空間内部又はこの空間の隣接部で捕捉される。いくつかの例は、粒子が、本明細書において誘電泳動トラッピングと称される場合がある「能動的な」吸着を使用して、個々のデバイス内部に局在化され得ることを提示しており、その場合、直流電流(DC)又は交流電流(AC)の電気バイアスを両電極間に印加して、それらの電極間の空間内部又は隣接部の単一粒子の捕捉を加速する。他の例では、粒子は、磁性材料又は強磁性材料を含んでもよく、磁場を印加することによって個々のデバイス内部で局在化され得る。
一部の例では、粒子はそれぞれ、電極の1つ以上の表面に、一部の例では粒子とデバイスの電極のそれぞれとの間の複数の結合を介して、共有結合により結合してもよい。粒子と電極との間の結合は、直接的であってもよく、又は本明細書の他の箇所に記載されているような中間構造体、例えば官能基を介して間接的であってもよい。例えば、金属(例えば、金)ナノ粒子は、ジスルフィド基又はチオール基などの末端反応性基を有する、導電性ポリヌクレオチド(例えば、DNA)二本鎖などの官能基を含むことができ、上記の基は、電極(例えば、金電極)に共有結合により結合して、両電極の間に導電性ブリッジを設けることができる。
本明細書において使用される一部の用語を、手短に説明する。次に、ポリヌクレオチドを電気的に配列決定するための一部の構成例及び方法例を記載する。
用語
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語「含むこと(including)」、並びに「含む(include)」、「含む(ncludes)」及び「含まれた(included)」などの他の形態の使用は、限定ではない。用語「有すること(having)」、並びに「有する(have)」、「有すること(has)」及び「有した(had)」などの他の形態の使用は、限定ではない。本明細書で使用されるとき、移行句中か又は請求項の本文中のいずれであっても、用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、上記の用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義であると解釈されるべきである。例えば、プロセスの文脈において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、プロセスが少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含み得ることを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含み得ることを意味する。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。用語「含むこと(including)」、並びに「含む(include)」、「含む(ncludes)」及び「含まれた(included)」などの他の形態の使用は、限定ではない。用語「有すること(having)」、並びに「有する(have)」、「有すること(has)」及び「有した(had)」などの他の形態の使用は、限定ではない。本明細書で使用されるとき、移行句中か又は請求項の本文中のいずれであっても、用語「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドの意味を有するものとして解釈されるべきである。すなわち、上記の用語は、語句「少なくとも有する」又は「少なくとも含む」と同義であると解釈されるべきである。例えば、プロセスの文脈において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、プロセスが少なくとも列挙された工程を含むが、追加の工程を含み得ることを意味する。化合物、組成物、又はデバイスの文脈で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、化合物、組成物、又はデバイスが少なくとも列挙された特徴又は構成要素を含むが、追加の特徴又は構成要素も含み得ることを意味する。
本明細書全体を通して使用される「実質的に」、「およそ(approximately)」及び「約(about)」という用語は、処理のばらつきなどに起因する小さな変動を説明及び考慮するために使用されている。例えば、小さな変動は、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指すことができる。
本明細書で使用する場合、用語「粒子」は、多数の原子(例えば、約100個超の原子)から構成され、かつ少なくとも1つの外部寸法が約5nmよりも大きい三次元構造を有する構造体を意味することが意図されている。一部の例では、粒子は、少なくとも2つの外部寸法が約5nmよりも大きい、三次元構造を有する。一部の例では、粒子は、3つのすべての外部寸法が約5nmよりも大きい、三次元構造を有する。
一部の例では、粒子は、流体中でのその並進輸送特性に関して、単一の単位として作用することができる。例えば、粒子の第1の部分の並進運動は、流体中で、粒子の他の部分に、同時に並進移動を引き起こす。それに対し、細長い可撓性二次元構造体(三次構造を欠くポリマーなど)は、流体中でのその並進輸送特性に関して、単一の単位として必ずしも作用なくてもよい。例えば、このような構造体の第1の端部の並進運動は、このような構造体の第2の端部の並進運動を引き起こさないことがある。
本明細書における一部の粒子は、三次構造を有するポリマーなどの、単一分子を含むことができるか、又は単一分子からなることができる。本明細書で使用する場合、「三次構造」を有する粒子は、三次元の三次構造にフォールディングされている粒子が、所定の位置にフォールディングを保持する内部架橋を有することを意味することが意図される。それに対し、一次構造体(例えば、一緒に連結したモノマーの特定の配列)及び二次構造(例えば、局所構造)を有するが、フォールディングを定位置に保持する内部架橋がないポリマーは、その用語が本明細書に使用されている三次構造を有するとは見なされず、ポリマーが、その用語が本明細書に使用されている粒子であるとも見なされない。例えば、二本鎖ポリヌクレオチド(例えば、dsDNA)、一本鎖ポリヌクレオチド(例えば、ssDNA)、又は一次構造(鎖の各々における塩基の特定の配列)及び二次構造(例えば、2本らせん)を有するが、フォールディング及び三次構造への架橋がされていない部分二本鎖(例えば、dsDNA部分及びssDNA部分)は、この用語が本明細書において使用されている「粒子」とは見なされない。それに対し、一本鎖、二本鎖、若しく三次構造を有する部分二本鎖ポリヌクレオチド、又は三次構造を有するポリペプチド鎖は、この用語が本明細書に使用されている「粒子」と見なすことができる。
本明細書における粒子は、相互につながった、例えば相互に結合している、個々の原子又は分子のひとまとまりを含むことができるか、又はこれからなることができる。このような粒子の例は、ナノ粒子である。ナノ粒子は、1つ若しくは複数の外側寸法が約5~約100nmの範囲、又は2つ若しくはそれより多い外側寸法が約5~約100nmの範囲を有しており、一部の例では、すべての外側寸法が、約5~約100nmの範囲を有する。「外側寸法」とは、粒子の外側表面間の一方向における距離を意味する。ナノ粒子は、球状であってもよく、又は非球状であってもよい。球状又はほぼ球状のナノ粒子は、約5~約100nmの直径を有することができる。非球状ナノ粒子は、規則的な形状をしていることがあり、例えば、細長いことがあるか、又は不規則な形状をしていることがある。非球状ナノ粒子は、それらが球状でない場合でさえも、ある直径を有すると称されることがある。非球状粒子の直径は、粒子の少なくとも1つの寸法の平均値を指すことがあり、一部の例では、粒子のすべての寸法の平均値を指すことがある。細長いナノ粒子は、約5~約100nmの直径、及び約100nm超の長さを有することがある。
粒子は、導電性、半導体性、又は非導電性であってもよい(例えば、電気絶縁体であってもよい)。粒子は、任意の好適な物質、又は物質の組合せを含むことができる。導電性粒子は、例えば、金、白金、炭素、銀、パラジウムなどを含むことができる。半導体粒子は、例えば、カドミウム、亜鉛、チタン、水銀、マンガン、硫黄、セレン、テルル、炭素などを含む、1種以上の物質を含むことができる。非導電性粒子は、例えば、酸化ケイ素、酸化鉄、酸化アルミニウム、有機ポリマー、タンパク質などを含むことができる。
粒子は、官能基を含んでもよく、又は官能基に連結していてもよい。「官能基」とは、粒子の表面に結合している一方の末端部を有しており、かつ別の構造に結合することができる分子の表面から離れて延在する、別の末端部を有する分子部分を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「電極」は、電気を通す固体構造を意味することが意図されている。電極は、金、白金、又はパラジウムなどの任意の好適な導電性材料を含むことができる。
本明細書で使用する場合、用語「ブリッジ」は、他の構造の間に延在して、これらに結合する構造を意味することが意図される。ブリッジは、他の構造体間の空間に架かり得る。ブリッジは、ブリッジが他の構造体に結合している場所を除き、その空間内部で少なくとも一部が支持されていないことがある。ブリッジは、他の構造体間に延在して、集約して接続するような様式で相互に結合されている複数の構成要素を含むことができる。ブリッジは、化学結合により、例えば、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、又はそれらの任意の好適な組合せにより、電極などの別の構造体に結合していてもよい。
本明細書で使用する場合、「一過的な」は、一時的であること、又は永久でないことを意味することが意図されている。
本明細書で使用する場合、ある要素が別の要素に「隣接」しているとは、その他の要素と直接又は間接的に相互作用するように十分に近いことを意味することが意図される。
本明細書で使用する場合、「ポリマー」とは、相互に連結されている多数のサブユニットであって、モノマーと称されることがある多数のサブユニットの鎖を含む分子を指す。サブユニットは、繰り返してもよく、又は相互に異なっていてもよい。ポリマーは、生体ポリマー又は合成ポリマーとすることができる。ブリッジ又は標識内部に好適に含まれ得る、例となる生体ポリマーには、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖、ポリヌクレオチドアナログ、及びポリペプチドアナログが含まれる。ブリッジ又は標識に使用するのに好適な、例となるポリヌクレオチド及びポリヌクレオチドアナログは、DNA、鏡像異性体DNA、RNA、PNA(ペプチド-核酸)、モルホリノ及びLNA(ロックド核酸)を含む。ポリマーは、Glen Research(Sterling,VA)から市販されているような、ポリヌクレオチドに連結し得るが核酸塩基のない、スペーサーであるホスホロアミダイトを含んでもよい。例となる合成ポリペプチドは、荷電アミノ酸又は中性アミノ酸、並びに親水性残基及び疎水性残基を含むことができる。ブリッジ又は標識内に好適に含まれ得る、例となる合成ポリマーは、PEG(ポリエチレングリコール)、PPG(ポリプロピレングリコール)、PVA(ポリビニルアルコール)、PE(ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、PVC(ポリ塩化ビニル)、PS(ポリスチレン)、ナイロン(脂肪族ポリアミド)、TEFLON(登録商標)(テトラフルオロエチレン)、熱可塑性ポリウレタン、ポリアルデヒド、ポリオレフィン、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(ω-アルケン酸エステル)、ポリ(アルキルメタクリレート)、並びに他のポリマー状の化学リンカー及び生体リンカーを含む。合成ポリマーは、導電性であってもよく、半導電性であってもよく、又は絶縁性であってもよい。
本明細書で使用する場合、「ハイブリダイズする」は、ヌクレオチド塩基の特異的な水素結合対形成により、第1のポリヌクレオチドを第2のポリヌクレオチドに、それらのポリヌクレオチドの長さに沿って非共有結合により結合させることを意味することが意図される。第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの間の結合強度は、それらのポリマー内部のモノマー単位の配列間の長さ及び相補性と共に増大する。例えば、第1のポリヌクレオチドと第2のポリヌクレオチドとの間の結合強度は、それらのポリヌクレオチド内部のヌクレオチドの配列間の相補性及びそのような相補性の長さと共に増大する。
本明細書で使用する場合、用語「ヌクレオチド」は、糖、及び少なくとも1つのホスフェート基を含み、一部の例では、核酸塩基もまた含む分子を意味することが意図される。核酸塩基のないヌクレオチドは、「脱塩基性」と称することができる。ヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、修飾デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、修飾リボヌクレオチド、ペプチドヌクレオチド、修飾ペプチドヌクレオチド、修飾ホスフェート糖骨格ヌクレオチド、及びそれらの混合物を含む。ヌクレオチドの例には、アデノシン一リン酸(AMP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン三リン酸(ATP)、チミジン一リン酸(TMP)、チミジン二リン酸(TDP)、チミジン三リン酸(TTP)、シチジン一リン酸(CMP)、シチジン二リン酸(CDP)、シチジン三リン酸(CTP)、グアノシン一リン酸(GMP)、グアノシン二リン酸(GDP)、グアノシン三リン酸(GTP)、ウリジン一リン酸(UMP)、ウリジン二リン酸(UDP)、ウリジン三リン酸(UTP)、デオキシアデノシン一リン酸(dAMP)、デオキシアデノシン二リン酸(dADP)、デオキシアデノシン三リン酸(dATP)、デオキシチミジン一リン酸(dTMP)、デオキシチミジン二リン酸(dTDP)、デオキシチミジン三リン酸(dTTP)、デオキシシチジン二リン酸(dCDP)、デオキシシチジン三リン酸(dCTP)、デオキシグアノシン一リン酸(dGMP)、デオキシグアノシン二リン酸(dGDP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシウリジン一リン酸(dUMP)、デオキシウリジン二リン酸(dUDP)及びデオキシウリジン三リン酸(dUTP)が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「ヌクレオチド」はまた、天然に存在するヌクレオチドと比較して修飾された核酸塩基、糖及び/又はリン酸部分を含むタイプのヌクレオチドである、任意のヌクレオチドアナログを包含することが意図される。例となる修飾核酸塩基の例には、イノシン、キササニン、ヒポキササニン、イソシトシン、イソグアニン、2-アミノプリン、5-メチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、2-アミノアデニン、6-メチルアデニン、6-メチルグアニン、2-プロピルグアニン、2-プロピルアデニン、2-チオウラシル、2-チオチミン、2-チオシトシン、15-ハロウラシル、15-ハロシトシン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル、4-チオウラシル、8-ハロアデニン又はグアニン、8-アミノアデニン又はグアニン、8-チオールアデニン又はグアニン、8-チオアルキルアデニン又はグアニン、8-ヒドロキシルアデニン又はグアニン、5-ハロ置換ウラシル又はシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニンなどが含まれる。当技術において公知のとおり、ある特定のヌクレオチドアナログは、ポリヌクレオチド、例えば、アデノシン5’-ホスホスルフェートなどのヌクレオチドアナログに組み込まれた状態にはなり得ない。
本明細書で使用する場合、用語「ポリヌクレオチド」とは、相互に結合しているヌクレオチドの配列を含む分子を指す。ポリヌクレオチドは、ポリマーの非限定的な一例である。ポリヌクレオチドの例は、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、及びそれらのアナログを含む。ポリヌクレオチドは、RNA又は一本鎖DNAなどのヌクレオチドの一本鎖配列、二本鎖DNA又は二本鎖RNAなどのヌクレオチドの二本鎖配列とすることができる、又はヌクレオチドの一本鎖配列と二本鎖配列の混合物を含むことができる。二本鎖DNA(dsDNA)は、ゲノムDNA、及びPCR及び増幅生成物を含む。一本鎖DNA(ssDNA)は、dsDNAに変換され得、その反対もあり得る。ポリヌクレオチドは、DNA鏡像異性体などの天然に存在しないDNAを含むことができる。ポリヌクレオチド中のヌクレオチドの正確な配列は、公知であり得るか、又は未知であり得る。以下が、ポリヌクレオチドの例示的な例である:遺伝子又は遺伝子断片(例えば、プローブ、プライマー、発現配列タグ(EST)又は遺伝子発現のシリアル分析(SAGE)タグ)、ゲノムDNA、ゲノムDNA断片、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、トランスファーRNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、合成ポリヌクレオチド、分岐ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離DNA、任意の配列の単離RNA、核酸プローブ、プライマー、又は上記のいずれかの増幅コピー。
本明細書で使用する場合、「ポリメラーゼ」は、ヌクレオチドをポリヌクレオチドに重合することによってポリヌクレオチドを組み立てる活性部位を有する酵素を意味することが意図される。ポリメラーゼは、プライミングされた一本鎖ポリヌクレオチド鋳型に結合することができ、鋳型の配列に相補的な配列を有するポリヌクレオチドを形成するために、成長プライマーにヌクレオチドを連続的に付加することができる。
本明細書で使用する場合、用語「プライマー」は、遊離3’OH基を有する一本鎖を有するポリヌクレオチドとして定義される。プライマーはまた、カップリング反応、又は別の部分にプライマーを連結することを可能にする5’末端において修飾部を有することができる。プライマーの長さは、任意の数の塩基の長さであることができ、さまざまな天然に存在しないヌクレオチドを含むことができる。プライマーは、ブロックが除去されるまで重合を阻止するために、3’末端においてブロックされ得る。
本明細書で使用する場合、用語「標識」は、2つの電極間の導電性の変化を引き起こす構造体を意味することが意図されている。標識は、2つの電極間のブリッジに、そのブリッジの導電性の変化を引き起こす様式で結合することができ、この導電性の変化に基づいてヌクレオチドが特定され得る。例えば、標識は、このようなブリッジ内部のポリマー鎖にハイブリダイズすることができ、このハイブリダイゼーションは、導電性の変化を引き起こし得る。あるいは、標識は、2つの電極間に導電性の変化を引き起こすような様式で、それらの電極の各々に結合してもよい。本明細書において提供される例では、標識は、ヌクレオチドに結合することができる。
本明細書で使用する場合、用語「基板」とは、本明細書に記載されている構成のための支持体として使用される材料を指す。例となる基板材料は、ガラス、シリカ、プラスチック、石英、金属、金属酸化物、オルガノ-シリケート(例えば、多面体有機シルセスキオキサン(POSS))、ポリアクリレート、酸化タンタル、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、又はそれらの組合せを含むことができる。POSSの一例は、Kehagiasら、Microelectronic Engineering 86(2009年)、776~778頁に記載されているものであり得、当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の例では、本出願に使用される基板は、ガラス、溶融シリカ、又は他のシリカ含有材料などのシリカベースの基板を含む。一部の例では、シシリカベースの基板は、ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はシリコーンヒドリド(silicone hydride)を含むことができる。一部の例では、本出願において使用される基板は、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、及びポリ(メタクリル酸メチル)などのブラスチック材料又は構成成分を含む。プラスチック材料の例は、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリスチレン、及び環式オレフィンポリマー基板を含む。一部の例では、基板は、シリカベースの材料若しくはプラスチック材料、又はそれらの組合せであるか、又はそれらを含む。特定の例では、基板は、ガラス又はケイ素ベースのポリマーを含む少なくとも1つの表面を有する。一部の例では、基板は、金属を含むことができる。一部のこのような例では、金属は金である。一部の例では、基板は、金属酸化物を含む少なくとも1つの表面を有する。一例では、表面は、酸化タンタル又は酸化スズを含む。アクリルアミド、エノン、又はアクリレートもまた、基板材料又は構成成分として利用することができる。他の基板材料は、限定するものではないが、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、アルミニウム、セラミック、ポリイミド、石英、樹脂、ポリマー及びコポリマーを含むことができる。一部の例では、基板及び/又は基板表面は、石英であり得るか、又は石英を含むことができる。一部の他の例では、基板及び/又は基板表面は、GaAs又はITOなどの半導体であり得るか、又は当該半導体を含むことができる。上述のリストは、本出願を例示することが意図されているが、本出願を限定するものではない。基板は、単一材料又は複数のさまざまな材料を含むことができる。基板は、複合体又は積層体とすることができる。一部の例では、基板は、オルガノ-シリケート材料を含む。
基板は、水平、円形、球形、ロッド形状、又は任意の他の好適な形状とすることができる。基板は、剛性であってもよく、又は可撓性であってもよい。一部の例では、基板は、ビーズ又はフローセルである。
基板は、基板の1つ又は複数の表面上にパターンを有していなくてもよく、テクスチャード加工を有していてもよく、又はパターンを有していてもよい。一部の例では、基板は、パターン形成されている。このようなパターンは、ポスト、パッド、ウェル、隆起部、チャネル又は他の三次元凹状若しくは凸状構造体を含むことができる。パターンは、基板の表面全体にわたって規則的であってもよく、又は不規則的であってもよい。パターンは、例えば、ナノインプリントリソグラフィーによって、又は例えば、非金属製表面に特徴部を形成する金属パッドの使用によって形成することができる。
一部の例では、本明細書に記載されている基板は、フローセルの少なくとも一部を形成するか、又はフローセル内に位置するか、又はフローセルに連結されている。フローセルは、複数のレーン又は複数のセクターに分割されているフローチャンバを含んでもよい。本明細書において説明されている方法及び構成に使用することができるフローセルの例、及びフローセルを製造するための基板例は、限定するものではないが、Illumina、Inc.(San Diego,CA)から市販されているものを含む。
ポリヌクレオチドを配列決定するための例となる構成及び方法
図1A~図1Bは、両電極間に粒子ベースのブリッジを含むデバイス例を概略的に例示する。図1Aに示されている例では、デバイス100は、第1の電極102、第2の電極103、粒子120、及びポリメラーゼ105を含む。ポリメラーゼ105は、粒子120に連結されていてもよい。例えば、一例では、ポリメラーゼ105は、当該技術分野で公知のような方法で、リンカー106を介して粒子120に連結され得る。ポリメラーゼ105の粒子120への結合は、例えば、限定するものではないが、アルキン/アジドクリック、アミン/アルデヒドSchiff塩基、アミン/エポキシ、スパイタグ/スパイキャッチャー、ビオチン/ストレプトアビジン、チオール/アルケン、銅不含クリックケミストリー反応(すなわち、シクロオクチン/アジド)、Ni/NTAを含めた、いくつかの化学反応により実現することができる。別の例において、ポリメラーゼ105の粒子120への結合は、静電結合又は水素結合を含めた、非共有結合的相互作用を介して実現することができる。
図1A~図1Bは、両電極間に粒子ベースのブリッジを含むデバイス例を概略的に例示する。図1Aに示されている例では、デバイス100は、第1の電極102、第2の電極103、粒子120、及びポリメラーゼ105を含む。ポリメラーゼ105は、粒子120に連結されていてもよい。例えば、一例では、ポリメラーゼ105は、当該技術分野で公知のような方法で、リンカー106を介して粒子120に連結され得る。ポリメラーゼ105の粒子120への結合は、例えば、限定するものではないが、アルキン/アジドクリック、アミン/アルデヒドSchiff塩基、アミン/エポキシ、スパイタグ/スパイキャッチャー、ビオチン/ストレプトアビジン、チオール/アルケン、銅不含クリックケミストリー反応(すなわち、シクロオクチン/アジド)、Ni/NTAを含めた、いくつかの化学反応により実現することができる。別の例において、ポリメラーゼ105の粒子120への結合は、静電結合又は水素結合を含めた、非共有結合的相互作用を介して実現することができる。
この例では、基板101は、第1の電極102及び第2の電極103を支持することができる。第1の電極102及び第2の電極103は、図1Aに表示されているとおり、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよい。Lの値は、一部の例では、約5nm~約1μm、例えば、約5nm~約100nm、例えば、約5nm~約50nm、例えば、約20nm~約50nmであってもよい。第1の電極102及び第2の電極103は、任意の好適な形状を有することができ、図1Aに示唆されているほぼ矩形の形状に限定されない。例えば、図1Aに例示されている、第1の電極102及び第2の電極103の側壁は、必ずしも必要としないが、相互に垂直又は平行であってもよく、このような電極の上部表面と直角に接触することを必ずしも必要としない。例えば、第1の電極102及び第2の電極103は、不規則形状であってもよく、湾曲していてもよく、又は任意の好適な数の鈍角又は鋭角を含んでもよい。別の例において、電極102及び103は、基板101と同一平面にあってもよい。別の例において、電極は、相互の上部に垂直方向に積層されていてもよく、電極間の空間は、厚さLの好適な絶縁層によって画定されていてもよい。値Lは、第1の電極102及び第2の電極103の相互に対する最も近い点の間の間隔(長さ)を指すことができる。第1の電極102及び第2の電極103のそれぞれの幅(例えば、図1Aに例示されている面に出入りする寸法で)は、長さLとは異なることがある。したがって、電極102と電極103との間の空間の幅は、Lとは異なることがある。例えば、第1の電極102及び第2の電極103の相互に対する最も近い点における、第1の電極102及び第2の電極103のそれぞれの幅は、L未満であってもよく、その結果、電極間の空間の幅は、電極間の空間の長さよりも短いことがある。例えば、幅は、約1nm~約1μm、例えば、約1nm~約100nm、例えば、約2nm~約50nm、例えば、約4nm~約50nmとすることができる。
図1Aに例示されている例では、粒子120は、第1の電極102と第2の電極103との間の空間内部に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその内部に完全に配置される。一例では、粒子120は、第1の電極102と第2の電極103との間の空間において基板101と接触する。粒子120は、任意の好適な直径を有してもよい。例えば、粒子120が、第1の電極102と第2の電極103との間の空間内に少なくとも部分的に配置されている構成では、粒子120は、Lより短い直径Dを有してもよい。例えば、粒子120は、Lの少なくとも約10%である直径D、Lの少なくとも約20%である直径D、Lの少なくとも約30%である直径D、Lの少なくとも約40%である直径D、Lの少なくとも約50%である直径D、Lの少なくとも約60%である直径D、Lの少なくとも約70%である直径D、Lの少なくとも約80%である直径D、Lの少なくとも約90%である直径D、Lの少なくとも約95%である直径D、又はLの約100%未満である直径Dを有することができる。直径Dは、例えば、Lの約10%~約90%の範囲、又はLの約20%~約90%の範囲、又はLの約50%~約90%の範囲、又はLの約60%~約80%の範囲にあることができる。一部の例では、粒子120は、第1の電極102と第2の電極103との間の空間の幅より小さい直径を有してもよい。例えば、粒子120は、幅の少なくとも約10%である直径D、幅の少なくとも約20%である直径D、幅の少なくとも約30%である直径D、幅の少なくとも約40%である直径D、幅の少なくとも約50%である直径D、幅の少なくとも約60%である直径D、幅の少なくとも約70%である直径D、幅の少なくとも約80%である直径D、幅の少なくとも約90%である直径D、幅の少なくとも約95%である直径D、又は幅の約100%未満である直径Dを有してもよい。直径Dは、例えば、幅の約10%~約90%の範囲、又は幅の約20%~約90%の範囲、又は幅の約50%~約90%の範囲、又は幅の約60%~約80%の範囲であってもよい。
粒子120は、任意の好適な構成を有することができる。例えば、粒子120は、導電性であってもよく、例えば、図2又は図3B~図3Dを参照して記載されているような様式で、第1の電極102と第2の電極103との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成してもよい。あるいは、例えば、粒子102は、例えば、図3Aを参照して記載されているような様式で、半導電性であってもよく、又は非導電性であってもよい。本粒子中で使用するのに好適な導電性材料及び非導電性材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。
粒子120は、任意の好適な形状を有することができる。例えば、図1Aでは、粒子120は、非球状であることが示唆されており、粒子120は、代わりに、球状であってもよく、又はほぼ球状であってもよい。本粒子で使用するのに好適な形状の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。
粒子120は、一部の例では、粒子120の第1の部分と第1の電極102との間に延在する第1の官能基を含む複数の結合111により第1の電極102に連結されていてもよく、一部の例では、粒子120の第2の部分と第2の電極103との間に延在する第2の官能基を含む複数の結合112により第2の電極103に連結されていてもよい。図1Aに示されている例は、結合111及び結合112のすべてが、それぞれ、電極102及び103の垂直表面に結合されていることを示唆しているが(一部の例では、第1の官能基及び第2の官能基を介する)、代わりに、このような結合の任意の好適な数が、両電極のそれぞれの上部表面に結合していてもよい(一部の例では、第1の官能基及び第2の官能基を介する)ことが理解されるべきである。粒子120、結合111、結合112、及び粒子に連結されているいずれの官能基も、第1の電極102と第2の電極103との間の空間に広がることができる。結合111は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。結合112は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。例えば、結合111及び結合112はそれぞれ、及び相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。結合111及び結合112は、図2、図3A及び図3Dを参照して例示されているように、粒子120とそれぞれの電極との間の直接結合であってもよく、又は直接結合を含んでもよい。あるいは、結合111及び結合112は、例えば、図3B~図3Cを参照して例示されているとおり、官能基などの1つ以上の中間構造体を介する間接結合を含んでもよい。
本粒子(例えば、本明細書に記載されている粒子120又は他の粒子)が、複数の結合を介して第1の電極に直接、又は間接的に連結されている例、及び複数の結合を介して第2の電極に直接、又は間接的に連結されている例では、デバイスは、電気的にロバストとなり得る。例えば、電流が、単結合を介して電極から粒子に流れる場合、及び単結合を介して、粒子から別の電極に流れる場合、このような電流は、それらの結合の一方又は両方を加温状態にし、破壊が起こり、こうしてデバイスは故障するおそれがある。それに対し、複数の結合を介して電極から粒子に、及び複数の結合を介して粒子から別の電極に電流を流すこと(これらの複数の結合は、図1Aに表示されているような様式で、粒子の表面全体に分布され得る)により、それらの結合間に電流が分布し、したがって、結合の過熱が阻止され、過熱が阻止されなければこのような過熱から生じるおそれがあるデバイスへの損傷を阻止することができる。
図1Bに示されている例では、デバイス100’は、第1の電極102、第2の電極103、粒子120’、及びポリメラーゼ105を含む。ポリメラーゼは、一部の例では、リンカー106を介して、粒子120’に連結されていてもよい。この例では、基板101は、図1Aを参照して記載されているような様式で、空間によって相互に離隔され得る第1の電極102及び第2の電極103を支持することができる。図1Bに例示されている例では、粒子120’は、第1の電極102及び第2の電極103の上方の空間内部に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその内部に完全に配置される。例えば、粒子120’は、基板101の上方の高さHの位置に配置され得る。Hの値は、一部の例では、約1nm~約100nm、例えば約1nm~約50nm、例えば約10nm~約50nmであってもよい。Hの値は、一部の例では、電極102、103の一方又は両方の高さよりも大きくてもよく(この高さは、相互にほぼ同じであってもよいが、必ずしもそうでなくてもよい)、これにより、粒子120のどの部分も電極間に垂直方向に位置しないようになっている。
図1Bに例示されている粒子120’は、図1Aを参照して記載されている粒子120に関して記載されているものと類似した構成及び形状を有してもよいが、粒子120と類似の又は異なるサイズであってもよい。例えば、粒子120’が、第1の電極102及び第2の電極103の上方の空間内部に少なくとも部分的に配置されている構成では、粒子120は、Lより短い直径Dを有してもよく、又はLよりも長い直径Dを有してもよい。例えば、粒子120’は、Lの少なくとも約10%である直径D、Lの少なくとも約20%である直径D、Lの少なくとも約30%である直径D、Lの少なくとも約40%である直径D、Lの少なくとも約50%である直径D、Lの少なくとも約60%である直径D、Lの少なくとも約70%である直径D、Lの少なくとも約80%である直径D、Lの少なくとも約90%である直径D、Lの少なくとも約95%である直径D、又はLの少なくとも約100%である直径D、又はLの少なくとも約110%である直径D、又はLの少なくとも約120%である直径D、又はLの少なくとも約130%である直径D、又はLの少なくとも約150%である直径D、又はLの少なくとも約200%である直径D、又はLの少なくとも約300%の直径、又はLの少なくとも約400%の直径、又はLの少なくとも約500%の直径を有してもよい。直径Dは、例えば、Lの約10%~約500%の範囲、又はLの約20%~約400%の範囲、又はLの約50%~約300%の範囲、又はLの約60%~約200%の範囲、又はLの約70%~約100%の範囲であることができる。
粒子120’は、複数の結合111’(一部の例では、第1の官能基を含む)を介して第1の電極102に連結していてもよく、複数の結合112’(一部の例では、第2の官能基を含む)を介して第2の電極103に連結していてもよい。図1Bに示されている例では、結合’111’及び結合112’のうちの1つ以上、及び一部の例では、結合111’及び112’のすべてが、電極102及び103の上部(水平)表面のそれぞれに結合している。粒子120’、結合111’及び結合112’は、第1の電極102と第2の電極103との間の空間に広がってもよい。一部の例では、粒子120’は、第1の電極102及び第2の電極103の一方又は両方に接触し、それらに直接結合するが、他の例では、粒子120’は、官能基などの中間構造体を介して、第1の電極102及び第2の電極103に間接的に結合する。
一部の例では、図1Aに例示されている粒子120又は図1Bに例示されている粒子120’は、三次構造を有するポリマーを含む。図2は、両電極間に三次ポリマー構造体を含む、デバイス200の例を概略的に例示する。図2に示されている例では、デバイス200は、第1の電極202、第2の電極203、三次ポリマー構造体220、及びポリメラーゼ205を含む。ポリメラーゼ205は、三次ポリマー構造体220に連結され得る。例えば、一部の例では、ポリメラーゼ205は、当該技術分野で公知のような様式で、リンカー206を介して三次ポリマー構造体220に連結され得る。例えば、ポリメラーゼ205は、限定するものではないが、アルキン/アジドクリック、アミン/アルデヒドSchiff塩基、アミン/エポキシ、スパイタグ/スパイキャッチャー、ビオチン/ストレプトアビジン、チオール/アルケン、銅不含クリック反応(すなわち、シクロオクチン/アジド)、Ni/NTAを含めた、いくつかの化学反応により、三次ポリマー構造体206に結合されていてもよい。代替として、ポリメラーゼ205の三次ポリマー構造体206への結合は、静電結合又は水素結合を含めた、非共有結合性相互作用を介して実現することができる。
この例では、基板201は、第1の電極202及び第2の電極203を支持することができる。第1の電極202及び第2の電極203は、図2に表示されているとおり、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、図1Aを参照して一層詳細に記載されているような任意の好適な形状を有してもよい。Lの値は、一部の例では、約5nm~約1μm、例えば、約10nm~約100nm、例えば、約10nm~約50nm、例えば、約20nm~約50nmであってもよい。図2に例示されている例では、三次ポリマー構造体220は、図1Aを参照して記載されているような様式で、第1の電極202と第2の電極203との間の空間内部に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその内部に完全に配置される。一部の例では、三次ポリマー構造体220は、第1の電極202と第2の電極203との間の空間において基板201と接触する。三次ポリマー構造体220は、図1Bを参照して記載されているような様式で、第1の電極202と第2の電極203との間の空間の上方に少なくとも部分的に配置されており、一部の例では、その上方に完全に配置される。すなわち、三次ポリマー構造体220は、基板201の上方に任意の好適な高さを有することができ、図1A~図1Bを参照して例示されているものなどの任意の好適な直径を有することができる。
三次ポリマー構造体220は、任意の好適な構成を有することができる。一部の例では、三次ポリマー構造体は、DNAなどのポリヌクレオチド、又はポリペプチドを含む。図2に例示されている非限定例では、ポリヌクレオチド又はポリペプチドは、フォールディングされて、中央狭窄部290、例えば、複数の点において電極202、203にそれぞれ結合されている幅広領域の間の比較的狭い領域を有する三次構造に架橋されていてもよい。一部の例では、中央狭窄部290は、第1の電極と第2の電極との間に導電性ブリッジの一部を形成する。例えば、三次ポリマー構造体220は、導電性であってもよく、例えば、第1の電極202と第2の電極203との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成してもよい。中央狭窄部290を通るブリッジの導電性は、一部の例では、例えば、図9Bを参照して記載されているような様式で調節されてもよい。1つの非限定的な構成では、三次ポリマー構造体220は、単一分子を含むか、又は単一分子からなる。
三次ポリマー構造体220は、複数の結合211を介して第1の電極202に連結していてもよく、複数の結合212を介して第2の電極203に連結していてもよい。図2に示されている例は、結合211及び結合212の混合物は、それぞれ、電極202及び203の垂直表面又は水平表面に結合されていることを示唆するが、このような結合の任意の好適な組合せが、代わりに、それぞれの電極の上部表面又は垂直表面に結合されていてもよいことを理解すべきである。三次ポリマー構造体220、結合211、及び結合212は、第1の電極202と第2の電極203との間の空間に広がってもよい。結合211は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。結合212は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。例えば、結合211及び結合212はそれぞれ、相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。結合211及び212は、三次ポリマー構造体220とそれぞれの電極との間の直接結合であってもよく、又はこれを含んでもよい。例えば、三次ポリマー構造体は、この構造体をそれぞれの電極に結合させるための官能基を含んでもよい。両電極間の空間の特定の長さに合わせて調整されているサイズ及び形状の三次ポリマー構造体(DNA折り紙など)を使用することによって、このような空間は、正確に1つのこのような構造体により官能基化されてもよい。三次ポリマー構造体が、一旦、所定の位置に配置されると、立体的又は幾何学的排除により、更なるいずれの三次ポリマー構造体もこの空間に進入することが阻止され得る。
一部の構成では、三次ポリマー構造体220のポリマーは、DNAであるか、又はこれを含む。一部の例では、意図する三次構造を有するDNAを意味する「DNA折り紙」は、「鋳型」と称されることがある単一の長いDNA分子を、「ステープル」と呼ばれることがある短い相補性配列と混合することによって構築することができる。各ステープルは、長いDNA分子内の特定の領域に結合し、長いDNA分子を所望の形状に引き寄せることができ、その非限定例は、図2に例示されている。各ステープルは、特有の配列を有してもよく、最後に、最終的な三次構造における十分に規定された位置に納まることができる。各ステープルは、他のステープルの任意の官能基化とは独立して、個々に官能基化され得るので、これによって、ポリメラーゼを連結するために使用することができる官能基要素、又は電極に結合するために使用することができる官能基要素などの具体的な官能基要素を三次構造に対して正確に留置することが可能となる。1つ以上のステープルに含まれ得る、又はこれに結合し得る例となる官能基要素は、限定されるものではないが、ナノ粒子、酵素、化学リンカー、カーボンナノチューブなどの分子ワイヤ、ペプチド、又は他のDNA折り紙若しくはDNA配列を含む。比較的大きなDNA折り紙構造体は、複数の一層小さなDNA折り紙構造体から形成することができる。DNA折り紙の設計及び調製に関する更なる詳細に関しては、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる次の参考文献を参照されたい:Wangら、「The Beauty and Utility of DNA Origami」Chem2:359~382頁(2017年)。
一非限定例では、官能基要素をDNA折り紙に位置付けることができる精度の高さは、ポリヌクレオチド配列決定を容易にすることができる、いくつかの異なる用途をもたらすことができる。例えば、選択されたサイズ及び構成の金属ナノ粒子を、DNA折り紙上の十分に明確な位置に配置することができる。相互に数ナノメートルの距離において、金属性ナノ粒子は、ナノ粒子間の近接場連結などのナノプラズモン効果を示すことができる。金属ナノ粒子のナノプラズモン効果に関する更なる詳細に関しては、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる次の参照文献を参照されたい:Danckwertsら、「Optical frequency mixing at coupled gold nanoparticles」Phys.Rev.Lett.98巻:026104頁(2007年)。本デバイスは、任意の好適なタイプの粒子と共に使用されてもよい。例えば、図3A~図3Dは、両電極間にナノ粒子ベースのブリッジを含むデバイス例を概略的に例示している。図3Aに示されている例では、デバイス300は、第1の電極302、第2の電極303、ナノ粒子320、及びポリメラーゼ305を含む。ポリメラーゼ305は、ナノ粒子320に連結されていてもよい。例えば、ポリメラーゼ305は、リンカー306を介して、又は図3Aに示唆されているように直接、ナノ粒子320に結合されていてもよい。この例では、基板301は、第1の電極302及び第2の電極303を支持することができる。第1の電極302及び第2の電極303は、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、例えば、図1Aを参照して一層詳細に記載されているような任意の好適な形状を有してもよい。Lの値は、一部の例では、約5nm~約1μm、例えば、約10nm~約100nm、例えば、約10nm~約50nm、例えば、約30nm~約50nmであってもよい。図3Aに例示されている例では、ナノ粒子320は、図1Aを参照して記載されているような様式で、第1の電極302と第2の電極303との間の空間内部に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその内部に完全に配置される。図3Aに例示されている例では、ナノ粒子320は、第1の電極302と第2の電極303との間の空間において基板301と接触する。しかし、ナノ粒子320は、図1Bを参照して記載されているような様式で、第1の電極302と第2の電極303との間の空間の上方に少なくとも部分的に配置され得ること、及び一部の例ではその上方に完全に配置されることを理解すべきである。すなわち、ナノ粒子320は、基板301の上方に任意の好適な高さを有することができ、図1A~図1Bを参照して例示されている直径などの任意の好適な直径を有することができる。図3Aに具体的に例示されている例では、ナノ粒子320は、電極302と電極303との間の空間の長さにほぼ等しい直径を有してもよい。
ナノ粒子320は、複数の結合311を介して第1の電極302に連結していてもよく、複数の結合312を介して第2の電極303に連結していてもよい。図3Aに示されている例は、結合311及び結合312は、電極302及び303の垂直表面に結合されていることを示唆するが、このような結合の任意の好適な組合せが、代わりに、それぞれの電極の上部表面又は垂直表面に結合されていてもよいことが理解されるべきである。ナノ粒子320、結合311、及び結合312は、第1の電極302と第2の電極303との間の空間に広がってもよい。結合311は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。結合312は、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。例えば、結合311及び結合312はそれぞれ、及び相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。図3Aに示されている例では、結合311及び312は、ナノ粒子320とそれぞれの電極との間の直接結合であるか、又は直接結合を含む。例えば、ナノ粒子320は、この構造体をそれぞれの電極に結合するための官能基を含む。
ナノ粒子320は、任意の好適な構成を有することができる。一部の例では、ナノ320粒子は、無機物である。無機材料を含めた、ナノ粒子に使用するのに好適な材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。ナノ粒子320は、一部の例では、電流が、第1の電極302と第2の電極303との間のナノ粒子320を実質的に通過しないよう、非導電性であってもよい。本粒子における使用に好適な非導電性材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。一部の例では、図9Aを参照して記載されているような様式で、標識などの構造体をそれぞれ、第1の電極302と第2の電極303との間の導電性ブリッジを形成するために使用することができる。
図3Bに示されている例では、デバイス300aは、第1の電極302a、第2の電極303a、ナノ粒子320a、及び本明細書の他の箇所に記載されているものと同様の様式でナノ粒子320に連結されたポリメラーゼを含む(ポリメラーゼは、図3Bに具体的には示されていない)。この例では、基板301aは、第1の電極302a及び第2の電極303aを支持することができる。第1の電極302a及び第2の電極303aは、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、例えば、図1Aを参照して一層詳細に記載されているような任意の好適な形状を有してもよい。図3Bに例示されている例では、ナノ粒子320aは、図1Bを参照して記載されているような様式で、第1の電極302aと第2の電極303aとの間の空間の上方に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその上方に完全に配置される。すなわち、ナノ粒子320aは、基板301aの上方に任意の好適な高さを有することができ、図1A~図1Bを参照して例示されているものなどの任意の好適な直径を有することができる。
ナノ粒子320aは、複数の官能基311aを介して第1の電極302aに連結していてもよく、複数の官能基312a介して第2の電極303aに連結していてもよい。このような官能基の任意の好適な組合せは、それぞれの電極の上部表面又は垂直表面の任意の好適な組合せに結合してもよい。ナノ粒子320a、官能基311a、及び官能基312aは、第1の電極302aと第2の電極303aとの間の空間に広がってもよい。官能基311aは、結合の任意の好適な組合せを含むことができる。官能基312aは、結合の任意の好適な組合せを含むことができる。例えば、官能基311a及び官能基312aはそれぞれ、及び相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。図3Bに示されている例において、官能基311a及び官能基312aは、ナノ粒子320とそれぞれの電極との間に間接結合をもたらす。例えば、ナノ粒子320aは、「X」と指定されている基を介してナノ粒子の材料に結合されている第1のオリゴヌクレオチド(DNAなど)、及び第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされている第2のオリゴヌクレオチド(DNAなど)を含めた官能基を含む。第2のオリゴヌクレオチドは、「Y」と指定される反応性基を含んでもよく、この反応性基は、ナノ粒子320aを電極に連結して、一部の例では、両電極間に導電性ブリッジを形成するように、第1の電極302a及び第2の電極303aのうちのそれぞれ1つと反応することができる。
図3Bに例示されているナノ粒子320aは、任意の好適な構成を有することができる。一部の例では、ナノ320a粒子は、無機物である。無機材料を含めた、ナノ粒子に使用するのに好適な材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。ナノ粒子320aは、一部の例では、電流が、官能基を介して、第1の電極302aと第2の電極303aとの間のナノ粒子320aに流れるように、導電性とすることができる。本粒子において使用するのに好適な導電性材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。一部の例では、電極302aと電極303aとの間の導電性は、図8A~図8Bを参照して記載されているような様式で調節されてもよい。
一非限定例では、ナノ粒子320a(例えば、金ナノ粒子)は、第1の電極302a及び第2の電極303aにナノ粒子を結合させる、DNA二本鎖311a、312bを含む官能基に連結されていてもよい。ここで、DNAは、導電性を示すことが知られているので、第1の電極302aと第2の電極303aとの間の導電性において役割を果たすことができる。DNA二本鎖311a、312bなどの官能基を介した、ナノ粒子320aと電極302a、303aとの間の接合部の形成は、DNA二本鎖を介して、一方の電極からもう一方の電極への導電経路をもたらすことができる。DNA二本鎖311a、312bの反応性基「Y」は、第1の電極302a及び第2の電極303aと反応することが可能なコロナ、例えば、金-ジスルフィド反応により直接、又は好適な還元剤によりチオールに開裂させた後のどちらか一方で、両電極の材料(例えば、金)と反応してスルフィド結合(例えば、Au-S)を形成する、ジスルフィド基又はチオール基をもたらすことができる。このような戦略は、適合可能な基をDNAナノ粒子の結合を形成させるために選択することによって、他のナノ粒子の構成に適用することができる。
図3Cに示されている例では、デバイス300bは、第1の電極302b、第2の電極303b、ナノ粒子320b、及び本明細書の他の箇所に記載されているものと同様の様式でナノ粒子320に連結されたポリメラーゼを含む(ポリメラーゼは、図3Bに具体的には示されていない)。この例では、基板301bは、第1の電極302b及び第2の電極303bを支持することができる。第1の電極302b及び第2の電極303bは、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、例えば、図1Aを参照して一層詳細に記載されているような任意の好適な形状を有してもよい。図3Cに例示されている例では、ナノ粒子320bは、図1Bを参照して記載されているような様式で、第1の電極302bと第2の電極303bとの間の空間の上方に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその上方に完全に配置される。すなわち、ナノ粒子320bは、基板301bの上方に任意の好適な高さを有することができ、図1A~図1Bを参照して例示されているものなどの任意の好適な直径を有することができる。
ナノ粒子320bは、複数の官能基311bを介して第1の電極302bに連結していてもよく、複数の官能基312b介して第2の電極303bに連結していてもよい。このような官能基の任意の好適な組合せは、それぞれの電極の上部表面又は垂直表面の任意の好適な組合せに結合していてもよい。ナノ粒子320b、官能基311b、及び官能基312bは、第1の電極302bと第2の電極303bとの間の空間に広がってもよい。官能基311bは、結合の任意の好適な組合せを含むことができる。官能基312bは、結合の任意の好適な組合せを含むことができる。例えば、官能基311b及び官能基312bはそれぞれ、及び相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。図3Cに示されている例では、官能基311b及び312bは、ナノ粒子320とそれぞれの電極との間に間接結合をもたらす。例えば、ナノ粒子320bは、それぞれの基(具体的には例示されていない)を介して、ナノ粒子の材料に結合している第1のオリゴヌクレオチド(DNAなど)を含む官能基を含んでおり、第1の電極302b及び第2の電極303bは、ナノ粒子320bを電極に連結させて、一部の例では、両電極間に導電性ブリッジを形成するように、第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズした第2のオリゴヌクレオチド(DNAなど)に結合している。
図3Cに例示されているナノ粒子320bは、任意の好適な構成を有することができる。一部の例では、ナノ320b粒子は、無機物である。無機材料を含めた、ナノ粒子に使用するのに好適な材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。ナノ粒子320bは、一部の例では、電流が、官能基を介して、第1の電極302bと第2の電極303bとの間のナノ粒子320bを流れるように、導電性とすることができる。本粒子における使用に好適な導電性材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。一部の例では、電極302bと電極303bとの間の導電性は、図8A~図8Bを参照して記載されているような様式で調節されてもよい。
図3Dに示されている例では、デバイス300cは、第1の電極302c、第2の電極303c、リンカー330cによって一緒に連結されている一対のナノ粒子320c、321c、及び本明細書の他の箇所に記載されているものと同様の方法でナノ粒子320に連結されたポリメラーゼ(ポリメラーゼは、図3Bに具体的には示されていない)を含む。この例では、基板301cは、第1の電極302c及び第2の電極303cを支持することができる。第1の電極302c及び第2の電極303cは、空間、例えば、長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、例えば、図1Aを参照して一層詳細に記載されているような任意の好適な形状を有してもよい。図3Dに例示されている例では、一対のナノ粒子320c、321cは、図1Aを参照して記載されているような様式で、第1の電極302cと第2の電極303cとの間の空間内部に少なくとも部分的に配置されており、一部の例ではその内部に完全に配置される。すなわち、一対のナノ粒子320c、321cは、基板301cの上方に任意の好適な高さを有することができ、図1A~図1Bを参照して例示されているものなどの任意の好適な直径を有することができる。図3Dに具体的に例示されている例では、ナノ粒子320cは、電極302cと電極303cとの間の空間の長さの40%未満の直径を有することができ、ナノ粒子321cは、電極302cと電極303cとの間の空間の長さの40%未満の直径を有することができ、こうして、ナノ粒子320c及び320d並びにリンカー330cは、両電極間の空間内部に適合することができる。
ナノ粒子320cは、第1の複数の結合311cを介して第1の電極302cに連結していてもよく、ナノ粒子321cは、第2の複数の結合312c介して第2の電極303cに連結していてもよい。このような結合の任意の好適な組合せは、それぞれの電極の上部表面又は垂直表面の任意の好適な組合せに結合していてもよい。ナノ粒子320cは、1つ以上の官能基を含むことができるリンカー330cを介して、ナノ粒子321cに連結されていてもよい。ナノ粒子320c、ナノ粒子321c、結合311c、結合312c、及びリンカー330cは、第1の電極302cと第2の電極303cとの間の空間に広がってもよい。結合311cは、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。結合312cは、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。リンカー330cは、任意の好適な結合、又は結合の組合せを含むことができる。例えば、結合311c、結合312c、及び官能基330cはそれぞれ、及び相互に独立して、共有結合、水素結合、イオン性結合、双極子-双極子結合、London分散力、及びそれらの任意の好適な組合せからなる群から選択される結合を含むことができる。図3Dに示されている例では、結合311cは、ナノ粒子320cと電極302cとの間の直接結合であるか、又は直接結合を含み、結合312cは、ナノ粒子321cと電極303cとの間の直接結合であるか、又は直接結合を含み、リンカー330cは、ナノ粒子320cをナノ粒子321cとの間の間接結合を含む。例えば、図3Dでは、ナノ粒子320cは、それぞれの基(具体的に例示されていない)を介してそのナノ粒子の材料に結合している1つ以上の第1のオリゴヌクレオチド(DNAなど)を含む、1つ以上の官能基に連結されており、ナノ粒子321cは、それぞれの基(具体的に例示されていない)を介してそのナノ粒子の材料に結合している1つ以上の第2のオリゴヌクレオチド(DNAなど)を含む、1つ以上の官能基に連結されている。1つ以上の第2のオリゴヌクレオチドは、リンカー330cを介して、ナノ粒子320bをナノ粒子321cに連結させて、一部の例では、電極間に導電性ブリッジを形成するように、1つ以上の第1のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされている。
図3Dに例示されているナノ粒子320c、321cは、任意の好適な構成を有することができる。一部の例では、ナノ粒子320c、321cは、無機物である。無機材料を含めた、ナノ粒子に使用するのに好適な材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。ナノ粒子320c、321cは、一部の例では、電流が、第1の電極302cと第2の電極303cとの間のナノ粒子320c及び321cを流れるように、導電性とすることができる。本粒子における使用に好適な導電性材料の例は、本明細書の他の箇所に提供されている。一部の例では、電極302cと電極303cとの間の導電性は、図8A~図8Bを参照して記載されているような様式で調節されてもよい。
一非限定例では、金ナノ粒子320c、321c及びDNAリンカー330cは、ダンベル形状の複合体を形成し、ナノ粒子-分子接合デバイス300cをもたらす。ダンベル形状の複合体が、DNAリンカー330c上の反応性基(例えば、ポリメラーゼに連結したビオチンに結合させるためのストレプトアビジン)を介して、ポリメラーゼ(明示的に例示されていない)に結合されていてもよい。この複合体は、本明細書の他の箇所に一層詳細に記載されているような受動的又は能動的操作を使用して、電極302cと電極303cとの間の空間内部に局在化することができる。このような戦略により、デバイス300cの複雑な点の大部分を溶液中で調製することが可能となる。金ナノ粒子320c、321cは、やはり金であってもよいか、又は金を含むことができる、電極302c、303cに直接接触することができる、及び上記の電極に直接結合することができ、この点で、ナノ粒子は、電極自体の延長部として機能することができる。
本明細書において例示されているようなデバイスは、任意の好適な操作を使用して作製することができる。例えば、図4は、図1、図2又図は3A~図3Dのデバイスを作製する方法400における、操作のフロー例を例示する。方法400は、相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極上に溶液を堆積させることを含む(操作410)。溶液は、液体中に粒子を含むことができ、各粒子は、それぞれのポリメラーゼに連結されている。例えば、図5は、図4の方法における操作例を概略的に例示しており、ここでは、ポリメラーゼ505に連結されている複数の粒子520を含む溶液570は、基板501によって支持され得る、第1の電極502及び第2の電極503上に堆積されている。一非限定例では、3Aに例示されているナノ粒子320は、反応性表面基、例えば、ストレプトアビジンを含み、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン結合を介して、ポリメラーゼ305に結合している。ナノ粒子-ポリメラーゼ二本鎖320、305は、好適な溶液中に懸濁されて、電極302、303の上に堆積される。
図4に例示されている方法400は、粒子の1つを溶液から第1の電極及び第2の電極に隣接する空間に輸送することを含む(操作420)。例えば、図5に例示されている操作では、粒子520の1つ(それに結合されているポリメラーゼ105を有する)は、溶液570を通り、第1の電極502及び第2の電極503に隣接する空間に、例えば、第1の電極502と第2の電極503との間の空間及び第1の電極502及び第2の電極503の上方の空間の一方又は両方に輸送される。このような輸送(大きな矢印によって表示)は、一部の例では、拡散に基づくものであってもよく、例えば、重力及びブラウン運動の少なくとも任意の好適な組合せを使用して粒子520が溶液570を通って拡散並進運動して輸送されることから生じてもよい。更に又は代替的に、このような輸送は、一部の例では、「受動的な」吸着を含むことができ、この場合、単一粒子が、例えば、粒子と電極との間の少なくとも表面相互作用を使用して、両電極間の空間内部に、又はこの空間の隣接部に捕捉される。このような表面相互作用は、このような立体構造において最大化され得る。更に又は代替的に、このような輸送は、磁気トラッピング又は誘電泳動トラッピングによって推進されてもよく、これらはまた、本明細書において、「能動的な」吸着とも称されることがある。誘電泳動トラッピングでは、直流電流(DC)又は交流電流(AC)の電気バイアスを両電極間に印加して、それらの電極間の空間内部又は空間の隣接部における、単一粒子の捕捉を加速させる。
例えば、粒子520が、図2を参照して記載されているような三次ポリマー構造体を含む構成では、誘電泳動トラッピングは、両電極に隣接する空間への粒子の1つの輸送を加速させるために使用することができる。あるいは、例えば、粒子520が、図3A~図3Dを参照して記載されているようなナノ粒子を含む構成では、誘電泳動トラッピングは、両電極に隣接する空間にそのような粒子の1つを輸送するために使用することができる。
磁気トラッピングの一部の例では、粒子は、磁性材料又は強磁性材料を含んでもよく、磁場を印加することによって個々のデバイス内部で局在化され得る。例えば、図13は、磁気により粒子を引き付けるデバイス例を概略的に例示している。デバイス1300は、第1の電極1302、第2の電極1303、粒子1320、第1の捕捉電極1380、及び第2の捕捉電極1381を含む。第1の電極1302及び第2の電極1303は、図1A~図1Bを参照して記載されている第1の電極102及び第2の電極103と同様に構成されてもよい。粒子1320は、磁性材料又は強磁性材料を含むことができる。第1の捕捉電極1380及び第2の捕捉電極1381は、第1の電極1302及び第2の電極1303に対して直角に配置されていてもよく、第1の捕捉電極1380と第2の捕捉電極1381との間の空間に、したがって、第1の電極1302と第2の電極1303の間の空間に、粒子1320を磁力によって引き付けるのに好適なバイアスをこのような電極間に適用する制御回路に連結されていてもよい。
図4を再度参照すると、方法400は、第1の電極及び第2の電極に粒子の1つを結合させることを含む(操作430)。結合形成は、第1の電極と粒子の1つとの間に第1の複数の結合を形成することと、第2の電極と粒子の1つとの間に第2の複数の結合を形成することとを含むことができる。このような結合形成は、図1Aを参照して記載されているデバイス100、又は図1Bを参照して記載されているデバイス100’の形成をもたらすことができ、これは、図2を参照して記載されているデバイス200、図3Aを参照して記載されているデバイス300、図3Bを参照して記載されているデバイス300a、図3Cを参照して記載されているデバイス300b、又は図3Dを参照して記載されているデバイス300cのいずれかとして例示することができる。結合形成は、直接的であってもよく、又は官能基などの中間構造体を介して間接的であってもよい。
図4に例示されている方法400の操作420及び430の間、粒子が第1の電極及び第2の電極に隣接する空間に輸送されると、他の粒子を第1の電極及び第2の電極に隣接する空間から立体的に排除することができることに留意されたい。例えば、図5に例示されているとおり、粒子520は、他の粒子を第1の電極及び第2の電極に隣接する空間から排除するように、第1の電極502と第2の電極503との間の空間に比べて十分に大きくてもよい。例えば、粒子520は、両電極間の空間の長さLの約10%以上である直径を有してもよい。したがって、それらの電極の間の空間、又はそれらの電極の上方の空間には、1つ超のこのような粒子には不十分な空間しか存在し得ない。そのような排除は、代替として、幾何学的排除と称されることがある。
図4~図5を参照して記載されているような溶液をベースとする粒子堆積方法を使用することにより、複数のデバイスを相互に並行して製造することが容易になり得る。例えば、図6A~図6Bは、図1、図2又は図3A~図3Dの複数のデバイスを含むデバイスアレイの例を概略的に例示している。図6Aの平面図に例示されているアレイ600は、図1Aを参照して記載されているデバイス100、又は図1Bを参照して記載されているデバイス100’と同様に構築された複数のデバイスを含み、これらは、図2を参照して記載されているデバイス200、図3Aを参照して記載されているデバイス300、図3Bを参照して記載されているデバイス300a、図3Cを参照して記載されているデバイス300b、又は図3Dを参照して記載されているデバイス300cのいずれかとして例示することができる。例えば、アレイ600のデバイスは、第1の電極602、第2の電極603、単一粒子620及び、共通の基板601上に配置されている粒子に連結されているポリメラーゼ(図6Aに具体的に示されていないポリメラーゼ)を含むことができる。この例では、各デバイスの電極602と電極603との間の間隔は、相互に実質的に同じであってもよく、粒子620は、相互に実質的に同じサイズを有していてもよく、複数の結合を介して電極のそれぞれに同様に直接結合されていてもよく、又は間接的に結合されていてもよい。
しかし、現実世界での加工のばらつきのために、粒子620は、サイズのある分布を有することがあることを理解すべきである。更に又は代替的に、現実世界での加工のばらつきのために、電極602、603のサイズ及び間隔は、特に、より小さな電極及びより小さな間隔に関しては、分布を有することがある。例えば、約100nm以下の間隔を有する「ナノ電極」の場合、異なる電極対の電極間の間隔は、共通した製造プロセス内でさえも、約10%以上、約20%以上、又は更には約30%以上変動することがある。
本粒子ベースのブリッジは、図6Bに例示されているような、不規則な電極サイズ及び間隔並びに粒子サイズのばらつきを有し得るアレイの製造に対して、特定の効率を実現することができる。例えば、図6Bに例示されているアレイ600’は、共有基板601に配設されている、相対的に大きな間隔を有するいくつかの電極対602、603、相対的に小さな間隔を有するいくつかの電極対602、603、及びそれらの中間の間隔を有する更に他の対602、603を含む。電極サイズ及び間隔のこのようなばらつきは、例えば、製造のばらつきに起因することがある。図6Bに例示されているアレイ600’は、相対的に大きないくつかの粒子620、相対的に小さないくつかの粒子620、及びそれらの中間のサイズを有するいくつかの粒子620を含む。粒子サイズのこのようなばらつきは、例えば、製造のばらつきに起因することがある。粒子サイズ及び両電極間の間隔のばらつきにより、デバイスが正確に1つの粒子を含むアレイの製造が相乗的に可能となり得る。例えば、より大きな粒子は、より大きな間隔を有する電極対から他の粒子を立体的に排除することができるが、このような粒子はそれ自体、そのサイズが理由で、より小さな間隔を有する電極対から立体的に排除され得る。より小さな粒子は、より小さな間隔を有する電極対から他の粒子を立体的に排除することができ、他のより大きな粒子を使用して、より大きな間隔を有する電極対から立体的に排除され得る。それに対し、粒子のすべてが同じサイズを有する場合、電極間隔のばらつきがどの程度大きいかに応じて、粒子を収容するには小さすぎるか、又は立体排除が該当しないほど十分に大きい電極対がいくつか存在するので、両電極間に複数の粒子が存在することが潜在的に可能になる。
図7は、図6A~図6Bのデバイスアレイを作製する方法700における、操作のフロー例を例示する。方法700は、上部に配設された複数の電極対を有する基板上に溶液を堆積させることを含む(操作710)。各電極対の電極は、それぞれの空間によって、相互に離隔されていてもよい。溶液は、液体中に粒子を含むことができ、各粒子は、それぞれのポリメラーゼに連結されている。操作710の間に適用される溶液は、ポリメラーゼに既に連結されている粒子を含むので、粒子が電極に結合される前に、例えば、粒子とポリメラーゼとの間が適切に連結されていることを確認するため、及びポリメラーゼの活性を確認するため、及び適切となり得る任意の是正行為をとるために、この溶液に品質管理を施すことができる。したがって、溶液は、高い歩留まりで、個々の粒子に正しく連結されている機能性ポリメラーゼを有することができ、したがって、本アレイのデバイスは、比較的高い歩留まりで調製することができる。他の例では、粒子は、代わりに、粒子へのポリメラーゼの連結前に、電極に結合される。
図7に例示されている方法700は、粒子の1つを溶液から第1の電極及び第2の電極に隣接する空間に輸送することを含む(操作720)。操作720は、図4~図5を参照して記載されているような輸送方法を含むことができ、例えば、拡散をベースとする輸送、受動的吸着、誘電泳動トラッピング、及び磁気トラッピングのうちの1つ以上の任意の好適な組合せを含むことができる。
図7を再度参照すると、方法700は、各電極対の電極に粒子の1つを結合させることを含み、電極対の大部分がそれぞれ、粒子の正確に1つに結合される(操作730)。結合形成は、図4の操作430を参照して記載されている方法と同様の方法で、その対の第1の電極と粒子の1つとの間に第1の複数の結合を形成すること、及びその対の第2の電極と粒子の1つとの間に第2の複数の結合を形成することを含むことができる。結合形成は、直接的であってもよく、又は官能基などの中間構造体を介して間接的であってもよい。このような結合形成は、図1Aを参照して記載されているデバイス100、又は図1Bを参照して記載されているデバイス100’のアレイの形成をもたらすことができ、これらは、図2を参照して記載されているデバイス200、図3Aを参照して記載されているデバイス300、図3Bを参照して記載されているデバイス300a、図3Cを参照して記載されているデバイス300b、又は図3Dを参照して記載されているデバイス300cのいずれかとして例示することができる。同様に、図4に例示されている方法400の操作420及び430を参照して記載されているとおり、方法700の間に、粒子のそれぞれが電極対に隣接する空間に輸送されることにより、その対の電極に隣接する空間から他の粒子が立体的に排除され得る。図6A~図6Bを参照して記載されているとおり、電極対の電極間の間隔にばらつきがある場合でさえも、本粒子は、それらの粒子にとって適切な間隔を有する電極対に相乗的に輸送され得る(この電極対から他の粒子を立体的に排除することができる)。
それに対し、1つ超の粒子が電極対に結合するのを阻止するための立体的排除も別の方法も存在しないという制限では、アレイのデバイスは、それぞれのデバイスの電極間に複数のブリッジを含む場合があり、個々のデバイスの両電極間に異なる数のブリッジを含む場合がある。このような制限では、デバイスあたりのブリッジの分布は、ポアソン分布に従うことができる。デバイス構築のこのような分布により、使用可能なデバイスの歩留まりが悪くなる場合があり、例えば、ある配列に付加されているヌクレオチドに連結されている標識に由来するよりも、ブリッジ間の差異に由来する導電性のばらつきを引き起こす可能性がある。この点について、本粒子は、デバイス製造のサブポアソン分布を提供することができ、例えば、大多数が各電極対に正確に1つの粒子が結合したデバイスを、例えば約50%超で提供することができる。すなわち、例えば約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、又は更には約100%のデバイスが、各電極対に正確に1つの粒子を結合させる。図6A~図6Bに例示されているアレイで示唆されているように粒子のないデバイスが時として製造された場合でさえも、少なくとも本粒子を使用した使用可能なデバイスの歩留まりは、製造がポアソン分布の影響を受けるデバイスの場合よりも、かなり高くなることが期待され得る。
本デバイスは、任意の好適な目的のために使用することができる。以下に提示されている例は、ポリヌクレオチドを配列決定するための本デバイスの使用を記載しているが、このデバイスはそのようなものに限定されないことを理解すべきである。
図8A~図8Bは、ポリヌクレオチドの配列決定をするための、両電極間に粒子ベースのブリッジを含む構成例を概略的に例示している。図8Aをこれより参照すると、構成800は、基板801、第1の電極802、第2の電極803、ポリメラーゼ804、粒子820、ヌクレオチド821、822、823及び824、それらのヌクレオチドにそれぞれ連結した標識831、832、833及び834、第1のポリヌクレオチド840、第2のポリヌクレオチド850、並びに検出回路860を含む。一部の例では、ポリメラーゼ805は、当該技術分野で公知のような方法で、リンカー806を介して粒子820に連結され得る。図8A~図8Bに例示されている例では、構成800の構成要素は、流体820を充填したフローセル(例えば、壁861、862、862を有する)の内部に封入されていてもよく、ヌクレオチド821、822、823及び824(結合した標識を有する)、ポリヌクレオチド840、850及び好適な試薬は、流体820内で運ばれ得る。
基板801は、第1の電極802及び第2の電極803を支持することができる。第1の電極802及び第2の電極803は、空間、例えば、図8Aに表示されているように長さLの空間によって相互に離隔されていてもよく、図1A~図1Bを参照して記載されているような寸法を有してもよい。粒子820は、第1の電極802と第2の電極803との間の空間に架かるブリッジを形成するように、官能基811を含む第1の複数の結合を介して第1の電極802に結合していてもよく、官能基812を含む第2の複数の結合を介して第2の電極803に結合していてもよい。粒子820、電極802、803、及び官能基811、812を含む結合に関する非限定例の構成は、例えば、図1A~図1B、図2及び図3A~図3Dを参照して、本明細書の他の場所で提示されている。
図8Bを参照して、以下に一層詳細に説明されているとおり、この例では、標識831、832、833及び834はそれぞれ、電極802と電極803との間の導電性を調節するような様式で、官能基811、812のうちの1つ以上にハイブリダイズすることができ、この調節に基づいて、対応するヌクレオチド821、822、823及び824の特性を決定することができる。例えば、粒子820及び官能基811、812は、第1の電極802と第2の電極803との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成することができ、標識831、832、833及び834は、官能基の1つ以上にハイブリダイズすることによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させることができる。別の例において、粒子は、図3Dを参照して記載されているような様式で、リンカーによって相互に連結されている一対のナノ粒子を含み、標識831、832、833及び834は、リンカーへのハイブリダイズによって、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させることができる。
例えば、図8Aに例示されている構成800は、対応する標識に連結した任意の好適な数のヌクレオチド、例えば、1つ以上のヌクレオチド、2つ以上のヌクレオチド、3つ以上のヌクレオチド、4つのヌクレオチド、又は5つ以上のヌクレオチドを含むことができる。例えば、ヌクレオチド821(例示として、G)は、一部の例では、リンカー835を介して、対応する標識831に連結していてもよい。ヌクレオチド822(例示として、T)は、一部の例では、リンカー836を介して、対応する標識832に連結していてもよい。ヌクレオチド823(例示として、A)は、一部の例では、リンカー836を介して、対応する標識833に連結していてもよい。ヌクレオチド824(例示として、C)は、一部の例では、リンカー837を介して、対応する標識834に連結していてもよい。一部の例では標識と同じ又は異なるポリマーを含むことができるリンカーを介する、ヌクレオチドと標識との間の連結は、当該技術分野において公知の任意の好適な方法を使用して実現することができる。標識831、832、833及び834は、相互に同じタイプのポリマーを含んでもよいが、少なくとも1つの点で相互に異なっていてもよく、例えば、モノマー単位の相互に異なる配列を有していてもよい。一部の例では、標識831、832、833及び834は、一部の例では、官能基811、812のような同じタイプのポリマーを含んでもよい。図8Bを参照して一層詳細に記載されているような様式では、それぞれの標識831、832、833及び834内のモノマー単位の配列は、それらの標識を官能基811、812の1つ以上とハイブリダイズした場合、粒子820を流れる区別可能な電流の発生を容易にするように、それぞれ選択することができる。
図8Aに例示されている構成800は、第1のポリヌクレオチド840及び第2のポリヌクレオチド850、並びに第2のポリヌクレオチド850の少なくとも配列を使用して複数のヌクレオチド821、822、823及び824のうちのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド840に付加するためのポリメラーゼ805を含む。それらのヌクレオチドにそれぞれ対応する標識831、832、833及び834は、図8Bを参照して以下に一層詳細に記載されているような様式で、官能基811、812の1つ以上にハイブリダイズすることができる。検出回路860は、ポリメラーゼ805がそれぞれ、粒子820を流れる電流の少なくとも変化を使用して、ヌクレオチド821、822、823及び824(必ずしもこの順序である必要はない)を第1のポリヌクレオチド840にそれぞれ付加する配列を検出するためのものであり、上記の変化は、1つ以上の官能基811とそれらのヌクレオチドに対応する標識831、832、833及び834との間のハイブリダイゼーションに応答する。例えば、検出回路860は、第1の電極802及び第2の電極803の間に電圧を印加することができ、例えば、トランスインピーダンス(transampedance)増幅回路の使用により、このような電圧に応答して、粒子820に流れるあらゆる電流を検出することができる。図8Aに例示されている特定の時間において、標識831、832、833及び834のいずれも官能基811、812のいずれにもハイブリダイズしておらず、したがって、粒子820に比較的少ない電流しか流れることができない(又は、全く流れない)。ヌクレオチド821、822、823、824は、流体820を通して自由に拡散することができ、個々の標識831、832、833、834は、このような拡散の結果として、官能基811、812の1つ以上に短時間にハイブリダイズすることができるが、これらの標識は、速やかにハイブリダイズ解除し、その結果、粒子820の導電性に対する生じた変化のいずれも、検出不可能であるほど短いか、又はヌクレオチドの第1のポリヌクレオチド840への付加に応答するほど明確に特定可能ではないことが予期される。
それに対し、図8Bは、ポリメラーゼ805が、第2のポリヌクレオチド850の少なくとも配列を使用して、ヌクレオチド821(例示として、G)を第1のポリヌクレオチド840に付加する時を例示している(例えば、その配列中のCに対して相補的となるよう)。ポリメラーゼ805は、標識831が(一部の例では、リンカー837を介して)結合しているヌクレオチド821に作用しているので、このような作用は、官能基811とのハイブリダイゼーションを維持するのに十分な時間の間、標識831を官能基811の少なくとも1つに十分近い位置に維持し、検出回路860を使用して検出可能となるのに十分なだけ長い粒子820の導電性の変化を引き起こし、こうして、第1のポリヌクレオチド840に付加されるものとしてヌクレオチド821の同定が可能となる。例えば、標識831は、官能基811にハイブリダイズされると、ブリッジに導電性を付与する特性を有することができ、このブリッジを介して、検出回路860は、他のヌクレオチドの1つと比較して、付加されたヌクレオチドを821(例示として、G)と一意的に同定することができる。同様に、標識832は、官能基811にハイブリダイズされると、ブリッジに導電性を付与する特性を有することができ、このブリッジを介して、検出回路860は、他のヌクレオチドの1つと比較して、付加されたヌクレオチドを822(例示として、T)と一意的に同定することができる。同様に、標識833は、官能基811にハイブリダイズされると、ブリッジに導電性を付与する特性を有することができる特性を有することができ、このブリッジを介して、検出回路860は、他のヌクレオチドの1つと比較して、付加されたヌクレオチドを823(例示として、C)と一意的に同定することができる。同様に、標識834は、官能基811にハイブリダイズされると、ブリッジに導電性を付与する特性を有することができ、このブリッジを介して、検出回路860は、他のヌクレオチドの1つと比較して、付加されたヌクレオチドを824(例示として、C)と一意的に同定することができる。
一非限定例では、標識831、832、833、834は、少なくとも部分的に相互に異なる配列を有するそれぞれのオリゴヌクレオチドを含み、少なくとも1つの官能基811は、一部の例では、それらのオリゴヌクレオチドと同じ長さを有するポリヌクレオチド(例えば、図3B~図3Dを参照して記載されている)を含み、こうして、標識のその官能基811へのハイブリダイゼーションは、粒子820の長さに沿った完全な二本鎖ポリヌクレオチドをもたらす。標識のそれぞれのオリゴヌクレオチド配列は、その官能基811のポリヌクレオチドの配列とは異なってハイブリダイズすることができる。例えば、標識831内の1つ以上のモノマーは、相互に同じ又は異なるヌクレオチドとすることができる。他の標識の第1及び第2のシグナルモノマー(signal monomer)は、他の標識の対応するモノマーとは配列若しくはタイプが異なる、又はそれらの両方が異なるヌクレオチドであってもよく、これにより、各標識831、832、833、834は、対応するモノマーの特有の配列を有する。各標識のそのようなモノマーとそのような官能基811のポリヌクレオチドとの間のそれぞれのハイブリダイゼーションにより、粒子820を流れる特定の電流を得ることができる。例えば、標識831は、ブリッジの導電性を第1のレベルに調節するようにハイブリダイズする一対の特定の塩基を有する配列を有することができる。標識832は、ブリッジの導電性を第1のレベルとは異なる第2のレベルに調節するようにハイブリダイズする一対の特定の塩基を有する配列を有することができる。標識833は、ブリッジの導電性を第1及び第2のレベルとは異なる第3のレベルに調節するようにハイブリダイズする一対の特定の塩基を有する配列を有することができる。標識834は、ブリッジの導電性を第1、第2、及びレベルとは異なる第4のレベルに調節するようにハイブリダイズする一対の特定の塩基を有する配列を有することができる。
標識がハイブリダイズする官能基811は、異なる標識から生じる電流を検出して相互に区別することが可能となるように、任意の好適な組合せ、順序及びモノマー単位のタイプ(例えば、ヌクレオチド)を含むことができることが理解されよう。同様に、標識831、832、833及び834はそれぞれ、異なる標識に由来する電流を検出して相互に区別することが可能となるように、任意の好適な組合せ、順序及びモノマー単位のタイプ(例えば、ヌクレオチド)をそれぞれ含むことができる。一部の例では、1つ以上の他の官能基811、812(及び、一部の例では、他の官能基811、812のすべて)は、標識へのハイブリダイゼーションを阻害するよう選択される、モノマー単位のさまざまな組合せ、順序及びタイプを有することができ、これにより、この標識は、このような他の官能基811、812にハイブリダイズしない。
両電極間のブリッジ内、及びヌクレオチドに連結した標識内に含まれる構成要素は、本明細書において例示されているような任意の好適な材料を含むことができる。図8A~図8Bを参照して記載されているようなある種の例では、これらの材料は、ポリヌクレオチドなどのポリマーを含むことができる。図9A~図9Bは、ポリヌクレオチドを配列決定するための、両電極間に粒子ベースのブリッジを含む他の構成例を概略的に例示している。図9Aは、ポリヌクレオチドを配列決定するための、非導電性粒子ベースのブリッジを含む例となる構成900を概略的に例示する。図9Aに示されている例では、構成900は、図8A~図8Bを参照して記載された構成800と同様に構成されていてもよく、例えば、第1の電極902、第2の電極903、ポリメラーゼ905、及び粒子920を含み、粒子920は、第1の複数の結合911を介して直接、又は官能基を介して間接的に第1の電極902に結合しており、かつ、第2の複数の結合912を介して直接、又は官能基を介して間接的に第2の電極903に結合している。ポリメラーゼ905は、リンカーを介して粒子920に連結していてもよく、第2のポリヌクレオチド950の少なくとも配列を使用して、ヌクレオチド921などのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド940に付加することができる。構成900は、図8A~図8Bを参照して記載されるような他の構成要素を含んでもよいが、ここでは省略されている。
図9Aに例示されている例では、粒子920は、非導電性であってもよく、これにより、粒子920及び結合911、912は、第1の電極902と第2の電極903との間に電流のための経路をもたらさない。ヌクレオチド921に連結された標識931は、第1の電極902と第2の電極903との間に、一過的な導電性ブリッジを形成することができ、このブリッジを介して電流が流れる。他のヌクレオチドの他の標識(具体的に示されていない)も、同様に、図8A~図8Bを参照して記載されている様式と同様の様式で、相互に区別可能な個々の電流をもたらす、一過的な導電性ブリッジを形成することができる。例えば、標識の1つ以上(及び、一部の例では、標識のすべてが、相互に独立している)は、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、フラーレン及び無機ナノ粒子からなる群から選択され得る。一部の例では、標識は、両電極間の空間の長さよりも長くてもよい。
図9Bは、三次ポリマー構造体をベースとするブリッジを含む、ポリヌクレオチドを配列決定するための例となる構成900’を概略的に例示する。図9Bに示されている例では、構成900’は、図8A~図8Bを参照して記載されている構成800と同様に構成されてもよく、例えば、第1の電極902、第2の電極903、ポリメラーゼ905、及びオリゴヌクレオチド標識931’に連結したヌクレオチド921を含む。三次ポリマー構造体920’は、図2を参照して記載されているような様式で構成されてもよく、例えば、ポリヌクレオチド(DNAなど)又はポリペプチドを含むことができる。三次ポリマー構造体920’は、第1の複数の結合911を介して直接、又は官能基を介して間接的に第1の電極902に結合していてもよく、第2の複数の結合912を介して直接、又は官能基を介して間接的に第2の電極903に結合していてもよい。ポリメラーゼ905は、リンカーを介して三次ポリマー構造体920’に連結していてもよく、第2のポリヌクレオチド950の少なくとも配列を使用して、ヌクレオチド921などのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド940に付加することができる。構成900’は、図8A~図8Bを参照して記載されるような他の構成要素を含んでもよいが、ここでは省略されている。
図9Bに例示されている例では、三次ポリマー構造体920’は、導電性であってもよく、これにより、三次ポリマー構造体920’及び結合911、912(一部の例では、官能基を含む)は、第1の電極902と第2の電極903との間に導電性ブリッジを形成する。ヌクレオチド921の標識931’は、三次ポリマー構造体920’の一部分にハイブリダイズすることによって、第1の電極902と第2の電極9903との間の電流を変化させることができる。他のヌクレオチドの他の標識(具体的に示されていない)も、同様に、図8A~図8Bを参照して記載されている様式と同様の様式で、三次ポリマー構造体920’の一部にハイブリダイズして、相互に区別可能なそれぞれの電流をもたらすことができる。
図8A~図8B及び図9A~図9Bを参照して記載されているような構成は、ポリヌクレオチドを配列決定するのに好適な任意の方法に使用することができる。例えば、図10は、図8A~図8B又は図9A~図9Bの構成のいずれかを使用して、ポリヌクレオチドを配列決定するための方法1000における、操作のフロー例を例示する。図10に例示されている方法1000は、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することを含む(操作1010)。例えば、図8A~図8Bを参照して記載されているポリメラーゼ805は、ヌクレオチド821、822、823及び824の各々を、第2のポリヌクレオチド850の少なくとも配列を使用して、第1のポリヌクレオチド840に付加することができる。又は、例えば、図9A~図9Bを参照して記載されているポリメラーゼ905は、第2のポリヌクレオチド(他のヌクレオチド、並びに第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドは、具体的には示されていない)の少なくとも配列を使用して、ヌクレオチド921及び他のヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することができる。
図10に例示されている方法1000は、ヌクレオチドにそれぞれ連結した標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させることを含み得る(操作1020)。粒子は、第1の複数の結合を介して第1の電極に連結していてもよく、第2の複数の結合を介して第2の電極に連結していてもよい。このような結合は、直接であってもよく、又は間接的であってもよい(例えば、官能基を含むことができる)。例えば、図8A~図8Bを参照して記載されている標識831、832、833、834はそれぞれ、ヌクレオチド821、822、823及び824に連結されていてもよい。ポリメラーゼ805はそれぞれ、それらのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド840に付加するので、それらのヌクレオチドのそれぞれに連結されている標識は、第1の電極802と第2の電極803との間の導電を変化させるよう、官能基811にハイブリダイズすることができる。あるいは、例えば、図9Aを参照して記載されている標識931は、ヌクレオチド921に連結されていてもよく、他の標識が、他のヌクレオチドに連結されていてもよい(他の標識及び他のヌクレオチドは、具体的には示されていない)。ポリメラーゼ905はそれぞれ、それらのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加するので、それらのヌクレオチドにそれぞれ連結されている標識は、第1の電極902と第2の電極903との間に一過的な導電性ブリッジを形成することができる。あるいは、例えば、図9Bを参照して記載されている標識931’は、ヌクレオチド921に連結されていてもよく、他の標識が、他のヌクレオチドに連結されていてもよい(他の標識及び他のヌクレオチドは、具体的には示されていない)。ポリメラーゼ905はそれぞれ、それらのヌクレオチドを第1のポリヌクレオチド940に付加するので、それらのヌクレオチドにそれぞれ連結されている標識は、三次ポリマー構造体の一部にハイブリダイズし、結果として、第1の電極902と第2の電極903との間の電流を変化させることができる。
図10を再度、参照すると、方法1000は、ポリメラーゼが、ヌクレオチドに対応する標識を使用して誘発されたブリッジを流れる電流の少なくとも変化を使用して、第1のポリヌクレオチドにそれらのヌクレオチドを付加する、配列を検出することを含むことができる(操作1030)。例えば、図8A~図8Bを参照して記載されている検出回路860は、標識831、832、833及び834と官能基811との間のそれぞれのハイブリダイゼーションに応答してブリッジに流れる電流の変化を検出することができる。同様の検出回路(具体的には、例示されていない)は、図9Aに例示されているような、標識931(及び、他の類似の標識)を使用して、一過的な導電性ブリッジの形成に起因する電流の変化を検出することができる。同様の検出回路(具体的には、例示されていない)は、標識931’(及び、他の類似の標識)と三次ポリマー構造体920’の一部との間のそれぞれのハイブリダイゼーションに応答して、図9Bに例示されている、三次ポリマー構造体920’を流れる電流の変化を検出することができる。
別の非限定例では、図3Aに例示されているナノ粒子320は、反応性表面基、例えば、ストレプトアビジンを含み、例えば、ビオチン-ストレプトアビジン結合を介してポリメラーゼ305に結合している。ヌクレオチド試薬は、標識が、電極302と電極303との間の空間に接近すると、それらの電極間の導電性(又は電気抵抗)を変化させることができるそれぞれの導電性標識を含むように修飾され得る。第1のポリヌクレオチドは、第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用して延ばされるので、検出回路は、電気シグナルの少なくとも観察を使用して、ベースコール(ヌクレオチド検出)を行うことができ、この場合、区別可能な導電性標識に連結したヌクレオチドは、ヌクレオチドの取り込み事象の間に、区別可能な導電性の一過的変化を生じる。
別の非限定例では、図3Bに例示されているナノ粒子320aは、DNA二本鎖311a、312bに連結されて、第1の電極302a及び第2の電極303aにナノ粒子を結合させて、一方の電極からもう一方の電極へのDNA二本鎖を介する導電経路を設けることができる。分析対象(ヌクレオチドに連結された標識など)の感知は、分析対象と、例えば、水素結合、ハイブリダイゼーション、インターカレーション、溝結合などにより、それらに連結されているDNA二本鎖311a、312bを有するナノ粒子320aとの間の分子相互作用の任意の好適な様式により実現することができる。
別の非限定例では、図3Dに例示されている、金ナノ粒子320c、321c及びDNAリンカー330cは、ダンベル形状の複合体を形成して、ナノ粒子-分子接合デバイス300cをもたらし、この場合、ナノ粒子は、電極自体の延在部として働くことができる。DNA二本鎖リンカーは、その単一分子の性質によって、例えば、水素結合、ハイブリダイゼーション、インターカレーション、溝結合などによる、分析対象(ヌクレオチドに連結されている標識など)との分子間相互作用のいずれかの様式に非常に感度が高くなり得る。
図9A~図9Bを参照して記載されているような構成の構成要素は、ポリヌクレオチドの配列決定の使用に限定されず、実際に、粒子又はポリメラーゼとの使用に限定されない。例えば、図14は、両電極間に一過的ブリッジを含む、例となる構成1400を概略的に例示している。構成1400は、空間によって相互に離隔されている、第1の電極1402及び第2の電極1403;空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第1の導電性標識1431を含む流体;並びに第1の導電性標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の第1の導電性ブリッジの一過的形成に応答して第1のシグナルを発生させるための検出回路(図14には具体的に例示されていない)を含む。例示として、流体は、図9Aを参照して記載されている導電性標識931と同様に構成され得る導電性標識1431、例えば、第1の電極1402と第2の電極1403との間の空間の長さと少なくとも同じ長さを有するが、ヌクレオチドに必ずしも連結されている必要のない標識を含むことができる。検出回路860と同様に構成されている検出回路は、導電性標識1431を使用して、第1の電極1402と第2の電極1403との間の導電性ブリッジの一過的形成に応答してシグナルを発生することができる。一部の例では、導電性標識1431は、第1の電極1402及び第2の電極1403の各々に一過的に結合して、第1の導電性ブリッジを形成することができる。流体は、任意の好適な数の導電性標識、例えば、空間の長さと少なくとも同じ長さを有する少なくとも第2の導電性標識(具体的には例示されていない)を含むことができ、検出回路は、第2の導電性標識を使用して、第1の電極1402と第2の電極、1403との間の第2の導電性ブリッジの一過的な形成に応答して、第2のシグナルを発生することができる。検出回路は、例えば、検出回路860が異なる標識間で区別することができる方法と同様の方法で、第1のシグナルと第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、第1の導電性ブリッジ及び第2の導電性ブリッジの形成を更に区別することができる。
一部の例では、導電性標識1431は、第1の電極1402に一過的に結合する第1の反応性基、及び第2の電極1403に一過的に結合する第2の反応性基を含む。一部の非限定例では、第1の反応性基及び第2の反応性基は、チオール、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択することができる。検出回路は更に、第1の導電性ブリッジ間に、第1の反応性基と第1の電極との間の一過的結合、及び第2の反応性基と第2の電極との間の一過的結合を妨害するバイアス電圧を印加することができる。このような反応性基を介して電極に一過的に結合することができる分子であって、一過的結合が適切なバイアス電圧の印加を使用して妨害され得る、分子の例に関しては、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる次の参照文献を参照されたい:Liら、「Electric field breakdown in single molecule junctions」J.Am.Chem.Soc.137巻(15号):5028~5033頁(2015年)。Liにおいて記載されているような例となる分子は、本明細書に記載されているような様式で標識として使用することができる。このような例の有用な特徴は、電極への標識の結合形成が妨害された後に、両電極間の電流が妨害されて、両電極が、別のこのような標識との一過的結合を直ちに受け入れる用意があることである。更に、それぞれの標識が電極に一過的に結合する時間量は、一過的結合を妨害するバイアス電圧を少なくとも印加するタイミングを使用して制御することができる。
一部の例では、各導電性標識1431は、特定の閾値電圧を超えると妨害され得る、1つの個々のタイプの反応性基を含む。一部の非限定例では、反応性基は、チオール、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択することができる。標識の特性は、一過的ブリッジの導電性でコード化されてもよい。例えば、一過的ブリッジは、両電極間に異なる伝導率をもたらし得る、相互に異なるポリマー配列を含むことができ、この伝導率に基づいて、それぞれの標識が同定され得る。この導電性は、標識の物理的又は化学的特性を変化させることによって設定又は調節することができる。このような例では、標識の各タイプは、相互に同じタイプの反応性基を含むことができるので、調製及び実施は、標識のタイプごとに異なる反応性基を設けることに比べると単純化することができる。
図15は、両電極間に一過的ブリッジを含む、例となる構成1500を概略的に例示する。構成1500は、ポリヌクレオチドの配列決定の使用に限定されず、実際に、粒子又はポリメラーゼとの使用に限定されないが、一部の例では、図9Bを参照して記載されている構成900’と同様の様式で、ポリヌクレオチドを配列決定するために使用することができる。構成1500は、空間によって相互に離隔された第1の電極1502及び第2の電極1503、及び第1の電極と第2の電極との間の空間に広がるブリッジ1520を含む。ブリッジ1520は、ポリマー鎖(ポリヌクレオチドなど)又は他の好適な構造体を含んでもよく、一部の例では、図15に例示されているような構築物1590を含む三次構造で設けられてもよいか、又は図3B~図3Dに例示されているような官能基中に設けられてもよい。導電性標識1531は、第1の電極1502と第2の電極1503との間に導電性ブリッジを設けるような様式でブリッジ1520に一過的に結合することができ、これに基づいて、標識の特性を判定することができる。一非限定例では、標識(例えば、標識1531)は、オリゴヌクレオチドを含むことができる。例えば、好適な検出回路は、導電性ブリッジの形成に応答してシグナルを発生することができる。検出回路は、シグナルの発生後、生じた導電性ブリッジに、標識1531とブリッジ1520との間の一過的結合を妨害するバイアス電圧を更に印加することができる。標識1531がブリッジ1520に一過的に結合する速度は、オンレートと称されることがある。このような一過的な結合形成の後に、標識1531を、所望の時間量の間、例えば、ベースコールの信頼性を高くするために十分なデータを収集した後に所定の位置に残し、こうして、除去バイアス電圧を印加すると、選択されて制御されたオフレートをもたらすことができる。標識の特性は、それぞれの標識1531の間の導電性の差異で、又は標識の破壊特性(例えば、標識がそれぞれ、印加したバイアス電圧に応答して、ブリッジから解離する電圧又は時間)を使用してコード化することができる。一部の例では、ブリッジ1520のポリマー鎖及び標識はそれぞれ、DNA、RNA、PNAなどのポリヌクレオチドを含む。一非限定例では、ブリッジのポリマー鎖は、ssDNAを含み、標識の少なくとも1つは、ブリッジにハイブリダイズしてA型dsDNAをもたらすssDNAを含み、標識の少なくとも1つは、ブリッジにハイブリダイズしてB型dsDNAをもたらすssDNAを含む。生じたA型dsDNA及びB型dsDNAは、相互に異なる伝導性を有してもよく、伝導性に基づいて、生じたヌクレオチドを同定することができる。例えば、標識とブリッジのポリマー鎖との間のそれぞれのハイブリダイゼーションがブリッジ自体ほど安定ではないことに基づいて、バイアス電圧の印加により、標識の解離が引き起こされ得る。
図16A~図16Cは、選択的に完成させることができるブリッジを備える例となる構成1600を概略的に例示する。構成1600は、ポリヌクレオチドの配列決定の使用に限定されず、実際に、粒子又はポリメラーゼとの使用に限定されないが、一部の例では、図9Bを参照して記載されている構成900’と同様の様式で、ポリヌクレオチドを配列決定するために使用することができる。構成1600は、空間によって相互に離隔された第1の電極1602及び第2の電極1603、並びに第1の電極と第2の電極との間の空間に架かる第1のブリッジ及び第2のブリッジを含む。第1のブリッジは、第1のポリマー鎖を含み、第2のブリッジは、第1のポリマー鎖とは異なる第2のポリマー鎖を含むことができる。例えば、図16A~図16Cに例示されている非限定的な構成では、図2又は図9Bを参照して記載されているような三次ポリマー構造体1620は、複数回フォールディングされて、区別可能なポリマー鎖1621、1622を形成するよう架橋されている単一ポリマー分子を含むことができ、上記のポリマー鎖の各々は、選択的に完成し得るブリッジに相当する。例えば、流体は、第1のポリマー鎖1621にハイブリダイズし、第2のポリマー鎖1622にハイブリダイズしない、第1のオリゴマー1631を含んでもよい。例えば、第1のオリゴマー1631は、図8Aを参照して記載されている標識831と同様に構成されていてもよいが、ヌクレオチドに必ずしも連結されている必要はなく、オリゴマー1631が、図16Bに例示されているような様式で、第1のポリマー鎖1621にハイブリダイズし、第2のポリマー鎖1622にはハイブリダイズしないことの理由となる配列を有することができる。検出回路860に類した検出回路は、第1のポリマー鎖への第1のオリゴマー1631のハイブリダイゼーションに応答して、第1のシグナルを発生することができる。
流体は、任意の好適なポリマー鎖、又は三次ポリマー1620構造体の鎖と、それぞれハイブリダイズすることになる任意の好適な数のオリゴマーを含むことができる。例示として、流体は、図16Cに例示されているような様式で、第2のポリマー鎖1622にハイブリダイズすることができ、第1のポリマー鎖1631にハイブリダイズすることができない第2のオリゴマー1632を更に含んでもよく、検出回路は、第2のポリマー鎖への第2のオリゴマー1632のハイブリダイゼーションに応答して、第2のシグナルを発生することができる。本明細書の他の箇所に記載されている様式と同様の様式で、検出回路は更に、第1のシグナルと第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、例えば、第1及び第2のポリマー鎖1621、1622の少なくとも異なる配列を使用して、又は第1及び第2のオリゴマー1631、1632の少なくとも異なる配列を使用して、第1のオリゴマー1631と第1のポリマー鎖1621とのハイブリダイゼーションと、第2のオリゴマー1632と第2のポリマー鎖1622とのハイブリダイゼーションを区別することができる。この点では、第1及び第2のオリゴマー1631、1632は、三次ポリマー構造体1620内部でブリッジを選択的に完成すると考えることができる。同様に、流体は、第3及び第4のオリゴマーを含むことができ、電極1602と電極1603との間の異なる導電性をもたらすよう、三次構造1620の第3及び第4のポリマー鎖と選択的にハイブリダイズすることができる。三次構造の例は、図2及び9Bを参照して記載されているような、ポリヌクレオチド三次構造(例えば、DNA折り紙)又はポリペプチド三次構造を含む。例えば、第1及び第2のポリマー鎖1621、1622(及び、提供される場合、任意の追加のポリマー鎖)は、一部の例では、それぞれの一本鎖DNA配列を含んでもよく、第1及び第2のオリゴヌクレオチド1631、1632(及び、提供される場合、任意の追加のオリゴヌクレオチド)はそれぞれ、一本鎖DNA配列の1つをそれぞれ相補して、これらに選択的にハイブリダイズする一本鎖DNA配列を含む。一部の例では、ポリマー鎖(例えば、1621、1622)はそれぞれ、狭窄部1690の少なくとも一部に及ぶことがある。第1及び第2のオリゴヌクレオチド1631、1632は、一部の例では、図15を参照して記載されるような様式で、バイアス電圧を印加することによって除去することができる。
したがって、本明細書に記載されているデバイス、構成、及び方法は、比較的少ない構成要素を有する電子デバイスの製造の制御の強化を実現することができる。本デバイス、構成、及び方法は、任意の好適な粒子と共に使用されてもよく、粒子は、一部の例では、官能基を含んでもよい。このような官能基は、例えば、ポリヌクレオチド(DNAなど)、有機低分子、ポリマー又はπ-コンジュゲート材料を含むことができる。さまざまなサイズの粒子を容易に調製することができ、したがって、さまざまなサイズの空間に合うように粒子を調整することができるので、本デバイス、構成、及び方法の別の例となる特徴は、両電極間の空間の変動性に適応する能力を含むことができる。例えば、サイズ分布を有するナノ粒子の単一溶液を使用して、アレイにおけるそれぞれの対応のデバイスにとって適切なサイズの粒子を自己選択することができ、したがって、例えば、図6A~図6B及び図7を参照して記載されているような様式で、そのようなアレイ内部の両電極間の空間の変動性に適応することができる。粒子、ポリメラーゼ及び電極のそれぞれのアセンブリは、走査型電子顕微鏡(SEM)、原子間力顕微鏡法(AFM)などの標準的な顕微鏡技法を使用して、容易に画像化することができるので、本デバイス、構成、及び方法の別の例となる特徴は、品質管理の容易さを含むことができる。
非限定的な実施例
以下の実施例は、単に例示であり、限定を意図するものではない。
以下の実施例は、単に例示であり、限定を意図するものではない。
図11Aは、図3Bに例示されているようなデバイスを調製する方法における、操作のフロー例を例示する。図11Aに例示されている非限定例では、プロセス(a)において、約20nmの金ナノ粒子を、5’-修飾した30マーのオリゴヌクレオチド(名目上、10nmの長さ)の末端のチオール基と反応させた。次に、プロセス(b)において、5’-修飾したオリゴヌクレオチドを、その外側に面する末端にジスルフィド基を有する5’-修飾した相補性(complimentary)の30マーのオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせによって、反応性ジスルフィドコロナ(図11Aでは、「Y」基によって表示されている)を有するDNA二本鎖によって取り囲まれた金ナノ粒子を得た。図11Bは、図11Aに例示されている方法の例となる結果を例示している。より詳細には、図11Bにおいて、一本鎖オリゴヌクレオチドをナノ粒子にグラフトした後(1101)、及びそれらの一本鎖オリゴヌクレオチドを相補性オリゴヌクレオチドにハイブリダイズした後(1102)に、粒子あたりのオリゴヌクレオチドの数の蛍光アッセイによる特徴付けが示されている。
図11Cは、図3Bに例示されているようなデバイスを調製する方法における、追加の操作のフロー例を例示する。図11Aを参照して記載されている操作(a)及び(b)を使用して、反応性ジスルフィドコロナ(図11C中、「DS」基によって表示されている)を有するDNA二本鎖によって囲まれている金ナノ粒子を調製し、そのように調製した金ナノ粒子を、次に、電極と連結させた。より詳細には、プロセス(c)において、官能基化されたナノ粒子を液体に溶解し、この液体を、約50~60nmだけ離隔した一対の金電極に適用した。液体中の単一粒子を金電極に輸送し、電極に結合させた。図11Dは、図11Cに例示されている操作の結果例を例示する。図11Dの画像(a)は、図11Cのプロセス(c)の前の裸の金電極のSEM画像である。これら電極は、100nm未満、この場合、ほぼ30nmだけ離隔されているように見える。図11Dの画像(b)は、図11Cのプロセス(c)の後の金電極のSEM画像であり、ここでは、単一金ナノ粒子が両金電極間に配置されていることを観察することができる。図11Dの画像(c)は、両金電極間に配置されている単一金ナノ粒子の拡大SEM画像である。図11Dの画像(c)から、金ナノ粒子は、両電極間の間隔よりも小さな直径を有すること、及びこのナノ粒子は、両電極のそれぞれからほぼ均等に離隔していることが理解され得る。この手法により、ほぼ5~10%の歩留まりで、単一ナノ粒子デバイスが生産された。それぞれの電極対によって印加されるAC又はDC電場を使用して、単一分子を能動的に捕捉することによって、一層高い歩留まりを期待することができる。
図12Aは、図3Cに例示されているようなデバイスを調製する方法における、操作のフロー例を例示する。図12Aに例示されている非限定例では、プロセス(a)において、図11A~図11Dを参照して記載されているようなものと類似した裸の金電極を、緩衝溶液中で、5’-修飾した30マーのオリゴヌクレオチドの末端のチオール基と反応させた。次に、プロセス(b)において、5’-修飾オリゴヌクレオチドを、図11Aのプロセス(a)を使用して生成したほぼ20nmの金ナノ粒子に結合した、5’-修飾した30マーの相補性オリゴヌクレオチドとハイブリダイズした。結果は、約50~60nmだけ相互に離隔した金電極に結合した一本鎖DNAと二本鎖を形成した一本鎖DNAによって囲まれた金ナノ粒子であった。図12Bは、図12Aに例示されている操作の結果例を例示している。より詳細には、図12Bは、図12Aのプロセス(b)の後の金電極のSEM画像であり、ここでは、単一金ナノ粒子が、両金電極間に配設されていることを観察することができる。この手法により、ほぼ5~10%の歩留まりで、単一ナノ粒子デバイスが生産された。それぞれの電極対によって印加されるAC又はDC電場を使用して、単一分子を能動的に捕捉することによって、一層高い歩留まりを期待することができる。
さまざまな例示的な例が上に記載されているが、さまざまな変更及び改変が、本発明から逸脱することなく、本明細書において行われ得ることは、当業者に明白であろう。添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲内に収まる、このような変更及び改変のすべてを包含することが意図される。
Claims (87)
- デバイスであって、
空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極と、
第1の複数の結合を介して前記第1の電極に連結され、第2の複数の結合を介して前記第2の電極に連結される、粒子と、
前記粒子に連結されているポリメラーゼと、
を備える、デバイス。 - 前記粒子が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する、請求項1に記載のデバイス。
- 前記粒子が非導電性である、請求項1に記載のデバイス。
- 前記粒子が、三次構造を有するポリマーを含む、請求項1に記載のデバイス。
- 前記三次構造を有する前記ポリマーが、ポリヌクレオチド又はポリペプチドを含む、請求項4に記載のデバイス。
- 前記ポリヌクレオチド又は前記ポリペプチドが、フォールディングされて、中央狭窄部を有する三次構造に架橋されており、前記中央狭窄部が、前記第1の電極と前記第2の電極の間に導電性ブリッジの一部を形成する、請求項5に記載のデバイス。
- 前記粒子が、ナノ粒子を前記第1の電極及び前記第2の電極に結合させる官能基を有する前記ナノ粒子を含む、請求項1に記載のデバイス。
- 前記ナノ粒子が無機物である、請求項7に記載のデバイス。
- 前記粒子が、前記空間の長さの少なくとも約10%の直径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のデバイス。
- 前記粒子が、リンカーによって相互に連結した一対のナノ粒子を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
- デバイスを作製する方法であって、
相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極上に溶液を堆積させることであって、
前記溶液が、液体中に粒子を含み、各粒子が、それぞれのポリメラーゼに連結されている、ことと、
前記粒子の1つを前記溶液から前記第1の電極及び前記第2の電極に隣接する空間に輸送することと、
前記第1の電極及び前記第2の電極の各々に、前記粒子の前記1つを結合させることと、
を含む、方法。 - 前記輸送することが、前記第1の電極及び前記第2の電極において、前記粒子の前記1つを誘導泳動により又は磁気により捕捉することを含む、請求項11に記載の方法。
- 前記結合することが、前記第1の電極と前記粒子の前記1つとの間に前記第1の複数の結合を形成すること、及び前記第2の電極と前記粒子の前記1つとの間に前記第2の複数の結合を形成することを含む、請求項11~12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子の前記1つを使用して、前記第1の電極及び前記第2の電極に隣接する前記空間からの他の粒子を立体的に排除することを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子が非導電性である、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子が、三次構造を有するポリマーを含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記三次構造を有する前記ポリマーが、ポリヌクレオチド又はポリペプチドを含む、請求項17に記載の方法。
- 前記ポリヌクレオチド又は前記ポリペプチドが、フォールディングされ、かつ中央狭窄部を有する三次構造に架橋されており、前記中央狭窄部が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジの一部を形成する、請求項18に記載の方法。
- 前記粒子が、ナノ粒子を前記第1の電極及び前記第2の電極に結合させる官能基を有する前記ナノ粒子を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記ナノ粒子が無機物である、請求項20に記載の方法。
- 前記粒子が、前記空間の長さの少なくとも約10%の直径を有する、請求項11~21のいずれか一項に記載の方法。
- デバイスアレイであって、
固体基板と
前記固体基板上に配設されている複数の電極対であって、各電極対の前記電極が、それぞれの空間によって相互に離隔されている、複数の電極対と、
各々が、それぞれの電極対の前記電極に結合されている、複数の粒子であって、
前記電極対の大部分が、それぞれ、前記粒子のうちの単一の粒子に結合されている、複数の粒子と、
複数のポリメラーゼであって、各ポリメラーゼが、前記粒子のうちのそれぞれ1つに連結されている、複数のポリメラーゼと、
を備える、デバイスアレイ。 - 前記それぞれの空間が、前記粒子がそれぞれ結合されている前記電極対の間で変動する、請求項23に記載のデバイスアレイ。
- デバイスアレイを作製する方法であって、
上部に配設された複数の電極対を有する固体基板上に溶液を堆積させることであって、各電極対の前記電極が、それぞれの空間によって相互に離隔されており、
前記溶液が、液体中に粒子を含み、各粒子が、それぞれのポリメラーゼに連結されている、ことと、
前記粒子を前記溶液から前記空間のうちのそれぞれ1つに輸送することと、
各電極対の前記電極に前記粒子の1つを結合させることであって、
前記電極対の大部分がそれぞれ、前記粒子の正確に1つに結合される、ことと、
を含む、方法。 - 前記輸送することが、前記電極対のうちの前記それぞれ1つの前記電極において、前記粒子の前記1つを誘導泳動により又は磁気により捕捉することを含む、請求項25に記載の方法。
- 前記結合することが、前記粒子の前記1つと前記電極対のうちの前記それぞれの1つの前記電極の各々との間に複数の結合を形成することを含む、請求項25又は請求項26に記載の方法。
- 前記粒子の前記1つを使用して、あらゆる他の粒子が、前記電極対のうちの前記それぞれの1つの前記電極に接触するのを立体的に排除することを更に含む、請求項25~27のいずれか一項に記載の方法。
- 構成であって、
空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極と、
第1の複数の結合を介して前記第1の電極に連結され、第2の複数の結合を介して前記第2の電極に連結される、粒子と、
第1のポリヌクレオチド及び第2のポリヌクレオチドと、
複数のヌクレオチドであって、各ヌクレオチドが、対応する標識に連結されている、複数のヌクレオチドと、
前記粒子に連結されているポリメラーゼであって、前記第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用して、前記第1のポリヌクレオチドに前記ヌクレオチドを付加するための、ポリメラーゼと、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の電流の少なくとも変化を使用して、前記第1のポリヌクレオチドへの前記ヌクレオチドの付加の配列を検出するための検出回路であって、前記変化が、それらのヌクレオチドに対応する前記標識に応答する、検出回路と、
を含む、構成。 - 前記粒子が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、前記標識が、前記ブリッジを流れる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項29に記載の構成。
- 前記粒子が非導電性であり、前記標識がそれぞれ、前記第1の電極と記第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、前記ブリッジを介して、前記電流が流れる、請求項29に記載の構成。
- 前記粒子が、三次構造を有するポリマーを含む、請求項29に記載の構成。
- 前記三次構造を有する前記ポリマーが、DNA又はポリペプチドを含む、請求項32に記載の構成。
- 前記三次構造が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジを形成し、前記標識が、前記導電性ブリッジへのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項32に記載の構成。
- 前記粒子が、ナノ粒子を前記第1の電極及び前記第2の電極に結合させる官能基を有する前記ナノ粒子を含む、請求項29に記載の構成。
- 前記ナノ粒子が非導電性であり、前記標識がそれぞれ、前記第1の電極と前記第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、前記ブリッジを介して、前記電流が流れる、請求項35に記載の構成。
- 前記標識の少なくとも1つが、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、及びフラーレンからなる群から選択される、請求項36に記載の構成。
- 前記ナノ粒子及び前記官能基が、前記第1の電極と前記第2の電極との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、前記標識が、前記官能基へのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項35~37のいずれか一項に記載の構成。
- 前記粒子が、リンカーによって相互に連結されている一対のナノ粒子を含み、前記標識が、前記リンカーへのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項29に記載の構成。
- 配列を決定する方法であって、
第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することと、
前記ヌクレオチドにそれぞれ連結されている標識を使用して、第1の電極と第2の電極との間の電流を変化させることであって、粒子が、第1の複数の結合を介して前記第1の電極に連結され、第2の複数の結合を介して前記第2の電極に連結される、ことと、
前記ポリメラーゼが前記第1のポリヌクレオチドに前記ヌクレオチドを付加する配列を検出することであって、それらのヌクレオチドに対応する前記標識を使用して誘発された前記電流の少なくとも変化を使用する、ことと、
を含む、方法。 - 前記粒子が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、前記標識が、前記ブリッジを流れる、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項40に記載の方法。
- 前記粒子が非導電性であり、前記標識がそれぞれ、前記第1の電極と前記第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、前記ブリッジを介して、前記電流が流れる、請求項40に記載の方法。
- 前記粒子が、三次構造を有するポリマーを含む、請求項40に記載の方法。
- 前記三次構造を有する前記ポリマーが、DNA又はポリペプチドを含む、請求項43に記載の方法。
- 前記三次構造が、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジを形成し、前記標識が、前記導電性ブリッジへのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項44に記載の方法。
- 前記粒子が、ナノ粒子を前記第1の電極及び前記第2の電極に結合させる官能基を有する前記ナノ粒子を含む、請求項40に記載の方法。
- 前記ナノ粒子が非導電性であり、前記標識がそれぞれ、前記第1の電極と前記第2の電極との間に一過的な導電性ブリッジを形成し、前記ブリッジを介して、前記電流が流れる、請求項46に記載の方法。
- 前記標識の少なくとも1つが、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、及びフラーレンからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
- 前記ナノ粒子及び前記官能基が、前記第1の電極と前記第2の電極との間の導電性ブリッジの少なくとも一部を形成し、前記標識が、前記官能基へのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
- 前記粒子が、リンカーによって相互に連結されている一対のナノ粒子を含み、前記標識が、前記リンカーへのハイブリダイズによって、前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記電流を変化させる、請求項40に記載の方法。
- 構成であって、
空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極と、
前記空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第1の導電性標識を含む流体と、
前記第1の導電性標識を使用して、前記第1の電極と前記第2の電極との間の第1の導電性ブリッジの一過的形成に応答して、第1のシグナルを発生させる検出回路と
を含む、構成。 - 前記第1の導電性標識が、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、又はフラーレンを含む、請求項51に記載の構成。
- 前記流体が、前記空間の長さと少なくとも同じ長さを有する第2の導電性標識を更に含み、
前記検出回路が、前記第2の導電性標識を使用して、前記第1の電極と前記第2の電極との間の第2の導電性ブリッジの一過的形成に応答して、第2のシグナルを発生させるためのものである、
請求項51又は請求項52に記載の構成。 - 前記検出回路が更に、前記第1のシグナルと前記第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、前記第1の導電性ブリッジの形成と前記第2の導電性ブリッジの形成とを区別するためのものである、請求項53に記載の構成。
- 前記第1の導電性標識が、前記第1の電極及び前記第2の電極の各々に一過的に結合して、前記第1の導電性ブリッジを形成する、請求項51~54のいずれか一項に記載の構成。
- 前記第1の導電性標識が、前記第1の電極に一過的に結合するための第1の反応性基、及び前記第2の電極に一過的に結合するための第2の反応性基を含む、請求項55に記載の構成。
- 前記第1の反応性基及び第2の反応性基が、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択される、請求項56に記載の構成。
- 前記検出回路が更に、前記第1の導電性ブリッジ間に、前記第1の反応性基と前記第1の電極との間の前記一過的結合、又は前記第2の反応性基と前記第2の電極との間の前記一過的結合を妨害するバイアス電圧を印加するためのものである、請求項56又は請求項57に記載の構成。
- 前記バイアス電圧が、前記第1の反応性基と前記第1の電極との間の前記一過的結合、及び前記第2の反応性基と前記第2の電極との間の前記一過的結合を妨害する、請求項58に記載の構成。
- 前記第1の電極及び前記第2の電極に隣接して連結されているポリメラーゼと、
前記第1の導電性標識に連結されているヌクレオチドであって、
前記第1の導電性標識が、前記ポリメラーゼを使用して、前記ヌクレオチドに及ぼす作用に応答して前記第1の導電性ブリッジを形成する、ヌクレオチドと、
を更に含む、請求項51~59のいずれか一項に記載の構成。 - 前記第1の電極及び前記第2の電極、並びに前記ポリメラーゼに連結した粒子を更に含む、請求項60に記載の構成。
- 前記粒子が非導電性である、請求項61に記載の構成。
- 配列を決定する方法であって、
第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することと、
前記ヌクレオチドにそれぞれ連結した導電性標識を使用して、前記第1の電極と前記第2の電極との間に導電性ブリッジを一過的に形成することと、
前記ポリメラーゼが、前記導電性ブリッジの少なくとも前記一過的形成を使用して、前記第1のポリヌクレオチドに前記ヌクレオチドを付加する配列を検出することと、
を含む、方法。 - 前記導電性標識が、カーボンドット、導電性ポリマー、π共役低分子、ナノチューブ、又はフラーレンのうちの1種以上を独立して含む、請求項63に記載の方法。
- 前記配列が、前記導電性ブリッジ間の導電性の少なくとも差異を使用して検出される、請求項63又は請求項64に記載の方法。
- 前記導電性標識が、前記第1の電極及び前記第2の電極のそれぞれに一過的に結合して、前記導電性ブリッジを形成する、請求項63~65のいずれか一項に記載の方法。
- 各導電性標識が、前記第1の電極に一過的に結合するための第1の反応性基、及び前記第2の電極に一過的に結合するための第2の反応性基を含む、請求項66に記載の方法。
- 前記第1の反応性基及び第2の反応性基が、アミン、イソチオシアニド、ホスフィン、カルボキシル、セレノ、ピリジン、及びメチルスルフィドからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
- 前記導電性ブリッジ間に、前記第1の反応性基と前記第1の電極との間の前記一過的結合、又は前記第2の反応性基と前記第2の電極との間の前記一過的結合を妨害するバイアス電圧を印加することを更に含む、請求項67又は請求項68に記載の方法。
- 前記バイアス電圧が、前記第1の反応性基と前記第1の電極との間の前記一過的結合、及び前記第2の反応性基と前記第2の電極との間の前記一過的結合を妨害する、請求項69に記載の方法。
- 前記第1の電極及び前記第2の電極に隣接して連結されているポリメラーゼを使用して、前記導電性標識の1つに連結されているヌクレオチドに作用させることを更に含み、
前記導電性標識のその1つが、前記ポリメラーゼを使用して、前記ヌクレオチドに及ぼす前記作用に応答して前記導電性ブリッジの1つを形成する、請求項67~70のいずれか一項に記載の方法。 - 粒子が、前記第1の電極及び前記第2の電極、並びに前記ポリメラーゼに連結される、請求項71に記載の方法。
- 前記粒子が非導電性である、請求項72に記載の方法。
- 構成であって、
空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記空間に架かるブリッジと、
導電性ブリッジを形成するような様式で前記ブリッジに一過的に結合している標識を含む流体と、
前記導電性ブリッジの形成に応答してシグナルを発生させるための、及び前記シグナルの発生後に前記導電性ブリッジを妨害するように選択されたバイアス電圧を発生させるための検出回路と、
を含む、構成。 - 検出する方法であって、
第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジへの標識の一過的な結合形成を使用して、導電性ブリッジを形成することと、
前記導電性ブリッジの形成を検出することと、
続いて、バイアス電圧の印加に応答して、前記一過的な結合形成を妨害することと、
を含む、方法。 - 構成であって、
空間によって相互に離隔されている第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間の前記空間に架かる第1のブリッジ及び第2のブリッジであって、
前記第1のブリッジは第1のポリマー鎖を含み、
前記第2のブリッジは、前記第1のポリマー鎖とは異なる第2のポリマー鎖を含む、第1のブリッジ及び第2のブリッジと、
前記第1のポリマー鎖にハイブリダイズし、前記第2のポリマー鎖にハイブリダイズしない第1のオリゴマーを含む流体と、
前記第1のポリマー鎖への前記第1のオリゴマーのハイブリダイゼーションに応答して、第1のシグナルを発生するための検出回路と、
を含む、構成。 - 前記流体が、前記第2のポリマー鎖にハイブリダイズし、前記第1のポリマー鎖にハイブリダイズしない、第2のオリゴマーを更に含み、
前記検出回路が、前記第2のポリマー鎖への前記第2のオリゴマーのハイブリダイゼーションに応答して、第2のシグナルを発生するためのものである、
請求項76に記載の構成。 - 前記検出回路が更に、前記第1のシグナルと前記第2のシグナルとの間の少なくとも差異を使用して、前記第1のオリゴマーと前記第1のポリマー鎖とのハイブリダイゼーションと、前記第2のオリゴマーと前記第2のポリマー鎖とのハイブリダイゼーションとを区別するためのものである、請求項77に記載の構成。
- 前記第1のポリマー鎖及び前記第2のポリマー鎖が、三次構造の異なる部分を含む、請求項76~78のいずれか一項に記載の構成。
- 前記三次構造が、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの三次構造を含み、
前記第1のポリマー鎖及び前記第2のポリマー鎖がそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列を含み、
前記第1のオリゴマー及び第2のオリゴマーがそれぞれ、前記第1の一本鎖DNA配列及び前記第2の一本鎖DNA配列をそれぞれ相補する、第3の一本鎖DNA配列及び第4の一本鎖DNA配列を含む、
請求項79に記載の構成。 - 前記三次構造がポリペプチドを含む、請求項79又は請求項80に記載の構成。
- 配列を決定する方法であって、
第2のポリヌクレオチドの少なくとも配列を使用し、ポリメラーゼを使用して、ヌクレオチドを第1のポリヌクレオチドに付加することと、
前記ポリメラーゼが前記ヌクレオチドの第1のものを前記第1のポリヌクレオチドに付加したことに応答して、第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジの第1のポリマー鎖に、そのヌクレオチドに連結した第1の標識をハイブリダイズすることと、
第1の電極と第2の電極との間の空間に架かるブリッジの第2のポリマー鎖に、前記ヌクレオチドの第2のものに連結されている第2の標識を逐次にハイブリダイズすることと、
前記第1のポリマー鎖を有する前記第1の標識と前記第2のポリマー鎖を有する前記第2の標識との間のそれぞれのハイブリダイゼーションに応答する、前記ブリッジを流れる電流の少なくとも変化を使用して、前記ポリメラーゼが、前記ヌクレオチドの前記第1のもの及び前記ヌクレオチドの前記第2のものを前記第1のポリヌクレオチドに付加する配列を検出することと、
を含む、方法。 - 前記第1の標識が、前記第2のポリマー鎖とハイブリダイズせず、前記第2の標識が、前記第1のポリマー鎖とハイブリダイズしない、請求項82に記載の方法。
- 前記第1の標識及び前記第2の標識が、それぞれのポリマーを含む、請求項82又は請求項83に記載の方法。
- 前記第1のポリマー鎖及び前記第2のポリマー鎖が、三次構造の異なる部分を含む、請求項82~84のいずれか一項に記載の方法。
- 前記三次構造が、ポリヌクレオチド又はポリペプチドの三次構造を含み、
前記第1のポリマー鎖及び前記第2のポリマー鎖がそれぞれ、第1の一本鎖DNA配列及び第2の一本鎖DNA配列を含み、
前記第1の標識及び前記第2の標識がそれぞれ、前記第1の一本鎖DNA配列及び前記第2の一本鎖DNA配列をそれぞれ相補する第3の一本鎖DNA配列及び第4の一本鎖DNA配列を含む、
請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。 - 前記三次構造がポリペプチドを含む、請求項85又は請求項86に記載の方法。
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