JP2023028018A - 定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着部材を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくする。【解決手段】加熱手段によって加熱されてトナー像Tを加熱してシートPの表面に定着する定着ローラ21(定着部材)と、定着ローラ21に圧接することでシートPが搬送されるニップ部を形成する加圧ローラ31(加圧部材)と、が設けられている。そして、加熱手段は、定着ローラ21における最大通紙領域Xにおいて隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータ26A~26Pである。そして、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御される。【選択図】図3
Description
この発明は、トナー像を加熱してシートの表面に定着する定着装置と、それを備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置と、に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置における定着装置において、定着部材(定着ローラ)を加熱手段で加熱して、定着部材と加圧部材(加圧ローラ)とのニップ部に搬送されるシートの表面に転写されたトナー像を定着する技術が広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
一方、特許文献1には、フリッカー規制値を満足することなどを目的として、幅方向に分割された複数の領域をそれぞれ加熱する複数の棒状ヒータによって、定着部材を加熱する技術が開示されている。
従来の定着装置は、定着部材を加熱するために要する消費電力が大きく、複数の棒状ヒータをオン・オフするときに生じる電圧変化も小さくなくてフリッカーなどが充分に抑止されていなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、定着部材を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる、定着装置、及び、画像形成装置を提供することにある。
この発明における定着装置は、加熱手段によって加熱されて、トナー像を加熱してシートの表面に定着する定着部材と、前記定着部材に圧接することでシートが搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、を備え、前記加熱手段は、前記定着部材における最大通紙領域において隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータであって、前記複数のスポットヒータは、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御されるものである。
本発明によれば、定着部材を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる、定着装置、及び、画像形成装置を提供することができる。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
まず、図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収容される給紙部、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、を示す。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、2は入力画像情報に基づいたレーザ光を発する書込み部、3は原稿Dを原稿読込部4に搬送する原稿搬送部、4は原稿Dの画像情報を読み込む原稿読込部、を示す。
また、7は用紙等のシートPが収容される給紙部、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される感光体ドラム、を示す。
また、12は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面を帯電する帯電部、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成される静電潜像を現像する現像部、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成されたトナー像をシートPの表面に重ねて転写する1次転写ローラ、15は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に残留した未転写トナーを回収するクリーニング部、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写ローラ、20はシートP上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
また、16は中間転写ベルト17を清掃する中間転写ベルトクリーニング部、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写ローラ、20はシートP上のトナー像(未定着画像)を定着する定着装置、を示す。
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作(印刷動作)について説明する。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
まず、原稿Dは、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス5上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス5上に載置された原稿Dの画像情報が光学的に読み取られる。
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス5上の原稿Dの画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿Dにて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿Dのカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部2に送信される。そして、書込み部2からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光(露光光)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に向けて発せられる。
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、図1の反時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電部12との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面には、帯電電位が形成される。
その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する(露光工程である。)。詳しくは、書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる。
その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光の照射位置に達する(露光工程である。)。詳しくは、書込み部2において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる。
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向、幅方向)に走査される。こうして、帯電部12にて帯電された後の感光体ドラム11Y上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像部13との対向位置に達する。そして、各現像部13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成された潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写ローラ14が設置されている。そして、1次転写ローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング部15との対向位置に達する。そして、クリーニング部15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、図1の時計方向に走行して、2次転写ローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写ローラ18との対向位置で、シートP上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング部16の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング部16に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
ここで、中間転写ベルト17と2次転写ローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートPは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送経路を通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送経路を通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、フルカラー画像が転写されたシートPは、搬送ベルトによって定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップ部(定着ニップ)にて、カラー画像(トナー像)がシートPの表面に定着される(定着工程である。)。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって、装置本体1の外部に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって、装置本体1の外部に出力画像として排出されて、一連の画像形成プロセス(印刷動作)が完了する。
次に、図2等を用いて、画像形成装置本体1に設置される定着装置20の構成・動作について詳述する。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ローラ21、加熱手段としてのヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)、加圧部材としての加圧ローラ31、複数の温度検知手段としての温度センサ40A~40E、等で構成されている。
図2に示すように、定着装置20は、定着部材としての定着ローラ21、加熱手段としてのヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)、加圧部材としての加圧ローラ31、複数の温度検知手段としての温度センサ40A~40E、等で構成されている。
ここで、定着部材としての定着ローラ21(定着回転体)は、ステンレス鋼などの金属材料からなる中空構造の芯金21a上に、被覆層21b(弾性層と離型層とが積層されたものである。)が形成された多層構造のローラ部材であって、加圧部材としての加圧ローラ31に圧接してニップ部(定着ニップ)を形成している。
定着ローラ21の被覆層21bにおける弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ローラ21の被覆層21bにおける離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等で形成されている。定着ローラ21の表層に離型層を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保されることになる。定着ローラ21は、駆動モータ51によって図2の時計方向に回転駆動される。
定着ローラ21の被覆層21bにおける弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。定着ローラ21の被覆層21bにおける離型層は、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)等で形成されている。定着ローラ21の表層に離型層を設けることにより、トナーT(トナー像)に対する離型性(剥離性)が担保されることになる。定着ローラ21は、駆動モータ51によって図2の時計方向に回転駆動される。
中空構造の定着ローラ21(芯金21a)の内部には、加熱手段としてのヒータユニット25が着脱可能に設置されている。
そして、画像形成装置本体1のメインスイッチがオン(電源オン)された状態で、電源部91からヒータユニット25に電力が供給される。そして、ヒータユニット25からの輻射熱によって定着ローラ21が加熱されて、さらに加熱された定着ローラ21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。すなわち、定着ローラ21(定着部材)は、加熱手段によって加熱されて、トナー像Tを加熱してシートPの表面に定着するものである。
なお、本実施の形態において、加熱手段として機能するヒータユニット25は、複数のスポットヒータ26A~26P(図3参照)からなるものであるが、これについては後で詳しく説明する。
また、ヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)の出力制御は、幅方向(図2の紙面垂直方向であって、図3の左右方向である。)に隙間をあけて並設された複数の温度検知手段としての温度センサ40A~40Eによるローラ表面温度の検知結果に基づいておこなわれるが、これについても後で詳しく説明する。
そして、画像形成装置本体1のメインスイッチがオン(電源オン)された状態で、電源部91からヒータユニット25に電力が供給される。そして、ヒータユニット25からの輻射熱によって定着ローラ21が加熱されて、さらに加熱された定着ローラ21の表面からシートP上のトナー像Tに熱が加えられる。すなわち、定着ローラ21(定着部材)は、加熱手段によって加熱されて、トナー像Tを加熱してシートPの表面に定着するものである。
なお、本実施の形態において、加熱手段として機能するヒータユニット25は、複数のスポットヒータ26A~26P(図3参照)からなるものであるが、これについては後で詳しく説明する。
また、ヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)の出力制御は、幅方向(図2の紙面垂直方向であって、図3の左右方向である。)に隙間をあけて並設された複数の温度検知手段としての温度センサ40A~40Eによるローラ表面温度の検知結果に基づいておこなわれるが、これについても後で詳しく説明する。
また、加圧部材としての加圧ローラ31は、主として、芯金32と、芯金32の外周面を覆う被覆層としての弾性層33と、からなるローラ部材である。
加圧ローラ31の弾性層33(被覆層)は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けて、弾性層33と離型層とで被覆層を構成することもできる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって定着ローラ21に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ローラ21との間に、所望のニップ部が形成される。
加圧ローラ31は、定着ローラ21の回転にともない、図2の反時計方向に従動回転する。
加圧ローラ31の弾性層33(被覆層)は、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム、等の材料で形成されている。なお、弾性層33の表層にPFA等からなる薄肉の離型層を設けて、弾性層33と離型層とで被覆層を構成することもできる。
そして、加圧ローラ31は、不図示の加圧機構によって定着ローラ21に圧接する。こうして、加圧ローラ31と定着ローラ21との間に、所望のニップ部が形成される。
加圧ローラ31は、定着ローラ21の回転にともない、図2の反時計方向に従動回転する。
上述のように構成された定着装置20は、次のように動作する。
装置本体1のメインスイッチが投入されると、電源部91からヒータユニット25に交流電圧が印加(給電)される。
そして、印刷指令(プリント要求)が入力されると、不図示の駆動モータ(駆動機構)によって定着ローラ21の時計方向の回転駆動が開始されて、加圧ローラ31の反時計方向の従動回転が開始される。その後、給紙部7からシートPが給送されて、2次転写ローラ18の位置で、中間転写ベルト17上のトナー像がシートP上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、図2の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ローラ31の押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。そして、定着工程後のシートPは、回転する定着ローラ21及び加圧ローラ31によって、ニップ部から矢印方向に送出される。
装置本体1のメインスイッチが投入されると、電源部91からヒータユニット25に交流電圧が印加(給電)される。
そして、印刷指令(プリント要求)が入力されると、不図示の駆動モータ(駆動機構)によって定着ローラ21の時計方向の回転駆動が開始されて、加圧ローラ31の反時計方向の従動回転が開始される。その後、給紙部7からシートPが給送されて、2次転写ローラ18の位置で、中間転写ベルト17上のトナー像がシートP上に未定着画像として担持される。未定着画像T(トナー像)が担持されたシートPは、図2の矢印方向に搬送されて、圧接状態にある定着ローラ21及び加圧ローラ31のニップ部に送入される。そして、定着ローラ21による加熱と、定着ローラ21及び加圧ローラ31の押圧力とによって、シートPの表面にトナー像Tが定着される。そして、定着工程後のシートPは、回転する定着ローラ21及び加圧ローラ31によって、ニップ部から矢印方向に送出される。
以下、本実施の形態における定着装置20(画像形成装置1)において、特徴的な構成・動作について詳しく説明する。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20には、定着部材としての定着ローラ21を加熱する加熱手段が設けられている。
ここで、図2、図3に示すように、本実施の形態では、定着ローラ21を加熱する加熱手段として、定着ローラ(定着部材)における最大通紙領域X(本実施の形態では、B4縦サイズである。)において隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータ26A~26P(本実施の形態では、16個のスポットヒータである。)を用いている。
先に図2等を用いて説明したように、本実施の形態における定着装置20には、定着部材としての定着ローラ21を加熱する加熱手段が設けられている。
ここで、図2、図3に示すように、本実施の形態では、定着ローラ21を加熱する加熱手段として、定着ローラ(定着部材)における最大通紙領域X(本実施の形態では、B4縦サイズである。)において隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータ26A~26P(本実施の形態では、16個のスポットヒータである。)を用いている。
詳しくは、中空構造の定着ローラ21(芯金21a)の内部には、ヒータユニット25が着脱可能に設置されている。このヒータユニット25は、16個のスポットヒータ26A~26Pが基板27上に配列されたものである。
これらの複数のスポットヒータ26A~26Pは、互いに同等に構成された複数のハロゲンスポットヒータである。すなわち、16個のスポットヒータ26A~26Pは、共通化された部品として構成されている。これにより、ヒータユニット25が低コスト化されるとともに、後述するスポットヒータ26A~26Pの交換などのメンテナンス作業が容易になる。
また、スポットヒータ26A~26Pとしてハロゲンスポットヒータを用いることで、その制御が複雑化することなく、定着ローラ21に対する加熱効率を高めることができる。
これらの複数のスポットヒータ26A~26Pは、互いに同等に構成された複数のハロゲンスポットヒータである。すなわち、16個のスポットヒータ26A~26Pは、共通化された部品として構成されている。これにより、ヒータユニット25が低コスト化されるとともに、後述するスポットヒータ26A~26Pの交換などのメンテナンス作業が容易になる。
また、スポットヒータ26A~26Pとしてハロゲンスポットヒータを用いることで、その制御が複雑化することなく、定着ローラ21に対する加熱効率を高めることができる。
スポットヒータ26A~26Pは、棒状(ライン状)のヒータとは異なり、周状の広がりなくほぼ一定方向(図2の黒矢印方向である。)に輻射熱を放射するものである。具体的に、スポットヒータ26A~26Pは、短い略円筒状の筐体内にフィラメントが設置されていて、その略円筒状筐体の天井面(放射面であって、石英ガラスなどで形成されている。)から輻射熱が放射される。
そして、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれニップ部(定着ニップ)の方向に輻射熱が放射されないように配置されている。すなわち、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれニップ部(定着ニップ)の方向とは異なる方向に輻射熱が放射されるように配置されている。具体的に、本実施の形態では、16個のスポットヒータ26A~26Pの天井面(放射面)がすべて図2の黒矢印方向に向くように配置されている。
このように構成することで、スポットヒータ26A~26Pによって定着ローラ21のニップ部に相当する部分が直接的に加熱されないことになるため、ニップ部が直接的に加熱される場合に比べて、定着温度のムラが生じてしまったとしても直接的に加熱された部分がニップ部に至る間にそのムラがならされることになり、良好な定着画像を形成することができる。
そして、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれニップ部(定着ニップ)の方向に輻射熱が放射されないように配置されている。すなわち、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれニップ部(定着ニップ)の方向とは異なる方向に輻射熱が放射されるように配置されている。具体的に、本実施の形態では、16個のスポットヒータ26A~26Pの天井面(放射面)がすべて図2の黒矢印方向に向くように配置されている。
このように構成することで、スポットヒータ26A~26Pによって定着ローラ21のニップ部に相当する部分が直接的に加熱されないことになるため、ニップ部が直接的に加熱される場合に比べて、定着温度のムラが生じてしまったとしても直接的に加熱された部分がニップ部に至る間にそのムラがならされることになり、良好な定着画像を形成することができる。
また、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、幅方向(図3の左右方向である。)に略均等に配列されている。
これにより、定着ローラ21を幅方向にわたって略均一に加熱することが可能になる。特に、本実施の形態では、複数のスポットヒータ26A~26Pが共通部品化されているため、そのように配列することが有用になる。
なお、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が広すぎると、その部分に相当する定着ローラ21の表面の温度が低くなって、幅方向の温度ムラが生じてしまう可能性がある。また、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が狭すぎると、スポットヒータの数が多くなってしまうとともに、後述するスポットヒータの着脱作業が難しくなる。これらのことを考慮して、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が適正化されている。
これにより、定着ローラ21を幅方向にわたって略均一に加熱することが可能になる。特に、本実施の形態では、複数のスポットヒータ26A~26Pが共通部品化されているため、そのように配列することが有用になる。
なお、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が広すぎると、その部分に相当する定着ローラ21の表面の温度が低くなって、幅方向の温度ムラが生じてしまう可能性がある。また、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が狭すぎると、スポットヒータの数が多くなってしまうとともに、後述するスポットヒータの着脱作業が難しくなる。これらのことを考慮して、隣接するスポットヒータ同士の隙間(間隔)が適正化されている。
ここで、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御されるように構成している。
詳しくは、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ基板27に形成された回路(切替回路92を含む。)に接続されている。そして、制御部90による制御によって、電源部91(PSU)から供給される電力(電圧)を、複数のスポットヒータ26A~26Pのすべてに供給して全灯したり、1つ又はいくつかのスポットヒータのみに供給して点灯して他のスポットヒータは消灯したり、切替回路92によって切り替えられる。ただし、どのようなスポットヒータの切替がおこなわれたとしても、電力供給されたスポットヒータの電力(電圧)の大きさが略一定になるように(オン時の熱量が略一定になるように)、回路が構成されている。
なお、制御部90でおこなわれる制御は、シーケンス制御であって、有接点リレー方式、無接点リレー方式、プログラマブル・ロジック・コントローラ方式などの制御方式が採用されている。
また、これらの制御を可能とするため、制御部90には、記憶部、演算部、IOB(インプット・アウトプット・ボード)、AC制御板などが設けられている。
詳しくは、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ基板27に形成された回路(切替回路92を含む。)に接続されている。そして、制御部90による制御によって、電源部91(PSU)から供給される電力(電圧)を、複数のスポットヒータ26A~26Pのすべてに供給して全灯したり、1つ又はいくつかのスポットヒータのみに供給して点灯して他のスポットヒータは消灯したり、切替回路92によって切り替えられる。ただし、どのようなスポットヒータの切替がおこなわれたとしても、電力供給されたスポットヒータの電力(電圧)の大きさが略一定になるように(オン時の熱量が略一定になるように)、回路が構成されている。
なお、制御部90でおこなわれる制御は、シーケンス制御であって、有接点リレー方式、無接点リレー方式、プログラマブル・ロジック・コントローラ方式などの制御方式が採用されている。
また、これらの制御を可能とするため、制御部90には、記憶部、演算部、IOB(インプット・アウトプット・ボード)、AC制御板などが設けられている。
このように複数のスポットヒータ26A~26Pをそれぞれ別々にオン・オフ可能に制御することで、複数の棒状ヒータをオン・オフする場合に比べて、定着ローラ21を加熱するために要する消費電力が小さくなり、加熱手段(スポットヒータ26A~26P)をオン・オフするときに生じる電圧変化も充分に小さくすることができる。そのため、画像形成装置1の維持費が安くなるとともに、フリッカー(商用電源に接続された画像形成装置1が設置された室内において蛍光灯がちらつく現象である。)の発生も軽減することができる。
ここで、図4(A)を参照して、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、2つ以上のスポットヒータがオン・オフされるときに、そのオン・オフが開始されるタイミングが互いにずれるように制御される。
換言すると、制御部90によるシーケンス制御によって、複数のスポットヒータ26A~26Pは、タイミングをオーバラップして連続的に順次点灯したり消灯したりすることになる。
換言すると、制御部90によるシーケンス制御によって、複数のスポットヒータ26A~26Pは、タイミングをオーバラップして連続的に順次点灯したり消灯したりすることになる。
具体例として、図4(A)に示すように、3つのスポットヒータ(第1~第3スポットヒータ)がオン(点灯)されるとき、図5(A)に示すもののように同時にオンされるのではなくて、僅かな時間差をもってオンされる。同様に、3つのスポットヒータ(第1~第3スポットヒータ)がオフ(消灯)されるとき、図5(A)に示すもののように同時にオフされるのではなくて、僅かな時間差をもってオフされる。
このように制御することで、図5(B)において破線で囲んだ部分に示すように、電源部91から定着装置20(ヒータユニット25)に供給される電圧(電力)が急激に変化することなく、図4(B)において破線で囲んだ部分に示すように、電源部91から定着装置20(ヒータユニット25)に供給される電圧(電力)が比較的緩やかに変化することになる。そのため、フリッカーの発生を軽減することができる。
このように制御することで、図5(B)において破線で囲んだ部分に示すように、電源部91から定着装置20(ヒータユニット25)に供給される電圧(電力)が急激に変化することなく、図4(B)において破線で囲んだ部分に示すように、電源部91から定着装置20(ヒータユニット25)に供給される電圧(電力)が比較的緩やかに変化することになる。そのため、フリッカーの発生を軽減することができる。
ここで、図2、図3に示すように、本実施の形態における定着装置20には、定着ローラ21(定着部材)の温度(表面温度)を検知する複数の温度検知手段としての温度センサ40A~40Eが、幅方向に隙間をあけて並設されている。
具体的に、本実施の形態では、幅方向の中央位置Mと、両端部と、中央位置Mと両端部とのほぼ中間の位置と、に計5つの温度センサ40A~40Eが設置されている。
具体的に、本実施の形態では、幅方向の中央位置Mと、両端部と、中央位置Mと両端部とのほぼ中間の位置と、に計5つの温度センサ40A~40Eが設置されている。
そして、複数のスポットヒータ26A~26Pは、複数の温度センサ40A~40E(温度検知手段)の検知結果に基づいてそれぞれ別々にオン・オフされるものである。
詳しくは、複数の温度センサ40A~40Eによって検知される温度がそれぞれ狙いの温度になるように、制御部90によって複数のスポットヒータ26A~26Pがそれぞれ別々にオン・オフ制御されることになる。具体例として、片側端部に設置された温度センサ40Aの検知温度が、狙いの温度よりも低くなったときには片側端部のスポットヒータ26Aがオンされて、狙いの温度よりも高くなったときには片側端部のスポットヒータ26Aがオフされる。また、A5縦サイズのシートPが通紙されるときであって、中央位置Mの温度センサ40Cの両隣の温度センサ40B、40Dの検知温度が狙いの温度であって、中央位置Mの温度センサ40Cの検知温度が、狙いの温度よりも低くなったときにはA5縦サイズに対応したスポットヒータ26E~26Lがオンされて、狙いの温度よりも高くなったときにはそれらのスポットヒータ26E~26Lがオフされる。
このように複数の温度センサ40A~40Eを用いて複数のスポットヒータ26A~26Pをそれぞれ別々にオン・オフ制御することで、定着ローラ21の温度(定着温度)を狙いの温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
なお、本実施の形態では、低コスト化のため5つの温度センサ40A~40Eを設けたが、16個のスポットヒータ26A~26Pの幅方向の位置に合わせて、それと同数(16個)の温度センサを幅方向に並設することもできる。その場合には、温度センサの検知温度に基づく複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御が簡素化されることになる。
詳しくは、複数の温度センサ40A~40Eによって検知される温度がそれぞれ狙いの温度になるように、制御部90によって複数のスポットヒータ26A~26Pがそれぞれ別々にオン・オフ制御されることになる。具体例として、片側端部に設置された温度センサ40Aの検知温度が、狙いの温度よりも低くなったときには片側端部のスポットヒータ26Aがオンされて、狙いの温度よりも高くなったときには片側端部のスポットヒータ26Aがオフされる。また、A5縦サイズのシートPが通紙されるときであって、中央位置Mの温度センサ40Cの両隣の温度センサ40B、40Dの検知温度が狙いの温度であって、中央位置Mの温度センサ40Cの検知温度が、狙いの温度よりも低くなったときにはA5縦サイズに対応したスポットヒータ26E~26Lがオンされて、狙いの温度よりも高くなったときにはそれらのスポットヒータ26E~26Lがオフされる。
このように複数の温度センサ40A~40Eを用いて複数のスポットヒータ26A~26Pをそれぞれ別々にオン・オフ制御することで、定着ローラ21の温度(定着温度)を狙いの温度(目標制御温度)に調整制御することができる。
なお、本実施の形態では、低コスト化のため5つの温度センサ40A~40Eを設けたが、16個のスポットヒータ26A~26Pの幅方向の位置に合わせて、それと同数(16個)の温度センサを幅方向に並設することもできる。その場合には、温度センサの検知温度に基づく複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御が簡素化されることになる。
ここで、図3を参照して、本実施の形態では、ニップ部を通過するシートPの幅方向サイズに基づいて、複数のスポットヒータ26A~26Pがそれぞれ別々にオン・オフされる。
具体例として、図3を参照して、最大サイズのB4縦サイズのシートPが搬送されるときには、16個のスポットヒータ26A~26Pのすべてがオンされる。これに対して、LT縦サイズのシートPが搬送されるときには、両端を除く14個のスポットヒータ26B~26Oがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A、26Pがオフされる。また、A4縦サイズのシートPが搬送されるときには、12個のスポットヒータ26C~26Nがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A、26B、26O、26Pがオフされる。また、B5縦サイズのシートPが搬送されるときには、10個のスポットヒータ26D~26Mがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A~26C、26N~26Pがオフされる。また、最小サイズのA5縦サイズのシートPが搬送されるときには、8個のスポットヒータ26E~26Lがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A~26D、26M~26Pがオフされる。
このような制御をおこなうことで、定着ローラ21の非通紙領域が過昇温してしまう不具合を抑止することができる。
なお、このようなシートサイズに応じた複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御をベースとしつつ、先に説明した複数の温度センサ40A~40Eの検知温度に基づいた複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御をおこなうことで、通紙領域の定着温度を狙いの温度にきめ細かく調整制御することができるとともに、非通紙領域の過昇温(シートPによって熱が奪われずに生じる現象である。)を防止することができる。
具体例として、図3を参照して、最大サイズのB4縦サイズのシートPが搬送されるときには、16個のスポットヒータ26A~26Pのすべてがオンされる。これに対して、LT縦サイズのシートPが搬送されるときには、両端を除く14個のスポットヒータ26B~26Oがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A、26Pがオフされる。また、A4縦サイズのシートPが搬送されるときには、12個のスポットヒータ26C~26Nがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A、26B、26O、26Pがオフされる。また、B5縦サイズのシートPが搬送されるときには、10個のスポットヒータ26D~26Mがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A~26C、26N~26Pがオフされる。また、最小サイズのA5縦サイズのシートPが搬送されるときには、8個のスポットヒータ26E~26Lがオンされて、それ以外のスポットヒータ26A~26D、26M~26Pがオフされる。
このような制御をおこなうことで、定着ローラ21の非通紙領域が過昇温してしまう不具合を抑止することができる。
なお、このようなシートサイズに応じた複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御をベースとしつつ、先に説明した複数の温度センサ40A~40Eの検知温度に基づいた複数のスポットヒータ26A~26Pのオン・オフ制御をおこなうことで、通紙領域の定着温度を狙いの温度にきめ細かく調整制御することができるとともに、非通紙領域の過昇温(シートPによって熱が奪われずに生じる現象である。)を防止することができる。
また、図6を参照して、本実施の形態では、ニップ部を通過するシートPの表面に形成されたトナー像Tに応じて、複数のスポットヒータ26A~26Pがそれぞれ別々にオン・オフされる。
具体例として、図6(A)を参照して、A4縦サイズのシートPの表面の一端側にのみ帯状の画像G(ベタ画像)が形成されていているときには、そのサイズに対応する14個のスポットヒータ26C~26Nのうち、その画像位置に対応するスポットヒータ26E、26Fがオンされて(又は、デューティが高く設定されて)、それ以外のスポットヒータ26C、26D、26G~26Nがオフされる(又は、デューティが低く設定される)。また、図6(B)を参照して、A4縦サイズのシートPの表面の他端側にのみ帯状の画像G(ベタ画像)が形成されていているときには、そのサイズに対応する14個のスポットヒータ26C~26Nのうち、その画像位置に対応するスポットヒータ26I~26Lがオンされて(又は、デューティが高く設定されて)、それ以外のスポットヒータ26C~26H、26M、26Nがオフされる(又は、デューティが低く設定される)。
このような制御をおこなうのは、シートP上において、画像Gが形成された部分(特に、ベタ画像のように画像濃度が高い部分)は、画像が形成されていない部分(又は、画像濃度が低い部分)に比べて、画像(トナー像)の定着に要する熱量が高くなるためである。
このような制御をおこなうことで、無駄に電力を消費することなく、効率的に良好な定着画像を形成することができる。
なお、シートPの表面に形成されるトナー像(画像G)の情報は、書込み部2(図1、図2参照)において取得される画像情報に基づくものとすることができる。
また、本実施の形態において、シートP上において、幅方向の位置ごとに搬送方向に形成される画像Gの画像面積率(累積的な画像濃度)に応じて、幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティ(オンされる比率)が可変されるように制御することもできる。具体的に、画像面積率が高い幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティは高くなるように制御されて、画像面積率が低い幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティは低くなるように制御されることになる。このような制御をおこなうことで、上述した効果がさらに発揮されやすくなる。
具体例として、図6(A)を参照して、A4縦サイズのシートPの表面の一端側にのみ帯状の画像G(ベタ画像)が形成されていているときには、そのサイズに対応する14個のスポットヒータ26C~26Nのうち、その画像位置に対応するスポットヒータ26E、26Fがオンされて(又は、デューティが高く設定されて)、それ以外のスポットヒータ26C、26D、26G~26Nがオフされる(又は、デューティが低く設定される)。また、図6(B)を参照して、A4縦サイズのシートPの表面の他端側にのみ帯状の画像G(ベタ画像)が形成されていているときには、そのサイズに対応する14個のスポットヒータ26C~26Nのうち、その画像位置に対応するスポットヒータ26I~26Lがオンされて(又は、デューティが高く設定されて)、それ以外のスポットヒータ26C~26H、26M、26Nがオフされる(又は、デューティが低く設定される)。
このような制御をおこなうのは、シートP上において、画像Gが形成された部分(特に、ベタ画像のように画像濃度が高い部分)は、画像が形成されていない部分(又は、画像濃度が低い部分)に比べて、画像(トナー像)の定着に要する熱量が高くなるためである。
このような制御をおこなうことで、無駄に電力を消費することなく、効率的に良好な定着画像を形成することができる。
なお、シートPの表面に形成されるトナー像(画像G)の情報は、書込み部2(図1、図2参照)において取得される画像情報に基づくものとすることができる。
また、本実施の形態において、シートP上において、幅方向の位置ごとに搬送方向に形成される画像Gの画像面積率(累積的な画像濃度)に応じて、幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティ(オンされる比率)が可変されるように制御することもできる。具体的に、画像面積率が高い幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティは高くなるように制御されて、画像面積率が低い幅方向位置に対応するスポットヒータのデューティは低くなるように制御されることになる。このような制御をおこなうことで、上述した効果がさらに発揮されやすくなる。
ここで、図7を参照して、本実施の形態において、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ別々に着脱可能に構成されている。
詳しくは、定着装置20は、その筐体に、ネジ締結によってヒータユニット25が固定されている。そして、そのネジ締結を解除することで、定着ローラ21の幅方向一端側からヒータユニット25を抜き取ることができる。そして、抜き取ったヒータユニット25から、図7に示すように、メンテナンス(部品交換も含む。)を要するスポットヒータ26F、26Gを矢印方向に取り出す。そして、ヒータユニット25にメンテナンス後のスポットヒータ26F、26Gを矢印方向の逆方向に装着して、そのヒータユニット25を定着装置20に装着することになる。なお、図7では、2つのスポットヒータ26F、26Gを取り出した状態を図示しているが、その他のスポットヒータも同じように着脱可能に構成されている。また、このようなスポットヒータ26A~26Pの着脱動作に連動して、基板27の回路の端子に対するスポットヒータ26A~26Pの端子の接続・接続解除がおこなわれることになる。
このように構成することで、ヒータユニット25のメンテナンス性が向上するとともに、メンテナンスに要するコストも低く抑えることができる。
詳しくは、定着装置20は、その筐体に、ネジ締結によってヒータユニット25が固定されている。そして、そのネジ締結を解除することで、定着ローラ21の幅方向一端側からヒータユニット25を抜き取ることができる。そして、抜き取ったヒータユニット25から、図7に示すように、メンテナンス(部品交換も含む。)を要するスポットヒータ26F、26Gを矢印方向に取り出す。そして、ヒータユニット25にメンテナンス後のスポットヒータ26F、26Gを矢印方向の逆方向に装着して、そのヒータユニット25を定着装置20に装着することになる。なお、図7では、2つのスポットヒータ26F、26Gを取り出した状態を図示しているが、その他のスポットヒータも同じように着脱可能に構成されている。また、このようなスポットヒータ26A~26Pの着脱動作に連動して、基板27の回路の端子に対するスポットヒータ26A~26Pの端子の接続・接続解除がおこなわれることになる。
このように構成することで、ヒータユニット25のメンテナンス性が向上するとともに、メンテナンスに要するコストも低く抑えることができる。
<変形例>
図8に示すように、変形例における定着装置20は、ベルト式定着装置(定着部材として定着ベルト22が用いられた定着装置である。)であって、加熱ローラ24の内部に加熱手段としてのヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)を設置している。詳しくは、定着ベルト22は、定着補助ローラ23、加熱ローラ24、テンションローラなどの複数のローラ部材によって張架・支持されている。また、定着補助ローラ23は、定着ベルト22を介して加圧ローラ31に圧接してニップ部を形成している。さらに、中空構造の加熱ローラ24の内部には、ヒータユニット25が固設されている。
そして、変形例においても、複数のスポットヒータ26A~26Pを、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御するようにしている。
これにより、定着ベルト22を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる。
図8に示すように、変形例における定着装置20は、ベルト式定着装置(定着部材として定着ベルト22が用いられた定着装置である。)であって、加熱ローラ24の内部に加熱手段としてのヒータユニット25(複数のスポットヒータ26A~26P)を設置している。詳しくは、定着ベルト22は、定着補助ローラ23、加熱ローラ24、テンションローラなどの複数のローラ部材によって張架・支持されている。また、定着補助ローラ23は、定着ベルト22を介して加圧ローラ31に圧接してニップ部を形成している。さらに、中空構造の加熱ローラ24の内部には、ヒータユニット25が固設されている。
そして、変形例においても、複数のスポットヒータ26A~26Pを、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御するようにしている。
これにより、定着ベルト22を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる。
以上説明したように、本実施の形態における定着装置20は、加熱手段によって加熱されてトナー像Tを加熱してシートPの表面に定着する定着ローラ21(定着部材)と、定着ローラ21に圧接することでシートPが搬送されるニップ部を形成する加圧ローラ31(加圧部材)と、が設けられている。そして、加熱手段は、定着ローラ21における最大通紙領域Xにおいて隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータ26A~26Pである。そして、複数のスポットヒータ26A~26Pは、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御される。
これにより、定着ローラ21を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる。
これにより、定着ローラ21を加熱するために要する消費電力が小さく、加熱手段をオン・オフするときに生じる電圧変化を充分に小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、加圧部材として加圧ローラ31を用いたが、加圧部材はこれらに限定されることなく、例えば、加圧部材として加圧ベルトを用いることもできる。
また、本実施の形態において、加圧ローラ31(加圧部材)を加熱するように構成する場合に、中空構造の加圧ローラ31(芯金32)の内部に、複数のスポットヒータを幅方向に隙間をあけて並設することもできる。その場合、加圧ローラ31に対する加熱効率を高めることができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態において、加圧ローラ31(加圧部材)を加熱するように構成する場合に、中空構造の加圧ローラ31(芯金32)の内部に、複数のスポットヒータを幅方向に隙間をあけて並設することもできる。その場合、加圧ローラ31に対する加熱効率を高めることができる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
なお、本願明細書等において、「幅方向」とは、シートの搬送方向に対して直交する方向であるものと定義する。
また、本願明細書等において、「シート」とは、紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルムシート等のシート状の記録媒体のすべてを含むものと定義する。
また、本願明細書等において、「シート」とは、紙(用紙)の他に、コート紙、ラベル紙、OHPシート、フィルムシート等のシート状の記録媒体のすべてを含むものと定義する。
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20 定着装置、
21 定着ローラ(定着部材)、
25 ヒータユニット(加熱手段)、
26A~26P スポットヒータ(加熱手段)、
27 基板、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
40A~40E 温度センサ(温度検知手段)、
X 最大通紙領域、
P シート(記録媒体)、 G 画像。
20 定着装置、
21 定着ローラ(定着部材)、
25 ヒータユニット(加熱手段)、
26A~26P スポットヒータ(加熱手段)、
27 基板、
31 加圧ローラ(加圧部材)、
40A~40E 温度センサ(温度検知手段)、
X 最大通紙領域、
P シート(記録媒体)、 G 画像。
Claims (11)
- 加熱手段によって加熱されて、トナー像を加熱してシートの表面に定着する定着部材と、
前記定着部材に圧接することでシートが搬送されるニップ部を形成する加圧部材と、
を備え、
前記加熱手段は、前記定着部材における最大通紙領域において隙間をあけて幅方向に並設された複数のスポットヒータであって、
前記複数のスポットヒータは、それぞれ別々にオン・オフ可能に制御されることを特徴とする定着装置。 - 前記複数のスポットヒータは、互いに同等に構成された複数のハロゲンスポットヒータであることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記複数のスポットヒータは、幅方向に略均等に配列されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
- 前記複数のスポットヒータは、2つ以上のスポットヒータがオン・オフされるときに、そのオン・オフが開始されるタイミングが互いにずれるように制御されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の定着装置。
- 前記定着部材の温度を検知する複数の温度検知手段が、幅方向に隙間をあけて並設されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の定着装置。
- 前記複数のスポットヒータは、前記複数の温度検知手段の検知結果に基づいてそれぞれ別々にオン・オフされることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
- 前記ニップ部を通過するシートの幅方向サイズに基づいて、前記複数のスポットヒータがそれぞれ別々にオン・オフされることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の定着装置。
- 前記ニップ部を通過するシートの表面に形成されたトナー像に応じて、前記複数のスポットヒータがそれぞれ別々にオン・オフされることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の定着装置。
- 前記複数のスポットヒータは、それぞれ別々に着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の定着装置。
- 前記複数のスポットヒータは、それぞれ前記ニップ部の方向に輻射熱が放射されないように配置されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の定着装置。
- 請求項1~請求項10のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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JP2021133452A JP2023028018A (ja) | 2021-08-18 | 2021-08-18 | 定着装置、及び、画像形成装置 |
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