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JP2023037705A - アッパー及びシューズ - Google Patents

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JP2023037705A JP2021144445A JP2021144445A JP2023037705A JP 2023037705 A JP2023037705 A JP 2023037705A JP 2021144445 A JP2021144445 A JP 2021144445A JP 2021144445 A JP2021144445 A JP 2021144445A JP 2023037705 A JP2023037705 A JP 2023037705A
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Chihaya Suzuki
晴嗣 矢野
harutsugu Yano
克則 柳生
Katsunori YAGYU
良泰 安藤
Yoshiyasu Ando
圭太 小澤
Keita Ozawa
陽介 新
Yosuke Atarashi
真吾 益本
Shingo Masumoto
裕彰 西村
Hiroaki Nishimura
謙太 立野
kenta TATENO
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Abstract

【課題】従来よりも少ない材料でアッパーの伸縮性を部分的に変更することができるアッパーを得ること。【解決手段】アッパーは、足の甲を覆うアッパー本体20を備える。アッパー本体20には、第1の領域23と、第1の領域23に隣接する第2の領域24と、が形成されている。アッパー本体20は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられる、もしくは第2の領域24のみに設けられる第1の線状体と、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられるとともに第1の領域23と第2の領域24との境界部分に端部が位置する第2の線状体と、を備える。第1の線状体と第2の線状体とは、互いに異なる伸縮性を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、アッパー及びこのアッパーを備えるシューズに関する。
従来、アッパーを備えるシューズが知られている。シューズの着用者の動作時に、足には屈曲、縮み、ねじれ等が部分的に発生する。そこで、動作時の足の屈曲、縮み、ねじれ等に対するアッパーの追従性を高めるために、アッパーの伸縮性を部分的に変更する技術が開発されている。
例えば、特許文献1には、編地又は織地で形成されたベース材に樹脂で形成された複数の補強材を固着させたアッパーが開示されている。特許文献1に開示されたアッパーでは、伸縮性が互いに異なる複数の補強材を用いることで、アッパーの伸縮性を部分的に変更することができる。
特許第5442170号公報
しかしながら、特許文献1のように、編地又は織地で形成されたベース材に樹脂で形成された複数の補強材を固着させたり、伸縮性が互いに異なる複数の補強材を用いたりすると、アッパーに使用される材料の種類が多くなる。そのため、特許文献1に開示されたアッパーでは、材料の製造、裁断、縫製の工程が増え、廃材量や電気消費量が増加してしまい、生産性の低下や環境負荷の増大等を招くという問題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来よりも少ない材料でアッパーの伸縮性を部分的に変更することができるアッパーを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るアッパーは、足の甲を覆うアッパー本体を備え、アッパー本体には、第1の領域と、第1の領域に隣接する第2の領域と、が形成されている。アッパー本体は、第1の領域と第2の領域とに跨って設けられる、もしくは第2の領域のみに設けられる第1の線状体と、第2の領域を避けて第1の領域に設けられるとともに第1の領域と第2の領域との境界部分に端部が位置する第2の線状体と、を備えている。第1の線状体と第2の線状体とは、互いに異なる伸縮性を有する。
本発明に係るアッパーでは、従来よりも少ない材料でアッパーの伸縮性を部分的に変更することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るシューズを示した平面図である。 図2は、実施の形態1に係るシューズを示した斜視図である。 図3は、実施の形態1に係るアッパー本体を示した展開図である。 図4は、図3に示されたA部の拡大図であって、実施の形態1に係るシューズのアッパー本体を構成する線状体を模式的に示した図である。 図5は、図4に示されたV-V線に沿った断面図である。 図6は、図4に示されたVI-VI線に沿った断面図である。 図7は、低伸縮性線状体の一部を除去する前の状態を示した断面図であって、図4に示されたVI-VI線断面図に相当する図である。 図8は、実施の形態2に係るシューズのアッパー本体を構成する線状体を模式的に示した図であって、図3に示されたA部の拡大図に相当する図である。 図9は、図8に示されたIX-IX線に沿った断面図である。 図10は、実施の形態3に係るシューズのアッパー本体を示した展開図である。 図11は、実施の形態4に係るシューズのアッパー本体を示した展開図である。 図12は、実施の形態5に係るシューズのアッパー本体を示した展開図である。 図13は、実施の形態6に係るシューズのアッパー本体を示した展開図である。 図14は、実施の形態7に係るシューズのアッパー本体を示した展開図である。 図15は、実施の形態8に係るシューズのアッパー本体を示した断面図であって、図4に示されたV-V線断面図に相当する図である。 図16は、実施の形態8に係るシューズのアッパー本体を示した断面図であって、図4に示されたVI-VI線断面図に相当する図である。
以下に、本発明に係るアッパー及びシューズの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。以下の説明において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るシューズ1を示した平面図である。図1を含む各図には、左足用のシューズ1のみを図示している。シューズ1は、左足用と右足用とで左右対称構造であるため、本実施の形態では左足用のシューズ1のみを説明し、右足用のシューズ1の説明を省略する。また、以下の説明においては、シューズ1を平面視した状態においてシューズ1の中心を通る垂線であるシューズセンター軸Cが延在する方向を前後方向と称し、シューズ1を平面視した状態において上記前後方向と直交する方向を足幅方向と称する。
また、前後方向のうち、シューズ1において足の後足部を支持する部分が位置する側の末端から、シューズ1において足の前足部を支持する部分が位置する側の末端を向く方向を前方と称し、前後方向のうち、シューズ1において足の前足部を支持する部分が位置する側の末端から、シューズ1において足の後足部を支持する部分が位置する側の末端を向く方向を後方と称する。
また、足のうちの解剖学的正位における正中側を内足側と称し、足のうちの解剖学的正位における正中側とは反対側を外足側と称する。すなわち、解剖学的正位における正中に近い側を内足側と称し、解剖学的正位における正中に遠い側を外足側と称する。
また、上下方向とは、他に特段の記載がない限り、前後方向及び足幅方向の両方向に直交する方向を意味する。
アッパー2は、標準的な体型の着用者の足の前足部を覆うアッパー前足部R1と、標準的な体型の着用者の足の中足部を覆うアッパー中足部R2と、標準的な体型の着用者の足の後足部を覆うアッパー後足部R3とを備えている。アッパー前足部R1、アッパー中足部R2及びアッパー後足部R3は、この順番でアッパー2の前方から前後方向に連なっている。
アッパー2の前端からアッパー2の前後方向の寸法の概ね25%に相当する位置を通る足幅方向に沿った線を第1境界線S1とし、アッパー2の前端からアッパー2の前後方向の寸法の概ね80%に相当する位置を通る足幅方向に沿った線を第2境界線S2とする。第1境界線S1は、標準的な体型の着用者のMP関節に概ね沿った線である。第2境界線S2は、標準的な体型の着用者のショパール関節に概ね沿った線である。アッパー前足部R1は、第1境界線S1よりも前方に位置する部分である。アッパー中足部R2は、第1境界線S1と第2境界線S2との間に位置する部分である。アッパー後足部R3は、第2境界線S2よりも後方に位置する部分である。
図2は、実施の形態1に係るシューズ1を示した斜視図である。シューズ1は、例えば、ランニングシューズ、他のスポーツシューズ、ウォーキングシューズ、登山用シューズとして用いられる。シューズ1は、アッパー2と、ソール3とを備えている。
アッパー2は、ソール3の上方に位置する。アッパー2は、アッパー本体20と、シュータン21と、シューレース22とを備えている。
アッパー本体20は、足の甲側の部分を覆う。アッパー本体20の上部には、着用者の足を挿入するための履き口20aと、履き口20aに連通して履き口20aから前方に延びるスロート部20bとが形成されている。スロート部20bの足幅方向の両側の側縁には、前後方向に互いに離隔する紐通し部20cが設けられている。紐通し部20cは、シューレース22を通すことが可能であればその構成は特に制限されないが、本実施の形態ではアッパー本体20を上下方向に貫通する貫通孔である。アッパー本体20には、第1の領域23と、第1の領域23に隣接する第2の領域24とが形成されている。第1の領域23及び第2の領域24の詳細については後記する。なお、図2を含む各図では、第1の領域23と第2の領域24とを区別するために、第2の領域24をドットハッチングで図示している。
シュータン21は、着用者の足の甲を保護するための部材である。シュータン21は、アッパー本体20の内部においてスロート部20bを覆う。シュータン21は、アッパー本体20に縫合、溶着、接着又はこれらの組み合わせによって固定されている。アッパー本体20及びシュータン21の材料には、織地又は編地が用いられる。特に通気性及び軽量性が求められるシューズ1においては、アッパー本体20及びシュータン21の材料には、ポリエステル糸を編み込んだダブルラッセル経編地が用いられることが好ましい。なお、シュータン21の材料は、例示した材料に限定されない。
シューレース22は、スロート部20bの足幅方向の一方の側縁に設けられた紐通し部20cと足幅方向の他方の側縁に設けられた紐通し部20cとに交互に通される紐状の部材である。シューレース22は、アッパー本体20に着脱可能に取り付けられている。
なお、本実施の形態ではシュータン21及びシューレース22を含むアッパー2を例に説明するが、アッパー2は、シュータン21に相当する部分がアッパー本体20の足首部分と一体となったモノソック構造であってもよい。また、アッパー本体20を足に密着させるためにシューレース22の代わりに面ファスナーを用いる構造であってもよい。面ファスナーを用いてアッパー本体20を足に密着させる場合、アッパー本体20に紐通し部20cは形成されない。
ソール3は、アッパー2の下方に位置する。ソール3は、足裏を覆う。ソール3は、アウトソール30と、ミッドソール31とを備えている。ソール3は、縫合、溶着、接着又はこれらの組み合わせによってアッパー本体20に固定される。アウトソール30の下面は、地面に設置する接地面30aとなる。ミッドソール31は、アウトソール30の上面に位置しており、クッション性を有している。なお、アウトソール30は、ミッドソール31と一体であってもよい。ミッドソール31と一体化されたアウトソール30は、「ユニソール」とも称される。
ソール3は、アッパー本体20の下側開口を覆う不図示の中底を備えている。中底は、アッパー本体20の下縁に縫合によって固定される。また、中底は、ミッドソール31の上面に接着又は溶着によって固定される。また、シューズ1は、中敷きを備えていてもよい。シューズ1が中敷きを備える場合、中敷きは、アッパー2の内部でソール3の上に設置される。なお、ソール3は、中底を省略した構造であってもよい。
次に、図3を参照して、アッパー本体20の構成についてさらに詳しく説明する。図3は、実施の形態1に係るアッパー本体20を示した展開図である。図3に示すように、アッパー本体20には、第1の領域23と、第2の領域24とが形成されている。第1の領域23は、アッパー本体20のうち第2の領域24と履き口20aとスロート部20b以外の領域である。第2の領域24は、アッパー前足部R1、アッパー中足部R2及びアッパー後足部R3のうち少なくとも1つに形成されていればよいが、本実施の形態ではアッパー中足部R2のみに形成されている。
第2の領域24の数は、特に制限されないが、本実施の形態ではスロート部20bを挟んだ足幅方向の両側に4つずつ設けられている。4つの第2の領域24は、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。各第2の領域24は、アッパー中足部R2においてアッパー本体20の足幅方向に延びている。各第2の領域24は、スロート部20bの縁からアッパー本体20の下縁まで延びている。各第2の領域24の平面視形状は、特に制限されないが、本実施の形態では前後方向よりも足幅方向に長い帯状である。前後方向に隣り合う第2の領域24の間には、紐通し部20cが1つずつ配置されている。また、最も前方に位置する第2の領域24の前方にも、1つの紐通し部20cが配置されている。以下の説明において、第1の領域23のうち隣り合う第2の領域24の間にあって紐通し部20cが配置される部分を、張力作用部20dと称する。
図4は、図3に示されたA部の拡大図であって、実施の形態1に係るシューズ1のアッパー本体20を構成する線状体を模式的に示した図である。図4に示すように、アッパー本体20は、前後方向に延びる複数本の高伸縮性線状体26と、前後方向に延びる複数本の低伸縮性線状体27と、足幅方向に延びる複数本の基準線状体28とを備えている。高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と基準線状体28とは、例えば、複数本の繊維を束ねた糸、樹脂を線状にした物等である。なお、図4では、理解の容易化のために、基準線状体28を二点鎖線で図示している。
複数本の高伸縮性線状体26は、足幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。複数本の低伸縮性線状体27は、足幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とは、足幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とは、本実施の形態では足幅方向に交互に1本ずつ設けられているが、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27との配置を限定する趣旨ではない。複数本の基準線状体28は、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とに交差しているとともに、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。本実施の形態では、高伸縮性線状体26が第1の線状体であり、低伸縮性線状体27が第2の線状体である。
高伸縮性線状体26は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられている。高伸縮性線状体26は、延伸方向に伸縮する伸縮性を有する。図5は、図4に示されたV-V線に沿った断面図である。以下の説明において、基準線状体28においてアッパー本体20の外部の方向を向く側を「表側」、基準線状体28においてアッパー本体20の内部の方向を向く方を「裏側」とする。また、以下の説明において、表側及び裏側のうち一方から他方に向かう方向に平行な方向を表裏方向とする。図5に示すように、高伸縮性線状体26は、第1の領域23と第2の領域24とにおいて隣り合う基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過するように設けられている。高伸縮性線状体26は、隣り合う一方の基準線状体28の表側、隣り合う基準線状体28の間、隣り合う他方の基準線状体28の裏側の順に繰り返し通るように設けられている。
図4に示すように、低伸縮性線状体27は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられているとともに、第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する。低伸縮性線状体27は、延伸方向に伸縮しにくい性質を有する。図6は、図4に示されたVI-VI線に沿った断面図である。なお、図6では、低伸縮性線状体27のうち除去された部分を破線で図示している。図6に示すように、低伸縮性線状体27は、第1の領域23において隣り合う基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過するように設けられている。低伸縮性線状体27は、隣り合う一方の基準線状体28の表側、隣り合う基準線状体28の間、隣り合う他方の基準線状体28の裏側の順に繰り返し通るように設けられている。低伸縮性線状体27の端部は、基準線状体28の裏側に位置する。低伸縮性線状体27は、第1の領域23のみに設けられていて、第2の領域24には設けられていない。
図4に示される高伸縮性線状体26の延伸方向の伸縮性は、低伸縮性線状体27の延伸方向の伸縮性よりも高い。つまり、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とは、互いに異なる伸縮性を有する。高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とで使用する材料を変えることにより、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27との伸縮性を互いに異ならせることができる。例えば、高伸縮性線状体26の材料に、ポリウレタン糸、ポリウレタンをカバーリングしたSCY(Single Covered Yarn)やDCY(Double Covered Yarn)、伸縮性を高く設定した熱可塑性エラストマー糸等を使用し、低伸縮性線状体27の材料に、ポリエステル糸等を使用することにより、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27との伸縮性を互いに異ならせることができる。なお、基準線状体28の材料は、高伸縮性線状体26又は低伸縮性線状体27の材料と同じでもよいし、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の材料と異なっていてもよい。基準線状体28の延伸方向の伸縮性は、高伸縮性線状体26又は低伸縮性線状体27の延伸方向の伸縮性と同じでもよいし、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の延伸方向の伸縮性と異なっていてもよい。
第1の領域23は、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と基準線状体28とが設けられた領域である。第2の領域24は、高伸縮性線状体26と基準線状体28とが設けられて低伸縮性線状体27が設けられていない領域である。伸縮しにくい低伸縮性線状体27が第1の領域23に設けられて第2の領域24に設けられていないため、第2の領域24の伸縮性は、第1の領域23の伸縮性よりも高い。つまり、第1の領域23と第2の領域24とは、互いに異なる伸縮性を有する。
次に、図6及び図7を参照して、低伸縮性線状体27の一部を除去する方法について説明する。図7は、低伸縮性線状体27の一部を除去する前の状態を示した断面図であって、図4に示されたVI-VI線断面図に相当する図である。
図7に示すように、低伸縮性線状体27の一部を除去する前には、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を、第2の領域24に対応する位置に設けられた全ての基準線状体28に対して浮かす。本実施の形態では、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を、第2の領域24に対応する位置に設けられた全ての基準線状体28に対して裏側に浮かして配置しているが、第2の領域24に対応する位置に設けられた全ての基準線状体28に対して表側及び裏側のいずれか一方に浮かして配置すればよい。低伸縮性線状体27を基準線状体28に対して浮かすとは、第1の領域23では基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過させている低伸縮性線状体27を、第2の領域24では基準線状体28の表側か裏側の一方側だけを通過させるとともに、低伸縮性線状体27と基準線状体28との表裏方向の離隔距離を第1の領域23よりも第2の領域24で長くすることを意味する。続いて、低伸縮性線状体27のうち基準線状体28に対して浮かした部分をカットする。低伸縮性線状体27のカット方法は、特に限定されず、従来公知の方法の中から適宜選択すればよい。例えば、専用の機械を用いて低伸縮性線状体27をカットすればよい。これにより、図6に示されるように低伸縮性線状体27の一部を除去することができる。
なお、低伸縮性線状体27の一部を溶かすことにより、低伸縮性線状体27の一部を除去してもよい。例えば、低伸縮性線状体27の材料に溶剤、水又は熱で溶ける糸を使用することで、低伸縮性線状体27の一部を溶かして除去することが可能である。低伸縮性線状体27の一部を溶かす場合には、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を基準線状体28に対して浮かしてもよいし浮かさなくてもよい。
次に、本実施の形態に係るシューズ1の効果について説明する。
本実施の形態では、図1に示すように、シューズ1は、足の甲を覆うアッパー本体20を備え、アッパー本体20には、第1の領域23と、第1の領域23に隣接する第2の領域24とが形成されている。また、図4に示すように、アッパー本体20は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられる高伸縮性線状体26と、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられるとともに第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する低伸縮性線状体27とを備えている。また、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とは、互いに異なる伸縮性を有する。これらの構成により、高伸縮性線状体26が第1の領域23と第2の領域24との両方に設けられる一方で低伸縮性線状体27が第1の領域23のみに設けられているため、第1の領域23と第2の領域24との伸縮性を互いに異ならせることができる。本実施の形態では、伸縮しにくい低伸縮性線状体27が第1の領域23に設けられて第2の領域24に設けられていないため、第2の領域24の伸縮性が第1の領域23の伸縮性よりも高くなる。また、編地又は織地で形成されたアッパー本体20とは別に伸縮性が互いに異なる複数の補強材を用意する必要はなく、伸縮性が互いに異なる高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の配置を調節するだけでアッパー本体20の伸縮性を部分的に変更することができる。そのため、従来よりも少ない材料でアッパー本体20の伸縮性を部分的に変更することができる。特に、本実施の形態では、高伸縮性線状体26、低伸縮性線状体27及び基準線状体28といった線状体を用いた単一材料でアッパー本体20の伸縮性を部分的に変更することができるため、アッパー本体20を構成する部品点数を減らして、環境負荷の低減を図ることができる。
本実施の形態では、図4に示すように、高伸縮性線状体26が第1の領域23と第2の領域24との両方に設けられる一方で低伸縮性線状体27が第1の領域23のみに設けられている。そのため、図2に示されるシューレース22を締めることでアッパー本体20に加わる張力が第2の領域24よりも第1の領域23に伝わりやすくなるとともに、第1の領域23よりも第2の領域24の通気性を高めることができる。つまり、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の配置を変えるだけで、アッパー本体20において張力と通気性が必要な箇所をそれぞれ調節できる。
本実施の形態では、図4に示すように、高伸縮性線状体26が第1の領域23と第2の領域24との両方に設けられる一方で低伸縮性線状体27が第1の領域23のみに設けられているため、第2の領域24の剛性よりも第1の領域23の剛性が高くなるとともに、第1の領域23の重量よりも第2の領域24の重量が軽くなる。つまり、アッパー本体20において剛性が必要な箇所を確保しながら、アッパー本体20の軽量化を図ることができる。
本実施の形態では、図6及び図7に示すように、低伸縮性線状体27の一部を除去することで、アッパー本体20において伸縮性、通気性、重量、剛性等が異なる部分を自由に設定することができる。
本実施の形態では、図6及び図7に示すように、低伸縮性線状体27の一部を除去するだけでアッパー本体20の伸縮性等を部分的に変更することができる。そのため、糸を変えて編むことでアッパー本体20の伸縮性等を部分的に変更する場合に比べて、アッパー本体20の伸縮性等を部分的に変更する際の作業性を向上させることができる。
図2に示されるシューズ1の着用者の動作時には、足の中足部の皮膚に縮みやねじれ等の歪みが生じて、図3に示されるアッパー中足部R2が足幅方向に剪断変形する。本実施の形態では、第2の領域24は、アッパー中足部R2においてアッパー本体20の足幅方向に延びていることにより、第2の領域24が足の皮膚の歪みに追従して足幅方向に剪断変形しやすくなるため、アッパー本体20の足当たりを緩和できるとともに、アッパー本体20における皺の発生を抑制することができる。
本実施の形態では、図3に示すように、前後方向に隣り合う第2の領域24の間には、紐通し部20cが配置されていることにより、第1の領域23のうち張力作用部20dの前後に伸縮性の高い第2の領域24が存在するため、シューレース22を締めたときに、各張力作用部20dが着用者の足の部位ごとの太さに合わせて変形することができる。つまり、第2の領域24の前後で第1の領域23の変形量を変えることができる。
図7に示されるように低伸縮性線状体27の一部を除去すると、低伸縮性線状体27の端部が汚くなる可能性がある。この点、本実施の形態では、低伸縮性線状体27のうち基準線状体28に対して裏側に浮かした部分をカットすることにより、低伸縮性線状体27の端部が基準線状体28の裏側に位置してアッパー本体20の外部から見えにくくなるため、アッパー本体20の意匠性を高めることができる。
なお、本実施の形態では、図6及び図7に示すように低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を除去したが、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を除去せずに、図5に示される高伸縮性線状体26のうち第2の領域24に対応する部分を除去してもよい。この場合には、低伸縮性線状体27は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられる第1の線状体である。また、高伸縮性線状体26は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられるとともに第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する第2の線状体である。高伸縮性線状体26のうち第2の領域24に対応する部分を基準線状体28に対して浮かして除去する場合に、高伸縮性線状体26を基準線状体28に対して浮かすとは、第1の領域23では基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過させている高伸縮性線状体26を、第2の領域24では基準線状体28の表側か裏側の一方側だけを通過させるとともに、高伸縮性線状体26と基準線状体28との表裏方向の離隔距離を第1の領域23よりも第2の領域24で長くすることを意味する。
本実施の形態では、図4に示すように、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とが前後方向に延びていて基準線状体28が足幅方向に延びているが、高伸縮性線状体26、低伸縮性線状体27及び基準線状体28の延伸方向は図示した例に限定されない。例えば、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とが足幅方向に延びていて基準線状体28が前後方向に延びていてもよい。この場合には、複数本の高伸縮性線状体26は、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。複数本の低伸縮性線状体27は、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。複数本の基準線状体28は、足幅方向に互いに間隔を空けて設けられている。そして、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27のうち少なくとも一方の一部を除去することで、アッパー本体20の伸縮性を部分的に変更することができる。例えば、第2の領域24の足幅方向への剪断変形を促進させたい場合には、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27を足幅方向に延びるように配置した上で、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を除去すればよい。つまり、高伸縮性線状体26、低伸縮性線状体27及び基準線状体28の延伸方向は、第2の領域24を変形させたい方向に合わせて適宜変更すればよい。除去する方法としてカットを選択する場合には、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27のうち少なくとも一方の一部を基準線状体28に対して浮かして、浮かした部分をカットすればよい。
図3に示される第2の領域24の数は、本実施の形態ではスロート部20bを挟んだ足幅方向の両側に4つずつであったが、1つ又は4つ以外の複数でもよい。また、第2の領域24は、本実施の形態では足幅方向に延びているが、足幅方向に対して斜めに延びてもよい。また、各第2の領域24は、本実施の形態では一塊に形成されているが、前後方向又は足幅方向に複数に分割されてもよいし、前後方向かつ足幅方向に複数に分割されてもよい。また、第2の領域24の数、形状、位置は、本実施の形態ではスロート部20bを挟んだ足幅方向の両側で左右対称であったが、左右非対称であってもよい。また、紐通し部20cは、本実施の形態では第2の領域24と前後方向にずれて配置されたが、第2の領域24と上下方向で重なる位置に配置されてもよい。
図4に示される高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27とは、足幅方向に交互に1本ずつ設けられているが、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27との配置は図示した例に限定されない。例えば、低伸縮性線状体27が2本配置されるごとに高伸縮性線状体26が1本配置されてもよい。
(実施の形態2)
図8は、実施の形態2に係るシューズ1Aのアッパー本体20を構成する線状体を模式的に示した図であって、図3に示されたA部の拡大図に相当する図である。図9は、図8に示されたIX-IX線に沿った断面図である。実施の形態2に係るシューズ1Aは、高伸縮性線状体26が第2の領域24のみに設けられる点で、実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
本実施の形態では、高伸縮性線状体26は、第2の領域24のみに設けられる第1の線状体である。また、低伸縮性線状体27は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられる第2の線状体である。高伸縮性線状体26のうち第1の領域23に対応する部分が除去されるとともに、低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分が除去される。高伸縮性線状体26のうち第1の領域23に対応する部分を基準線状体28に対して浮かして除去する場合に、高伸縮性線状体26を基準線状体28に対して浮かすとは、第2の領域24では基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過させている高伸縮性線状体26を、第1の領域23では基準線状体28の表側か裏側の一方側だけを通過させるとともに、高伸縮性線状体26と基準線状体28との表裏方向の離隔距離を第2の領域24よりも第1の領域23で長くすることを意味する。低伸縮性線状体27のうち第2の領域24に対応する部分を基準線状体28に対して浮かして除去する場合に、低伸縮性線状体27を基準線状体28に対して浮かすとは、前記した実施の形態1と同様の意味である。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。すなわち、高伸縮性線状体26が第2の領域24のみに設けられて、低伸縮性線状体27が第1の領域23のみに設けられているため、第1の領域23と第2の領域24との伸縮性を互いに異ならせることができる。本実施の形態では、伸縮しにくい低伸縮性線状体27が第1の領域23に設けられて第2の領域24に設けられていないため、第2の領域24の伸縮性が第1の領域23の伸縮性よりも高くなる。
なお、高伸縮性線状体26が第1の領域23のみに設けられて、低伸縮性線状体27が第2の領域24のみに設けられてもよい。この場合には、低伸縮性線状体27は、第2の領域24のみに設けられる第1の線状体である。また、高伸縮性線状体26は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられるとともに第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する第2の線状体である。すなわち、高伸縮性線状体26のうち第2の領域24に対応する部分が除去されるとともに、低伸縮性線状体27のうち第1の領域23に対応する部分が除去される。このようにすると、伸縮しにくい低伸縮性線状体27が第2の領域24に設けられて第1の領域23に設けられていないため、第1の領域23の伸縮性が第2の領域24の伸縮性よりも高くなる。低伸縮性線状体27のうち第1の領域23に対応する部分を基準線状体28に対して浮かして除去する場合に、低伸縮性線状体27を基準線状体28に対して浮かすとは、第2の領域24では基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過させている低伸縮性線状体27を、第1の領域23では基準線状体28の表側か裏側の一方側だけを通過させるとともに、低伸縮性線状体27と基準線状体28との表裏方向の離隔距離を第2の領域24よりも第1の領域23で長くすることを意味する。高伸縮性線状体26のうち第2の領域24に対応する部分を基準線状体28に対して浮かして除去する場合に、高伸縮性線状体26を基準線状体28に対して浮かすとは、前記した実施の形態1と同様の意味である。
(実施の形態3)
図10は、実施の形態3に係るシューズ1Bのアッパー本体20を示した展開図である。実施の形態3に係るシューズ1Bは、第2の領域24の位置が実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
第2の領域24は、本実施の形態ではアッパー前足部R1及びアッパー中足部R2に形成されている。第2の領域24は、スロート部20bの前方にスロート部20bと隣接して設けられた前方領域24aと、スロート部20bを挟んだ足幅方向の片側のみに設けられた側方領域24bとを含んでいる。前方領域24aは、アッパー前足部R1とアッパー中足部R2とに跨って設けられている。前方領域24aの平面視形状は、特に制限されないが、本実施の形態では概ね円形である。
側方領域24bの位置は、スロート部20bの内足側でもよいが、本実施の形態ではスロート部20bの外足側である。側方領域24bの数は、特に制限されないが、本実施の形態では2つである。2つの側方領域24bは、前後方向に互いに間隔を空けて設けられている。各側方領域24bは、アッパー中足部R2においてアッパー本体20の足幅方向に延びている。各側方領域24bは、スロート部20bの縁からアッパー本体20の下縁まで延びている。各側方領域24bの平面視形状は、特に制限されないが、本実施の形態では前後方向よりも足幅方向に長い帯状である。前後方向に隣り合う側方領域24bの間には、1つの紐通し部20cが配置されている。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態では、第2の領域24は、スロート部20bを挟んだ足幅方向の片側のみに設けられた側方領域24bを含んでいることにより、第2の領域24が左右非対称に配置されている。そのため、アッパー本体20のうちスロート部20bを挟んだ足幅方向の一方を伸縮させやすくして足幅方向の他方を伸縮させにくくしたいスポーツ等を行う場合に適した構造になっている。なお、前方領域24a及び各側方領域24bは、本実施の形態では一塊に形成されているが、前後方向又は足幅方向に複数に分割されてもよいし、前後方向かつ足幅方向に複数に分割されてもよい。
(実施の形態4)
図11は、実施の形態4に係るシューズ1Cのアッパー本体20を示した展開図である。実施の形態4に係るシューズ1Cは、アッパー2がモノソック構造である点と第2の領域24の位置とが実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
図11に示すように、アッパー2は、実施の形態1のシュータン21に相当する部分がアッパー本体20の足首部分と一体となったモノソック構造である。第2の領域24は、本実施の形態ではアッパー中足部R2に形成されている。第2の領域24は、履き口20aの前方に履き口20aと隣接して形成されている。第2の領域24は、実施の形態1のシュータン21に相当する部分に設けられている。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態では、第2の領域24は、履き口20aの前方に履き口20aと隣接して形成されていることにより、第2の領域24がシュータン21に相当する部分となるため、線状体という1つの材料でモノソック構造を実現できる。なお、第2の領域24は、本実施の形態では一塊に形成されているが、前後方向又は足幅方向に複数に分割されてもよいし、前後方向かつ足幅方向に複数に分割されてもよい。また、第2の領域24は、左右非対称に形成されてもよい。
(実施の形態5)
図12は、実施の形態5に係るシューズ1Dのアッパー本体20を示した展開図である。実施の形態5に係るシューズ1Dは、第2の領域24の位置が実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
第2の領域24は、本実施の形態ではアッパー中足部R2及びアッパー後足部R3に形成されている。第2の領域24は、履き口20aの縁に沿って延びている。図12に示されるアッパー本体20を組み立てた状態で、第2の領域24は、スロート部20bの外足側の縁からアッパー後足部R3の踵側の末端縁を通ってスロート部20bの内足側の縁に亘って形成される。第2の領域24は、履き口20aを囲むように延びている。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態では、第2の領域24が履き口20aの縁に沿って延びていることにより、第2の領域24が着用者の足の動きに追従して変形するため、足と履き口20aの縁とのフィット性を高めることができる。なお、第2の領域24は、本実施の形態では一塊に形成されているが、前後方向又は足幅方向に複数に分割されてもよいし、前後方向かつ足幅方向に複数に分割されてもよい。また、第2の領域24は、左右非対称に形成されてもよい。
(実施の形態6)
図13は、実施の形態6に係るシューズ1Eのアッパー本体20を示した展開図である。実施の形態6に係るシューズ1Eは、第2の領域24の位置が実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
第2の領域24は、本実施の形態ではアッパー前足部R1に形成されている。第2の領域24は、アッパー前足部R1においてアッパー本体20の足幅方向に延びている。第2の領域24は、アッパー前足部R1の外足側の下縁からスロート部20bの前方を通ってアッパー前足部R1の内足側の下縁まで形成されている。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。図13に示されるアッパー前足部R1を接地させた状態で、アッパー後足部R3を地面から浮かす動作を行うと、足の前足部が屈曲してアッパー前足部R1に屈曲箇所が生じる。この点、本実施の形態では、第2の領域24がアッパー前足部R1においてアッパー本体20の足幅方向に延びていることにより、第2の領域24が足の屈曲に追従して屈曲しやすくなる。そのため、アッパー本体20の足当たりを緩和できるとともに、アッパー本体20における皺の発生を抑制することができる。なお、第2の領域24は、本実施の形態では一塊に形成されているが、前後方向又は足幅方向に複数に分割されてもよいし、前後方向かつ足幅方向に複数に分割されてもよい。また、第2の領域24は、左右非対称に形成されてもよい。
(実施の形態7)
図14は、実施の形態7に係るシューズ1Fのアッパー本体20を示した展開図である。実施の形態7に係るシューズ1Fは、第2の領域24の配置が実施の形態1に係るシューズ1と相違する。
本実施の形態に係るシューズ1Fの第2の領域24は、実施の形態4に係るシューズ1Cの第2の領域24と実施の形態5に係るシューズ1Dの第2の領域24とを組み合わせた構成である。アッパー2は、実施の形態1のシュータン21に相当する部分がアッパー本体20の足首部分と一体となったモノソック構造である。第2の領域24は、履き口20aの前方に履き口20aと隣接して形成されている。また、第2の領域24は、履き口20aの縁に沿って延びている。
本実施の形態では、前記した実施の形態1,4,5と同様の効果を奏することができる。なお、本実施の形態では、第2の領域24が、実施の形態4,5の第2の領域24を組み合わせた構成であったが、実施の形態1,3-6の第2の領域24の中から2つ以上を組み合わせた構成であってもよい。
(実施の形態8)
図15は、実施の形態8に係るシューズ1Gのアッパー本体20を示した断面図であって、図4に示されたV-V線断面図に相当する図である。図16は、実施の形態8に係るシューズ1Gのアッパー本体20を示した断面図であって、図4に示されたVI-VI線断面図に相当する図である。実施の形態8に係るシューズ1Gは、追加線状体29をさらに備える点で、実施の形態1に係るシューズ1と相違する。すなわち、実施の形態1に係るシューズ1では、上下方向に重なる線状体の数が最大2本であったが、本実施の形態に係るシューズ1Gでは、上下方向に重なる線状体の数が最大3本である。
図15及び図16に示すように、アッパー本体20は、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の延伸方向と同一方向に延びる複数本の追加線状体29を備えている。追加線状体29は、例えば、複数本の繊維を束ねた糸、樹脂を線状にした物等である。図示は省略するが、複数本の追加線状体29は、基準線状体28の延伸方向に互いに間隔を空けて設けられている。追加線状体29は、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27のそれぞれの上方に1本ずつ配置されている。複数本の基準線状体28は、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と追加線状体29とに交差している。本実施の形態では、高伸縮性線状体26は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられる第1の線状体である。また、低伸縮性線状体27は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられるとともに第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する第2の線状体である。
追加線状体29は、第1の領域23と第2の領域24とに跨って設けられている。追加線状体29の材料は、高伸縮性線状体26又は低伸縮性線状体27の材料と同じでもよいし、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の材料と異なっていてもよい。追加線状体29の延伸方向の伸縮性は、高伸縮性線状体26又は低伸縮性線状体27の延伸方向の伸縮性と同じでもよいし、高伸縮性線状体26及び低伸縮性線状体27の延伸方向の伸縮性と異なっていてもよい。追加線状体29は、第1の領域23と第2の領域24とにおいて隣り合う基準線状体28の表側と裏側とを交互に通過するように設けられている。高伸縮性線状体26は、隣り合う一方の基準線状体28の表側、隣り合う基準線状体28の間、隣り合う他方の基準線状体28の裏側の順に繰り返し通るように設けられている。
第1の領域23は、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と追加線状体29と基準線状体28とが設けられた領域である。第2の領域24は、高伸縮性線状体26と追加線状体29と基準線状体28とが設けられて低伸縮性線状体27が設けられていない領域である。なお、追加線状体29は、低伸縮性線状体27と同様に、第2の領域24において除去されてもよい。この場合には、追加線状体29は、第2の領域24を避けて第1の領域23に設けられているとともに、第1の領域23と第2の領域24との境界部分25に端部が位置する。
本実施の形態では、前記した実施の形態1と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態のように上下方向に重なる線状体の数を最大3本にすると、線状体の配置を変えることで、アッパー本体20の伸縮性を3段階以上の多段階に変更することができる。例えば、低伸縮性線状体27及び追加線状体29の一部が除去されて高伸縮性線状体26と基準線状体28とが存在する領域と、追加線状体29の一部が除去されて高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と基準線状体28とが存在する領域と、高伸縮性線状体26と低伸縮性線状体27と追加線状体29と基準線状体28とが存在する領域とを設けることで、アッパー本体20の伸縮性を3段階に変更することができる。なお、本実施の形態では、上下方向に重なる線状体の数が最大3本であったが、4本以上であってもよい。このようにすると、アッパー本体20の伸縮性を4段階以上の多段階に変更することができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G シューズ、2 アッパー、3 ソール、20 アッパー本体、20a 履き口、20b スロート部、20c 紐通し部、20d 張力作用部、21 シュータン、22 シューレース、23 第1の領域、24 第2の領域、24a 前方領域、24b 側方領域、25 境界部分、26 高伸縮性線状体、27 低伸縮性線状体、28 基準線状体、29 追加線状体、30 アウトソール、30a 接地面、31 ミッドソール、C シューズセンター軸、R1 アッパー前足部、R2 アッパー中足部、R3 アッパー後足部、S1 第1境界線、S2 第2境界線。

Claims (6)

  1. 足の甲を覆うアッパー本体を備え、
    前記アッパー本体には、第1の領域と、前記第1の領域に隣接する第2の領域と、が形成され、
    前記アッパー本体は、前記第1の領域と前記第2の領域とに跨って設けられる、もしくは前記第2の領域のみに設けられる第1の線状体と、前記第2の領域を避けて前記第1の領域に設けられるとともに前記第1の領域と前記第2の領域との境界部分に端部が位置する第2の線状体と、を備え、
    前記第1の線状体と前記第2の線状体とは、互いに異なる伸縮性を有する、アッパー。
  2. 前記アッパー本体は、着用者の足の前足部を覆うアッパー前足部と、足の中足部を覆うアッパー中足部と、足の後足部を覆うアッパー後足部と、を備え、
    前記アッパー本体には、足を挿入するための履き口が形成され、
    前記第2の領域は、前記アッパー前足部、前記アッパー中足部及び前記アッパー後足部のうち少なくとも1つに形成されている、請求項1に記載のアッパー。
  3. 前記第2の領域は、前記アッパー前足部及び前記アッパー中足部のうち少なくとも一方において前記アッパー本体の足幅方向に延びている、請求項2に記載のアッパー。
  4. 前記第2の領域は、前記履き口の縁に沿って延びている、請求項2又は3に記載のアッパー。
  5. 前記第2の領域は、前記履き口の前方に前記履き口と隣接して形成されている、請求項2から4のいずれか1項に記載のアッパー。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のアッパーと、
    前記アッパーの下方に位置するソールと、を備える、シューズ。
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