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JP2023104174A - 立体的細胞組織の製造方法 - Google Patents

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JP2023104174A JP2022005014A JP2022005014A JP2023104174A JP 2023104174 A JP2023104174 A JP 2023104174A JP 2022005014 A JP2022005014 A JP 2022005014A JP 2022005014 A JP2022005014 A JP 2022005014A JP 2023104174 A JP2023104174 A JP 2023104174A
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Abstract

【課題】経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつ、立体的細胞組織中のコラーゲンの減少を抑制することができる、立体的細胞組織の製造技術を提供する。【解決手段】間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る工程と、前記細胞集合体を培地中で培養して立体的細胞組織を得る工程と、前記立体的細胞組織を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養する工程と、を含み、前記立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記立体的細胞組織の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、立体的細胞組織の製造方法に関する。
近年、再生医療、生体に近い環境が求められる薬剤のアッセイ系等の分野において、平板上で成育させた細胞よりも立体的に組織化させた立体的細胞組織を使用することの優位性が示されている。このため、生体外で立体的細胞組織を構築するための様々な技術が開発されている。
特許文献1には、細胞が、カチオン性緩衝液、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質を少なくとも含む溶液に懸濁されている混合物を得る工程と、得られた前記混合物から前記細胞を集め、基材上に細胞集合体を形成する工程と、前記細胞を培養し、立体的細胞組織を得る工程と、を含む、立体的細胞組織の製造方法が開示されている。立体的細胞組織は、例えば、生体組織モデル、固形癌モデル等に使用して、薬物スクリーニング等の様々なアッセイに利用することができる。
特許第6639634号公報
しかしながら、発明者らは、特許文献1に記載の方法で立体的細胞組織を製造すると、経時的に立体的細胞組織の厚みが減少し、また、立体的細胞組織中のコラーゲンも減少してしまう場合があることを見出した。立体的細胞組織の厚みが減少し、また、立体的細胞組織中のコラーゲンも減少してしまうと、例えば、がん細胞等を立体的細胞組織内に配置しても、立体的細胞組織が薄くなり、がん組織が露出してしまう場合や、免疫細胞の遊走性に関連した評価の再現性が低下する等の問題がある。
そこで、本発明は、経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつ、立体的細胞組織中のコラーゲンの減少を抑制することができる、立体的細胞組織の製造技術を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る工程と、前記細胞集合体を培地中で培養して立体的細胞組織を得る工程と、前記立体的細胞組織を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養する工程と、を含み、前記立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記立体的細胞組織の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法。
[2]間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第1の混合物を得る工程と、前記混合物から液体部分を除去して第1の細胞集合体を得る工程と、前記第1の細胞集合体を培地中で培養して第1の立体的細胞組織を得る工程と、前記第1の立体的細胞組織上に、制御対象細胞を配置する工程と、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第2の混合物を得る工程と、前記第2の混合物から液体部分を除去して第2の細胞集合体を得る工程と、前記第2の細胞集合体を、前記制御対象細胞に接するように配置する工程と、前記第2の細胞集合体を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養して第2の立体的細胞組織を得る工程と、を含み、前記第2の立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記第1の立体的細胞組織と前記制御対象細胞と前記第2の立体的細胞組織との合計の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法。
[3]前記制御対象細胞が、がん細胞である、[2]に記載の製造方法。
[4]前記細胞外マトリックス成分が、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、テネイシン、エンタクチン、フィブリン、プロテオグリカン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、[1]~[3]のいずれか一項に記載の製造方法。
[5]前記高分子電解質が、グリコサミノグリカン、デキストラン硫酸、ラムナン硫酸、フコイダン、カラギナン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリアクリル酸及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、[1]~[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
本発明によれば、経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつ、立体的細胞組織中のコラーゲンの減少を抑制することができる、立体的細胞組織の製造技術を提供することができる。
実験例1において観察した、立体的細胞組織の代表的な顕微鏡写真である。 実験例1において観察した、HE染色した立体的細胞組織の薄切切片の代表的な顕微鏡写真である。 実験例1において測定した、立体的細胞組織の厚さの測定結果を示したグラフである。 実験例1において観察した、PSR染色した立体的細胞組織の薄切切片の代表的な顕微鏡写真である。 実験例1において測定した、PSR割合の測定結果を示したグラフである。 実験例2において観察した、PSR染色した立体的細胞組織の薄切切片の代表的な顕微鏡写真である。 実験例3において測定した、相対的細胞生存率(Relative viability)の測定結果を示したグラフである。 実験例4において観察した、HE染色した立体的細胞組織の薄切切片の代表的な顕微鏡写真である。 実験例4において測定した、立体的細胞組織の厚さの測定結果を示したグラ
(第1実施形態)
1実施形態において、本発明は、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して混合物を得る工程と、前記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る工程と、前記細胞集合体を培地中で培養して立体的細胞組織を得る工程と、前記立体的細胞組織を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;以下、TGF-βとも称する)とを含む培地で培養する工程と、を含み、前記立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記立体的細胞組織の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつコラーゲンの減少を抑制することができる。具体的には、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さを50μm超にすることができる。
本明細書において、立体的細胞組織の厚さとは、立体的細胞組織の上面から見たときの重心を通る線に沿って取得した切片の厚さであり、立体的細胞組織のほぼ中央部における切片の厚さである。立体的細胞組織の形状は、立体的細胞組織の製造に使用した容器によって異なるが、例えば、円柱形状のセルカルチャーインサートを用いて立体的細胞組織を製造した場合には、円柱形状となる。この場合、立体的細胞組織を上面から見たときの形状は円であり、上面から見たときの重心は、円の中心となる。立体的細胞組織の形状は、円柱形状に限定されず、目的に応じて任意の形状であることができる。具体的には、例えば、三角柱形状、四角柱形状等の多角柱形状等が例示できる。
本実施形態の製造方法において、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さは、50μm超であり、例えば55μm以上、例えば60μm以上、例えば70μm以上、例えば80μm以上、例えば90μm以上、例えば100μm超、例えば110μm以上、例えば120μm以上、例えば130μm以上、例えば140μm以上、例えば150μm以上、例えば160μm以上、例えば170μm以上、例えば180μm以上、例えば190μm以上、例えば200μm以上であってもよい。
また、立体的細胞組織の厚さが50μm超となる培養期間は、立体的細胞組織を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間であり、例えば4日間、例えば5日間、例えば6日間、例えば7日間、例えば8日間、例えば9日間、例えば10日間、例えば11日間、例えば12日間、例えば13日間、例えば14日間、例えば15日間、例えば16日間、例えば17日間、例えば18日間、例えば19日間、例えば20日間であってもよい。
立体的細胞組織の形態に特に制限は無く、例えば、コラーゲン等の天然生体高分子や合成高分子によって構成されたスキャフォールド内で細胞を培養して形成した立体的細胞組織であってもよいし、細胞凝集体(スフェロイド)であってもよいし、シート状の細胞構造体であってもよい。
本明細書において、「立体的細胞組織」とは、立体的な細胞の集合体を意味する。立体的細胞組織の用途としては、生体組織モデル、固形癌モデルが挙げられるが、これらに限定されない。生体組織モデルとしては、皮膚、毛髪、骨、軟骨、歯、角膜、血管、リンパ管、心臓、肝臓、膵臓、神経、食道等のモデルが挙げられる。固形癌モデルとしては、胃癌、食道癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、腎細胞癌、肝癌等のモデルが挙げられる。
また、立体的細胞組織の形態に特に制限は無く、例えば、セルカルチャーインサート等の容器の内部で細胞を培養して形成した立体的細胞組織であってもよいし、コラーゲン等の天然生体高分子や合成高分子によって構成されたスキャフォールド内で細胞を培養して形成した立体的細胞組織であってもよいし、細胞凝集体(スフェロイド)であってもよいし、シート状の細胞構造体であってもよい。
本実施形態の製造方法は、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して混合物を得る工程(A)と、前記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る工程(B)と、前記細胞集合体を培地中で培養して立体的細胞組織を得る工程(C)と、前記立体的細胞組織を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養する工程(D)と、を含む。以下、各工程について説明する。
工程(A)において、細胞集団は少なくとも間質細胞を含む。間質細胞とは、上皮細胞の支持組織を構成する細胞を意味する。本実施形態で用いられる間質細胞としては、線維芽細胞、免疫細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞等が挙げられる。免疫細胞としては、リンパ球、好中球、マクロファージ等が挙げられる。間質細胞は、組織の維持に必須であるとともに,炎症反応や創傷治癒反応等に重要な役割を担っている。本発明において、間質細胞は、制御対象細胞の維持をすることができる。
間質細胞の由来としては特に限定はされず、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ、マウス、ラット等の哺乳動物に由来する細胞を使用することができる。
(カチオン性物質)
カチオン性物質としては、間質細胞の生育及び後述する間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、任意の正電荷を有する物質を用いることができる。カチオン性物質には、トリス-塩酸、トリス-マレイン酸、ビス-トリス、HEPES等のカチオン性緩衝剤、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリリシン、ポリヒスチジン、ポリアルギニン等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでもカチオン性緩衝剤が好ましく、トリス-塩酸がより好ましい。
カチオン性物質としてカチオン性緩衝剤を用いる場合、カチオン性緩衝液のpHは、間質細胞の生育及び間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは6.0~8.0であることが好ましい。例えば、本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0であってよい。本実施形態で用いられるカチオン性緩衝液のpHは7.2~7.6であることがより好ましく、約7.4であることが更に好ましい。
(細胞外マトリックス成分)
細胞外マトリックス成分としては、間質細胞の生育及び後述する間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、細胞外マトリックス(ECM)を構成する任意の成分を用いることができる。細胞外マトリックス成分としては、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、テネイシン、エンタクチン、フィブリン、プロテオグリカン、これらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。細胞外マトリックス成分は、上述したものの改変体、バリアント等であってもよい。細胞外マトリックス成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
プロテオグリカンとしては、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、ケラタン硫酸プロテオグリカン、デルマタン硫酸プロテオグリカンが挙げられる。細胞外マトリックス成分としては、なかでも、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチンが好ましく、コラーゲンが特に好ましい。
工程(A)における混合物中の細胞外マトリックス成分の含有量の合計は、間質細胞の生育及び間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されず、0.005mg/mL以上1.5mg/mL以下であってもよく、0.005mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.01mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上0.1mg/mL以下であってもよい。細胞外マトリックス成分は、適切な溶媒に溶解して用いることができる。溶媒としては、水、緩衝液、酢酸等が挙げられるが、これらに限定されない。なかでも、緩衝液又は酢酸が好ましい。
(高分子電解質)
本明細書において、高分子電解質とは、高分子鎖中に解離可能な官能基を有する高分子を意味する。本実施形態で用いられる高分子電解質としては、間質細胞の生育及び間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、任意の高分子電解質を用いることができる。高分子電解質としては、ヘパリン、コンドロイチン硫酸(例えば、コンドロイチン4-硫酸、コンドロイチン6-硫酸)、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、ヒアルロン酸等のグリコサミノグリカン;デキストラン硫酸、ラムナン硫酸、フコイダン、カラギナン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリアクリル酸、これらの組み合わせ等が挙げられるが、これらに限定されない。高分子電解質は、上述したものの誘導体であってもよい。これらの高分子電解質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子電解質は、グリコサミノグリカンであることが好ましい。なかでも、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸が好ましく、ヘパリンが特に好ましい。
工程(A)における混合物中の高分子電解質の濃度は、間質細胞の生育及び間質細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。細胞外マトリックス成分と異なり、高分子電解質は溶解の限界以下であれば、どのような濃度であっても効果があり、また、細胞外マトリックス成分による効果を阻害しない。高分子電解質の濃度は0.005mg/mL以上であることが好ましく、0.005mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.01mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上1.0mg/mL以下であってもよく、0.025mg/mL以上0.1mg/mL以下であってもよい。
高分子電解質は、適切な溶媒に溶解して用いることができる。溶媒の例としては、水及び緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。上述のカチオン性物質としてカチオン性緩衝液が用いられる場合、高分子電解質をカチオン性緩衝液に溶解して用いてもよい。
工程(A)における混合物中の高分子電解質と細胞外マトリックス成分との配合比(終濃度比)は1:2~2:1であることが好ましく、1:1.5~1.5:1であってもよく、1:1であってもよい。
工程(A)において、間質細胞、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分、高分子電解質の混合は、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル、ウェルプレート、セルカルチャーインサート等の適当な容器中で行うことができる。これらの混合は、工程(B)で使用する容器中で行ってもよい。
続いて、工程(B)において、上記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る。本明細書において、「細胞集合体」とは、細胞の集団を意味する。細胞集合体には、遠心分離やろ過等によって得られる細胞の沈殿体も含まれる。ある実施形態では、細胞集合体はスラリー状の粘稠体である。「スラリー状の粘稠体」とは、Akihiro Nishiguchi et al., Cell-cell crosslinking by bio-molecular recognition of heparin-based layer-by-layer nanofilms, Macromol Biosci., 15 (3), 312-317, 2015. に記載されるようなゲル様の細胞集合体を指す。
液体部分を除去する手段としては、当業者に公知の手法を用いることができる。例えば、遠心分離やろ過によって、液体部分を除去してもよい。遠心分離の条件は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、混合物の入ったマイクロチューブを、室温、400~1,000×gで2分間の遠心分離に供して液体部分と細胞集合体とを分離することによって、液体部分を除去してもよい。あるいは、自然沈降によって細胞を集めた後、液体部分を除去してもよい。この結果、細胞集合体を得ることができる。
続いて、工程(C)において、上記の細胞集合体を培地中で培養し、立体的細胞組織を得る。培養の前に細胞集合体を溶液に懸濁してもよい。溶液は、細胞の生育及び立体的細胞組織の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、細胞集合体を構成する細胞に適した細胞培養培地、緩衝液等を用いることができる。細胞集合体の懸濁は、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル、プレート等の適当な容器中で行うことができる。
細胞集合体を溶液に懸濁した場合、培養の前に細胞を沈殿させて基材上に細胞の沈殿体を形成してもよい。基材としては、細胞の培養に用いるための培養容器が挙げられる。培養容器は、細胞や微生物の培養に通常用いられている素材、形状を有する容器であってよい。培養容器の素材としては、ガラス、ステンレス、プラスチック等が挙げられるが、これらに限定されない。培養容器としては、ディッシュ、チューブ、フラスコ、ボトル、プレートなどが挙げられるが、これらに限定されない。基材は、例えば、液体中の細胞を通過させず、液体を通すことが可能な材料である。基材は透過膜であることが好ましい。かかる透過膜を有する容器としては、Transwell(登録商標)インサート、Netwellインサート、Falcon(登録商標)セルカルチャーインサート、Millicell(登録商標)セルカルチャーインサートなどのセルカルチャーインサートが挙げられるが、これらに限定されない。
細胞の沈殿は、例えば、遠心分離により行うことができる。遠心分離の条件は、細胞の生育及び細胞集合体の形成に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、細胞集合体の懸濁液を、室温、400~1,000×gで2分間の遠心分離に供して沈殿させてもよい。あるいは、自然沈降によって細胞を沈殿させてもよい。
細胞の沈殿は、当業者に公知の手法を用いることができる。例えば、遠心分離、磁性分離、ろ過等によって、細胞を集めてもよい。遠心分離の条件は、細胞の生育に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。例えば、混合物又は懸濁液をセルカルチャーインサートに播種し、室温、400×gで2分間の遠心分離に供することで、細胞を集めてもよい。あるいは、自然沈降によって細胞を集めてもよい。また、集めた細胞は層構造を形成していてもよい。
細胞集合体、又は、細胞集合体を懸濁した場合には懸濁された細胞は、1,000個/mm以上、例えば10,000個/mm以上、例えば20,000個/mm以上、例えば25,000個/mm以上の細胞密度で播種することが好ましい。また、細胞は、例えば1,000,000個/mm以下、例えば500,000個/mm以下、例えば200,000個/mm以下、例えば100,000個/mm以下の細胞密度で播種することができる。細胞集合体を溶液に懸濁する工程、及び、細胞を沈殿させる工程を実施することにより、より均質な立体的細胞組織を得ることができる。
工程(C)において、細胞の培養は、培養される細胞に適した培養条件下で行うことができる。当業者は、細胞の種類や所望の機能に応じて適切な培地を選択することができる。細胞培養培地としては特に限定されないが、DMEM、E-MEM、MEMα、RPMI-1640、Mccoy’5a、Ham’s F-12等の基本培地や、これらの基本培地にCS(ウシ血清)、FBS(ウシ胎児血清)、HBS(ウマ胎児血清)等の血清を1~20容量%程度になるように添加した培地が挙げられる。培養環境の温度や大気組成等の諸条件もまた、当業者であれば容易に決定することができる。
細胞の培養時に、構築された立体的細胞組織の変形(例えば、組織の収縮、組織末端の剥離等)を抑制するための物質を培地に添加してもよい。このような物質としては、選択的ROCK(Rho-associated coiled-coil forming kinase/Rho結合キナーゼ)阻害剤であるY-27632が挙げられるが、これに限定されない。
続いて、工程(D)において、工程(C)で得られた立体的細胞組織を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養する。アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地としては、工程(C)で用いた細胞培養培地に、アスコルビン酸とTGF-βを添加した培地が挙げられる。
(アスコルビン酸)
アスコルビン酸とは、水溶性ビタミンであるビタミンCとして知られている、ラクトン構造を有する有機化合物である。アスコルビン酸は光学活性化合物であり、L体とD体が存在するが、L体が好ましい。なお、ビタミンCとして知られているのはL体である。アスコルビン酸としては、アスコルビン酸塩又はアスコルビン酸誘導体であってもよい。アスコルビン酸塩としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体としては、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、アスコルビン酸2-グルコシド等が挙げられる。
アスコルビン酸の培地中での濃度は、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さを50μm超にできる限り、特に限定されず、0.02mM以上0.7mM以下であってもよく、0.02mM以上0.5mM以下であってもよく、0.02mM以上0.3mM以下であってもよく、0.02mM以上0.1mM以下であってもよく、0.05mM以上0.7mM以下であってもよく、0.05mM以上0.5mM以下であってもよく、0.05mM以上0.3mM以下であってもよく、0.05mM以上0.1mM以下であってもよく、0.07mM以上0.7mM以下であってもよく、0.07mM以上0.5mM以下であってもよく、0.07mM以上0.3mM以下であってもよく、0.07mM以上0.1mg/mL以下であってもよい。
(TGF-β)
TGF-β(transforming growth factor-β)は、TGF-βファミリーに属するサイトカインであり、哺乳動物で3種類のアイソフォーム(TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3)が存在する。TGF-βは、細胞増殖、細胞死、細胞分化、免疫調節、細胞運動等において重要な役割を果たしている。本実施形態の製造方法において、TGF-βは、TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3のいずれであってもよい。
TGF-βの培地中での濃度は、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さを50μm超にできる限り、特に限定されず、0.05ng/mL以上15ng/mL以下であってもよく、0.05ng/mL以上12ng/mL以下であってもよく、0.05ng/mL以上10ng/mL以下であってもよく、0.05ng/mL以上7ng/mL以下であってもよく、0.05ng/mL以上5ng/mL以下であってもよく、0.07ng/mL以上15ng/mL以下であってもよく、0.07ng/mL以上12ng/mL以下であってもよく、0.07ng/mL以上10ng/mL以下であってもよく、0.07ng/mL以上7ng/mL以下であってもよく、0.07ng/mL以上5ng/mL以下であってもよく、0.1ng/mL以上15ng/mL以下であってもよく、0.1ng/mL以上12ng/mL以下であってもよく、0.1ng/mL以上10ng/mL以下であってもよく、0.1ng/mL以上7ng/mL以下であってもよく、0.1ng/mL以上5ng/mL以下であってもよく、0.2ng/mL以上15ng/mL以下であってもよく、0.2ng/mL以上12ng/mL以下であってもよく、0.2ng/mL以上10ng/mL以下であってもよく、0.2ng/mL以上7ng/mL以下であってもよく、0.2ng/mL以上5ng/mL以下であってもよく、0.5ng/mL以上15ng/mL以下であってもよく、0.5ng/mL以上12ng/mL以下であってもよく、0.5ng/mL以上10ng/mL以下であってもよく、0.5ng/mL以上7ng/mL以下であってもよく、0.5ng/mL以上5ng/mL以下であってもよい。
(第2実施形態)
1実施形態において、本発明は、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第1の混合物を得る工程と、前記混合物から液体部分を除去して第1の細胞集合体を得る工程と、前記第1の細胞集合体を培地中で培養して第1の立体的細胞組織を得る工程と、前記第1の立体的細胞組織上に、制御対象細胞を配置する工程と、間質細胞、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第2の混合物を得る工程と、前記第2の混合物から液体部分を除去して第2の細胞集合体を得る工程と、前記第2の細胞集合体を、前記制御対象細胞に接するように配置する工程と、前記第2の細胞集合体を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養して第2の立体的細胞組織を得る工程と、を含み、前記第2の立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で少なくとも3日間培養後、前記第1の立体的細胞組織と前記制御対象細胞と前記第2の立体的細胞組織との合計の厚さが40μm超である、立体的細胞組織の製造方法を提供する。
本実施形態の製造方法によれば、経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつ、立体的細胞組織中のコラーゲンの減少を抑制することができる。具体的には、実施例において後述するように、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さを50μm超にすることができる。なお、本実施形態において、立体的細胞組織の厚さとは、第1の立体的細胞組織と制御対象細胞と第2の立体的細胞組織との合計の厚さを意味する。
本実施形態の製造方法において、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、立体的細胞組織の厚さは、50μm超であり、例えば55μm以上、例えば60μm以上、例えば70μm以上、例えば80μm以上、例えば90μm以上、例えば100μm超、例えば110μm以上、例えば120μm以上、例えば130μm以上、例えば140μm以上、例えば150μm以上、例えば160μm以上、例えば170μm以上、例えば180μm以上、例えば190μm以上、例えば200μm以上であってもよい。
また、立体的細胞組織の厚さが50μm超である培養期間は、立体的細胞組織を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間であり、例えば4日間、例えば5日間、例えば6日間、例えば7日間、例えば8日間、例えば9日間、例えば10日間、例えば11日間、例えば12日間、例えば13日間、例えば14日間、例えば15日間、例えば16日間、例えば18日間、例えば19日間、例えば20日間であってもよい。
本実施形態の製造方法において、立体的細胞組織の厚さ、立体的細胞組織の意味、及び、立体的細胞組織の形態については、第1実施形態に記載の通りである。
本実施形態の製造方法は、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第1の混合物を得る工程(A1)と、前記混合物から液体部分を除去して第1の細胞集合体を得る工程(B1)と、前記第1の細胞集合体を培地中で培養して第1の立体的細胞組織を得る工程と、前記第1の立体的細胞組織上に、制御対象細胞を配置する工程(C1)と、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第2の混合物を得る工程(A2)と、前記第2の混合物から液体部分を除去して第2の細胞集合体を得る工程(B2)と、前記第2の細胞集合体を、前記制御対象細胞に接するように配置する工程(C2)と、前記第2の細胞集合体を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養する工程(D1)と、を含む。以下、各工程について説明する。
本実施形態において、工程(A1)、工程(B1)は、それぞれ上記第1実施形態における工程(A)、工程(B)と同様である。
続いて、工程(C1)において、工程(B1)で得らえた第1の立体的細胞組織上に、制御対象細胞集団を配置する。制御対象細胞とは、間質細胞を用いて維持を制御する対象となる細胞を意味する。制御対象細胞としては特に限定されず、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ブタ、ウシ、マウス、ラット等の哺乳動物に由来する細胞を使用することができる。制御対象細胞の由来部位も特に限定されず、骨、筋肉、内臓、神経、脳、皮膚、血液等に由来する体細胞であってもよく、生殖細胞であってもよく、がん細胞であってもよい。
血液に由来する体細胞としては、リンパ球、好中球、マクロファージ、樹状細胞等の免疫細胞が挙げられる。また、がん細胞としては、胃癌、食道癌、大腸癌、結腸癌、直腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、腎細胞癌、肝癌等が挙げられる。
また、制御対象細胞は、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)等の多能性幹細胞であってもよく、組織幹細胞であってもよい。
制御対象細胞は、初代細胞であってもよいし、継代培養細胞、細胞株細胞等の培養細胞であってもよい。また、細胞は1種を単独で用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
工程(C1)の後、工程(C2)において、間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第2の混合物を得る工程(A2)と、前記第2の混合物から液体部分を除去して第2の細胞集合体を得る工程(B2)を行い、得られた第2の細胞集合体を、工程(C1)で第1の立体的細胞組織上に配置した制御対象細胞に接するように配置する。工程(A2)と工程(B2)は、それぞれ第1実施形態における工程(A)、工程(B)と同様である。
続いて、工程(D1)において、第2の細胞集合体を、アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養する。第2の細胞集合体を、アスコルビン酸とTGF-βを含む培地で培養する方法は、上記第1実施形態で記載した方法と同様である。
本実施形態の製造方法は、立体的細胞組織の厚さを維持する方法であるということができる。また、本実施形態の製造方法において、アスコルビン酸とTGF-βとは、立体的細胞組織の厚さを維持するための、立体的細胞組織の厚さ維持剤であるということができる。また、アスコルビン酸とTGF-βとは、立体的細胞組織の厚さの減少を抑制するための改善剤であるということもできる。
以下に実施例を示して本発明をより詳細かつ具体的に説明するが、実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[実験例1]
(立体的細胞組織の製造1)
《間質細胞の作製》
10%ウシ胎児血清(FBS)及び1%抗生物質溶液(ペニシリン、ストレプトマイシン)を含むDMEM培地(型番「043-30085」、富士フィルム和光純薬)を調製した(以下、「汎用培地」という場合がある。)。
1.0×10細胞のヒト新生児由来皮膚線維芽細胞NHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)及び1.5×10細胞のヒト臍帯静脈内皮細胞HUVEC(型番「C2517A」、ロンザ社)を、0.1mg/mLヘパリン(型番「H3149-100KU」、シグマ社)、0.1mg/mLコラーゲン(型番「ASC-1-100-100」、シグマ社)を含む、50mMトリス-塩酸緩衝溶液(pH7.4)に懸濁した。
続いて、細胞懸濁液を、室温、1,000×g(重力加速度)で2分間遠心分離し、上清を取り除き、汎用培地300μLに再懸濁した。続いて、得られた細胞懸濁液を、外側に汎用培地1mLを添加し、予め、0.1mg/mLフィブロネクチンでコートした24ウェルセルカルチャーインサート(型番「3470」、コーニング社)内に播種した。
続いて、セルカルチャーインサートを、室温、400×gで2分間遠心分離後、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で2時間静置した。続いて、セルカルチャーインサートの外側に、1mLの汎用培地を添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で24時間培養した(この培養を開始した時点を培養開始時とする)。
《がん細胞の播種》
上記セルカルチャーインサートの外側の培地を除去し、汎用培地1mLを添加した。続いて、カルチャーインサート内側の培地を除去し、1×10個のヒト結腸腺癌細胞HCT15/β2mを、汎用培地100μLに懸濁して得られた懸濁液100μLを、上記セルカルチャーインサート内に播種し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で2時間静置した。
《間質細胞の積層》
1.0×10個のNHDF細胞及び1.5×10個のHUVEC細胞を、0.1mg/mLヘパリン(型番「H3149-100KU」、シグマ社)、0.1mg/mLコラーゲン(型番「ASC-1-100-100」、シグマ社)を含む、50mMトリス-塩酸緩衝溶液(pH7.4)に懸濁した。
続いて、得られた細胞懸濁液を、室温、1,000×gで2分間遠心分離し、上清を取り除いた後、汎用培地200μLに再懸濁した。続いて、細胞を懸濁した汎用培地200μLを、がん細胞が播種されたセルカルチャーインサート内に積層した。
続いて、上記で得られたセルカルチャーインサートを、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で2時間静置した。
《アスコルビン酸とTGF-βの添加》
上記セルカルチャーインサートの内側及び外側の培地を除去し、アスコルビン酸リン酸マグネシウム(型番「013-12061」、富士フィルム和光純薬社)とTGF-β(型番「209-16544」、富士フィルム和光純薬社)を用い、アスコルビン酸の濃度が、0mM、0.05mM、0.1mM、TGF-βの濃度が、0ng/mL、0.1ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mLとなる汎用培地2mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。その後、カルチャーインサートの内側と外側の培地を除去し、アスコルビン酸の濃度が、0mM、0.05mM、0.1mM、TGF-βの濃度が、0ng/mL、0.1ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mLとなる汎用培地2.3mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。
《立体的細胞組織の固定》
培養開始時から4日後と7日後に、得られた立体的細胞組織を、PBSで2回洗浄し、10%ホルマリン緩衝液(型番「062-01661」、富士フィルム和光純薬社)300mLを、セルカルチャーインサート内に添加し、15分間以上静置した後に、PBSで3回洗浄し、立体的細胞組織の固定を行った。
《立体的細胞組織の観察》
上記で得られた立体的細胞組織を、顕微鏡システム(OperettaCLS、PerkinElmer社)を用いて、セルカルチャーインサートの内側全体が入るように、明視野モードで観察した。
図1は、培養7日後の立体的細胞組織の顕微鏡観察の結果を示す写真である。図1に示したように、アスコルビン酸を添加した培地で培養した場合は、立体的細胞組織が形成された。それに対し、アスコルビン酸を含まず、TGF-βのみを含む培地で培養した場合は、細胞組織が収縮して、セルカルチャーインサートから剥離し、立体的細胞組織が形成されなかった。
《立体的細胞組織の厚さの測定》
続いて、立体的細胞組織をセルカルチャーインサートから取り出し、パラフィンで包埋後、立体的細胞組織の上面(セルカルチャーインサートの上面)から見たときの重心を通る線に沿って6mmの薄切切片を作製した。続いて、薄切切片をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行い、HE染色した薄切切片を光学顕微鏡(MX51、オリンパス社)で撮影し、ImageJを用いて、立体的細胞組織の厚さの最大値を測定した。
図2に、HE染色した立体的細胞組織の顕微鏡観察の結果を、図3に立体的細胞組織の厚さの測定結果を示す。図2及び図3に示したように、アスコルビン酸とTGF-βとを添加することによって、立体的細胞組織の厚さが維持され、培養4日後(アスコルビン酸とTGF-β添加後3日目)でも、立体的細胞組織の厚さが50μmを超えていることが明らかとなった。
《コラーゲンの形成》
続いて、立体的細胞組織をセルカルチャーインサートから取り出し、パラフィンで包埋後、立体的細胞組織の上面(セルカルチャーインサートの上面)から見たときの重心を通る線に沿って6mmの薄切切片を作製した。得られた薄切切片を0.1%シリウスレッド-飽和ピクリン酸(Pico-Sirius Red;PSR)染色を行い、光学顕微鏡(MX51、オリンパス社)を用いて観察し、PSR染色面積が組織面積に占める割合(PSR割合)を算出した。図4に、顕微鏡観察の結果を、図5にPSR割合の算出結果を示す。
図4及び図5に示したように、アスコルビン酸、又は、アスコルビン酸とTGF-βとを添加することにより、ファイバー様コラーゲンが形成された。
[実験例2]
(立体的細胞組織の製造2)
NHDFとして、2.0×10細胞のヒト新生児由来皮膚線維芽細胞NHDFを、汎用培地又は0.1mMアスコルビン酸を含む汎用培地90mLを入れたスクエアディッシュ(型番「166508」、Nunc社)に播種し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で24時間培養したNHDFを用いる以外は、実験例1と同様にして間質細胞の作製、がん細胞の播種及び間質細胞の積層を行った。
続いて、セルカルチャーインサートの内側と外側の培地を除去し、汎用培地又は0.1mMアスコルビン酸を含む汎用培地2.3mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。その後、カルチャーインサートの内側と外側の培地を除去し、汎用培地又は0.1mMアスコルビン酸を含む汎用培地2.3mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。
《立体的細胞組織の固定》
培養開始時から7日後に、立体的細胞組織を、PBSで2回洗浄し、10%ホルマリン緩衝液(型番「062-01661」、富士フィルム和光純薬社製)300μLを、セルカルチャーインサート内に添加し、15分間以上静置した後に、PBSで3回洗浄し、立体的細胞組織の固定を行った。
《コラーゲンの形成》
続いて、立体的細胞組織をセルカルチャーインサートから取り出し、パラフィンで包埋後、立体的細胞組織の上面(セルカルチャーインサートの上面)から見たときの重心を通る線に沿って6mmの薄切切片を作製した。得られた薄切切片を0.1%シリウスレッド-飽和ピクリン酸(Pico-Sirius Red;PSR)染色を行い、光学顕微鏡(MX51、オリンパス社)を用いて観察した。図6に、顕微鏡観察の結果を示す。
図6に示したように、アスコルビン酸を立体的細胞組織形成後に添加した場合は、コラーゲンの形成が認められたが、NHDFに予めアスコルビン酸を添加しても、立体的細胞組織におけるコラーゲン形成に変化はなかった。このことから、立体的細胞組織を形成させた後に、アスコルビン酸を含む培地で立体的細胞組織を培養することが、立体的細胞組織のコラーゲン形成と厚さの維持には重要であることが明らかとなった。
[実験例3]
(立体的細胞組織の機能評価)
アスコルビン酸とTGF-βを含む汎用培地として、0.1mMアスコルビン酸と1ng/mLのTGF-βとを含む汎用培地を使用し、がん細胞として、GFP発現HCT15/β2m細胞を用いる以外は実験例1と同様にして立体的細胞組織を作製した。
1%HEPES、55mM 2-メルカプトエタノール、1%抗生物質溶液(ペニシリン、ストレプトマイシン)を含むAIM-V培地(型番「A3830801」、Gibco社)を調製した(以下、「CTL用培地」という場合がある。)。
培養開始時から8日後に、セルカルチャーインサートの外側の培地を除去し、CTL用培地1mLを添加した。次に、セルカルチャーインサートの内側の培地を除去し、4.0×10細胞の細胞傷害性T細胞(Cytotoxic T lymphocyte;以下、「CTL細胞」という場合がある)をCTL用培地300μLに懸濁して得られたCTL細胞懸濁液を添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。同時に、CTL細胞懸濁液を添加しないで同様に培養し、コントロールとして用いた。
《立体的細胞組織の機能評価》
顕微鏡システム(OperettaCLS、PerkinElmer社)を用いて、セルカルチャーインサートの内側全体が入るようにし、立体的細胞組織中のがん細胞に発現しているGFPを撮影した。得られた画像を画像解析により、セルカルチャーインサート内を占めるがん細胞の割合(Confluency)を算出し、CTL細胞非添加(コントロール)の場合のConfluencyを100%としたときの、CTL細胞添加時のConfluencyを相対的細胞生存率(Relative viability)として算出した。その結果を図7に示す。
図7に示したように、アスコルビン酸とTGF-βを含む培地で培養した立体的細胞組織では、CTL細胞によるがん細胞の傷害が抑制されていた。このことから、アスコルビン酸とTGF-βを含む培地で培養した立体的細胞組織では、がん細胞が間質バリアを形成して、CTL細胞の攻撃を防御しており、がん細胞が機能的特徴を有していることが明らかとなった。
[実験例4]
(立体的細胞組織の製造3)
《間質細胞の作製》
2.0×10細胞のヒト新生児由来皮膚線維芽細胞NHDF(型番「CC-2509」、ロンザ社)及び3×10細胞のヒト臍帯静脈内皮細胞HUVEC(型番「C2517A」、ロンザ社)を、0.1mg/mLヘパリン(型番「H3149-100KU」、シグマ社)、0.1mg/mLコラーゲン(型番「ASC-1-100-100」、シグマ社)を含む、50mMトリス-塩酸緩衝溶液(pH7.4)に懸濁した。
続いて、細胞懸濁液を、室温、1,000×g(重力加速度)で2分間遠心分離し、上清を取り除き、汎用培地300μLに再懸濁した。続いて、得られた細胞懸濁液を、外側に汎用培地1mLを添加し、予め、0.1mg/mLフィブロネクチンでコートした24ウェルセルカルチャーインサート(型番「3470」、コーニング社)内に播種した。
続いて、セルカルチャーインサートを、室温、400×gで2分間遠心分離後、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で2時間静置した。続いて、セルカルチャーインサートの外側に、1mLの汎用培地を添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で24時間培養した(この培養を開始した時点を培養開始時とする)。
《アスコルビン酸とTGF-βの添加》
上記セルカルチャーインサートの内側及び外側の培地を除去し、アスコルビン酸リン酸マグネシウム(型番「013-12061」、富士フィルム和光純薬社)とTGF-β(型番「209-16544」、富士フィルム和光純薬社)を用い、アスコルビン酸の濃度が0.1mM、TGF-βの濃度が5ng/mLとなる汎用培地2.3mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。その後、カルチャーインサートの内側と外側の培地を除去し、アスコルビン酸の濃度が0.1mM、TGF-βの濃度が5ng/mLとなる汎用培地2.3mLを添加し、COインキュベーター(37℃、5%CO)内で3日間培養した。
《立体的細胞組織の厚さの測定》
培養開始から4日後と7日後に、得られた立体的細胞組織をセルカルチャーインサートから取り出し、パラフィンで包埋後、立体的細胞組織の上面(セルカルチャーインサートの上面)から見たときの重心を通る線に沿って6mmの薄切切片を作製した。続いて、薄切切片をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色を行い、HE染色した薄切切片を光学顕微鏡(MX51、オリンパス社)で撮影し、ImageJを用いて、立体的細胞組織の厚さの最大値を測定した。
図8に、HE染色した立体的細胞組織の顕微鏡観察の結果を、図9に立体的細胞組織の厚さの測定結果を示す。図8及び図9に示したように、アスコルビン酸とTGF-βとを添加することによって、立体的細胞組織の厚さが維持され、培養4日後(アスコルビン酸とTGF-β添加後3日目)でも、立体的細胞組織の厚さが50μmを超えていることが明らかとなった。
本発明によれば、経時的に培養しても、立体的細胞組織の経時的な厚さの減少を抑制して、立体的細胞組織の厚さを維持し、かつ、立体的細胞組織中のコラーゲンの減少を抑制することができる、立体的細胞組織の製造技術を提供することができる。

Claims (5)

  1. 間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して混合物を得る工程と、
    前記混合物から液体部分を除去して細胞集合体を得る工程と、
    前記細胞集合体を培地中で培養して立体的細胞組織を得る工程と、
    前記立体的細胞組織を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養する工程と、を含み、
    前記立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記立体的細胞組織の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法。
  2. 間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第1の混合物を得る工程と、
    前記混合物から液体部分を除去して第1の細胞集合体を得る工程と、
    前記第1の細胞集合体を培地中で培養して第1の立体的細胞組織を得る工程と、
    前記第1の立体的細胞組織上に、制御対象細胞を配置する工程と、
    間質細胞と、カチオン性物質、細胞外マトリックス成分及び高分子電解質とを混合して第2の混合物を得る工程と、
    前記第2の混合物から液体部分を除去して第2の細胞集合体を得る工程と、
    前記第2の細胞集合体を、前記制御対象細胞に接するように配置する工程と、
    前記第2の細胞集合体を、アスコルビン酸と形質転換増殖因子-β(transforming growth factor-β;TGF-β)とを含む培地で培養して第2の立体的細胞組織を得る工程と、を含み、
    前記第2の立体的細胞組織を、前記アスコルビン酸とTGF-βとを含む培地で培養後少なくとも3日間、前記第1の立体的細胞組織と前記制御対象細胞と前記第2の立体的細胞組織との合計の厚さが50μm超である、立体的細胞組織の製造方法。
  3. 前記制御対象細胞が、がん細胞である、請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記細胞外マトリックス成分が、コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、エラスチン、テネイシン、エンタクチン、フィブリン、プロテオグリカン及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記高分子電解質が、グリコサミノグリカン、デキストラン硫酸、ラムナン硫酸、フコイダン、カラギナン、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリアクリル酸及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
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