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JP2023142943A - ペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法 - Google Patents

ペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法 Download PDF

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JP2023142943A JP2022050086A JP2022050086A JP2023142943A JP 2023142943 A JP2023142943 A JP 2023142943A JP 2022050086 A JP2022050086 A JP 2022050086A JP 2022050086 A JP2022050086 A JP 2022050086A JP 2023142943 A JP2023142943 A JP 2023142943A
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佳紀 坂井田
Yoshinori Sakaida
一郎 秀
Ichiro Hide
啓介 川村
Keisuke Kawamura
康大 野村
Yasuhiro Nomura
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Abstract

Figure 2023142943000001
【課題】フレームを容易に接合することのできるペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法を提供する。
【解決手段】ペリクル用材料2は、主面11aおよび11bを含むペリクル膜11と、孔121を含み、ケイ素を含む材料よりなるボーダー12と、孔121に接続する孔131を含むサブボーダー13と、ボーダー12とサブボーダー13とを接合する接合層14とを備える。サブボーダー13は、フォトマスクPMに対してフレーム15を介して接合するための部材である。孔121の底部にはペリクル膜11の主面11bが露出する。ペリクル膜11の主面11aに対して垂直な平面で切った断面で見た場合に、孔121の幅d1は、ボーダー12の主面12aから主面12bに向かうに従って増加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法に関する。より特定的には、本発明は、フレームを容易に接合することのできるペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法に関する。
半導体デバイスの製造プロセスに用いられるフォトリソグラフィー技術においては、半導体ウエハにレジストを塗布し、塗布したレジストの必要な箇所に対してフォトマスクを用いて露光光を照射することにより、半導体ウエハ上に必要な形状のレジストパターンが作製される。レジストに対して露光光を照射する際には、ペリクルと呼ばれる防塵用のカバーでフォトマスクを覆うことにより、フォトマスクへの異物の付着が防止される。
ペリクルは、ペリクル膜と、ペリクル膜を支持するボーダーと、ボーダーに接合されたフレームとを含んでいる。ボーダーは、ペリクル膜に達する孔を含んでいる。フレームとボーダーとは、平面的に見て略同一の形状を有している。ペリクル膜としては、露光光の透過性が高く、露光光に対する耐性が高い(高温時の変質や変形が少ない)材料が適している。なお、本明細書においては、ペリクルにおけるフレームを除く部分を、ペリクル用材料と記すことがある。
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体デバイスの微細化に伴い、フォトリソグラフィー技術の微細化に対する要求が高まっている。近年では、露光光としてKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザーを光源とする光(248nm)やArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザーを光源とする光(193nm)などを用いることが主流となっている。また、これらの光よりも短波長であるEUV(Extreme Ultra Violet)光(13.5nm)などを用いることも検討されている。
KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーを光源とする場合、ペリクル膜として有機系薄膜が用いられている。しかし、EUV光のように露光光の波長が短くなると、ペリクル膜が露光光から受けるエネルギーは大きくなる。このため、EUV光を用いたフォトリソグラフィーでは、EUV光に対して高い透過率および高い耐性を有する無機系薄膜を用いることが検討されている。この種の無機系薄膜には、Si(ケイ素)、SiN(窒化ケイ素)、C(炭素)(グラファイト、グラフェン、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ(CNT)など)、およびSiC(炭化ケイ素)などが含まれる。
ペリクル膜の製造方法に関する技術は、たとえば下記特許文献1および2などに開示されている。
下記特許文献1には、Si基板の表面にSiC膜を形成する工程と、Si基板の裏面の少なくとも一部をウエットエッチングにより除去する工程とを備えた化合物半導体基板の製造方法が開示されている。Si基板の裏面の少なくとも一部を除去する工程において、ウエットエッチングに用いる薬液に対してSi基板およびSiC膜が相対的に動かされる。
下記特許文献2には、ペリクル膜と、ペリクル膜を支持する支持材とを備えたペリクルが開示されている。ペリクル膜は、DLC、アモルファスカーボン、グラファイト、カーボンナノチューブ(CNT)、または炭化ケイ素などよりなっている。ペリクル枠は、ケイ素または金属などよりなっている。このペリクルは、基板をエッチングすることで支持材に成形し、基板上にペリクル膜を形成することで製造される。
下記特許文献3には、次のペリクルの製造方法が開示されている。一方主面にシリコン結晶膜が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板にペリクル膜保持部を設ける。SOI基板の他方主面側から支持基板を除去してシリコン結晶膜をペリクル膜とする。
特開2017-218358号公報 国際公開第2014/187710号 特開2009-116284号公報
ペリクル膜が薄くなる程、ペリクル膜の透過率が向上する一方、ペリクル膜の機械的強度が低下し、ペリクル膜が破損しやすくなる。ペリクル膜が薄い場合には、ペリクル用材料は次の方法で製造される。Siを含むボーダーの表面にペリクル膜を形成する。次に、ボーダーをウエットエッチングすることにより、ペリクル膜に達する孔をボーダーに形成する。ボーダーに孔を形成する方法として、ウエットエッチングを採用することで、ペリクル膜の破損を抑止することができる。
なお、ドライエッチングのエッチング速度は、ウエットエッチングのエッチング速度と比較して非常に遅い。したがって、ボーダーに孔を形成する方法としてドライエッチングを採用することは、製造コストの観点で不利である。また、ペリクル膜が薄い場合には、機械的研削によりボーダーに孔を形成しようとすると、ペリクル膜に加わる力によりペリクル膜は破損する。したがって、ボーダーに孔を形成する方法として、機械的研削を採用することは困難である。さらに、ペリクル膜が薄い場合には、孔を含むボーダーとペリクル膜とを接合しようとすると、ペリクル膜に加わる力によりペリクル膜は破損する。したがって、ボーダーに孔を形成し、次に孔を含むボーダーとペリクル膜とを接合する製造方法を採用することは困難である。
ペリクル用材料を用いてペリクルを製造する際には、ペリクル用材料のボーターに対してフレームを接合する工程が行われる。ペリクル用材料のボーダーに対するフレームの位置は工業的に管理されている。具体的には、ボーダーにおける孔の内周面の重心と、フレームにおける孔の内周面の重心とが互いに重なるように、ボーダーに対するフレームの位置が調整される。加えて、平面的に見た場合に、ボーダーにおける孔の内周面とフレームにおける孔の内周面とが互いに重なるように、ボーダーに対するフレームの位置が調整される。その後、ボーダーに対してフレームが接合される。
ボーダーに孔を形成する際に採用されるウエットエッチングは、等方性エッチングである。ボーダーにおける孔の内周面は、ウエットエッチングの際に浸食されるため、複雑な形状を有している。ボーダーにおける孔の内周面の複雑な形状に起因して、ボーダーに対してフレームを接合する際に、ボーダーに対するフレームの位置を調整することは困難であった。その結果、従来のペリクル用材料には、フレームを接合することが容易ではないという問題があった。
なお、ウエットエッチングの際の浸食を防ぐために、ボーダーにおける孔の内周面に保護膜(浸食を防ぐための不動態膜)を形成する方法も考えられる。しかし、この方法では、不働態膜を所定の位置に幾何学的に形成することは困難であった。加えて、この方法は製造工程の増加に伴うコストの増加を招くものであった。したがって、この方法は現実的ではなかった。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、フレームを容易に接合することのできるペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法を提供することである。
本発明の一の局面に従うペリクル用材料は、フォトマスクに対してフレームを介して接合されるペリクル用材料であって、一方の主面および他方の主面を含むペリクル膜と、第1の孔を含み、ケイ素を含む材料よりなる第1の支持体であって、ペリクル膜の他方の主面側からペリクル膜を支持する第1の支持体と、第1の孔に接続する第2の孔を含む第2の支持体と、第1の支持体と第2の支持体とを接合する接合層とを備え、第2の支持体は、フォトマスクに対してフレームを介して接合するための部材であり、第1の孔の底部にはペリクル膜の他方の主面が露出し、ペリクル膜の一方の主面に対して垂直な平面で切った断面で見た場合に、第1の孔の幅は、第1の支持体におけるペリクル膜側の面から第1の支持体における第2の支持体側の面に向かうに従って増加する。
上記ペリクル用材料において好ましくは、接合層は、ケイ素を含むアモルファス層を含む。
上記ペリクル用材料において好ましくは、ペリクル膜は、ケイ素、炭素、ホウ素、および窒素よりなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む。
上記ペリクル用材料において好ましくは、第1の支持体、接合層、および第2の支持体の合計の厚さは0より大きく1mm以下である。
第1の支持体における第2の支持体側の面の算術平均粗さRaは、0より大きく2nm以下である。
第1の支持体における第2の支持体側の面に形成されたマスク層をさらに備え、マスク層は、ケイ素に対して酸化作用のある酸とフッ酸とを含む薬液と、ケイ素に対して酸化作用の無い成分のみで構成されたアルカリ水溶液とのうち少なくともいずれか一方に対して不溶性である。
接合層は、1nm以上15μm以下厚さの酸化ケイ素層を含む。
接合層は、0.5μm以上100μm以下の厚さガラスの焼結体を含む。
第1の支持体における第2の支持体側の面から見た場合に、第1の支持体における第1の孔の内周面の輪郭線は、直線状に延在する第1、第2、第3、および第4の直線部分の各々を含み、第1の直線部分と第2の直線部分とは互いに平行であり、第3の直線部分と第4の直線部分とは互いに平行であり、第2の支持体における第1の支持体側の面とは反対側の面から見た場合に、第2の支持体における第2の孔の内周面の輪郭線は、直線状に延在する第5、第6、第7、および第8の直線部分の各々を含み、第5の直線部分と第6の直線部分とは互いに平行であり、第7の直線部分と第8の直線部分とは互いに平行であり、第1の支持体における第1の孔の内周面の算術平均粗さRaは、第2の支持体における第2の孔の内周面の算術平均粗さRaよりも大きい。
第2の支持体側からペリクル用材料を見た場合、第1の支持体における第1の孔の内周面全体が第2の支持体によって覆われる。
第2の支持体における第1の支持体側の面の少なくとも一部は、第1の支持体における第1の孔の内周面と対向する。
ペリクル膜の一方の主面に対して垂直な平面で切った断面で見た場合に、第1の支持体におけるペリクル膜側の面から第1の支持体における第2の支持体側の面までの第1の孔の幅は、常に第2の孔の幅以上である。
第1の支持体における第1の孔の内周面と第2の支持体における第1の支持体側の面とで構成される凹みをさらに備える。
本発明の他の局面に従うペリクルは、上記ペリクル用材料と、第2の支持体に接合されたフレームとを備える。
本発明のさらに他の局面に従うペリクル用材料の製造方法は、フォトマスクに対してフレームを介して接合されるペリクル用材料の製造方法であって、一方の主面および他方の主面を含むペリクル膜を、ケイ素を含む材料よりなる第1の支持体に形成する工程を備え、第1の支持体は、ペリクル膜の他方の主面側からペリクル膜を支持し、第1の支持体におけるペリクル膜が形成された面とは反対側の面に、第1の孔を形成する工程をさらに備え、第1の孔の底部は第1の支持体を構成する材料よりなっており、第1の孔を形成する工程の後で、第1の孔の底部をウエットエッチングにより除去することで、第1の孔の底部にペリクル膜を露出させる工程と、第1の支持体と、第2の孔を含む第2の支持体とを互いに接合することにより、第1の孔に第2の孔を接続する工程とをさらに備え、第2の支持体は、フォトマスクに対してフレームを介して接合するための部材である。
上記製造方法において好ましくは、第1の孔に第2の孔を接続する工程は、第1の支持体における第2の支持体側の面にエネルギー粒子を照射することにより、第1の支持体における第2の支持体側の面に第1のアモルファス層を形成する工程と、第2の支持体における第1の支持体側の面にエネルギー粒子を照射することにより、第2の支持体における第1の支持体側の面に第2のアモルファス層を形成する工程と、第1のアモルファス層と第2のアモルファス層とを互いに接触させる工程とを含む。
第1の孔に第2の孔を接続する工程は、第1の支持体における第2の支持体側の面に第1の酸化ケイ素層を形成する工程と、第2の支持体における第1の支持体側の面に第2の酸化ケイ素層を形成する工程と、第1および第2の酸化ケイ素層の各々に対して親水化処理を施す工程と、親水化処理を施す工程の後で、第1の酸化ケイ素層と第2の酸化ケイ素層とを互いに接触させる工程とを含む。
第1の孔に第2の孔を接続する工程は、第1の支持体における第2の支持体側の面、および第2の支持体における第1の支持体側の面のうち少なくともいずれか一方に、ガラスフリットを塗布する工程と、ガラスフリットを塗布する工程の後で、ガラスフリットを加熱することでガラスフリットを溶融させる工程と、ガラスフリットを塗布する工程の後で、第1の支持体における第2の支持体側の面と第2の支持体における第1の支持体側の面とを、ガラスフリットを介して貼り合わせる工程とを含む。
第1の孔に第2の孔を接続する工程において、樹脂系接着剤を用いて第1の支持体と第2の支持体とを接合する。
第1の孔の底部にペリクル膜を露出させる工程において、第1の支持体およびペリクル膜を回転させた状態で、ウエットエッチングに用いる薬液を第1の孔の底部に注入する。
本発明のさらに他の局面に従うペリクルの製造方法は、上記製造方法を用いてペリクル用材料を製造する工程と、第2の支持体にフレームを接合する工程とを備える。
本発明によれば、フレームを容易に接合することのできるペリクル用材料、ペリクル、およびペリクル用材料の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態において、ペリクル膜11の主面11aに対して垂直な平面で切った場合のペリクル1の構成を示す断面図である。 ボーダー12およびサブボーダー13の各々の構成を示す平面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第1の工程を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第2の工程を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第3の工程を示す断面図であって、ガラスフリットを用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合する様子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第3の工程の第1の変形例を示す断面図であって、表面活性化接合法を用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合する様子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第3の工程の第2の変形例を示す断面図であって、親水化接合法を用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合する様子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第4の工程を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第5の工程を示す断面図である。 本発明の一実施の形態におけるペリクル1の製造方法の第5の工程を示す平面図であって、サブボーダー13に対するフレーム15の位置を調整する様子を示す平面図である。 本発明の一実施の形態の第1および第2の変形例におけるペリクル1の構成を示す部分断面図である。 本発明の一実施の形態の第3および第4の変形例におけるペリクル1の構成を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。本明細書において「面に形成されている」という表現は、その面と接触して形成されていることを意味している。「面側に形成されている」という表現は、その面と接触して形成されていることと、その面と接触せずに(その面と間隔をおいて)形成されていることとの両方を意味している。図面に示された各部材のサイズは概念上のサイズであり、各部材の実際の寸法とは異なる場合がある。
図1は、本発明の一実施の形態において、ペリクル膜11の主面11aに対して垂直な平面で切った場合のペリクル1の構成を示す断面図である。図1(a)は、ペリクル1全体の構成を示す断面図である。図1(b)は、ボーダー12付近(図1(a)中A部)の拡大断面図である。
図1を参照して、本実施の形態におけるペリクル1(ペリクルの一例)は、主にEUV光を用いたフォトリソグラフィーで用いられるペリクルである。ペリクル1は、フォトマスクPM(フォトマスクの一例)を覆うことにより、フォトマスクPMへの異物の付着を防止する。ペリクル1は、ペリクル用材料2(ペリクル用材料の一例)と、フレーム15(フレームの一例)と、接合層16などを備えている。ペリクル用材料2は、フォトマスクPMに対してフレーム15を介して接合される材料である。ペリクル用材料2は、ペリクル膜11(ペリクル膜の一例)と、ボーダー12(第1の支持体の一例)と、サブボーダー13(第2の支持体の一例)と、接合層14(接合層の一例)などを含んでいる。
ペリクル膜11は、互いに反対の方向を向いた2つの主面11a(ペリクル膜の一方の主面の一例)および11b(ペリクル膜の他方の主面の一例)を含んでいる。ペリクル膜11は、任意の材料よりなっている。ペリクル膜11は、Si、C、B(ホウ素)、およびN(窒素)よりなる群から選択される少なくとも1つの材料を含むことが好ましい。ペリクル膜11は、SiおよびCを含むことがより好ましい。ペリクル膜11は、たとえばカーボンナノチューブ、ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン、アモルファスカーボン、グラファイト、グラフェン、またはカーボンシリサイドなどの炭素系材料よりなる膜を含んでいてもよい。ペリクル膜11は、単結晶Si、多結晶Si、非晶質Si、メタルシリサイド、単結晶SiC、多結晶SiC、または非晶質SiCなどのケイ素系材料よりなる膜を含んでいてもよい。ペリクル膜11は、BNよりなる膜を含んでいてもよい。ペリクル膜11は、SiNよりなる膜を含んでいてもよい。ペリクル膜11は、複数の膜を含んでいてもよい。たとえば、ペリクル膜11は、たとえば単結晶SiCよりなる主膜と、この主膜の2つの主面のうち少なくとも一方に形成された、たとえば炭素系材料よりなる保護膜とを含んでいてもよい。
ボーダー12は、ペリクル膜11の主面11b側からペリクル膜11のたとえば外周端部を支持している。ボーダー12は、孔121(第1の孔の一例)を含んでおり、孔121を取り囲む閉曲線の平面形状を有している。ボーダー12は、互いに反対の方向を向いた2つの主面12aおよび12bと、孔121の内周面12cと、外周面12dとをさらに含んでいる。主面12aはペリクル膜11側の面であり、主面12bはサブボーダー13側の面である。ボーダー12の主面12a側にはペリクル膜11が形成されている。孔121の底部にはペリクル膜11の主面11bが露出している。ボーダー12の外周面12dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。
ボーダー12は、Siを含む材料よりなっており、Siよりなっていることが好ましい。ボーダー12は、SiO2(酸化ケイ素)膜またはSiN膜などを含んでいてもよい。ボーダー12がSiよりなる場合、ボーダー12の主面12aにはSiの(100)面、(111)面、または(110)面が露出していてもよい。
サブボーダー13は、フォトマスクPMに対してフレーム15を介して接合するための部材である。サブボーダー13は、ボーダー12に接合されている。サブボーダー13は、接合層14を介してボーダー12の主面12b側に設けられている。サブボーダー13は、孔131(第2の孔の一例)を含んでおり、孔131を取り囲む閉曲線の平面形状を有している。孔131はボーダー12の孔121に接続している。ボーダー12とサブボーダー13とは、平面的に見た場合に類似した形状を有している。サブボーダー13は、互いに反対の方向を向いた2つの主面13aおよび13bと、孔131の内周面13cと、外周面13dとを含んでいる。主面13aはボーダー12側の面であり、主面13bはフレーム15側の面である。サブボーダー13の外周面13dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。主面13b側からペリクル用材料2を見た場合に、サブボーダー13の外周面13dとボーダー12の外周面12dとは、互いに重なる位置に存在している。
サブボーダー13は、任意の材料よりなっている。サブボーダー13は、フォトマスクPMに対してフレーム15を介して接合するための部材であり、フォトマスクPMに対して直接接合される部材ではない。
接合層14は、ボーダー12とサブボーダー13とを接合する層である。接合層14は、ボーダー12とサブボーダー13との接合の痕跡である。接合層14は、ボーダー12の主面12bとサブボーダー13の主面13aとの間に形成されている。接合層14の成分は、ボーダー12とサブボーダー13との接合方法によって異なる。
EUV露光装置の構造上の制約などから、ボーダー12、サブボーダー13、および接合層14の合計の厚さwは、0より大きく1mm以下とされる。
フレーム15は、サブボーダー13に対して接合されている。フレーム15は、接合層16を介してサブボーダー13の主面13b側に設けられている。フレーム15は、孔151を含んでおり、孔151を取り囲む閉曲線の平面形状を有している。孔151はサブボーダー13の孔131に接続している。サブボーダー13とフレーム15とは、平面的に見た場合に略同一の形状を有している。フレーム15は、互いに反対の方向を向いた2つの主面15aおよび15bと、孔151の内周面15cとを含んでいる。主面15aはサブボーダー13側の面であり、主面15bはフォトマスクPM側の面である。
フレーム15は、任意の材料よりなっており、たとえばアルミニウムよりなっている。フレーム15は、フォトマスクPMに対して直接接合される部材である。フレーム15は、少なくとも1mmを超える厚さを有している。
サブボーダー13とフレーム15とは、フォトマスクPMに対して直接接合される部材であるか否か、または1mmを超える厚さを有しているか否かなどの点で区別される。
ボーダー12の孔121、サブボーダー13の孔131、およびフレーム15の孔151は、ペリクル膜11に達するペリクル1の一つの孔を構成している。孔121、131、および151によって構成されるペリクル1の孔は、図1のように一つのみであってもよいし、複数の孔であってもよい。複数の孔が形成される場合、複数の孔はメッシュ状に配置されていてもよい。
接合層16は、サブボーダー13とフレーム15とを接合する層である。接合層16は、サブボーダー13とフレーム15との接合の痕跡である。接合層16は、サブボーダー13の主面13bとフレーム15の主面15aとの間に形成されている。接合層16の成分は、サブボーダー13とフレーム15との接合方法によって異なる。
主面13b側からペリクル用材料2を見た場合に、ボーダー12の内周面12c全体がサブボーダー13によって覆われており、ボーダー12の内周面12cが見えないことが好ましい。サブボーダー13の主面13a(ボーダー12側の面)の少なくとも一部は、ボーダー12における孔121の内周面12cと対向していることが好ましい。図1の断面で見た場合に、ボーダー12における主面12a(ペリクル膜11側の面)から主面12b(サブボーダー13側の面)までの孔121の幅d1は、常に孔131の幅d2以上であることが好ましい。さらに、ボーダー12おける孔121の内周面12cとサブボーダー13の主面13aとで構成される凹み17(凹みの一例)が形成されていることが好ましい。凹み17は、孔131の内周面13cからペリクル用材料2の外周端部(図1(b)中左方向)に向かって延在している。
図2は、ボーダー12およびサブボーダー13の各々の構成を示す平面図である。図2(a)は、主面12b側から見た場合のボーダー12の構成を示す平面図である。図2(b)は、主面13b側から見た場合のサブボーダー13の構成を示す平面図である。
図1および図2を参照して、ペリクル膜11、ボーダー12および孔121、ならびにサブボーダー13および孔131の各々は、任意の平面形状を有しており、円形状、楕円形状、または多角形状などを有している。本実施の形態では、ペリクル膜11、ボーダー12および孔121、ならびにサブボーダー13および孔131の各々は、略四角形の形状を有している。
特に図2(a)のように、ボーダー12の主面12b(サブボーダー13側の面)から見た場合に、ボーダー12における孔121の内周面12cの輪郭線は、直線状に延在する部分である直線部分126、127、128、および129(第1、第2、第3、および第4の直線部分の一例)の各々を含んでいる。直線部分126と直線部分127とは互いに平行である。直線部分128と直線部分129とは互いに平行である。直線部分126と直線部分128との交点、直線部分126と直線部分129との交点、直線部分127と直線部分128との交点、および直線部分127と直線部分129との交点の各々は、孔121の四角形の4つの角部の各々を構成している。
特に図2(b)のように、サブボーダー13の主面13b(ボーダー12側の面とは反対側の面)から見た場合に、サブボーダー13における孔131の内周面13cの輪郭線は、直線状に延在する部分である直線部分136、137、138、および139(第5、第6、第7、および第8の直線部分の一例)の各々を含んでいる。直線部分136と直線部分137とは互いに平行である。直線部分138と直線部分139とは互いに平行である。直線部分136、137、138、および139の各々における孔131の内周面13cは、直線状に延在している。直線部分136と直線部分138との交点、直線部分136と直線部分139との交点、直線部分137と直線部分138との交点、および直線部分137と直線部分139との交点の各々は、0.5mm未満の曲率半径Rを有する角部を構成している。
孔121が等方性エッチングであるウエットエッチングにより形成されることに起因して、孔121の内周面12cは、ウエットエッチングの際に浸食されている。具体的には、図1の断面で見た場合に、孔121の幅d1は、ボーダー12の主面12a(ペリクル膜11側の面)から主面12b(サブボーダー13側の面)に向かうに従って増加している。図1の断面で見た場合の孔121の内周面12cの形状は、「なぎさ形状」とも呼ばれる。ボーダー12における孔121の内周面12cは、サブボーダー13における孔131の内周面13cと比較して複雑な形状を有している。
一方、孔131の幅d2は、サブボーダー13の主面13aから主面13bまでの全体にわたって一定である。ボーダー12における孔121の内周面12cの算術平均粗さRaは、サブボーダー13における孔131の内周面13cの算術平均粗さRaよりも大きい。
算術平均粗さRaは、JIS(Japanese Industrial Standards) B 0601に規定されている。算術平均粗さRaは、測定の対象となる面の4点について、3D測定レーザー顕微鏡「LEXT OLS4000」(オリンパス株式会社製)を用いて、評価長さ:4mm、カットオフ:λc800μm、λs2.5μm、λfなし、フィルタ:ガウシアンフィルタ、解析パラメータ:粗さパラメータ、対物レンズ:×50という条件で測定される。
続いて、本実施の形態におけるペリクル1の製造方法について、図3~図10を用いて説明する。
図3を参照して、孔が形成されていない板状のボーダー12を準備する。
次に、主面11aおよび11bを含むペリクル膜11を、ボーダー12の主面12aに形成する。ボーダー12は、ペリクル膜11の主面11b側からペリクル膜11を支持する。
具体的には、ボーダー12の主面12aと接触するペリクル膜11をエピタキシャル成長させる。ペリクル膜11がSiCよりなる場合、ペリクル膜11は、たとえば、ボーダー12の主面12aを炭化することで得られたSiCよりなる下地層上に、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて成膜される。また、ペリクル膜11は、ボーダー12の主面12aにMBE法またはCVD法などを用いて成膜されてもよい。
特に、ペリクル膜11が、ボーダー12の主面12aにエピタキシャル成長されたSiCよりなる場合、ペリクル膜11は、3C型の結晶構造を有する多結晶SiCまたは単結晶SiC(3C-SiC)よりなっている。ペリクル膜11がSiCよりなる場合、ペリクル膜11は、10nm以上100nm以下の厚さを有しており、好ましくは15nm以上30nm以下の厚さを有している。
ペリクル膜11の形成後に、ペリクル膜11の主面11aに、たとえばSiよりなる保護膜92を形成する。
次に、ボーダー12の主面12bの外周端部に、SiCなどよりなるマスク層91を形成する。マスク層91をマスクとして、ボーダー12の主面12bの中央部RG1を除去する。中央部RG1の除去は任意の方法で行われ、たとえばサンドブラスト加工などの機械研磨により行われる。
中央部RG1が除去された結果、ボーダー12の主面12bには、ボーダー12を構成する材料を底面とする孔122(第1の孔の一例)が形成される。孔122はボーダー12を貫通しない程度の深さを有している。孔122の存在により、ボーダー12の中央部の厚さは、ボーダー12の外周端部の厚さよりも薄くなる。
なお、孔122を形成した後でペリクル膜11および保護膜92が形成されてもよい。
図4を参照して、ペリクル膜11の形成後に、ボーダー12の一部である孔122の底面RG2をウエットエッチングにより除去する。底面RG2が除去された結果、孔122は孔121となる。孔121の底面にはペリクル膜11の主面11bが露出する。底面RG2の除去方法としてウエットエッチングを採用することで、底面RG2の除去の際にペリクル膜11へ与えるダメージを抑止することができる。なお、任意の方法での孔122の形成を行わずに、ウエットエッチングのみを用いて板状のボーダー12に孔121が形成されてもよい。
孔121の形成後、必要に応じてマスク層91を除去する。マスク層91は中央部RG1の形成後の任意のタイミングで除去されればよい。マスク層91の除去工程は必ずしも必要ではない。一例として、マスク層91としてSiCを使用し、マスク層91の厚みを十分に薄くしてもよい。この場合には、ウエットエッチングを用いてボーダー12に孔121を形成した後で、ボーダー12の主面12bと接触しているマスク層91の部分のみが残存する。ボーダー12の主面12bよりも内径側に張り出した部分は、ウエットエッチングの際に自動的に除去される。ゆえに、マスク層91の除去は不要となる。
底面RG2のウエットエッチングの際に用いる薬液としては、たとえばフッ酸および硝酸などの酸化作用のある酸を含む混酸や、水酸化カリウム(KOH)水溶液などが用いられる。ペリクル膜11がエッチングされることを抑止し、ペリクル膜11の品質を良好にするためには、ボーダー12のウエットエッチングの薬液としてフッ酸および硝酸からなる混酸を用いることが好ましい。
底面RG2のウエットエッチングの際には、ボーダー12の孔122の底面RG2とともにボーダー12における孔121の内周面12cの部分RG3も除去される。部分RG3の除去により、孔121はテーパー形状となる。すなわち、孔121の幅d1(図1)は、ボーダー12の主面12aから主面12bに向かうに従って増加する。
底面RG2のウエットエッチングの際は、ウエットエッチングに用いる薬液に対してペリクル膜11およびボーダー12を相対的に動かすことにより行われることが好ましい。特に、ペリクル膜11およびボーダー12を動かしている間に薬液から受ける圧力によりペリクル膜11が破損する事態を回避するためには、ペリクル膜11の主面11aに対して平行な平面内の方向にペリクル膜11およびボーダー12を動かすことが好ましい。このようなウエットエッチングとして、スピンエッチングが最も好ましい。
スピンエッチングにより底面RG2を除去する際には、ボーダー12の主面12b側(マスク層91側)が上を向くように固定される。そして、主面12bと直交する方向に延在する回転軸を中心としてペリクル膜11およびボーダー12が回転される。このようにして、ペリクル膜11およびボーダー12の位置を変えずにペリクル膜11およびボーダー12を回転させた状態で、ウエットエッチングに用いる薬液(エッチング液)を孔122の底面RG2に注入する。ペリクル膜11およびボーダー12の回転数は、たとえば500~1500rpm程度に設定される。
特に、ペリクル膜11が薄い場合には、ボーダー12の反応面の荒れはペリクル膜11に対して悪影響を及ぼす。すなわち、ボーダー12の反応面の荒れによってペリクル膜11に不均一な応力が加わり、ウエットエッチング中にペリクル膜11にクラックが入ったりペリクル膜11がボーダー12から剥がれたりする事態を招きやすい。
底面RG2のウエットエッチングの際に、ウエットエッチングに用いる薬液に対してペリクル膜11およびボーダー12を相対的に動かすことにより、ボーダー12の反応面に局所的に反応後の薬液や泡が滞留することを抑止し、ボーダー12の反応面の荒れを抑止することができる。その結果、ペリクル膜11に不均一な応力が加わることを抑止することができ、ペリクル膜11を破損させずにペリクル膜11の薄膜化を図ることができる。
特に、底面RG2のウエットエッチングとしてスピンエッチングを採用する場合、ウエットエッチング中にペリクル膜11の主面11aは薬液に曝されることはない。このため、薬液によるペリクル膜11のダメージを最小限に留めることができる。その結果、ペリクル膜11の破損を抑止することができ、ペリクル膜11を薄くすることができる。
一方で、底面RG2のウエットエッチングとしてスピンエッチングを採用する場合、孔122の底面RG2に注入された薬液は、回転の遠心力により、ボーダー12における孔122の内周面12cに衝突する。ボーダー12における孔122の内周面12cは、特に浸食されやすくなる。ボーダー12における孔122の内周面12cにおいて除去される部分RG3の体積は増加する。ボーダー12の主面12aから主面12bまでの孔121の幅d1の増加量は大きくなる。
なお、マスク層91は、Siに対して酸化作用のある酸とフッ酸とを含む薬液と、Siに対して酸化作用の無い成分のみで構成されたアルカリ水溶液とのうち少なくともいずれか一方に対して不溶性である材料よりなっていればよい。これにより、底面RG2のスピンエッチングの際に接合面である主面12bが保護され、主面12bの平坦性を維持することができる。マスク層91は、たとえばSiC、SiN、SiO2、またはフォトレジストなどよりなっていてもよい。
図5を参照して、主面13bに支持基板93が設けられたサブボーダー13を準備する。次に、ボーダー12とサブボーダー13とを互いに接合することにより、ボーダー12の孔121にサブボーダー13の孔131を接続する。ボーダー12とサブボーダー13との接合方法は任意である。接合の方法としては、たとえば、ガラスフリットを用いた接合、フュージョン接合、表面活性化接合、プラズマ接合、または接着剤を用いた接合などが挙げられる。接着剤を用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合する場合、接着剤として、アクリル樹脂やエポキシ樹脂などの樹脂系接着剤を用いることが好ましい。良好な接合を実現するために、サブボーダー13の主面13a(ボーダー12側の面)の算術平均粗さRaは、0より大きく2nm以下であることが好ましい。ボーダー12の主面12b(サブボーダー13側の面)の算術平均粗さRaは、0より大きく2nm以下であることが好ましい。なお、サブボーダー13に支持基板93は設けられなくてもよい。
ここでは、ボーダー12とサブボーダー13とは、ガラスフリットを用いて次の方法で接合される。ボーダー12の主面12b(サブボーダー13側の面)およびサブボーダー13の主面13a(ボーダー12側の面)のうち少なくともいずれか一方に、たとえばスクリーン印刷法を用いてガラスフリット141(ガラスフリットの一例)を塗布する。次に、ボーダー12の主面12bとサブボーダー13の主面13aとを、矢印AR2で示すように、塗布したガラスフリット141を介して貼り合わせる。貼り合わせた後で、ガラスフリット141を加熱することでガラスフリット141を溶融させる(言い換えれば、ガラスフリット141を焼結する)。焼結後にガラスフリット141は、ガラスの焼結体を含む接合層14となる。この接合層14は、0.5μm以上100μm以下の厚さを有する。好ましくは、この接合層14は、1μm以上20μm以下の厚さを有する。
なお、ガラスフリット141を加熱することでガラスフリット141を溶融させた後で、ボーダー12の主面12bとサブボーダー13の主面13aとを、ガラスフリット141を介して貼り合わせてもよい。
また、底面RG2のウエットエッチングとしてスピンエッチングを採用し、かつボーダー12の主面12bにガラスフリットを塗布する場合には、スピンエッチングよりも前に、ボーダー12の主面12bにガラスフリットを塗布してもよい。
ガラスフリットを用いた接合を採用することで、強固な接合が得られる。このため、ペリクル用材料2にフレーム15が接合される際や露光時にペリクル1が移動される際に、ペリクル用材料2が力を受けても、ボーダー12とサブボーダー13との接合が維持される。ガラスフリットを用いた接合を採用することで、800℃程度までの高温での高い耐久性を実現することができる。また、ガラスフリットは接着剤のような有機系材料を含まないので、露光時の雰囲気中(一例として、5Pa程度の減圧水素雰囲気中)において、ガスを放出する汚染源にはならない。さらに、スクリーン印刷法を用いてガラスフリットを塗布する場合には、接合のスループットを向上することができ、ペリクル用材料2の製造コストを低減することができる。
図6を参照して、ボーダー12とサブボーダー13とは、表面活性化接合法を用いて次の方法で接合されてもよい。ペリクル膜11の主面11bに保護膜146を形成する。保護膜146としては、たとえばレジストや、非常に薄い多結晶Siなどが挙げられる。保護膜146としてレジストを用いた場合や、多結晶Siの表面ラフネスが大きい場合などには、ボーダー12の主面12b上の保護膜146は、接合の前に選択的に除去されることが好ましい。その後、1×10-5Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の減圧かつ常温(一例として10℃以上30℃以下の温度)の雰囲気で、ボーダー12の主面12b(サブボーダー13側の面)およびサブボーダー13の主面13a(ボーダー12側の面)の各々に、矢印AR3で示すようにエネルギー粒子を照射する。なお、この工程では、ペリクル膜11の主面11bに形成された保護膜146にもエネルギー粒子が照射される。エネルギー粒子の照射により、ボーダー12の主面12bおよびサブボーダー13の主面13aの各々からガス、水、有機物、または酸素などの吸着物質が除去される。エネルギー粒子は、たとえばイオン、Ar(アルゴン)、Kr(クリプトン)、もしくはNe(ネオン)などの中性原子、またはクラスターイオンなどよりなっている。エネルギー粒子は、Arよりなることが好ましい。
ここで、ボーダー12の主面12bにエネルギー粒子を照射すると、ボーダー12の主面12bには、アモルファス層142(第1のアモルファス層の一例)が形成される。サブボーダー13の主面13aにエネルギー粒子を照射すると、サブボーダー13の主面13aには、アモルファス層143(第2のアモルファス層の一例)が形成される。アモルファス層142および143の各々は、たとえば0より大きく5nm以下の厚さを有している。
アモルファス層142は、主面12bに存在するボーダー12を構成する材料がエネルギー粒子の衝突により非晶質化したものである。アモルファス層142はボーダー12と連続している。アモルファス層142の出現により、ボーダー12の主面12bは主面12a側にわずかに退行する。
アモルファス層143は、主面13aに存在するサブボーダー13を構成する材料がエネルギー粒子の衝突により非晶質化したものである。アモルファス層143はサブボーダー13と連続している。アモルファス層143の出現により、サブボーダー13の主面13aは主面13b側にわずかに退行する。
エネルギー粒子を照射した後、矢印AR2で示すように、アモルファス層142とアモルファス層143とを互いに接触させる。これにより、ボーダー12の主面12bとサブボーダー13の主面13aとが接合され、接合層14が現れる。表面活性化接合法を用いた場合、接合層14は、ボーダー12を構成する材料が非晶質化した層であるアモルファス層142と、サブボーダー13を構成する材料が非晶質化した層であるアモルファス層143とを含んでいる。アモルファス層142は、Siを含んでおり、ボーダー12の主面12bに形成されている。アモルファス層143は、アモルファス層142とサブボーダー13の主面13aとの間に形成されている。アモルファス層142および143は、TEM(Transmission electron microscopy)などにより観察することができる。
図7を参照して、ボーダー12とサブボーダー13とは、親水化接合法を用いて次の方法で接合されてもよい。親水化接合法は、フュージョンボンディング(Fusion Bonding)またはシリコン直接接合(Silicon Direct Bonding:SDB)とも呼ばれる。ボーダー12の主面12b(サブボーダー13側の面)にSiO2層144(第1の酸化ケイ素層)を形成する。サブボーダー13の主面13a(ボーダー12側の面)にSiO2層145(第2の酸化ケイ素層)を形成する。SiO2層144および145の各々は、CVD法などを用いて形成する方法、下層となる面(主面12bまたは13a)にSi層を形成しそのSi層を熱酸化する方法、または下層となる面を熱酸化する方法などによって形成されてもよい。なお、ボーダー12がSiで、ペリクル膜11がSiCの場合、これらを熱酸化すると、ボーダー12における主面12bを含む露出面だけに選択的に熱酸化膜を形成することができる。
SiO2層144および145の各々を形成後、SiO2層144および145の各々に対して親水化処理を施す。親水化処理を施した後、矢印AR2で示すように、SiO2層144とSiO2層145とを互いに接触させる。これにより、ボーダー12の主面12bとサブボーダー13の主面13aとが接合され、接合層14が現れる。親水化接合法を用いた場合、接合後には、SiO2層144とSiO2層145とが一体化した接合層14が得られる。接合層14は、1nm以上100μm以下の厚さのSiO2層を含んでいる。好ましくは、接合層14は、1nm以上15μm以下の厚さのSiO2層を含んでいる。
なお、上述の方法に類似した親水化接合法として、SiO2層144および145の各々に対して親水化処理を施さずに、SiO2層144とSiO2層145とを過酸化水素水中で互いに接触させる方法が用いられてもよい。また、SiO2層144および145の各々を形成せずに、ボーダー12の主面12bを直接親水化処理する方法が用いられてもよい。
図8を参照して、ボーダー12とサブボーダー13とを接合した後、ペリクル膜11の主面11aから保護膜92を除去し、サブボーダー13の主面13bから支持基板93を除去する。これにより、ペリクル用材料2が得られる。
なお、表面活性化接合法を用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合した場合、支持基板93の除去後に保護膜146が除去されてもよい。保護膜146がレジストよりなる場合、保護膜146は、レジストリムーバーなどを用いて除去される。保護膜146が非常に薄いSiよりなる場合、保護膜146は、フッ硝酸に対して非常に短時間の間浸漬すること(ディップエッチング)などにより除去される。
また、親水化接合法を用いてボーダー12とサブボーダー13とを接合した場合、支持基板93の除去後にペリクル膜11の主面11bにSiO2層144が残存していることがある。このため、フッ酸などにペリクル膜11を浸漬することで、ペリクル膜11に残存したSiO2層144が除去されてもよい。
図9を参照して、ペリクル用材料2を用いてペリクル1を製造する際には、ペリクル用材料2のサブボーダー13とフレーム15とを接合することにより、サブボーダー13の孔131にフレーム15の孔151を接続する。ボーダー12とサブボーダー13との接合方法は任意であり、たとえば接着により接合される。サブボーダー13とフレーム15とが接着により接合される場合、サブボーダー13の主面13bとフレーム15の主面15aとの間には、接着層よりなる接合層16が形成される。
サブボーダー13とフレーム15とが接着により接合される場合を施したフレーム15の主面15aには、接着剤を塗布するための凹部などが設けられていてもよい。フレーム15の下面には、ポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、またはシリコーン樹脂などよりなる材料であって、フォトマスクに貼り付けるための材料が設けられていてもよい。
図9および図10を参照して、フレーム15をペリクル用材料2に接合する際には、たとえば自動搭載装置が用いられる。自動搭載装置はコンピューター(画像認識装置)を含んでいる。コンピューターは、サブボーダー13の孔131の画像に基づいて、サブボーダー13における孔131の内周面13cの形状を認識する。またコンピューターは、フレーム15の孔151の画像に基づいて、フレーム15における孔151の内周面15cの形状を認識する。次に、自動搭載装置は、サブボーダー13における孔131の内周面13cと、フレーム15における孔151の内周面15cとが互いに重なるように、サブボーダー13に対するフレーム15の位置を調整する。フレーム15の位置の調整は、矢印AR4で示される。フレーム15の位置の調整後、自動搭載装置は、矢印AR5で示すように、サブボーダー13に対してフレーム15を接合する。
フレーム15の主面15bには、フォトマスクPMに対する位置合わせのための係合部や、接着剤を塗布するための凹部などが設けられていてもよい。フレーム15をフォトマスクPMに貼り付ける際には、ポリブテン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、またはシリコーン樹脂などよりなる接着剤が用いられてもよい。
[実施の形態の効果]
図2(a)を参照して、ボーダー12における孔121の内周面12cは、ウエットエッチングの際に浸食されるため、複雑な形状を有している。具体的には、孔121の幅d1(図1)は、ボーダー12の主面12aから主面12bに向かうに従って増加しており、孔121の内周面12cは「なぎさ形状」を有している。このため、主面12b側からボーダー12を見た場合、主面12a付近の深さ位置での孔121の内周面12cの狭い輪郭線L1と、主面12b付近の深さ位置での孔121の内周面12cの広い輪郭線L2という二重の輪郭線が現れる。加えて、孔121を形成する際のウエットエッチングの影響により、ボーダー12における孔121の内周面12cの算術平均粗さRaは大きく、ボーダー12における孔121の内周面12cの凹凸は大きい。このため、主面12b側から見た場合の直線部分126、127、128、および129の各々の直線性は低く、孔121の内周面12cの角部の形状は粗い。
上述のように、ボーダー12における孔121の内周面12cは、複雑な形状を有している。このため、従来のように、ボーダーにおける孔の内周面の重心とフレームにおける孔の内周面の重心とが互いに重なるように、ボーダーに対するフレームの位置を調整する場合には、ボーダーに対するフレームの位置が意図する位置からずれやすかった。加えて、平面的に見た場合に、ボーダーにおける孔の内周面とフレームにおける孔の内周面とが互いに重なるように、ボーダーに対するフレームの位置を調整することは困難であった。
さらに、従来のようにボーダーに対してフレームを直接接合する場合には、フレームの主面を押圧してフレームをボーダーに押圧する場合に、フレームの主面におけるボーダーの孔の内周面の真上の位置を押圧してしまうと、ボーダーに押圧力が十分に伝わらなかった。
その結果、従来においては、ペリクル用材料に対してフレームを接合することが困難であった。
図2(b)を参照して、上述の実施の形態によれば、ボーダー12とは別の部材であるサブボーダー13に対して、フレーム15が接合される。サブボーダー13における孔131の内周面13cは、ボーダー12に孔121を形成する際のウエットエッチングによる影響を受けない。このため、サブボーダー13における孔131の内周面13cは、簡易な形状となるように自由に設計することができる。具体的には、サブボーダー13における孔131の内周面13cの算術平均粗さRaを小さくすることができる。このため、主面13b側からサブボーダー13を見た場合の内周面13cの直線部分136、137、138、および139の各々の直線性を高くすることができる。また、直線部分136と直線部分138との交点、直線部分136と直線部分139との交点、直線部分137と直線部分138との交点、および直線部分137と直線部分139との交点の各々の角部の曲率半径を、0.5mm未満とすることができる。また、孔131の幅d2(図1)は、サブボーダー13の主面13aから主面13bまで一定とされてもよい。
上述のように、サブボーダー13における孔131の内周面13cは、簡易な形状となるように自由に設計することができる。このため、サブボーダー13における孔131の内周面13cの重心とフレーム15における孔151の内周面15cの重心とが互いに重なるように、サブボーダー13に対するフレーム15の位置を容易に調整することができる。加えて、平面的に見た場合に、サブボーダー13における孔131の内周面13cとフレーム15における孔151の内周面15cとが互いに重なるように、サブボーダー13に対するフレーム15の位置を容易に調整することができる。
さらに、サブボーダー13に対してフレーム15を接合する際にフレーム15の主面15bを押圧する場合に、サブボーダー13に押圧力を十分に伝えることができる。
その結果、上述の実施の形態によれば、ペリクル用材料2に対してフレーム15を容易に接合することができる。
[変形例]
図11は、本発明の一実施の形態の第1および第2の変形例におけるペリクル1の構成を示す拡大断面図である。図11(a)は第1の変形例であり、図11(b)は第2の変形例である。図12は、本発明の一実施の形態の第3および第4の変形例におけるペリクル1の構成を示す拡大断面図である。図12(a)は第3の変形例であり、図12(b)は第4の変形例である。なお、図11および図12の各々は、ボーダー12付近(図1(a)中A部)の拡大断面図である。図11中線L3は、主面13b側からペリクル用材料2を見た場合のサブボーダー13の外周面13dの輪郭線である。図12中線L4は、主面13b側からペリクル用材料2を見た場合のサブボーダー13の内周面13cの輪郭線である。
図11(a)を参照して、第1の変形例では、ボーダー12の外周面12dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。サブボーダー13の外周面13dは、ボーダー12の外周面12dよりも外側(図11中左側)に突出している。サブボーダー13の外周面13dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。
図11(b)を参照して、第2の変形例では、ボーダー12の外周面12dは、主面12bから主面12aに向かうに従って外側に突出している。主面13b側からペリクル用材料2を見た場合に、主面12a側の外周面12dの端部は、線L3よりも外側に存在していてもよいし、線L3よりも内側(図11中右側)に存在していてもよい。サブボーダー13の外周面13dは、ボーダー12の外周面12dよりも外側に突出している。サブボーダー13の外周面13dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。
図12(a)を参照して、第3の変形例では、ボーダー12の外周面12dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。サブボーダー13の外周面13dは、主面13aから主面13bに向かうに従って外側に突出している。サブボーダー13の内周面13cは、主面13aから主面13bに向かうに従って内側に突出している。この場合、線L4は、主面13b側の内周面13cの端部により構成される。主面13b側からペリクル用材料2を見た場合に、ボーダー12の内周面12cにおける主面12a側の端部は、線L4よりも外側(図12中左側)に存在していることが好ましいが、線L4よりも内側(図12中右側)に存在していてもよい。
図12(b)を参照して、第4の変形例では、ボーダー12の外周面12dは、主面12bおよび13bの各々に対して垂直に延在している。サブボーダー13の外周面13dは、主面13bから主面13aに向かうに従って外側に突出している。サブボーダー13の内周面13cは、主面13bから主面13aに向かうに従って内側に突出している。この場合、線L4は、主面13a側の内周面13cの端部により構成される。主面13b側からペリクル用材料2を見た場合に、ボーダー12の内周面12cにおける主面12a側の端部は、線L4よりも外側(図12中左側)に存在していることが好ましいが、線L4よりも内側(図12中右側)に存在していてもよい。
第1~第4の変形例の各々における、ボーダー12の外周面12d、サブボーダー13の内周面12c、およびサブボーダー13の外周面12dの各々の形状は、互いに組み合わせることができる。
なお、図11および図12に示す各変形例における上述以外の構成は、上述の実施の形態の構成と同様であるため、その説明は繰り返さない。
[その他]
上述の実施の形態および各変形例は、適宜組み合わせることができる。
上述の実施の形態および変形例は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 ペリクル(ペリクルの一例)
2 ペリクル用材料(ペリクル用材料の一例)
3 中間体
11 ペリクル膜(ペリクル膜の一例)
11a,11b ペリクル膜の主面(ペリクル膜の一方の主面および他方の主面の一例)
12 ボーダー(第1の支持体の一例)
12a,12b ボーダーの主面
12c ボーダーにおける孔の内周面
12d ボーダーの外周面
13 サブボーダー(第2の支持体の一例)
13a,13b サブボーダーの主面
13c サブボーダーにおける孔の内周面
13d サブボーダーの外周面
14 接合層(接合層の一例)
15 フレーム(フレームの一例) 15a,15b フレームの主面
15c フレームにおける孔の内周面
16 接合層
17 凹み(凹みの一例)
91 マスク層
92,146 保護膜
93 支持基板
121,122 ボーダーの孔(第1の孔の一例)
126,127,128,129 ボーダーにおける孔の内周面の輪郭線の直線部分(第1、第2、第3、および第4の直線部分の一例)
131 サブボーダーの孔(第2の孔の一例)
136,137,138,139 サブボーダーにおける孔の内周面の輪郭線の直線部分(第5、第6、第7、および第8の直線部分の一例)
141 ガラスフリット(ガラスフリットの一例)
142,143 アモルファス層(アモルファス層、ならびに第1および第2のアモルファス層の一例)
144,145 SiO2層(酸化ケイ素層、ならびに第1および第2の酸化ケイ素層の一例)
151 フレームの孔
L1,L2,L3,L4 輪郭線
PM フォトマスク(フォトマスクの一例)
RG1 ボーダーの主面の中央部
RG2 ボーダーにおける孔の底面
RG3 ボーダーにおける孔の内周面の部分
d1 ボーダーの孔の幅
d2 サブボーダーの孔の幅

Claims (8)

  1. フォトマスクに対してフレームを介して接合されるペリクル用材料であって、
    一方の主面および他方の主面を含むペリクル膜と、
    第1の孔を含み、ケイ素を含む材料よりなる第1の支持体であって、前記ペリクル膜の前記他方の主面側から前記ペリクル膜を支持する第1の支持体と、
    前記第1の孔に接続する第2の孔を含む第2の支持体と、
    前記第1の支持体と前記第2の支持体とを接合する接合層とを備え、
    前記第2の支持体は、前記フォトマスクに対して前記フレームを介して接合するための部材であり、
    前記第1の孔の底部には前記ペリクル膜の前記他方の主面が露出し、
    前記ペリクル膜の前記一方の主面に対して垂直な平面で切った断面で見た場合に、前記第1の孔の幅は、前記第1の支持体における前記ペリクル膜側の面から前記第1の支持体における前記第2の支持体側の面に向かうに従って増加する、ペリクル用材料。
  2. 前記接合層は、ケイ素を含むアモルファス層を含む、請求項1に記載のペリクル用材料。
  3. 前記ペリクル膜は、ケイ素、炭素、ホウ素、および窒素よりなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のペリクル用材料。
  4. 前記第1の支持体、前記接合層、および前記第2の支持体の合計の厚さは0より大きく1mm以下である、請求項1に記載のペリクル用材料。
  5. 前記第1の支持体における前記第2の支持体側の面から見た場合に、前記第1の支持体における前記第1の孔の内周面の輪郭線は、直線状に延在する第1、第2、第3、および第4の直線部分の各々を含み、
    前記第1の直線部分と前記第2の直線部分とは互いに平行であり、前記第3の直線部分と前記第4の直線部分とは互いに平行であり、
    前記第2の支持体における前記第1の支持体側の面とは反対側の面から見た場合に、前記第2の支持体における前記第2の孔の内周面の輪郭線は、直線状に延在する第5、第6、第7、および第8の直線部分の各々を含み、
    前記第5の直線部分と前記第6の直線部分とは互いに平行であり、前記第7の直線部分と前記第8の直線部分とは互いに平行であり、
    前記第1の支持体における前記第1の孔の内周面の算術平均粗さRaは、前記第2の支持体における前記第2の孔の内周面の算術平均粗さRaよりも大きい、請求項1に記載のペリクル用材料。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載のペリクル用材料と、
    前記第2の支持体に接合された前記フレームとを備えた、ペリクル。
  7. フォトマスクに対してフレームを介して接合されるペリクル用材料の製造方法であって、
    一方の主面および他方の主面を含むペリクル膜を、ケイ素を含む材料よりなる第1の支持体に形成する工程を備え、前記第1の支持体は、前記ペリクル膜の前記他方の主面側から前記ペリクル膜を支持し、
    前記第1の支持体における前記ペリクル膜が形成された面とは反対側の面に、第1の孔を形成する工程をさらに備え、前記第1の孔の底部は前記第1の支持体を構成する材料よりなっており、
    前記第1の孔を形成する工程の後で、前記第1の孔の底部をウエットエッチングにより除去することで、前記第1の孔の底部に前記ペリクル膜を露出させる工程と、
    前記第1の支持体と、第2の孔を含む前記第2の支持体とを互いに接合することにより、前記第1の孔に前記第2の孔を接続する工程とをさらに備え、前記第2の支持体は、前記フォトマスクに対して前記フレームを介して接合するための部材である、ペリクル用材料の製造方法。
  8. 前記第1の孔に前記第2の孔を接続する工程は、前記第1の支持体における前記第2の支持体側の面、および前記第2の支持体における前記第1の支持体側の面のうち少なくともいずれか一方に、ガラスフリットを塗布する工程と、
    前記ガラスフリットを塗布する工程の後で、前記ガラスフリットを加熱することで前記ガラスフリットを溶融させる工程と、
    前記ガラスフリットを塗布する工程の後で、前記第1の支持体における前記第2の支持体側の面と前記第2の支持体における前記第1の支持体側の面とを、前記ガラスフリットを介して貼り合わせる工程とを含む、請求項7に記載のペリクル用材料の製造方法。
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