JP2023023982A - 撓み噛合い式歯車装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】規制部材又は外歯歯車の摩耗を抑制する。【解決手段】起振体30Aと、当該起振体により撓み変形する外歯歯車35と、当該外歯歯車と噛合う内歯歯車411,421と、外歯歯車と軸方向に対向して当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材51,52と、を備える撓み噛合い式歯車装置1であって、規制部材は、外歯歯車と軸方向に当接する本体部521と、当該本体部の径方向外側に位置し、外歯歯車の歯底331および歯先332と軸方向に対向する外側部522と、を有し、外側部の外歯歯車側の端面524は、本体部の外歯歯車側の端面523よりも反外歯歯車側に位置している。【選択図】図2
Description
本発明は、撓み噛合い式歯車装置に関する。
撓み噛合い式歯車装置は、可撓性を有する外歯歯車の軸方向の移動を規制するために、外歯歯車の軸方向の端部に対向してプレート状の規制部材が設けられている(例えば特許文献1を参照)。
上記撓み噛合い式歯車装置では、規制部材と外歯歯車の外歯の軸方向端面とが摺接するため、相互間での摩耗に関し改善の余地があった。
本発明は、規制部材又は外歯歯車の摩耗を抑制することを目的とする。
本発明は、
起振体と、
当該起振体により撓み変形する外歯歯車と、
当該外歯歯車と噛合う内歯歯車と、
前記外歯歯車と軸方向に対向して当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材と、
を備える撓み噛合い式歯車装置であって、
前記規制部材は、前記外歯歯車と軸方向に当接する本体部と、当該本体部の径方向外側に位置し、前記外歯歯車の歯底および歯先と軸方向に対向する外側部と、を有し、
前記外側部の前記外歯歯車側の端面は、前記本体部の前記外歯歯車側の端面よりも反外歯歯車側に位置している
撓み噛合い式歯車装置である。
起振体と、
当該起振体により撓み変形する外歯歯車と、
当該外歯歯車と噛合う内歯歯車と、
前記外歯歯車と軸方向に対向して当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材と、
を備える撓み噛合い式歯車装置であって、
前記規制部材は、前記外歯歯車と軸方向に当接する本体部と、当該本体部の径方向外側に位置し、前記外歯歯車の歯底および歯先と軸方向に対向する外側部と、を有し、
前記外側部の前記外歯歯車側の端面は、前記本体部の前記外歯歯車側の端面よりも反外歯歯車側に位置している
撓み噛合い式歯車装置である。
本発明によれば、規制部材又は外歯歯車の摩耗を抑制することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[撓み噛合い式歯車装置の全体構成]
図1は、本発明の実施形態である撓み噛合い式歯車装置1を示す軸方向断面図である。なお、図1では、撓み噛合い式歯車装置1の回転軸O1よりも上側部分が後述する起振体30Aの長軸に沿った方向を含む断面図、回転軸O1よりも下側部分が起振体30Aの短軸に沿った方向を含む断面図である。
ここで、以下の説明では、後述する回転軸O1に平行な方向を軸方向、回転軸O1を中心とする円周に沿った方向を周方向、回転軸O1を中心とする円周の半径に沿った方向を径方向という。
図1は、本発明の実施形態である撓み噛合い式歯車装置1を示す軸方向断面図である。なお、図1では、撓み噛合い式歯車装置1の回転軸O1よりも上側部分が後述する起振体30Aの長軸に沿った方向を含む断面図、回転軸O1よりも下側部分が起振体30Aの短軸に沿った方向を含む断面図である。
ここで、以下の説明では、後述する回転軸O1に平行な方向を軸方向、回転軸O1を中心とする円周に沿った方向を周方向、回転軸O1を中心とする円周の半径に沿った方向を径方向という。
撓み噛合い式歯車装置1は、例えば、減速装置である。撓み噛合い式歯車装置1の用途は特に限定されることなく、様々な用途に適用できる。
この撓み噛合い式歯車装置1は、起振体軸30、起振体軸受31、外歯歯車35、第1内歯部411(内歯歯車)、第2内歯部421(内歯歯車)、ケーシング43、第1カバー44、第2カバー45、入力軸受46、47、主軸受48及び規制部材としてのストッパーリング51、52を備える。
この撓み噛合い式歯車装置1は、起振体軸30、起振体軸受31、外歯歯車35、第1内歯部411(内歯歯車)、第2内歯部421(内歯歯車)、ケーシング43、第1カバー44、第2カバー45、入力軸受46、47、主軸受48及び規制部材としてのストッパーリング51、52を備える。
起振体軸30は、回転軸O1を中心に回転する中空筒状の軸であり、回転軸O1に垂直な断面の外形が非円形(例えば楕円状)の起振体30Aと、起振体30Aの軸方向の両側に設けられた軸部30B、30Cとを有する。楕円状は、幾何学的に厳密な楕円である必要はなく、略楕円を含む。軸部30B、30Cは、回転軸O1に垂直な断面の外形が円形の軸である。なお、起振体軸30は、中実軸であってもよい。
第1内歯部411は、剛性を有する内歯歯車としての第1内歯部材41の内周の一部に歯が設けられて構成される。
第2内歯部421は、剛性を有する第2内歯部材42の内周の一部に歯が設けられて構成される。
第2内歯部421は、剛性を有する第2内歯部材42の内周の一部に歯が設けられて構成される。
第1外歯部32と第2外歯部33とは、可撓性を有する一つの金属製の円筒状の基部34の外周において、軸方向の一方と他方とに並んで一体的に設けられている。これら第1外歯部32、第2外歯部33及び基部34は、外歯歯車35を構成している。
そして、第1外歯部32は、第1内歯部411と噛合し、第2外歯部33は、第2内歯部421と噛合している。
そして、第1外歯部32は、第1内歯部411と噛合し、第2外歯部33は、第2内歯部421と噛合している。
起振体軸受31は、例えばコロ軸受であり、起振体30Aと第1外歯部32及び第2外歯部33が形成された基部34との間に配置される。起振体30Aと第1外歯部32及び第2外歯部33とは、起振体軸受31を介して相対的に回転可能にされる。
起振体軸受31は、基部34の内側に嵌入される外輪31aと、複数の転動体(コロ)31bと、複数の転動体31bを保持する保持器31cとを有する。
複数の転動体31bは、第1外歯部32及び第1内歯部411の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体31bと、第2外歯部33及び第2内歯部421の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体31bとを有する。これらの転動体31bは、起振体30Aの外周面と外輪31aの内周面とを転走面として転動する。起振体軸受31は、起振体30Aとは別体の内輪を有してもよい。また、起振体軸受31は、外輪31aをなくして、基部34の内周面を外輪側転走面としてもよい。転動体の種類も特に限定されるものではなく、例えば玉でもよい。また、転動体の列数も2つに限定されるものではなく、1列でもよいし、3列以上でもよい。
起振体軸受31は、基部34の内側に嵌入される外輪31aと、複数の転動体(コロ)31bと、複数の転動体31bを保持する保持器31cとを有する。
複数の転動体31bは、第1外歯部32及び第1内歯部411の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第1群の転動体31bと、第2外歯部33及び第2内歯部421の径方向内方に配置され、周方向に並ぶ第2群の転動体31bとを有する。これらの転動体31bは、起振体30Aの外周面と外輪31aの内周面とを転走面として転動する。起振体軸受31は、起振体30Aとは別体の内輪を有してもよい。また、起振体軸受31は、外輪31aをなくして、基部34の内周面を外輪側転走面としてもよい。転動体の種類も特に限定されるものではなく、例えば玉でもよい。また、転動体の列数も2つに限定されるものではなく、1列でもよいし、3列以上でもよい。
ストッパーリング51、52は、外歯歯車35及び起振体軸受31の二つの外輪31aの軸方向の両側に配置され、外歯歯車35と各外輪31aの軸方向の移動を規制する。
ケーシング43は、第2内歯部材42の外周側を覆う。ケーシング43の内周部には、主軸受48の外輪部が形成されており、主軸受48を介して第2内歯部材42を回転自在に支持している。ケーシング43は、例えば、ボルトのような連結部材431を介して第1内歯部材41と連結される。
主軸受48は、例えば、クロスローラ軸受であり、第2内歯部材42と一体化された内輪部とケーシング43と一体化された外輪部との間に配置される複数の転動体とを有する。なお、主軸受48は、第2内歯部材42とケーシング43との間で、軸方向に離間した複数の軸受(アンギュラ玉軸受、テーパ軸受等)から構成されてもよい。
また、ケーシング43と第2内歯部材42との間であって、主軸受48よりも出力側には、オイルシール541が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
また、ケーシング43と第2内歯部材42との間であって、主軸受48よりも出力側には、オイルシール541が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
第1カバー44は、例えば、ボルト等の連結部材441を介して第1内歯部材41と連結されている。
そして、第1カバー44は、第1外歯部32と第1内歯部411とを軸方向の反出力側から覆う。第1内歯部材41及びケーシング43は、直接または間接的に外部部材に連結される。
そして、第1カバー44は、第1外歯部32と第1内歯部411とを軸方向の反出力側から覆う。第1内歯部材41及びケーシング43は、直接または間接的に外部部材に連結される。
なお、本実施形態では、外部部材(相手部材ともいう。例えば、撓み噛合い式歯車装置1を部品として組み込む本体装置の相互に動力伝達が行われる一方の部材等)と連結されて減速された運動を外部部材に出力する側を出力側(図1における左側)と呼び、軸方向における出力側とは反対側を反出力側(図1における右側)と呼ぶ。第1カバー44と起振体軸30の軸部30Bとの間には入力軸受46が配置され、起振体軸30は、回転自在に第1カバー44に支持される。なお、入力軸受46は、玉軸受を例示しているが他のラジアル軸受を使用しても良い。
また、第1カバー44と起振体軸30の軸部30Bとの間であって、入力軸受46よりも反出力側には、オイルシール542が設けられ、軸方向外側(反出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
また、第1カバー44と起振体軸30の軸部30Bとの間であって、入力軸受46よりも反出力側には、オイルシール542が設けられ、軸方向外側(反出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。
第2カバー45は、例えば、ボルト等の連結部材533を介して第2内歯部材42と連結され、第2外歯部33と第2内歯部421とを軸方向の出力側から覆う。第2カバー45及び第2内歯部材42は、減速された運動を出力する外部部材に連結される(この外部部材は、第1内歯部材41等が連結される外部部材に対して相対回転する部材)。
第2カバー45と起振体軸30の軸部30Cとの間には入力軸受47が配置され、起振体軸30は、回転自在に第2カバー45に支持される。なお、入力軸受47は、玉軸受を例示しているが他のラジアル軸受を使用しても良い。
また、第2カバー45と起振体軸30の軸部30Cとの間であって、入力軸受47よりも出力側には、オイルシール543が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。なお、第2カバー45は、第2内歯部材42と一体的に形成されてもよい。
第2カバー45と起振体軸30の軸部30Cとの間には入力軸受47が配置され、起振体軸30は、回転自在に第2カバー45に支持される。なお、入力軸受47は、玉軸受を例示しているが他のラジアル軸受を使用しても良い。
また、第2カバー45と起振体軸30の軸部30Cとの間であって、入力軸受47よりも出力側には、オイルシール543が設けられ、軸方向外側(出力側)への潤滑剤の流出を抑制する。なお、第2カバー45は、第2内歯部材42と一体的に形成されてもよい。
さらに、第1内歯部材41とケーシング43との間にはシール用のOリング551が介挿されている。
同様に、第1内歯部材41と第1カバー44との間にはシール用のOリング552が介挿され、第2内歯部材42と第2カバー45との間にはシール用のOリング553が介挿されている。
従って、撓み噛合い式歯車装置1の内部空間(第1外歯部32と第1内歯部411の噛合い部、第2外歯部33と第2内歯部421の噛合い部、主軸受48、入力軸受46,47、起振体軸受31等の存在する空間)は、潤滑剤が封入される潤滑剤封入空間とされ、オイルシール541~543やOリング551~553によって密封されている。
同様に、第1内歯部材41と第1カバー44との間にはシール用のOリング552が介挿され、第2内歯部材42と第2カバー45との間にはシール用のOリング553が介挿されている。
従って、撓み噛合い式歯車装置1の内部空間(第1外歯部32と第1内歯部411の噛合い部、第2外歯部33と第2内歯部421の噛合い部、主軸受48、入力軸受46,47、起振体軸受31等の存在する空間)は、潤滑剤が封入される潤滑剤封入空間とされ、オイルシール541~543やOリング551~553によって密封されている。
[減速動作]
図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸30が回転すると、起振体30Aの運動が第1外歯部32及び第2外歯部33に伝わる。このとき、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、第1外歯部32は、固定された第1内歯部材41の第1内歯部411と長軸部分で噛合っている。このため、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aと同じ回転速度で回転することはなく、第1外歯部32及び第2外歯部33の内側で起振体30Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、第1外歯部32及び第2外歯部33は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸30の回転周期に比例する。
図示略のモータ等から回転運動が入力され、起振体軸30が回転すると、起振体30Aの運動が第1外歯部32及び第2外歯部33に伝わる。このとき、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aの外周面に沿った形状に規制され、軸方向から見て、長軸部分と短軸部分とを有する楕円形状に撓んでいる。さらに、第1外歯部32は、固定された第1内歯部材41の第1内歯部411と長軸部分で噛合っている。このため、第1外歯部32及び第2外歯部33は、起振体30Aと同じ回転速度で回転することはなく、第1外歯部32及び第2外歯部33の内側で起振体30Aが相対的に回転する。そして、この相対的な回転に伴って、第1外歯部32及び第2外歯部33は長軸位置と短軸位置とが周方向に移動するように撓み変形する。この変形の周期は、起振体軸30の回転周期に比例する。
第1外歯部32及び第2外歯部33が撓み変形する際、その長軸位置が移動することで、第1外歯部32と第1内歯部411との噛合う位置が回転方向に変化する。ここで、第1外歯部32の歯数が100で、第1内歯部411の歯数が102だとすると、噛合う位置が一周するごとに、第1外歯部32と第1内歯部411との噛合う歯がずれていき、これにより第1外歯部32が回転(自転)する。上記の歯数であれば、起振体軸30の回転運動は減速比100:2で減速されて第1外歯部32に伝達される。
一方、第1外歯部32と基部34を共通とする第2外歯部33は、第2内歯部421と噛合っているため、起振体軸30の回転によって第2外歯部33と第2内歯部421との噛合う位置も回転方向に変化する。一方、第2内歯部421の歯数と第2外歯部33の歯数とは一致しているため、第2外歯部33と第2内歯部421とは相対的に回転せず、第2外歯部33の回転運動が減速比1:1で第2内歯部421へ伝達される。これらによって、起振体軸30の回転運動が減速比100:2で減速されて、第2内歯部材42及び第2カバー45へ伝達される。そして、この減速された回転運動が外部部材に出力される。
[ストッパーリングの詳細]
規制部材としてのストッパーリング51,52の特徴的な構造及びその配置について詳細に説明する。
ストッパーリング51は、回転軸O1を中心とする円環板状のリングである。なお、ストッパーリング51,52は、いずれも、内周側と外周側とにあそび(後述するすき間n1,n2)を設けて配置されるが、以下に説明するこれらストッパーリング51,52の配置については、特にことわりがない場合には、当該ストッパーリング51,52の中心が回転軸O1上に位置していることを前提として説明する。
ストッパーリング51の出力側の面は、外歯歯車35の反出力側の端部に対向又は当接し、ストッパーリング51の反出力側の面は、第1カバー44の出力側の端部に対向又は当接している。
さらに、ストッパーリング51は、起振体軸30(起振体30A)を支持する入力軸受46と径方向から見て重なる位置(径方向外側)に配置されている。即ち、ストッパーリング51の外周は、第1内歯部材41の内周であって第1内歯部411よりも反出力側に対向し、ストッパーリング51の内周は、入力軸受46の外輪461の外周に対向して配置されている。
規制部材としてのストッパーリング51,52の特徴的な構造及びその配置について詳細に説明する。
ストッパーリング51は、回転軸O1を中心とする円環板状のリングである。なお、ストッパーリング51,52は、いずれも、内周側と外周側とにあそび(後述するすき間n1,n2)を設けて配置されるが、以下に説明するこれらストッパーリング51,52の配置については、特にことわりがない場合には、当該ストッパーリング51,52の中心が回転軸O1上に位置していることを前提として説明する。
ストッパーリング51の出力側の面は、外歯歯車35の反出力側の端部に対向又は当接し、ストッパーリング51の反出力側の面は、第1カバー44の出力側の端部に対向又は当接している。
さらに、ストッパーリング51は、起振体軸30(起振体30A)を支持する入力軸受46と径方向から見て重なる位置(径方向外側)に配置されている。即ち、ストッパーリング51の外周は、第1内歯部材41の内周であって第1内歯部411よりも反出力側に対向し、ストッパーリング51の内周は、入力軸受46の外輪461の外周に対向して配置されている。
また、ストッパーリング52も、回転軸O1を中心とする円環板状のリングである。ストッパーリング52の反出力側の面は、外歯歯車35の出力側の端部に対向又は当接し、ストッパーリング52の出力側の面は、第2カバー45の反出力側の端部に対向又は当接している。
さらに、ストッパーリング52は、起振体軸30(起振体30A)を支持する入力軸受47と径方向から見て重なる位置(径方向外側)に配置されている。即ち、ストッパーリング52の外周は、第2内歯部材42の内周であって第2内歯部421よりも出力側に対向し、ストッパーリング52の内周は、入力軸受47の外輪471の外周に対向して配置されている。
さらに、ストッパーリング52は、起振体軸30(起振体30A)を支持する入力軸受47と径方向から見て重なる位置(径方向外側)に配置されている。即ち、ストッパーリング52の外周は、第2内歯部材42の内周であって第2内歯部421よりも出力側に対向し、ストッパーリング52の内周は、入力軸受47の外輪471の外周に対向して配置されている。
ストッパーリング51とストッパーリング52とは、回転軸O1に垂直な平面について面対称となる構造及び配置であることから、これ以降は、主に、ストッパーリング52について説明し、ストッパーリング51についてはその説明を省略又は簡略化する。
図2はストッパーリング52周辺の起振体30Aの長軸を含む方向の軸方向拡大断面図であり、図3はストッパーリング52周辺の起振体30Aの短軸を含む方向の軸方向拡大断面図である。
ストッパーリング52は、外歯歯車35と軸方向に当接する本体部521と、外歯歯車35の第2外歯部33における歯底331から歯先332を含む範囲に軸方向に対向する外側部522とを有する。
外側部522は、本体部521の径方向外側に位置し、外側部522と本体部521とは、一体的に構成されている。
ストッパーリング52は、外歯歯車35と軸方向に当接する本体部521と、外歯歯車35の第2外歯部33における歯底331から歯先332を含む範囲に軸方向に対向する外側部522とを有する。
外側部522は、本体部521の径方向外側に位置し、外側部522と本体部521とは、一体的に構成されている。
本体部521における外歯歯車35側の端面は、回転軸O1に対して垂直な平面523からなる。この本体部521の外歯歯車35側の平面523は、外歯歯車35における起振体30Aの長軸(図2)及び短軸(図3)のいずれの位置であっても(また、後述する外周側と内周側のすき間n1,n2による径方向の移動を生じた場合でも)、対向する外歯歯車35の端面における歯底331よりも径方向内側の部分が当接するように、当該平面523の外径及び内径の寸法が設定されている。本実施形態において、本体部521は、外輪31aとも軸方向に対向し、外輪31aの軸方向移動も規制する。
本体部521の平面523は、当接により、外歯歯車35の軸方向の出力側への移動を規制する。
本体部521の平面523は、当接により、外歯歯車35の軸方向の出力側への移動を規制する。
外側部522における外歯歯車35側の端面は、本体部521の平面523よりも反外歯歯車側に位置している。より詳細には、外側部522における外歯歯車35側の端面は、本体部521の外縁から径方向外側に向かって、外歯歯車35から徐々に離れる傾斜面(円錐面)524となっている。この傾斜面524は、反外歯歯車側に傾斜しているので、面全体が外歯歯車35に対して常に非接触状態を維持することができる。
この外側部522の外歯歯車35側の傾斜面524は、外歯歯車35における起振体30Aの長軸(図2)及び短軸(図3)のいずれの位置であっても(また、後述する外周側と内周側のすき間n1,n2による径方向の移動を生じた場合でも)、対向する外歯歯車35の端面における歯底331を含むその径方向外側の部分が非接触で対向するように、当該平面523の外径及び内径の寸法が設定されている。
外歯歯車35及びストッパーリング51,52は、例えば、金属材料から形成される。さらに、外歯歯車35が可撓性を要求されることから、ストッパーリング51,52よりも軟質の金属材料が選択される場合がある。
このように、硬さが異なる場合であっても、外側部522の傾斜面524により、外歯歯車35の歯底331を含むその径方向外側の部分は、常に、ストッパーリング52との非接触状態を維持することができるため、外歯歯車35の歯底331を含む径方向外側の部分の摺接による摩耗を抑制することができる。
このように、硬さが異なる場合であっても、外側部522の傾斜面524により、外歯歯車35の歯底331を含むその径方向外側の部分は、常に、ストッパーリング52との非接触状態を維持することができるため、外歯歯車35の歯底331を含む径方向外側の部分の摺接による摩耗を抑制することができる。
ストッパーリング52の本体部521の反外歯歯車側の端面と外側部522の反外歯歯車側の端面は面一であって、回転軸O1に対して垂直な一つの平面525から構成されている。
また、ストッパーリング52の内周と入力軸受47の外輪471との間の径方向すき間n1は、ストッパーリング52の外周とその径方向外側の部材である第2内歯部材42の内周との間の径方向すき間n2よりも小さい(n1<n2)。
また、ストッパーリング52の内周と入力軸受47の外輪471との間の径方向すき間n1は、ストッパーリング52の外周とその径方向外側の部材である第2内歯部材42の内周との間の径方向すき間n2よりも小さい(n1<n2)。
[ストッパーリングの特徴的な構造及び配置に基づく技術的効果]
ここで、特徴的な構造及び配置を有さないストッパーリング51X,52Xを備える撓み噛合い式歯車装置1Xの軸方向断面図を図4に示す。
この撓み噛合い式歯車装置1Xと比較しつつ撓み噛合い式歯車装置1の技術的効果について説明する。
ここで、特徴的な構造及び配置を有さないストッパーリング51X,52Xを備える撓み噛合い式歯車装置1Xの軸方向断面図を図4に示す。
この撓み噛合い式歯車装置1Xと比較しつつ撓み噛合い式歯車装置1の技術的効果について説明する。
撓み噛合い式歯車装置1Xのストッパーリング51X,52Xは、入力軸受46,47に対して径方向から見て重ならない配置であって、軸方向に隣接している。このため、各ストッパーリング51X,52Xは、各入力軸受46,47と外歯歯車35及び起振体軸受31との間に介挿された配置となっている。これにより、撓み噛合い式歯車装置1Xは、軸方向について大型化することが問題であった。
これに対して、撓み噛合い式歯車装置1は、各ストッパーリング51,52が各入力軸受46,47の径方向外側に位置し、軸方向に並ばない配置となっている。
このため、撓み噛合い式歯車装置1は、上記撓み噛合い式歯車装置1Xの問題を解消し、軸方向について小型化を図ることが可能となっている。
これに対して、撓み噛合い式歯車装置1は、各ストッパーリング51,52が各入力軸受46,47の径方向外側に位置し、軸方向に並ばない配置となっている。
このため、撓み噛合い式歯車装置1は、上記撓み噛合い式歯車装置1Xの問題を解消し、軸方向について小型化を図ることが可能となっている。
また、撓み噛合い式歯車装置1は、各ストッパーリング51,52が各入力軸受46,47の径方向外側に配置されているので、これに対応して外歯歯車35を径方向外側に拡張することができ、撓み噛合い式歯車装置1Xに比べて外歯歯車35のピッチ円直径の拡大を図ることができる。
これにより、外歯歯車35の第1外歯部32、第2外歯部33と第1内歯部411、第2内歯部421との噛み合いにおいて、外歯と内歯のトルク当たりの接線力を低減し、負担低減による互いの長寿命化を図ることが可能となる。或いは、撓み噛合い式歯車装置1のトルク容量の拡大を図ることが可能となる。
これにより、外歯歯車35の第1外歯部32、第2外歯部33と第1内歯部411、第2内歯部421との噛み合いにおいて、外歯と内歯のトルク当たりの接線力を低減し、負担低減による互いの長寿命化を図ることが可能となる。或いは、撓み噛合い式歯車装置1のトルク容量の拡大を図ることが可能となる。
また、各ストッパーリング51,52が各入力軸受46,47の径方向外側に配置されたことに伴い、起振体軸受31と各入力軸受46,47とがストッパーリング51,52を介在させることなく、直接的に軸方向に対向した状態となる。
仮に、撓み噛合い式歯車装置1Xにおいて、各ストッパーリング51X,52Xが介在することなく、起振体軸受31と各入力軸受46,47とを直接的に軸方向に対向させた場合、起振体軸受31の保持器31cと各入力軸受46,47の保持器462,472が対向する。その場合、撓み噛合い式歯車装置1Xの駆動時において、保持器31cと保持器462,472とが相対的に回転することにより、摺動を生じ得る。これらの保持器31c,462,472は、相互の摺動により摩耗を生じ得る。また、これらの保持器31c,462,472は、例えば、樹脂等から構成される場合、より顕著に摩耗を生じ得る。
仮に、撓み噛合い式歯車装置1Xにおいて、各ストッパーリング51X,52Xが介在することなく、起振体軸受31と各入力軸受46,47とを直接的に軸方向に対向させた場合、起振体軸受31の保持器31cと各入力軸受46,47の保持器462,472が対向する。その場合、撓み噛合い式歯車装置1Xの駆動時において、保持器31cと保持器462,472とが相対的に回転することにより、摺動を生じ得る。これらの保持器31c,462,472は、相互の摺動により摩耗を生じ得る。また、これらの保持器31c,462,472は、例えば、樹脂等から構成される場合、より顕著に摩耗を生じ得る。
これに対して、撓み噛合い式歯車装置1では、前述した各ストッパーリング51,52の配置により、外歯歯車35のピッチ円直径の拡張に伴い、起振体軸受31の転動体31bと保持器31cとをより径方向外側に配置することができる。これにより、保持器31cを入力軸受46,47の外輪461,471と軸方向に対向する配置とすることができる。
なお、起振体軸受31の保持器31cも、起振体30Aの長軸位置と短軸位置とで径方向の位置が変動するが、いずれの場合も、保持器31cは、入力軸受46,47の外輪461,471と軸方向に対向するようになっている。
なお、起振体軸受31の保持器31cも、起振体30Aの長軸位置と短軸位置とで径方向の位置が変動するが、いずれの場合も、保持器31cは、入力軸受46,47の外輪461,471と軸方向に対向するようになっている。
入力軸受46,47の外輪461,471は、高硬度金属材料から構成され、表面粗さも十分に小さくなるように研磨されている場合が多いことから、保持器31cが、入力軸受46,47の外輪461,471と摺動を生じた場合であっても、起振体軸受31の保持器31cの摩耗を低減することが可能となる。
また、入力軸受46,47の保持器462,472も起振体軸受31の保持器31cとの摺動が抑制され、摩耗を低減することが可能となる。
また、入力軸受46,47の保持器462,472も起振体軸受31の保持器31cとの摺動が抑制され、摩耗を低減することが可能となる。
また、撓み噛合い式歯車装置1Xの各ストッパーリング51X,52Xの内周側の径方向すき間を外周側の径方向すき間よりも非常に大きくしているが、撓み噛合い式歯車装置1では、各ストッパーリング51,52の内周側の径方向すき間n1を外周側の径方向すき間n2よりも小さくしている。
このため、撓み噛合い式歯車装置1では、各ストッパーリング51,52の径方向外側への移動が規制され、ストッパーリング51,52の外周が第1内歯部材41の内周や第2内歯部材42の内周に摺動することを十分に抑制することができる。
一方、撓み噛合い式歯車装置1Xの各ストッパーリング51X,52Xの場合には、その内周の起振体軸30との摺動を抑制可能である。しかしながら、ストッパーリング51,52とストッパーリング51X,52Xとが等しい回転速度で回転する前提の場合、内周側で摺動を生じ得るストッパーリング51,52は、外周側で摺動を生じ得るストッパーリング51X,52Xよりも摺動速度を低減させることができ、互いに摺動する部材間での摩耗の低減を図ることが可能である。
また、ストッパーリング51,52の径方向内側に位置する入力軸受46,47の外輪461,471は、前述したように、高硬度材料で構成され、表面粗さが十分に小さい場合が多く、このような場合、各ストッパーリング51,52側の摩耗の低減を図ることが可能である。
このため、撓み噛合い式歯車装置1では、各ストッパーリング51,52の径方向外側への移動が規制され、ストッパーリング51,52の外周が第1内歯部材41の内周や第2内歯部材42の内周に摺動することを十分に抑制することができる。
一方、撓み噛合い式歯車装置1Xの各ストッパーリング51X,52Xの場合には、その内周の起振体軸30との摺動を抑制可能である。しかしながら、ストッパーリング51,52とストッパーリング51X,52Xとが等しい回転速度で回転する前提の場合、内周側で摺動を生じ得るストッパーリング51,52は、外周側で摺動を生じ得るストッパーリング51X,52Xよりも摺動速度を低減させることができ、互いに摺動する部材間での摩耗の低減を図ることが可能である。
また、ストッパーリング51,52の径方向内側に位置する入力軸受46,47の外輪461,471は、前述したように、高硬度材料で構成され、表面粗さが十分に小さい場合が多く、このような場合、各ストッパーリング51,52側の摩耗の低減を図ることが可能である。
さらに、前述した通り、撓み噛合い式歯車装置1の各ストッパーリング51,52は、傾斜面が本体部の平面より反外歯歯車に位置しているので、撓み噛合い式歯車装置1Xに比べて、外歯歯車35の第1外歯部32と第2外歯部33の歯底から歯先に至る範囲、即ち、外歯歯車35の外歯全体との摺接を抑制し、相互間の摩耗を低減することが可能となる。また、摩耗粉による外歯のアブレッシブ摩耗も抑制することが可能となる。
さらに、各ストッパーリング51,52は、本体部及び外側部の反外歯歯車側の端面が面一であるため、各ストッパーリング51,52の径方向の幅に比して単一の平坦面の面積を広く確保することができる。これにより、各ストッパーリング51X,52Xに比べて、各ストッパーリング51,52を反外歯歯車側から広い面積で当接した状態で支持することができ、各ストッパーリング51,52の安定化を図り、外歯歯車35の軸方向の支持及び移動規制を良好に行うことが可能となる。
[他の形態(1)]
図2及び図3に示すように、撓み噛合い式歯車装置1の第2内歯部材42の内周には、第2内歯部421の軸方向に隣接する部分に径方向外側に窪んだ周溝状の凹部422が形成されている。この凹部422は、第2内歯部421を除いた第2内歯部材42の内周を研磨工具で研磨する際に、研磨する範囲を凹部422によって第2内歯部421から離隔させることで、研磨工具と第2内歯部421との干渉を回避するための逃げ構造である。
なお、このような周溝状の凹部は、第1内歯部材41の内周における第1内歯部411の軸方向に隣接する部分にも形成されている。
図2及び図3に示すように、撓み噛合い式歯車装置1の第2内歯部材42の内周には、第2内歯部421の軸方向に隣接する部分に径方向外側に窪んだ周溝状の凹部422が形成されている。この凹部422は、第2内歯部421を除いた第2内歯部材42の内周を研磨工具で研磨する際に、研磨する範囲を凹部422によって第2内歯部421から離隔させることで、研磨工具と第2内歯部421との干渉を回避するための逃げ構造である。
なお、このような周溝状の凹部は、第1内歯部材41の内周における第1内歯部411の軸方向に隣接する部分にも形成されている。
図1~図3に示す撓み噛合い式歯車装置1では、第2内歯部材42の凹部422が径方向から見て、ストッパーリング52と重ならない配置となっている(第1内歯部材41の凹部とストッパーリング51も同様)。
これに対して、図5に示すように、第2内歯部材42の凹部422を、径方向から見て、ストッパーリング52と重なる配置に変更してもよい。
これに対して、図5に示すように、第2内歯部材42の凹部422を、径方向から見て、ストッパーリング52と重なる配置に変更してもよい。
凹部422を図5に示す配置に変更した場合、凹部422により、第2内歯部材42の外径を拡大させることなく、また、第2内歯部材42の径方向の肉厚t42を縮小させることなく、ストッパーリング52の外径を拡大させることができる。
従って、撓み噛合い式歯車装置1の大型化を伴うことなく、外歯歯車35の第1外歯部32及び第2外歯部33のピッチ円の直径を拡大させることが可能となり、外歯と内歯のトルク当たりの接線力低減による撓み噛合い式歯車装置1のさらなる長寿命化、又は、トルク容量のさらなる拡大を図ることが可能となる。具体的には、本実施形態においては、外歯歯車35の歯先(第1内歯部411、第2内歯部421の歯底)が、第2内歯部材42の凹部422に対して反第2内歯部421側の内周面424と凹部422の底面との間の径方向位置に位置するところまで、ピッチ円直径を拡大できている。
なお、本実施形態のストッパーリング52は、剛性の高い鋼製であるため、組立性を考慮して、ストッパーリング52の外径を内周面424の内径とほぼ同一にしている。しかし、ストッパーリング52を樹脂等の弾性の大きい素材で構成した場合には、弾性変形させて組み立てることが可能となる。そのため、ストッパーリング52の外径を内周面424の内径よりも大きくして、ストッパーリング52が凹部422内に入り込むようにしてもよい。この場合には、外歯歯車35のピッチ円直径をさらに大きくできる。
また、本実施形態のように、ストッパーリング52の軸方向範囲全体が、凹部422と径方向から見て重なるように構成していても、ストッパーリング52の内周と軸受47の外輪471外周との隙間を小さくし、ストッパーリング52の内周側で径方向の位置決めを行うようにしているので、ストッパーリング52が凹部422の存在によりガタつくこともない。
従って、撓み噛合い式歯車装置1の大型化を伴うことなく、外歯歯車35の第1外歯部32及び第2外歯部33のピッチ円の直径を拡大させることが可能となり、外歯と内歯のトルク当たりの接線力低減による撓み噛合い式歯車装置1のさらなる長寿命化、又は、トルク容量のさらなる拡大を図ることが可能となる。具体的には、本実施形態においては、外歯歯車35の歯先(第1内歯部411、第2内歯部421の歯底)が、第2内歯部材42の凹部422に対して反第2内歯部421側の内周面424と凹部422の底面との間の径方向位置に位置するところまで、ピッチ円直径を拡大できている。
なお、本実施形態のストッパーリング52は、剛性の高い鋼製であるため、組立性を考慮して、ストッパーリング52の外径を内周面424の内径とほぼ同一にしている。しかし、ストッパーリング52を樹脂等の弾性の大きい素材で構成した場合には、弾性変形させて組み立てることが可能となる。そのため、ストッパーリング52の外径を内周面424の内径よりも大きくして、ストッパーリング52が凹部422内に入り込むようにしてもよい。この場合には、外歯歯車35のピッチ円直径をさらに大きくできる。
また、本実施形態のように、ストッパーリング52の軸方向範囲全体が、凹部422と径方向から見て重なるように構成していても、ストッパーリング52の内周と軸受47の外輪471外周との隙間を小さくし、ストッパーリング52の内周側で径方向の位置決めを行うようにしているので、ストッパーリング52が凹部422の存在によりガタつくこともない。
また、凹部422がストッパーリング52側に移動するので、第2内歯部421の歯幅を拡大することができ、外歯と内歯の接触範囲を拡大させることができるので、これによる撓み噛合い式歯車装置1のさらなる長寿命化、又は、トルク容量のさらなる拡大も図ることが可能となる。
また、図5では、第2内歯部材42の凹部422の配置について例示したが、第1内歯部材41の凹部についても第2内歯部材42と同様に、ストッパーリング51と重なる配置に変更することが可能である。そして、第2内歯部材42の凹部422と同一の技術的効果を得ることが可能である。
[他の形態(2)]
図6は他の例であるストッパーリング52A周辺の起振体30Aの長軸を含む軸方向拡大断面図である。
前述したストッパーリング52では、外側部522の外歯歯車35側の端面を傾斜面524としたが、外歯歯車35の第2外歯部33における歯底331から歯先332を含む範囲に非接触とすることができれば他の形態であってもよい。
例えば、図6に示すストッパーリング52Aのように、外側部522Aが本体部521に対する段部を有し、これにより外側部522Aの端面524Aが軸方向について外歯歯車35から離隔する構造としてもよい。
なお、起振体30Aの長軸と短軸のいずれの位置である場合も非接触であることが好ましい。また、すき間n1,n2による径方向の移動を考慮した場合でも非接触であることが好ましい。
また、反出力側のストッパーリング51についても、ストッパーリング52Aと同様の構造に変更してもよい。
図6は他の例であるストッパーリング52A周辺の起振体30Aの長軸を含む軸方向拡大断面図である。
前述したストッパーリング52では、外側部522の外歯歯車35側の端面を傾斜面524としたが、外歯歯車35の第2外歯部33における歯底331から歯先332を含む範囲に非接触とすることができれば他の形態であってもよい。
例えば、図6に示すストッパーリング52Aのように、外側部522Aが本体部521に対する段部を有し、これにより外側部522Aの端面524Aが軸方向について外歯歯車35から離隔する構造としてもよい。
なお、起振体30Aの長軸と短軸のいずれの位置である場合も非接触であることが好ましい。また、すき間n1,n2による径方向の移動を考慮した場合でも非接触であることが好ましい。
また、反出力側のストッパーリング51についても、ストッパーリング52Aと同様の構造に変更してもよい。
[その他]
上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態で示した撓み噛合い式歯車装置1は、筒型の構成を例に挙げて説明したが、筒型以外の撓み噛合い式歯車装置、例えばカップ型やシルクハット型などにもストッパーリング51又は52の構造や配置を好適に適用することが可能である。
上記実施形態で示した細部は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態で示した撓み噛合い式歯車装置1は、筒型の構成を例に挙げて説明したが、筒型以外の撓み噛合い式歯車装置、例えばカップ型やシルクハット型などにもストッパーリング51又は52の構造や配置を好適に適用することが可能である。
1,1X 撓み噛合い式歯車装置
30 起振体軸
30A 起振体
31 起振体軸受
31c 保持器
462,472 保持器
32 第1外歯部
33 第2外歯部
331 歯底
332 歯先
35 外歯歯車
41 第1内歯部材
411 第1内歯部
42 第2内歯部材
421 第2内歯部
422 凹部
46,47 入力軸受
461,471 外輪
462,472 保持器
51,52,52A ストッパーリング
51X,52X ストッパーリング
521 本体部
522,522A 外側部
523 平面
524 傾斜面
524A 端面
525 平面
O1 回転軸
n1,n2 径方向すき間
30 起振体軸
30A 起振体
31 起振体軸受
31c 保持器
462,472 保持器
32 第1外歯部
33 第2外歯部
331 歯底
332 歯先
35 外歯歯車
41 第1内歯部材
411 第1内歯部
42 第2内歯部材
421 第2内歯部
422 凹部
46,47 入力軸受
461,471 外輪
462,472 保持器
51,52,52A ストッパーリング
51X,52X ストッパーリング
521 本体部
522,522A 外側部
523 平面
524 傾斜面
524A 端面
525 平面
O1 回転軸
n1,n2 径方向すき間
Claims (7)
- 起振体と、
当該起振体により撓み変形する外歯歯車と、
当該外歯歯車と噛合う内歯歯車と、
前記外歯歯車と軸方向に対向して当該外歯歯車の軸方向移動を規制する規制部材と、
を備える撓み噛合い式歯車装置であって、
前記規制部材は、前記外歯歯車と軸方向に当接する本体部と、当該本体部の径方向外側に位置し、前記外歯歯車の歯底および歯先と軸方向に対向する外側部と、を有し、
前記外側部の前記外歯歯車側の端面は、前記本体部の前記外歯歯車側の端面よりも反外歯歯車側に位置している
撓み噛合い式歯車装置。 - 前記外側部の前記外歯歯車側の端面は、前記本体部の外縁から径方向外側に向かって、前記外歯歯車から徐々に離れる
請求項1に記載の撓み噛合い式歯車装置。 - 前記本体部の前記反外歯歯車側の端面と前記外側部の前記反外歯歯車側の端面は面一である
請求項1又は請求項2に記載の撓み噛合い式歯車装置。 - 前記起振体を支持する入力軸受は、前記規制部材と径方向から見て重なる位置に配置される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の撓み噛合い式歯車装置。 - 前記起振体と前記外歯歯車の間に配置される起振体軸受を有し、当該起振体軸受の転動体を保持する保持器は、前記入力軸受の外輪と軸方向に対向する
請求項4に記載の撓み噛合い式歯車装置。 - 前記規制部材と前記入力軸受の外輪との間の径方向すき間は、前記規制部材の径方向外側の部材と前記規制部材との間の径方向すき間よりも小さい
請求項4又は請求項5に記載の撓み噛合い式歯車装置。 - 前記内歯歯車と軸方向に隣接する部分に径方向外側に逃げた凹部を有し、当該凹部は径方向から見て前記規制部材と重なる
請求項6に記載の撓み噛合い式歯車装置。
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---|---|---|---|
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